令和4年第四回定例会会議録(第3日 11月21日)
1.会期
十五日(第三日)
十一月二十一日(月曜日)
2.開議並びに散会
午後二時開議
午後八時十三分散会
3.出席議員
(二十九名)
一番 高橋 元気議員
二番 高橋 まきこ議員
三番 梶谷 優香議員
四番 田中 耕太郎議員
五番 かみや 俊宏議員
六番 二瓶 文徳議員
七番 しらす 夏議員
八番 小坂 和輝議員
十番 奥村 暁子議員
十一番 青木 かの議員
十二番 渡部 恵子議員
十三番 太田 太議員
十四番 竹内 幸美議員
十五番 海老原 崇智議員
十六番 堀田 弥生議員
十七番 墨谷 浩一議員
十八番 山本 理恵議員
十九番 小栗 智恵子議員
二十番 木村 克一議員
二十一番 佐藤 あつこ議員
二十二番 富永 一議員
二十三番 原田 賢一議員
二十四番 塚田 秀伸議員
二十五番 瓜生 正高議員
二十六番 礒野 忠議員
二十七番 押田 まり子議員
二十八番 田中 広一議員
二十九番 中島 賢治議員
三十番 渡部 博年議員
4.出席説明員
区長 山本 泰人君
副区長 齊藤 進君
副区長 吉田 不曇君
教育長 平林 治樹君
企画部長 浅沼 孝一郎君
総務部長 黒川 眞君
防災危機管理室長 春貴 一人君
区民部長 濱田 徹君
福祉保健部長 田中 智彦君
高齢者施策推進室長 北澤 千恵子君
保健所長 渡瀬 博俊君
環境土木部長 三留 一浩君
都市整備部長 松岡 広亮君
都市活性プロジェクト推進室長 早川 秀樹君
会計管理者 鈴木 浩君
教育委員会事務局次長 生島 憲君
監査事務局長 林 秀哉君
企画部参事(政策企画課長 事務取扱)溝口 薫君
財政課長 大久保 稔君
総務部参事(総務課長事務取扱) 山﨑 健順君
5.議会局出席職員
議会局長 伊藤 孝志君
庶務係長 長田 基道君
議事係長 小倉 正信君
調査係長 佐藤 康之君
書記 桝谷 剛司君
6.議事日程
日程第一
一般質問
日程第二
議案第七十六号 令和四年度中央区一般会計補正予算
日程第三
議案第七十八号 中央区職員の高齢者部分休業に関する条例
日程第四
議案第八十一号 中央区議会議員及び中央区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例
日程第五
議案第八十二号 中央区保健所等複合施設等改修工事(建築工事)請負契約
日程第六
議案第八十三号 中央区保健所等複合施設等改修工事(機械設備工事)請負契約
日程第七
議案第八十四号 中央区保健所等複合施設等改修工事(電気設備工事)請負契約
日程第八
議案第 八十号 中央区立総合スポーツセンターの管理運営に関する条例の一部を改正する条例
日程第九
議案第八十五号 指定管理者の指定について(区立伊豆高原荘)
日程第十
議案第八十六号 指定管理者の指定について(区立産業会館)
日程第十一
議案第七十七号 中央区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例
日程第十二
議案第七十九号 中央区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例
午後二時 開議
○議長(木村克一議員)
ただいまより、本日の会議を開きます。
○議長(木村克一議員)
これより本日の日程に入ります。
日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。
まず、五番かみや俊宏議員。
○五番(かみや俊宏議員)
中央区議会自由民主党議員団のかみや俊宏です。会派の一員として、質問通告に基づき質問します。区政の課題、地域の課題へ真摯に政策提言していくことをお誓いし、質問に入ります。区長並びに関係理事者の皆様におかれましては、質問の趣旨をお酌み取りいただき、前向きな御答弁をお願いいたします。なお、再質問を留保します。
初めに、地域・経済活性化について伺います。
一点目は、地域・経済活性化の充実策についてです。
我が会派は、これまで、令和二年予算特別委員会や同年第二回定例会一般質問で経済復興対策としての共通買物券について、同年第三回定例会では区独自の経済対策の効果・課題を踏まえた施策の充実について、令和三年第二回定例会ではコロナ禍の商店街・料飲団体等への支援の拡充について、第三回定例会ではコロナ禍における本区の戦略的な地域経済支援策と年度当初の空白期間をつくらない補正予算を活用した支援策など、時期に応じた施策の充実を提言、要望してきました。
区行政は、我が会派の提言も踏まえ、共通買物券の拡充、飲食業団体・商店街支援の充実、地域コミュニティ連携事業補助金の創設、キャッシュレス決済事業など、様々な対策を講じてきたと認識しています。また、これらの取組に加え、商工業融資、経営セーフティ共済掛金、オンライン展示会出展、ECサイト活用、商店街イベント補助の新設・拡充など、積極的に経済対策、地域振興施策を推進されてきたことに敬意を表します。
そこで、初めに伺います。
これまでのコロナ禍でのおよそ三年にわたる経済対策、地域振興施策の予算規模、効果はどれほどであったのか、認識をお聞かせください。
また、現在、地域での行事やイベントは徐々に戻ってきているように感じます。一方で、新型コロナ第八波も懸念されるなど、先行き不透明感もある中、今後の経済対策、地域振興施策に対する考え方をお聞かせください。
その上で、地域では、回復を確かなものとするための支援について御要望を伺います。そこで、これまで取り組んできた経済対策、地域振興施策をさらに一押しし、回復を確かなものとする、また地域経済、地域コミュニティの新たな飛躍のための施策が必要であると考えますが、見解をお聞かせください。
二点目は、MICEを活用した観光振興についてです。
東京都は、本年三月、東京ベイeSGまちづくり戦略二○二二を策定し、二○四○年代のベイエリアの将来像を示し、また、都市空間イメージのキープランには、レストランや観光資源など、ウォーターフロントの活用が示されています。
そのような中、今年の夏、自民党会派では、国内最大の展示場である東京ビッグサイトの方を講師としてお招きし、MICE機能の重要性について勉強会を開催しました。現在、都内では、DMO東京丸の内、DMO芝東京ベイ、DMO六本木など、DMOと呼ばれる地域の多様な関係者を巻き込みながら観光地域づくりを行う法人によるMICE誘致の取組が進められているとのことでした。また、今後求められる視点・機能としては、会場、会議施設のハード面に加えて、アフターコンベンション、飲食会場を含むユニークベニューなどとの協働、地域連携などが重要になってくるとのことでした。これらソフト面の視点は、地元自治体の役割も大きくなると考えます。
築地市場跡地や日本橋地域の再開発の完成は、まだ時間があります。本区は、東京ビッグサイト以外にも、東京国際フォーラム、東京ドームなど国内有数の既存のMICE施設に隣接しており、近隣区に訪れている来街者の方々に中央区にもお越しいただく取組を推進することも大切であると思います。
そこで、伺います。
経済波及効果の高いMICEを通じて、近隣区に訪れる来街者の方々に本区の魅力を知ってもらえるような取組を推進すること、また、観光振興を地域経済の活性化につなげていく視点が重要であると考えますが、本区の見解と今後の取組の方向性を伺います。
次に、こどもまんなか社会の実現について伺います。
初めに、こども家庭庁の創設についてです。
今年一月、子供政策を我が国社会のど真ん中に据えていくため、二○二三年四月にこども家庭庁を創設することが総理施政方針演説で表明されました。こども家庭庁設置に当たっては、専任の大臣、強い権限、子供関連予算の倍増という三つを求めてきたところ、専任の大臣、強い権限が実現し、今後、子供関連予算の倍増を含め、こどもまんなか社会の実現に向けた取組を推進していくとのことでありました。
本区は、近年、二千人以上の新生児が誕生し、合計特殊出生率は令和二年で一・四三であるなど、国や東京都の数値は上回っているところであります。一方、先日のNHKの報道によると、二○二二年の出生数は全国でおよそ七十七万人、国が統計を取り始めた一八九九年以降で初めて八十万人を下回る見通しになったということで、二○一五年の出生数は百万人を超えていた中、僅か七年で二○%以上減少するとのことです。一九九○年代の出生数は百二十万人程度で比較的安定しており、今後十年間は、少子化対策に取り組む上で特に重要な期間になるのではないかとの指摘もありました。
また、こども家庭庁に係る国の令和五年度予算要求・予算編成に当たっては、五つの基本姿勢が示されており、最初の項目に、こども政策は国の未来への投資であり、こどもへの投資の最重要の柱である、その実現のためには将来世代につけをまわさないように、安定財源を確実に確保すると、こども政策は未来への投資であることが示されています。
加えて、少子化の進行は国内の社会保障制度や経済成長にも大きな影響があると考えることから、伺います。
全国的に少子化が進んでいる状況や、こども家庭庁の創設の経緯を踏まえ、出産・子育てに関連する支援策をより一層充実させていくことが重要であると考えますが、本区のこれまでの取組と、支援策を充実することについて見解を伺います。
次に、こどもの味方政策の推進について伺います。
まず、総合的な放課後の居場所対策についてです。
先般公表された中央区基本計画二○二三(仮称)中間のまとめにおいて、今後十年間を見据えた具体的な施策や取組内容の中で、放課後の居場所として、区立小学校への学童クラブ設置、学童クラブ、プレディの一体的実施が示されました。自民党会派として本年九月に提出した重点政策要望において、学童クラブの待機児童解消、放課後の居場所プレディに対する現状のニーズを踏まえ、子供たちの放課後の居場所を充実していただきたい旨、要望しておりましたので、この記載を評価するところであります。
そこで、伺います。
喫緊の課題である子供たちの放課後の居場所充実について、本区として、今後、どのように取り組んでいくのか。現在、想定している具体的な内容などをお聞かせください。
次に、学校の校庭の利用促進についてです。
こどもまんなか社会の実現に当たり、全ての子供たちにとって、よりよい環境は何かと考えたとき、それは豊かな緑であったり、元気に体を動かせる場所であったりすると思います。また、親子で過ごす時間や体験も、子供の人格形成や成長に重要であると考えます。本区の限られた空間の中でそれらを体感するためには、既存施設である学校の校庭の利用促進は有効だと思います。例えば、日曜日の午前中など、曜日や時間帯の工夫をして、青少年対策地区委員会をはじめとした地域の方々にお手伝いいただき、親子で野球やサッカー、バレーボールなどのスポーツを楽しむ、警察などの協力の下、交通マナーを学びながら自転車の練習をするなど、学校の校庭を使った、未就学児も含む全ての親と子の時間を豊かに育む取組があってもよいと思いますが、本区の見解を伺います。
次に、日本橋東部地域の魅力向上について伺います。
初めに、グリーンリカバリーなまちづくりの進捗についてです。
令和三年第三回定例会の一般質問で、コロナ禍からの復興は、脱炭素社会など環境問題への取組も併せたグリーンリカバリーの考え方に基づき、都市を進化させ、次世代に引き継いでいく責任がある旨、また、本区が進めている水と緑のネットワーク化を日本橋東部地域においても、さらに推進していただきたい旨、提言しました。
基本計画二○二三(仮称)中間のまとめの中でも、リーディングプロジェクトの一つに水とみどりプロジェクトが掲げられており、今後、水とみどりにあふれる、やすらぎと憩いのまちを目指していくこと、また、十年後の中央区のイメージの中でも、日本橋東部地域で緑道整備をはじめとした様々な取組が示されています。我が会派は、来年度の重点政策要望においても、千代田公園の再整備による隅田川テラスとの連続化に続き、今後も関係機関と連携を深めながら、日本橋東部地域での隅田川テラスの利活用の一層の推進を要望しております。
そこで、伺います。
日本橋東部地域における水と緑のネットワーク化の充実について、今後の取組の方向性、また、先般示された浜町川緑道の再整備について、現在の進捗状況と今後の方針、スケジュールについて見解を伺います。
次に、浜町公園についてです。
地域で日本橋中学校改築に伴う仮設校舎への懸念の声を伺い、公園利用について、さきの決算特別委員会で質問させていただきました。子供の広場、納涼盆踊り、ラジオ体操、大江戸まつりなど、現状の利用が制限されてしまうことへの懸念、また、工事中の騒音や振動など、周辺住民の方々への配慮、さらには浜町公園内での代替の場所の確保などの見解を示されました。近隣住民、利用者の声を現地に足を運びながら把握いただいていることをありがたく感じています。
そこで、伺います。
日本橋中学校の仮設校舎は令和六年度に整備され、十一年度前半に解体のスケジュールが示されていますが、浜町公園の利用可能面積が大きく減少することから、公園内での代替の場所の確保については、仮校舎整備前に、現在、区が認識している課題を踏まえながら対策を進めていただきたいと考えますが、区の見解を伺います。
また、仮校舎解体年度である令和十一年、二○二九年は、浜町公園が一九二九年に開園してから百周年を迎える年です。地域では、開園百周年をお祝いしたいという声も聞こえ始めています。大規模改修が予定されている総合スポーツセンターや関連施設でも、施設の老朽化が進んでいるように感じます。利用者の方々の御不便や部品交換の依頼などに都度迅速に対応いただいていることを、折に触れ仄聞します。また、ニーズの高いデイキャンプ場についても、増設やリゾート感のある施設整備を望む御意見なども伺います。
そこで、伺います。
二○二九年に開園百周年を迎える浜町公園について、ハード、ソフト両面から魅力を高めるとともに、隅田川テラスとの回遊性をさらに向上させ、日本橋東部地域における水と緑のネットワーク化の中心となるような取組を推進していただきたいと考えますが、区の見解を伺います。
次に、地域資源を活用した魅力向上についてです。
これまで一般質問や予算・決算特別委員会などで、地域に眠る資源の活用を通じて、まちに愛着を持っていただくことが重要である、この視点から、様々提言、要望を行ってきております。その取組状況等を伺いたいと考えております。
初めに、ナウマンゾウの化石、浜町標本についてです。
本年三月の予算特別委員会において、今度できる郷土資料館に、発見された事実は刻みたいと考えている旨、御答弁をいただいたところでした。今般、本の森ちゅうおうが完成し、郷土資料館において、どのように発見の事実を紹介いただけたのかお聞かせください。
また、現在、標本を所有されている八王子市としても、非常に大事にしてくださっていて、何度御連絡しても、近々使うというお答えであるということで、改めて浜町標本の価値の高さを認識しているところであります。
そこで、大規模改修が始まり、現在、休館している江戸東京博物館が所有するレプリカについてであります。郷土資料館においては、展示室もしつらえられたということで、区民の皆様、考古学に興味のある方あるいは子供たちに、江戸東京博物館が所有するレプリカを借用するなどして、本区の太古のロマンを感じることができるような機会を検討いただきたいと考えます。
そこで、伺います。
今後の本の森ちゅうおう、郷土資料館での浜町標本の紹介についての取組の方向性を伺います。
最後に、新大橋の麓の震災記念碑についてです。新大橋の麓にある震災記念碑について伺います。
数十年前から、この震災記念碑を大切に思っている地域の方々が、昨年、初めて石碑洗いを実施しました。今年も、関東大震災が九月一日に発生したことを踏まえ、九月上旬の週末に、地域団体、消防団、地元町会などの協力により、石碑をきれいにする、防災訓練の一環としてバケツリレーを実施する、まちの歴史を知ってもらうなどの目的で石碑清掃が実施されました。一九二三年の関東大震災から来年で百年となります。これを契機に、文化財登録など、地域資源を大切にする取組を推進していただきたいと考えますが、本区の見解と取組を伺います。
以上で一回目の質問を終わります。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
かみや俊宏議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、地域・経済活性化についてであります。
新型コロナウイルス感染症が区内の地域活動と経済活動に甚大な悪影響を及ぼす中、区では、例えば地域コミュニティ連携事業に二千万円、二度にわたるキャッシュレス決済ポイント還元事業に八億四千万円余、商店街等への集客事業補助として一億六千八百万円の予算措置を講じてまいりました。また、融資に係る利子補給と保証料補助は、決算ベースで、令和二年度及び三年度でそれぞれ約十億円ほど元年度より増加するなど、過去に例のない規模の経済対策を行ってまいりました。こうしたことにより、町会・自治会や商店街などの地域団体の尽力もあり、にぎわいの創出と効果的な消費喚起などにつなげることができたほか、区内事業者の資金繰りにも寄与することができたものと認識しております。今後の取組につきましては、それらの効果を検証しつつ、国や都の動向、いまだ不安が払拭し切れない感染症の状況の変化と、それが地域コミュニティや地域経済に及ぼす影響を十分に留意していく必要があると考えております。そのため、区といたしましては、各種経済指標や地域団体との意見交換を踏まえて、さらなる支援の必要性を見極め、今後とも町会・自治会が地域コミュニティの核として活動するとともに、商工業のまち中央区として活発な経済活動が区内全域で展開されるよう、時宜に応じた取組を積極的に展開してまいります。
次に、MICEを活用した観光振興についてであります。
MICEは開催地周辺に大きな経済波及効果を及ぼすものであり、区としても、東京都が築地市場跡地の事業実施方針で示しているMICE機能の整備に期待をしているところであります。区としては、近隣区の施設でMICEが行われる際には、築地魚河岸など、区内に七施設あるユニークベニューを紹介していくほか、イベントに訪れる方に本区への来街を促すため、その会場において観光情報センターの出張観光案内などを展開してまいりたいと考えております。また、本年九月には、事務レベルで千代田区の観光案内所と意見交換会を開催しました。こうした取組を通し、他自治体との交流を深め、広域的な観光情報の提供に努めてまいります。今後の観光振興につきましては、観光は宿泊や飲食など経済・消費活動の裾野が広く、区内経済の活性化に寄与するものであることから、一層の推進を図っていくことが重要であると認識しております。また、インバウンドの回復も見込まれるため、観光協会とも協力しながら、様々な媒体を活用して、歴史・伝統・文化に根づいた本区の多彩な魅力を国内外に積極的に発信してまいります。
次に、こども家庭庁の創設等を踏まえた出産・子育て支援策についてであります。
区では、子供の幸せを第一に考え、子供の最善の利益が尊重されるとともに、親も子育てや子供の成長に喜びや生きがいを感じることができるよう、新生児等訪問指導などの妊娠・出産支援や、幼児期の教育・保育の一体的提供、子どもの居場所づくりの確保など、子育て支援や教育に関する様々な施策を展開してまいりました。こうした取組は、今回のこども家庭庁が目指している、子供を真ん中に置いた社会づくりの実現の理念に合致するものと認識しております。しかしながら、近年、従来の福祉や教育の枠組みでは受け止め切れない問題も生じており、これまで以上に組織間の連携や横断的な対応を強化する必要があります。区といたしましては、子ども家庭支援センターを中心とした総合的な相談・支援体制を構築するとともに、強い司令塔としての機能を有する組織・執行体制についても検討するなど、今後とも引き続き、全庁を挙げて子ども・子育て施策の推進に取り組んでまいります。
次に、総合的な放課後の居場所対策についてであります。
本区では、これまで、児童館の学童クラブと小学校のプレディが連携して子供たちの放課後等の居場所づくりを推進してまいりました。しかし、児童数の増加に伴い、学童クラブでは定員の拡大が、プレディでは活動スペースの確保が課題となっております。そのため、今回、都心区としての新しい放課後児童対策の方向性として、区立小学校への学童クラブ設置と、プレディとの一体的な運営について、中央区基本計画二○二三の中間のまとめでお示ししたところです。具体的には、福祉保健部が学校施設を活用し、児童館における学童クラブや一般来館対応と同様の事業を行い、学童クラブについては定員を設け、面積基準や職員配置を区条例を踏まえた内容で運営してまいります。スケジュールを含めた運営方法や整備計画につきましては、今後、学校や地域の関係団体とも調整を行いながら、スピード感を持って検討してまいります。区といたしましては、既存公共施設や民間活力を最大限活用しながら、児童に適切な遊びや生活の場を提供し、放課後に安心して過ごせる居場所の確保に努めてまいります。
次に、学校の校庭の利用促進についてであります。
健全で健やかな子供を育むためには、子供同士や親子が共に過ごし、体を動かすことができる場の確保は大変重要であると認識しております。子供たちが安全で安心して過ごせる場所としては、児童館や公園、図書館などがありますが、地域のコミュニティの中心であり、子供たちが外で元気に遊ぶことができる学校の校庭も居場所の一つであると考えております。今後は、学童クラブとプレディの一体的実施の検討に併せて、地域の方々の協力を得ながら、公園や道路での活動が難しいキャッチボールや自転車の練習なども含め、校庭の有効的な活用について検討してまいります。
次に、日本橋東部地域における水と緑のネットワークの方向性についてであります。
区では、これまでも、緑の基本計画に基づき、水と緑のネットワークの形成を図ってまいりました。日本橋東部地域につきましては、千代田公園の再整備に合わせ、隅田川テラスとの連絡橋を設置し、浜町公園と連続化することにより、地域の回遊性向上を図ってまいります。また、浜町公園を緑の拠点、隅田川を水の軸と捉え、歴史や文化に触れながら散策を楽しめる、公園や緑道、街路樹などの緑と一体化した歩行空間の形成について検討を進めてまいります。
次に、浜町川緑道における取組についてであります。
浜町川緑道は、地域の方々に親しまれる場所である一方、経年による施設の老朽化や、緑道に求められるニーズの多様化、路上駐車の増加などの課題に対応するため、再整備に向けた検討を進めているところであります。現在、周辺地域を含めた歴史の変遷、交通量や路上駐車等の基礎調査を実施し、今後、緑道の利用実態や地域の意見を把握するためのアンケート調査を実施する予定であります。これらの調査結果を踏まえた整備イメージ案を基に、地域の方々の御意見をいただきながら、緑豊かで快適な緑道となるよう検討を進めてまいります。
次に、浜町公園内の仮設校舎の設置に伴う代替場所の確保についてであります。
仮設校舎の設置を予定している広場は、現在、子供たちの遊び場や地域のイベントなど、様々な用途に利用されており、その代替場所を確保しなければならないものと認識をしております。しかしながら、現状の公園は、遊具エリアや野球場のある多目的グラウンドなど、それぞれの公園機能を有することから、既存利用との調整が課題になると考えております。区といたしましては、限られた公園スペースの中で現状の公園利用への影響が少なくなるよう、既存公園施設の見直しや再配置、多目的グラウンドや隅田川テラスの活用など、地域の意見を伺った上で、代替場所の確保について迅速に調整を進めてまいります。
次に、浜町公園の魅力向上についてであります。
浜町公園は、関東大震災の復興事業において、昭和四年に整備された歴史ある公園の一つであり、区立公園としては最大の面積を有しております。公園内には、緑あふれる広場、水辺の散策テラス、総合スポーツセンター、デイキャンプ場など、多様なレクリエーション機能が集積し、地域の方はもとより、区民にとって重要な公園であります。公園のさらなる魅力と回遊性の向上に向け、仮設校舎の撤去後の公園の整備において、地域の意見も取り入れ、遊具など公園施設の更新をするとともに、公園や隅田川テラスを活用したイベントによるにぎわいの創出など、ソフト面の充実も図ってまいります。これらの取組により、日本橋地域の水と緑のネットワークの核となる公園となるよう整備を推進してまいります。
私からの答弁は以上であります。
〔教育長 平林治樹君登壇〕
○教育長(平林治樹君)
教育問題についてお答えします。
初めに、浜町標本についてであります。
浜町で発見されたナウマンゾウの化石につきましては、都営地下鉄の掘削工事中に発見されたものであり、ナウマンゾウが生息していた、およそ三十万年前から一万年前は、浜町地域を含む本区全域が海中であり、様々な大地の変動や気候の変化により干潟や湿地となったことを証明する貴重な発見であります。教育委員会では、こうした歴史的事実に関する学びを深め、後世に伝承していくことは重要と認識しており、これまでも子供向けに編集された「中央区文化・歴史ずかん」において紹介するとともに、本年十二月四日に開館する本の森ちゅうおうにおいても、郷土資料館常設展示コーナーにおいて、本区史実の記録の冒頭に発掘の事実を記載したところであります。
次に、浜町標本の紹介についてであります。
現在、標本を所有している八王子市からの資料借用は困難でありますが、令和七年度まで休館予定の江戸東京博物館が所有する浜町標本に関するレプリカを含む関連資料は、借用が可能であると確認をしております。こうしたことから、今後、郷土資料館において、江戸以前の東京を紹介する企画展示を計画しており、そこでの実物展示を行うほか、当時の歴史的事象や意義について解説をいただくトークイベントなども実施する予定であります。今後とも、浜町標本につきましては、日本橋地域の歴史的・地理的な背景も含め、普及啓発に取り組んでまいります。
次に、地域資源の活用についてであります。
新大橋西詰の震災記念碑につきましては、関東大震災が発災した際、隅田川の多くの橋が落橋する中、明治四十五年に鉄橋化されていた新大橋は焼け落ちることなく、橋の上に避難した人々の命を救った事実を顕彰するものであります。また、記念碑に記載されている内容につきましても、新大橋の果たした役割のほか、震災功労者が多く記載されており、当時の日本橋地域の歴史にゆかりの深いものと認識をしております。令和五年度は関東大震災から百年の節目の年であることから、この記念碑を区民文化財として登録する準備を進めているほか、こうした事実や事象を記憶と記録にとどめられるよう、郷土資料館における企画展示の中で活用と普及啓発事業を検討しているところであります。江戸以来の歴史と伝統を有する本区には、学術的価値が高い文化財や地域資源が点在しており、その多くが地域の方々の本区に対する郷土愛と深い慈愛によって継承されてきたたまものであると認識をしております。教育委員会といたしましては、今後とも、郷土資料館を中心に、本区の文化財や地域資源の保存とその活用とともに、地域で活動されている団体との関係性を深め、共に本区の魅力創造に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。
答弁は以上であります。
〔五番 かみや俊宏議員登壇〕
○五番(かみや俊宏議員)
それぞれに御答弁ありがとうございました。順次、所感などを述べさせていただきたいと思います。
初めに、地域・経済活性化対策についてであります。
これまで、前段で事業を申し述べた内容で、二千万円、八億数千万円、一億数千万円ということで、非常に大きな規模、また、融資のところを含めて、過去に例のない規模だったということで、改めてその対策の規模の大きさというものを感じたところであります。
今後でありますけれども、しっかりと地域コミュニティのほうも、そして経済対策、商工振興のほうも見極めながらという答弁だったかと思いますけれども、見極めながら、対策を検討いただけるということでございますので、ぜひ、この検討というものをさらに進めていただきたい。そして、会派の重点要望でも二項目、この地域コミュニティのところを入れているかと思います。こちらのほうもぜひお酌み取りいただいた上で、検討を深めていただきたい、このことを要望させていただきます。
次は、MICEを活用した観光振興、区内に七つユニークベニューがあるということで、ユニークベニューを海外の方は非常に楽しみにされるなどという話も仄聞しますので、ぜひこういったものも活用しながら、この取組というものを進めていただきたい。
また、今年九月には、近隣区、千代田区の観光協会との事務レベルでの協議、意見交換というんでしょうか、こういうものも行われたような趣旨と理解しましたが、そのような御答弁があったかと思いますので、ぜひ広域連携の視点も大切にしていただきながら、取組を推進していただきたいと思います。
次は、こどもまんなか社会の実現でありますが、まず初めに全体をお尋ねしたところでありますけれども、質問した内容と趣旨はおおよそ御理解いただいていて、同じ認識だというふうにお示しをいただいたのかなというふうに理解をしました。その中で、従来のままでは受け止めづらいものは、さらにしっかりと対策を進めていくんだということで、特に気になりましたのが、強い司令塔機能を持つところも検討いただけるということに踏み込んでいただいたのかなと認識しました。
こども家庭庁の質問の中では申し述べませんでしたが、この取組を進めている方々の考え方としては、強い権限というのが本当に大事なんだと、お話を伺う際、おっしゃっていましたので、この取組を本区としても進めていただける、検討いただけるということは、答弁の趣旨のとおりで、しっかり進めていただければと思います。
そして、こどもの味方政策の推進であります。
放課後の居場所についても、課題を踏まえて、都心区らしさということで、御答弁を改めて区長からいただいたものと認識をいたしました。スピード感を持って検討していただけるということですので、この言葉を大変ありがたく受け止めます。ぜひスピード感を持って検討を進めていただきたい。
