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令和4年第三回定例会会議録(第2日 9月20日)

1.会期

二十九日(第二日)

九月二十日(火曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後五時十三分散会

3.出席議員

(二十九名)

一番 高橋 元気議員

二番 高橋 まきこ議員

三番 梶谷 優香議員

四番 田中 耕太郎議員

五番 かみや 俊宏議員

六番 二瓶 文徳議員

七番 しらす 夏議員

八番 小坂 和輝議員

十番 奥村 暁子議員

十一番 青木 かの議員

十二番 渡部 恵子議員

十三番 太田 太議員

十四番 竹内 幸美議員

十五番 海老原 崇智議員

十六番 堀田 弥生議員

十七番 墨谷 浩一議員

十八番 山本 理恵議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 木村 克一議員

二十一番 佐藤 あつこ議員

二十二番 富永 一議員

二十三番 原田 賢一議員

二十四番 塚田 秀伸議員

二十五番 瓜生 正高議員

二十六番 礒野 忠議員

二十七番 押田 まり子議員

二十八番 田中 広一議員

二十九番 中島 賢治議員

三十番 渡部 博年議員

4.出席説明員

区長 山本 泰人君

副区長 齊藤 進君

副区長 吉田 不曇君

教育長 平林 治樹君

企画部長 浅沼 孝一郎君

総務部長 黒川 眞君

防災危機管理室長 春貴 一人君

区民部長 濱田 徹君

福祉保健部長 田中 智彦君

高齢者施策推進室長 北澤 千恵子君

保健所長 渡瀬 博俊君

環境土木部長 三留 一浩君

都市整備部長 松岡 広亮君

都市活性プロジェクト推進室長 早川 秀樹君

会計管理者 鈴木 浩君

教育委員会事務局次長 生島 憲君

監査事務局長 林 秀哉君

企画部参事(政策企画課長事務取扱) 溝口 薫君

財政課長 大久保 稔君

総務部参事(総務課長事務取扱) 山﨑 健順君

5.議会局出席職員

議会局長 伊藤 孝志君

庶務係長 長田 基道君

議事係長 小倉 正信君

調査係長 佐藤 康之君

書記 桝谷 剛司君

6.議事日程

日程第一
 一般質問


午後二時 開議

○議長(木村克一議員)
 ただいまより、本日の会議を開きます。


○議長(木村克一議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 十一番青木かの議員。

〔十一番 青木かの議員登壇〕

○十一番(青木かの議員)
 かがやき中央、青木かのです。質問通告に基づき、質問させていただきます。再質問につきましては、留保させていただきます。

 シルバーウイークの三連休、この三十年で一番勢力が強いといわれる台風十四号が日本列島を襲いました。一度過ぎても、また再上陸する、台風から遠く離れているところで大雨や強風があるなど、対策が取りづらい災害でもありました。現在、熱帯低気圧に変わりましたが、強い雨や風は、まだまだ注意が必要のようです。

 平成二十八年四月の熊本地震、令和元年台風十九号など、防災計画の見直しにつながるような大規模な災害が続いています。また、いつ起こっても不思議ではない首都直下地震ですが、東京都は被害想定を十年ぶりに見直し、その結果を、首都直下地震等による東京の被害想定として、今年五月に発表しました。想定自体が違いますので、そのまま単純に十年前と比較することはできませんが、特徴的なことを取り上げてみたいと思います。

 最初に読み上げるのが十年前の数値、その後が今回の数値です。どちらも冬の夕方に地震が起きたとの想定になっています。死者は九千六百四十一人から六千百四十八人で、約三千五百人の減。火災による死者は四千八十一人から二千四百八十二人で、約一千六百人の減。負傷者は十四万七千六百十一人から九万三千四百三十五人で、約五万四千人の減。帰宅困難者は約五百十七万人から約四百五十三万人と、約六十四万人の減となっています。

 地震による死者は、建物の倒壊と、それに続く火災が主な原因と言われています。これらの被害者の減少は、建物の耐震性や耐火性など技術の向上と、防災意識の高まりの成果だと思います。また、東日本大震災では大きな混乱を生み出した帰宅困難者ですが、その後、各事業所が、災害時にはとどまるという方針の下、事業所に非常用物資を備蓄しておくという取組が進みました。帰宅困難者の減少は、そのような取組の成果と言えます。

 ただ、今回の被害想定で大きく増えているものがあります。エレベーターの停止による被害です。十年前の七千四百七十三台から、今回は二万二千四百二十六台と、約三倍に増えています。中央区内の想定でも、エレベーター内閉じ込め台数が五百八十五台から一千九十六台と倍増しています。この十年で区内にも中・高層マンションが急増しましたので、当然の結果と言うこともできます。

 さて、この十年ぶりの被害想定の見直しを受けて、東京都は、地域防災計画を修正し、必要な対策を強力に推進することで東京都の防災力を高めていくと宣言しました。一方、中央区の地域防災計画は、昨年、令和三年に修正版が出されたばかりですが、今回の被害想定の見直しを受けて、どの程度の改定が行われるのか、また、具体的にどのような修正が必要と考えるか、お答えください。

 エレベーターの被害想定が増加したことを出すまでもなく、中央区の災害対策は中・高層マンションの災害対策でもあります。マンション住民は基本的に在宅避難となり、自助と、マンションの自治会が中心となって活動する共助が重要と言われています。そこで、各マンション自治会には、「高層住宅防災対策 震災時活動マニュアル策定の手引き」という冊子を基に、活動マニュアルを策定することが求められています。ところが、この手引きは、平成二十三年版が今も使われています。新しい手引きが必要と考えますが、いつ更新されるのでしょうか。また、リニューアルで重要になる点をお答えください。

 繰り返しますが、九○%の中央区民は集合住宅に住んでいます。そして、区は、マンション住民に対し、基本的に在宅避難を求めています。これは、感染症対策の観点からも好ましくもあります。しかし、区が九○%もの区民に在宅避難をお願いする以上、自助・共助だけではなく、公助でもマンション住民を守る必要があると考えます。今回の都の被害想定では、新しい取組として、身の回りで起こり得る被害のシナリオをタイムラインで表示しています。このタイムラインでいくと、ライフラインが停止し、エレベーターが止まったままで、かつ備蓄の水や食料がなくなったマンション住民が、避難所に水や食料を求めて訪れるため、三日目あたりから避難所物資が枯渇する可能性があると記してあります。この点について、区の見解と対策をお聞かせください。

 さて、東京都建設局は、先月二十六日、未来の東京に向けた水辺整備のあり方検討会の初会合を開催しました。「未来の東京」戦略に掲げた、隅田川を中心とした、ゆとりと潤いにあふれる水辺空間の整備について検討する会議です。コロナで開放的な水辺の重要性が見直されたということは、私も度々実感をし、政策としても取り上げています。今回は、改めて、水辺の活用という視点から質問してまいります。

 この会議体、未来の東京に向けた水辺整備のあり方検討会には、学識経験者と隅田川沿いの自治体職員が入っています。中央区からは環境土木部長が委員として入っています。まず、この会議体について、中央区として期待すること、また目標についてお聞かせください。

 次に、運河ルネサンス協議会についてです。

 二○○四年に国土交通省が策定した、河川敷地占用許可準則の特例措置により、河川敷地における民間事業者による施設整備及び営利活動が可能となりました。これに基づいて、従来は港湾事業者に限定されていた運河の水域占用許可に対して規制緩和を行い、民間事業者の水域占用を可能とすることで、地域主体による運河利用を活性化させることを目的とした取組です。具体的には、臨海地域の町会、商店会、企業などの民間事業者、NPO法人などの団体による地域協議会が運河の活用方法を検討、運河を利用したイベント、運河上に設置した観光桟橋や水上レストラン等の施設の設置など、運河沿いの活性化について計画された取組について、東京都港湾局は、その取組を推進するために、水域占用許可を出して支援を行うことになっています。

 これらの各運河は東京都が指定をしますが、品川区は天王洲運河、港区は芝浦運河、江東区は豊洲運河、そして中央区は、平成十八年一月に朝潮運河が指定されました。調査しましたところ、芝浦や豊洲では、水辺でのイベントなど、現在も積極的な活動が行われています。朝潮運河では、以前は屋形船でハゼ釣りを楽しむ会が開催されていたようですが、最近は年に一度の運河クルーズのみのようです。

 そこで、区が把握している朝潮運河ルネサンス協議会のこれまでの活動の実態と、今のメンバー構成についてお知らせください。

 また、区は、当初、朝潮運河ルネサンス協議会と連携を図りながら、国や都の水域での規制緩和を利用して、係留船舶や水上でのカフェやレストランの出店を進めていたようです。朝潮運河ルネサンス協議会の過去の議事録によると、晴海トリトンスクエア前水上レストランの整備に向けてと、具体的な地域名、政策名も出てまいります。この計画は、その後どうなったのでしょうか、お知らせください。

 さて、次は、平成十八年に中央区が策定した中央区水辺利用の活性化に関する方策についてお尋ねします。

 中央区の水辺の面積は、中央区全体の面積に対し約一八%で、この割合は東京都二十三区内で最も大きく、中央区は水の都と呼ぶにふさわしい、貴重な水辺空間に恵まれた都市と言うことができます。

 かつて、隅田川には、箱崎や新川が埠頭となり、日本全国へ貨客船が運航されていました。その後、船舶の大型化により、隅田川河口部のしゅんせつと東京港の築港が必要となったことから、しゅんせつ土砂を有効活用して、新佃島、月島、勝どき、晴海などの埋立てが行われました。しかし、残念ながら、高度成長期にはモータリゼーションの急速な進展で道路が造られ、その後、しばらくの間、水辺のすばらしさが軽んじられた時代が続きます。

 そして、昭和六十年代に入って、かつての倉庫街のリノベーションが行われるようになりました。これらの地域は、ウオーターフロントとして、特に若い人たちの人気のスポットとなります。芝浦エリアの空き倉庫を利用したディスコやライブハウスが典型的な例と言えます。そして、隅田川では、コンクリートの、いわゆるカミソリ堤防に代わるスーパー堤防事業が進み、佃公園や石川島公園、新川公園など、公園と公開空地の一体的整備や、テラスの整備による新しい快適な水辺が誕生します。近年では、河川空間を積極的に活用したまちづくりが全国各地で推進されています。これが、先ほどの運河ルネサンスの取組にもつながってまいります。

 中央区水辺利用の活性化に関する方策は、平成十八年、二○○六年に策定され、今年で十六年がたちます。達成されている、あるいは解決した目標もありますが、まだ達成されていない目標もあります。その中から、重要なものについて質問してまいりたいと思います。

 阪神大震災では、災害復興に当たり、水上交通の役割が重要であることが再認識されました。中央区でも防災船着場の整備が進み、現在、都が管理するもの、区が管理するもの、合わせて七つの防災船着場があります。今後は、国や都、関係団体などと連携した災害時の水上輸送の仕組みづくりが必要と考えます。先日、区の総合防災訓練が開催されたばかりですが、改めて、防災船着場を活用した災害時の人や物資の搬送プランについてお示しください。

 次に、グリーンインフラについてです。

 区内の緑被率は、二○○四年、九・一%でしたが、グリーンインフラガイドラインによると、その後の取組で、二○一七年に区全体で一○・七%にまで上昇しています。さらに、地域別に見ると、日本橋地域が六・二%、浜離宮恩賜庭園がある京橋地域が一二・三%、そして月島地域が一三・二%と、水辺がいかに緑被率の向上に貢献しているかが分かります。

