令和4年 福祉保健委員会(12月8日)
1.開会日時
令和4年12月8日(木)
午後1時30分 開会
午後2時49分 閉会
2.開会場所
第一委員会室
3.出席者
(8人)
委員長 瓜生 正高
副委員長 太田 太
代理 竹内 幸美
委員 田中 耕太郎
代理 墨谷 浩一
委員 高橋 まきこ
委員 しらす 夏
議長 木村 克一
4.欠席者
(2人)
委員 礒野 忠
委員 中島 賢治
5.出席説明員
(12人)
山本区長
齊藤副区長
田中福祉保健部長
植木管理課長
石戸子育て支援課長
古賀保育課長
須貝子ども家庭支援センター所長
北澤高齢者施策推進室長
早川高齢者福祉課長
阿部介護保険課長
渡瀬保健所長
小林生活衛生課長
6.議会局職員
伊藤議会局長
小倉議事係長
坂和書記
鳴子書記
7.議題
- 福祉及び保健の調査について
(午後1時30分 開会)
○瓜生委員長
これより福祉保健委員会を開会いたします。
本日、礒野委員並びに中島委員は欠席のため、竹内議員並びに墨谷議員から、それぞれ代理出席の申出がありましたが、よろしいでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○瓜生委員長
竹内議員並びに墨谷議員は委員席へお願いします。
それでは、理事者報告をお願いいたします。
○田中福祉保健部長
1 児童虐待対応の連携強化に関する協定の締結及び覚書の取り交わしについて(資料1)
以上1件報告
○瓜生委員長
発言の持ち時間制につきましては、既に御承知のとおりですので、よろしく願います。ただいまの時刻は午後1時33分です。自由民主党さん104分、公明党さん41分、かがやき中央さん41分、維新の会さん10分となります。
それでは、理事者報告に対する質疑に入ります。
発言を願います。
○田中(耕)委員
私から、今回、資料1だけですけれども、児童虐待対応の連携強化について1点だけお伺いいたします。
今回の内容を見ますと、警視庁、区内の4警察署との虐待の防止等を見据えた締結内容ということで、これ自体は非常に重要だと思いますし、評価するところですけれども、現在行われている取組と、今回の覚書を取り交わしたことによる違いといったものを具体的に教えていただけないかというふうに思います。
今、御説明があったように、虐待の予防と早期発見、要保護児童対策をしていくというのは、当然、何よりも重要なことだというふうに思っておりますし、現在もそういった取組は、区というか、行政一丸となって、また一般の方々も含めて、行っているというふうに思います。児童相談所のみならず警察との連携も、情報共有等は今までも行われているといった御報告をいただいていたというふうに思いますので、改めてこの協定を締結したことによって、具体的に何が変わるのかについてお示しをお願いいたします。
○須貝子ども家庭支援センター所長
今回の協定を締結することにつきまして、どのように変化があるかというところでお答えしたいと思います。
今までも、令和元年に締結いたしました協定に基づきまして、事案が起きた際に、その対象者について相談歴があるかどうか、また警察が関わった事案であるかどうかを電話で照会し合うというところで警察とは連携してまいりました。今回、新たに警視庁と締結する協定につきましては、今後は事前にお互いが持っている虐待事案につながりそうな情報を定期的にメールで交換することによりまして、その情報をお互いにデータベース化することが大きな新たな内容と考えております。その情報を事前にデータベース化することによって、何か警察への通告ですとか、子ども家庭支援センターに相談があった際に、警察とお互いにやり取りしたデータを確認することができることから、迅速な虐待対応、また早期発見につながると考えております。
また、もう一点、区内の4警察署との覚書の中で新たな要素といたしまして、児童の安全確認における警察との連携が可能となります。子ども家庭支援センターのほうでは、虐待を疑う通告を受けますと、必ず24時間以内に児童の安全確認を行っております。その際に、保護者が安全確認を拒否するような場合がございましたときに、警察の協力を仰ぎまして、連携しながら安全確認を行うことが可能となってまいります。そのような部分が今回の覚書で新たに変わるところでございます。
以上でございます。
○田中(耕)委員
ありがとうございます。
そういたしますと、今回の覚書、協定書を見ますと、データベース化、今まで電話等での口頭での対応だったということですけれども、データベースというのは完全に同じフォームとかに共有されるという理解なのか、それぞれが同内容のデータベースをつくるということなのか。全く同じなのか、類似したものをそれぞれにつくるということなのか、その点についてお知らせしていただきたいのと、先ほどの24時間以内の安全確認の際の警察の協力というのは、例えば立入りや児童・生徒の安全確認に出向いた際に警察官の立会いの協力を求めていくというような理解でよろしいのかどうか、具体的な事案について教えてください。
○須貝子ども家庭支援センター所長
まず、データベース化でございますが、実際にはエクセルの状態でデータをやり取りいたしまして、お互いのシステム、子ども家庭支援センターですと相談管理システムというものがございますけれども、そちらに記録を残すことによりまして、データの管理をしていくと考えております。また、警視庁のほうでも同じように、管理するシステムがございまして、子ども家庭支援センターから情報を提供することによりまして、そのシステムに登録しますと区内の警察署でも即座に確認できるようなシステムを持っているということですので、そのようなシステムに登録することによって、データを活用していくというふうに考えております。
また、安全確認についてですが、私、先ほど24時間以内と申し上げてしまったかもしれないですけれども、48時間以内に安全確認をするということで決まりがございまして、委員御案内ありましたとおり、安全確認が子ども家庭支援センターだけで難しい場合には、警察に同行いただきまして、保護者のほうにアプローチするといったようなことで考えております。
以上でございます。
○田中(耕)委員
おおむね理解はいたしました。
システムのほうは、当然、警察と行政、本区として行っていく対応の内容ですとか、守備範囲、法的な課題も含めて異なりますので、完全に同一化するというのは難しいのやもしれませんけれども、反映するタイムラグや入力の相違、程度の相違も含めて、せっかくデータベースを互換性を持っていくという話でございますので、極力タイムラグがないようにしていただきたいということと、それから、その程度等、ニュアンスの違い等が発生しないようなシステムの構築についても御努力をいただきたいというふうに思います。
あと、安全確認については48時間ということで理解をいたしました。先ほどは私の聞き違いだったかもしれませんが、そうしたら申し訳なかったです。
残念ながら、残念なニュースというのは、連日、虐待については報道等でも報じられております。どうしても強制権が乏しいといったことで対応が難しいという点もありますし、引っ越しして転居した場合の対応については引継ぎが、これまで行政や児童相談所でも努力はしていたものの、最後まで追い切れず、残念な事案が全国でも発生しているということもあります。先ほどのデータ情報の共有化もそうですけれども、追跡する機能ですとか、時系列を追って確認をしていく、その場限りではない対応をお願いいたしまして質問を終わります。
○高橋(ま)委員
私からも、資料1についてお伺いします。