併せてかと思いますが、学校の校庭利用の促進でも、学校に放課後の居場所ができるよう検討していただく。その近くにある校庭というものもしっかり大切に考えていただいている。自転車の練習も含めて、地域の方々と協力をしながらという答弁もいただいたかと思いますので、ぜひこの答弁の趣旨で、子供たちの居場所をさらに充実していただきたい、このことを要望させていただきます。
次は、日本橋東部地域の魅力向上であります。
水と緑のネットワーク化の充実、浜町公園を緑の拠点、隅田川を水の軸というふうに御答弁いただいたかと思いますけれども、大変心強く思いますので、ぜひこの御答弁の趣旨で、さらにこの取組、水と緑のネットワーク化を充実していただきたいと思います。
そして、浜町川緑道の再整備、今、基礎調査を行っていただいていて、歴史的なところも含めて、いろいろ調査をしていただいているという御答弁だったかと思います。今後もしっかりと調査を進める、地域の御意見も聞いていただくということでありましたので、この整備イメージというものを楽しみにしていきたいと思いますが、日本橋東部地域の拠点と軸のすぐ近くにあるところですので、この取組もしっかりと検討を深めて進めていただければと思います。
浜町公園についても、今回、二つに分けて質問させていただきました。最初は、日本橋中学校の仮校舎建設前、そして、少し長期的な、中長期的な視点での質問でありました。
一問目の仮校舎建設前でありますけれども、見直し、再配置、テラスの活用など、これも新しい踏み込んだ御答弁をいただいたものと思います。ありがたく理解しました。そして、迅速に検討いただけるということでございましたので、ぜひ答弁の趣旨に沿って、これからも地域の皆さんの御意見を聞いていただきながら、取組というものを進めていただきたいということを要望します。
そして、百周年に向けても、ハード、ソフト両面からしっかりと取り組んでいただけるという御趣旨の答弁と理解をいたしましたので、こちらもこの取組の推進を要望いたします。
そして、地域資源を活用した魅力向上についてであります。
浜町標本について様々、大変前向きな御答弁をいただいたものと感謝を申し上げます。初めて一般質問させていただいたときから、本当に非常に前向きに取組を進めていただけるということに感謝をしたいと思います。
その中で、今後の検討内容について、江戸東京博物館が休館になる前に見学、視察をさせていただいたんですが、そこでも、江戸より以前、もともと東京にはこういうものがあった、都市開発の中で標本が出てきた、ここに意義があるんだということを江戸東京博物館の企画展で紹介されていたと思いますので、恐らくそれと似た、同じような趣旨の御答弁だったのかなと私は理解をいたしましたが、ぜひ、これからも御答弁の趣旨で取組というものを進めていただければと思います。また、トークイベントなどという言葉もあったと思いますが、これから検討をぜひ進めていただきたいと思います。
そして、最後に、新大橋の麓、震災記念碑の文化財登録、こちらも非常に前向きに捉えていただいている。そして、前の浜町標本と重なるんですが、郷土愛というお言葉、御答弁があったかと思います。本当に、今回、質問でも冒頭で、地域に眠る資源の活用を通じて、まちに愛着を持っていただきたい、この思いで質問していると申しておりましたが、郷土愛という言葉は、すごく大切な言葉だなと思います。近年ですと、シビックプライドなどという言葉もあったりして、これも、さらに地域とか市民、区民の方々がまちに対する貢献をしたいんだ、郷土愛だけではなくて、そこからさらに一歩進んで、貢献するみたいな思いがシビックプライドとして出てくるというような記事なども見たりいたします。
本当に地域の魅力を、住んでいる方、働いている方、そこに来る方などに見ていただける。Aというもの、Bというものだけでなく、今回取り上げておりますけれども、だけでなくて、まちの歴史とかをしっかりと知っていただく。それをもって、まちへの愛着、郷土愛というものを育んでいただける。こんな取組というものを、ぜひ区としても、教育委員会としても、これからも推進をしていただきたいと思います。
最後に、このことを要望させていただきまして、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(木村克一議員)
次に、四番田中耕太郎議員。
○四番(田中耕太郎議員)
中央区議会自由民主党議員団の田中耕太郎であります。令和四年第四回中央区議会定例会に当たり、私は、会派の一員として、質問通告書に基づき質問をさせていただきます。区長をはじめ、関係理事者の皆様には、将来を見据えた具体的な御答弁をお願い申し上げます。なお、御答弁の内容によりまして、再質問をさせていただきます。
質問に先立ち、改めてロシア軍によるウクライナ侵攻を強く非難したいというふうに思います。多くの無辜の民、人命が今現在も危機にさらされ、そして失われていることは断じて許されず、平和主義と民主主義、人権の尊さを我々は国際社会の一員として守っていかなければなりません。昨日からはオリンピック・パラリンピックと並ぶ世界最大のスポーツの祭典であるサッカーワールドカップ、二○二二FIFAワールドカップ、カタール大会が開幕し、スポーツを通した大きな国際交流の場が始まりました。国境や文化、人種の壁を越えた世界平和の実現を願ってやみません。
それでは、本区の行政課題について質問をさせていただきます。
まず、都市再生についてであります。
現在の都市再生の取組は、小泉内閣時代の平成十四年六月に都市再生特別措置法が施行されて以来、政令で指定する都市再生緊急整備地域において、既存の用途地域等にとらわれない自由度の高い都市計画を定めることを可能とする都市再生特別地区が創設されました。さらに、平成二十三年には特別措置法の改正がなされ、国際競争力強化を目的として、特定都市再生緊急整備地域が創設されました。民間投資を促進する内需刺激策として、また、時代に即した産業構造の転換や国際競争力の強化を図るため、リーマンショックや東日本大震災を経て、アベノミクスの時代においても国家戦略特区制度とともに、都市再生は重要政策として、政府と都の支援施策が拡充されてきたというふうに考えられます。
本区においては、月島地域のほぼ全域、京橋地域の大半、日本橋地域の西側が都市再生緊急整備地域と特定都市再生緊急整備地域に重複して指定されており、質の高い開発計画を通じて、東京のさらなる国際競争力の強化に向けて都市再生が目指されております。すなわち、政府や東京都から容積率や高さなどの規制の特例、事業に係る認可等の迅速化、金融支援、税制支援などのメリットを享受した上で、民間事業者と連携した様々な再開発、都市再生プロジェクトが本区では順次竣工、着工、計画されております。
指定地域では、人口、世帯数、地価の上昇が顕著であり、都市再生の取組の効果が出ていると考えられ、変わりゆく町並みに将来への希望を抱く一方で、似たタイプの大型再開発が続くことや、働き方改革やコロナ禍の影響もあって、オンライン業務、IT技術やAI活用の進展によって、都心の労働人口の減少等、オフィスや商業施設を取り巻く環境は激変しており、新規のオフィス供給は続く中で、需給バランスが維持できるのかといった懸念の声も聞かれます。
本区にとっても、都市再生と再開発事業は区発展の生命線であると同時に、周辺整備等も含めて多額の予算が投じられており、区民生活への影響も大きく、必ずしもすぐには区民生活向上には直結しないケースもあると考えられます。
そこで、都市再生の展望についてお伺いいたします。
都市再生特別措置法が導入されて以降、本区の都市再生事業のあらましを改めて御説明ください。
本区内において、都市再生緊急整備地域と特定都市再生緊急整備地域に指定されている地域と指定されていない地域が区別されている理由と、指定有無による都市再生状況の違いについて、区の見解をお知らせください。
大型再開発においては、下層階の商業・コンベンション施設、中層階のオフィス施設、高層階の高級宿泊施設といった似通った都市再生が多数なされており、そのこと自体にリスクは果たしてないのか。今後の需給バランスの見通しも踏まえて、御見解をお示しください。
また、周辺地域及び住民への公共貢献は評価すべき点があると考えますが、開発の規模に比して十分と言えるのか。都市再生における公共貢献の質と量の確保策についてどのようにお考えか、御見解をお示しください。
次に、都市型災害対策についてお尋ねをいたします。
人口が集中する都市部では、大規模災害が発生すると、都市的要因により災害が変化し、二次的災害の発生や、電気・通信などのライフラインの停止や交通機関の乱れや都市機能の麻痺によって、三次的な被害が拡大するリスクがあります。近年は、大都市でヒートアイランド現象や線状降水帯による局地的集中豪雨、ゲリラ豪雨が頻発しており、特に二○○○年九月の、名古屋市に甚大な被害をもたらした東海豪雨は、都市型災害として決して忘れてはならない災害と考えております。名古屋市で死者四名、全壊家屋四棟、浸水家屋三万一千六百七十棟の被害が発生しました。いわゆる内水氾濫による被害が大きく、河川の決壊だけではなく、降った雨が大量であるがゆえに、排水が間に合わず、都市構造による大災害という指摘がありました。一たび集中豪雨が発生すると、アンダーパスや地下に水が流れ込むため、逃げ遅れて死亡した事例もありました。改めて、都市型災害全般について、本区は考える必要があります。
それらを踏まえて質問をさせていただきます。
都市型水害について、集中豪雨、ゲリラ豪雨等における本区の対策、とりわけ低地道路の冠水や地下空間への浸水と避難誘導策にさらに力を入れるべきだと考えますが、現状はどのようになっているのか、お示しください。
特に、水害発生時に一階や地下以外の避難場所の確保を検討せねばならないと考えますが、それに対する御見解をお答えください。
東日本大震災以降の帰宅困難者対策の進捗状況についても、併せてお示しをお願いいたします。
また、高層建築物におけるエレベーターの閉じ込めや、エレベーター停止時の対応策、併せてマンション内の避難誘導策について、区としての公式なガイドラインを制定すべき時期にあると考えますが、御見解をお知らせください。
次に、人口増加への対応と、自治体のDX、デジタルトランスフォーメーションについてお伺いいたします。
申し上げるまでもなく、本区は人口の急増地帯であります。平成九年、一九九七年の七万人台から、本年は十七万人台を推移しています。日本全体では少子化が進展する中で、全国でもトップクラスの人口増加率を誇り続けています。人口増加は大変喜ばしいことではありますが、結果的に、住民一人一人の顔は見えにくくなる可能性があり、住民の声も届きにくくなるリスクがあります。また、本区の区民のおよそ九割は、マンション、高層共同住宅にお住まいであり、プライバシーの強く守られた空間に多くの住民が暮らしており、様々な行政サービスを素早く告知して有効活用してもらう上では、デジタルサービスの普及による利便性の向上が必要不可欠となっています。
国土交通省の国民意識調査によれば、国民がデジタル化に期待すること(全般)として、一に「多様な働き方(出産・育児・介護等)への理解・支援促進」、二に「各種手続きの効率化・迅速化」といったものが上位二つを占めております。行政からの支援の促進、手続効率化はデジタル化によってなされるべきという意見が強く、デジタルサービスを利用する頻度の高い三十代から四十代の人口増加が進む本区では、よりその傾向が顕著であると考えられます。
さらに、介護予防、子育て支援メニューなど、ライフスタイルの多様化による新たな業務は増え続けており、区職員一人当たりの業務量も増加傾向と考えられます。人口増加と行政サービスの多様化を限られたマンパワーで行うためにも、積極的にデジタル化を推進して、区民ニーズを迅速に正確に処理する必要性があります。
一昨年の緊急経済対策として実施された特別定額給付金、国民一人当たり十万円の給付や、現在のコロナ禍におけるワクチン接種券の発行などは、オンライン申請による迅速な支給が期待されていましたが、行政データのデジタル化が十分に進んでいなかったことにより、アナログ作業に頼る部分が多く、給付や発行に時間を要していると考えます。一方、英国や韓国などでは迅速に支給されたことから、改めて我が国の行政のDX全般が遅れていること、また、行政サービスの向上にDXが必要であることが認識されています。
行政手続のオンライン化による各種届出・申請には、独自の電子申請システムを導入している自治体も存在しますが、総務省のDX推進計画において、行政手続システム、マイナポータルが提供され、その有効活用も望まれます。
そこで、人口増加への対応と行政サービスのデジタル化による利便性の向上についてお尋ねをいたします。
人口増加に対応するデジタル活用と業務の効率化は、具体的にどのように果たされているのか、区の御見解をお答えください。
本区のオンライン手続の進捗状況と今後の導入計画及びタイムスケジュールを具体的にお示しください。
デジタル手続の推進に重要なマイナンバーカードの本区の普及状況と今後の課題についても併せてお知らせください。
さらに、DX化の推進には、セキュリティ対策の徹底が不可欠であります。IT人材の不足や職員のネットリテラシー向上のための本区の対応策もお知らせください。
次に、マンション政策についてお伺いいたします。
先ほども述べましたが、本区の集合住宅の居住割合は、およそ九割となっています。大半の住民がマンション居住者である以上、そのライフスタイルやマンション課題は直ちに中央区の課題に直結してきます。マンションは区分所有による私有財産であることから、これまで行政の直接の支援対象とはみなされないという過程が続いてきていますが、改めて、マンション住民のソフトとハード両面での課題や、本区行政との関わりについて考えなければならない時期に来ていると思います。
さらに、新しいマンションの竣工が本区の人口増加要因であることは明白でありますが、新しく転入してきた区民に対して、区や地域とのつながりを密にする取組が不足していると感じられます。そういった観点に立ち、質問をいたします。
区では、防災対策の説明会や出前講座等をマンションに実施したりしていますが、新たに竣工したマンションや希望するマンションなどには、区の職員が出向き、マンション総会の場等で区の取組やマンションからの要望などに応えられる窓口制度などを構築すべきと考えますが、いかがでしょうか。
築四十年を超えるような高経年のマンションでは、ハード面において、共用部分である外壁等の剥落、鉄筋の露出・腐食、給排水管等の老朽化といった、生命、身体、財産に影響する問題を抱えるものが今後発生する可能性があります。大規模修繕工事は必要不可欠ではありますが、残念ながら、適切な大規模修繕工事を実施できないマンションが今後出てくる可能性はあり得ます。
そこで、お尋ねをいたします。
区内のマンションの維持管理、防災対策等について詳細な実態調査を行い、マンション管理組合及びマンション住民の管理能力、防災能力の底上げを図るべきだと考えますが、それに対する区の御見解をお知らせください。
最後に、教育問題についてお尋ねをいたします。
現在の学校教育においては、生きる力を身につけることが求められております。学習指導要領では、生きる力を知・徳・体のバランスが取れた力と定義しており、あらゆる環境の変化に柔軟に、そして主体的に対応する力と考えられています。
そうした中で、現在の日本及び中央区の教育における重要な課題は、大きく分けて三点あると考えられます。第一に、時代に対応した学習環境、第二に、子供を取り巻く社会環境、第三に、教職員の資質と労務環境です。
第一の教育環境については、良好な学習環境を確保していくことは、当然ながら最重要課題となっています。本区は年間出生数が増加傾向にあり、毎年二千名を超える状況の中で、子供たちにしわ寄せのない教育環境の整備、とりわけ老朽化した校舎等の更新、月島地域、晴海地区をはじめ、急速な人口増加を見据え、学校施設の計画的な増改築や新たな整備を順次行うことは喫緊の課題となっています。
第二の子供に関わる社会環境では、ICT機器の導入をはじめ、ハード、ソフト両面でのデジタル化の推進は申し上げるまでもありません。文部科学省によるGIGAスクール構想により、全国の児童・生徒一人に一台のコンピュータと高速ネットワークが本区でも整備されております。このGIGAはグローバル・アンド・イノベーション・ゲートウエー・フォー・オール、全ての児童・生徒のための世界につながる革新的な扉を意味していますが、ハード環境の整備だけではなく、デジタル教科書や、児童・生徒が個別に苦手分野を集中学習できるAI、人工知能ドリルといったソフトと、指導者の養成、ICT支援員などの外部人材を活用した指導体制の強化も含めた総合的な教育改革が必要となっています。教育の現場では、新しい試みへの試行錯誤が当面続くものと考えられます。
個人的な感想となりますが、区立小学校の低学年の私の娘は、貸与されたタブレットPCを自宅へ持ち帰って、宿題ドリル等に活用はしているものの、その活用している時間よりも、自家用のタブレットを使って動画やゲーム、好きなものを検索する時間のほうがはるかに長く、よくも悪くもGIGA構想よろしく、世界とつながっているのは学校のタブレットではなく、自家用タブレットPCという現実は多くの家庭で見られることと思います。
また、家庭教育とその環境は全ての教育の基本であり、基本的な生活習慣、他人への思いやり、社会的ルール、自己肯定感や自立心の確立など、子供の資質や能力を形成する上で重要な役割を果たしています。しかし、現在、さらなる核家族化やライフスタイルの変化や多様化に伴い、子供を取り巻く家庭環境は大きく変化しています。そのような状況において、学校と家庭がそれぞれの役割を認識しながら連携し、子供たちに必要な教育を行っていく重要性は、さらに高まっています。
第三の教職員の資質と労務環境についても、事態は深刻化しています。東京都の令和五年度教員採用試験の小学校全科の倍率は一・四倍となっており、教員の資質・能力を備えた適切な人材の確保が困難になってきていると危惧されております。子供たちを育てていく上で、教員としての資質・能力が十分に備わった教員が教鞭を執ることは大変重要なことです。一方で、教員の多忙感、長時間勤務問題などの解決も求められています。
本区においては、子供たちに、より効果的な教育活動を行うことができるよう、中央区立学校における働き方改革推進プランを制定し、教員の長時間勤務を見直すステージにあると認識をしています。また、以前も一般質問で取り上げさせていただきましたが、本区の小・中学校の習い事、特に学習塾通いは顕著であります。そのことが学習機会の格差や教育格差、ひいては進路の格差になっていないかを大きく懸念しています。
東京都教育委員会の令和四年度公立学校統計調査報告書によると、本年三月の都内の公立小学校の卒業者数は九万八千二百三十九人で、私立中学校への進学者数は一万九千二十五人で、全体に占める割合は一九・七三%、都内では五人に一人が中学受験をして私立中学に進学をしており、二十三区平均では二五・○%と、四人に一人となります。しかし、本区に至っては四二・四五%となり、都立一貫校等も含めれば、およそ半数が区立以外の中学校へと進学しています。
進学に選択の多いことは大変喜ばしいことではありますが、私立中学校進学にはもちろん、都立一貫校への進学にも学習受験塾が一般的に必要であり、小学校高学年での塾費用と、私立中学進学であれば中学三年間の学費を保護者は負担していると考えられます。それは、高校進学や大学進学に塾通いが有利であると考える家庭、保護者が多い証拠とも言えます。当然ながら、高校受験に際しても、中学生の通塾率は極めて高く、しかし、保護者の経済力が進路や進学の可否を決する社会は、決してよい社会とは考えられません。
こうした中、足立区の運営する足立はばたき塾は、学習意欲は高いが、家庭の事情などで民間塾の利用が難しい中学三年生に受験指導する区営の無料塾であり、学習環境の改善が目指されています。
以上の観点を踏まえて、順次質問をいたします。
現在の中央区の教育環境の現状と課題について、さきに挙げた三つの課題、すなわち、時代に対応した教育環境、子供を取り巻く社会環境、教職員の資質と勤務環境についてどのように認識し、どのような改善策を講じているのか、具体例をお知らせください。
先般、日本橋中学校の改築計画が公表され、浜町公園での仮設校舎の設置等が予定されていますが、生徒並びに教職員の優良な教育環境確保のための取組をお知らせください。
さらに、令和六年度に開校予定の晴海西小・中学校の進捗状況と、晴海東小学校の開設に向けた準備及び地域の学区再編の在り方について、区の基本的な見解をお示しください。
GIGAスクール構想の本区における進捗とタブレット端末利用について、本区での課題と改善策についてお知らせください。
足立区の運営する足立はばたき塾のように、家庭の事情によって進路を狭めないための取組を本区でも積極的に行うべきだと考えますが、区の見解をお示しください。
以上で一回目の質問を終わります。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
田中耕太郎議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、本区の都市再生事業のあらまし及び都市再生緊急整備地域の指定についてであります。
制度創設当時、本区では、最重要課題であった定住人口の回復が順調に進む一方で、都心としての機能更新や基盤強化が課題となっていました。東京駅前を中心とした業務エリアにおけるまちの機能強化や魅力の向上、バブル期以降の虫食い状態となった市街地の再生、さらには環状第二号線の整備をはじめとした都心と臨海部とのアクセス機能の強化など、様々な課題があった中、都市再生緊急整備地域の指定がなされました。区では、国の方向性を踏まえつつ、都心再生の取組が地域課題の解決や区民生活の豊かさにつながることが重要と考え、これまで培われてきた歴史や文化、地域の個性と融合する風格あるまちづくりを目指すことを掲げ、現在もこれに取り組んでいるところであります。緊急整備地域の指定要件は、高度経済成長期を牽引してきた市街地や駅などの交通結節点で新たに総合的な拠点形成が見込まれる地域であるとともに、開発機運が存在すると認められる地域であることなどとされています。当初の指定では、大手町や丸の内、有楽町と、本区の一ゾーンを一体のエリアとした東京の中枢拠点と、豊洲や有明などへつながる臨海部一帯が対象となり、開発の検討が進む地区の分布も考慮して区域が決定されました。その後、平成二十九年には、日本橋川沿いの面的な再整備の動向や、日本橋兜町、茅場町の金融拠点整備、さらには八丁堀地域における公共施設の再編検討などを踏まえ、区域の拡大が行われています。緊急整備地域の区域外においては、平成十四年に創設された都市再生特別地区の適用はできませんが、開発の機運の高まりに対し、他の開発諸制度の活用などを通じて、都心再生につなげていくことが十分に可能です。今後も、区内の都心再生の取組を推進するとともに、特色ある街路整備や水辺のネットワーク等、様々な歩行者ネットワークで地域の連携を促し、その効果が区内全域に波及していくよう、引き続き取り組んでまいります。
次に、大型再開発で同様の都市再生が多数行われることのリスクについてであります。
東京駅前地区や日本橋川沿いエリアにおいては、高機能なビジネス施設に加え、都市の魅力を高める文化・交流・観光施設や、にぎわいを創出する商業施設、国際級の宿泊施設など、国際都市東京の活力を高める機能集積が複数の都市再生プロジェクトにより進められています。区では、プロジェクト間での連携や社会状況に応じた施設整備により、一体的な機能集積が図られるよう、地域ごとに必要な都市機能をガイドラインやビジョンに定めているところであります。これにより、各都市再生プロジェクトで整備される施設は、例えば同じMICE拠点であっても、対象とする分野や規模は異なっており、地域として役割分担されるものとなっています。また、オフィスにつきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機とした働き方の多様化などを背景として、求められる機能に変化が生じています。これまでに比べ、個人作業空間が拡大するほか、ビデオ会議用のスペースやコミュニケーションのための空間など、従来にない共有空間が求められていることから、今後のオフィス需要への対応として、引き続き一定の床の量は必要であると考えています。
次に、都市再生における公共貢献の質と量の確保策についてであります。
都市再生プロジェクトと位置づけられている大型の再開発事業につきましては、個々の開発協議を進める中で、国際競争力の強化に貢献するMICE機能や、都市の根幹となる高速道路、バスターミナルなどの都市基盤施設の整備を大規模な公共貢献として求めているところであります。あわせて、これらの開発は地区の周辺にも大きな影響を与えるものであることから、本区では、まちづくり基本条例において、開発事業者に対し、積極的な地域貢献を責務として定めております。具体的には、開発事業者に対し、地域の方々に開発計画に対する理解が得られるよう、説明会の開催等を義務づけるとともに、区で事前に行っている区民との協議の中で地域の意見を聴取し、地域課題に対応した公共公益施設を整備するよう、事業者を指導しております。今後も、区民との対話を通じ、地域課題に対応した公共貢献が行われるよう、都市再生プロジェクトに対して求めてまいります。
次に、集中豪雨対策についてであります。
近年、六月から十月までの出水期において、一時間当たり五十ミリを超える集中豪雨が全国的に多発しており、これに伴う内水氾濫への対応は、重要な災害対策の一つであると認識しております。本区は、短時間の集中豪雨にも対応できる下水処理能力を持った都市基盤が整備されておりますが、不測の事態に備え、そうした気象が発生した際には、道路巡回パトロールにより雨水ます等の点検を行い、安全の確保に取り組んでいるところであります。また、日頃からホームページに掲載するほか、区のおしらせなどにより、防災用品の備蓄や避難行動の注意点など、家庭でできる大雨対策について周知するとともに、町会へ防災出前講座を実施するなど、区民の水害対策への意識の向上を図っております。集中豪雨による内水氾濫は、本区を含む都心部においては、とりわけ地下空間の浸水による被害が想定されており、発生箇所の予測が困難であるとともに、随所で同時多発的に生じる可能性があるとされています。こうしたことから、都では、不特定多数の方が集まる八重洲や銀座の地下街において、浸水対策協議会を設置し、区もその協議会活動に参画しながら、止水板の点検や避難誘導の実動訓練を通じて、施設管理者及び関係機関との連携強化に努めております。区といたしましては、区民や来街者が迅速かつ適切な行動が取れるよう、気象情報を注視しつつ、関係機関と緊密な連携を図りながら、ホームページやLINEなど、様々な情報伝達手段により、適時適切な情報発信を行ってまいります。
次に、帰宅困難者対策の進捗状況についてであります。
東日本大震災以降、本区では、一時滞在施設及び一時待機場所の確保に取り組むとともに、平成二十四年十月に民間事業者を主体とした帰宅困難者支援施設運営協議会を設立し、基本的な協力内容や施設の開設・運営について協議を進めてまいりました。現在、一時滞在施設等は三十六施設、協議会員七十五社となっており、帰宅困難者を受け入れるための具体的な手順を定めた対応基本マニュアルを取りまとめてきたところであります。しかしながら、想定する帰宅困難者数に対する受入れ施設の不足や、夜間時に発生した際の対応策等が課題となっており、引き続き、大規模開発等の機会を捉え、施設の確保に取り組むとともに、当該協議会の場を通じて、より実効性のある方策について検討を深め、帰宅困難者対策のさらなる強化に取り組んでまいります。
次に、災害時の高層建築物におけるエレベーター対策等についてであります。
本区では、「わが家わがまちの防災ハンドブック」やマンション防災パンフレットにより、閉じ込め時の対応を含めたエレベーターの地震対策について、日頃から普及啓発に努めております。あわせて、ハード対策として、市街地開発事業指導要綱に基づき、停電時自動着床装置や、地震時管制運転装置を備えた地震対応型エレベーターの設置を指導しているところであります。現在、区では、近年の大規模災害の教訓を踏まえ、マンション防災パンフレットの改訂に着手しており、改修時における地震対応型エレベーターの導入や防災キャビネットの設置など、管理組合として取り組むべき対策を明示するとともに、要配慮者及び負傷者の避難誘導などの共助の取組についても、改めて整理し、分かりやすく掲載していく考えです。区としましては、マンションの規模や構造等により、講じられる防災対策が一律ではないことから、統一的なガイドラインを定めておりませんが、こうしたパンフレットの活用や防災アドバイザーの派遣を通じて、マンション防災の強化に資する取組を推進してまいります。
次に、人口増加への対応とデジタル化による利便性の向上についてであります。
区では、人口増加や若い世代の流入、行政ニーズの多様化に対応し、区民サービスの利便性を高めるため、情報化基本方針に基づき、窓口におけるキャッシュレスサービスや住民票のコンビニ交付などに取り組んでおります。また、課税業務や子育て関連業務などにAI‐OCR、RPAを導入し、自動化、省力化を図っているところです。このほか、保育所の入所調整業務にAIシステムを活用し、来年四月の入所結果を従来より一週間程度早く通知する予定です。
次に、オンライン手続についてであります。