 そこで、質問です。今後の緑被率アップのためには、水辺の活用が効果的だと思われますが、緑被率アップのための今後の取組についてお聞かせください。

 次に、水辺のにぎわいづくりについてです。

 水辺を生かしたまちづくりを推進するため、河川の占用許可の規制が緩和され、河川敷地内の民間企業による出店などが可能となってきています。最近では、NPOが中心となり、ボランティアの皆さんが自由に集まって、隅田川マルシェというイベントを定期的に開催しています。中央区では、隅田川沿いなどにおいて、イベント時の民間企業によるオープンカフェの出店を誘導し、また、それらの状況や結果を踏まえ、常時の出店等について国の関係機関へ働きかけていくことが、十六年前のこの方策に示されています。

 このような水辺のにぎわいの向上のために、これまで区はどのような取組をしてきたのか、この先、どんな取組に力を入れていくのかお答えください。

 最後に、ボートの不法係留等、水辺の取締りについてお聞きします。

 条例では、係留保管施設の整備に併せて、船舶の放置を禁止する区域を指定し、港湾や河川内の放置を禁止しています。警察の警告に応じない場合、罰金や氏名の公表などの処置がなされます。中央区内の河川や運河には、一時、大変多くの不法係留がありました。当時と比べると改善されているものの、今も不法係留があり、水辺の景観を損ねています。

 また、最近は、水上バイクの騒音が隅田川周辺にお住まいの皆さんを悩ませています。これらの水上バイクはどこからやってくるのでしょうか。実は、区外から車でやってきて、月島川から水辺に降りて、水上バイクで隅田川へ、帰りは隅田川から月島川に入り、上陸するとの情報を得ています。また、月島川を船舶教習の本拠地とし、ホームセンターで買ったようなパイプを打ち込んで作られている簡易な桟橋、さらに係留したままの景色にそぐわない廃船、区は管理責任者として、これらの船舶所有者と桟橋の設置者を把握しているのでしょうか。河川法に照らし合わせ、どのような解釈に基づき、桟橋の設置や船舶の係留を許可しているのでしょうか。騒音苦情のある水上バイクも、区の管理が甘いので、集まってくるのではないでしょうか。

 今、大川端に始まり、月島、勝どき、晴海と再開発が進み、耐震性が高く、災害に強く、美しいまちへと変貌しつつある臨海部、オリンピック・パラリンピックのレガシーとして美しい水辺の町並みを残すのは重要であるとともに、昭和の水辺の負の遺産、これは残すべきではないと考えます。法に基づき、厳格な対応を求めますが、区の見解をお尋ねいたします。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 青木かの議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、地域防災計画の修正についてであります。

 都が公表した新たな被害想定を受け、区の地域防災計画も、今後、修正を行っていく考えであり、都の地域防災計画との整合性を図る観点から、都が改定素案を公表した後に、区として、具体的な修正内容等の検討に着手する予定であります。修正の方向性といたしましては、本区の地域特性である高層住宅を含むマンション防災対策や帰宅困難者対策など、重点的に取り組むべき対策を計画に反映していく考えです。具体的なまちづくりの動向も踏まえ、災害に強い中央区を実現させるための各種防災対策を計画に位置づけてまいります。

 次に、震災時活動マニュアル策定の手引きについてであります。

 本区では、区内の自主的な高層住宅の防災対策の取組を契機として、震災時活動マニュアル策定の手引きを策定し、防災アドバイザーの活用とともに、マンション防災対策の向上に努めてまいりました。現在、区として在宅避難を推奨している中、各マンションにおける防災組織の結成はもとより、マニュアルの作成など、共助の取組が不可欠であります。そこで、本手引きの充実を図り、住宅避難の普及啓発をさらに推進していくため、現在、改定作業を行っており、来年度に発行する予定であります。改定に当たっては、マンション規模にかかわらず、マニュアルの作成ができるようにするための具体的な作成方法、災害時のマンションルールや各住戸での備え、これらを平時から周知することなどの内容を新たに盛り込んでいく考えです。また、本手引きと併せて、マンション防災に関するパンフレットも改訂を行う予定であり、手引きとパンフレットの両方を活用しながら、管理組合等にきめ細やかに働きかけてまいります。区といたしましては、そうした取組を通じて、マンションにおける自助・共助の取組を、今後、より一層推進してまいります。

 次に、在宅避難者への対策についてであります。

 都の新たな被害想定の見直しに伴い、これまでの避難者用の備蓄分に加え、在宅避難している方への備蓄分を一定量備える考え方が都より示されました。このことを受けて、区として試算し、現在の備蓄量で三日分を確保できると確認したところであります。一方で、発災から時間が経過する中での想定を超える避難者や、四日目以降の物資について、調達の必要性を考慮しなければなりません。このため、区では、発災直後より、各防災拠点から避難者数や物資の在庫状況の定期的な報告を受け、必要となる物資を的確に把握することとしています。万が一、物資に不足が予測される場合には、都や自衛隊、区が独自に協定を締結している自治体に対して、迅速かつ確実に救援物資の要請を行うとともに、物流事業者に輸送協力を求めていく考えです。区といたしましては、今後とも、防災拠点への支援はもとより、災害時において円滑に物資調達ができるよう、都や自衛隊、物流事業者等の関係機関と、引き続き緊密な連携を図ってまいります。

 次に、未来の東京に向けた水辺整備のあり方検討会についてであります。

 都では、本検討会の前身である、隅田川等における新たな水辺整備のあり方検討会の実施から八年が経過し、隅田川テラスの連続化や照明の設置、恒常的なにぎわい空間の創出等が進んだことから、本検討会は、上流域に当たる北区、荒川区、足立区も含めた区域を対象として、今後の水辺整備の在り方について検討するため、設置されました。区といたしましては、築地の再開発に伴う隅田川沿いの整備や、首都高速道路日本橋区間の地下化に伴う日本橋川沿いなどの整備における水辺活用について、本検討会で策定される広域的な連携方針を参考にしながら検討してまいります。

 次に、朝潮運河ルネサンス協議会の活動についてであります。

 現在、朝潮運河ルネサンス協議会の構成メンバーは、地域団体、法人などの九団体、十二名で構成されております。昨年度の活動実績としては、朝潮運河と周辺水域クルーズや、石倉かごを用いた生き物の生息場づくり、水辺の防災フェスティバルなどを実施しており、区では、船着場や区立公園の使用などを支援しております。

 次に、水上レストランの整備計画についてであります。

 朝潮運河ルネサンス協議会において、トリトンスクエア前水上レストランの整備計画についての議論があったことは承知しております。水上レストランにおいては、船着場の整備が前提条件でありましたが、周辺橋梁の構造により、航行する船舶に制限がかかることから、その後、協議会における進捗はないと認識をしております。

 次に、災害時における防災船着場の活用についてであります。

 防災船着場は、緊急物資の輸送や疾病者の搬送等、有事の際に活用できる搬送手段の一つであります。また、その運用方法については、都が設置した発災時における水上ルートの確保に向けた検討会において、平成三十年三月に運用マニュアルを作成し、関係する特別区及び防災関係機関の共通ルールとしたところであります。具体的には、区の役割として、船着場の安全点検及び船着場を使用する際に要請する内容を決定し、都は、航路や船舶の確保などを行った上で、水上輸送の一括の窓口を担うこととする運用計画としています。現在は、災害拠点病院や地域内輸送拠点等に近接する船着場の立地特性や、防災拠点への搬送ルートなどについての検討を深めているところであります。本区といたしましては、引き続き検討会に参画し、関係機関との緊密な連携を図りながら、水上輸送の活用に関する実効性を高めてまいります。

 次に、水辺を活用した緑被率の向上についてであります。

 本区の特徴である河川や運河沿いの水辺空間の活用は、グリーンインフラを導入することで、地域の憩いの場やにぎわいの創出、生物の生息場所など、水と緑が持つ多様な機能が発揮されるとともに、緑被率の向上に寄与するものと考えております。区では、これまでも、隅田川のスーパー堤防による水辺環境の整備や護岸背後地の緑の充実のほか、朝潮運河での護岸環境整備による公園の拡充など、区全体の緑の拡大と充実に努めてきたところであります。今後も、緑の基本計画でリーディングプロジェクトに位置づけた、水辺を中心とした未整備箇所の整備や再開発事業による水辺の緑の創出など、緑被率向上に向けた取組を着実に推進してまいります。

 次に、水辺のにぎわい向上に向けた区の取組についてであります。

 区では、水辺利用の活性化に関する方策に基づき、運河や河川を利用した親水公園や緑道の整備のほか、船着場の整備によって、水辺のにぎわい拠点を形成してきました。また、水辺の利活用においては、かわてらすを設置するための日本橋川での区域指定や、地域が実施する水辺イベントの後援を行うことで、水辺のにぎわいの向上に努めてまいりました。区といたしましては、今後も、朝潮運河親水公園の整備をはじめとする親水護岸の連続化により水辺の回遊性を高め、水と緑のネットワークの形成を充実させるとともに、今年度実施する水辺環境の活用検討において、ハード面、ソフト面の両面から、さらなる水辺のにぎわいづくりに向けた取組を検討してまいります。

 次に、区内河川、運河における不法係留などの適正管理等についてであります。

 区では、区内七河川のうち、隅田川を除く六河川について、河川法など関係法令に基づき、都と共に、水面の不法使用対策に取り組んでおります。対策では、使用状況を把握するため、定期的に河川係留船舶実態調査を実施しており、調査結果を踏まえ、許可なく係留等を行っている船舶の所有者や管理者に対して、係留保管施設などへの移動を促すことを目的に、警告書の貼付、通知を行っているところであります。水上バイクについては、係留を未然に防ぐために、係留禁止の看板を設置するとともに、パトロールや通報により係留を確認した場合には、警察と合同で所有者に対し指導を行っております。なお、運河などの港湾エリアについては、港湾管理者である都が同様の対策を実施しているものと認識しております。区といたしましては、今後も関係機関と連携を図りながら、河川等の適正管理を着実に進め、水辺の景観向上に努めてまいります。

 答弁は以上であります。

〔十一番 青木かの議員登壇〕

○十一番(青木かの議員)
 それぞれありがとうございました。

 まず、前半お聞きいたしました地域防災計画の見直し、それから高層住宅に関するもの、活動マニュアルの手引き、ちょうど切り替わるところということで、これから改定がなされるということですので、先ほど一番最初にもお話ししたように、私が申し上げるまでもなく、自然災害というのが新たなフェーズに入ったといいますか、頻繁に起こるということもそうですし、規模についてもそうです。しっかりとそれに対応できるよう、このタイミングで改定をお願いしたいと思います。

 あと、在宅避難民についてです。私も、やはり東京都が出したマニュアルでもそうですが、三日間何とか持ちこたえて、四日目からというのは、避難所に逃げ込む方もいると思いますし、九○%、中央区の場合、多くの方が自分のお家にいる、在宅避難という形になっていますので、現在、既に三日分の水、それから食料というものが備蓄されているということを聞きまして、今後、四日目以降ということで進めていくということです。