今、概要についても、変わる点をお聞かせいただきました。児童虐待においては、予防が最も大切なことで、今回の協定のような実効を伴う対策というのは非常に有意義であり、大切な取組だと考えます。
そこで、今回、この対応が区の中で変わるところ、また、覚書の相手との取組で変わるところを伺ったのですが、東京都の中ですので、これまでも都児相が警察と連携されてきました。今回、この協定が取り交わされることによりまして、都児相と警察の連携、また区の子ども家庭支援センターと警察との連携でどういったところが変わるか、ここは対応について教えていただきたいと思います。
もう一点ですが、先ほども少し触れましたけれども、通報がそれぞれにあったときに何が変わるかというところを確認したいと思います。それぞれというのは、子ども家庭支援センターに通報なり御連絡があった場合、また、警察に通報があった場合に、それぞれどのように対応が変わるかというところを聞きたいと思います。
理由ですが、これまで警察通報の場合は児相が出ていかないとならないので、48時間と長めの時間であったと聞いてきた経緯がございまして、今回、区と警察との覚書によって区の子ども家庭支援センターが動くということになると、48時間も長いのかなと感じるところもありましたので、この対応が変わる点についても教えてください。お願いします。
○須貝子ども家庭支援センター所長
まず、都児相との連携、それから区と警察との連携の部分でございます。
今まで、警察のほうに通告がありますと、東京都児童相談所のほうに送致ということでやってきたところではございますが、警察としましては、区から定期的に情報提供しますデータのほうを確認していただきまして、区の相談歴ですとか、児相も含めた警察以外の関わりの部分、相談歴の部分を確認してから、通告をするかどうかという判断をするというところが変わってくるかと思います。
また、区におきましても、事案が発生したときに、警察に照会をかけるところですが、並行しまして、事前に覚書を取り交わしている警察が関わってきた事案の内容を確認することによって、照会をするよりも早く発見をすることができるというふうに考えております。
また、警察から身柄付き通告ということで児童相談所に保護されるケースにつきましては、なかなか区のほうに情報が下りてくるまでに時間がかかったところでございますけれども、今回、定期的に情報を交換することによりまして、警察からの情報提供が今よりも早くなるというふうに考えております。
次に、通報があった場合の区の動きです。
まず、通告があった場合には、相談歴は今までどおり確認しますし、警察のほうにも相談歴の照会をするところは今までと変わらないところですけれども、あわせて、持っているデータベースに関する情報確認ができるというところから、きめ細かく、また、事前にいただく情報の活用というところが変わってくるかなというふうに考えております。
以上でございます。
○高橋(ま)委員
ありがとうございます。
やはり概要、通報自体だけではなくて、その背景であるとか、関わりがあった関係とか、そういったところの確認までできるということで、視野を広く持った対応ができるところがメリットになるのかなというところを聞いて、伺ったところであります。
また、データベースの情報確認を活用していくというところで、これまでも通報と実態が乖離してしまっていたケースであるとか、保護者の同意を得にくい場合の対応を取らざるを得なかったケース等もあったかと思いますので、ここはやはり実態に即した形で、重要なところに手が届くという対応になっていくことを、無駄なくというところも含めて、望むところであります。
また詳しくお聞きしたい点もありますが、そちらは後の時間でお伺いします。ありがとうございます。
○しらす委員
よろしくお願いいたします。
資料1について、関連してお伺いいたします。
児童虐待が年々増えていることを考えますと、大変痛ましいことだと思っております。このたび、児童虐待対応の連携強化に関する協定の締結及び覚書の取り交わしがなされるということで、期待がかかるところでございますが、児童虐待に関しましては、早い段階で気づくことが大変重要だと考えております。
その中で、中央区におきまして、中央区の地域性、住民の方々とか、地域の関わり方とか、中央区の特性を考えたときに、通報のされ方はどのように想定されているのかお聞かせいただきたいというのと、通報がスムーズにされますように、どのような策を考えているのか、お答えをお願いいたします。
○須貝子ども家庭支援センター所長
現在でも、夫婦げんかをはじめとする家庭内のトラブルは、中央区の区民の方の特性なのか分からないですけれども、警察へ通報される方が非常に多いというふうに考えております。警察の介入を望まれる方が多いというところから、通報に関しましては比較的多いというふうな実感がございます。
あわせまして、地域の方からの児童虐待を早期発見するような通告というところは、集合住宅などが多く、地域との関わりが希薄といった本区の特性もございますので、そういったところがなかなか進んでいない、危惧されるところであると考えております。要保護児童対策地域協議会などのネットワークを活用しまして、地域の皆さん、また学校、保育園、様々な関係機関の皆さんからスムーズな通告を行ってもらえるよう、そのような取組は進めていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○しらす委員
御答弁ありがとうございました。
本区におきましては、家庭内のトラブルでは警察に直接通報される方が多いということで、よく分かりました。
児童虐待に関しましては、集合住宅が多いという点で、地域との関わりが割合希薄であるから、スムーズな通告がされますように今後尽力してくださるということで承知いたしました。
また、気づいていても、通告した後にどうなるか、関わりたくないですとか、逆に、もっと重大になってしまっても困るし、家族が引き離されるのではないか、その御心配をする意味で通告しないという方もいらっしゃると思いますので、通告した後にどうなるかということと、また、虐待かもと思ったら気軽に虐待対応ダイヤルがあるということを周知していただいて、また、通報した人が匿名性を持って、名のらなくてもいいということも周知いただくと、よりスムーズに連絡がいくような運びになっていくと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、聖路加国際大学、本区で唯一の大学があると思うんですが、学生たちでボランティアをしたいという方もよく耳にします。他自治体では、学生たちが児童虐待ダイヤルの周知動画などを作っていたりもしますので、作っていただけたらと考えておりますが、その点、お考えを伺いたいと思います。
○須貝子ども家庭支援センター所長
通告した後、どうなるかといった点でございますけれども、現在、警察への通告がございますと、児童相談所のほうに送致がありまして、また、家庭内の軽易なトラブルで、地域の子ども家庭支援センターが関わったほうがいいという場合には、東京ルールに基づきまして、子ども家庭支援センターのほうに送致される仕組みになっております。送致を受けますと、区の子ども家庭支援センターのほうでは、家庭訪問ですとか、聞き取りなどから、子供に適切な養育がされるよう助言などをさせていただきまして、寄り添った対応をしているところでございます。また、そういった仕組みにつきましては、丁寧に説明しながら取り組んでいきたいと考えております。
また、匿名性のある通告についてですけれども、中央区要保護児童対策地域協議会のほうでもホットラインを設置しておりまして、誰もが即座に匿名で通告ができるような仕組みを備えております。