区民の利便性向上や行政手続の効率化のため、現在、講座や健康診断の申込みをはじめ、施設予約などに電子申請を導入しております。今後、マイナポータルのぴったりサービスを活用し、来年二月からは引越しワンストップサービス、三月からは子育てや介護など二十七の手続について、電子申請の開始を予定しています。これらの手続に必要となるマイナンバーカードの交付率は、本年十月末現在、二十三区で最も高い六二・八%となっております。健康保険証としても利用され、運転免許証や母子健康手帳などに活用が検討されているマイナンバーカードは、行政のデジタル化を進めるための鍵となるものであり、その普及が重要であります。そのため、引き続き、区のおしらせやホームページにより周知するとともに、町会や自治会などに出向き、丁寧な説明を行ってまいります。こうしたDXの推進に当たっては、行政のセキュリティ対策の徹底はもとより、職員がデジタルに関する知識と能力を身につけることが不可欠であります。そこで、区では、今年度新たに採用したICTに関する豊富な知識と経験を有する副参事によるDX研修や、全職員必修のデジタルリテラシーとセキュリティに関するオンライン研修などを実施しております。今後も引き続き、デジタル技術を活用し、区民に便利でやさしい区役所を推進してまいります。
次に、区の取組の紹介やマンションからの要望に対応できる窓口制度などの構築についてであります。
集合住宅の居住割合が九割を超える本区においては、マンション施策の周知は重要であると認識しております。特に、新たに建設されたマンションの入居者の方々に対しては、本区独自の内容を含む支援策や維持管理に係る相談体制について、早い段階から知っていただくことで、維持管理上の課題が生じたときに相談や支援につながりやすくなるものと考えております。そのため、本区では、区のおしらせやホームページへの掲載、住宅情報ガイドの配布のほかにも、転入の際に配布される中央区わたしの便利帳にマンション施策の情報を掲載するなど、周知に努めております。また、具体的な支援の場となる都市整備公社において、マンションの開発動向に係る情報収集を行っていることから、公社と連携しながら、新たに竣工した分譲マンションの管理組合に対する積極的な情報提供を行っているところです。また、公社との連携の中では、管理組合が抱える課題に対応するため、マンション管理相談や管理士派遣、管理組合交流会など、様々な場を通した情報提供と相談対応を行っております。今後も、御提案のあったマンション総会の場での施策の周知活動を含め、情報提供と相談体制の強化に努め、マンション施策の充実を図ってまいります。
次に、区内のマンションの維持管理等に関する実態調査についてであります。
マンション支援を効果的に進めるためには、本区のマンションの状況や管理組合の実態を適切に把握することが重要であることから、これまでも機会を捉えて調査を実施してまいりました。直近では、住宅マスタープランの策定を見据え、平成二十八年に、区内の分譲マンションを対象として、管理組合の活動状況や管理上の課題、修繕計画、修繕積立金の有無などに関するアンケート調査を実施しました。しかしながら、前回の調査から時間が経過する中で、建物の老朽化や管理状況の変化、さらには、この間に新たに建設されたマンションの実態などについて改めて確認していく必要性が生じています。現在、国の法改正に基づき、マンション管理適正化推進計画の策定作業を進めておりますが、策定後の具体的な運用において、より実態に即した支援を展開していけるよう、令和六年をめどに、マンションの管理状況の調査を予定しております。今後、それらを基に、区とマンション管理組合とのつながりを強化し、必要な助言・指導を行うことで、さらなるマンションの管理水準の底上げを図ってまいります。
私からの答弁は以上であります。
〔教育長 平林治樹君登壇〕
○教育長(平林治樹君)
教育問題についてお答えします。
初めに、教育の現状と課題についてであります。
昨今、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、将来に対する予測が困難な時代となっております。それに加え、本区では、人口増加や核家族化の進行のほか、今般のコロナ禍による教育活動の制限など、子供たちを取り巻く社会環境が急速に変化しております。こうした中、子供たちに直面する課題を協働して解決しながら、未来を切り開く資質・能力を育成していくことは急務であると認識をしております。本区では、これからの時代に対応した教育環境の一つとして導入した一人一台タブレット等を有効に活用しながら、主体的・対話的で深い学びの実現を図り、課題解決能力等の育成に取り組んでいるところです。また、家庭教育を含めた区内全体の教育力を向上させるためには、学校・家庭・地域が三位一体となり、子供たちを共に育てていくことが不可欠だと考えております。そうしたことから、子供の課題を共有する場である保護者会や学校評議員会の開催のほか、個人面談などを再開するなど、現在、緊密に連携できる体制や環境の再構築に取り組んでいるところであります。そして、こうした社会の変化の中で、着実に教育活動を実施するためには、教員集団の質を高めることが重要であります。このことから、子供たちの学びを最大限に引き出す指導法について研修を充実させるほか、志高く能力ある教員が生き生きと働けるよう、組織的な働き方改革を推進し、全ての教員が子供たちに向き合う時間を十分に確保してまいります。今後とも、様々な課題を乗り越え、一人一人の可能性を開花させ、未来に羽ばたくことができる子供たちの育成に邁進してまいります。
次に、日本橋中学校改築工事中の仮校舎における教育環境についてであります。
日本橋中学校の改築工事は、令和七年度から令和十年度までを予定しており、その間、浜町公園内の仮校舎で学校生活を送ることとなります。仮校舎においても適切な教育活動の場を確保するため、特別教室や給食室等を整備するとともに、体育の授業や全校集会等の実施に当たっては、総合スポーツセンターや浜町運動場を活用してまいります。また、仮校舎内のレイアウトにつきましては、学校からの意見を反映し、適切な学校運営ができるよう設計を進めているところであります。さらに、部活動においては、総合スポーツセンターと併せ、近隣の小学校の利用も検討しており、生徒たちが活動できる環境を確保してまいります。今後とも、生徒、教職員にとって良好な教育環境となるよう検討を進めてまいります。
次に、晴海西小・中学校(仮称)及び晴海東小学校(仮称)についてであります。
晴海西小・中学校(仮称)につきましては、令和六年四月の開校に向け、机や椅子、教材など、学校内で必要な全ての物品の準備を進めており、その選定に当たっては、経験豊富な教員に必要な品目を確認するとともに、実際の授業での使い方についても、教育内容や教科書と照らし合わせ、ヒアリングするなど、適切かつ着実に行っているところであります。また、教育の理念の原案や標準服の選定、校歌や校章の制定などについて、現在、教育委員会で検討を進めており、今後、進捗に合わせ、適宜御報告してまいります。晴海東小学校(仮称)につきましては、現在、販売が進められているHARUMI FLAGの入居状況や人口推計等を注視しながら、通学区域や開校時期等について様々な検討を行い、各案がまとまり次第、御報告をしてまいります。
次に、ICT教育の推進状況についてであります。
本区教育委員会では、令和三年度に一人一台の端末を貸与し、校内における通信ネットワークの構築を完了するとともに、学習に必要なデジタル教科書をはじめとするソフトウエアの導入や、情報セキュリティ対策を行っております。これにより、国がICT教育の第一段階と位置づけているデジタル環境の整備を達成し、効率的・効果的に学習を進めることを可能としています。現在は第二段階として、デジタル技術の活用の過程であり、各校では、個別最適な学びと協働的な学びをさらに推進するため、家庭でのドリル学習や授業における意見の交換・集約などにタブレット端末を活用しているところであります。こうした中、学習端末を最大限に活用するためには、電波環境の安定化や通信速度の高速化などに加え、教員のICT活用指導力のさらなる向上やデジタル・シティズンシップ教育の推進といった、ハード、ソフト両面の課題に取り組む必要があると認識しております。教育委員会といたしましては、学校・家庭・地域等との連携により、引き続きこうした課題の解決に努め、子供たちが社会を生き抜く力を育み、自らの可能性を広げていけるよう、全力で取り組んでまいります。
次に、生徒が希望する進路の実現についてであります。
進路選択においては、生徒が主体的に将来について考え、能力や適性に応じて、生徒自身が決定していくことが重要であります。現在、区立中学校では、進路選択の一つの重要な要素である学力向上に努めており、授業をはじめ、放課後補習や夏季補習のほか、タブレット端末によるデジタルドリル教材の活用など、生徒一人一人の習熟度に応じた個別最適な学びができる環境を整えております。また、職業体験等を通しての職業観の育成や、自らの生き方について考えるキャリア教育を推進しており、生徒自身が進路選択できる資質を育んでおります。このことに加え、福祉所管の施策として、生活困窮家庭及びひとり親家庭を対象として、学習習慣の定着やソーシャルスキルの習得とともに、自己肯定感の向上を目的とした個別指導による学習会を実施しております。今後とも、これらの重層的な取組を通して、生徒一人一人が思い描く進路が実現できる教育を推進してまいります。
答弁は以上であります。
〔四番 田中耕太郎議員登壇〕
○四番(田中耕太郎議員)
それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
全般的な話になってしまいますけれども、区のほうで、私から質問させていただいた点について、施策等を具体的に展開していただいているということは、もう十分承知している点も多々ございます。その上で、今回、質問させていただいたというのは、やはり変化が大きい時代ということもありますし、既存の方針ややり方のままで対応できるのかといった懸念が様々な分野であるからというふうに考えています。
例えば、先ほど、都市再生の件についてですけれども、私のほうで質問として、都市再生緊急整備地域等々で、本区の場合、一部、具体的に言うと日本橋の東側の地域が特区ですとか、国や都の施策の中からは結果的に外れている。それは悪いことだというふうには思っておりませんが、そうなっておりまして、区内にお住まいの方、日本橋地域にお住まいの方だと、やはり昭和通りの東側と西側でまちづくりの方向性に統一感がなくなるのではないかといったことを懸念されている方や、東側地域でも大規模な再開発をやってほしいという方もいれば、やらないでほしいという方も当然いらっしゃいますが、いずれにしても、同じ地域の中で格差や区別が、地域が分断されてしまうのではないかといった懸念の声は聞かれることがございます。
そういった観点で、区としては、既存の制度等も利用して、個別の実態に合った制度、実態に合った再開発をしていく、都市再生を行っていくということで、そのことは頼りにはしておりますけれども、統一感ですとか、区全般の方向性というのは、まさに、点で見るのではなく、面で見なければならないというふうに考えておりますので、そういった点について、もしも御見解があれば、お知らせをしていただければというふうに思います。
また、公共貢献の質と量をもっと高められないかという趣旨で質問をいたしました。御答弁の中で、バスターミナル、これは多分東京八重洲のバスターミナル等だと思うんですけれども、このバスターミナルは当然、大変な地域貢献もなされていますし、公共貢献だとは思うんですけれども、やはりこれは地元の住民、近隣住民のためというよりは、東京全域を見据えた公共貢献という考え方になってくるかというふうに思います。区民としては、バスターミナルができること自体は非常に喜ばしいことですけれども、日常的に当然使うものというわけではありませんので、区民、地元に住んでいる、また地元で御商売をされている方が日常的に使うような公共サービスですとか、公共貢献の在り方というのは、区としても、地域の声としても、もう一歩打ち出していく必要性があるのではないかという趣旨でお聞きしております。そういった点についても、もしも御見解があれば、お示しをしていただければというふうに思います。
それから、DXについては、マイナンバーカードの普及率、本区は高いというのは聞いておりましたけれども、今の御答弁ですと、普及率六二・八%で、二十三区でもトップということで、その点自体は大変頼もしいなというふうに思いました。ここから先、さらに高めていく必要性があると個人的には思っているんですけれども、なかなか難しい面もあるんだというふうに思いますが、今、二十三区でも一番ということをお聞きしましたので、そういった状況を積極的に区の内外に発信したらいいのではないかなというふうにちょっと思いました。区によってというか、地域によって、実情、個人によってお考えが異なる点が多いのも分かっておりますけれども、区として結果的に普及率が高まっているということを知れば、そういった時代なんだなというふうに感じて、私もという方も増えてくるのではないかというふうに思いましたので、普及率が比較的高いといったことを発信していくような取組というのは行えないのかについて御見解をお知らせください。
さらに、マンションについてですけれども、様々なマンション管理や、マンションの在り方についても施策を打っていただいているということで、この点も非常に期待はできるというふうに思っておりますが、一方で、先ほどの御答弁の中には、やはり管理の面で支援していくという要素が、国交省の支援方針もそうなんですけれども、大きいなというふうに感じておりまして、個人的には、本区の中では、やはり町会や自治会、地域コミュニティとの連携がマンションと取れていないというのが大きな課題、町会や自治会への加入率などにもつながってくるというふうに思っております。ですので、新しく竣工したマンションですとか、新しく再開発等が何かしら行われた際には、新しい管理組合や団体に対して、地域の町会や自治会またはその地域の歴史なども含めて、文化的なコミュニティ全体をお伝えしていったり、交流するきっかけの場所がつくれないのかという趣旨で質問をさせていただきたいというふうに思います。管理という要素ではなく、コミュニティをマンションにお住まいの方と積極的に太くつくっていく、そういった仕掛けづくり、仕組みづくりに、もう一歩御尽力いただけないかといった点を質問してまいりたいというふうに思います。
最後に、教育については、一点だけ。
るる御答弁いただきましたが、一つだけ、新設の今回の(仮称)晴海西小・中学校や東小学校については、まだ検討中ということだと思うんですけれども、当然ながら、これは学区の再編が必要になってくるお話だというふうに考えています。学区については、これまでも非常に難しい問題で、当然、簡単に変えられる問題ではありませんし、別に、この学校だけの問題ではなく、今、地域の人口の偏在性ですとか、様々な観点で、一部の区民の方からは、学区は変えられないのかといった御意見、選択制を取っている学校、特認校等もありますけれども、そういったこととは別に、お住まいの地域の学区について見直しを検討してもらえないかといった御意見は、お伝えした地域の学校のみならず、お伺いする機会が近年増えております。そういった観点から、学区自体の見直しに対する基本的な姿勢について、先ほども少し御答弁いただいたかもしれませんが、改めてお伺いできればというふうに思います。
以上、お願いいたします。
〔副区長 吉田不曇君登壇〕
○副区長(吉田不曇君)
都市再生の特別区の取扱いについて、面的に指定されていないところと指定されているところがあって、全体としてのまちづくりに、いわゆる統一感がないのではないかというようなお話だったと思います。
私どもとしては、実は、それぞれ、例えば都市計画を考えてまいりますときに、基本的には、やはり大量輸送機関であるとか、道路であるとか、それから河川であるとか、それぞれ都市計画上の基本的な動線になる部分の線的な連なりを見ながら、それに対してどういうふうなまちづくりがそれぞれ適切であるかを区として考えております。その際に使える都市計画手法として、それぞれの地域にどれが適切であるかということでございまして、この部分については、実は、かなり政府の政策的な思い込みの中で、例えばここは金融特区であるとか何かというのをいろいろ具体的には貼り付けてくるところがございますけれども、その部分の、私どもが思い描いている部分の映像と、そういう指定をしてくるものについて、そごがない限りにおいては、それは国の思いも含めて整理をさせていただいて指定をしているのが現状でございます。
その部分について、ベースの部分においては、私どももそれなりの統一感を持っておりますので、地域それぞれの区域の再開発に、その指定があるかないかで大きな差があるわけではないというふうに私どもとしては感じておりまして、特に現状において支障はないと思っております。
それから、地域貢献でございます。
これについては、実際には、地域貢献というのは、やはり地域の課題と開発とのかみ合わせの中で、かなり個別的に考えなければいけない問題だろうと思っております。私どもも随分前にやめましたけれども、昔、私どもは人口減少期において、今の区民を何とか残したいというような思いから、住宅附置という制度をやっておったことがございます。大きな開発には必ず住宅をつけなさいということをやっておったことがございますけれども、例えばそのときに、公衆浴場があったような地域に事務所を建ててきて、その屋上に住宅を何軒造ればいいんですかというようなお話で、我々が住宅附置をやっていたときは来ました。そのときに私どもがやったのは、いや、ここは住宅は要らないよ、住宅は要らないから公衆浴場を造ってくれというふうな形で実際には対処をいたしました。やはり地域貢献というものは、実はその地域地域にあって、今、どういうものが必要なのかということも認識しながら、地元との協議の中で生まれてくるのだと思います。名称だけの問題ではないと思っております。
もう一つ、例えば、今後の将来的な展望を考えてみた場合には、地域貢献というものについて、必ずハードでなくてはいけないということもないだろうと。ある意味でソフト的な対応も含めて、これがある程度協定ができるというようなことがあれば、地域貢献というものはソフトでも成り立ち得るという世界も、考え方としてはあるだろうと。やはり地域課題をきちんと受け止めて、そこにどういう民間の協力が必要であるか、開発側の協力が必要であるかということを考えなければいけないだろうと思っております。
それから、管理組合を含めた、今後、いわゆるマンションなどの自治組織みたいなものをどういうふうにつくっていって、地元との交流等をどういうふうに深めていくかという課題でございます。
これは、本当に僕も難しいと思っています。私は、ここで管理職をやって、もう三十年近くになっていますけれども、実態的にコミュニティをどう形成していくかという課題については、実際的に、私ども普通の行政課題で、なかなか達成できにくいところがございます。実態的には、私は一番、これは人に押しつけるわけではないですけれども、地域の顔と顔を見知っていくという状況をつくる。その状況をつくるためにも、実は、今、うちの行政エリアの中で、視野で浮かんでくるものは、やはり一つは教育です。二つ目はお祭りです。三番目は、実は、基本的には防災だと思っています。そういう局面の中でお互いを知り合う環境をつくり出していく。その場所の中に、率直に申し上げると、マンションの住民の方にも出てもらうという環境をつくっていくことは重要だと思っています。
今、私どもが直面しているのは、先ほど申し上げた三つの局面を主体的に担う町会・自治会の方々が、ある程度高齢化していることだと思っています。輪の広がりが狭まってきていることが私どもの課題だと思っております。その部分を何とか工夫をもって、基本的には若い層に参加していただけるような工夫は何があるかということを考えています。いろいろな手だてはあるだろうと思っていますけれども、単純に申し上げると、例えば防災などの問題に関して、地域の中学生とか、小学生などを積極的に参加させるようなことを、今後の展望として、きちんと考えて、親御さんたちも一緒に防災の中に参加させるなどの組立てをやっていかなければならないだろうと思っています。
かなり即物的に申し上げましたけれども、これはもう本当に、実はコミュニティという問題については、基本的に、言葉を並べることは簡単ですけれども、実態的につくっていくのは、そういうことの積み重ねをきちんとやっていかないとつくれないものだろうというふうに思っております。
以上でございます。
〔区民部長 濱田 徹君登壇〕
○区民部長(濱田 徹君)
マイナンバーカードに関する再質問でございます。
先ほども答弁させていただきましたけれども、今、本区の普及率は六二・八八%ということで、これは二十三区でもトップであるとともに、国の平均と比べても一○ポイント以上上回っている数値でございます。
そうした中で、二十三区でトップであることを発信してはどうかという御質問でございますけれども、例えば新聞等の取材等で、そういうものがあれば、もちろん情報提供させていただきまして、新聞に載って、それがどういう効果を果たしているのかということがなかなかちょっと、効果的なのか逆効果なのか、なかなか難しい部分がありますけれども、そういった点もちょっと検討してみたいとは思います。
いずれにしましても、国のほうにおいては一○○%の交付を目指しているということで、私どもはこの数字に溺れることなく、しっかりとその利便性について普及啓発に努めるとともに、例えば町会・自治会とか、最近も行っておりますけれども、高齢者クラブ等への働きかけをして、着実に交付率の向上を目指していきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
〔教育委員会事務局次長 生島 憲君登壇〕
○教育委員会事務局次長(生島 憲君)
学区の再編についてでございます。
中央区の場合、地域の方々が学校に注がれている視線というのは非常に温かいものがございます。地域の活動とも密接につながっていて、学区の再編を行うということは、そういうことへの影響も非常に大きいというふうに考えております。過去の統廃合等の歴史の中でも、やはり日本橋地域などでは調整区域という形で残させていただいている部分なども、ある意味、そういう難しさの部分ということの象徴であるのかなというふうに考えております。昨年度、御相談させていただきました久松幼稚園の移転などでも、地域からそれぞれ意見をいただきまして、やはり自分たちの幼稚園、自分たちの学校、そういったお声を上げてくださる地域の皆さんもたくさんいらっしゃいました。
こういったところは、中央区全体としても同じであると思っておりまして、今回、御懸念の晴海地区、こちらは新しくできるところではあるんですけれども、恐らく大半の子供たちは五丁目に住まうという中で、四丁目にどう学校を造っていくのかというところ、このあたりの学区の切り方というものも非常に難しい部分があると思ってございます。後々への影響等もございますので、ここは検討していることがまとまり次第、お示しをさせていただきたいというふうに考えております。
以上でございます。
〔四番 田中耕太郎議員登壇〕
○四番(田中耕太郎議員)
それぞれ御答弁ありがとうございました。
私のほうで質問の仕方が非常に抽象的であったりとか、答えがすぐには出ないようなことについてお聞きしまして、大変申し訳ないというふうに思う点もございます。
ただ、今、御答弁いただいた内容は、いずれも本区にとって、これまでも、また、これからさらに重要になってくるテーマというふうに考えておりますので、引き続きの御尽力をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○二十三番(原田賢一議員)
議事進行について動議を提出いたします。
ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。
午後三時五十一分 休憩
午後四時十分 開議
○議長(木村克一議員)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。二十八番田中広一議員。
○二十八番(田中広一議員)
中央区議会公明党の田中広一でございます。私は、令和四年第四回区議会定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告書に従い、区長並びに教育長に対し質問をさせていただきます。どうぞ意のあるところをお酌み取りいただき、明快にして建設的な御答弁を期待いたします。なお、再質問はあらかじめ留保させていただきます。
まず初めに、新型コロナウイルス感染症対策と物価高騰対策についてお尋ねいたします。
政府は、十一月十一日、新型コロナウイルス感染症対策分科会を開き、感染第八波対策として、知事による対策強化宣言を出せるとする新たな方針を決めました。東京都においては、十一月十日に感染拡大の兆候があるとの分析結果を公表し、医療提供体制は強化の準備が必要な状況としました。また、この冬に向けて、季節性インフルエンザとの同時流行も懸念されています。
中央区では、既にオミクロン株に対応した改良型ワクチン接種を開始するとともに、季節性インフルエンザへの対策として、六十五歳以上の高齢者への接種費用を無償化するなど、着実に取り組んでいます。
そこで、第一点目にお伺いいたします。
新型コロナ第八波への備えとして、どのような対策を進めておりますでしょうか、御見解をお聞かせください。
現在、コロナ禍が長期化する中、物価高騰が続き、さらに円安の急激な進行が加わり、区民生活に深刻な影響を与えています。これまで中央区では、令和四年度の各事業の執行とともに、六月補正予算を組み、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金や子育て世帯生活支援特別給付金、学校給食費の補助などを実施してきました。さらに、先日の第三回区議会定例会において可決された九月補正予算及び九月追加補正予算では、高齢者向け区内共通買物・食事券の臨時給付及び電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金が実施されたところです。そして、今定例会審議予定の十一月補正予算案では、電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金及び障害・介護サービス事業所、保育所等に対する物価高騰緊急支援が計上されております。
来年以降も物価やエネルギー価格の高騰が続くことが推測される中、政府は十月二十八日に総合経済対策を閣議決定しました。高騰する電気・ガス料金など光熱水費の負担軽減を中心とした対策です。今後も継続して経済対策を進めていくことが必要と考えます。
そこで、第二点目にお伺いいたします。
これまで、物価高騰への対応について、国や東京都の動向を踏まえながら迅速に対策を講じてきておりますが、今後も区民生活への影響が大きいことから、一層の経済対策が重要と考えますが、区の御見解をお聞かせください。
先日、経営者の方から御相談を受けました。一度お店を閉めたものの、再開への意欲が強くあり、区の経営相談を受け、その後、再開することができました。お話を伺うと、専門家に丁寧にお話を聞いていただいたことにより課題が整理され、前に進むことができましたとの趣旨を語られておりました。社会経済情勢が激変する中、専門家の方に相談したり、お話を聞いていただく機会は重要と考えます。
そこで、第三点目にお伺いいたします。
経営相談の一層の充実をはじめ、今後の区内事業者の方々への支援策の強化について、どのように取り組んでいこうと考えておられるのか、御見解をお聞かせください。
十月十三日に開催された高年齢者就職面接会と、十月二十七日に開催された介護職合同就職相談・面接会を視察させていただきました。毎年、各種の就職面接会に訪れておりますが、今年は参加者が多かったと感じています。変化の激しい雇用環境において、就労支援及び事業者側の人材確保は、これからもますます求められてくるものと考えます。
そこで、第四点目にお伺いいたします。
中央区では、各種合同就職面接会をはじめ、就職ミニ面接会及び心理カウンセリング、中央区介護人材確保支援事業などが行われておりますが、取組状況をお示しいただくとともに、今後のさらなる充実に向けて、御見解をお聞かせください。
次に、中央区基本計画二○二三(仮称)中間のまとめについてお尋ねいたします。
十一月二日の企画総務委員会において、基本計画二○二三(仮称)中間のまとめが報告されました。人口が増加傾向にある中、新型コロナウイルス感染症の影響や今後のまちづくりなど、中央区を取り巻く社会状況の変化を踏まえ、基本計画二○一八を改定する形となります。基本構想に掲げる将来像「輝く未来へ橋をかける ―― 人が集まる粋なまち」を実現するための手段として、令和五年度から令和十四年度までの十年間の計画期間としています。
第五十二回中央区政世論調査では、十年後の中央区が「どのようなまち」になっていると良いか尋ねたところ、「犯罪のない安心して住めるまち」が五○・○%で最も高く、次いで「高齢者や障害者が地域で心豊かにいきいきと暮らすまち」が四三・四%、「自然が大切にされ、豊かな水辺やみどりがあふれるまち」四一・三%、「地域で安心して子育てできるまち」が四○・五%となっております。十月の決算特別委員会の総括でも取り上げさせていただきましたが、この内容は大変重要な調査結果であると感じております。
そこで、第一点目にお伺いいたします。
第五十二回中央区政世論調査において、このように区民の皆さんが地域で犯罪や子育てに心配をせず、自分らしく心豊かに伸び伸びと暮らしていけるまちを求めていることが分かりました。中央区として、この回答をどのように受け止め、今後の施策の充実に生かしていこうと考えておられるのか、御見解をお聞かせください。