 それから、東京都、ほかの区あるいは自衛隊などに要請して、それを運ぶ、必要なものを運ぶ。それには、事業者との連携も必要になるわけです。中央区が今行っている、取り組んでいる民間事業者との協力協定の締結です。いろいろなジャンルがありまして、その中でも注目しておりますのは、やはり宿泊施設です。災害時における宿泊施設の提供等に関する協定ということで、私が調べたのが間違いなければ、二十一のホテルから始まって、プラス三、プラス二で、現在、三十でしょうか。いずれにしても、今、三十の宿泊施設と協定を結んでいる。現在、対象者は、やはり避難者のうち、要配慮者となっており、妊産婦、お子さんがいる方、高齢者、障害のある方への対応が最初に重要になると思います。

 あと、やはり今回の災害、台風十四号ですが、九州のほうから上がってきましたよね。ニュースを見ておりまして、これは中央区ではありませんが、かなり多くの皆さんが、特にお子さんがいらっしゃる方、あるいは赤ちゃんがいらっしゃる方については、自分で前もってホテルを予約してホテルに避難しましたと。避難所ではなく、ホテルに避難しましたという方がたくさんいらっしゃいました。地震の場合、長く続きますので、全てどれくらい協力が得られるかは分かりませんが、中央区の個性的な面、つまりビジネスホテルも豪華なホテルも、ホテルがいっぱいあります。ふだんのようなビジネスができない中で、そのホテルが残っていれば、被災していなければ、そういう使い方もできる。避難所として使うこともできるということは、今後の検討課題として、ぜひ増やしていっていただきたいと思いました。これは質問ではありません。

 では、質問としましては、やはり水辺の活用ということで取り上げたいと思います。

 まず、具体的に出しました朝潮運河ルネサンス協議会です。

 私は、この協議会に大変興味を持っておりまして、毎年、朝潮運河と周辺水域クルーズを行っていますので、今年も参加しました。そして、事業者の方、あと事務局の方もいらしておりましたので、お話をお聞きしました。その方々も、今、大変困っていると言うと語弊がありますが、何をしていいか分からないという状況がある。その中で、他区を見ますと、大変うまくやっているんです。

 きちんとした資料を基にお話ししたほうがいいと思いますので、調べましたところ、菅原遼先生、日本大学の理工学部海洋建築工学科の方です。菅原遼先生が、二○一四年、ちょっと前になりますが、論文を書いていらっしゃいます。運河ルネサンスについて、そのときの現状をまとめています。例えば、品川と芝浦と朝潮と、お隣、豊洲を比べてみますと、幾つか項目があるんですが、朝潮運河は遊歩道だけは完備しましたと。遊歩道、大変すばらしい、トリトンの向かい側になります。これからトリトンのほうにも造られるようですが、この遊歩道は終わっている。ただし、ほかの部分、浮き桟橋の設置、水上レストラン、オープンカフェ、船カフェ、そして、そのほかのイベントなど、ほかの運河ではほとんどが五つ丸がついているところに、中央区の朝潮運河だけが一個しかないというのは、大変寂しく思います。

 もっと詳しく見ていきますと、中央区の運河ルネサンス協議会が中心となり浮桟橋の設置を推進しているが、地元住民や地元区との意見調整が難航し実施に至っておらず、具体的な事業が実施されていないと。これは、菅原先生が調べた後でお書きになっていることです。中央区の状況です。

 先ほど船、橋梁のことが出てまいりましたが、それでいきますと、ちょうど遊歩道が造られます勝どき東、再開発は勝どき東になりますが、そこでまた遊歩道が造られる。と同時に、朝潮運河船着場、これは大変使いやすいところなんですが、朝潮運河船着場も移動すると。新しくできる遊歩道とぶつかってしまうので、下流のほうに移すという話も聞いています。

 なので、そういうことを総合しますと、やはり朝潮運河船着場を使っての朝潮運河イベントなど、朝潮運河を中心として、朝潮運河ルネサンスを引っ張っていかなければならないわけですが、あと、民間人だけではなく、やはり区が入っているとスムーズにいくこともある。それから、学校が入りますと、江東区には大学が二つありますので、芝浦工業大学、あと東京海洋大学、やはり専門の先生がついて、そこの生徒が一緒に行うということで推進力ができますので、そこはちょっと羨ましいところでもあるんですが、一方、中央区は中央区で、地域の皆さんが大変パワーを持っていらっしゃいます。ぜひ、地域の皆さんと一緒に前へ進められないかという思い、この朝潮運河ルネサンスを最初に調べ始めたのがもう二、三年前になりますが、自分でも、そうやって一年に一度の水域クルーズに参加をしながら、思っているところです。

 ですので、質問といたしましては、避難所としてのホテルの活用、これからのホテルの活用についてということと、もう一つは、朝潮運河ルネサンスを中心とした水辺の活用をお聞きしたいと思います。

 それから、最後にお尋ねをしました係留のほうですけれども、警察にも私は行っております。東京都は東京都で対応しているということですが、ぜひ一度区長にも月島川の、月島水門のほうを見ていただきたいです。月島川のトリトン側はとてもきれいなんですが、ずっと入っていって、月島川の月島水門に出るところ、そこにまだまだ不法係留、古い船があります。これは見栄えが悪いだけではなく、安全面でもちょっと心配になってまいりますので、あの不法係留を見ていただきたい。

 それから、月島川に自分で仮設の船着場を作りまして、ボートを止めて、そこで水上ルートを使いまして、教習を行っている。そこの教習所は、つい最近までホームページも出していました。堂々と中央区月島と出ていました。そのホームページはなくなったようですが、スクールのほうはまだ残っているようです。この辺についても、もう一言、対応をお話しいただければと思います。

 以上三点です。お願いいたします。

〔防災危機管理室長 春貴一人君登壇〕

○防災危機管理室長(春貴一人君)
 避難所としてのホテルの活用についてでございます。

 避難所としてのホテルの活用につきましては、コロナ禍において、避難所の収容人数が大きく減少するため、その他のところに避難者を収容できることを活用していかなければいけないというところで、ホテルの活用を進めてきたところでございます。現時点でも、まだ感染症の状況が続いている中で、やはり現状においても、より多くのホテルに御協力いただくという方向性で取り組んでいるところでございます。そういう意味で、まだ協定を締結していないホテル等に働きかけながら、避難所として使用できるホテルとの協定を多数締結できるように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

 また、ホテルの活用については、先ほどありましたように、優先的に入っていく方々、いわゆる要配慮者などの方々を中心に進めているようなところでございます。

 答弁は以上でございます。

〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君)
 朝潮運河ルネサンスと不法係留について、私のほうからお答えをさせていただきます。

 御指摘のように、平成十八年ですか、朝潮運河ルネサンスがそういう計画を表に出しているということは、我々も承知しております。ただし、朝潮運河の場合、黎明橋の構造、それから晴月橋の構造がございまして、実は、中型船も入れないんです。小型船舶しか入れない。そういう状況の中で、実は、今、私どもがやっております船着場にしても、黎明橋の外側、月島三丁目でやっているわけです。これは、入れないからでございます。中型船舶すら入れないのでは困るということで、あちら側に移してあるわけです。

 当然、最初の計画というのは、ある意味で、トリトンの駐車場施設などに着目しながら、トリトンの前に船着場も造り、水上レストランも造りというような計画だったんでしょうけれども、それ自体が構造的に無理だよということを、私どもも何度か協議の中で申し上げたことはございますけれども、そういう部分について、計画上、かなりおおらかな計画であった。

 一方で、船着場が前提になりますので、船着場を造るということについても、これはお金がかかることでございますから、この部分について、朝潮運河ルネサンスの計画は、財政的にも大変おおらかな計画だったので、民間の方からお金を集めてというような計画だったものですが、実態的には、御案内のとおり、その後すぐ、リーマンショックなどがありまして、基本的には、民間から募金というような財政的な計画自体も、現実には成立しなくなったというようなことから、経過として、それらの計画が、事実上、ある意味で御破算になっているというところが実態でございます。

 その部分もやはり慎重に踏まえながらやっていかなければいけないんですけれども、ぜひ御理解いただきたいのは、水辺の計画というものは、東京都にとっては、河川部分は建設局なんです。そして、港湾部分にまいりますと、実は、これが港湾局なんです。ですから、水辺は連続しているにもかかわらず、東京都においては、行政は二元化しております。水辺の計画は、うちの区が、うちの区の水辺については境界があるはずがないわけですから、そこを一体としてどう計画するかというのが、私どもとしては大事だと思っておりますし、そこの中で活性化の軸をどう進めていくかということが、基本的には大事だと思っております。

 今、御指摘いただきました後段の質問の部分でございますが、不法係留の部分です。

 御指摘いただいた部分については、基本的には、港湾局の管理の範囲に入るところでございます。そういったところを含めて、私どもとしては、答弁で申し上げましたように、東京都のほうに、きちんと現状を申し伝えてあるんですが、さらに申し伝えながら、直接の管理権者である港湾局に対して、我々の働きかけを強めながら撤去していきたいと思いますが、これも、例えば、私どもが実際に管理しておる佃堀などについても、実態のところを分かっていただきたいんですが、実は、本当に完全に撤去するまで、今日まで三十年間かかっています。御案内と思いますが、いろいろな対策を講じながら、不法係留をなくすために、実際は、今、ビオトープにしか使えないだろうぐらい言っております佃の波線のところの掘り割りを造ったりなんかの工事までして、それで基本的には三十年かかったんです。ようやく今年から来年にかけて、あそこの漁協の建物などを整備いたしまして、佃堀の清掃というのも終わるわけでございますけれども、それだけかなり深刻な事態ではあるんです。その部分を我々が東京都港湾局を通じながら、そこのところはしっかりやっていきたいというふうに考えています。

 中間に申し上げましたように、いずれにしても、水辺については、私どもの区においては、港湾局も建設局も関係なし、一体の境界のない水辺ですから、今まで、実は、高速道路にしても何にしてもそうですけれども、どちらかというと、川を使う部分ではなくて、ある意味で、後ろの場所、あるいはごみ捨場みたいな感じで区民の方々が使ってきたものを、今後は、むしろ水辺を表の顔、そして、逆に我々が使う場所として整備していくことが区の姿勢として大事だと思っておりますので、現在進めております水辺の利用検討の中では、そういう方向性を含めて、きちんと整理をしていく所存でございます。

 以上でございます。

〔十一番 青木かの議員登壇〕

○十一番(青木かの議員)
 答弁ありがとうございました。

 水辺の活用というと、本当に漠然としていますが、いろいろなところで関わってくる。今、吉田副区長からの答弁にもありましたように、やはり私も、政策をつくるにしても、情報を集めるにしても、そこが都だったり、港湾局だったり、国だったり、そこにぶつかるということはよくあります。ただ、その中で、この組織、もともと東京都がルネサンスとして打ち出したわけですので、そのあたりはうまく東京都とやりながら、規制緩和を要望しながらやっていっていただきたい。やっていただきたいといいますか、私もやりたいという思いがあります。

 川ですので、そこに既にかかっていた橋梁、これは本当になぜこうなるんだろうと私は大変不思議なんですが、橋梁を架けるときに、将来的にもっと大きな船が通るということを想定していなかったということですよね。なので、今言われてもということは分かるんですが、その中で、やはり防災船着場だけではなく、水上レストラン、水上カフェ、地域を盛り上げる方法はほかにもいろいろありますので、私も取り組んでいきたいと思います。

