令和5年第二回定例会会議録(第2日 6月21日)
1.会期
十一日(第二日)
六月二十一日(水曜日)
2.開議並びに散会
午後二時開議
午後六時二十七分散会
3.出席議員
(三十名)
一番 ほづみ ゆうき議員
二番 小坂 和輝議員
三番 上田 かずき議員
四番 黒原 裕司議員
五番 アルール うた子議員
六番 川畑 善智議員
七番 永井 佳代議員
八番 梶谷 優香議員
九番 高橋 まきこ議員
十番 青木 かの議員
十一番 高橋 元気議員
十二番 田中 耕太郎議員
十三番 かみや 俊宏議員
十四番 太田 太議員
十五番 竹内 幸美議員
十六番 山本 理恵議員
十七番 渡部 恵子議員
十八番 白須 夏議員
十九番 小栗 智恵子議員
二十番 奥村 暁子議員
二十一番 瓜生 正高議員
二十二番 塚田 秀伸議員
二十三番 押田 まり子議員
二十四番 海老原 崇智議員
二十五番 木村 克一議員
二十六番 礒野 忠議員
二十七番 原田 賢一議員
二十八番 堀田 弥生議員
二十九番 墨谷 浩一議員
三十番 田中 広一議員
4.出席説明員
区長 山本 泰人君
副区長 齊藤 進君
副区長 吉田 不曇君
教育長 平林 治樹君
企画部長 浅沼 孝一郎君
総務部長 黒川 眞君
防災危機管理室長 春貴 一人君
区民部長 濱田 徹君
福祉保健部長 田中 智彦君
高齢者施策推進室長 北澤 千恵子君
保健所長 渡瀬 博俊君
環境土木部長 三留 一浩君
都市整備部長(都市活性プロジェクト推進室長兼務) 早川 秀樹君
会計管理者 鈴木 浩君
教育委員会事務局次長 生島 憲君
監査事務局長 林 秀哉君
企画部参事(政策企画課長事務取扱) 溝口 薫君
企画部参事(財政課長事務取扱) 大久保 稔君
総務部参事(総務課長事務取扱) 山﨑 健順君
5.議会局出席職員
議会局長 伊藤 孝志君
庶務係長 長田 基道君
議事係長 小倉 正信君
調査係長 佐藤 康之君
書記 鳴子 歩良君
6.議事日程
日程第一
一般質問
午後二時 開議
○議長(瓜生正高議員)
ただいまより本日の会議を開きます。
○議長(瓜生正高議員)
これより本日の日程に入ります。
日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。
まず、十五番竹内幸美議員。
○十五番(竹内幸美議員)
中央区議会自由民主党議員団の竹内幸美でございます。令和五年第二回中央区議会定例会に際し、自由民主党議員団の一員として、さきに提出しました質問通告書に基づき、質問をさせていただきます。三年間続いた感染症による影響もまだまだ残る現在の区政の課題を含め、質問を行わせていただきます。理事者の皆様には、区民の思いに寄り添う御答弁を期待しております。また、再質問はあらかじめ留保させていただきます。
初めに、区長二期目の所信についてお伺いをしてまいります。
思い返すと、四年前、この中央区議会第二回定例会において、山本区長は、新区長として、基本構想が掲げる将来像の実現に向けて全力で取り組まれる決意をお示しになりました。その翌年から世界中で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症、この影響を大きく受け、区民生活や地域経済を守る施策が続きました。子育て環境においては、年度末による突然の学校休業、そして保育園の登園自粛が呼びかけられ、高齢者は、感染を懸念してデイサービスの利用を控える、外出を控える日々が続きました。区内事業者は、緊急事態宣言により飲食店の営業時間の自粛・短縮、また、飲食店等に関わる事業者の悲痛な叫びも聞こえてまいりました。介護サービス事業所においては、感染症対策を駆使しながら介護の施策を続けていただく。議会でも多くの補正予算が組まれ、その審査が行われてまいりました。山本区長一期目の四分の三の月日が感染症に関わり、大きく変化をする期間だったわけでございます。
今回の基本計画の改定で、区長は、基本構想で掲げる将来像の実現に向けて政策を横断的に取り組むべく、施策を四つのリーディングプロジェクトに整理をし、コロナ後の区内全域をやすらぎ・交流・にぎわいの場とするセントラルパーク構想を展開していく旨をお示しになりました。この五年で大きく変化をした本区の状況を踏まえ、コロナ前のにぎわいを取り戻す本区への思いを示されたことと理解をしております。この各プロジェクトには、達成度の目安となる目標であるKPIを設定し、取組の状況が見える形を取られています。
ゼロカーボンシティプロジェクト、水とみどりプロジェクトにおいては、二酸化炭素の排出量の削減、ZEB化・ZEH化への取組、水辺の活用や緑被率など環境的な側面の取組を、コミュニティ活性化プロジェクトにおいては、本区への愛着心や定住意向、地域でのイベントを実施した町会・自治会の割合、地域活動への意欲など地域コミュニティの醸成に向けて、そして、経済活性化・文化振興プロジェクトについては、中央区関連のキーワードの検索数、観光情報センターの来所者数、創業支援事業を活用して起業するといった人数、こういった観光・商業施策の推進など、この先十年の方向性をそれぞれのテーマに沿った目標を設定し、取り組む姿勢が示されています。いずれも本区の特徴や時代の変化に対するプロジェクトであり、これらの着実な取組が中央区セントラルパーク構想という花を咲かせていくことを想像するところでございます。