最後に、ボランティアによる動画などの作成についてですけれども、そのような取組につきましては、今後、検証しまして、また様々な区の取組なども考えながら検討したいと考えております。
以上でございます。
○しらす委員
御答弁ありがとうございました。
通告後も、そのようにしっかりとなされるということを周知していただきたいと思います。
また、匿名性を持って通告もできるということの周知もお願いできたら、よりスムーズになるかと思っております。
さらに、ボランティアによる児童虐待ダイヤル等の周知の動画もお考えいただけたらと思っております。
児童虐待は以前から問題になっておりますが、年々、本当に深刻になっておりまして、増えておりますし、報道されることが多くなったので、関心を持たれる方も多いと思います。先ほど言われたように、中央区は地域の関わりが希薄な部分もありますし、新しい方もこれからどんどん入っていらっしゃいますので、児童虐待、地域のつながりを大切に、今後も様々な課題に目を向けて尽力していっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○瓜生委員長
続いて、議題、福祉及び保健の調査について発言はありますか。
○田中(耕)委員
私のほうからは、以前も議題等でお伺いしてまいりましたが、改めて子育て支援、とりわけ児童手当や子育て支援家庭への直接的な支援、助成、給付並びに所得制限の現状についてお伺いしたいというふうに思います。
せんだって、つい数日前、出産一時金の政府の方針としての増額の方向性などが示されたり、行政の諮問機関における、しかるべき立場の方、座長等からも、やはり日本における子育て家庭、また、間接はもちろんですけれども、子供を直接支援する重要性というのが、少子化はもとより、日本全体の経済活性化、中長期的に考えれば日本国そのものの存亡、維持にも関わる最重要問題であるということが、ようやく近年、有識者、海外の大物の起業家などからも示されているところです。
これまでも本区は政府の方針と足並みをそろえてきていただいておりますし、今まで待機児童の解消といった大きな目標に向かって、多額の費用とマンパワーをかけてきていただき、実際、本年度、目標の重要なポイントである待機児童が実質ゼロ人というようなところに足を踏み入れたということは、非常に感謝しておりますし、敬意も表しております。
しかし、その上で、現在の物価高騰もそうですし、子供たちを取り巻く環境も踏まえますと、本区は子育て支援が充実しますし、他の自治体からの流入も多いということで評価を大変受けているというのも重々承知なんですが、残念ながら、それでもなお子育て環境と子供の教育環境はさらに充実していかなければならないし、それは中長期的な問題ではなくて、もう短期的、即効性のある形で示していかなければならないと、常日頃、区民、また同年代の子育て家庭と接していて思うところであります。
その上で、改めてお伺いいたします。以前もお伺いしましたが、本区の場合、児童手当等も、いわゆる所得制限で、これは子供の数ですとか状況によって上下しますが、およそ1,000万円から1,200万円の所得によって手当がもらえないというような状況の中において、日本全体であれば1割前後のところが、本区の場合は区民の対象者、子育て世帯に限れば、およそ半数がその対象から漏れてしまう、ないし大幅な減額をされてしまうというのが現実だと思います。
そういった中、昨年度から今年度にかけて、所得制限を設けない具体的、即効性のある支援をしている自治体が、全体から見ればまだまだ数は少ないといえども、全国で確実に増加しております。私が手元で確認した限りでは、大阪府や札幌市、それから三重県津市などの大規模都市でも、具体的な給付、物価高騰に対する子育て支援の給付を、所得制限なし、もしくは所得制限を大幅に緩和した形で行っている。皆さんも御承知のように、近隣区においても、港区の例が我々にとっても一番大きな印象に残るところでありますが、所得制限なしでの5万円の区内共通買物券を応援商品券として給付するということがあります。もちろん、港区の現状と本区の現状、財政もそうですし、今まで子育て支援に投じてきたソフト面、ハード面の財源は大きく異なると思います。しかし、やはりこういった姿勢を示していくということ、内容もさることながら、財源もさることながら、子供や子育て家庭に対して子育て支援をダイレクトに行っていくという強いメッセージを発していくことは、たとえ財源が厳しくても、必ずやっていかなければならない時期にもう来たというふうに考えております。
改めて、本区において、所得制限の対象者は子育て支援すべき対象者でないのか否かについての御見解をお示ししていただきたいというふうに思います。その上で、改めてまた港区の応援商品券についての区としての御見解をお示ししていただきたいと思います。
また、港区の件に関しては、財源が新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を主な財源としているということでございます。本区において、もう既に違うものとして使用されたものもあるかもしれませんが、同じようなスキームが可能なのか否かについても御見解をお示し願います。お願いいたします。
○石戸子育て支援課長
まず、児童手当において所得上限額を超えた方への支援についてでございます。
今般、令和4年10月支給分から、児童手当につきましては所得上限額が新設されまして、その額を超える世帯については、特例給付の5,000円もストップするという制度となってございます。こちらの児童手当の改正につきましては、御承知の部分も多いかと思いますが、国において総合的な少子化対策を推進する一環ということで、保育需要の増大等に対応するための原資を確保するというような目的の中で、制度が整理されたところでございます。
本区といたしましては、まず児童手当の給付につきましては、やはり国制度の中での対応をしっかりと行っていくという考えの下、本区の状況におきましては、やはりまだまだ子育て世代が非常に増えてくるという中で、保育施設等の整備等の状況が需要の大部分を占めてございますので、そういった施策の優先順位等をしっかりと踏まえながら、限られた財源の中、重点的・効果的に配分して対応していくべきということで、現在のところ、所得上限額を超える方に対しての支給というのは考えていないところでございます。
続いて、2点目、港区におけます子育て支援策への給付についてでございます。
委員御紹介ございましたが、港区におきましては子育て世帯に1人当たり5万円ということで、それぞれ子育て世帯への給付が実施されるというふうに伺っているところでございます。そうした中、仮にこの制度を本区が同様に対応した場合でございますが、本区の18歳までの児童・生徒がおおむね2万8,000人見込まれてございます。港区と同様の5万円給付をした場合、おおむね14億円というような経費が必要となる状況でございます。
そうした中、今、委員の御紹介がありましたが、子育て世代にどういった支援をということでございますが、現在、本区におきましては、これまでも国の給付制度を使いながら子育て支援の給付を行っているほか、今回の補正予算につきましても、いわゆる非課税世帯に対する給付の予算計上を盛り込ませていただきまして、やはり物価高騰等でお困りの世帯というのは、子育て世帯だけに限らず、広く様々な世帯も同様な状況であろうというところを鑑みまして、全体的な世帯を対象に非課税の給付制度ということで考えているところでございます。