 東京都が指定をしました隅田川ルネサンス、各区一か所ずつなんですけれども、それが大きさ的にもいいですし、場所的にもいいということなんでしょう。朝潮運河になったということに、私は大変な意味を感じています。というのは、やはりオリンピックです。勝どきと晴海が向かい合っている。そして、選手村をずっと見ることができました。その中で、晴海選手村の跡地がHARUMI FLAGとなったり、これからもまだまだ高層住宅が建っていく。

 それから、もう一つ、いろいろ調べているうちに、現在進んでいる再開発、勝どき東地区の再開発、今やっていらっしゃる事業者の皆さんと、今、誰もまだやっていないというところで、踏ん張ってやってくださっているのが、やはり勝どき東地区の事業者の皆さんということも分かりました。

 地域貢献ということも含めまして、朝潮運河船着場の位置が変わる。それから、遊歩道もできます。そこにもう一つ、せっかくなので、この機会にもう一度、朝潮運河ルネサンスという言葉を思い出して、朝潮運河ルネサンスに、誰かリーダーがいないと進みませんので、事業者の皆さんにリーダーになっていただいて、あとは現在の区民の皆さん、地域の皆さん、あるいはこれから入ってくる皆さんにとっても、一緒にやりましょうよ、朝潮運河ルネサンスを一緒に盛り上げていきましょうということをやっていただきたいという思いを込めて、今回、この質問をいたしました。

 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(原田賢一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後三時一分 休憩


     午後三時二十分 開議

○議長(木村克一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。三十番渡部博年議員。

〔三十番 渡部博年議員登壇〕

○三十番(渡部博年議員)
 中央区議会区民の風の渡部博年です。会派の一員として、令和四年第三回区議会定例会に当たり、提出しています質問通告書に沿って発言させていただきます。さきに質問された質問者と項目が重なる部分もあるかと思いますが、視点を変えて質問させていただきます。また、時間の関係もございますので、端的にお伺いする部分もございますが、区長並びに関係理事者の皆様には、区民の皆様の健康、安全・安心をはじめとする福祉全般での向上が実感できる御答弁をお願いいたします。なお、再質問はこの場で留保させていただきます。

 第一に、コロナ感染症について質問いたします。

 二○二○年一月六日に厚生労働省から中国武漢で原因不明の肺炎に注意喚起がなされ、国内では、その年の一月十五日に感染者を確認して以来、九月六日時点で感染者数は一千九百五十三万四千五百十七人、亡くなった方は四万一千二百九十三人となっています。現在、感染者数は減少傾向にありますが、今日まで変異を繰り返し、さきに申し上げたとおり多くの方々が罹患し、亡くなる方、今も後遺症に苦しんでおられる方もいます。また、この間、献身的に取り組んでいただいた医療・介護従事者などをはじめとする方々には、命と健康を守るための努力に心より感謝いたします。

 さて、この間にいろいろな場面において質問を行い、区の対応など、多岐にわたり質問させていただき、区民の皆様の安心につながる答弁をいただいてまいりました。先日、国の発表があり、九月二日より新型コロナ感染者の全数把握を見直し、報告の詳細対象を高齢者などに限定する運用が、宮城、茨城、鳥取、佐賀の四つの県で始まり、国は今後、原則、全国で導入する方針で、東京都も九月二十六日から見直すことを発表しています。あわせて、療養期間の短縮が言われています。また、ワクチンも二価ワクチンとなり、新たなステージへ移行し、当初、本年十月からと言われていたものが、九月中に接種開始と国が発表したとの報道となっています。

 そこで、伺います。

 第一に、このような様々な国の変更に対して、他自治体も同様であると推測しますが、区として大変努力し、対応し、区民の健康を支えていこうとする姿勢が大切であります。全数把握見直しについてのメリットは、患者情報の報告数の大幅減、このことにより、患者に向き合えることであると思います。一方では、いざというときにしっかり医療機関につながり、重症化を防ぐ必要が出てくることで、医療機関の現場の責任が重要になると感じています。これまでの全数把握により、保健所は、入院調整等の業務、自宅待機者のフォローを行ってきたところでありますが、新たに対象外患者対応という業務が発生し、私は、より保健所や医療機関の業務が煩雑になるのではないかと考えます。全数把握見直しに伴って、区内各医療機関とのさらなる連携強化や、区民の皆様の健康を守る中枢の保健所の体制強化、区民の皆様への的確な情報提供を行う必要があり、実行するまでの期間が短い中、どのように対応していくのか伺います。

 第二に、国が九月移行を固めている現状で、東京都における全数把握からの移行については、システムが脆弱なこともあり、課題が山積していると思います。登録の際、軽症感染者自らがシステムに登録と言われていますが、このような課題について、区は専用窓口などの設置を含め、どのような対応をお考えかお知らせください。

 第三に、ワクチンの接種体制については、これまでと違う種類のワクチンとなることから、区としても、医療機関とともに細心の注意を払う必要がありますが、どのような対応をお考えかお知らせください。あわせて、経口薬品についての詳細な入手方法についても伺います。

 次に、介護関係全般について伺います。

 報道では、施設職員の感染により施設運営そのものの継続が困難な状況や、居宅介護の利用者家族の感染による入院調整をしても、受入先がないという状況、利用者の感染によるサービス提供中止、ヘルパーの方が濃厚接触者になるなど、介護が必要な方に提供できなくなることは非常に問題であると思います。特に、ひとり暮らしの高齢者にとっては大変であると推測されます。高齢者は重症化リスクが高いため、基本は感染イコール入院とされていますが、第七波では感染者数激増となり、病床逼迫で自宅療養することが多くなっているところです。自宅で暮らす方々にとっては、生活の支えとなっている介護保険サービスですが、本人、家族が感染することでサービスを受けることが限定されるのが現実であり、事業者内での感染拡大によりサービス提供者も訪問を中止することもあり、担い手不足も含め、需給バランスが崩壊している地域もあると言われています。

 そこで伺います。

 第一に、中央区において、このような状況での施設や居宅利用者及びサービス提供者に対しての対処方法と各事業者との情報共有について、どのような対応をなされてきたのか伺いたいと思います。

 第二に、コロナ感染症期間中に休業やサービス縮小による減収などにより、全国では事業存続の危機に立たされている事業所も出ているとの報道もあり、区内事業所の事業継続についても今のうちから注視していくことが重要であると思いますが、区としての対処及び考え方をお知らせください。

 次に、先日、東京都が首都直下地震の被害想定を発表し、これから地域防災計画を策定していく段階に入るわけであります。これまでの被害想定は、東日本大震災を踏まえ、平成二十四年に首都直下地震等による東京の被害想定、平成二十五年に南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定を策定し、これまで多岐にわたる地域防災計画等による防災対策を都及び区が実施し、推進してきたものであります。前回想定から約十年が経過する中、住宅の耐震対策や不燃化対策など、建築物の安全性が向上されました。一方では、高齢化の進展や単身世帯の増加など、都内の人口構造なども変化している現状などの課題も見えています。その後に発生した熊本地震をはじめとする全国での大規模地震などの調査・研究を経て、新たな対策が蓄積されたと考えます。

 先日、東京都が第九回地震に関する地域危険度調査の結果を発表し、私たちに送付されています。この中で、中央区での危険度三が四地点、危険度四が一地点となっています。危険度四の地域は木造密集地域であると認識しています。また、区内のマンション居住者が九割となっている現状を考えたときに、高層マンションでのさらなる防災意識の高揚と共助の在り方についても模索していくことが重要であると思っています。

 そこで、伺います。

 第一に、今後、区が行う地域防災計画の修正時には、これら東京都から発表された被害想定の見直しや地域危険度調査結果の反映も必要であると考える一方で、地域の開発動向を的確に捉えつつ、何より本区の実情や地域特性を反映した計画へ修正していくことが重要であると考えます。その上で、次回行う地域防災計画の修正のスケジュールや重点項目について、現時点でのお考えをお示しください。

 第二に、地域の防災力の向上には、やはり自助・共助の取組が欠かせません。区として、区民の皆様に対する対策も含め、地域ごとの特性に応じた対策を講じていくことが重要であると思いますが、改めて、地域防災力のさらなる強化に向けて、どのようにお考えか伺います。

 第三に、区として、再開発事業などの機会を通じて積極的に帰宅困難者対策を行ってきたと受け止めています。東日本大震災発生時には、大量に発生した帰宅困難者を学校などの施設で受け入れたことにより、一部混乱も生じたと記憶しております。今般の都の被害想定の見直しを考慮し、帰宅困難者と区民避難場所の在り方についてどのような考え方であるのか、あわせて、非常食などの備蓄品についてどのような数量をお考えか伺いたいと思います。

 第四に、現在、区では、帰宅困難者対策として、区内事業者等から成る帰宅困難者支援施設運営協議会を支援していることと思いますが、災害時の協力体制、課題、今後の対応について伺いたいと思います。

 第五に、現在の中央区防災マップアプリについて、今後も様々な状況を想定しながらアップグレードしていくことが必要だと考えますが、現在の中央区防災マップアプリの登録者数と今後の展開についても伺いたいと思います。

 次に、公共交通全般について伺いたいと思います。

 中央区総合交通計画により推進されていくこととなるわけですが、これから月島地域の人口想定を考えたときに、公共交通網の整備については大変重要であると考えています。特に、晴海地区については、HARUMI FLAGの開設時期が迫っている中、都バス、江戸バスの再編、環状二号線トンネル部分の開通、区の構想の中にある築地市場跡地の交通結節点の整備、中でも多くの方が望まれている地下鉄新線着工の時期等々、多岐にわたっています。マルチモビリティステーションの配置により一定の解決につながると思いますが、根本的な解決に至らないと考えています。新たな要因として、客船ターミナルの解体が始まり、公共交通の待機所としての活用が見込めないことなど、状況についても変化してきています。また、二○二一年度、地下鉄月島駅乗降者数は、大江戸線、有楽町線両方で十万四千人強、勝どき駅の乗降者数は七万四千人弱と、コロナ感染症などの影響も受け、ピーク時から少し減少はしていますが、今後の晴海地区だけでなく、月島、勝どき、豊海地区の開発もあることなど、喫緊の課題であると認識しています。

 そこで、伺います。

 第一に、十一月に地下鉄新線決起集会も予定されていますが、新たな要因として、有楽町線延伸について都市計画の手続が開始されたことも踏まえ、地下鉄新線の進捗状況について伺いたいと思います。また、江東区では、地下鉄八号線延伸のための基金を平成二十二年度から創設していることも踏まえ、区としての推進の積極姿勢を示すことからも考慮する必要があるのではないかと思います。江東区のような区内完結型ではない状況は理解するところですが、本区の基金の利用に関する考え方と、江東区との連携についてお知らせください。

 第二に、BRTについて、本格実施には環状二号線全線開通が不可欠でありますが、双方の進捗状況と、東京都に対して、区としてどのようなアプローチをしてきたのか、また、BRT停車場と都バス、そして江戸バスの連携についても同様にお伺いいたします。

 第三に、月島地域では活発な開発が進捗しています。再開発完成間近になってからいろいろな対策をするのではなく、現状の月島駅及び勝どき駅で対応可能か、他の交通網、例えば、以前も質問しましたが、水上交通などの活用について検討していくことも必要だと考えますが、検討状況について伺いたいと思います。