一方、三年に及ぶ感染症の影響は、すぐにコロナ前に戻ることはなく、マスクの着用が個人の判断とされた三月も、まだまだマスクを着用してまちを歩く方々が多く見られました。ゴールデンウイーク明け、新型コロナウイルス感染症の類型が二類相当から五類へと移行し、マスクを外して外を歩く方が増えてきたように感じるようになりました。まちの様子を見てみますと、朝の駅の様子、駅から会社に向かう人たちの波は回復をしてきているように思いますが、地元、地域の飲食店の方々にお伺いをしますと、まだまだお客さんは戻ってきていない、早い時間帯に客が引けてしまうというような声をお聞きするのが現状でございます。そして、教育環境においては、全てがコロナウイルスの影響とは言い切れませんが、発達に課題を抱えたお子様の増加、そして、不登校の児童の低年齢化という状況も見られております。高齢者については、外出を控えていたことによるフレイル、そして、人との接触がないことで進んでしまう認知機能の低下、障害児・者の高齢化による老障介護など、私たちは、このまちで暮らしている日々の厳しい側面にも、現実のものとして目を向けていかなければなりません。
今もなおコロナの影響が残る区民生活、区内経済、そして区民福祉や学校教育においては、このような状況が多々見受けられるのでございます。こうしたリアルな区民生活に寄り添う山本区長の思いを今回の基本計画にどのように反映されたのか、また、今後の四年間の区政についてのお考えをお示しいただきたいと思います。
続きまして、晴海のまちについて幾つかお伺いをします。
いよいよ令和六年、晴海の新たなまちの入居が始まります。これだけの規模の転入については、今まで経験がないことでございますから、転入等に際しての対応を、想定できる範囲内で最善の取組を御検討していただいていることと思います。このような状況の中、本年十月にいち早く開設されるのが地域交流センターでございます。その愛称も広く募集され、はるみらいと決定したところです。前施設であったほっとプラザはるみのリニューアルについては、惜しまれる声も少なくなかったところではありますが、トレーニングルーム、シャワー室、そして料理、音楽、学習、温暖浴などのスペースが設けられ、多様な世代の利用を目的としたはるみらいは、晴海の未来を見据えたリニューアルになるのではないでしょうか。当初の計画は、令和五年のまちの開設、オープンとともに、同時期に開設される予定でしたが、オリンピックが延期になったことにより、この施設が一足先に開設を迎えることとなりました。この運営については、地域の方々を中心とした運営協議会が立ち上げられ、まちの意向を取り入れながら開設の準備を行っていただいていることと思います。当然ながら、これからどのような方たちがこのまちに住むのか分からないわけですから、その運営についても、今後、お悩みも多いことと思います。
そこで、お伺いをします。
地域コミュニティの基盤となるはるみらいについて、現在の課題、今後の運営協議会と新たにまちに住む方との関係性やコミュニティ形成について、見通しと御見解をお示しください。
続いて、このまちにおける防災対策についてお伺いをします。
東京都が昨年五月、首都直下地震等による東京の被害想定の見直しを発表しました。物的被害、人的被害ともに、十年前よりも大きく軽減しており、さらに取組を進めれば、さらなる被害の軽減が図れることが想定されております。そのような点で、令和六年の晴海のまち、住居や小・中学校を含む公共施設整備、これらのものは、防災、防火といった最新の免災機能を備えた建物構造になっていることは想定されています。その一方、本区の居住者の約九四%が集合住宅にお住まいになるという特徴もあることから、本年改訂したマンション防災パンフレットの中でも在宅避難を推奨しております。本区では、一万人を超える住人を受け入れるというケースは初めてでありますから、本区の災害時の対応について、新たにお住まいになられる方に伝えていくことにも課題がおありかと思います。
まずは、この晴海における防災拠点の開設、新たな住人への防災対策の周知などについて御見解をお示しください。
さらに、防災力向上の視点で続けてまいります。