他区で行っているような独自の子育て施策の部分ですが、今回、4月以降、国の制度を使って、ひとり親とその他世帯の子育て世帯給付を行っているところです。ひとり親世帯の方々はおおむね6割、家計急変の方は10割ということで、おおむね全体の子育て世帯のうち、いわゆる低所得のお困りの世帯というのは、今回の非課税給付の制度の中で盛り込まれているであろうという点も踏まえまして、新たに現行で子育て世帯への給付を考えているところではございません。
最後、地方創生交付金の活用の部分でございますが、こちらは、今、申し上げた臨時給付金等の部分で活用しているところでございまして、詳細については企画部のほうで割り振りを行っているところですが、子育て関係におきますと、例えば保育施設への物価高騰への施策の支援ですとか、福祉施設、高齢者・障害者施設も含めた施設への給付の形での対応などで活用しているところで、そこの原資を使って新たな子育て世帯への給付の部分というのは、今のところ考えていないところでございます。
以上でございます。
○田中(耕)委員
ありがとうございます。
本区としての事情や見解は私なりにももちろん理解をしているつもりでありますし、現物での給付はばらまきになってしまったりですとか、様々な課題があるということも重々承知はしてございます。
しかし、繰り返しとなりますけれども、本区の場合、様々な手当、確かに、これは国の制度の課題というのもあるかもしれませんが、国全体の平均値や中央値と本区の子育て家庭の平均値や中央値は全く異なるわけです。国に準じたほうがいい制度と、何のために我々が地方自治体を組織しているかといえば、全体とは異なる地域事情に応じたきめ細やかな行政サービスを行うというのが我々の使命であるというふうに考えておりますので、そういった観点からいうと、児童手当や様々なものが所得制限で対象から外れてしまうのは、国民全体、国家全体で考えれば1割程度というふうに言われておる中で、本区の場合は半数がその対象から、内容によっても違いますし、グラデーションがあることももちろん分かっていますけれども、分断されてしまうということには非常に大きな懸念を抱いております。
実際に、このラインを超えないようにしたい、所得をあまり上げたくないというような御家庭も直接聞いたこともございますし、これだけ様々な支援が拡充していく中で、所得制限だけはいずれの制度にも何かしら引っかかってくるということになれば、当然、そういった思いにもなります。福祉保健の話からそれてしまいますけれども、経済の活性化にも大きな影を落としますし、ましてや我が国は累進課税でございますから、多く税金を納めている方がサービスを受けることができず、結果的に正直者がばかを見るという残念な逆転現象は、はっきり言って、本区においてはたくさんありますし、深刻な課題だというふうに私自身は考えてございます。
先ほどの港区は、隣の区でありながら、東京都からも不交付団体であったりですとか、独自の財源もたくさんお持ちのようでございますので、本区と単純比較しては絶対にいけないと思いますが、その5万円の給付に対して22億4,940万円余りを投じておられる。本区の場合は14億円ということでございます。これは当然、人口比、対象者の違いになりますけれども、22億円に対して14億円で、14億円出せないのかという話をするつもりはありませんが、先ほども申し上げましたように、メッセージを発信していくということの重要性は、保育園を整備していただくこと、教育環境を整えていただくこととはまた違う意味合いがあるというふうに私個人では考えております。
子育て世帯の方々、もちろん高齢者の方も大変でしょうし、高齢者や子育て支援の対象になる方以外の一般の方々、全ての方々が皆大変な状況なわけですけれども、中央区の福祉保健部においても、子育て支援課があることからも分かるように、子育て支援をしていくということは、とりわけ重要性が高い。子供たちの教育環境、成育環境を整備していくことは、今日、明日の問題だけではなくて、将来にも大きな意味合いを持つ重要なことだというふうに考えております。22億円に対して14億円の負担をしろと言うつもりはありませんが、私個人の考えとしては、たとえ減額、別に5万円丸々必要なくても、半額でもいいでしょうし、何なら1万円でも5,000円でも、でき得る範囲のそういったメッセージを区内の子育て家庭にお示ししていただきたいというふうに思っております。
その点について、もしもそれも絶対無理だということであれば、御見解をお示ししていただきたいというふうに思います。
○田中福祉保健部長
今、るる御意見をいただいたところでございます。
まず、国制度の中で児童手当の所得制限が設けられたというところにつきましては、委員のほうから、全国的には1割、区においては5割という御指摘もございましたが、これはあくまでも、基本的には同じ基準でやっておりますので、5割ということは、全国の中で中央区は所得が高いといった状況になってございます。そういった中でございますので、決してこれが中央区の特性において、この基準を設けたことが、中央区がほかの都市と比べて不利益を被っているということはないというふうに我々は認識をしているところでございます。
とはいいながら、ほかと比べると物価が高いですとかいうところはあろうかとは思いますが、そういった中でも、これをもって一律に、5割になっているので、中央区が独自にその部分を支援するというところは、区としては今のところ考えていないといったところでございます。
それから、港区の取組を例に挙げながらというお話でございます。
当然、中央区といたしましても、その部分については検討させていただいたところでございます。その上で、委員のほうからもございましたが、高齢者の方で年金が下がってしまった方、それから高齢でなくても、生活をされている中で給料が上がらない、もしくは仕事が減った中で、所得が減りながら物価が上がっていて苦しんでいる方がいらっしゃる。そういったところを踏まえながら、我々といたしますと、今回は世代別ではなくて、所得というところに着目をしながら、非課税世帯には国のほうから給付がされたところでございますので、区としては、新たに均等割課税のみの方というところまで枠を広げて独自に支援をさせていただくという考え方に至ったところでございます。
それから、やはり金銭的な直接的な給付ということもございます。子育て支援課につきましては、当然そういった部分もございますが、一方で、様々なサービスを提供する、これを維持していかなければならないというところがございます。まして、現状、中央区におきましては、保育園も増やしてございます。それから、今、新たに学童クラブへの取組も始めなければならない。そして、御存じのように学校の新設ですとか、改築が相次いで行われる。こういった中で、区の限られた財源をどう使っていくか我々として検討させていただいて、その中で今回、令和4年度につきましても、当初予算から11月の補正予算まで度重なる予算編成の中で、区議会のほうにお示ししながら、御理解をいただいてきたというふうに我々としては認識してございます。
以上でございます。
○田中(耕)委員
ありがとうございます。
区の方針自体に何か大きな瑕疵があるとか、問題があるというふうに思っているわけではありません。現状、先ほどの上位1割、本区5割の場合は、本区の所得が高いんだからというお話でありましたけれども、そこについては少し違うであろうというふうに思っています。