本年十月七日に晴海ふ頭公園と晴海緑道公園がオープンしました。地域の方々からは、親子で早速行きましたが、開放感があり、大型の遊具も存分に楽しむことができ、子供たちがとても喜んでいましたなどの声が寄せられました。公園などの憩いの場の確保は、都心の中において大変重要な取組であると考えます。
平成二十八年、基本構想策定に当たって、区内の小学生と中学生から中央区の未来について授業を行い、子供たちの声を伺いました。特に、小学校では、住み続けたいまちに必要なことについて考えようというテーマで行われました。全体的に多かった主な意見は、遊び場や公園、自然環境、次いで防災・防犯に関するものでした。先ほど引用させていただいた十年後のまちづくりについての世論調査においても、「自然が大切にされ、豊かな水辺やみどりがあふれるまち」が四一・三%と高い結果が示されております。
中央区基本計画二○二三(仮称)中間のまとめでは、将来像の実現に向けて、水とみどりプロジェクトを含む四つのリーディングプロジェクトを整理し、中央区セントラルパーク構想として施策展開していくと示されております。具体的な計画の中にも、これまでの水と緑に包まれた安らぎのある空間づくりの各事業の充実に加え、銀座と築地をつなぐ新たなアメニティ空間の創出なども掲載され、大変期待しているところであります。
平成二十七年第三回区議会定例会一般質問において、ニューヨークの空中公園ハイラインなどを例に挙げながら、緑のオープンスペースを創出し、憩いの場となる公園の拡大をしっかり目標に位置づけて、未来に残していけるよう取り組むべきと質問させていただきました。区長からは、大幅な人口増が見込まれる中、都市環境の改善や、子供をはじめとする人々の憩い・遊びの場となる公園や緑地の確保は、大変重要なものであると認識しております、このため、大規模な開発などの機会を捉え、公園や緑地の確保が図られるよう、基本計画などに位置づけ、取り組んでまいりますとありました。既に様々な工夫により、公園・緑地を拡大していただいておりますが、ここで、基本計画を改定するに当たり、改めて質問させていただきます。
そこで、第二点目にお伺いいたします。
築地市場跡地のまちづくりや、銀座・築地周辺みどりのプロムナード構想が進む中で、浜離宮恩賜庭園から緑豊かな空間が連続していくよう工夫し、安らぎや憩いの場となるような公園・緑地の拡大に一層力を入れて取り組んでいただきたいと考えますが、区の御見解をお聞かせください。
次に、子育て支援策の充実についてお尋ねいたします。
中央区では、令和二年三月に第二期中央区子ども・子育て支援事業計画を策定しました。その後、コロナ禍となり、これまでも多様な子育て支援策の拡充を進めてきておりますが、乳幼児人口は増加傾向にあり、子育て家庭の育児不安や孤立化の課題、育ちに支援を必要とする子供への支援強化など、一層求められています。さらに、物価高騰の影響が続き、経済的な負担の軽減も引き続き大切であると考えます。
本年二月二十八日の第一回区議会定例会一般質問において、子ども医療費の高校生世代までの拡大について質問したところ、区長より、対象年齢の拡大に向けて速やかに検討を進めてまいりますとの御答弁がありました。さらに、本年九月二十一日の第三回区議会定例会一般質問において、堀田議員から学校給食費の無償化について質問させていただき、区長より、今日、食材料費の高騰が今後も続き、さらなる保護者負担への対応が求められる中、安心して子供を産み育てられる環境の確保や一層の食育の充実を図る観点から、学校給食費の無償化も一つの方向性であると認識しております、総合的な判断を行い、前向きに検討してまいりますとの御答弁をいただき、あわせて、保育園の給食費の無償化についても検討していくとの御答弁がございました。
一方、国においては、様々な検討を行う中で、出産育児一時金の増額も進められており、都心区としての課題は残るものの、着実に前進しているものと考えます。
そこで、第一点目にお伺いいたします。
中央区において、子育て支援策を総合的に推進するため、子ども医療費助成制度の高校生世代までの拡大や、小学校、中学校及び保育園の給食費の無償化、出産育児一時金の増額など、来年度に向けた準備状況と今後の子育て支援策の強化について、区の御見解をお聞かせください。
政府は、総合経済対策の中でゼロ歳児から二歳児に焦点を当て、妊娠・出産時における経済的負担の軽減と妊娠時からの伴走型相談支援を一体的なパッケージとして継続的に実施することを検討しております。主な内容は、妊娠届と出生届を提出した際、それぞれ五万円相当の支援を行い、育児用品の購入費や産前・産後ケア、家事支援サービスに利用することを想定しているようです。
一方、東京都では、国が三歳児からの幼児教育の無償化を実施した際、制度の対象に含まれないゼロ歳児から二歳児までの保育料について、第三子から保育料を無償化、第二子については保育料の半額を補助する制度を実施しました。
そして、中央区では、国及び東京都との連携による幼児教育・保育の無償化とともに、妊娠届出からプレママ・パパママ教室、新生児訪問、乳幼児健診、産後ケアなど、継続的に切れ目ない支援を整え、相談事業の充実に取り組んでおります。
そこで、第二点目にお伺いいたします。
妊娠期からの切れ目ない支援である子ども子育て応援ネットワークの取組状況をお示しいただくとともに、今後、国及び東京都の動向を踏まえながら、ゼロ歳児から二歳児を含め、子育て世帯への伴走型相談支援と経済的支援の一体的な施策を強化していただきたいと考えますが、区の御見解をお聞かせください。
先日、子ども発達支援センターゆりのきに御相談されている保護者の方々とお話をする機会がありました。日頃から丁寧に寄り添いながら御相談に応じていただき、心強いとの評価の声がある一方で、言語療法などの個別療育の一層の充実を求める声もありました。さらに、多子世帯となりますと、子供の成長段階に応じて、特別支援学級などへの移動に困難を抱える場面も増えます。そのときに、各福祉サービスを組み合わせながら対応していくことが求められてきます。利用者の立場から見ますと、様々な福祉サービスをどのように活用していけばよいか分からないことがあると思います。
そこで、中央区の育ちのサポートシステムでは、横の連携と縦の連携が行われておりますが、各部署に分かれた福祉サービスの内容もお伝えしながら、相談者に寄り添った対応となるよう、一層の充実が必要と感じます。既に、福祉保健委員会などにおいて御報告を受けておりますが、令和六年度開設を目指し、郷土天文館の移転後における子ども家庭支援センターの相談機能の移転などによる育ちの相談・サポート機能等の充実に向けた施設の再編整備を進めており、相談者が安心できるような一層の充実を検討していただきたいと考えます。
そこで、第三点目にお伺いいたします。
子ども発達支援センターゆりのきにおける言語療法などの個別療育の取組について現状をお示しいただくとともに、一層の充実を検討していただきたいと考えますが、区の御見解をお聞かせください。あわせて、特別支援学級などへの移動支援を強化するため、中央区の各福祉サービスを相談者の悩みに応じてコーディネートしていただけるような寄り添った相談体制をさらに充実していただきたいと考えますが、御見解をお聞かせください。
次に、認知症施策などの充実についてお尋ねいたします。
令和三年第四回区議会定例会の一般質問において、認知症施策の取組について伺いました。その中で、早期発見・早期対応が大切であるとの視点から、とっとり方式認知症予防プログラムを取り上げながら、認知症検診などについて伺いました。区長からの御答弁には、今後、認知症の健診事業や予防プログラムに関して、他自治体の取組の情報をさらに収集し、聖路加国際病院と協議を行いながら、本区にとってどのような認知症施策が効果的なのかを検討してまいりますとありました。
そこで、さらに調査・研究を深めるために、文京区の認知症検診事業、脳の健康度測定について、会派で視察してまいりました。
文京区では、平成三十一年十二月から検討を開始し、医療関係者と地元企業との協力で進めてきました。まず、令和二年九月から、先に文京区独自の検診診断後の支援として、訪問看護師による伴走型支援を行う認知症ともにパートナー事業と、生活習慣改善に取り組む認知症ともにフォローアッププログラムの二つの事業を開始しました。そして、翌年の令和三年九月から認知症検診事業がスタートしました。事業の目的は、認知症の普及啓発、認知症の早期の気づきの支援、様態に応じた医療・介護・生活支援等につなげることです。対象者は、当該年度に五十五歳、六十歳、六十五歳、七十歳、七十五歳を迎え、認知症の診断を受けていない方です。
概要は、まず、自宅で郵送された認知機能セルフチェックを行い、その上で、申込制による会場での認知症検診の受診となります。検診会場では、四百四十二名が来場され、四日間にわたり行われました。まず、看護師による問診から始まり、次に、デジタルツールを活用した認知機能テストを行い、医師からのアドバイスの後、専門職による個別相談、ミニ講座と続きました。一日で百人から二百人の方々を広い会場で検診を行うのは文京区のみで、多くの自治体は、医療機関で医師との一対一の検診が一般的のようです。ミニ講座も大変好評で、今年度は拡大して行われました。さらに、対象者を五十五歳から受け入れた理由は、認知症の原因となる生活習慣病の予防の普及啓発と、親の介護が心配されるために取り入れたことが特徴とのことでした。参加者からは、脳のことは心配なので、いい機会だと思って参加したなどの声が寄せられました。検診後、受診者に測定結果表をお送りし、脳の健康測定結果だけではなく、全受診者の認知機能測定結果と生活習慣の関係の分析も掲載し、啓発につなげておりました。特に、七十五歳の集団では、記憶力スコアが高い方は、読書、音楽鑑賞の頻度が高い傾向や一回三十分以上の運動、睡眠は五時間以上、糖尿病ではないことが示されていました。
御説明をいただいた担当者からは、最初の検討開始から医療機関との協議の重要性などを御教示いただくとともに、今後の事業の継続及び充実に向けての熱意を感じることができました。費用においては、歳出決算額約一千九百万円で、そのうち約一千三百万円は東京都の認知症検診推進事業補助金を活用しておりました。
そこで、第一点目にお伺いいたします。
本区においても、認知症の早期発見・早期対応が重要であることから、医療機関との協議を開始し、中央区認知症検診事業の導入に向けて検討を進めていただきたいと考えますが、御見解をお聞かせください。
第二点目にお伺いいたします。
聖路加国際大学との包括連携協定について、現在の取組状況をお示しください。
さらに、認知症施策の充実も含めた今後の展開について、御見解をお聞かせください。
本年第一回区議会定例会一般質問において、おとしより相談センターの取組を踏まえながら、安心してお話ができるところや、聞いていただける相談場所の強化について質問させていただきました。区長より、近年、八○五○問題やダブルケアなどの個人や世帯で複数の課題を抱える事例が増えており、今後も、各相談窓口において、職員の相談スキルや専門性を高めていくとともに、福祉圏域ごとに課題を一元的に受け止めることができる窓口の設置を検討するなど、さらなる充実を図ってまいりますとの御答弁をいただきました。
そこで、第三点目にお伺いいたします。
認知症など、複雑化している御相談に対して一層の充実を図るため、福祉圏域ごとに課題を一元的に受け止めることができる窓口の設置の検討状況についてお示しください。
最後に、本の森ちゅうおうと子ども読書活動の推進についてお尋ねいたします。
いよいよ待望の本の森ちゅうおうが十二月四日のオープン目前となり、期待に胸が膨らみます。これまで工事期間中に現場に立っておりましたが、多くの方々が行き交う中、写真を撮ったり、親子で、図書館楽しみだねなどの会話が聞こえてくるなど、心待ちにしている方が多いと感じています。
思い起こせば、当初は、京橋図書館の改修工事から検討が始まり、その後、労働スクエア東京が閉館となり、跡地の一部を取得しながら構想を固めてきましたが、平成二十五年度における建設資材の高騰を受け、入札不調などにより再検討して、時期を見極めながら規模を縮小して進めるなど、様々な課題を乗り越えて現在に至っております。
私は、平成十五年の初当選以来、学生時代に旧図書館を利用させていただいていたときの思いを踏まえながら、一貫して本に触れられる機会をできるだけ多くつくろうと、子ども読書活動推進計画の策定と公共図書館及び学校図書館の充実などについて取り組み、全国各地の図書館を視察しながら、一般質問をはじめ、区民文教委員会、予算・決算特別委員会において質問させていただきました。とりわけ、本年第一回区議会定例会一般質問においては、本の森ちゅうおうや子どもの読書活動の推進についてお尋ねし、オープンに向けた準備状況や、繰り返し来館していただくため、イベントなどの仕掛けづくりのほか、広報体制や地域資料館の連携の在り方などについて、教育長より積極的で前向きな御答弁をいただいたものと感じております。
このたびも、引き続き一層の充実を目指し、五点にわたり質問させていただきます。
お茶の水女子大学の藤原正彦名誉教は、情緒の育成こそ読書の真骨頂であると述べられているとおり、読書活動は、様々な体験や事実に触れながら、想像力や表現力、語彙力などを育み、より充実した人生を送るために必要不可欠なものであり、ICT機器の利活用が日常化する中においても、普遍的で恒久的なものと考えます。また、平成十八年三月に文部科学省の協力者会議が、これからの図書館像‐地域を支える情報拠点をめざして‐という報告書を発表しています。この報告書の基調は、課題解決型図書館です。特に、本の森ちゅうおうには江戸期以来の貴重な地域資料が蓄積されています。学校支援、ビジネス支援、まちづくり、福祉、医療、文化など各分野にわたって知識と情報を区民の皆様に提供し、日常的な課題解決につなげていくことが重要と考えます。コロナ禍が長期化し、社会の変化が激しい状況の中、生活や仕事で何かあったときには、図書館に行けばヒントが得られるような取組が大切ではないでしょうか。
京橋図書館と郷土天文館の歴史と伝統を引き継いでいる本の森ちゅうおうが、新しい時代を創造する生涯学習の拠点としての役割を果たすことが期待されます。そして、中央区の定住人口が一貫して増加傾向にある中、新たに転入された方々にも本の森ちゅうおうを利用していただきながら、読書活動だけではなく、中央区の歴史や文化にも触れていただくことは大切なことと考えます。
そこで、第一点目にお伺いいたします。
本年十二月四日に開館する本の森ちゅうおうにおいて、オープニング直後から、課題を解決する図書館として軸となるレファレンスサービスをはじめ、様々なイベント企画など、どのように充実されようと考えておりますでしょうか。
また、多くの方々に接点を持っていただけるよう、見やすく分かりやすいホームページの充実など、どのような普及啓発活動を実施されようと検討しているのか、御見解をお聞かせください。
先日、十一月十四日に本の森ちゅうおうの施設見学会に参加させていただきました。周囲を建物で囲まれるなど、限られた環境の中で、様々な工夫により、随所に本との出会いを創出するような取組が図られ、長年取り組んできた多くの関係者の思いが込められていると感じました。
従来と比較しますと、施設全体が明るくなり、延べ床面積で約四千四百平米増加したことに加え、開架冊数も約二十一万冊と、九万冊以上の増刷となるなど、来館した方々が多くの本に触れるきっかけとして充実しております。閲覧席においても、これまでの百六十六席から四百五十席に拡大し、特に、自然採光を取り入れた窓側の席は、机の奥行きもあり、居心地よく過ごすことができるのではないでしょうか。
桜川公園から続いているかのような屋上の芝生広場や、二階のつどいの森のオープンスペースなど、季節のよい時期には、緑に囲まれながら子供たちに対する読み聞かせや図書館イベントが開催されることなどの説明も受け、大変楽しみです。さらに、二階にはこどもコーナーが新設され、週末にお父さんやお母さんと共に図書館を訪れる親子連れの姿が目に浮かびます。施設の特徴の一つである、同じく二階の地域資料室では、貴重資料が閲覧しやすく整備されておりました。また、教育委員会をはじめ、様々な区の関係部署と協力しながらイベントなども開催される予定と伺いました。多くの方々が来館されることを考えますと、イベント開催時などにおいては、駐輪スペースの拡大も検討していく必要があるのではないでしょうか。
さらに、郷土資料展示の内容を踏まえた推薦図書を同時に図書館として特集するなど、連携テーマに沿った事業を実施し、相乗効果を図るとのお話も改めて受けました。このような取組は、複合施設としてのメリットを生かしたものであり、大いに共感できるものです。一方で、積み木型の施設とならないよう、部署間の緊密な連携や確かな人材育成がますます求められてくるのではないかと考えます。
そこで、第二点目にお伺いいたします。
本の森ちゅうおうでは、もとより図書館の中心事業であるレファレンスサービスを軸として、しっかりと取り組んでいくべきであると認識しております。その上で、複合施設としての機能を最大限生かすことや、様々なイベントが開催されるため、中央区のビジョンを踏まえながら各部署間で協力し、一体感を持って取り組むことができるよう工夫するとともに、丁寧で温かい対応を行っていただくよう、研修体制を強化すべきと考えますが、御見解をお聞かせください。
次に、晴海図書館の特性と子供向け事業の推進についてお尋ねいたします。
令和三年第二回区議会定例会一般質問において、晴海図書館について、本の森ちゅうおうのノウハウを活用しながら、子ども読書活動を支援する取組を充実していくべきとお尋ねし、教育長からは、立地特性を生かしながら様々な検討を加えておられるとの御答弁をいただきました。今後も、子育て世帯の転入が多くなると予測される中、子供たちに対する図書館サービスは、これまで以上に重要です。今後、晴海図書館は保健センターと併設されるため、ブックスタート事業の充実が図られると考えます。
そこで、第三点目にお伺いいたします。
晴海図書館の整備が進み、検討を重ねている中、子供たちが乳幼児期から継続して本を読む喜びを実感する取組をどのように進めていかれるのかお示しください。あわせて、晴海図書館は晴海保健センター等の複合施設となり、相互に連携しながらブックスタート事業の充実が図れるものと考えますが、御見解をお聞かせください。
次に、秋の読書週間の取組についてお尋ねいたします。
先日、日本橋図書館と月島図書館を視察させていただきました。両図書館において、工夫しながら様々な取組を展開されておりました。特に、コロナ禍が長期化する中、親子で図書館に訪れる方が増えているようです。土日になりますと、父親も一緒に来館され、絵本があっという間に貸し出され、何度も追加して並べているとのことでした。こうした状況を踏まえ、日本橋図書館では、イベントを日曜日に開催し、父親の参加が多く、親子で喜んでいただいているようです。お話を伺う中で、学年が上がるにつれ部活動や受験で忙しくなるので、乳幼児期や小学生のときに図書館に来て、知りたいことが分かるなど達成感を感じていただくことが大切であると語られていたことが印象的でした。
平成十三年に子ども読書活動の推進に関する法律が制定され、四月二十三日を子ども読書の日と位置づけ、日本全国の図書館において様々な読書イベントが実施されております。こうした流れを受けて、中央区においても、平成十四年度に子ども読書の日記念おはなし会が初めて開催されて以降、毎年実施されているものと承知しております。また、子供たちだけではなく、大人の方々に対する取組としましても、秋の読書週間の機会を捉えた企画やまるごとミュージアムでの図書館イベントなど、区立図書館として読書の重要性や有効性についてお知らせいただいております。
このたび、本の森ちゅうおうが間もなく開館となり、さらに晴海図書館の開館準備などが進む中で、これまでになく読書に対する機運醸成と図書館の利用促進を図る大切な機会であると考えます。
そこで、第四点目にお伺いいたします。
これまでの秋の読書週間に合わせ、子供の読書推進に関する取組状況をお示しいただくとともに、今後、一層の読書週間における子供向け施策の充実策を検討していただきたいと考えますが、御見解をお聞かせください。
次に、学校現場における本に触れる機会の充実と、第四次子ども読書活動推進計画についてお尋ねいたします。
私は、日頃から視察を行いながら、他の自治体の取組を調査・研究する中で、読書活動の推進が重要施策として位置づけられているケースが多くあることを実感しております。武蔵野プレイスを有する東京都武蔵野市における読書の動機づけ指導や、鹿児島県の親子二十分読書など、子供たちに本を開く豊かな体験をしてもらいたいとの実効的な取組は、本区においても検討の余地があるのではないでしょうか。
そこで、先日、改めて武蔵野プレイスに行ってまいりました。施設内のテーブルには、武蔵野市教育委員会及び図書館発行の「令和四年度市立小学校三年生対象「読書の動機づけ指導」内容紹介」のパンフレットがありました。読書の動機づけ指導は、より多くの子供たちに読書を好きになってもらいたいという願いから始まり、平成十四年には文部科学大臣賞を受賞し、今年で五十五年目を迎えています。昭和四十二年に始まった読書指導は、読むことに慣れ、集団指導も可能な学年との観点から、三年生に焦点を当てて行っています。
主な内容は、毎年度、講師や学校代表者のほか、図書館職員から成る図書選定部会が、無理なく空想の世界に浸れるか、生活体験が豊かになるかなど、三年生の読書能力を考慮して、新刊書を中心に三十冊程度の本を選定します。当日は、講師と図書館職員が学校を訪問し、講師がブックトーク、読み聞かせ等を織り交ぜながら五十分間行います。紹介に使った書籍は、その場でクラスに贈られ、その後の指導に活用されます。事前の本の選定などの準備から、読書指導、その後のアンケート調査など、毎年検討を重ねているようです。大変すばらしい取組が長年行われていることに感動しましたが、改めて発達段階に応じた読書活動の推進をきめ細かく行うことの大切さを感じました。
そこで、第五点目にお伺いいたします。
それぞれの分野の専門家が本を紹介するなどの取組の後に、子供の発達段階に応じて、推薦図書を学校のクラスに寄贈し、活用する武蔵野市読書の動機づけ指導の活動に関する御所感をお聞かせください。あわせて、こうした取組は第四次子ども読書活動推進計画の一層の充実につながるものとして、学校における読書活動の推進を強化する取組であり、身近に本がある環境をクラスに整備することは有効であると考えますが、御見解をお聞かせください。
以上で私の第一回目の質問を終わらせていただきます。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
田中広一議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、新型コロナ第八波への備えについてであります。
第八波においては、季節性インフルエンザとの同時流行により、これまで以上の患者数となることが懸念されています。国の想定している対策では、重症化リスクの低い方については、医療機関受診前に新型コロナの抗原検査キットによる自己検査を実施することから、検査後の受診先や療養に関する問合せが増えることが予想されるため、中央区保健所コールセンターの充実など、相談機能の強化を図っております。また、先月末には両医師会や新型コロナ対応病床を持つ区内医療機関との連絡会議を開催し、第八波へ備えた対応などを協議しております。さらに、往診等の調整については、中央区自宅療養者サポートセンターを活用するほか、重症化予防のためのワクチン接種の推進や、基本的な感染拡大防止対策の啓発などに引き続き努めてまいります。
次に、物価高騰への対応についてであります。
コロナ禍が二年半以上も続いている中、さらにエネルギーや食料品など、あらゆるものの価格高騰が加わり、経済的な側面のみならず、終わりの見えないといった不安など、区民生活に大きな影響が生じているものと認識しております。今般の急激な物価高騰を抑制し、区民の暮らしを守るためには、国と地方が相互に連携し、取組を進めていくことが重要であります。こうした中、国においては、電気・ガス代等の家計負担軽減策などを盛り込んだ第二次補正予算案を取りまとめました。区としましても、今期定例会を含め、これまで数次にわたる補正予算を編成し、対策を講じてまいりました。しかしながら、現在の社会情勢を鑑みますと、すぐに物価が下がることは考えにくいことから、国の動きも踏まえつつ、今後とも、地域の実情に応じた対策を検討し、必要な措置を講じてまいる所存であります。
次に、経営相談事業についてであります。
区内で事業を営む方や新たに事業を始めようとする方に対し、専門家が様々な観点から相談に応じることは、そうした方々が有する課題の解決や不安の解消につながるとともに、区内における活発な経済活動にも資する重要なものと認識しております。そのため、現在、区では、中小企業診断士等による庁内窓口での相談や、事業所などに赴いて相談に応じる出張経営相談などを実施しているところであります。また、東京都中小企業振興公社や東京都よろず支援拠点、東京商工会議所中央支部などにおいても様々な相談に応じていることから、それらの事業を周知するとともに、相談内容に応じて御案内をしております。今後の相談体制につきましては、事業者の相談内容も多様化する中、引き続き、豊富な支援実績を有する専門家を活用するとともに、オンラインによる相談など、新たな方法等についても検討し、区内事業者の経営課題に広く対応できるよう、積極的に支援してまいります。
次に、就職支援事業についてであります。
区では、ハローワーク飯田橋等と連携して、各種の雇用・就労支援事業を実施しております。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大防止等の観点から、求人申込み説明会が三年続けて中止になったほか、就職ミニ面接会の実施回数の半減や、介護職合同就職相談・面接会の定員の制限などの影響が出ております。一方で、これまで様々な行動制限などがある中で減少が続いていた各事業への参加者数は、最近では、若干増加傾向に転じております。また、国においても、コロナ前の水準には届きませんが、求人・求職ともに動きが活発化してきております。こうした中、区といたしましては、雇用・就労に関する動向を把握して事業を展開する必要があることから、区内の求人・求職の状況や、求職者の意識の変化などについてハローワークから説明を受ける機会を毎月設け、意見交換を続けております。今後については、ハローワークのほか、労働基準監督署、シルバー人材センター、社会福祉協議会などで構成する中央区地域雇用問題連絡会議をはじめ、関係機関との連携を一層強化し、区内事業者が安定的に事業を展開できるよう、人材確保に向けた支援と、区民の就業に資する事業を展開してまいります。
次に、区民の望むまちについてであります。
本区は、代々受け継いできた人情味あふれる地域コミュニティの中、子供から高齢者まで全ての区民が笑顔で日々を送り、江戸以来の歴史と文化に育まれた活気とにぎわい、水と緑あふれる都心居住を楽しめるよう、福祉や安全・安心なまちづくりなどの拡充に努めてまいりました。本年、基本計画の改定に当たり、区政世論調査で、区民が望む十年後のまちについてお聞きいたしました。調査結果では、犯罪のない安心して住めるまちを筆頭に、心豊かにいきいきと暮らすまち、豊かな水辺やみどりがあふれるまちなどが上位に挙げられ、安心と心や自然の豊かさが区政に求められている課題でもあると受け止めたところです。こうした区民の声を区政に反映させていくには、基礎自治体である区の責務であり、基本計画二○二三中間のまとめにおいても、一人一人の生き方が大切にされた安心できるまちや、快適で安全な生活を送るための都市環境が整備されたまちなどの実現を目指し、今後十年間を見据えた具体的な取組を盛り込んだところであります。今後も、区民の声に耳を傾け、全ての区民が生涯にわたり豊かな暮らしを享受できるよう、各種施策を着実に推進してまいります。
次に、公園・緑地のさらなる拡大についてであります。
本区では、基幹的な道路・交通ネットワークの構築や、新たなアメニティ空間の創出、さらには、大規模開発による国際的な交流拠点が計画されるなど、大きな転換期を迎えております。こうした都市基盤整備の機会を捉え、公園・緑地などの緑やオープンスペースの確保を積極的に推進し、緑のネットワークの充実を図る必要があるものと考えております。銀座・築地周辺みどりのプロムナード構想を実現する上で、回遊性や連続性への配慮が重要であることから、東京高速道路の上部空間と築地市場跡地が緑でつながるよう、首都高速都心環状線の接続部の有効活用策について関係機関と調整を図ってまいります。さらに、都の「築地地区まちづくり事業」の実施方針では、水辺を生かし、緑を充実させながら、居心地がよく、歩きたくなるまちの形成を求めており、浜離宮恩賜庭園との連続性に配慮した計画とするよう、開発事業者などに働きかけてまいります。今後も、事業者や関係機関と連携し、地域の歴史的・文化的ストックを十分に生かした、緑豊かで快適な環境都市東京の象徴となる中央区セントラルパーク構想の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。
次に、子育て支援策の充実についてであります。
子育て支援策の来年度の準備状況ですが、子ども医療費助成の対象拡大につきましては、さきの令和四年度一般会計九月補正予算において、その準備に係る事務費の予算計上を行い、令和五年四月の実施に向け、現在、準備を進めているところです。小・中学校の給食費及び保育園給食費の一部である副食費の無償化については、徴収事務の負担軽減や子育てを地域全体で支援していくという考え方から、実施に向けて検討してまいります。また、出産育児一時金の増額については、現在、国において検討が進められているところであり、現段階において具体的な内容は示されておりませんが、今後、内容が提示され次第、遅滞なく対応できるよう準備してまいります。今後につきましては、終息が見通せない新型コロナウイルス感染症への対策や、原材料価格、物価高騰などに伴う影響などを踏まえ、様々な観点から、子育て支援策を総合的に検討していく必要があると考えております。今後も引き続き、国や東京都の動向を注視しつつ、社会経済状況や多様な子育てニーズを踏まえながら、切れ目のない子育て支援策を推進してまいります。