本区では、人口が増加の一途をたどっております。令和四年、本区は生産年齢人口が二十三区の平均六七・二%を上回り、七一・四%と、二十三区内でも一番の状況でございます。中でも、三十代から五十代までの層が非常に多い状況となっております。本年の防災力の向上については、今まで行ってきていただいた総合防災訓練や緊急告知ラジオの頒布に加え、担い手養成の視点も含めた防災教育への新たな取組に着手していただくなど、認識をしております。ここ数年は、新型コロナウイルス感染症の影響も大きく、各拠点の防災訓練は制限を設けての開催となっており、地域での行事等も控えられたケースが多く、そのような場を通じて形成されるコミュニティの妨げにもなったのかなと感じております。その一方で、コロナ禍でも続けていただいた拠点訓練では、感染症対策という新たな観点も踏まえて進めていただいた取組もありました。常に経験から状況を見直して、いつ起こるか分からない災害に対して備えをしていただいていることは、高く評価をしているところでございます。
昨年度、一部地域で幅広い世代が参加できる防災訓練が実施されました。防災への備えや対策、これらを競技形式で体験する取組は、晴海のような若い世帯で構成されるまちのコミュニティ形成と防災力の向上にも効果のある取組かと思います。昨年は、私の住むまちでも久しぶりに地域の方々が参加できる防災拠点訓練が行われました。お子様を連れて参加をされる方々もおり、町会ごとに分かれて、ローテーションで防災資器材の設置訓練や防災食の試食などを行いました。最後に、私はびっくりしたことがありまして、防災訓練に参加していた保護者さんから、実は、どこの町会に所属しているか分からないというお声を聞きました。幅広い世代が集まる訓練となれば、そういった中で、どこの町会に所属している、この方はどこの町会の方だと、町会や自治会の関わりが深くなり、お互いに声を掛け合い、思いやりや治安のよい状況が築いていかれるのではないかと思います。
そこで、お伺いをします。
若者や子供たちが参加したくなるような防災の取組について、昨年度の実績、今年度の展開、そして、晴海の新たなまちに対しての活用など、御見解をお示しください。
最後に、弱者への施策の観点で質問をさせていただきます。
最初は、高齢者施策についてお伺いをします。
内閣府の高齢社会白書によれば、令和三年十月時点の国の高齢化率は二八・九%、二○四○年の高齢化率は三五・三%と推計されています。二○四○年には、国民の三人に一人が六十五歳以上という状況になります。これはあくまでも平均値でありますから、各地域ごとに見てみますと、四十七都道府県の中には、令和三年時点で高齢化率が三八・一%という自治体もございます。既に十七年後の国の平均、推測されている平均を上回る高齢化率の自治体があり、この自治体における二○四五年の高齢化率は五○%を超えると推計されております。では、私たちの住む東京都の高齢化率というのはいかがなものでしょうか。東京都が昨年の敬老の日に発表したのは二三・五%、そして、本区において今月の人口で計算しますと、高齢化率は一四・六%となっております。
本区の高齢化率を少しだけ遡ってみます。平成十年、まだ人口が七万人台だった頃、この頃の高齢化率は一七・五%でした。その後、若い世帯の転入が増え、保育園の待機児童が出始めたのが平成十五年、このときの高齢化率が一七・三%、そして、それから十年後の平成二十五年で一六・七%、令和五年には一五%、この数字を見てみますと、国の推計とは真逆の状況が本区では起こっております。確かに、まちを歩けば、ベビーカー、チャイルドシート付きの自転車、子供用の自転車なども多く見かけます。平成十二年の大江戸線開通当初、勝どきの自宅から駅に向かうまで、日曜日の朝はあまり地元の人に出会うことはなかったんです。それが、今の時代、サッカー、野球などのユニホームを着た子供たち、それを送迎する保護者が朝の駅周辺には多く見られる状況です。このように、年々高齢化率が低くなるならば、理想的な光景だなと思います。しかしながら、現実として、令和六年には晴海に一万人を超える新たな住人が入居予定でございます。そして、その購入者層が三十代から四十代。すると、二十年年月がたてば、その方たちは五十代から六十代へとなっていく。このような状況を鑑みると、やはり高齢化というものは今のうちから真剣に取り組んでいかなければならない区政の大きな課題となるでしょう。
ここで、少しだけ海外のお話をしたいと思います。高齢化の速度は、高齢化率が七%を超えてから一四%に達するまでの所要年数で比較されています。先ほどの白書の中で、高齢化の国際的な動向についても触れられておりました。日本では、一九八○年前後の二十年間で一四%に到達しております。欧米のほうが、その所要年数が長い傾向がありまして、最も長いのがフランスで、百二十六年かかって七%から一四%に変化をしたという記録がございます。しかしながら、これは一八六四年から一九九○年までなので、結論としては、日本と同時期に高齢化率が一四%になっております。しかし、今、フランスは高齢化率二○%の計算でございますが、日本と違うのは人口が増加しているという状況です。依然として高齢化は進む中でも、維持をしていけているというような状況があるのかなと推測するところです。