福祉保健部長のほうから物価や地価の違いもお示ししていただきましたけれども、実際に、本区のいわゆる、高所得と言わずとも、制限ライン前後の方々が、生活的な基盤で考えたときに、所得の数字だけで見てみれば裕福になるのかもしれませんけれども、実際の物価、地価、東京で生活をしていくという水準は、残念ながら地方とは異なるというふうに思っていますし、実際問題、この制限にかかったような方々がぜいたくな暮らしをしているかというと、私は地方にもたくさん友達がいますけれども、そういうふうには全くもって見えないというのが現実、現状です。
何よりも、そのラインで分断されてしまうということが大きな課題だと考えております。しかも、それが中央値や絶対的な平均値に近いというのが、さらにこの問題をややこしくしていく。誰から見ても恵まれている方だから、やむを得ないよねという納得感があれば、区民の方からは一定の理解が得られると思うんですけれども、なぜここでというラインに、残念ながら、本区の現状、実情ではなっている。国全体から見たら豊かでしょうというのは、地方自治から見たら関係のない話でございまして、本区にとってどうなのか、本区にとってどこが線引きをすべきラインなのかというのを独自に考えるべき課題ではないですかというのが私の問題提起でございます。
それと、本区の場合は、様々な支援策を、具体的には保育園の整備などに多額の経費やマンパワーを投じていただきまして、冒頭申し上げたように、これに関しては感謝と敬意を改めて示したいと思います。しかし、その上で、さらに、先ほど冒頭申し上げましたけれども、国の方針、出産一時金などは明確ですが、やはりそういった現物、直接的支援を増やしていこうというのが、今度、国のほうでも現れましたし、全国の自治体でもそういったものに取り組んできているわけです。厳しいのは国もどこの自治体も同じでございます。港区は本区よりも財政的に豊かなのかもしれませんけれども、先ほども申し上げましたように、これは金額の問題だけではなくて、そのラインですとか、本区として子育て支援や子供たちを直接支援するんだという意思表示をぜひとも示していただきたいというのが私の個人的な願いでもあります。
この点については、これ以上申し上げましても水かけ論になる点もありますので、終わりとしたいと思いますが、改めてそういった考えの方、私はもちろん区議会議員として、個人の意見というふうには申し上げていますけれども、同じような考えを持っている同世代、30代、40代、保育園、幼稚園、小学校、中学校の、私の子供も含めた同級年代の父親や母親の方からかなり多くの御意見をいただいております。特に、やはり港区がどうしても比較対象として挙げられてしまうというのも現実でございます。この点に関しては、幾ら本区は子育て支援をやっていますよというふうに言っても、それは港区もやっているし、ほかのまちもみんなやっているという話になってしまいます。
財源が厳しい中でも、その中でも、さらにもう一歩捻出していくということ、さらにメッセージを発信していくということについては、新年度の予算も含めて限りない努力をお願いして、私の質問を終わります。
○高橋(ま)委員
お願いします。
ただいま議論が深まったところでございますし、私どもかがやき中央、会派としても所得制限なしの対応を求めてまいりましたので、私からも伺いたいと思います。
こども基本法の理念を実現する子供の権利の保障という点では、私も前委員がおっしゃったように、子供一人一人を同じように支援するということが必要だと思っています。御説明いただきましたように、世帯の所得で分けるという対応が問題ないという考えであるのかという点をもう一度確認をさせてください。お願いします。
○石戸子育て支援課長
児童手当の世帯による所得判定についてでございます。
委員御案内ございました、現在、児童手当につきましては、世帯の所得で一番高い方のみをもって判定しているところでございます。世論的にも、私どもは、収入世帯主だけではなくて世帯全体での判定をすべきではないかというような御意見を頂戴しているのも重々承知しているところでございます。しかしながら、児童手当制度自体が国の制度における給付というところで、本来、一自治体の中で解決すべき部分ではなく、やはり国全体で議論を深めていくような内容というふうに理解しているところでございます。
以上でございます。
○高橋(ま)委員
ありがとうございます。
国の制度については理解したところではありますけれども、今、分断されている子供たちへの対応が必要ではないかという点で伺いましたが、本区としては必要がないという考えであるというところを確認させていただきました。
今されていることは、目の前に2人子供がいたときに、1人の子供には1つのあめをあげて、隣の子供には、そちらのお宅は1,000万円以上所得があるので、このあめがあげられないねと言っているのと近い状況が生じていると思うんです。区長、子育て支援のお考え、一人一人が家庭の所得によって対応が分かれているということについて、対応する子供としない子供が二分されている状況についてのお考えをお聞かせいただけますでしょうか。本区の子育て支援への姿勢というところで、一言伺えたらと思いますが、お願いします。
○齊藤副区長
区長にというお話でございますが、基本的には私どものほうで制度づくりをしておりますので、私のほうから答弁させていただきます。
御指摘の比較もございました。比喩もございました。見方については、いろいろあるというのは、私どもも十分感ずるところはあります。ただ、それが直ちに差別とか区別につながるかというと、子育て支援制度全体の中でどういう意味を持ってくるかということについては、若干意見を異にするところがあります。同じことを全体に、全部にすれば、それで済むのかというと、行政として取り組む場合については、いろいろな面で優劣をつけて、優先順位をつけながら取り組んでいく必要があるというふうに考えております。
委員のおっしゃるようなことが全部可能な財源がこちらのほうで用意できたとしても、別の方からすると、また違う優先順位がございますので、よく皆さん方の御意見を聞きながら対応していくということで、ただ、子供が不幸になったり、不幸せになるというようなことは区としても容認できませんので、そのようなことにならない状況の中で、基本的には対応していくという考え方でございます。
○山本区長
今、齊藤副区長がお答えしたとおりでございます。
基本的な物の考え方で、せんだって、これも一定の所得制限のことによって区分けされた幾つかの福祉事業があったと思います。基本的に、子供たちが今のように受けるサービスが違った場合に、例えば、サービスを受けたお子さんが、君の家は所得が低いんだよねと、みんなからいじめを受けるとか、こういうことはあるかないか分かりませんけれども、そこで御家庭のありさまというものが、そういうサービスの在り方によって同じ学園の中で起こってくるということ等については、かねてから心を痛めているところでもありました。
ただ、結局、区の姿勢というのは、一定の財源のプライオリティ、それから、そのときの所得制限がいいのか、世帯別に分けたらいいのか、苦肉の策の中で配慮しなければいけないこともありますので、これまでの対策のように事が進んできているということであります。そのときに、やはりお子さんたちが御家庭を背景にしょいながら、そこで何かの不都合というものを受けてしまうということは、お子さんの心に大変大きな影を落とす。こういう危険性もあることは重々承知しておりますということだけ申し述べたいと思います。
○高橋(ま)委員
それぞれにありがとうございます。