 以上で私の第一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 渡部博年議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、新型コロナウイルス感染者全数把握の見直しに伴う区の対応についてであります。

 今月二十六日から全国一律で、発生届の対象を六十五歳以上の方、入院を要する方、重症化リスクがあり、治療薬が必要な方、妊婦に限定することが発表されました。区といたしましては、詳細が示され次第、速やかに区内医療機関と情報共有を図るとともに、ホームページなどを通じて区民の皆様への周知に努め、混乱が生じないよう適切に対応してまいります。発生届の提出がない方については、東京都は、若年層に限定していた陽性者登録センターの対象を届出対象外となった全患者とするとともに、センターの体制強化を図ることとしており、その適切な周知に努めてまいります。また、発生届の有無にかかわらず、軽症者の体調悪化時には、中央区自宅療養者サポートセンターの活用を図りながら、入院調整などについては、引き続き中央区保健所で対応してまいります。

 次に、ワクチン接種体制と経口薬の入手方法であります。

 今月下旬から接種が開始されるオミクロン株に対応したワクチンについては、従来使用していたものと取扱いが異なることから、接種開始時期や接種方法について、医師会と協議を行ってまいりました。接種に当たっては、事前に個別接種実施医療機関に対して説明会を開催するとともに、集団接種会場では、従来型を含む複数のワクチンを使用することから、ワクチンごとに接種時間帯を分けるなど、誤接種を防止し、区民の方が安心して接種できる環境を整えてまいります。新型コロナ経口薬については、現在、二種類の抗ウイルス薬が特例承認されています。このうち、ラゲブリオについては、これまで供給量が限られていたため、国による配分調整が行われていましたが、今月十六日から一般流通が開始されました。コロナ経口薬は、感染された方全てに投与できるものではなく、新型コロナ感染症の重症化リスク因子がある方などで医師が必要と判断した方に限定されています。区では、投薬を必要としている方が適切に受診できるよう、区ホームページや電話相談などにより情報提供を行ってまいります。

 次に、コロナ禍における介護サービスについてであります。

 第七波の感染拡大により、介護サービス利用者や施設職員の感染者数も増加いたしましたが、本区においては、利用者が感染した場合、入院調整により基本的に医療機関で受入れができており、自宅療養となっても、介護者が不存在となる事例はありませんでした。施設職員が感染して人手不足となった場合には、東京都に介護職員等の派遣を要請することも可能ですが、派遣を受けたという報告はなく、サービス提供に支障が出るような状況ではなかったと認識しております。また、居宅サービス提供者が訪問等を休止した場合は、担当のケアマネジャーが他の事業所に依頼することで対応しております。事業所に対しては、中央区介護保険サービス事業者連絡協議会において情報交換を行っているほか、介護保険事業者向け情報サイトのケア倶楽部を活用して、国の通知等、有用な情報を共有しているところです。区内事業所の事業継続については、コロナを理由とする利用者の減少が一定以上生じている場合には介護報酬への加算を算定できることや、流行当初のような利用控えが現在はあまり見られないことから、今のところ、区に事業所からの相談はございません。今後、コロナ禍における原油価格・物価高騰対策として、東京都が介護サービス事業所等への補助事業を実施予定のため、詳細が示され次第、区内事業所に速やかに周知いたします。区といたしましては、引き続きコロナの感染状況を注視しながら、必要な介護サービスの提供が途切れることのないよう対処してまいります。

 次に、地域防災計画の修正についてであります。

 都は、本年五月に新たな被害想定を公表し、今後の検討内容として、予防、応急、復旧、三つの視点の下、十二の重点施策を東京都地域防災計画(震災編)へ位置づけることとしています。また、スケジュールとして、令和五年一月に改定素案を公表した後に、令和五年度の早期に取りまとめると伺っています。これを受け、都の素案の公表とともに、速やかに地域防災計画の修正作業に着手する考えです。本区では、HARUMI FLAGのまち開きや、晴海地区に新設予定の小・中学校の開校が令和六年度に予定されており、そうした地域の動向も計画に反映し、令和六年の夏頃までに取りまとめていく考えであります。修正に当たっては、自助・共助のさらなる強化に加え、本区の地域特性である高層住宅を含むマンション防災対策や帰宅困難者対策をしっかりと検証した後、取り組むべき対策を計画に位置づけてまいります。

 次に、地域防災力の強化についてであります。

 自分の命は自分で守る自助、お互いに支え合い、助け合う共助、この二つの取組は、地域防災力のさらなる強化に向けて不可欠であります。区では、過去に発生した大規模災害の教訓はもとより、区民の約九割がマンション居住という本区の特性を踏まえ、これまでも自助・共助の重要性を強く啓発し、あわせて、自宅の安全確認ができた場合には在宅避難をしていただくよう推奨してきたところであります。こうした普及啓発は、様々な機会を捉えながら、今後とも粘り強く、かつ丁寧に区民等へ行っていかなければなりません。一方、地域防災の要である防災拠点は、単なる避難所ではなく、地域の情報センター、物資供給センターでもあります。その役割は今後ますます重要になってくるものであり、より実践的かつ臨機応変な防災対応力が求められると認識しております。そうした区の考えの下、地域特性ごとに求められる防災拠点の役割を各拠点で十分に議論し、検討を深めながら、地域と区が協働して、今後取り組む防災対策を充実していくことが肝要であります。区といたしましては、地域防災力のさらなる強化に向け、防災拠点運営委員会と一丸となって、地域の総合的な防災センターとしての拠点づくりに取り組んでいく所存です。

 次に、帰宅困難者と区民避難場所の在り方についてであります。

 災害発生時は、区民の方は防災拠点に、帰宅困難者は一時滞在施設等に避難していただくこととしております。それぞれの避難行動が適切かつ円滑に行われるためには、区民等の正しい理解の下、発災時の的確な情報発信と避難誘導が不可欠であります。このため、防災拠点運営委員会の活動の場など、様々な機会を捉えて理解促進を図るとともに、防災拠点に配備している一時滞在施設マップや防災マップアプリを活用しながら、帰宅困難者を適切に避難誘導する訓練も実施しているところです。また、防災拠点と帰宅困難者一時滞在施設においては、想定避難者数及び収容人数の三日分の飲料水や食料のほか、毛布や簡易トイレなどを備蓄しているところであります。今回の都の新たな被害想定では、本区において三十万人を超える帰宅困難者の想定が示されたところです。区といたしましては、在宅避難の推奨はもとより、帰宅困難者の避難行動について、鉄道事業者を含め、関係機関と連携を図りながら、その普及啓発を強化していく所存です。

 次に、帰宅困難者支援施設運営協議会についてであります。

 区では、平成二十四年十月に帰宅困難者支援施設運営協議会を設置し、災害時の帰宅困難者対策として、協力要請の内容や施設の開設・運営の具体的な方策について、関係者間で協議、検討してまいりました。本協議会で確認している協力体制は、災害発生時に区からの施設の開設要請に基づき、本協議会員の事業者が施設の安全確認及び受入れ態勢を整えた上で、速やかに一時滞在施設を開設し、帰宅困難者を受け入れることとしています。また、現在の検討課題としましては、七十五の協議会員が参加している中で、業種業態、事業所ごとの従業員数がそれぞれ異なり、帰宅困難者の受入れ施設を運用する共通ルールが必ずしも一律とならない点や、昨年十月七日の夜間に発生した地震では、受入れ施設が閉館しており、十分な受入れ態勢を整えることが困難であった点が挙げられます。こうした課題に対して、協議会の場を通じて、区として粘り強く協議を重ねていくとともに、国が今後一年以内にまとめる帰宅困難者ガイドラインの改定内容を踏まえながら、より実効性のある方策についての検討を深めていく考えであります。区といたしましては、今後とも継続して本協議会の活動支援を行いながら、本区にとって重要な防災対策の一つである帰宅困難者対策の強化に向けた取組を着実に進めてまいります。

 次に、防災マップアプリについてであります。

 防災マップアプリは、近年のスマートフォンなどの情報通信機器の急速な進展を受け、災害時に迅速な避難行動が取れるよう、平成二十九年八月に配信を開始し、これまで、情報発信やチャット機能など、充実を図りながら普及に努めてまいりました。本アプリの登録者数は、本年八月末現在で二万三百五十三人となっています。今後のさらなる活用方策としましては、チャット機能を活用し、防災拠点の運営者間で効率的かつ迅速な情報伝達、情報共有を図れる環境を整え、災害時の防災拠点の運営強化につなげていく考えであります。区としましては、本アプリが適切な避難行動と正確な災害情報を得られる貴重な通信ツールとして、多くの方に活用されるよう、様々な機会を捉えて普及を図ってまいります。あわせて、時間経過とともに変化する災害時の状況を想定し、今後とも本アプリの活用方策を検討しながら、本区の防災力の強化につなげられるよう努めてまいります。

 次に、地下鉄新線についてであります。

 都内における地下鉄の整備は、有楽町線や南北線の延伸等について都市計画の素案が示されるなど、整備に向けた手続が進められております。一方、都心・臨海地下鉄新線は、昨年の交通政策審議会での答申を受け、都が事業計画検討会を設置し、ルートや駅位置の検討、事業スキームの整理などを進めており、都内で検討が行われている路線の中で優先順位が最上位に位置づけられているものと理解しております。このような中、一日も早い本路線の実現に向け、毎年開催している推進大会をより多くの方に御覧いただけるよう、十一月に屋外の月島第二児童公園で開催するとともに、パネル展を実施するなど、さらなる機運醸成に向け、周知活動の強化を図ってまいります。また、これまでも、つくばエクスプレス沿線の自治体と連携を進めてまいりましたが、今後は次の段階に進むため、江東区ともしっかりと連携していきたいと考えております。なお、中央区首都高速道路地下化等都市基盤整備基金では、ふるさと納税制度も活用し、地下鉄新線も含めた基盤整備に必要な資金の積立てを行っており、区外在住者からも広く本事業に御賛同を得られるよう、積極的に周知を図ってまいります。今後も、地域の方々と一致団結し、地下鉄新線の早期実現に向けて全力で取り組んでまいります。

 次に、BRTについてであります。

 都は、プレ二次運行に向け、現在、十月末を目途に停留所の整備を行うとともに、認可申請に向けた調整などを進めており、これらの調整が整い次第、運行を開始するとしております。あわせて、本格運行については、HARUMI FLAGの入居に間に合うよう進めていくと聞いております。また、BRTの運行経路となる環状二号線につきましては、都が今年中の本線開通を目指しております。BRTは、晴海や勝どきなどの臨海部と都心部を結ぶ基幹的な交通であり、マルチモビリティステーションでは、都バスや江戸バスなどの様々な交通機関と効果的に連携することで、多方面への移動が可能となるなど、利便性が向上するものと考えております。区では、これまでも都や運航事業者との協議調整を図ってまいりましたが、引き続きマルチモビリティステーションの運用や本格運行が早期に開始されるよう、様々な機会を通じて働きかけるとともに、銀座、東京駅へのルート開設についても強く要請してまいります。