さらに、フランスにはユニークな介護制度があることが分かりました。受入れ家庭制度というものです。この言葉で想像がつきますでしょうか。日本には里親制度というものがあります。これは、養子縁組なども含め、保護者のいない子供に対する様々な制度の一つでもあります。受入れ家庭制度というのは、高齢者に対する里親制度のようなシステムであります。受入れ家庭には一定の条件があるそうですが、子育てをしている方が、自身の両親の介護の経験を生かすという点で受け入れるケースもある。また、二十四時間休みのない、責任のある受入れであるけれども、家にいながら外で働くのと同じ収入が得られるとして、複数名受け入れられている方もいらっしゃるそうです。法制度の違いや文化の違いがありますから、日本でこのような制度、システムはなかなか難しいと思いますけれども、高齢者は、年を取るにつれて一人ではできることも限られてくる。そして、人の手が必要な環境になってくる。これはどこの国でも同じ状況なんだなということが感じられる内容でございました。
本区の子育て支援策の中では、保育の待機児童の解消については、長年、施設整備に取り組んでこられました。平成十五年、区内に保育園は十三園しかなく、この時点で二十名の待機児童が出たことから、約二十年の年月をかけて、昨年の待機児童の解消、そして本年の四月には区内に九十三園の保育園があるという、二十年間で八十の施設を整備してきて、そのニーズに応えてきた。では、二○四○年問題を見据えた高齢者の対策というのはどのようにしていったらいいのか。コロナ禍で人との接触を控えた影響、時には認知機能の低下や身体的・精神的フレイルなどの懸念、保育園のように施設整備を行えば解決するわけではない課題、高齢者の健康を守る体制の整備も必要になると考えています。
高齢者保健福祉計画・第八期介護保険事業計画の改定を前に、この三年間の影響をどのように分析されていらっしゃるのか。高齢社会がますます進む状況に対して、孤立の原因の一つでもあるフレイル予防などに向けた本区の御見解をお示しください。
さて、住みやすいまち、人に優しいまちというのは、どのようなものかと考えます。地域でのある御夫婦のお話を幾つか紹介させていただきます。
御主人を車椅子に乗せて介護をしている奥さんに出会いました。少し立ち話をした後、その奥様は、裏通りのほうが凸凹が少ない、段差が少ないから、車椅子で通りやすいのよとおっしゃって、車椅子を押しながら出かけていきました。これは、町なかでも度々見かける老老介護のワンシーンであります。移動の手段として車椅子を使っていらっしゃる。しかしながら、この車椅子も、なかなか扱いに慣れないと、段差を乗り越えるのにも非常に苦労し、介護の場面で手首を傷める方々、腰を傷める方々も非常に多いのが現状でございます。バリアフリー化については、ここ数年、オリンピック・パラリンピックの開催なども含め、積極的にお取り組みいただいてきたことは承知をしております。このような道路事情については、今までも議論があったということも承知をしております。区道、都道、国道で業者の違いから統一できない規格があったり、また、視覚障害者のために必要な段差、その一方で、車椅子の方々への配慮のため、段差をなくす対応、いずれも障害者への施策でありながら、正反対な整備となります。
また、もう一つ、交通の課題、交通について地域の話をしたいと思います。
最近、バスの止め方が乱暴なんだというお声をいただきました。どういうことかと申しますと、停留所で歩道から離れたところにバスが停車をする。そのために、バスから直接歩道に降りられず、一旦車道に降りてから、また歩道に上がるということでした。高齢者は膝や腰に痛みを抱えている方も多くいらっしゃいますから、やはり段差の大きさに比例をして負担も大きくなります。そして、カートを押してバスの乗り降りをされる方も多くいらっしゃいます。この話を聞いてから、公共交通機関を利用する際にいろいろ観察をしていました。なるほど、確かに、バス停から離れて止まる。そうすると、高齢者はなかなか降りるときにスムーズに降りられない状況がある。でも、道路事情も様々です。バス停の手前で車が止まっているために、バス停に斜めに進入するしか方法がない、そのようなやむを得ない、避けられない状況も見受けられるのが現状でございます。もちろん、そんな状況を見て周りの方々が手を差し伸べて、高齢者の方々、足腰の悪い方々を助けるような心温まる光景もありました。あるとき、私も乗っていたバスが終点で斜めに止まったことがありました。それで、皆さんが降りた後に、バスの運転士さんに状況、事情をお伺いしてみました。すると、少しでも早く降ろしてほしいという声があるということから、斜めに止めて乗客に降りていただくことになっているというお答えをいただきました。公共交通ですから、道路の状況や天候に左右されて時間どおりには運行ができないという事情も、皆様、御利用の中ではよく御理解をいただいていると思いますが、やはり安全対策を取って乗車、降車ができるような体制も取っていただけたらなというのが、そのときに感じたことでありました。