本当に困っている方はしっかりと助けていくというメッセージ、非常に重く受け止めました。一方で、これまでも議論がありましたが、子育て世帯は、今回の基本計画2023でも取りまとめていただきましたが、生産年齢人口が71.4%と非常に高く、その構成の主な方々が子育て世帯でもございます。こうした皆様が納税の義務を果たしてくださったことに対し、子供一人一人を公平に扱う、一人一人を助けるという姿勢はやはり求めていきたいと思いますし、そこは会派としても引き続き求めてまいります。
また、学童や保育所の整備をしているというお話も先ほど福祉保健部長からいただきましたが、それは行政の義務として、備えるべきことをやっているというところもありますし、その施設に入れたり、希望がかなえば、その行政サービスを受けられますが、そうではないという地域偏在の課題が本区には残っています。目の前にある保育所にも入れない、目の前にある学童にも入れないという方々がいらっしゃる現状の中で、整備はきちんとやっているというだけでは、やはり届かない方もいるという現状も踏まえながら、一人一人の子供を同じように大切にするという姿勢をメッセージとしても伝えていっていただきたいということを、また来年度以降の予算でも確認させていただきながら、求めていきたいというふうに思います。
続きまして、先ほど資料でも報告いただきまして、児相の対応のところを伺いましたので、こちらに関連した質問をさせていただきます。
ちょうど1年前になりますが、令和3年12月に都区児童相談の協定が東京都、台東区と本区、3者で締結されました。本日時点で、この3者協定から1年が経過したところでございます。サテライト機能を含む、この1年間の成果について、お考えと現状をお聞かせいただきたいと思います。お願いします。
○須貝子ども家庭支援センター所長
台東区、東京都との協定の締結の成果でございます。
現在、サテライトオフィスにつきましては、週に2日、児童相談所の職員が駐在いたしまして、中央区内の家庭訪問ですとか、面談の拠点として活用しているところでございます。新宿にある児童相談センターよりは物理的に近いというところで、中央区内にも来やすいといったところから、活用をしているところでございます。
また、児童相談センター、また台東区と共同で研修などを実施する拠点として活用しておりまして、現在、心理士の専門職における専門研修を共同で行っております。台東区の心理士も参加して、中央区と共同で行っております。
そこで、今後の取組といたしましては、心理のテストですとか、心理的なアプローチにつきまして、現在、子ども家庭支援センターで対応しているケースについて、もっと専門的なアプローチが可能になるというような取組を始めるために研修を受けているところでございます。そのような区民対応への活用とともに、人材育成にも活用しているというところで、このモデル事業に関する協定の締結について1年間の取組を御紹介いたしました。
以上でございます。
○高橋(ま)委員
ありがとうございます。
週に2回ということで、人の連携も取りやすくなるんだろう、やはり支援を皆様お一人お一人に担っていただいていますので、都の職員もしくは台東区の事例共有であるとか、そういったところにも非常に期待を寄せるところでもございますし、成果として非常に希望があるものだと思いました。
一方で、中央区にお住まいの皆様、特に障害児を抱える皆様から、やはり新宿児相に行くのは遠いんだと。私も行きましたけれども、どの駅からも遠いですし、バスに乗る時間も長い。特性のあるお子様ですと、本当に悩ましい。そして、特に難しい時期に行かなくてはもらえないものがあるということで、そこは何とかならないのかということで、サテライトオフィスの強化という点で手続等ができるようにならないのかといった御要望も伺っているのです。そうした区民の方々への対応の今後の方向性というところをお伺いしたいのですが、お聞かせください。お願いします。
○須貝子ども家庭支援センター所長
新宿の児童相談センターを御利用の方からのそういったお声につきましては、今後もニーズの部分を区として検討いたしまして、必要があるということであれば、台東区の子ども家庭支援センターと相談の上、考えていきたいと思います。
以上でございます。
○高橋(ま)委員
ありがとうございます。
今、相談にかかられている方ということですと、ゆりのき等との連携もあると思いますので、皆様のお声を拾っていただき、アンケートなのか、利用者の皆様への声かけか分かりませんが、ぜひ声を聞いていただき、より早い実現を要望したいということをお願い申し上げます。行ってみましたが、本当に新宿児相は遠かったので、何とかしていただきたいという点を要望します。
続いてですが、都児相で対応したことを中央区の子ども家庭支援センターで詳しく知るすべがないとか、そういった困難なこともあったかと思います。一方で、なかなか福祉と教育の壁も厚いというふうに感じていまして、学校や教育委員会との連携がされていたのか疑問に思う事案もございました。児童虐待を予防していくとか、子供のつらい状況に手を差し伸べる体制がどこまで取れているのかというところに不安も持っているところでございます。
先日、子供たちに、ヤングケアラー、「相談してね」ということで、小・中学生の皆さんへというお便りが配られて、ポケットサイズで子供たちの持ち歩きに配慮されたものだなと、拝見して思ったところではあるのですが、具体的なアクションとして、電話番号が1つ、表に大きく書いてありまして、こちらに電話してというフローだと思うんですが、中には8つ、さらに電話番号も細かく書いてありました。
まず、小学生の子供たちに、これを見て電話をどこにかけたらいいか分かるかなと、いろいろな学年の子供に聞いたんですけれども、正直、分からないという方が多くいらっしゃいました。中学生に聞くと、電話は嫌いなので電話はしたくない、困っていないんだろうという断定もあるとは思うんですけれども、まずもって電話したくないというのが中高生の子供たちから聞かれる声でもあります。また、今の家庭の事情として、いえでんと言われる家の電話がない家庭も非常に多くございまして、保護者の携帯電話を借りてかけるのか、持たされている子供であれば、自分の携帯電話が外部に通話できる電話なのかということの前提というところで、申し訳ないですが、頂いた新しい御案内は、非常に配慮された内容だと思うんですが、子供とのつながりがこれで持てるのかというところに不安も感じたところであります。
現状、こちらを持ってこれだけのお問合せが来ているというものもあるかもしれませんが、この点についてお考えをお聞かせください。お願いします。
○須貝子ども家庭支援センター所長
小学生、中学生のお子様へのアプローチでございます。
今、委員から御案内ございましたとおり、先日、「相談してね」という子供向けの相談カードを配布いたしました。今年度からリニューアルいたしまして、蛇腹式になっていて、中にイラストでヤングケアラーの状況、自分がこういう状況であったら相談するようなことなんだよということの気づきにつながるような工夫を凝らしたところでございます。また、電話番号を記載しておりまして、数あるチャンネルの一つとして、電話番号、相談電話を御紹介しているところでございます。
一方で、ヤングケアラーの把握につきましては、学校をはじめとする要保護児童対策地域協議会のネットワークの中で把握していくものと考えております。例えば、スクールカウンセラーの方への御相談ですとか、授業中に寝不足のような状況が見られる、また、ヤングケアラーのテレビコマーシャルで御存じかと思いますけれども、大きな荷物を抱えているところを地域の皆さんが気づいてあげる、そういった幾つもの気づきの中でヤングケアラーを把握していくというのが要保護児童対策地域協議会での取組と考えております。