 次に、交通需要への対応についてであります。

 月島地域では、勝どき東地区やHARUMI FLAGなどの開発事業が進められており、人口増加に伴い、さらに交通需要が増していくものと考えております。これまでも勝どき駅では、ホームの増設などの改良工事が行われ、さらに、都バスは、東京駅への新たなルートとして直行○二系統の運行が開始されるなど、拡充が図られてきたところであります。現在、晴海のマルチモビリティステーションにおいて、BRT、都バス、江戸バスやコミュニティサイクルなどの陸上交通はもとより、船着場を活用した水上交通が計画されております。今後は、様々な交通を活用し、増加する需要に対応できるよう、関係機関などと調整を進めてまいります。さらに、築地のまちづくりにおいては、令和十一年度に舟運利便施設の供用開始が予定されていることから、今後、事業予定者が決定していく中で、水上交通の充実や水辺のにぎわい拠点の整備等を求めてまいります。今後も、区内の交通利便性の向上に向け、都など関係機関と連携し、誰もが安全・安心して移動できる交通環境の実現に取り組んでまいります。

 答弁は以上であります。

〔三十番 渡部博年議員登壇〕

○三十番(渡部博年議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございます。

 とにかく、コロナのワクチンの関係も含めて、受ける側というのは区民であって、それを選択してはいるけれども、選択をしていることと違うワクチンを打たれるということは、本人が希望していることを受けて、しっかり間違いのないようにしていただきたいというのが本音であります。

 新しいワクチンについて、なぜこういうことを言っているかというと、各医療機関も大規模接種会場も含めて、四つのワクチンが存在するということであるわけですから、それをきっちり対応していただきたい。この期間、短い中でですよ。十月と言われていたのが九月の末になるということで、中央区は、まだこれから、区長のお話であれば、詳細が分かり次第ということですけれども、今の時点で分かっていないのかどうかというのは分かりませんが、こういう状況で行政が本当につらい、末端の地方行政がいっぱい苦労しているということがあるということは東京都にも散々言っていらっしゃるとは思いますけれども、間違いのないようにやっているんだということをしっかりアピールもしていただきながら、区として間違いのないことをしていただきたいというふうに思いますので、その体制も含めて、しっかり構築をしていただきたいと思います。

 あと、経口薬については、いろいろな形で、皆さん、誤解をされている部分というのもあるので、こういったことも含めて、しっかり区民の皆さんに知らせていただきたい。コロナ感染症にかかったら、病院に行けば経口薬を処方してくれるんだと思っている人がいるかもしれませんが、経口薬は、二種類しかないということ、そのものに関して言えば、先ほど言われていたみたいに重症化因子がある人が対象となるとかということであるわけです。あとは自宅療養ということになる可能性が高いわけですから、そういったことも含めて、さっき言った軽症者をフォローするセンターの人たちにしっかり対応していただかなきゃいけないということだと思いますので、そういったところをしっかり構築をしていっていただいて、対応していただきたいというふうに思っております。

 介護の関係ですけれども、介護についても、中央区内では私が言った事例はないということでありますが、サービスの関係でいえば、居宅の関係については、そうかもしれませんが、デイサービスの関係については、やはりこの間ずっと利用者数が減ってきているということで、大変なことになっている部分というのはあると思います。これから調査していただきたいと思うところは、そういったところも含めて、今まで介護度が上昇しないようにするために、そういった通所施設があったわけなので、そういったところも含めて、しっかり対応していただきたいというふうに思っております。よろしくお願いします。

 防災計画の関係ですが、いろいろ地域の事情が今までと変わってきている状況があるということと、いろいろな形できめ細かくやるためには、極端な話ですけれども、各丁目ごとにいろいろな形で物事を出してあげる、情報を提供してあげるということが、本当にその地域の人たちの防災意識の高まりということになっていくんだろうというふうに思いますので、東京都から出された防災計画の改定版、その後、中央区は令和六年に出すという形になっていますが、できれば、いろいろな情報を仕入れた上で、きめ細かな対応をしていただいて、しっかり区民の人たちに情報提供も含めて、やっていただきたいというふうに思います。

 あと、帰宅困難者の人と区民の避難場所の関係でありますけれども、大きな災害がなかったことが幸いして、帰宅困難者の方も普通の防災拠点に避難されているということはあります。しかし、いざ大きな災害が起きたときには、防災拠点の備蓄品というのは、基本的に区民の人たちのものであろうと。そういったことも踏まえて、先ほど数量だとか、いろいろなことを、人口の割合も含めて、見直していかなきゃいけないんだろうということも含めて、やはりしっかり対応していただきたいというふうに思っております。

 それと、マンションの共助の問題ですけれども、自宅で三日間のものをちゃんと備蓄しておきましょうということはあるわけですけれども、中央区が発端となって、いろいろやられている。マンションの防災倉庫を各五階ごとにつくっていたり、新しいマンションは各階につくっていますけれども、管理組合や自治会なども含めて、そういったところと連携しながら、そういう場所にも備蓄品がうまく配備できるような形もしっかりつくっていただきたい。また、再開発でいろいろな場所に、防災倉庫も含めて、配置されている部分があるわけです。それが地域還元ということになっている部分があるわけですから、そういったところも含めて、区として、もう一度把握して対応していただければありがたいというふうに思っております。

 防災マップアプリについては、若干重いなというふうに思っています。要するに、ソフトが堅牢にできているのだろうとは思いますけれども、動くのに若干重いなというのがあるわけです。逆に、災害時にそんなに重いものが動くのかということも含めて考えていかなきゃいけない。中央区のスマートフォン版のホームページとか、デフォルトしている部分だとか、いろいろあるわけですから、そういったことも含めて、このアプリに対してはしっかり対応していただければありがたいというふうに思っております。

 交通の面に関していえば、いろいろありますが、晴海のところにHARUMI FLAGで一万二千人増えるということで、この人たちは、地下鉄で行くのであれば勝どき駅に行くでしょう。今回、二○二一年の乗降者数については七万四千人ということでしたけれども、勝どき駅の整備時にはやはり私はあまりいい思い出がなくて、最初に造ったエスカレーターだけでは足りなくて、もう一本、区がお金を出して造っているという現状があるわけですから、そういったところでいくと、想定をしっかり、マーケティングということではないのかもしれませんけれども、そういったことも含めて、区が積極的に、そういった市場の調査も含めて、この二駅で足りるのか、では、どうすれば、この駅で足りるのか、足りないのであれば、BRTをどういうふうにやっていかなきゃいけないのかという問題があるんだと思います。

 BRTについても、本来であれば、環状二号線が通った時点で本格実施していただきたいところでありますけれども、東京都も私たちにいろいろなことを言っていますが、責任を果たしていない部分というのがあるわけです。それはもう一度東京都にしっかり言っていただかなきゃいけないと思っています。そういうことも含めて、しっかり対応していただきたいというふうに思っております。

 中央区民の皆さんを含めて、新たにお住まいになる方も含めて、中央区が快適に過ごせる場所なのかということをアピールしていかなきゃいけないし、いざというときにどういう対応ができるのかということもしっかり区民の皆さんにお知らせしなきゃいけないということも含めて、やはり積極的に対応していただきたいと思います。

 ほかの部分については、今後、決算特別委員会も招集される予定でございますので、そちらのほうで細かな話については質問させていただくとして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(原田賢一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後四時十一分 休憩


     午後四時三十分 開議

○議長(木村克一議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。三番梶谷優香議員。

〔三番 梶谷優香議員登壇〕

○三番(梶谷優香議員)
 立憲民主党新風会の梶谷優香です。令和四年第三回中央区議会定例会に当たり、通告書に従い、質問をさせていただきます。なお、再質問をあらかじめ留保いたします。

 初めに、災害・防災対策についてお伺いします。

 政府は、本年六月に見直した国の防災基本計画で、アレルギーに対応した食料の備蓄を自治体の努力義務として、初めて明記しました。今後、都道府県や市区町村がそれぞれの地域防災計画にそれらを反映させることになります。

 東日本大震災の被災地では、食物アレルギーに対応した食品の備蓄や受入れ態勢が整備されていなかったことから、アレルギーのある住民が避難先で誤食し、命の危険にさらされる事態が生じたり、食事に不安を覚えて避難をためらったりするケースがありました。さらに、アレルギー対応物資を被災地に送っても、一般物資に紛れてしまい、食物アレルギー患者の元に届かないという事例が頻発しました。これらは阪神大震災や新潟県中越沖地震でも発生しており、平成二十五年八月に内閣府が発表した、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針においても、食物アレルギーの避難者にも配慮し、アルファ米等の白米、牛乳アレルギー対応ミルク等を備蓄することや、配られた食事の原材料を避難者が確認できるようにすること等が盛り込まれました。

 平成二十七年八月には、日本小児アレルギー学会からも、大規模災害対策におけるアレルギー用食品の備蓄に関する提案がなされました。茨城県龍ケ崎市では、全ての備蓄食料をアレルギー対応食品とし、愛知県日進市などでは、主食の全てをアレルギー対応食品としています。平成二十七年三月に内閣府が発表した避難所の運営等に関する実態調査によれば、指定避難所で備蓄を行っている市区町村のうち、アレルギーに配慮した「備蓄をしていない」と答えた地方自治体は全体の三六%もありました。

 アレルギー対応物資は、医薬品支援物資と同様の扱いにしたり、支援物資の受入れ窓口、また、アレルギー等に関わる食の要援護者の相談窓口をあらかじめ決めておくことが必要になると思います。現在、本区の備蓄品のアレルギー対応はどのように行っているのでしょうか。現状、そして課題等がありましたら教えてください。

 厚生労働省によれば、乳児の約一○%が食品アレルギーの体質を持っているとされています。認定NPO法人アレルギー支援ネットワークによると、災害時には心理的に母乳が出なくなることもあるため、牛乳アレルギーの赤ちゃんの命を守るために、一定量のアレルギー対応育児用ミルクを、ミルク全体の備蓄量のうち、二から三%程度は備蓄するよう推奨しております。本区でも、アレルギー対応育児用ミルクの備蓄を行っていますが、ミルク全体の備蓄量のうち、何%程度となっているのでしょうか。

 災害発生時をシミュレーションする防災訓練は、アレルギーに関する啓発活動の絶好の機会だと思います。アレルギーのブースを設けたり、炊き出し訓練の中にアレルギー対応を取り入れたりすることで、多くの関係機関や区民にアレルギーに関する啓発活動をすることができると思います。訓練の中で食物アレルギーやアレルギー表示について勉強することで、災害時に安全な炊き出しを提供することができるようになるのではないでしょうか。

 災害時でも最低限の生活環境が確保されるよう、特にアレルギー疾患を持つ家族のいる家庭では、ふだんから備えておく必要がありますが、災害時におけるアレルギーに関する啓発活動は、現在、どのように行っているのか教えてください。

 令和三年第四回中央区議会定例会において、防災対策の充実の一環として行っている本区の防災用品のあっせん事業について触れ、未就学児も使用できる乳幼児用防災頭巾、消毒済みの使い切り哺乳ボトル等の乳幼児に必要な防災用品も追加していただきたいと要望させていただきました。区長答弁として、今後、社会福祉法人が取り扱う乳幼児向け防災用品もあっせん品目に追加することを検討してまいりますと、前向きな答弁をいただいたと認識しておりますが、その後の検討状況、今後の追加予定を教えてください。