スピードが優先か、安全性が優先なのかという、これは交通の視点でのお話にはなっていますが、まちが成長して様々な設備が整ってくると現れる、次に求められる課題になってきているのかなと思います。このような、弱者の視点に立った交通施策の推進や配慮について本区の御見解をお示しいただきたいと思います。
以上をもちまして、一回目の質問を終わらせていただきます。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
竹内幸美議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、基本計画二○二三に込めた思いと今後の区政についてであります。
本区は、立地的にも、歴史的にも東京の経済、文化の中心として発展を遂げてまいりました。都心としての高度な利便性に加え、水や緑に囲まれた江戸以来のにぎわいや人情の交錯するまちであります。東京のセントラルパークとして本区が一層まちの魅力を高めていくためには、区民の声に耳を傾け、寄り添いながら、多様化する行政ニーズに的確に応えていかなければなりません。コロナを契機とした生活スタイルの変容、デジタル化の進展、物価高騰による家計や地域経済への影響など、区民や事業者を取り巻く環境は大きく変化しています。基本計画二○二三は、こうした現状を踏まえた上で、十年後の具体的な区の姿、区民の生活を思い描き、そこに至るための施策を体系的に取りまとめたものです。リーディングプロジェクトに掲げた課題はもとより、福祉、教育、防災といった暮らしや地域に密着した様々な課題に対して、子育て支援の充実、互いに支え合う地域づくり、個性や能力を伸ばす教育の推進、地域防災体制の強化といった各種施策を総合的かつ計画的に展開し、全ての区民にとって暮らしやすいまちづくりを推進してまいります。四年後には二十万都市となることが見込まれ、これから本区は、かつて経験したことのない新たなステージに立つことになります。この大きな変革の時代において、基本計画を区民とともに歩む区政の羅針盤として、誰もが夢と希望を持ち、豊かさを実感できる中央区、これを実現してまいる所存です。
次に、晴海地区のコミュニティ形成についてであります。
HARUMI FLAGのまち開きは、まさに新しいまちができるものであり、区では一万二千人もの新たな住民を円滑に迎え入れるとともに、既存コミュニティとの融合を図っていくことが重要な課題であると認識しております。そのため、令和二年九月に晴海コミュニティ構想検討会議を設置し、地域住民や地元企業の方々が自発的に連携し、課題解決に向け、協働していくプロアクティブ・コミュニティの確立に向け、議論を重ねてまいりました。また、地域活動の総合的な拠点として、地域交流センター、はるみらいを整備することで、晴海地区全体のコミュニティ活性化を図ることといたしました。現在、住民や企業で構成される運営協議会と指定管理者、区の三者による連絡会において、施設を活用したイベント、事業を通じたコミュニティ形成の機会創出などについて定期的に協議し、十月に実施予定のオープニングセレモニーなどの検討も進めております。また、新たに住民となる方や企業の運営協議会への参画も課題として捉えており、協議会の構成も、まち開き後の地域の変化に合わせ、柔軟に対応していく方向性が確認されたところであります。区といたしましては、はるみらいが地域活動の拠点としての役割を十分に発揮し、まち開き後の円滑なコミュニティが着実に形成されるよう取り組んでまいります。
次に、晴海の新たなまちの防災対策についてであります。
晴海五丁目においては、令和六年一月からHARUMI FLAGへの入居が開始され、同年四月に晴海西小・中学校の開校が予定されています。このことに伴い、新たな防災拠点の開設に向けた準備はもとより、本区に転入される方へ区の防災対策についての広報を円滑かつ着実に進めていくことが重要であります。区といたしましては、今月末に予定している今年度第一回目の月島第三小学校・晴海中学校防災拠点運営委員会の場で、晴海西小・中学校の防災拠点の開設について、対象エリアの考え方のほか、開設に向けた検討体制や検討スケジュールをお示しし、新たな防災拠点の開設に向けた作業に着手する考えです。その上で、現在御尽力をいただいている委員の協力を得ながら、新たな防災拠点運営委員会の立ち上げに向けた準備会を設置し、防災拠点が有する四つの機能の基礎となる災害時の活動計画や施設利用計画の策定など、きめ細やかな検討を重ねてまいります。一方で、新たに転入される方に対しては、HARUMI FLAGの入居開始以前の段階から、HARUMI FLAG代表企業への働きかけや庁内関係部署との連携により、在宅避難の推奨をはじめとする区の防災対策の取組や、防災拠点の役割などについての周知活動を展開していく考えであります。晴海のまち開きを迎える中で、地域の皆様と一丸となって、新たな防災拠点づくりとともに、晴海地区全体の防災力の強化に向けた取組を推進してまいります。