次に、子ども子育て応援ネットワークの取組状況についてであります。
区では、保健所・保健センターと子ども家庭支援センターが連携し、毎月開催する子ども子育て応援ネットワーク支援連絡会議や特定妊婦情報共有会議などで関係機関が集まって、情報共有や支援プランの作成・評価及びフォローアップなどの対応を行っております。
次に、ゼロ歳児から二歳児における伴走型相談支援と経済的支援の強化についてであります。
区では、かねてより、妊娠期から出産、子育てまでの一貫した子育て支援策として、産前・産後ケアなどの相談支援や、出産支援祝品、新生児誕生祝品を贈呈するなどの経済的支援をいち早く行っており、安心して子供を産み育てることができる環境づくりに取り組んでまいりました。こうした取組は、国が想定する伴走型相談支援や経済的支援の内容に合致するものと認識しております。区といたしましては、今後、国や東京都から示される情報等を踏まえた上で、既存の子育て支援策を精査・整理し、伴走型相談支援と経済的支援の充実を図ってまいります。
次に、子ども発達支援センターゆりのきにおける言語療法などの取組と相談体制の充実についてであります。
子ども発達支援センターでは、児童福祉法に基づく法定事業とは別に、育ちに支援が必要な子供に対し、区の独自事業として、言語療法などの個別療育を行っております。個別療育は、障害児通所支援受給者証の取得が要件ではないことから、多くの方が抵抗感なく利用されており、現在、御希望された回数を利用できないことがあるといった場合もあります。さらに、今後、子供の増加とともに、個別療育に対するニーズも増加することが見込まれます。そのため、郷土天文館移転後の施設再編整備計画において、令和六年度に個別療育室を拡充し、利用枠を拡大するなど、療育の拠点としての機能を充実してまいります。区民に寄り添った相談体制の整備につきましては、この施設再編整備で移転してまいります子ども家庭支援センターを中心に、各部署が連携しながら、子供に関する様々な悩みや不安に対し、ワンストップで適切なアドバイスを行うとともに、具体的な福祉サービスへ円滑につなげていくサポート体制を強化してまいります。
次に、認知症検診事業についてであります。
本区においては、認知症を早期に発見し、早期から治療を行うことにより重症化を防ぎ、周囲の理解の下、尊厳と希望を持って地域で活動できるよう、様々な認知症施策に取り組んでおります。また、施策をより効果的なものとするために、認知症支援担当者会議を開催し、地域連携型認知症疾患医療センターである聖路加国際病院と定期的に協議を行っております。早期診断への取組としては、都の認知症検診推進事業と同様に、認知症の疑いを簡単に確認できるチェックリストを啓発用パンフレット「知って安心 認知症」や、「わかりやすい介護保険のてびき」等に掲載し、高齢者世帯への全戸配布も行っております。高齢者の方にはこちらを活用していただき、点数が高ければ、おとしより相談センターや医療機関に相談していただくよう勧めております。本年九月一日号の区のおしらせちゅうおうの一面にも、このチェックリストを大きく掲載し、広く周知・啓発したところです。しかしながら、点数が高くても相談をためらう場合や、御本人に病識がない場合など、積極的に検査を受けることを望まない方も多くいらっしゃいます。そこで、支援が必要な高齢者の情報が区やおとしより相談センターに集約できるよう、民生・児童委員や見守り団体等、地域の方に御協力をいただいております。そして、必要に応じて、医師や保健師等の専門職から成る初期集中支援チームが訪問を行うことにより、医療機関への受診につなげ、認知症と診断された後も継続して必要なサービスが受けられるよう、丁寧に支援しております。こうした事業の実施に加え、さらに検診事業を導入することについては、他区における実施状況や受診率、効果などを検証した上で、医療機関の方も構成員となっている在宅療養支援協議会等で御意見を伺いながら検討してまいります。
次に、聖路加国際大学との包括連携協定についてであります。
区と聖路加国際大学は、包括連携協定に基づき、毎年、連携協議会を開催して情報共有を図るとともに、区民カレッジ等、各種講座の企画や、保健所における実習生の受入れのほか、子育て支援、高齢者支援、防災及び災害対策など多岐にわたる分野において事業を展開しております。令和三年度には、新型コロナウイルス感染症対応における中央区保健所への支援として、積極的疫学調査や感染者等への健康観察を実施するため、大学から延べ七十八名の看護職の方を派遣していただきました。また、認知症施策では、認知症サポーター養成講座や認知症に関する講演会への講師派遣、認知症支援担当者会議等への出席のほか、区が認知症が疑われる方を把握した場合には、医療機関へつなげるためのアドバイスなど、様々な面で御協力いただいているところであります。今後といたしましては、コロナ禍において、高齢者を中心に生活様式が変化し、認知症やフレイルの進行が懸念されることから、連携協議会の中で新たな連携策を検討し、さらなる取組を推進してまいります。
次に、福祉相談窓口の充実についてであります。
区では、これまで、子供、高齢、障害など分野ごとの相談窓口において、各制度に精通した職員が、相談者の困り事をお聞きしながら適切なサービスの提供につなげてまいりました。一方、近年、八○五○問題、ダブルケアといった複雑化・複合化した課題を抱えた世帯の増加や、既存のサービスの対象とならない制度のはざまの問題、社会的孤立といった課題も顕在化してきています。そのため、区では、年齢や障害の有無等にかかわらず、福祉に関する様々な相談を丸ごと受け止める福祉総合相談窓口の各地域への設置を中央区基本計画二○二三中間のまとめに盛り込みました。現在、令和六年度目を目途に、京橋図書館移転後のスペースの一部を活用した開設に向けて、準備を進めております。設置に当たっては、場所や人材の確保などの課題はございますが、今後、日本橋・月島両地域においても早期に開設できるよう検討してまいります。
私からの答弁は以上であります。
〔教育長 平林治樹君登壇〕
○教育長(平林治樹君)
教育問題についてお答えします。
初めに、本の森ちゅうおうでの取組と普及啓発についてであります。
本の森ちゅうおうは、京橋図書館において蓄積した豊富な資料群と対応記録のノウハウとともに、図書館司書の知識と見識に基づき、充実したレファレンスが行えるよう、現在、指定管理者が準備を進めております。こうした図書館としての基本的な取組に加え、開館後も読書の大切さや楽しさを伝える講演会やブックトークの開催を継続するほか、郷土資料館における展示と連動したボランティアによるまち歩きの実施など、読書意欲の喚起とともに、区民が出会い、交流する場となるよう、本の森ちゅうおうの魅力創造に取り組んでまいります。普及啓発につきましては、現在、図書館ホームページや子育て支援アプリなどのSNSを活用したイベント周知や、図書館情報の発信に取り組んでいるところであります。また、図書館ホームページにつきましては、今後の図書館システムの更新とともに全面的に刷新し、郷土資料館を含む本の森ちゅうおうを全面的に紹介するホームページとするなど、図書館利用や読書に対する動機づけとなるよう、より見やすく分かりやすいホームページとしてまいります。
次に、本の森ちゅうおうにおける関係部署間の協力と職員の人材育成についてであります。
本の森ちゅうおうは、子供から大人まで誰もが親しみを持って利用でき、歴史・文化を未来に伝える地域の生涯学習拠点をコンセプトとしております。これは、京橋図書館、郷土資料館、社会教育機能を融合させ、情報や活動の場の提供をはじめ、生涯学習の拠点として相互に連携することを目的とするもので、区民カレッジやまるごとミュージアムとの連携事業のほか、読み聞かせボランティアや郷土資料館サポーターからの協力など、様々な部署との連携事業や区民との協働事業を展開する中で実現していきたいと考えております。また、こうした事業を持続・発展させ、今後一層充実したものとするためには、ボランティアをはじめ、図書館司書などの育成と心温まるコンシェルジュやスタッフの人材育成を通した接遇の向上が重要と認識しております。今後とも、本の森ちゅうおうがコンセプトや理念を共有する様々な関係者との連携や人材育成を図る中で、接遇面においても均一的・一体的に質の高いサービスが提供できる図書館となるよう、指定管理者と共に取り組んでまいります。
次に、晴海図書館の特性と子供たちに向けた事業についてであります。
現在、教育委員会では、子供たちが乳幼児期から本に触れることで、紙の本が持つ温かさやページをめくる楽しさとともに、読書のきっかけづくりとなる家庭での読み聞かせの大切さを知ってもらえるよう、ゼロ歳児に絵本をプレゼントするブックスタート事業を実施するとともに、区立図書館でのおはなし会を定期的に開催しているところであります。今後、多くの子育て世帯の利用が見込まれる晴海図書館は、晴海四丁目複合施設内に保健センターが併設される予定であります。こうしたことから、これまでの取組に加え、三・四か月健診と連動したおはなし会や乳幼児向けのイベントのほか、妊産婦向けの読み聞かせ講座を実施するなど、晴海地区にできる新しいまちにふさわしい図書館事業を推進してまいります。
次に、秋の読書週間についてであります。
本年で七十六回を迎える読書週間は、例年、十月二十七日から十一月九日の二週間において実施されるものであります。そうした中で、実施期間における子供向けの取組としては、絵本作家による講演会や、季節を感じられるテーマ展示、ハロウィンにちなんだおはなし会の開催など、時節に応じた展示やイベントを実施してきたところであります。今後の充実策につきましては、図書館内外のスペースを活用しながら、紙芝居やぬいぐるみおとまり会に加え、工作教室や本の森ツアーの実施など、子供向け読書イベントを展開してまいります。また、一人でも多くの子供が、本が好きで読書が楽しいと感じて区立図書館に来館してもらえるよう、現在実施している図書イベントに一層の創意工夫を加え、これまで以上に子供たちの読書活動が推進されるよう取り組んでまいります。
次に、本に触れる機会の充実と第四次子ども読書活動推進計画についてであります。
武蔵野市における読書の動機づけ指導につきましては、本格的な読書活動が開始される小学三年生を対象に、様々な講師や専門家が本の紹介を行う取組をはじめ、その後、学習した本を各クラスに寄贈するなど、朝読とともに、子供たちが身近に本に触れる機会と読書に熱中する体験として有意義なものと考えております。こうした取組に通じる区立学校の活動としては、現在、子供たちの発達段階に応じて、絵本や推薦図書を教室に配架する学級文庫の充実に取り組んでおります。また、第四次子ども読書活動推進計画においては、学校図書館の開館日や開館時間の拡充に伴う利用促進により、子供たちが本に触れる機会を充実させる予定であります。子供たちが本への興味・関心を抱き、読書へいざなう取組を重層的に行うことで、豊かな感性や思いやりの心を育むことが何よりも重要であります。今後とも、他自治体の有効な取組の研究や子ども読書活動推進計画の一層の充実を通して、本好きな子供の育成に取り組んでまいります。
答弁は以上であります。
〔二十八番 田中広一議員登壇〕
○二十八番(田中広一議員)
各質問項目に対しまして御答弁いただき、大変にありがとうございました。
今回、質問するに当たりまして、安心という思いを持って質問をつくらせていただきました。連日、地域を回って、いろいろな御相談をいただきますけれども、やはりコロナ禍が続き、ウクライナ危機も長期化し、物価高騰あるいは円安の状況も加わって、本当に多くの方が悩んでいらっしゃる、また、いろいろ苦労していらっしゃる場面を、お話を伺って見てまいりました。そうした思いに立ちまして、先ほど御答弁いただきましたけれども、コロナ対策あるいは経済対策、これはもう喫緊の課題ですので、しっかりお願いをいたします。
また、中期的な取組として、犯罪のない安心して住めるまち、そして公園・緑地のさらなる拡大という点でも、力強くお願いします。特に最初の、犯罪のない安心して住めるまちへの取組ということで、少し抽象的な聞き方をしたんですけれども、質問の内容を十分酌み取っていただいて、丁寧に答えていただいたなと思っております。
本文の中でも少し申し上げましたが、例えば商工相談一つ取っても、お話を聞いてくれたという、その一点だけで、やはり区民の方は安心するという気持ちを持てるんです。ここが大事だと思いますので、ぜひ各部署、各事業においても、どうか丁寧な対応を引き続きお願いいたします。
そして、子育て支援につきましては、これはもう全庁挙げてこれまで取り組んできておりますが、引き続き、どうか大事な時期でもありますので、しっかりと取り組んでいただくようお願いいたします。
そして、認知症施策の充実についてお話をさせていただきまして、大変丁寧な御答弁も頂戴しました。
二○二五年には、高齢者の五人に一人が認知症と言われております。これは、御本人だけではなく、御家族にとっても、また周りの方にとっても、認知症を知っているかどうかというのはすごく大きな問題だと思います。したがって、今回、検診事業のお話をさせていただいているのは、やはりこういった取組をすることによって多くの方が知ることができますし、啓発につながっていきますので、ぜひ総合的に各関係者とよく協議をしていただきながら、中央区にふさわしい事業をぜひお願いいたします。
そして、本の森ちゅうおうと子ども読書活動の推進についてでございます。
これまでも様々な質問をさせていただき、今回も五点質問させていただいて、精いっぱい御答弁いただいたと思っております。実は、この取組というのは、区のいろいろな事業の中の基盤となるものだと私は思っております。
ちょっと話が遡るんですけれども、基本計画の中間のまとめを学ぶに当たって、改めて基本構想を確認しました。その中で、江戸東京博物館の館長をされていた竹内元会長が、粋なまちのところで、思いやりのあるまちだからこそ、誰もが住みやすくて働きやすいまちになるんだという趣旨のことを語られていたことがすごく印象に残っております。
そこで、竹内元会長のこの思いをもう少し掘り下げたいなと思いまして、「江戸を知る」を読ませていただきました。この中にも、やはり竹内元会長は、粋とは思いやりなんだということを語られておりました。やはり江戸期以来の思いがあると。先ほどの御答弁にも人情味あふれるという表現を使っていただきましたけれども、すごく大事な視点だと感じております。さらに、その本の中には、水と緑豊かな江戸ということで展開されておりまして、ぜひ、先ほど御答弁いただきましたけれども、どうか、浜離宮が江戸の一つの象徴でありますので、ぜひ核として緑と水のネットワークを広げていただきますようお願いします。
そして、実は、この本の冒頭に竹内元会長の学生時代のことが少し触れられておりました。受験勉強をしているときに、実は図書館に通っておりまして、そのときにたまたま手にした本が「田沼時代」という本だったようであります。もともと大学に進学したら法学部に進もうと思っていたようなんですが、その本をきっかけにして、歴史学を志すこととなったというふうに書かれておりました。
まさに、このように、本との出会いによって人生を豊かにして、そして、これまで申し上げておりますとおり、読書によって、共感力ですとか、あるいは情緒力を形成する大事な活動でありますので、ぜひ本の森ちゅうおう、また新たなスタートに立つと思いますので、どうか子ども読書活動の推進と併せて、各事業の基盤としながら、ぜひ中央区の将来像の実現に向けて、どうか進んでいただきますようお願い申し上げまして、私からの質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
○二十三番(原田賢一議員)
議事進行について動議を提出いたします。
ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。
午後五時二十一分 休憩
午後五時四十分 開議
○議長(木村克一議員)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。一番高橋元気議員。
○一番(高橋元気議員)
中央区議会会派かがやき中央の高橋元気です。よろしくお願いいたします。理事者の皆様方におかれましては、活発な御答弁のほど、心よりお願いを申し上げます。なお、一般質問二日目につき、重複する質問もあるかとは思いますが、憂慮いただければと思います。なお、再質問、再々質問につきましては、あらかじめ留保をさせていただきます。
振り返れば、私の任期中の四年間のほとんどにおいて、新型コロナウイルス感染症による社会影響を受け、区民の皆様も、そして区の職員の皆様も、その対応に苦慮されてきたと思います。そのような状況下で、中央区の未来を描いていくことも難しい側面はありますが、先日公表されました中央区基本計画二○二三中間のまとめにおいては、九つの基本政策とともに、区を取り巻く環境や社会状況等の変化を踏まえ、政策横断的に取り組むべき施策を四つのリーディングプロジェクトとして整理をし、中央区セントラルパーク構想とすることを発表されました。中央区の未来構想がだんだんと具体化される中で、改めて本区が現状で抱える課題を整理し、十年後、二十年後先の未来を考えたときに、区民の方々が特に関心がある課題について今回はそれぞれ質問をさせていただきます。
まずは、子育て・教育問題について取り上げます。
中央区の現状を数字で見れば、令和四年十一月一日時点において、中央区の総人口は十七万三千八百八十二人となりました。二○一五年から二○二○年にかけた人口増加率は、二十三区中一位です。また、合計特殊出生率が一・四三、生産年齢人口が七一・四%と、それぞれにおいて二十三区中一位であり、この二十年間で大きく区民の平均年齢は若返りを果たし、特に二十代から五十代までの世代が多くを占める本区は、様々な意味において大きなポテンシャルを秘めた自治体であると言えます。
一方で、急激な人口増加に伴い、行政需要も拡大し、近年では多くの課題も生まれるようになりました。その一つが放課後の児童の居場所の確保であり、とりわけ学童クラブへの入会を希望する方々が入れない、いわゆる学童の待機児童問題が深刻です。
令和四年四月に、保育施設においては、施設の整備により一定の定員を確保することに成功し、保育所の待機児童問題は一旦解消されることとはなりましたが、一方で、年少人口が拡大することにより、特に小学生低学年児童における放課後の児童の居場所の確保が問題となっています。本区もその課題自体は認識しており、第二期中央区子ども・子育て支援事業計画において、放課後児童健全育成事業の令和六年度目標を、定員数五百九十人、クラブ数を十六とし、そのうち二つを民間学童クラブの開設によるものといたしました。ただし、学童クラブで不足する量の見込みについては、放課後子ども教室、子どもの居場所プレディで対応するものとし、今後とも学童クラブとプレディを連携させながら解消を図るとしています。
先日、民間学童クラブの一つについては、月島三丁目にベネッセ学童クラブが開設されることが発表されましたが、全区的に学童クラブへの入所希望は多く、待機状況を見れば、特に堀留町児童館が四十六人、佃児童館が三十一人、月島児童館が三十九人、勝どき児童館が五十九人、晴海児童館が三十一人という状況です。区民の方々の声に耳を傾ければ、プレディではなく、学童クラブがいいとの声も多く、区民のニーズは高い状況です。二○二○年から五年間で需要予測は約一・五倍の約一千二百人にまで達すると予測されていながら、中央区においては、最大で八百三十五人までしか確保策が用意されていないことからも、本区は放課後の居場所の確保は、学童クラブではなく、できる限りプレディで対応したいという考えが見てとれます。
そこで、お伺いをいたします。
放課後の児童の居場所確保という点において、現在、計画されている月島地域に二クラブだけではなく、さらに多くの民間学童クラブを積極的に誘致するべきであると考えますが、計画を二クラブのみにとどめている理由はなぜでしょうか。特に、堀留町などの日本橋地域、勝どき・豊海町、晴海地域を含めて、全区的に待機児童問題を解消すべきと考えますが、待機児童問題の解消は令和何年度までを目標としているのかをお示しください。
また、最大の問題点は、区内に開設できる物件がなかなかない、あるいは家賃が高く、事業者の採算が取れないという点も大きいと思われますが、区として、物件の確保や家賃・運営の補助を積極的に支援していくべきであると思います。本区の見解をお示しください。
続いて、令和六年四月に開校予定の晴海西小学校についてお伺いをいたします。
同時期にHARUMI FLAGの入居が開始され、最大で約一万二千人の人口増加を見込む晴海五丁目において、晴海西小学校は、教育の柱となることが期待されています。広大な土地の中に、地下一階、地上五階、小学校においては普通教室三十学級、中学校においては普通教室十五学級の規模で計画されております。しかしながら、開設まで一年半を切りましたが、その全容がいまだに見えてこず、既にHARUMI FLAGへの入居が決まっている方、あるいは学区割の変更によって晴海西小学校に通う予定の保護者の方からは問合せも来ております。特に、標準服の取扱いや部活動について、また、通学路についても現時点では決まっておらず、令和五年八月頃までにお知らせをすると案内がありましたが、開設に向けた検討は現時点でどこまで話合いがされているのか、最新の状況を教えてください。
また、中央区においては、各学校ごとに教育方針において特色があるという点が魅力でもあります。晴海西小学校は、昨年開催された東京オリンピック・パラリンピックの開催地でもあり、英語教育やスポーツ教育といった特色も期待されているところです。また、小学校、中学校が一つの施設内に開設されるという点において、例えば江東区の有明西学園においては、施設一体型の小中連携校として、いわゆる中一ギャップの解消に一定の成果を導き出しています。学校の特色を検討するに当たっては、施設整備の段階から検討するべきであると考えます。
このように、施設整備の段階から、本区は晴海西小学校をどのような特色のある学校にしようと考えているのか、ある程度教育委員会で方針を定めた上で決めるべきであると考えていますが、本区の見解をお示しください。
また、あわせて、今後整備される予定の晴海東小学校についても、現時点における開設予定と晴海地域における位置づけについて教えてください。
続いて、児童虐待問題についてお伺いをいたします。
近年、児童相談所への虐待相談対応件数が毎年増えております。令和三年度は全国で二十万七千六百五十九件と、過去最多を記録しています。コロナ禍の中で社会にストレスがかかっている点や、テレワーク等による生活スタイルの変化も加わり、全体的に児童虐待問題も表面化しております。平成二十八年の児童福祉法改正により、特別区においても児童相談所が設置できるようになりましたが、都内では、令和二年四月に世田谷区と江戸川区が、次いで七月には荒川区が設置をしました。これにほかの区も続いていく流れとなり、現在では、二十三区中十七区が開設予定あるいは開設済みです。中央区においても、台東区と共同で東京都の児童相談所サテライトオフィスが設置されたところです。
しかしながら、こちらはあくまで東京都のサテライトオフィスであり、本区が積極的に児童相談所業務の移管を目的とした施策ではないものと認識をしております。地域に密着した活動を行い、子供たちの受皿ともなる児童相談所の設置も必ず必要となると思われます。
まず、お伺いしますのが、本区では、将来的に児童相談所の設置を目標としているのかお示しください。また、それには、土地の問題あるいは区の職員の体制の問題もあります。特に、本区においては、この二つの課題をクリアすることが先決であると思いますが、それぞれにおいて具体的に計画を立てているのか、場所の目途と職員の育成という点における状況を教えてください。
児童相談所の設置とともに進めるべきなのが、里親制度の普及・啓発です。以前に私も一般質問で取り上げましたが、本区においても、様々な事情で保護者とは暮らせない子供たちを支援するために、里親制度への登録を推奨していくべきだと考えます。前回の区の答弁では、東京都の児童相談所と共催し、パネル展示や養育家庭の体験発表会を実施していくとの回答でありましたが、区内の里親登録数を増やすため、より進んだ取組を実施していくべきと考えます。例えば、港区においては、パネル展や体験発表会のほか、里親出前講座やツイッター等SNSを活用して区内の里親の体験談を紹介するなど、区が独自で力を入れて取り組んでいます。
中央区においても、区内で四組いる里親たちと連携し、LINEやツイッター等のSNSを活用した、さらなる普及・啓発活動が必要ではないでしょうか。
また、中央区にて登録されている里親の方からも、里親同士で交流する機会や情報共有の機会がなく困っているという相談を受けました。中央区としても、東京都児童相談所と連携の上、里親の声を区が直接定期的に聞く機会及び里親同士の交流の機会を設け、里親の困り事の解決と制度普及のための取組を強化していくべきだと考えますが、本区における考えを改めてお伺いいたします。
次に、地域コミュニティの活性化という点からお伺いいたします。
中央区基本計画二○二三中間のまとめにおいても、コミュニティ活性化プロジェクトはリーディングプロジェクトとして示されております。地域コミュニティの核となるのは、まずは区内の町会・自治会となります。町会・自治会は、各イベントの実施から地域の防災・防犯組織の核ともなる存在である一方、近年においては、入会率やイベント参加率が低下していることから、組織の高齢化も問題となっております。そもそも、マンション等の共同住宅居住率が九四・二%である本区において、物理的に住民が一堂に会する、または住民の意見の全てを吸い上げることは非現実的でもあり、従来の町会・自治会の枠にとらわれないコミュニティの在り方も検討されるべきであると思います。
まず、お伺いするのは本区の方向性です。
中央区においては、地域コミュニティの活性化の主体はあくまで町会・自治会であると考えているのか、それとも町会・自治会以外のコミュニティの在り方も含めて、活性化を検討していくのか、方向性をお示しください。
その上で、イベントへの参加率向上がやはり課題であると思われる中で、今後のリーディングプロジェクトとして、住民のイベント参加率の向上はどのように支援していくつもりなのかお答えください。
最近は、オンラインやICT技術を駆使して地域コミュニティの活性化を目指す取組も研究がなされております。例えば、地域仮想通貨の導入、十一月一日に渋谷区のデジタル地域通貨ハチペイがサービスを開始しました。ハチペイは、渋谷区内の店舗やサービス、イベントなどで支払いできる独自のキャッシュレス決済アプリであり、換金性がなく、地域活動など、まちによいことをすると獲得できるコインであり、店舗やイベントでの体験に利用できます。
地域通貨の一つの目的及び効果は、流通スピードの増加による地域経済の活性化になります。減価や失効のある地域通貨は、価値が減る、なくなる前に早く使おうというインセンティブが働く結果、地域内での通貨の流通スピードが速まり、地域経済の活性化につながるといった効果が期待できます。また、地域通貨は、地域貢献をしたい、あるいは人の役に立ちたいといった経済外的な感情に訴求することも特徴であり、区内においてボランティア活動やエコ活動をするとポイントがもらえるなど、その活動が見える化されるとともに、参加者を増やし、新たな地域内コミュニティの活性化につながるとも期待されています。
もっとも、多くの地域通貨が撤退に追い込まれた大きな理由は、運用コスト負担に耐え切れなくなったためでもあります。そのため、持続可能な運用の仕組みづくりも大切となります。渋谷区をはじめとした全国の自治体における地域通貨の取組は始まったばかりではありますが、本区においても、委員会答弁の中で、例えば中央エコアクトに貢献するとポイントがもらえる仕組みなどを考えているといった回答がありましたが、地域通貨による取組も前向きに検討してはどうかと考えます。本区の御見解をお示しください。
あわせて、地域通貨によるものでなかったとしても、オンライン上でも区民同士がつながり、地域内のコミュニティの醸成を区が主体的に助けていく施策も積極的に検討していくべきと考えますが、どのように考えているかお示しください。
続いて、晴海五丁目における地域コミュニティの活性化についてです。
HARUMI FLAGのまち開きが、いよいよ令和六年四月に迫ってまいりました。本区においても、ここまでの規模の再開発案件、まち開きの案件は例になく、約一万二千人と見積もられる新住民の方々と、既存の住民、町会・自治会がどのようにコミュニケーションを取っていくのかが大きな課題となります。ほっとプラザはるみをリニューアルし、晴海地域交流センターとして活用するとともに、晴海の町会・自治会を中心に設置されました晴海コミュニティ構想検討会議において、今後の晴海全体のコミュニティの在り方が検討されていると認識をしています。晴海の今後のコミュニティの在り方について、どのように新住民と既存住民を融合させていくのか、現在の検討状況及び課題についてお示しください。
また、既存の住民だけで将来ビジョンを検討するのにも限界があります。HARUMI FLAGへの入居後は、新住民の方々とはどのように話を進めていくつもりか、併せて教えてください。
続いて、スポーツ施設の整備についてお伺いをいたします。