また、学校との連携については、もちろん大事なことで、学校で気づくというところが一番大きな視点というところは理解しているところでございます。小学校3年生以降の自ら発信ができる子のためのチャンネルの一つとして、電話番号を掲載したところではございますが、様々な大人の見守りの中からヤングケアラーをはじめとした、支援が必要な子供たちへの支援を広げていきたいと考えております。
以上でございます。
○高橋(ま)委員
ありがとうございます。
まず、そうした声を聞こうという冊子が配られたことと、お取組の姿勢は非常にありがたい一歩だというふうに思っております。
一方で、やはり電話が遠い、なかなか電話になじみがない世代でもあります。今、子供たちは、小学生であればタブレットが配備されています。また、今、学校評価とかも、子供たちはグーグルフォームとかを使ってどんどん回答するような感じで、教室ごとのアンケート、クラスルームをつくったアンケートもそうですけれども、できれば、保護者の電話を借りたり、周りに知られずに子供たちのタブレットから直接的に相談ができるフォームというところ等も、教育と連携しながら考えていただき、保護者を通したり、周りに知られなくても、また、学校の先生に知られることを恐れる、隠すというのも子供たちの心理にはありますので、ほかの大人には教えないよという心理的な安全を保った上で、直接子供とつながるという相談について、特にヤングケアラーの点については、ぜひもう一考いただき、そうしたお取組をいただけるように要望したいと思います。
港区の子育て相談で、大人向けのものなんですけれども、私が拝見して非常にいいなと思ったんですが、相談するにはこんな方法がありますということで、まず心理的な安全を担保しています。名前を言わなくてもいいよとか、秘密を守るよとかいうことを言った上で、3つの方法、ネットで相談、電話で相談、会って相談ということが具体的にアクションとして書いてありました。このように、まず子供に心理的な安全と安心を共有した上で、こういう方法があるということを具体的に示すこと、また、電話番号の羅列ではなくて、電話であればこれというところはワンストップである必要があると思いますので、窓口、電話のワンストップというところは、ぜひ皆様でお考えいただいた上で、お取組をお願いしたいというところであります。
同じ視点で、御存じかとは思うんですが、教育委員会で配られている「一人で悩まず、相談しよう」というシートがありまして、この中は、電話番号がA4、1枚に13件書いてありまして、QRコードは2つあるんです。これを読み解くのも非常に難解だということで、教育相談の範疇だと思いますので、こちらでは質問はいたしませんが、子供たちを救うというところでは、やはり子ども家庭支援センターに担っていただくところ、おっしゃったように学校関係との連携が必要だと思いますので、この相談窓口の子供たちへの伝え方という点については、ぜひ子ども家庭支援センターを中心に、教育のほうにも働きかけを行っていただきまして、この点はぜひ改善し、子供たちと早くつながるお取組を要望したいと思います。
学校との連携という点で、地域の皆様からも不安の声がありまして、私も疑問に思っている点がございます。ヤングケアラーに学校が気づいた際の連携先が中央区教育委員会となっていると伺いました。教育委員会に連携された後、教育委員会から子ども家庭支援センターに連携されるフローなのか、また、学校関係もしくは教育から子ども家庭支援センターに連携があった場合には、子ども家庭支援センターは、今、どう動いているのかというところの確認をしたいと思います。学校のほうは、直接子ども家庭支援センターでなく、教育委員会に連絡することになっているということですので、こちらで私が所管としてお伺いするのは、子ども家庭支援センターに教育委員会から連携される流れについて、受け手側だと思いますので、お伺いしたいと思います。お願いします。
○須貝子ども家庭支援センター所長
現在、ヤングケアラーにつきましては、該当の方がいないといったところから、具体的な連携については事例がございませんで、フローといいますか、マニュアル的なところでお答えさせていただきたいと思うんですけれども、学校で把握した場合に、2つ流れがございます。
学校から直接、心配なお子さんがいるといったことで子ども家庭支援センターにお話がある場合と、学校のほうから教育委員会のほうに御連絡がありまして、教育委員会のほうから子ども家庭支援センターのほうに御連絡があるといったところがございます。1つではなく、幾つものルートを経て、子ども家庭支援センターのほうになるべく情報が上がりやすいようにする、あわせて、学校だけでなく教育委員会でも事態を把握するといったことが重要かというところから、そのようなルートを考えているところでございます。
以上でございます。
○高橋(ま)委員
ありがとうございます。
地域の皆様と学校との確認の間で、子ども家庭支援センターへの連携フローという御説明がなかったようですので、1番についての動きがあるのであれば、全ての学校の管理職と、その点については共有いただく必要があるのかなと思っておりますので、その点のお取組をお願いします。
また、私もこれまでの間で、教育委員会は知らなかった、子ども家庭支援センターは知っていたとか、そういったところの、正直、そごもあったかと思いますので、今のところがスムーズに流れると、子供とつながりやすくなるというところで、改善の要望をしたいと思います。
今回は、お取組を進めていただいたところですので、ヤングケアラーという視点で伺いましたが、本区ですと、やはり所得の高い方が多いという特性から、教育虐待予防についても取り組む必要があるというふうに思っております。これも子供と直接つながらないと救えないというところが、同じ特徴として大事なこととされています。本区の教育虐待へのお取組や現状のお考え、また状況についてお聞かせいただけるところがあれば、お伺いしたいと思います。お願いします。
○須貝子ども家庭支援センター所長
教育虐待につきましては、子供からの直接ですとか、保護者の方からのお声、また学校からといった様々なネットワークの中で、子ども家庭支援センターのほうで把握するものと考えております。
以上でございます。
○高橋(ま)委員
ありがとうございます。
ヤングケアラーと同様ですが、子供とどうつながり、子供に安心して相談してもらえるかという点、引き続きのお取組を要望いたします。
次に、ペリネイタル・ロスの支援について伺いたいと思います。今日、保健所長の御出席ということで、お答えいただく範囲になるかと思いますが、よろしくお願いします。
区のおしらせ11月21日号を拝見しましたところ、赤ちゃんが生まれたら訪問しますというタイトルが書かれていました。流産・死産など、お産を取り巻く赤ちゃんの喪失をペリネイタル・ロスというのですが、この配慮があったのかという点、非常に懸念した点でございますので、まず、そこが考えられてのこのタイトルであったかという点をお聞きしたいと思います。
流産は、妊娠経験がある女性の4割が経験しており、死産率は50人に1人という割合で起きています。働く女性の妊娠年齢が高くなるに従い、その割合も高まっているというのが現状としてございます。また、令和3年5月に厚生労働省が出した通知がございまして、こちらにて、流産や死産を経験した女性等への心理社会的支援等についてという、自治体が取り組むべきことが具体的に示されたものがございました。この取組に従った内容という点で、まず、考えられたタイトルだったのかという点について確認をさせてください。お願いします。