次に、若者や子供たちが参加したくなる防災の取組についてであります。
防災拠点において、地域防災の担い手の固定化や高齢化の課題が挙げられており、幅広い世代の参加を促す方策は極めて重要な取組であります。こうした観点から、令和四年度には、中央小学校と明正小学校の二つの拠点訓練において、ミニ消防車運転体験や綱渡り訓練ができるこども防災体験コーナー、競技形式によるマンホールトイレ組立て訓練など、子供たちも体験できるメニューを取り入れました。その結果、明正小学校では参加者数が過去最高となるなど、子供からお年寄りまで幅広い世代の方にとって、防災意識の高揚や地域交流の場づくりとして大変有意義な取組であったと受け止めております。このことを受け、区では、現在、全拠点委員会に対して多世代参加型訓練メニューの導入を提案しているところであります。一部の拠点委員会からは、スタンプラリー形式の訓練や親子参加型訓練も実施したいといった前向きな意見をいただいているところです。また、今年度の新たな取組として、晴海中学校の生徒が、授業の一環で、拠点訓練において資器材操作のほか、安否確認や物資搬送訓練等に参加することとしております。この成果の検証を踏まえ、次年度以降は、新設する晴海西小・中学校を含めた全小・中学校に順次拡大していく考えであります。今後とも、地域防災力のさらなる向上を目指し、防災拠点運営委員会との緊密な連携の下、防災を通じた顔の見える関係づくりや交流の場の創出に資する取組を積極的に進め、地域防災の担い手の育成や地域コミュニティの醸成に努めていく所存であります。
次に、高齢者施策についてであります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、重症化リスクが高い高齢者に与える影響は非常に大きく、区が令和四年に実施した高齢者の生活実態調査によると、「外出を控えるようになった」が六八%、「友達・親戚付き合いが減った」が六二%、「運動量が減った」が三六%という結果となりました。このことから、コロナ禍においては、多くの高齢者が運動や交流の機会を失うこととなり、フレイル状態に陥りやすい状況であったと捉えております。したがいまして、フレイル予防は、これまで以上に積極的に取り組むべき重要な課題であると認識しております。区では、これまで高齢者保健医療福祉計画・第八期介護保険事業計画に基づき、区独自の介護予防プログラム、中央粋なまちトレーニングや健康教室に通うことが困難な方に対して、保健師が訪問指導する訪問健康づくりなどを実施してまいりました。今後、さらなる強化を図る必要があると考えており、現在、次期計画の策定に向け、高齢者施策推進委員会において検討を重ねているところであります。具体的な取組といたしましては、保健師、栄養士、歯科衛生士などの専門職が健診、医療、介護データを分析し、健康課題のある方一人一人に合わせた保健指導を行うほか、高齢者通いの場など広く高齢者が集まる場において、健康相談や質問票などを用いたフレイル状態の把握を行い、必要に応じて介護予防サービスへつなげるなどの積極的支援を予定いたしております。区といたしましては、高齢者の健康づくりを推進し、中央区スタイルの地域包括ケアシステムをより一層深化させることにより、全ての高齢者が住み慣れたまちで生き生きと暮らし続けることができるよう取り組んでまいります。
次に、交通弱者への配慮についてであります。
急速な高齢化の進展、障害者等の社会参加の必要性などを踏まえると、高齢者、障害者を含む全ての人が安全かつ快適に日常生活、社会生活を営むことができる環境を整備することは喫緊の課題であります。区では、これまでも、高齢者、障害者をはじめとする誰もが安心して通行できるよう、歩行空間のバリアフリー化を計画的に推進するとともに、区内のバリアフリーに関する情報が集約されたバリアフリーマップを作成し、高齢者や障害者を中心に積極的に配布してまいりました。また、公共交通施設への取組として、鉄道駅でのエレベーターの設置による円滑な移動の確保や、ホームドアの設置による安全対策の強化について関係機関に働きかけを行ってまいりました。今後も、交通弱者の視点に立った総合的なバリアフリー化に努めるとともに、区民一人一人が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、あらゆる場に心のバリアフリーを広げていく取組を推進してまいります。
答弁は以上であります。
〔十五番 竹内幸美議員登壇〕
○十五番(竹内幸美議員)
御答弁ありがとうございました。山本区長の二期目の思い、中央区の基本計画に込めた思いをお伺いした次第でございます。