昨年、東京オリンピック・パラリンピックが閉幕したばかりですが、区民のスポーツに対する機運も高まっております。一方で、区内には、浜町の総合スポーツセンターや月島スポーツプラザのほかは、大規模なスポーツ施設が少ないというのも大きな課題でもあります。学校の校庭やプールあるいは公園の一部など、限りある施設の有効活用を進めるとともに、残り少ない大型再開発を予定している土地において、大規模なスポーツ施設の設置こそが、地域コミュニティの活性化という点からも、区民の健康増進という観点からも大きな効果が期待できます。特に、晴海地域の残りの再開発あるいは築地市場跡地等の残る大規模再開発において、区民が利用できる大規模スポーツ施設の整備を進めていただきたいと思いますが、区の見解をお示しください。
また、大規模でなかったとしても、小さなバスケットゴールや、自転車やスケートボードの練習場など、限りある土地を活用して、体を動かせる場所を整備してほしいとの声も多いです。区の見解をお示しください。
次に、地域コミュニティの側面からも、自分が住む地元の開発計画や、そのほか区の施策を直接聞ける機会というのは重要であります。そのような意味で、区のまちづくり協議会やデザイン協議会の傍聴者数を増やすとともに、オンラインによる中継の実施あるいは議事録や資料も含めて区の公式LINEやツイッターで情報を発信し、住民意見を寄せてもらうことも必要であると思います。これらの会議体が、現状、比較的閉鎖的であるという印象があり、情報公開性に課題があると認識をしていますが、これらの公式の会議体における公開性のさらなる向上については、どのように考えているかお伺いをいたします。
また、地域コミュニティの活性化という点においては、地域課題を住民がまず認識すること自体が第一歩であると思っています。公開性の向上という点は、議会における公開性にも当てはまるところ、本会議や委員会におけるオンライン中継の実施も継続的に検討すべきであり、課題であると認識をしています。そして、特に子供の世代あるいは子育て世代の住民が地域の課題に目を向ける機会の創出が重要です。
例えば、子ども議会という取組を全国の自治体で行っています。都内においても、葛飾区や練馬区、八王子市などが実施をしております。区内の学校から子供の参加者を募り、本会議における一般質問や委員会における質問に当たる質問を子供たち自身が体験できるのと同時に、子供の視点から地域課題の解決策を提案してもらう機会ともなります。実際に、子ども議会の提案を基に、施策として予算をつけ、実現している自治体もあると聞きます。子供たちにとっては、課題解決型学習の教育機会となるのと同時に、区としても、子供たちから貴重な意見を聞ける機会ともなります。何より、住民の意識向上にもつながる施策であると考えております。
本区においても、区内の学校と連携し、子ども議会の開催に向けて前向きに検討していただきたいと考えますが、本区の御見解をお示しください。
最後に、本区の環境・交通施策についてお伺いいたします。
本区においても、水とみどりのプロジェクトは、中央区基本計画二○二三中間まとめのリーディングプロジェクトとして位置づけられております。中央区は水面率が一六・五%で、二十三区中一位であり、本区における今後のまちづくりのテーマは、水辺の利活用であると改めて示したものと認識をしております。
先日、東京都は、舟運による通勤・通学の社会実験を実施したところであります。区民の皆様からも、船に揺られながら仕事をしたり、ゆっくり通勤をするという新たな選択肢が好意的に受け止められていました。
まず、中央区基本計画二○二三で示す新たな舟運の整備とは、どのような交通網の整備・活用を想定しているのかを教えてください。
また、水辺の利活用については、墨田区の東京ミズマチのように、飲食店や店舗が立ち並ぶ姿も望まれますとともに、例えば夏場にはSUPなど水上アクティビティの充実や、子供たちが気軽に遊べるような環境の整備も検討していただきたいと考えております。現在は、水辺の利活用については、調査・検討の段階であると認識をしていますが、現状の検討状況を教えてください。
次に、十月七日にオープンした晴海ふ頭公園、晴海緑道公園についてです。
オープン以来、特に子供連れに大盛況であり、私も毎日通っています。雄大な芝生から望む東京湾の姿が絶景であり、その開放感もすばらしいと思います。公園遊具のスペースにおいても人気が高く、連日、子供たちによりにぎわいを見せています。また、期待されていたカフェも人気であり、バーベキュースペースの拡大も予定されていると言われていますので、非常に期待しているところです。
まず、お伺いしたいのが、区としては、当公園の整備については計画段階からどのように東京都と話し合い、区の意見やコンセプトがどの程度反映されたのか教えてください。
一方で、公園内の混雑具合に不安もあります。まだHARUMI FLAG入居前の段階で、臨時駐輪場や駐車場、遊具につきましても順番待ちの状況であり、広大なスペースがあるものの、入居後は住民でさらに混雑すると思われます。公園のキャパシティという点におきましては、晴海緑道公園あるいは晴海客船ターミナル解体後の跡地活用も関わってくると思いますが、区としては、将来的な混雑に対する状況については、どのように考えているのか。
公園内のキャパシティと同時に、公園の駐輪場、駐車場のキャパシティの確保策について東京都と積極的に話し合ってもらえないかという点、また、晴海臨海公園も含めた晴海海上公園全体の将来像・位置づけについては、どのように考えているかという点も併せた上で、お示しください。
続いて、晴海緑道公園を歩いていて気になりますのが、晴海四丁目の再開発の動向です。
晴海緑道公園は、南国を思わせるようなヤシの木が立ち並ぶ、本当にすてきな公園となりました。一方で、この隣接地であり、旧倉庫が建ち並ぶ晴海四丁目に、例えば大規模な商業施設やスポーツ施設あるいはおしゃれなカフェなど、飲食店が建ち並ぶと、さらに魅力が増すのではと考えているところです。晴海四丁目の再開発こそが晴海全体の印象を決定づけるとも思われますが、現状で、区は、晴海四丁目については、どのような施設整備を構想としており、東京都と話合いをしているのか、現在の状況について教えてください。
また、この晴海四丁目・五丁目の回遊性という観点からは、自転車交通網の整備も重要となってくると思います。東京都湾岸一帯の整備という面からも、豊洲ぐるり公園からの回遊性を重視すれば、将来的には、自転車通行帯の整備を前提に開放することにより、さらなる利便性の向上、まちの活性化につながるとも思われます。現状では、中央区の公園ルールにのっとり、自転車の乗入れは不可としている点は理解をしていますが、晴海・月島地域の護岸整備全体が完了した暁には、晴海海上公園全体の自転車通行の是非を再度検討するべきかと思いますが、本区の御見解をお示しください。
また、あわせて、中央区の公園ルールによれば、子供が自転車を練習する場所がないと多くの保護者の方から意見をいただきます。自転車練習場所の確保として、一部公園において乗車可能エリアを設けるとか、あるいは特定の日にちにおいて車道の通行止めを行い、練習できるようにする、または学校の校庭を活用し、自転車を練習できる講習会を開くなど、それぞれ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか、区の御見解をお示しください。
最後に、受動喫煙対策についてお伺いをいたします。
特に、最近、路上における違反喫煙の通報をよくいただきます。もっとも、区が作成している指定喫煙所マップによりますと、そもそも月島地域全体を見ても、指定喫煙所が晴海に一か所、月島に二か所の合計三か所しかありません。まずは指定喫煙所の整備を進めるべきではありますが、土地がないという点も理解をしています。今後は、区の補助金を活用した上で、民間企業と共同で、さらに喫煙所の整備を進めるために、周知啓蒙活動及び地元企業に対して積極的に提案していくべきであると考えますが、本区の見解はいかがでしょうか。
あわせて、近年では、移動式喫煙所、分煙バスという民間サービスも登場いたしました。土地がないのであれば、違反喫煙が多い箇所を中心に、このような民間サービスを活用していくべきとも考えますが、いかがでしょうか。
また、巡回パトロールや立て看板の設置による周知啓蒙活動には限界があります。路上や公園での喫煙については、子供たちが直接的にやけどをする危険があるばかりか、健康被害も深刻です。二十三区の中でも、北区や千代田区では違反者に過料を科すこととし、処分件数も年々減少しております。このような他区の例に倣い、中央区においても、路上規制については違反者への過料徴収等も検討し、条例を改正するべきであると考えますが、本区の考えをお示しください。
以上で一回目の質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
高橋元気議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、民間学童クラブ誘致についてであります。
今回の民間学童クラブの誘致は、本区初の試みであり、運営状況やニーズについて慎重に見極め、計画を推進していく必要があることから、第二期中央区子ども・子育て支援事業計画の中間の見直しでは、残り二か年の計画期間に毎年一クラスずつ開設すると計画いたしました。また、開設地につきましては、今後さらに人口増加が見込まれる晴海地区を含む月島地域としているところですが、学童クラブの待機児童は全区的な課題であると認識しており、中央区基本計画二○二三の中間のまとめにおいて、区立小学校への学童クラブの設置とプレディとの一体的な運営についてお示ししたところです。待機児童解消の目標時期につきましては、スケジュールも含めた具体的な整備計画を今後検討していくことから、現時点で御提示することは難しい状況です。民間学童クラブへのさらなる支援につきましては、今回の誘致における課題の検証を踏まえて、必要に応じて検討してまいります。
次に、児童相談所の設置についてであります。
児童相談所につきましては、平成二十八年の児童福祉法の改正に伴い、特別区でも設置が可能となり、本区においても、特別区長会の取決めに基づき、設置に向けて検討を行っております。設置場所につきましては、子供の安全やプライバシーを守る観点から、児童相談所の機能に適した立地条件を慎重に検討する必要があり、現時点では適地がない状況にあります。また、職員の育成につきましては、児童福祉司等の確保に向けて、平成二十九年度から子ども家庭支援センターの職員を順次増員し、東京都児童相談所へ派遣するとともに、都や特別区研修所が実施する研修を受講するなど、専門性の向上に向けた取組を行っております。
次に、養育家庭制度、いわゆる里親制度の普及・啓発についてであります。
養育家庭制度の普及・啓発につきましては、実施機関である東京都児童相談所と共催し、パネル展示や体験発表会、専門相談員による相談会を実施しております。本年度も十二月に月島区民センターで開催予定であり、その周知に当たり、区のおしらせやホームページへの掲載と併せ、SNSも活用してまいります。養育家庭の情報については、養育されているお子さんの個人情報の保護の観点から非公開となっており、養育家庭の方々によるSNS等を活用した普及啓発活動は難しいものと認識しております。養育家庭同士の交流などの支援は児童相談所の役割であり、区といたしましては、様々な機会を捉えて養育家庭の方との意見交換に努めてまいります。
次に、地域コミュニティの活性化についてであります。
にぎわいと活気に満ちあふれた本区の地域コミュニティは、下町ならではの人情と連帯感に基づいて結成された町会・自治会を核として形成されてきたものであり、将来にわたって着実に継承・発展させていかなければならないものと考えております。しかしながら、価値観の多様化に伴い、地域活動への関わり方に変化が生じている中、NPOやボランティア団体、企業の社会貢献活動などが様々な分野で定着してきており、地域課題の解決につながっていることから、現在では地域コミュニティの一部を担っているものと認識しております。そのため、今後も町会・自治会を地域コミュニティの核としながらも、協働事業などを通じて、NPOや地元の企業等の育成に努めるとともに、それらの団体と町会・自治会との連携を支援することにより、さらなる地域コミュニティの活性化に取り組んでまいります。
次に、イベント参加率の向上についてであります。
地域コミュニティの活性化は、人と人の交流が不可欠であり、そうした機会を創出するイベントの開催とともに、多くの方に参加いただくことにより様々な交流が図られることが重要であります。区では、三年ぶりとなる大江戸まつり盆おどり大会を開催しましたが、改めて人と人とが直接触れ合うことの重要性を認識したところであります。また、この大会を開催したことにより、町会・自治会による地域イベントの再開が促進されるとともに、地域からは、コロナ前と比べ、参加者が増加したと伺っております。今後とも、区としては積極的にイベントを開催していくとともに、地域イベントが活発に開催されるよう支援してまいります。さらに、イベント参加率の向上には、イベント内容の充実はもとより、地域住民等への十分な周知が重要なことから、デザインの優れたチラシ作成や効果的な情報発信など、広報力の強化を図る講座を開催してまいります。
次に、地域通貨についてであります。
他自治体において、地域経済やコミュニティの活性化を目的として、地域通貨を活用した取組が行われていることは承知しております。本区においては、現在、神奈川県や鎌倉市で実施されている、地域通貨を活用して住民や事業者の地域活動への参加を促す取組について調査を行っているところです。引き続き、他自治体の取組状況を注視し、地域通貨の導入がもたらす効果や運用面、コスト面での課題、メリット・デメリット等について研究してまいりたいと存じます。
次に、オンラインによるコミュニティ醸成についてであります。
SNSなどのオンライン技術の活用は、地域活動の見える化により参加促進が図られるとともに、参加者同士がつながることが期待できるものと認識しております。そのため、令和五年二月の区ホームページリニューアルに合わせて、区SNSアカウントを開設し、町会・自治会のSNSとの連携を図ることにより、区と地域のイベント情報等を共有・発信していく予定であります。
次に、晴海地区のコミュニティについてであります。
HARUMI FLAGのまち開きに向け、これまでに晴海コミュニティ構想検討会議を計六回開催してきたところであります。会議においては、新たな住民の世帯構成や年代など不確定な要素があるものの、晴海の将来の姿を共有し、その実現に向けて晴海地区が一体となる活動や晴海地域交流センター運営協議会の設置について協議をしてまいりました。まち開き後は、自治会等の新たな地域コミュニティの形成が想定されることから、そうした団体から運営協議会へ参画いただき、現在の住民と新しい住民が共に地域課題の解決について取り組んでいただく予定であります。
次に、スポーツ施設の整備についてであります。
区民がスポーツに親しめる環境を整備することは重要であると認識しておりますが、都心機能が集積する本区において、大規模な施設を整備することは難しい状況にあります。晴海地区には二丁目と四丁目に都有地がありますが、現段階では、具体的な開発計画は聞き及んでおりません。一方、築地市場跡地については、文化・芸術・スポーツなど、一万人程度の収容を最低規模とする空間を整備することが都の方針で示されております。また、限られたスペースの活用としては、浜町公園など区内七か所にバスケットゴールを設置しているほか、令和五年十月に開設予定の晴海地域交流センターには3x3のコートを整備いたします。今後とも、開発等の機会を捉えた東京都への働きかけや、区有地などの有効活用に努めていくとともに、総合スポーツセンターで予定している利用区分の変更など、ソフト面の工夫により、区民がスポーツをすることができる場を確保し、スポーツを通して人と人との交流が促進していくよう取り組んでまいります。
次に、まちづくり協議会等の公開性の向上についてであります。
まちづくり協議会は、地域における開発の方向性などについて協議を行うことで、地域の発展に寄与する良好なまちづくりの実現を目指すことが目的であることから、地域住民や商工業関係を代表する方に構成員をお願いしており、会議の開催に際しては、その方々が闊達に意見交換ができる環境をつくることが必要であると考えております。一方で、まちづくりについて多くの区民の皆様に関心を持っていただき、自身が居住する地域コミュニティへの参画を促すことも重要であることから、協議会構成員の皆様からの声かけを通じて、オブザーバーの参加をしていただいております。また、会議資料や議事要旨を区のホームページに掲載することにより、協議会内容を公開しております。今後も、可能な範囲を見極めながら、公開性の向上に努めてまいります。なお、デザイン協議会は、設置している地域が主体となって開催しているものであり、協議される案件も検討途中の建築計画であるため、原則として非公開で行われていますが、地域に影響を与える主要な案件につきましては、その後のまちづくり協議会に付議され、公開されることになります。
次に、新たな舟運の整備と水辺の利活用についてであります。
本区は、都内随一の水辺空間が広がり、これまでも観光資源や憩いの空間として活用されてきました。水辺空間をさらに活性化させるためには、基本計画二○二三の中間のまとめにもお示ししたとおり、水辺における新たな交通の整備が重要であると認識しております。区といたしましては、舟運を日常的な区民の移動手段としても活用することで、その魅力を高めていきたいと考えております。新たな舟運の整備については、今後、都などの関係機関と連携し、区内の回遊性や交通利便性の向上に向けた検討を進めてまいります。また、水辺環境のさらなる活用については、水辺を取り巻く特性と課題を整理し、にぎわいのある空間の創出など、地域ごとの特性に応じた活用方策の検討を進めているところであります。
次に、晴海の海上公園についてであります。
区では、海上公園の整備に当たり、様々な機会を捉え、都に対し、水辺の回遊性を中心として意見や要望を伝えており、区の意見等は十分に考慮がなされたものと認識しております。整備された公園は、現在、憩いの場として多くの方々に利用されておりますが、HARUMI FLAGのまち開きなどにより、さらなる利用者の増加を見込んでおります。これに伴う駐輪・駐車対策につきましては、適切な対応を都に求めてまいります。区といたしましては、今後も都と連携し、地域住民や来訪者が集い、憩うコミュニティ空間としての公園整備に努めてまいります。
次に、晴海四丁目の再開発についてであります。
このエリアは、かねてより、東京都を除いた地権者によって再開発の検討が進められているところであります。晴海四丁目の再開発は、地元と共に策定した晴海地区将来ビジョンに基づき、旧三ツ目通りを中心軸として、晴海ににぎわいをもたらす拠点づくりが必要と考えております。今後、早期の事業化を目指している都心臨海地下鉄新線の駅整備を見据えながら、再開発の検討組織や大規模地権者である東京都に対し、業務・商業・文化施設などの多様な都市機能が集積した複合市街地開発となるよう求めてまいります。
次に、晴海の海上公園内の自転車通行についてであります。
区立公園では、利用者の安全を確保するため、公園内での自転車通行を条例により禁止しています。また、自転車が安全にテラス内にアクセスすることが難しい状況であることから、晴海緑道公園及び晴海ふ頭公園においても、都が同様に通行を禁止しております。晴海の公園内の自転車通行につきましては、今後の護岸整備に伴うテラスの連続性の確保など、諸条件が整った段階で、必要に応じて検討してまいります。
次に、子供の自転車練習場所の確保についてであります。
子供が自転車の乗り方や交通ルールを学ぶことは、道路を安全に通行するために重要なことであります。しかしながら、自転車の練習場所として車道や公園を活用することは、安全上の問題やスペースが確保できないなど、難しい状況です。区といたしましては、区内警察署が主催する校庭を活用した自転車安全教室の事例を参考にしながら、さきの答弁のとおり、関係機関と連携を図り、校庭の活用について検討してまいります。
次に、受動喫煙防止対策についてであります。
区では、民間事業者に対して、補助金の活用や開発の機会を捉えた指定喫煙場所の整備について働きかけを行っております。あわせて、路上喫煙が生じている場所の周辺事業者に対して、従業員の路上喫煙防止に向けた注意喚起を依頼しております。区としましては、引き続き、こうした取組を行うことで指定喫煙場所を確保し、路上喫煙の防止を図ってまいります。また、移動式喫煙所である分煙バスの活用につきましては、都心区である本区においては、長時間駐車できる場所の確保が困難であると考えております。
次に、路上喫煙者に対する過料の徴収についてであります。
区では、屋外における受動喫煙の防止には、中央区たばこルールの遵守徹底と指定喫煙場所の整備を進め、非喫煙者と喫煙者が共存できる環境の確保が重要であるとの認識から、現時点で罰則を設けることは考えておりません。
私からの答弁は以上であります。
〔教育長 平林治樹君登壇〕
○教育長(平林治樹君)
教育問題についてお答えします。
初めに、晴海地区における新校についてであります。
晴海西小・中学校(仮称)については、令和六年四月の開校に向け、学校内で使用する物品の準備を着実に進めるとともに、標準服の選定などにつきましても、現在、教育委員会で検討しており、今後、進捗に合わせ、適宜御報告をしてまいります。また、晴海東小学校(仮称)については、現在、販売中のHARUMI FLAGの入居状況等を注視しながら、様々な検討を行い、今後、計画案がまとまり次第、御報告をしてまいります。
次に、子ども議会の開催についてであります。
子ども議会の目的は、日本の未来を担う子供たちが地域の課題に着目し、議論しながら解決しようとする資質を育むことであり、大変意義深いものと認識をしております。こうしたことから、現在、各学校では、社会科や総合的な学習の時間の授業を通して、地域の方々をゲストティーチャーに招き、地域のよさや課題に対する理解を促すほか、その解決に向けて共に考える機会を設けております。本区では、子供たち全員が地域課題について考えることを重視しており、今後も授業において地域の方々と交流する教育活動を充実させ、地域や行政に対する関心と社会参画への意識を高めてまいります。
答弁は以上であります。
〔一番 高橋元気議員登壇〕
○一番(高橋元気議員)
それぞれに御答弁ありがとうございます。
いただいた御回答の中から、何点か再質問させていただければと思います。
まず、最初の子育て・教育問題につきましては、民間学童誘致の件についてお伺いをさせていただきました。
区民のニーズという意味からも、今、区が抱えている喫緊の課題というところからも、やはり待機児童の解消に向けて、具体的に強力に進めていただきたいと考えております。その上で、今回、民間学童については、運営状況やニーズ等を見極めた上で慎重に進めていくというふうにお話しされていました。
ただ、慎重に進めて二か年で二クラブというのは、今の区民の方々の困っている声を聞いている限りでは、慎重に進めている時間というのも、そこまで悠長にしていられないのではないかと私は感じております。今後、区立小学校の学童設置によって段階的に改善をしていくと。そのスケジュールについても改めてお示しをしていただけるというようなことでありましたが、ただ、一方で、今、実際に民間の方々で中央区で民間学童を開きたい、開設をしたいというようなお声もいただいております。実際に事業者の方が開きたいと言っている段階で、区が一クラブまでしか認めないとなると、民間学童を設置する機会というのが失われてしまうと思います。
そういった観点から、民間学童の誘致につきましては、一クラブと限定をせず、申込みがあったら、あるいは申込み段階では、今回、一クラブしか応募がなかった、申請がなかったと聞いておりますので、複数申請があった場合は、リミットを設けずに二クラブ、三クラブと私は検討していくべきだと考えますが、その点について改めて見解のほどを教えてください。
続いて、晴海西小学校、晴海東小学校の検討状況については、理解をさせていただきました。
ただ、晴海西小・中学校につきましては、令和六年四月の開設というような、もう喫緊の問題となります。できる限り早めに保護者の方に、あるいは対象の方に知らせていただけるよう、早めの周知ということを要望させていただきます。
続いて、児童相談所設置の方向性、場所の目途という部分につきましては、設置に向けて検討されているということで理解をさせていただきました。ただ、やはり立地要件として適地がないというところも理解をするところであります。一方で、児童相談所設置に向けて検討自体はしているのであれば、私は、それと並行して、里親制度の普及・啓発にも力を入れるべきであると思っています。もちろん、今、東京都の児童相談所の管轄ではありますが、区の仕事ではないと言って、そこを考えないのではなく、今後、児童相談所の設置を考えているのであれば、積極的に里親制度の普及についても取り組むべきであると考えております。
今回、養育家庭の情報につきましても、非公開のため、共有というのが難しいというようなお話もありましたが、実際に東京都が主催で里親同士の交流というのをやっているとも聞いています。そのような意見交換というところにつきましても、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思っています。特に、練馬区においては、例えば教職員の方々向けに里親講座を開いたとありました。これも面白いアプローチであって、興味を持った方も複数いらしたと聞いております。
例えば、幼稚園、保育園、学校関係の先生方に里親への理解を深める講座の実施や、職員を対象としたアンケートの実施、あるいは職員の方々だけではなく、その他子供の支援に関わる講演や研修の場にチラシを置くといった積極的な施策についてもやっていただきたいと思っていますが、その点について改めて再質問をさせていただきます。東京都の仕事だからと放棄するのではなく、それであれば、東京都としっかりと調整をした上で、本区が主導となって、児童相談所の設置を考えているのであれば、しっかりと事業としてやっていただきたいと考えていますが、いかがでしょうか、お願いをいたします。
続いて、地域コミュニティの活性化についてもお伺いをさせていただきます。
今までどおり町会・自治会の継承と発展を目指していくというふうに理解をさせていただきました。ただ、一方で、価値観の多様性から、NPOやボランティアの方々あるいは企業の方々を地域コミュニティの一部として受け入れていくというような考えも理解するところであります。最も大事なのは、一般の区民の方々がコミュニティの中に入っていけるかどうかというところが最も重要な課題であると思っています。やはり町会・自治会を核として考えていくといったことでありますが、例えばオンライン上で区民の方々がコミュニケーションを取れる、新しいコミュニティを区民の方々がそれぞれ自分たちでつくっていくというような働きかけも私は必要であると思っています。このように、NPOだったり、ボランティアの立ち位置というのは分かりましたが、町会・自治会に入りたくないという方々の価値観も大事であると思っています。
町会・自治会に入らない方々がしっかりと区民同士でコミュニティを形成できるような、そういった仕組みについて私は進めていくべきだと考えますが、その点について御見解をお示しください。
地域仮想通貨の導入につきましては、調査・検討していくとのことで、ここも注視をしていただければと思います。
晴海五丁目のコミュニティの検討状況につきましても、理解をさせていただきました。HARUMI FLAGのそれぞれの自治会において、今後、入居後に参画をしていただくとのことでしたので、しっかりと融合できるように、区としても旗振りをお願いできればと思います。
大規模スポーツ施設の整備につきましても、やはり土地がないというところから、大規模な部分は難しいということも大変理解をするところであります。ただ、今後も都への働きかけを含めて、区民の方々が望むもの、地域コミュニティの発展というところからも、やはり浜町総合スポーツセンターが一番大きなスポーツ施設になると思いますが、ぜひ南の晴海地域あるいは築地の辺りにも大規模なスポーツ施設があれば、区民の方々の満足度がさらに向上すると思いますので、ぜひ検討をお願いできればと思います。
まちづくり協議会等の情報公開性の向上につきましても、理解をさせていただきました。
区民の方々がオブザーバーとして、構成員の方々からの働きかけとして参画をするというような仕組みになっているとは思いますが、今回の質問の中に入れたと思いますが、例えばまちづくり協議会そのものをオンラインで中継する、あるいは提出をしている資料についてLINEやツイッター等で、まちづくり協議会を開催しました、資料はこちらになります、議事録はこちらになりますといった広報についても、私は積極的にしていくべきだと思います。その点についての御回答がなかったので、改めて具体的なところについて御見解をお示しください。
子ども議会につきましても理解をさせていただくところではありますが、子供たちがゲストティーチャーを交えて社会科の中で学習をしていくというところも、もちろん必要ではありますが、実際に子供たちがやってみること、当事者になってみるということが非常に大事です。これは、先ほどのまちづくり協議会にも言えますが、当事者意識を持って区民の方々を巻き込んでいくという点からも、子ども議会については、改めて前向きに検討していただければと思います。
水辺の利活用につきましては、これから舟運の整備につきましても、都の関係機関と検討していくということで理解をいたしました。にぎわいのある空間の創出という部分で、検討を引き続き進めていただければと思います。