 次に、安全・安心、魅力あるまちづくりについてお伺いします。

 国土交通省は、平成十年度から三年ごとに、都市公園等における遊具等の設置状況や安全点検の実施状況等について調査を実施し、令和元年度末時点の調査結果が今年の六月に公表されました。全国の都市公園にあるブランコなど遊具、計約三十九万基のうち、二○一九年度に修理・撤去などの安全確保措置の対象となったのは、一八・五%に当たる七万二千六百七十二基だったことが今回の調査で分かりました。さらに、全遊具の四九・七%は設置から二十年以上が過ぎていたことも分かり、バブル期に多数設置された公共の遊具は相次いで更新時期を迎えています。しかし、自治体が多額の整備予算を組むのは難しく、修理や新設費用を寄附で賄う取組を進めた自治体もありました。

 撤去分を含む遊具数に占める安全確保措置が必要となった割合が最も高かったのは、滑り台や小屋などを組み合わせた木製の複合遊具で四四・一%、次いで、ジャングルジムが回る回転塔の二八・一%でした。安全措置の具体策としては、ねじ締めやテープ補修などの応急対応が最も多く、本格的な措置として修理、更新、撤去などが行われました。設置から二十年以上経過した遊具では、コンクリート製の山や砂場、つり輪の老朽化が目立ち、三十年以上を経過した遊具は三三・四%あり、一一・六%が年数不明とのことでした。

 そこで、本区の現状について質問いたします。

 公園遊具の全体のうち、二十年以上経過している遊具または年数不明の遊具は幾つあるのでしょうか。

 本区では、公園内に案内板を設置し、水とみどりの課への直通番号を掲示して、遊具等に関することで何かあった際は直ちに通報できる形になっていますが、公園が多く使われる土日・祝祭日、そして平日でも、時間帯によってはつながりません。改めて確認させていただきますが、本区では、全ての公園内に案内板が設置され、そこには土日・祝祭日の連絡先も明記されているのでしょうか。そして、区民から通報があった場合には、本区としてどのように対応しているのでしょうか。

 以前より要望しておりますように、公園等の遊具の不具合について、区民の皆様が簡単、スピーディーに連絡、通報できるよう、なお一層の工夫をしていただきたいと思います。現在、本区としても力を入れているLINEと連携をし、公園遊具と併せて、道路の不具合なども画像つきで通報できる仕組みをつくっていただけないでしょうか。道路の陥没やガードレールの破損などをLINEで道路課に通報できるシステムの利用は、写真や位置情報を送信することができるため、電話での通報に比べて情報量が多く、行政側が現状を迅速に把握できるという大きなメリットがあります。LINEを活用した、このような方法をぜひ検討していただきたいと思いますが、本区の御見解はいかがでしょうか。

 千葉県八街市で下校中の児童五人が飲酒運転のトラックにはねられて死傷した事故から、六月二十八日で一年がたちました。文部科学省と国土交通省、警察庁が公立小学校の通学路の安全対策の進捗を公表し、通学路の全国点検で対策が必要とされた危険な箇所七万六千四百四か所のうち、今年三月までに対策が講じられたのは五九%と公表しました。具体的には、見守り活動や安全教育など、学校や教育委員会によるソフト対策が必要なおよそ四万か所については八九%で、信号機の設置や速度規制など、警察による対策が必要なおよそ一万七千か所については六七%で対策が講じられています。一方、歩道の整備や防護柵の設置など、道路管理者によるハード対策が必要なおよそ四万か所については、土地の取得など、調整に時間がかかっているなどの理由から、四二%となっています。国は、来年度末までにガードレールや歩道の設置などのハード対策と、警察による速度規制やボランティアによる見守りなどの対策を組み合わせて安全性を高める計画としています。

 今回の調査による本区の現状について、対策が必要とされた危険な箇所は何か所あったのか、その中で既に対策が講じられた場所は何か所か、さらに特筆すべき事案、場所があれば教えてください。また、子供たちに対する安全対策の取組についても教えてください。

 大阪教育大学附属池田小学校の児童八人が殺害された事件から、六月八日で二十一年となりましたが、事件を受けて導入された警察への通報システムを設置する学校は年々減り続けており、全国で三割にとどまっております。警察庁は、二○○三年八月以降、幼稚園から高校まで、不審者が校内に立ち入るなど、不測の事態が起きた場合、直接警察に通報できるよう、子ども緊急通報装置の設置を呼びかけました。文部科学省の調査によると、全国の幼稚園、小・中・高のうち、導入済みは二○○六年が二九・八%、二○一一年には四四・七%まで導入されましたが、二○一五年は三五・四%と、近年は年々低下しています。コスト面を理由に撤去を決めた学校も多く、ボタンを押しても動作しなかったり、音声が途切れたりといった不具合があることも分かりました。

 そこで、お伺いいたしますが、幼稚園、小・中学校における子ども緊急通報装置の本区の導入状況について教えてください。また、実際に通報システムを使用した訓練が行われているのかなど、子供たちの安全確保の取組についても、併せて教えてください。

 次に、福祉の充実についてお伺いします。

 手話の普及を進めようと、東京都議会の百二十六人、全議員が共同提案した手話言語条例が六月十五日に本会議で全会一致で可決、成立し、九月一日に施行されました。条例は、手話を独自の文法を持つ一つの言語と位置づけ、東京都の責務として、手話に対する理解の促進や環境整備を挙げ、災害時には手話を必要とする人が情報を得られるように努めることなどを求めています。

 今回の条例制定のきっかけの一つが昨年の東京五輪であり、開会式を生中継したNHKは、手話通訳つきの放映は行わず、聴覚障害者らが改善を要望し、閉会式ではEテレで手話通訳つきの生中継が実現しました。聴覚障害者らが手話を使いやすくなる共生社会を実現するため、東京都に対して、教育現場や職場への支援、手話通訳者の育成を進めるよう、条例では求めています。

 本区の山本泰人区長は、全国手話言語市区長会の会員でいらっしゃいます。本区には、令和四年四月一日現在、百七十六人の聴覚に障害のある方が住んでおられ、これまでも手話講習会や窓口での手話通訳者による各種相談や手続のお手伝いをしてまいりました。今回の東京都手話言語条例施行に対する本区の今後の対応や課題など、御見解を教えてください。

 国立がん研究センターと国立成育医療研究センターが二○一九年十月に発表した報告書によると、二○一六年から二○一七年に全国のがん診療連携拠点病院など八百四十四施設で、がんと診断されたAYA世代の患者は約五万七千人に上るということです。AYA世代のがんは二十五歳を過ぎると飛躍的に増え、三十代の発症が約七五%を占め、女性の子宮頸がんや乳がんが増えることが要因とされ、二十代から三十代のがんでは、女性が約八割を占めています。AYA世代は就職や結婚といった人生の節目の時期とも重なることから、治療と両立していく負担は重いとされ、支援する動きが広がっています。

 末期がん患者は、家族と一緒に過ごし、住み慣れた環境で家族と過ごす療養生活を選ぶケースが多く、在宅療養中は訪問入浴などの介護サービスのほか、介護用ベッドや車椅子などの用具の購入・レンタルが必要になり、こうした費用は一か月当たり数万円に上り、医療費もかかり、本人、家族にとって大きな負担となっています。四十歳以上の末期がん患者が在宅療養をする場合、介護保険制度を利用でき、十八歳未満の小児がん患者には医療費の助成制度がありますが、AYA世代と呼ばれる十五歳から三十九歳のうち、大半が該当する十八歳から三十九歳には、こうした公的な助成制度がなく、家族の経済的な負担を考慮し、在宅療養を避けるケースがあるとされ、助成制度を設ける自治体が増えてきています。

 制度の先駆けとなったのは兵庫県で、各地の自治体の助成制度のモデルとなっています。二○一六年度に二十歳から三十九歳の末期がん患者を対象に助成制度を導入した横浜市は、二○二○年度、二十歳未満も利用できるようにし、在宅療養で使う福祉用具のレンタル費の補助を目的として、助成制度を小児がん患者にも広げました。県と自治体とが半額ずつ負担する助成が多い中、自治体単独で独自に助成を行っているところも多くあります。国による制度整備が、介護保険の対象年齢を引き下げるなど抜本的な改革が必要で難しいとの理由で、自治体で独自に助成制度を設けるほうが現実的との見解もあり、自治体間での問題意識の差が大きいのも現状です。

 全国がん患者団体連合会の松本陽子副理事長は、AYA世代のがん患者は養育費や住宅ローンを抱えがちで、自宅で療養を続けるには経済的負担が重い、公的な制度の谷間にある世代をつくってはならない、希望する療養が実現できるように、AYA世代に支援の手を差し伸べてほしいと話しています。

 このような現状を踏まえ、本区でも、AYA世代に対する助成について前向きに取り組んでいただきたいと思いますが、区の御見解を教えてください。

 最後に、妊娠、出産から子育て環境の充実についてお伺いします。

 練馬区では、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、安心して出産や子育てをしてもらおうと、出産までの流れや、出産に役立つ呼吸法、赤ちゃんの沐浴や食事などを学べる動画、赤ちゃん準備教室を公開しました。新型コロナウイルスの影響で病院での母親学級の多くが中止となり、妊娠中や出産後の準備を手軽に学べるコンテンツを求める声が上がっていたため、動画制作を決めました。私もコロナ禍での第二子出産は、経産婦という理由で、希望しても母親学級に参加できず、久しぶりの新生児の世話に戸惑ったことを思い出しました。動画では、助産師や妊婦、赤ちゃんが出演し、ポイントを分かりやすく伝え、妊娠中の体の変化や赤ちゃんの歯の健康を守るために必要な妊娠中の口腔ケア、出産後の食事などを取り上げ、赤ちゃんを迎えるカップルが不安を解消できるよう工夫したそうです。動画の最後には、各保健相談所の電話番号を載せ、動画を見て分からないことや不安を感じたら、電話をしてほしいと呼びかけています。

 本区でも、公式動画チャンネルの配信を行っておりますが、幼稚園の紹介動画は五百回以上再生されており、子育て世代が注目していることが分かります。本区でも、練馬区のような子育て世代に向けた動画を充実させていただきたいと思いますが、御見解を教えてください。

 他の自治体で導入が進んでいる手ぶら登園は、保育施設で紙おむつとお尻拭きが使い放題となり、保護者は、紙おむつ一枚一枚に名前を手書きして持参するという手間がなくなり、保育士は、おむつの個別管理の手間がなくなるという、保護者、保育士双方の課題を解決するサービスです。渋谷区では、この手ぶら登園を、二か月のテスト期間を経てアンケート結果を参考にし、区内の全十八園に導入しました。現在、全国の二千二百七十か所以上の保育施設がこの手ぶら登園を導入し、本区でも二十か所以上の民間保育施設が既に導入しております。また、多くの企業がこのようなサービスを始めており、本区は共働き家庭が多く在住しておりますので、ぜひ、区立保育園においても手ぶらで登園できる仕組みを導入していただきたいと思いますが、御見解を教えてください。

 以上で第一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 梶谷優香議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、防災備蓄品のアレルギー対応についてであります。

 本区では、アレルギー物質二十八品目への対応食として、ライスクッキーやアルファ化米など、約十四万食分を備蓄しております。また、アレルギーをお持ちの方が避難所に来られた際には、避難者名簿にアレルギー内容の記載をお願いするとともに、食料配給時には、御本人からの申入れや配給担当者からの声かけによる双方確認の下、アレルギー対応食をお渡しすることとしています。さらに、備蓄品の外装にアレルギー対応食であることを表示し、慎重を期しているところであります。こうした運用については、避難所を運営する方々が点検、確認していくことが肝要であり、引き続き防災拠点訓練等で取り組んでまいります。また、アレルギー対応の育児用粉ミルクについては、都のガイドラインに基づき、粉ミルク全体の約一○%分を備蓄しています。さらに、災害時におけるアレルギーに関する啓発につきましては、御家族に合わせた食料の備蓄として、掲載した防災パンフレットを本年三月に各家庭に配布するなど、普及啓発に取り組んでいるところであります。