前回以上に多様化する社会となりました。そのような中、コロナから明け、輝く未来へつながるまちの様々な施策、また、教育の課題や地域経済の回復、そして高齢者の福祉、二十万都市に向けた新たなステージへ向けての様々な施策を推進していただきたいと思います。そして、私たちも地域の中からいただくお声をしっかりと区政に反映できるように取組を進めてまいります。
そして、地域コミュニティ、晴海のまちについてでございます。
この一万人規模の人口が増える、まさに新しいまちの誕生というのは、今まで中央区の中でも経験したことのないものでございます。今までの晴海の地域、やはり注目の地域でありますから、様々な質問の中でも、まちのコミュニティ形成は、現在の基盤が整っていることで新たな方々を迎えていけるのだという答弁もいただいたことがあったかと思います。そういった中で、やはり現在、このまちで、まちのことを思い、地域の活動をしていただいている方々、このまちに長くいらっしゃる企業の方々、そういった方々が状況を見据えながら、晴海のまちづくりの中心になっていただいているんだなとつくづく感じるところでございます。
そして、防災対策というのも、区内の移動であれば、ある程度、防災対策等を理解していただいているのかなと思いますけれども、引っ越してくる、前にお住まいになっていた自治体によって、防災の在り方、災害時の意識の部分でも違いがあると思います。一万人の方々に同時に伝えていくというのは非常に難しいものがあるかと思いますが、今、晴海で行っている新たな防災拠点の立ち上げに向けての取組、そういった中で話合いを進めていただきながら、この晴海の地域というのは全てが集合住宅ばかりになりますから、特にマンション防災パンフレットの内容、最近では簡易トイレの備蓄も必要であるというものも随分周知されてきているようですが、そういった水回りの仕様に関して、マンションならではの防災の在り方というのもあるかと思います。
三・一一のとき、マンションの被害は少なくて在宅避難はできるけれども、家族が帰ってくるまで一人で不安で部屋にいることができないんだということで、私も、当時、お店をやっていましたから、お店の就業時間まで置いてもらえないかという地域の方がおりました。晴海においては、ほとんどが集合住宅であるという中から、マンション、個別のコミュニティルームなのか、皆さんが集まれる部屋などを用意していただいて、そういったところに皆さんが一緒に避難できる、そういうような仕組みづくりもあってもいいのかなと思います。災害時、やはり自助・共助、ここのタッグがしっかりとつながっていくことが災害を乗り越える大きな力になっていくと思いますので、そういった視点でも、取組を進めていただきたいと思います。
それから、若い世代も楽しんで参加できる防災の訓練の在り方、既に前例があります。その中で、今までにない人数の訓練の参加者がいた。こういった取組を少しでも区内で広げていただいて、これは本当に、今回、私が昨年経験した地域での、どこの町会に所属するか分からないというお答え、長く住んでいると、町会のくくりを当たり前のように分かっているので、知らなかったという感覚に至らないんですけれども、そういった分からない方々も多くいらっしゃる。あと、越境して登校している方は、学校が防災拠点になっているけれども、住んでいるところの防災拠点は分からないという方々もいらっしゃるかと思います。そういった防災訓練から広がる地域のコミュニティもあるかと思いますので、多世代が参加できる訓練の推進を引き続き進めていただけたらと思います。
そして、高齢者施策、やはりコロナ禍の影響というのが大きかった。外出を控えた方、友達が少なくなった方が六○%以上いらっしゃる。友達との交流が少なくなる。外出の機会が減っていく。こういった状況の中、やはりそれが精神的なフレイルにつながっていってしまう。そのような現状もあるかと思います。中央区では、訪問して健康づくりをしていっていただく区の施策があったり、今後、一人一人のメニューを考えながら保健指導をしていく。また、地域包括ケアシステムの強化というところも触れていただきました。ますます高齢化が進む中、やはり地域で見守る体制、一人でも高齢者を見守っている目線というものが必要になってくる時代でございます。ぜひ、高齢化についても、課題が多いところではございますが、引き続きお取組の推進をお願いしたいと思います。
そして、最後のバリアフリー化といいますか、交通弱者に対する施策という観点で質問をさせていただきました。障害のある方、そして高齢者の方は、本当に、私たちはふだん気にならない段差というものが非常に、五センチ、十センチ変わるだけでも負担が大きいという現状がございます。健康なうちは本当に気づかないことも多いんですが、体を壊したことによって気づく方もあるかもしれません。高齢者というのは、子育てを経験している方も多い。あと、周りに子供を見ていらっしゃる方も多いので、子供の成長に関しては理解があるものの、やはり若い方というのは、成長して自分がその年になるまで気づかない体の症状というものを多く持ち合わせているわけです。そういった高齢者の視点というものを少しでも理解する方が増えていただくこと、これも人に優しいまち、高齢化に向けた、手を差し伸べやすい環境づくりになるのではないかなと思います。何せ一人ではできない、やはり多くの皆様の御理解と協力が必要な課題であるということ、これらについても引き続き取組を進めながら、施策として展開をしなければならないこと、そして、心の部分で一人でも多くの方が協力できることもあるかと思いますので、引き続き地域の方々とお話をしながら、区の課題にも取組を進めてまいりたいと思います。