晴海ふ頭公園のコンセプトにつきましては、水辺の回遊性と区の方針については、比較的考慮されたとおっしゃっていましたが、どこら辺が具体的に反映されたのかというところまで言及されていませんでしたので、実際どこが区のコンセプトであったのかという点について改めて御答弁をお願いいたします。
晴海四丁目の再開発につきましても、晴海のにぎわいをもたらす施設について、晴海将来ビジョンに基づいて、今回、地下鉄新線の駅の誘致等も含めた上で、商業や文化的な中央区の魅力を向上させる複合的な市街地開発、施設整備ということで検討をしているということで、理解をさせていただきました。こちらも、引き続き検討していただくとともに、先ほど申し上げましたスポーツ施設の整備等も含めて検討を前向きにお願いできればと思います。
続いて、自転車通行ルールの改正、練習場の確保につきまして、東京都自体は通行を禁止していません。豊洲も含めて、東京都の方針としては、自転車の通行はオーケーと言っています。テラスの連続性が確保されたら、必要に応じて検討という答弁もありましたが、区が独自で、区の公園ルールで一旦は禁止をした上で、今後、解除を検討するといった御答弁であったかと思います。一方で、やはり自転車の通行あるいは子供たちの遊び場の確保という点では、この公園ルールが、残念ながら、障害になっている部分もあると思います。例えば、中野区では、住民の要望に応えまして、公園ルールの一部緩和が実施されるとのことで伺っています。全公園でゴムボールの遊びとか、自転車に乗るための練習が解禁されるとのことです。あるいは、特定の公園ではキャッチボールや一人でのリフティング、ドリブル等の練習が緩和されるとのことです。
中央区においても、このように公園ルールの柔軟な緩和をすべきであると思いますが、先ほどの御答弁の中では、公園ルールにつきましては、今のところ改正する必要がない、あるいは改正をしようとは思っていないというような御答弁であると認識をしています。公園ルールを改正した上で、海上公園の整備を待たずに、直近で対応していただきたいと考えますが、その点について御見解をお示しください。
最後に、喫煙所の整備につきましてもお伺いをさせていただきます。
まずは指定喫煙所の整備が前提であると私は思っています。罰則の導入等にも言及をしましたが、まず順番としては、指定喫煙所を整備した上で進めていくべきだと思っています。私は、改善しているところがあまり見えてこないので、今後は、巡回指導につきましてもKPI等を設けて、順次報告をしていただければと思います。
一方で、指定喫煙所の整備、民間の喫煙所の整備を進めていく必要があります。区有地や都有地において、大きなコンテナ型の喫煙所を整備するのが難しいと考えています。ですので、民間企業への営業という側面で、もっとしっかりとやってほしいという意味で質問したつもりですので、民間企業への働きかけという側面から、改めて御回答をお願いできればと思います。
それぞれ二回目の質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
〔福祉保健部長 田中智彦君登壇〕
○福祉保健部長(田中智彦君)
私からは、二点御答弁させていただきたいと思います。
まず、民間学童クラブの誘致についてでございます。
民間学童クラブにつきましては、これまで中央区の中では、やはり土地代の高さですとか、そういったことから、事業者の方のお申出がなかったということでございます。ただ、近年、国や東京都の補助の仕組みが充実する中で、事業者の方々が中央区でも事業展開できるのではないかということで、区としても幾つかの事業者からお声をいただいているといったような状況でございます。
ただ、現実問題として、国や都の補助制度だけでは運営は多分立ち行かないということから、区としても家賃補助というような形で上乗せをするといったところで、今年度、新規で募集をさせていただいたところでございます。ただ、募集させていただいたところ、説明会には八者お見えになりましたが、現実には一者しか御提案がなかったといったような状況になっているといったところでございます。
また、運営の仕組みにつきましても、民間の事業でございますので、様々な方法がございます。これが区が考えている学童クラブと合致するものなのかどうなのか、この辺についても十分に慎重に検討していく必要があるというふうに考えてございますので、その中で、今回のように計画の中間の見直しの中では、各年度一か所ずつという形でやらせていただいてございます。
御提案のありました、リミットを設けずにというところでございます。
基本的に、民間の学童クラブにつきましては、国や都の制度のみを活用して御提案いただくといいますか、事業を実施される分については、特段の制限はございません。中央区の中でやっていただいても何の問題もないと思ってございます。ただ、区の新たな補助制度を加えてやるとなると、これは政策的な判断ということで、財政的な措置といいますか、規模的なものもございますので、各年度、当面の間、残り二年間につきましては一か所ずつというふうに考えているところでございます。
それから、児童相談所と里親制度の関係でございます。
里親制度につきましては、そういった意味では、これまでも東京都が児童相談所の中で行ってきたところでございまして、繰り返しになりますが、制度のPR等につきましては、東京都の役割だというふうに認識をしております。
具体的に申しますと、今、区内四家庭いらっしゃいますが、実際に活動していらっしゃるのは一家庭のみ、これも区外からのお子様という形になってございます。また、ここ十年間を見まして、中央区のお子様で養育家庭に入ったといいますか、養育家庭にいらっしゃるお子さんは一名のみという形になってございます。我々といたしますと、そういった状況も踏まえまして、東京都とよく協力をしながら、普及啓発活動を行っていくべきというふうに考えてございます。
児童相談所を区が設置する方向との関係性につきましても、当然、その中で、我々は東京都の児童相談所からいろいろと、どういったことをやればいいかということを教わりながらやっている状況でございますので、その中で、里親に対する制度の普及啓発につきましても、併せて検討していきたいというふうに考えているところでございます。
私からは以上でございます。
〔副区長 吉田不曇君登壇〕
○副区長(吉田不曇君)
まちづくり協議会の資料をオンラインでという話です。
これは全体のICTの状況がどこまで進んでいくかですけれども、そういう進歩に合わせて、それはもちろん、例えば資料などにいろいろな形でアクセスできるのはいいことですから、ぜひ、むしろ、これからのテクノロジーの発展に合わせて、そういうものは検討していきたいと思います。
ただ、個人的に言うと、コミュニティの関係でオンラインというような話をされていたけれども、SNSみたいな部分を使って本当にコミュニティができるのかというと、やはりそこで傷つく人もいたり何かして、えらく難しいところがやはりあると思うよ。考えなければいかんところがあると思う。
この間、本会議で御質問があって、都会では、田舎にいるときに比べて、どっちかというと無名性があるから、都会がいいんだといって来ている人たちもいるので、あまり押しつけがましいコミュニティというのは好まないよという話があるんだけれども、それでも、そういう人たちが、特に高齢者などの場合に、ある瞬間孤独を感じたり何かすることがあるよね。それから、子供たちがある瞬間孤独を感じたりする部分について、行政としてどう対応していかなければいけないか。それは本当にオンラインというようなもので解決するのかどうか。特に、子供たちなどを考えた場合には、オンライン同士でいろいろやり取りしているうちに傷つくというようなことも考えられないわけではないので、そのやりようというものについては、行政として、ちょっと考えなければいけない部分がこれからはあるだろうと。
どちらかというと、孤独で、ちょっと誰かに会いたいけれども、人と会わなくても、ただ、人の雰囲気を感じるだけでも幸せになったり何かするかもしれない。だから、そういう場の設定はどんな形でできるのか。僕は、やはり都心中央区だからこそ、いろいろな意味での出会いの場を準備しながら、孤独という問題については、それなりに考えなければいけないというふうに思っていて、それは単純にオンラインではないのではないかなと。ここのところは一緒に勉強していかなければならない課題だと思っています。
それから、晴海の公園整備についてだけれども、これは区長答弁でお答えしたように、一応我々の要望としては、やはり基本的には晴海の島の全体が水辺に面しているから、そこの回遊性を阻害しないようにしてくれよという要望が、やはり第一の要望です。今回できた公園については、できれば、みんなが駆け回れるように、あまり物を造らない。物を造るのであれば端々にというような形のことを具体的には要望してきたと思う。それは、それなりに反映されているかなというふうに感じております。
それから、公園のルールだけれども、これも実は、元気君みたいに緩和しろと言う人もいるし、危なくてしようがないから、びしっとやれと言う人もいるんです。特に、自転車については、実際にやはり省エネの基本的な運送機関として大事だと思いながらも、実は勝鬨橋をすごいスピードで通っていくぞとか何かということを含めて、ルールの問題も含めて、どういうふうに地域が受け入れてくるかというのは、今のところ、ここのところは議論が分かれている。この部分については、きちんと考えなければいかんし、それから、もう一つ、我々が水辺の公園みたいなことを言っているときは、基本的には、これから我々はもっとその部分について整理しなければいけないけれども、実際、陸地が合うから、その水辺の歩道部分にどうアプローチするか、それから、さらに水に親しむ空間にどうアプローチするか、そういう設計を詳細にしていかないと、実際にそこでどれだけの安全性が確保できるかということ、いや、接近することは望ましいことなんだけれども、安全性の確保ということも、逆に重要になってくるからね。
だから、ルールの緩和という以前に、全体的な条件を、そういうふうに水辺などで確保したときには、どうするんだということ、これは早急に我々のほうでも検討しなければならない課題だと思っている。だから、水と緑の基本計画をつくっていくときに、その部分を大きな命題としながら、我々として検討をしていきますので、そういう中で、また一緒に考えさせていただきたい。
〔保健所長 渡瀬博俊君登壇〕
○保健所長(渡瀬博俊君)
私からは、指定喫煙所の整備についての御質問にお答えさせていただきます。
受動喫煙対策といたしまして、まず、喫煙できる場所の確保が一つ必要になってくるということでございまして、これまで区ではトータルで四十三か所の指定喫煙場所の整備を進めているところでございます。とはいうものの、場所については、やはり偏りも見られるというところで、これはなかなか定点的に設置するというのが難しいといった状況の下で、そのような偏りが生じてしまっていると。そういった中では、例えば勝どき地区とか、月島地区だとか、晴海地区とかにつきましては、やはりどうしても数が少なくなってしまっているというのが現状かと思います。
民間企業への働きかけというのは、これまでも行っているところでございますけれども、よく区民の方から保健所のほうに連絡がある公園内での喫煙、あるいは路上で数人が固まって喫煙をしている、そういった御連絡等は保健所のほうにも度々寄せられているところでございますが、そういった場合につきましては、基本的には、巡回指導を強化する、あるいは路上喫煙をしているところにつきましては、周辺の企業から、休みの時間に、勤務されている方が路上に出て吸ってしまっているというようなことも多々見られますので、そういった場合につきましては、そういった企業、会社のほうに直接出向いていって注意をする。そういった活動をこれまでもしているところでございます。
今後とも、指定喫煙場所の整備につきましては、民間企業への働きかけのほうは継続して進めていきたいと思います。粘り強くそういった交渉を進めていって、必要なところに喫煙場所が設置できるような体制というのを今後とも継続していきたいというふうに考えているところでございます。
私からは以上でございます。
〔一番 高橋元気議員登壇〕
○一番(高橋元気議員)
それぞれ御答弁ありがとうございました。
民間学童誘致につきましては、やはり予算の関係もあると思います。国や東京都の補助金に限るのであれば、やってもらってオーケーというのは理解しておりますが、実質的に区の補助金に頼らなくては経営できないという状況であると思いますので、今後の予算化の中で、ぜひ複数の民間学童クラブ、一クラブだけでなく、二、三と枠を拡大していただきますよう要望いたします。
児童相談所の設置と里親同士の交流の機会という部分につきましては、今、稼働しているのが一家庭というところで、ただ、少ないから手をつけなくていいというわけではもちろんないと思います。里親同士の交流する機会を設けて、そして児童相談所を設置するのも基本的にやはり子供のためです。子供の居場所の確保、そして子供たちが本当に危険な思い、命の危険を感じたときに駆け込み寺として駆け込めるような場所を整備しなくてはいけないというところがありますので、子供のために、ぜひ整備をお願いできればと思います。
地域コミュニティの部分につきましても、吉田副区長からたくさん御答弁ありがとうございました。
こちらは、もちろん、今後のテクノロジーの発展、ICTの状況によって、まちづくり協議会の資料の公開性だったりとか、あるいは区民同士がコミュニティをオンライン上でつくるというようなところも、慎重に検討するべきだというようなお話がありました。
ただ、まちづくり協議会の資料公開につきましては、これは比較的、構成員の方々の了解があれば、すぐにもできると思いますし、広報活動の一つでもありますので、ぜひ早急に検討していただければと思います。
オンラインでのコミュニティにつきましては、私もSNSやオンラインを通じて比較的炎上したりとか、元気君も一応傷つきやすいので、オンラインで傷つくこともあります。ただ、SNSにつきましては、結局は、きっかけにすぎないと思っています。SNSで出会った本当に匿名性が高い人たちと交流をした上で、最終的には、連絡を取り合ってリアルで会おうよと、オフ会みたいな形で結局は出会うので、それがリアルにもつながると思いますので、区が率先してやるかどうかというところは議論があるとしても、今後のSNSの活用、オンラインの活用については検討していただければと思います。
晴海ふ頭公園のコンセプト、そして公園ルールの部分につきましても、了解をいたしました。
公園につきましては、晴海ふ頭公園、物を造らないというような趣旨の下、すばらしい公園になったと思います。
公園ルールにつきましては、緩和をしてほしいという人もいれば、危ないという人もいるというところ、もちろん理解をしています。それを調整していくところも、やはり必要なところであると思いますので、ぜひ両方の意見を一つ前に進めていくために、どうすればいいかというところも今後検討していただければと思います。
受動喫煙対策につきましても、今後、民間企業に対する働きかけはしていただきたいですし、そもそも受動喫煙対策というのは、区民の方々の健康増進だったりとか、まちの安全性の向上というところにあると思いますので、引き続き力を入れていただければと思います。
それぞれに御回答ありがとうございました。
区民の皆様と行政の橋渡しこそが議員の重要な職責であり、私からも再質問あるいは質問させていただいた事項は、私個人からの要望というわけでもなく、区民の皆様からの御意見、御要望を伝えているという点を十分に認識された上で、ぜひ今後の区の施策に生かしていただければと思います。
今後とも、区民の皆様及び行政の皆様と緊密な関係を築きながら、少しでも中央区の未来を描くお手伝いができればと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
以上で私からの質問を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
○二十三番(原田賢一議員)
議事進行について動議を提出いたします。
ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。
午後六時五十四分 休憩
午後七時十五分 開議
○議長(木村克一議員)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。八番小坂和輝議員。
○八番(小坂和輝議員)
子どもを守る会の小坂和輝です。中央区が直面する喫緊の課題十二項目につき、一般質問通告書に従い、質問させていただきます。明快なる御答弁をよろしくお願いいたします。再質問は留保します。
新型コロナ感染は第八波へと、現在、増加傾向にあり、この冬はインフルエンザとの同時流行も懸念されている。一方で、オミクロン株になり、重症度が格段に減少し、かつ有効性のある内服薬も登場しつつあり、二類相当から五類へと感染症法上の位置づけも変わることが議論されている。ウィズコロナの段階に入り、コロナ禍から脱しようとしている今こそ、今回のコロナ対応を総括すべき時期に来ていると考える。
新型コロナ感染症に対する本区の対応について、総括すべき事柄は何と考えているか。
特に、本来なら新興感染症に備え、新型インフルエンザ等対策行動計画を区は準備していたが、結局、同計画に基づいた指示は発出されていなかったと感じる。区は、同計画を、今後、検証するとのことであるが、今回の反省を生かし、次の新興感染症に備え、またHER‐SYSなどICT技術の有効活用などを盛り込み、同計画を早急に改定すべきと考えるが、改定に向けた考え方はいかがか。
また、感染症に対し、区の施策の実施に当たって、その方針について助言・指導する機関として、感染症専門家会議のような諮問機関の設置が不明確であった。結果、現場の判断に委ねられ、傍聴が許されてしかるべきまちづくり協議会を傍聴者を入れずに開催し、区民の知る権利を後退させたり、議会においても専門機関に相談することがかなわず、傍聴制限や議員の議場への出席の制限について悩んだ。今後は、感染症対応について区の方針を決定するために、感染症専門家会議を設置し、開かれた議論の下で、その方向性を決すべきと考えるが、いかがか。
コロナ禍、子供たちの心に与えた影響は深刻であった。不登校も大幅に伸びたことが報道されている。中央区でも、小学生の一・○%の八十一人、中学生の六・三%の百一人と、全国平均は小学生一・三%、中学生五・○%で、中央区では中学生が全国平均より一・三ポイント高い割合である。
不登校の対応の強化が求められている。不登校対応としては、国は教育機会確保法を平成二十九年に施行し、令和元年、不登校児童生徒への支援の在り方についてという通知を出し、取組の方向性を示した。本通知には、児童生徒理解・支援シートを活用した組織的・計画的支援をすることがうたわれている。まず、いじめ対応と同じく、不登校においても、本通知にあるように、担任だけに任せるのではなく、組織的な対応ができているか。その場合、通知の内容を現場に分かりやすい形で示した不登校対応マニュアルのような、中央区の統一的な指針の下、組織的に対応が進められるべきと考えるが、何らかの対応指針を教育委員会は整備しているか。
次に、特別支援教室に通われている子が不登校になった場合、適応教室「わくわく21」が使えるというが、その逆に、わくわく21に通っている子が、その原因に発達や学びの偏りがあるとした場合、特別支援教室を使えると考えてよいか。
同通知では、教育支援センターを中核とした福祉・保健・医療等と支援ネットワークの整備もうたわれている。医療現場においても、不登校を主訴に来院される。学校内の集団の中での様子も踏まえ、指導方針を見いだす必要があるが、親御さんに御承諾をいただいた上で、担任の先生やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、養護教諭ら学校側と情報共有を図ることは可能か。
これらスムーズな医療連携のためには、日頃からの顔の見える関係を築くことができればよいが、そのきっかけづくりとして、教育委員会と医師会など共同で、教師と医師の合同勉強会などを開催できないものか。
コロナ禍、区内の児童虐待の件数も、二○一九年の二百三件が二○二○年に三百十五件、二○二一年に二百八十八件、コロナ前から一・五倍の約百件増に急増した。虐待までいかなくても、特にひとり親家庭やワンオペ家庭においては、親御さんにかなりの精神的な負担がかかり、できれば一晩だけでも子供と離れ、リフレッシュしたいと医師に相談するケースが散見された。
区では、子供の養育が困難になった場合に、短期的に子供をお預かりする子どもショートステイという事業を有している。その利用の条件は、入院、身体的または精神的な理由で体調が不良などであるが、現場では診断書が必要な運用になっている。鬱病など精神疾患の診断に至らなくとも、子育ての限界に達することは間々あり、また、診断書が必要になる前に手を打てれば、病気の発症自体を防げたり、また、虐待などへ至ることの未然防止にもなると考える。
江東区や杉並区では、利用条件に、育児疲れ、育児不安等により児童の養育が困難となった場合が入り、診断書がなくても利用可能な運用がなされている。子どもショートステイの利用条件を緩和し、育児疲れを追加し、診断書を不要にする運用に変更することはできないか。区民にもう一歩寄り添った運用に期待をしたい。
本日から、基本計画二○二三へのパブリックコメントが開始された。計画策定に当たり、最も重要視すべきデータは人口推計である。精度の高い人口推計をし、それに従って施設整備を計画的に、予算の裏づけをもって盛り込まれる必要があると考える。しかしながら、基本計画二○一八では、久松小学校、日本橋中学校の教室不足と、それに対応した施設整備の計画が盛り込まれていなかった。なぜ精度の高い人口推計や需要予測ができなかったのか。その要因は何か。今後の防止策はあるか。
今回の基本計画二○二三では、そもそも、今まで基本計画には記載がなされてきた施設整備の計画の記載自体が欠落している。個別施設計画においても、予算の裏づけを持った施設整備計画の記載がない。基本計画二○二三内にきちんと予算の裏づけを持った施設整備計画を記載すべきと考えるが、いかがか。
基本計画二○二三での記載がないために問うが、この先十年間で改築や大規模改修すべき学校施設などは、本年九月に突然話題に上った日本橋中学校以外にないと考えてよいか。学区内に超高層マンションが二棟建てられる月島第一小学校は、大丈夫と言えるか。教室が大幅に不足した際の対応方法はあるか。
基本計画二○二三で、充実すべき防災面の課題として、二○二一年改正の災害対策基本法において努力義務化された個別避難計画の作成がある。現在、個別避難計画を立てる必要がある避難行動要支援者七千六百三十二名のうち、何名の方に同計画を立てることができたか。全員の同計画の立案をどのように、そして、いつまでに進める目標を区は立てているか。
人工呼吸器を使用した方、全十五名には個別避難計画を立てているとのことであるが、このような医療的ケアが必要な方々にとっての避難は、防災拠点への避難をしてから福祉避難所へ避難することよりも、福祉避難所が整い次第、防災拠点を経ることなく福祉避難所へ避難する流れを取るダイレクト避難がより実効性のある避難の流れであると考える。区は、ダイレクト避難についても実施できるようにすべきと考えるが、いかがか。
基本計画二○二三では、デジタルトランスフォーメーションに取り組むとのことである。
西宮市では、災害時避難行動要支援者の全員の避難に関連して、住民基本台帳と位置情報をひもづけ、即座に被災情報の把握ができているという。要支援者の個別避難計画の整備とともに、発災時に避難ができているかを、ICT技術を用いて全員の要支援者の避難状況の把握をすることについて検討することはできないか。
デジタル技術を用いて、開かれた区政の実現にも期待をする。
子ども・子育て会議の資料や都市計画審議会提出前段階のまちづくり協議会の資料はネット上で公開できている一方、教育委員会定例会の資料や都市計画審議会資料はネット上での公開がない。わざわざ情報公開コーナーに足を運ばなくとも、多くの区民が簡単に閲覧できるようにネット上で公開できないか。ネット上で公開できないのであれば、その理由は何か。
また、教育委員会定例会や都市計画審議会等をオンラインで傍聴することができないか。その課題は何か。
障害福祉分野においても、社会にあるバリアの解決にICT技術を積極的に活用して、インクルージョン社会が進展することに期待をしている。
例えば、障害のある方が駅や商業施設でお困りな際に、そのお困りな状況をアプリを用いて発信すると、その場において適切に支援ができる方とマッチングがなされ、お困り事が解消する袖縁というアプリが実用化されようとしている。目の不自由な方の横断歩道の通行に際し、信号機の色の変化をスマートフォンのカメラで認識して、横断可能であることを教えるOKOというアプリが開発され、これもまた実用化されようとしている。
このように、ICT技術を積極的に活用して、インクルージョン社会を到来させていくべきところであると考えるが、特に障害福祉分野において、それら新技術の活用を進める推進体制は取られているか。例えば、自立支援協議会の部会において、新技術の採用の是非や可能性を検討することができないか。
教育分野でも、二○二一年度から一人一台タブレットが実現した一方、デジタル機器の長時間の使用が脳や体へ与える悪影響を注意深くフォローする必要があると考える。国際的な疾患分類ICD‐11では、ゲーム行動症なる疾患名も新しく採用されている。電子スクリーン症候群、ESSという疾患名も出てきている。スマホ、タブレット、テレビなどのスクリーンタイムの増加は、発達への影響が懸念されており、実際に長時間のスクリーンタイムに暴露した一歳の幼児は、三歳時点において自閉傾向が見られたという国内の論文も出てきている。子育て中の御家庭で、スマホに一時的に子守りをさせねばならないやむを得ない状況が日常生活で多々あることは理解するものの、小児科医らは、日本小児科医会を中心に、二歳までテレビ・ビデオ視聴は控えること、スクリーンタイムを二時間以内、ゲームは三十分までにすることを二○○○年半ばより発信してきた。
乳幼児期から、ESSの影響を考え、スクリーンタイムを減らす努力をすることを母子保健活動で情報提供されているか。
教育現場において、スマホ・ゲーム依存への啓発活動やESSを予防する取組は何か行っているか。
教育現場において、実際に脳や体への悪影響が出てきているような事例はないか。
基本計画二○二三にも、基本計画二○一八から導入された協議型まちづくりが引き続きうたわれている。区の協議型まちづくりの考え方について、具体的な事例を挙げながら問う。
まず、住民のいない土地でまちづくりを進める場合として、月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業における、わたし児童遊園の整備について。
公共空間である、その公園づくりにおいて、まだ完成していない空間の利用者をどうやって集め、仮に集められたとして、たくさんの利用者の意見をどうやって集約すればよいか、大変悩ましいところである。再開発組合や水とみどりの課の職員の考えだけでは、利用者の声を代弁するにも限界がある。その場合に、住民参加型のワークショップのような形をもって意見の集約をすることが有効であると言われている。区は、まだ現れない利用者とどのように協議をし、どのように集約して、わたし児童遊園を設計するお考えか。
築地市場跡地再開発もしかりである。現れていない利用者の声をどのように集約して、都市計画の形に落とし込んでいくとお考えか。
逆に、住み働く人がいる地域での公共事業について。
月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業では、都市計画原案として、都市計画法第十六条の審議に提出する前段階において、その施行区域内で都市計画の内容について、協議はおろか、知らされない住民が存在していた。すなわち、都市計画の原案になるべき案であるところの中央区まちづくり基本条例に基づく区と地元住民との協議に提出された都市計画案について、一部地権者が協議に参加できないまま作成されていた。
区が定める都市計画により権利義務に重大な影響を受ける住民に対しては、誰一人排除することなく、区が責任を持って協議すべきと考えるが、いかがか。
最後に、調整をする場合の協議について。
晴海二丁目都有地では、区と都の共同で作成した晴海のまちづくりの考え方で位置づけられた場所にある歩行者貫通路が、BRTバス停の移動に伴い、廃止されるとの問題が突然浮上した。同貫通路は、生活道路としても、災害時の緊急動線としても、非常に重要な位置づけであることは明らかである。
区は、住民と都との三者の協議を通じて、貫通路存続の道は図れないか。地元管理で存続が可能となるのであれば、その管理を区がサポートできないか。
地域包括ケアは、高齢者はもちろん、障害、ひきこもり、貧困、虐待等、あらゆる福祉分野において一体的に取り組む環境整備が必要であると考える。基本計画二○二三では、地域包括ケアを深化させるとの記載があるが、何を深化させようと考えているか。
お困りな方の存在に気づき、適切な支援へとつなぐことができる人が増えることが、これからの深化のあるべき方向性の一つと考える。その気づきの力を養ったり、気づきの場をつくる人を養成する講座を、区は今までも積極的に展開してきた。例えば、地域振興課の地域コミュニティの担い手養成塾で百十八名、社会福祉協議会の場づくり入門講座とささえあいサポーター養成講座で、それぞれ四十七名、百二十二名、合計延べ二百八十七名の修了者が輩出されている。
それら修了者の手によって、地域包括ケアに資する活動につながっていると考えるが、それぞれの修了者の活動状況をお示しいただきたい。せっかくの人材であり、講座修了後も定期的に学び、意見交換をする場をつくるなどして、引き続きフォローすべきと考えるが、できているか。