○渡瀬保健所長
子育てという部分におきましては、これまでも区としても十分いろいろ気をつけてはいるところでございます。そういった中で、流産・死産、こういったことも、今、かなりケースが多くなってきている。特に、高齢出産とか、母体を取り巻く様々な環境の変化というところもございますので、そういった意味でいうと、そういったケースに当たるというか、そういったケースが見られるということも増えているというふうに考えているところでございます。特に、そういったことを経験した場合については、非常に悲しみも大きいというふうに考えられるところでございますので、我々としても、そういったところについては十分配慮して対応していきたいというふうに考えてございます。
○高橋(ま)委員
ありがとうございます。
今回、私は、このタイトルに非常に残念な思いと、つらい気持ちでこのテキストを読んでいる方がいないかということを心配しました。働く天使ママコミュニティ、イキヅクという方々にお伺いしてみましたところ、やはりこうした表現に傷つく方は少なくなく、配慮が必要な表現であり、ぜひ改善いただきたいという御要望も伺っていますので、ここで取り上げさせていただきまして、要望とさせていただきます。
この当事者の皆様のアンケートによると、行政窓口の職員対応によって深く傷ついた経験がある方が少なくないということがアンケート結果で分かりました。こうした団体や皆様が取り組んでほしいこととして、どこに相談したらいいか分からないということで、窓口の設置というのが、今回の国の資料にもございますけれども、そうした窓口の設置と、それを知らせるということへの要望がございます。知らせるということと、窓口設置をどのようにされているかお伺いしたいと思います。また、これはペリネイタル・ロスに限りませんが、こうしたグリーフケア全体の対応をどのようにお知らせしているか、どう対応しているかという点をお伺いしたいと思います。
また、さきの通知によりますと、国によって自治体職員への研修が実施されているようです。この研修への参加状況というのをお聞かせください。お願いします。
○小林生活衛生課長
毎月、保健所のほうではママのこころの相談というような事業を行っておりまして、そういったところの中で、グリーフケアなどについてもお伺いするといったようなところになっております。妊娠届を受けてから、そこで保健師のほうといろいろ、地区担当の保健師がいますので、つながりもありまして、そういった中でいろいろ御相談もお受けするようなところもございますし、ホームページですとかの周知も図っているといったところです。
研修のところについては、すみません、今、こちらのほうで把握してございません。
以上です。
○高橋(ま)委員
ありがとうございます。
おっしゃっていただきましたように、妊娠の届出をしたときしかつながれないというところでもあると思いますし、まさか当事者になるとはという思いで、最初は母子手帳を受け取るものだと思いますので、どうつながり続けるかというところ、また、今回の表現ですと、生まれなかったら訪問してもらえないと、逆説的に傷つくところもあると思います。どんな妊娠でも、どんな出産、どんな産後でも、共に寄り添っているんだというところが伝わるようなつながり方と伝え方というところ、ぜひお取組をお願いしたいと思います。
また、ママのこころの相談は非常に大切な取組だと思いますので、より広い方に安心して相談していただけるような周知ということで、要望したいと思いますので、お願い申し上げます。
最後に、1点だけ、来年度の認可保育所の入所調整が終わった段階だと思います。今回の来年度4月入所について、例えば増えている、減っているというところがあると思いますが、お考えをお聞きしたいと思います。私が窓口を拝見しましたところ、集中的な混雑等は見られなかったのではないかと感じています。また、皆様からの、とても手続できないといったお声も非常に少なくなりましたので、状況をお伺いできたらと思いますので、お願いします。
○古賀保育課長
先月、11月30日をもちまして、令和5年4月の第1回目の保育園の入園の申込みの受付を終了したところでございます。現在、申込みの数につきましては、集計をしている最中でございまして、最終的な確認作業しているところでございます。ですので、今、何件ですと申し上げられないですけれども、全体といたしましては減少しているというふうなところと認識しております。
以上でございます。
○高橋(ま)委員
ありがとうございます。
集中的な混雑による困難等もなかったというように伺っていますし、全体の申込み数が減っているのではないかというような状況についてお伺いしました。
今回、中央区基本計画2023の中で、来庁せずとも保育手続を進めることができるオンライン手続を導入するということが明記されていて、こちらはマイナンバーを活用したぴったりサービスの事業の一つかなというふうに思うんですけれども、来年度以降、こうした新しい取組が進んでいくという中で、情報の共有とか、相談をどう持っていくかというところが新しいフェーズに入る、もう一度考え直すべきところもあるであろうというところを、拝見して思いました。
同じこの説明の中で、保育の見える化に取り組んでいくというところも表明されているところでして、やはり不適切保育であるとか、残念ながら重大事故であるとか、そういったところの認知も広がりつつある中で、皆様が安心して、どの保育園希望で書いたらいいかというところは非常に悩まれるところですし、多くの情報をよりスムーズに受け取りたいという要望も増えているように、皆様のお声を伺って思っております。ぜひともこうした情報の一元化、届出先が東京都であったり、また第三者であったりということで、なかなか一元的に情報を受け取るのが難しい情報でもありますので、関わる情報のリンク集を置くであるとか、そういった形で、区のホームページに来たら把握できるよというところが整理されて、より皆様に届くようなホームページの改修を要望したいと思います。
また、目黒区では認可保育所の情報一覧が公開されています。この中で、施設的なもの、また設備的なもの、そしてサービスの一部ということで一元化されていて、非常に保護者から好評であるということを伺ってきました。本区でも、具体的に駐輪場があるのか、ベビーカーは置けるのかといったところについては、皆様も同じ質問をどの園でも繰り返すという情報も聞いていますし、保育園からは、同じことをみんなから聞かれるということも伺っていますので、双方にとって役立つのであれば、そういったところの業務削減と負担削減というところも踏まえて、ぜひ、こうした認可保育所の情報の一覧表の公開を要望するところであります。特に、近年、私には、おむつのサブスクをやっているかどうか、やっている園を知っていますかということを聞かれることも多くあります。
こうした皆様から要望の高い項目については盛り込んでいただきながら、来庁せずに手続する上でも、安心を担保するというところを同時に取り組んでいただきたいと思いますので、要望させていただきまして、以上、質問といたします。ありがとうございました。
○瓜生委員長
議題、福祉及び保健の調査について、継続審査ということでよろしいでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○瓜生委員長
さよう取り扱わせていただきます。
それでは、これにて福祉保健委員会を閉会いたします。
(午後2時49分 閉会)
お問い合わせ先:区議会議会局調査係
電話:03-3546-5559