 次に、防災用品あっせん事業についてであります。

 防災用品のあっせんは、家庭での災害に対する備えを促進するため、社会福祉法人との協定に基づき実施しており、取扱品目については、適宜見直しを行っているところです。乳幼児向け防災用品につきましては、区民からの要望が多くあったことから、使い切り哺乳ボトルと幼児用ヘルメットを本年十月一日から追加することといたしました。今後も、利用される方の御要望を踏まえつつ、取扱品目を充実し、区民の皆様が自助の強化を図れるよう支援してまいります。

 次に、公園遊具の安全性についてであります。

 令和二年度、国土交通省の調査で報告した公園遊具の全数は、二百七十五基であります。そのうち、年数不明の遊具は百三十七基あり、明確に設置後二十年以上経過している遊具はありませんでした。本区では、全ての公園遊具について、区職員が二か月に一度、巡回による点検を実施するとともに、公園清掃や委託警備員による日々の確認のほか、公園ボランティアの方にも点検に御協力をいただき、不具合の早期発見に努めています。また、国が作成した都市公園における遊具の安全確保に関する指針に基づき、委託業者による年一回の定期点検を行っています。こうした日常点検や定期点検で発見した不具合は、状況に応じて修繕や更新、使用停止等の措置を行うことで、事故の未然防止に取り組んでおります。また、公園の案内板には連絡先が示されており、連絡を受け、担当部署が速やかに対応することとしておりますが、案内板に不明瞭なものがないか、再度点検を実施いたします。今後も、安全・安心な施設利用ができるよう、適正管理に努めるとともに、通報アプリの導入についても検討してまいります。

 次に、手話言語条例についてであります。

 区では、これまで平成三十年に施行された東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例に基づき、手話通訳者や要約筆記者の派遣事業を行うとともに、障害者サポートマニュアルを配布するなど、手話や筆談によるコミュニケーション手段についての普及啓発に取り組んでまいりました。国においては、本年五月に、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律が施行されるとともに、東京都では、九月に東京都手話言語条例が施行され、さらに、障害者の情報取得及びコミュニケーションに関する条例の制定を検討しております。現時点において、都条例施行に伴う大きな課題はありませんが、今後は、手話の普及啓発に加え、障害の特性に応じた多様な意思疎通手段の利用促進に向けた取組を推進してまいります。

 次に、いわゆるAYA世代のがん患者に対する介護サービス費の助成についてです。

 東京都が平成三十年に実施したAYA世代のがん患者に関する実態調査によると、がん治療が難しくなった場合に過ごしたい場所は、自宅が最も多く、その際の課題としては、家族への影響や、相談先が分からない、介護サービスに係る費用負担が大きいなどが挙げられています。本区においては、これまでAYA世代の方からの御相談はありませんが、あった場合には、必要な情報の提供や相談・交流の場として、聖路加国際病院内に東京都が設置したAYA世代がん相談情報センターを御紹介することとしております。介護サービス費の助成につきましては、がん以外の疾患で末期と診断された若年期の患者との整合性や、サービスが提供できる事業者の確保など、多くの課題があるため、他自治体の状況を見定めながら、慎重に検討する必要があるものと認識しております。

 次に、子育て世代に向けた動画配信の充実についてであります。

 区では、区民と直接お会いして相談をお受けしたり、保健指導を行うことで、最も効果的に支援ができると考えております。新型コロナ感染拡大時には、直接参加型の育児支援教室の開催回数が少なくなったり、参加をためらわれる方もいらっしゃったことから、離乳食調理の動画配信や、東京都助産師会作成の母親学級の動画の案内、出産や育児に関するオンライン講習会の開催などの工夫を図りました。今後とも、動画など、様々な媒体を活用するとともに、基本的な感染対策を徹底しながら、参加型教室の回数や定員を増やすなど、子育て世代への支援の充実に努めてまいります。

 次に、保育園に紙おむつ等を持たずに登園できるサービスの導入についてであります。

 このサービスは、保育園が選んだ事業者と保護者が私的契約を結び、提供される定額制サービスであり、園運営の方針として、独自に事業者を選定できる私立保育園を中心に導入が進んでいるところです。区立保育園で事業者を選定するためには、使用する商品に関する多種多様な保護者のニーズをしっかりと把握するとともに、区民ニーズに適応した事業者の選定方法を担保する必要があることから、慎重に対応していくべきものと考えております。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 初めに、通学路の安全対策についてであります。

 教育委員会では、令和三年九月に、学校、PTA、道路管理者及び警察による合同点検を実施いたしました。その結果、対策が必要とされた三十六か所については、教育委員会として全て対策を講じております。また、各校において、交通安全を含む安全教育の全体計画及び年間指導計画を作成し、安全な登下校や公共交通機関のマナーなどについて、計画的、系統的に取り組んでいることに加え、PTAの皆様に自転車での安全パトロールやランニングパトロールを行っていただいております。教育委員会といたしましても、学校と地域などが協力して行う見守り活動を補完し、安全対策の強化を図るため、通学路に防犯カメラを設置するなどの取組を行っておりますが、今後も学校のみならず、PTA、道路管理者及び警察等の関係機関と緊密に連携し、児童の登下校時の安全対策に努めてまいります。

 次に、学校内での安全確保についてであります。

 本区の学校施設内の安全対策といたしましては、不測の事態に備え、警察へ緊急通報する学校一一○番非常通報装置を全幼稚園、小・中学校に設置しております。本装置の使用方法や取扱いについては、教職員に指導し、適切に運用できるよう取り組むとともに、各学校の不審者対応訓練において、動作確認や設置場所の確認等を行っております。また、校外における対策といたしましては、緊急時に近くの店舗などに避難できるこども一一○番事業や、通学路における防犯カメラの設置のほか、子供たちに対しては防犯ブザーを配布するなどの安全対策を実施しております。さらに、学校安全計画や学校危機管理マニュアルに基づき、子供たちの安全確保や生活安全の意識を高めるために、定期的に指導しております。今後とも、校内や通学路の安全確保を最優先に、危機管理意識の向上を図り、安全で安心な学校運営に取り組んでまいります。

 答弁は以上であります。

〔三番 梶谷優香議員登壇〕

○三番(梶谷優香議員)
 それぞれ御答弁いただき、ありがとうございました。

 食品アレルギーは多様であり、アレルギー表示対象となっている二十七品目以外にも存在します。これら全てに対応することは困難であり、各家庭で必要な食料の備蓄をするよう啓発していくことがとても重要です。

 東日本大震災の避難所で実際に起きた事例として、幼い子供がボランティアの方から頂いたお菓子にアレルゲンが含まれており、摂取してしまったケース、ある食べ物をアレルギーがあるので食べられないと言ったら、こんなときにぜいたくを言うなと怒られ、理解を得られなかったケースなどがありました。子供が食品をもらったら、必ず保護者に確認してから食べるよう習慣づけたり、アレルギーのある食品を避けることが命を守るための必要な選択だということを社会みんなで理解するためにも、災害時におけるアレルギーに関する啓発活動は非常に重要です。

 一方、乳幼児向け防災用品のあっせん事業については、本区として迅速に対応していただき、本当にありがとうございます。今後も、災害に備えて、あらゆる角度から力を入れて取り組んでいただきたいと思います。

 全国の都市公園にある全遊具の四九・七%が設置から二十年以上が経過している中、本区において該当する遊具はゼロ基ということで、大変安心をいたしました。ただ、設置年数の不明な遊具が約半数近くあり、かなり多いことが気になります。安全に遊具を使用できるよう、今後も定期的な点検を行い、迅速な安全措置を行える体制整備をよろしくお願いいたします。そして、区民の皆様が安全・安心して暮らせるまちにするためにも、二十四時間いつでも通報できる仕組みを早急に構築していただきたいと思います。

 通学路で子供たちが巻き込まれる交通事故は、全国各地で後を絶ちません。警察庁のまとめによると、登下校中の事故で死亡したり、重傷を負ったりした小学生の児童数は、平成二十八年から令和二年の五年間で九百八人に上っています。この数字は、死者、重傷者が出た事故だけの統計であり、軽いけがやけががなかった事故あるいは中学生以上の子供たちが含まれておらず、実際には、より多くの児童・生徒が事故、インシデントの当事者となっています。子供たちが安全に登下校ができるよう、今後も安全対策について努めていただくようお願いいたします。

 そして、本区の全校に警察に直通で通報できるボタンが設置されていることを確認させていただきました。多くの学校で不審者対応訓練を行っており、教職員には、どこから入ってくるかなどの詳細を知らせないまま訓練を行う学校もあり、よりリアルな訓練が重要だと思います。本区としても、今後も訓練に力を入れていただきたいと思います。

 手話を言語として位置づけ、手話での意思疎通を日常的にできる社会を目指すのが手話言語条例です。埼玉県久喜市では、聾者の方々への理解を深めるとともに、手話の普及啓発を図るため、学校を通じて、自治体発行の手話リーフレットを配布しています。このリーフレットには、日常生活の会話や挨拶などの簡単な手話が掲載されており、聾者の方々や手話について知るきっかけとなっています。これまでも本区として多く取り組んできましたが、より一層の手話への理解や普及に取り組んでいただきたいと思います。

 千葉県松戸市では、AYA世代がん患者の在宅療養支援事業化を検討した際に、約四年間の、居住していたAYA世代がん患者の在宅療養支援の実績について、医師会と訪問看護連絡協議会を対象に調査を行いました。介護面、経済面で大きな負担を抱えている実態が浮き彫りとなり、AYA世代がん患者の在宅療養支援事業が実現の運びとなりました。想定される対象者数は少数であり、限られた期間での支援であるため、人口十万人当たり年間二十万から四十万円程度の予算で対応できると、松戸市は試算を出しました。

 地域共生社会実現に向け、あらゆる世代の住民が、住み慣れた環境で家族と過ごす療養生活への支援は、本区にとっても必要な施策だと思いますので、今後も要望させていただきます。

 核家族の多い本区において、出産は、妊婦やその家族にとって大きな不安を伴うものです。本区の公式チャンネルを通して、視覚、聴覚両面から情報提供することは意義あることだと思います。安心して出産を迎え、子育てにおける不安の解消の一助となるよう、動画配信についても、今後もぜひ前向きな検討をよろしくお願いいたします。

 本区の区立保育園においても、渋谷区等を参考にして、手ぶらで登園できる仕組みのテスト期間を設けることによって、保護者のニーズをはじめ、メリット、デメリットを把握することから始めてみてはいかがでしょうか。共働き家庭の多い本区ならではの行政サービスの一つだと思いますので、双方にとってプラスとなるような仕組みをぜひ検討していただきますよう、よろしくお願いいたします。

 今回、私が質問で提案した内容について、少しでも区政に反映していただけるようお願い申し上げます。

 以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(原田賢一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明九月二十一日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(木村克一議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明九月二十一日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後五時十三分 散会


署名議員
議 長  木村 克一
議 員  小栗 智恵子
議 員  佐藤 あつこ

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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