気づきの後、有効につなぐためには、つなぐ先の相手方と顔の見える関係を築く必要がある。在宅療養の現場に従事する医療関係者らと民生・児童委員、中央区地域支えあいづくり協議体、そして修了生らとの交流の機会などを積極的に持てないか。
図書館が地域包括ケアで重要な役割を担っていることが、日本公衆衛生学会においても、シンポジウムとして取り上げられている。例えば、本の森ちゅうおうの事前内覧会の際に、既に認知症コーナーが図書館司書の皆様の手によって出来上がっていたが、そのような情報発信をはじめ、図書館への来館者の様子から気づきを得て、将来的にはつなぐことに期待をしたい。前述の修了生らによる社会貢献のために、図書館が場を提供することも期待をする。
地域の担い手が学びや気づき、そして交流の場として、本の森ちゅうおうが役立てられることを望むが、いかがか。
最後に、基本計画二○二三では、子供たちの放課後の居場所について大きな方向転換を打ち出している。すなわち、子供たちが安心して過ごせる放課後の居場所をつくるため、区立小学校への学童クラブ設置、学童クラブ・プレディの一体的実施がうたわれている。地域の人が放課後の子供たちを支えるということがプレディ独特のよさであったが、上記変革があったとしても、地域の人によるサポーター制度は存続すると考えてよいか。
民間学童の誘致を試みるも、月島地域では特に開設できるだけの土地がない現況で、民間学童の広がりは厳しい面がある。ならば、地域の人がそれぞれできる範囲で、放課後の居場所を地域の中でつくることはできないだろうか。前述のように、場づくりを学んだ修了生二百八十七人がおられるし、放課後の居場所という場づくりに特化した講座を展開してもよいかもしれない。高齢者通いの場が十七団体誕生しているように、自主運営の子供たちの居場所も増やせると考える。高齢者を含む多世代が交流できるサロンなどに、子供たちを受け入れることもできるのではないだろうか。
公園・公開空地や商店街に見守る人がいることで、子供たちの居場所にもなり得る。地域の人による、それら場づくりは、子供たちを見守る側が、子供たちに実は見守られ、地域包括ケアの場としても発展する可能性があると考える。このようにして、地域全体、まち全体で放課後の居場所をつくることができるとよいと考えるが、いかがか。
以上です。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
小坂和輝議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、新型コロナウイルス感染症対応の総括についてであります。
現在、まさに新規陽性者が増加傾向にあり、第八波に入ったと言われる段階であるため、時期尚早ではありますが、総括を行うに当たっては、感染症対策のみならず、社会経済活動の維持など、様々な面からの検証が必要であると考えております。
次に、新型インフルエンザ等対策行動計画の検証と改定に向けた考え方についてであります。
現在、国で審議されている感染症法の改正案では、新たな感染症の危機に備え、特別区における予防計画の策定が義務づけられる予定です。本区においても、東京都と連携し、新たに予防計画を策定することとなります。
次に、区独自の感染症専門家会議の設置についてであります。
区では、国の基本的対処方針や都の要請を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策本部会議において区の対応方針を決定していることから、区独自の感染症専門家会議を設置する考えはありません。
次に、ショートステイの利用条件の緩和についてであります。
ショートステイにつきましては、子供の養育が困難になった場合の保育ニーズに応えるため、宿泊により短期的に子供をお預かりするサービスで、入院や体調不良、冠婚葬祭のときなどに御利用いただけます。育児疲れで家庭での保育が困難となったときは、施設型の一時預かり保育や、ベビーシッター利用支援事業といった子育て支援サービスを御利用いただくこととなりますが、保護者の方の状態により、一定期間お子さんと離れることが望ましいといったような場合には、子ども家庭支援センターと児童相談所が連携し、個別に対応してまいります。
次に、基本計画における人口推計と施設整備計画についてであります。
本区における人口推計は、コーホート要因法を基本としながらも、住宅開発の規模や子ども女性比などを取り入れた上で推計しており、毎年度、検証や見直しを図りつつ、転出入などの人口動向や住宅開発の入居状況等を把握・分析し、精度の向上に努めています。学校ごとの児童・生徒数の推計については、地域別の人口推計を基に、就学率等を加味し、毎年実施しております。この中で、久松小学校や日本橋中学校については、三十五人学級化や直近の人口推計を反映した結果、新たに教育環境の確保が必要となったものです。学校を含め、公共施設の整備に当たっては、人口推計はもとより、財政状況や施設の老朽化状況、近隣の再開発の状況、その他、社会情勢の変化等を総合的に考慮し、個別具体的に検討を行ってまいります。
次に、個別避難計画策定についてであります。
本区の避難行動要支援者のうち、高齢者や障害者など、災害時に自力で避難することが難しく、避難支援等関係者に対して名簿情報を提供することに同意された方は二千九百三十四名であり、このうち、今年度は試行的に計画策定に取り組み、現在、十九名の方が策定済みです。試行により、作成は多岐にわたる情報収集や地域の避難支援者の確保が必要であることから、多大な時間を要するとともに、継続的な更新の必要性も明らかになりました。こうしたことから、作成時期の目標を定めることは困難ですが、今後は、策定対象となる方の身体的状況をスクリーニングした上で、優先順位に基づき、段階的に策定してまいります。
次に、医療的ケアが必要な方のダイレクト避難についてであります。
本区においては、障害の有無にかかわらず、在宅避難を基本としていることから、人工呼吸器を使用している方につきましては、停電時を想定した個別避難計画を作成し、自家発電装置の購入費用の助成を行っておりますが、在宅避難の継続が難しい場合は、直接医療機関等へ避難することとなります。
次に、ICT技術を用いた要支援者の避難状況の把握についてであります。
災害時には、基本的には、災害時地域たすけあい名簿を活用し、地域での安否確認を対面で行うことになりますが、区では、ひとり暮らし高齢者や重度身体障害者などの安全確保のため、急病などの緊急事態時にボタンを押すと救助が受けられる緊急通報機器の費用助成を行っており、大規模災害発生時には、機器保有者全員に対して警備会社による安否確認が行われます。今後は、こうした取組に加え、迅速かつ効率的な情報収集を実現するため、他自治体の取組を参考にし、災害時に有用なICTツールについて研究してまいります。
次に、インターネットを活用した会議資料等の公開等についてであります。
現在、資料を区ホームページで公開していない審議会等については、特段の理由がない限り、情報化基本方針に基づき、ホームページでの公開を進めていく予定であります。また、インターネットを活用したオンラインでの傍聴は、現状では使用する機器や通信回線等に課題があり、即座に対応することは困難ですが、ICT環境の整備状況に応じて取組を進めてまいります。
次に、障害福祉分野におけるICT技術の積極的な活用についてであります。
本区の障害者施設は、障害者計画等に基づき、推進しております。現在の障害者計画等におきましては、施策の方向性として、誰もがともに暮らせるまちづくりを位置づけ、共生社会の実現に向けて、安全・安心のまちづくりの推進に取り組んでおります。その主な取組として、障害者を含む全ての人が安全かつ快適に社会参加できるよう、公共施設や交通機関、道路、公園などのバリアフリー化を進めております。ICT技術の活用については、新技術の開発状況や国・東京都における様々な実証実験の結果を注視しながら、引き続き検討してまいります。また、自立支援協議会の部会における検討内容につきましては、障害者計画等に基づくテーマを基本とし、加えて、各委員の方々の御意見を踏まえて進めることとなっております。
次に、母子保健活動におけるスクリーンタイムに関する情報提供についてであります。
区では、乳幼児健診の中で、日本小児科医会作成の「スマホに子守をさせないで!」などを配布しております。
次に、まちづくりにおける意見集約についてであります。
わたし児童遊園の整備においては、地元町会や保育園など、これまで児童遊園を利用されていた方々を中心に意見を伺った上で、設計を行っております。また、築地市場跡地再開発においては、都市計画法に基づき、地域の声を反映するための手続が、今後、都により行われるものと認識しております。
次に、月島三丁目南地区再開発における協議型のまちづくりについてであります。
月島三丁目南地区の再開発においては、都市計画手続前に、まちづくり基本条例に基づく区と区民との協議のほか、事業者による説明会や再開発に関する個別の相談など、地権者を含めた地域の方の意見を伺う機会があったと認識しております。区では、それらの意見や都市計画手続での意見を踏まえながら、地域の発展に資する都市計画案の取りまとめを行っており、区としての責務は果たしているものと考えております。
次に、晴海二丁目のBRT暫定ターミナル内通路についてであります。
現在、晴海連合町会をはじめ、地元の皆様からの御要望を踏まえ、安全な歩行空間が確保されるよう、東京都と協議を進めているところであります。
次に、地域コミュニティの担い手養成塾等の修了者についてであります。
各講座の修了者の地域における活動状況といたしましては、例えば地域コミュニティの担い手養成塾では子ども食堂で、場づくり入門講座では高齢者通いの場で活動されております。また、ささえあいサポーター養成講座の修了者は、地域の中で困っている方にいち早く気づくアンテナ役として活動していただいております。フォローアップの重要性については、区や中央区社会福祉協議会においても認識しており、各講座によって内容や実施方法は異なりますが、交流会等を年に数回実施しているところです。在宅療養に関わる医療関係者と民生・児童委員、中央区地域支えあいづくり協議体の委員につきましては、中央区おとしより相談センター及び中央区包括支援センター運営協議会のほか、区や社会福祉協議会等が開催する様々な会議等の中で、顔の見える関係が構築されているものと認識しており、講座の修了者を含めた新たな交流については、現時点では実施する予定はありません。
次に、放課後の居場所についてであります。
中央区基本計画二○二三の中間のまとめでお示しした、区立小学校への学童クラブの設置とプレディとの一体的な運営におけるサポーター制度の活用につきましては、今後検討する具体的な運営方法の中で、学校や地域の関係団体の御意見も聞きながら調整してまいります。放課後の子どもの居場所につきましては、前議員に御答弁いたしましたとおり、既存公共施設や民間活力の活用、さらには地域の方々の協力による運営も含め、柔軟な発想の下、都心区としての新しい放課後児童対策を推進してまいります。
私からの答弁は以上であります。
〔教育長 平林治樹君登壇〕
○教育長(平林治樹君)
教育問題についてお答えします。
初めに、学校における不登校への組織的な取組についてであります。
不登校児童・生徒への支援は、学校復帰や社会的自立に向かうよう、校内で情報を共有するとともに、関係機関と連携しながら、児童・生徒を見守りつつ、一人一人の不登校の状況に合わせて、適宜適切な働きかけを行っております。また、本区における支援体制につきましては、国の方針を受け、中央区立学校における不登校児童・生徒の出席の取扱いガイドラインを策定し、適切に対応しております。
次に、適応教室に通う児童・生徒の特別支援教室の利用についてであります。
特別支援教室の目的は、発達障害等のある児童・生徒が学習上または生活上の困難を改善・克服し、在籍学級で他の児童・生徒と共に、可能な限り有意義な学校生活を送ることであると認識をしております。適用教室「わくわく21」に通室している児童・生徒につきましても、特別支援教室の指導により、在籍学級における困難さの改善や克服が見込まれる場合には、通室することができます。なお、不登校の解消を主たる目的とする支援が必要な場合は、特別支援教室ではなく、別室登校や適応教室等での支援や取組につなげております。
次に、学校とかかりつけ医との医療連携についてであります。
現在、子供たちが抱える健康問題は、様々な要因が絡み合い、多様化とともに深刻化しております。子供たち一人一人に適切な支援を行うためには、状況に応じて、学校と教育委員会が医師会や医療機関と連携することも必要であると認識をしております。今後も、保護者の理解と協力を得ることに配慮しながら、子供たちが充実した学校生活を送れるよう、まずは主治医を含めた関係機関との連携に努めてまいります。なお、御提案の合同勉強会につきましては、こうした取組や連携の充実を図っていく中で、医師会や医療機関との調整が必要になるものと考えております。
次に、教育施設の整備計画についてであります。
中央区基本計画二○二三の中間のまとめでは、現時点で明確になっている施設整備について記載をしているところであります。また、検討中の晴海四丁目の小学校については、今後、計画案がまとまり次第、御報告をしてまいります。
次に、月島第一小学校についてであります。
現在、進められている再開発事業に伴う児童数の増加を最新の推計に反映させた結果、内部改修等を行うことで、適正な教育環境の確保が図られるものと考えております。今後も、入居状況や人口推計等を注視し、必要に応じて対策を検討してまいります。
次に、スマホ・ゲーム依存と電子スクリーン症候群の予防についてであります。
本区では、学校や家庭においてICT機器の使用時間や目的を話し合って決めるなど、子供たちに対して、自立的な管理ができるよう指導をしております。また、各校で毎年計画しているセーフティ教室の中でも、スマホ・ゲーム依存予防を啓発する講演を、児童・生徒、保護者向けに行っているところであります。現在、ICT機器の利用によって脳や体への悪影響が出ているという事例の報告はありませんが、今後も、学校と家庭で連携を図り、児童・生徒自身の健康を守る意識を高め、適切に使用できる指導を継続してまいります。
次に、本の森ちゅうおうで地域活動を行う方々への場の提供についてであります。
本の森ちゅうおうは、情報資源を提供する場であるとともに、多目的ホールのほか、読書や打合せの場として利用できるラウンジ、複数人で一緒に学習や調べ物ができるグループ学習室などを整備しております。こうしたことから、地域活動に従事する方々をはじめ、誰もが目的や人数に応じて様々な形で有効活用していただける施設と考えております。
答弁は以上であります。
〔八番 小坂和輝議員登壇〕
○八番(小坂和輝議員)
それぞれにありがとうございます。
気になった点だけ、再質問させていただきます。
まず、審議会の情報の公開をしていただけるということでありますけれども、もう具体的に言います。教育委員会定例会の資料はオンラインで公開していただけるかどうか。あと、都市計画審議会の資料は公開できるのかどうか。答弁では公開できるという理解ができるんですけれども、はっきりと答えていただければと思います。
次に、ゲーム行動症等の情報の配布、パンフレットとかチラシの配布をするというところまではお伺いできましたけれども、乳幼児健診の場において、こういうことがあるということは、やはりきちんと伝えていくということまでやって、初めて説明したということになると思うんですけれども、そのようなことまでやっているかどうか。私はやってほしいから、今回、これを取り上げているんですけれども、そのあたりの取組までできているのかどうか、そのあたりを教えてください。
また、放課後の居場所に関して、様々なやり方をやっていくというふうな答弁でありましたけれども、私が言いたいのは、高齢者の場を民間の人がつくったというふうなことがあったように、放課後の居場所を民間の力で、民間というのは民間学童とか商業的なものではなくて、ボランティア的なところのNPOの力も借りながらつくるような、場づくり講座というものまでやりながら、つくることはできないのかどうかというところ、もう一度、さらに突っ込んだところで御答弁いただければと思います。
最後に、再開発の部分でありますけれども、月島三丁目南地区では、その再開発のことに関して聞いていないというふうな地権者がおられるわけです。区のほうは、再開発組合が全部説明したというふうなことを信じて、その再開発は地域にちゃんと説明しているんだということを信じて進めているわけですけれども、このような場合、やはり抜けができるわけなので、再開発のことを、都市計画を変更するのは区でありますから、区がきちんと責任を持って地権者に説明すべきではないか。再開発組合の言っていることを真に受けてやるのではなくて、きちんと、都市計画変更をする区が地権者にダイレクトに説明する必要があるのではないかということに関して、考え方を教えてください。
以上です。
〔総務部長 黒川 眞君登壇〕
○総務部長(黒川 眞君)
まず、会議資料の公開についてのお尋ねでございます。
御質問にございました教育委員会の定例会の資料、また都市計画審議会の資料等につきましても、先ほど区長から御答弁ありましたとおり、特段の事情がない限りは公開していくという方針でございます。
ただ、都市計画審議会等、図面ですとか、案件によりましては資料の容量がかなり大きくなるというような状況もございますので、そういった技術的な制約等もあるという中で、可能な限り、こういった資料については、インターネット上で誰もが閲覧していただけるような環境を整えていきたいというふうに考えております。
私からは以上でございます。
〔保健所長 渡瀬博俊君登壇〕
○保健所長(渡瀬博俊君)
私からは、母子保健活動における電子スクリーン症候群についての情報提供についてお答えさせていただきます。
こちらにつきましては、現時点では、乳幼児健診、三・四か月健診におきまして、パンフレットを配布して、それぞれのお母さん方に読んでいただいて周知していくというような形で進めさせていただいております。
相談そのものも非常に多くありますので、その他の子育て相談等を受けていく中で、もちろん乳幼児健診以外にも、それから後の三歳児健診等におきましても、いろいろ相談があった際には、そのほかのリーフレット等も用いまして、こういった注意点については周知を図っているところでございます。
私からは以上でございます。
〔福祉保健部長 田中智彦君登壇〕
○福祉保健部長(田中智彦君)
私からは、放課後の居場所について御答弁させていただきたいと思います。
今ありましたボランティアといいますか、区民の方々の協力を得ながら放課後の居場所をつくっていくという考え方につきましては、区としても考え方を持ってございまして、現状においても、例えば、みんなの食堂ですとか、そういった形で実現はできているものというふうに認識をしているところでございます。
ただ、やはり小学生がということもございますので、場所の確保ですとか、それから実際に見守る人の人材の確保、それから、さらには安全性の確保といった課題もあろうかというふうに考えてございます。区としますと、まずは、今、学童クラブを申し込まれても入れない方がいらっしゃるということで、やはり我々とすると、責任を持って学童クラブをまずは増やしていく、ここに力を注いでいきたいというふうに考えているところでございます。
私からは以上です。
〔副区長 吉田不曇君登壇〕
○副区長(吉田不曇君)
まちづくり、特に月島三丁目南地区の今の進捗状況で、一切聞いていないというような権利者の方がいらっしゃるというようなことはあり得ないし、その部分の行政指導は組合に対してしっかりやっております。
また、区のほうに直接話が来て、お聞きしたいという御要望があるのであれば、いつでも出かけてまいります。
〔八番 小坂和輝議員登壇〕
○八番(小坂和輝議員)
吉田副区長がおっしゃった部分に関しましては、都市計画原案をつくる段階で聞いていなかったということでありますので、そのあたりはちょっと誤解があるかと思いますが、開かれた区政をお願いしたいという趣旨で、多々質問させていただきました。
放課後の居場所もきちんとつくっていければと考えるところであります。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(木村克一議員)
以上をもって一般質問を終わります。
○議長(木村克一議員)
次に、日程第二を議題といたします。
〔伊藤議会局長朗読〕
日程第二
○議長(木村克一議員)
提案理由の説明を願います。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
ただいま上程されました議案第七十六号、令和四年度本区一般会計補正予算につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
今回の補正は、一般会計を十億四千二百五十六万五千円追加するものであり、補正後の予算額は一千三百六十一億二千五百二十二万八千円となるものであります。
それでは、概要について御説明申し上げます。
まず、歳入では、国庫支出金、都支出金及び繰越金を増額いたします。
次に、歳出についてです。
区民費は、電気・ガス料金の高騰に伴い、特別出張所や社会教育会館などにおける光熱費を増額いたします。
福祉保健費は、物価高騰による負担増を踏まえ、国制度の対象外となる住民税均等割のみ課税世帯に対する、区独自の「緊急支援給付金」や福祉サービスの安定的な提供と利用者への負担転嫁の抑止を目的とした「障害・介護サービス事業所、保育所等に対する物価高騰緊急支援金」を計上するほか、「新型コロナウイルスワクチン接種費用」及び中央区保健所における光熱費を増額いたします。
環境土木費は、原材料費や輸送費の高騰などに伴う「橋梁改修工事費」及び街路灯などにおける光熱費を増額いたします。
教育費は、サービスの安定的な提供と利用者への負担転嫁の抑止を目的とした「認定こども園に対する物価高騰緊急支援金」を計上するほか、小・中学校における光熱費を増額いたします。
また、債務負担行為は、一件の限度額を変更いたします。
よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。
○二十三番(原田賢一議員)
議事進行について、動議を提出いたします。
ただいま上程されております議案第七十六号は、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。
○議長(木村克一議員)
次に、日程第三から日程第七までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
御異議なしと認めます。よって、日程第三から日程第七までを一括して議題といたします。
〔伊藤議会局長朗読〕
日程第三
日程第四
議案第八十一号 中央区議会議員及び中央区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例
日程第五
議案第八十二号 中央区保健所等複合施設等改修工事(建築工事)請負契約
日程第六
議案第八十三号 中央区保健所等複合施設等改修工事(機械設備工事)請負契約
日程第七
議案第八十四号 中央区保健所等複合施設等改修工事(電気設備工事)請負契約
○議長(木村克一議員)
提案理由の説明を願います。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
ただいま一括上程されました各議案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
まず、議案第七十八号、中央区職員の高齢者部分休業に関する条例であります。
本案は、高齢者部分休業に関し必要な事項を定めるものであります。
次に、議案第八十一号、中央区議会議員及び中央区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例であります。
本案は、選挙運動用自動車などの公費負担に係る限度額を改定するものであります。
最後に、議案第八十二号から議案第八十四号までの中央区保健所等複合施設等改修工事請負契約であります。
本案につきましては、建築工事は德祥・則武建設共同企業体が、機械設備工事はサンプラ・日新建設共同企業体が、電気設備工事はエネシス・積田建設共同企業体が落札いたしましたので、それぞれ契約を締結するものであります。
以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。
○議長(木村克一議員)
ただいま上程されました議案第七十八号及び議案第八十一号から議案第八十四号までは、企画総務委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、企画総務委員会へ付託いたします。
○議長(木村克一議員)
次に、日程第八から日程第十までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
御異議なしと認めます。よって、日程第八から日程第十までを一括して議題といたします。
〔伊藤議会局長朗読〕
日程第八
議案第 八十号 中央区立総合スポーツセンターの管理運営に関する条例の一部を改正する条例
日程第九
日程第十
○議長(木村克一議員)
提案理由の説明を願います。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
ただいま一括上程されました各議案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
まず、議案第八十号、中央区立総合スポーツセンターの管理運営に関する条例の一部を改正する条例であります。
本案は、利用時間の拡大及び利用区分の変更を試行的に実施するものであります。
次に、議案第八十五号及び議案第八十六号の指定管理者の指定についてであります。
議案第八十五号は区立伊豆高原荘の指定管理者に「株式会社伊豆急コミュニティー」を、議案第八十六号は区立産業会館の指定管理者に「アクティオグループ」を、それぞれ指定するものであります。
以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。
○議長(木村克一議員)
ただいま上程されました議案第八十号、議案第八十五号及び議案第八十六号は、区民文教委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、区民文教委員会へ付託いたします。
○議長(木村克一議員)
次に、日程第十一を議題といたします。
〔伊藤議会局長朗読〕
日程第十一
議案第七十七号 中央区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例
○議長(木村克一議員)
提案理由の説明を願います。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
ただいま上程されました議案第七十七号、中央区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
本案は、個人番号を利用することができる事務に心身障害者の医療費の助成に関する事務を追加するものであります。
よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。
○議長(木村克一議員)
ただいま上程されました議案第七十七号は、福祉保健委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、福祉保健委員会へ付託いたします。
○議長(木村克一議員)
次に、日程第十二を議題といたします。
〔伊藤議会局長朗読〕
日程第十二
議案第七十九号 中央区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例
○議長(木村克一議員)
提案理由の説明を願います。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
ただいま上程されました議案第七十九号、中央区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
本案は、廃棄物処理手数料の額を改定するものであります。
よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。
○議長(木村克一議員)
ただいま上程されました議案第七十九号は、環境建設委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、環境建設委員会へ付託いたします。
○二十三番(原田賢一議員)
議事進行について動議を提出いたします。
本日の会議はこの程度とし、ただいま常任委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明二十二日、明後二十三日を休会とし、来る十一月二十四日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村克一議員)
御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十二日、明後二十三日を休会とし、来る十一月二十四日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。
本日は、これをもって散会いたします。
午後八時十三分 散会
署名議員
議 長 木村 克一
議 員 梶谷 優香
議 員 太田 太
お問い合わせ先:区議会議会局調査係
電話:03-3546-5559