以上をもちまして、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(瓜生正高議員)
次に、二十二番塚田秀伸議員。
○二十二番(塚田秀伸議員)
中央区議会自由民主党議員団の塚田秀伸でございます。令和五年第二回定例会の一般質問に当たり、質問通告書に沿った内容にて質問をさせていただきます。なお、御答弁のいかんによりましては再質問を留保させていただきますので、何とぞよろしくお願いいたします。
未曽有のコロナ禍にさらされ、先が見通せない日々が三年間にもわたりましたが、コロナ罹患者の症状軽減などから、五類移行されたことによりまして、事態収束への筋道が明確に見通せることなど、かつての日常生活をようやく取り戻しつつある昨今でございます。現在では、多くの催事や祭り事が復活し、各方面で大勢の人が集まり、活況を呈していること、あるいは観光産業の急回復により、国内外からの来街者増は誰しもが実感されているのではないでしょうか。コロナ禍前の規模感、そして折からの円安などを鑑みれば、来街者増はまだまだこれからとも思われております。時代はいよいよポストコロナに移行し、いよいよ輝く未来へ橋を架けるときでございます。江戸時代から続く歴史に彩られた本区の地歴、独自性を源流としつつ、区民の皆様はもとより、就労される方々、観光などで訪れる皆さんに実感していただける魅力にあふれた場所である一方、必要な機能性に富み、世界基準の質感を備えた東京のセントラルパークを各分野にて具現化し、広く本格化させるタイミングと考えております。
中でも優先すべき項目と考えますのが、水辺環境の改善や整備でございます。言うまでもなく、中央区は、江戸時代の開幕とともに開場した日本橋魚河岸と、その周辺にできた城下町一画がその礎でございます。それらの水辺環境は、江戸湾最深部を機能拡張するように広げられ、まちの拡大とともに、江戸時代から高度経済成長期まで変化を続けた歴史の現場でございます。つまりは、中央区の土地の大半がかつて水辺であったこと、あるいは中央区内に東京港が存在した歴史を伝える意味からも、水辺環境を整えることは、単なる空間整備にとどまらず、あらゆる観点から極めて重要なものでございます。また、本区特有の水辺を最大限に活用し、注目度を高める意味から、新たなにぎわいスペースとしての活用など、単なる憩いの場にとどまらない、機能的であり、また広く訴求力のある環境整備を検討すべきタイミングと考えます。
そこで、お尋ねいたします。
定期便の就航に向けて、各方面での整備が進められておりますが、船着場周辺などには人の集まる環境づくりが欠かせません。本年度は、Park‐PFIにより公園内への便益施設誘致計画などが進められておりますが、同様のものを隅田川端をはじめ、そのほかの水辺等へ設置検討されることについて、また、スポーツやイベントのできる広場、堤防への装飾やアートスペースの拡張などにより、魅力向上が期待されますが、区のお考えをお聞かせください。
続いて、亀島川についてお尋ねいたします。
亀島川では、これまでにも緑道の整備や複数年にわたる植栽などを続けてきましたが、今後の緑道化をはじめ、水辺活用などについての計画などをお聞かせいただくとともに、水面が大変近い亀島川ならでは、水際へのアクセスなど、独自の親水スペースとしての活用法もあるかと思いますが、併せて区の御見解をお聞かせください。
また、本区周辺河川で私は釣りをしておりますが、近年は魚種の変化に大変驚くものがございます。晴海ふ頭辺りではアジやカタクチイワシ、そして隅田川を遡った新大橋周辺までで上がっておりますが、サバ、コノシロ、そして勝鬨橋の下では大変大きなクロダイが群れをなすなど、四十年以上もこのかいわいで釣りをしておりますが、近年は海水魚を中心としまして、魚の遡上が顕著でございます。これまでにも要因は幾つか指摘されておりますが、一つに、水質改善がなされ、餌となる小魚の増加、これは間違いないことと思われます。生物多様性の観点から、さらなる水質改善活動は重要と考えますが、河川での水質改善の取組について、近年の主な活動と、そして今後の展望など、あればお聞かせください。
そして、本区の東側を流れる隅田川は、まさに東京を代表する大河でございます。本区に面する右岸は広くスーパー堤防がカバーしておりますが、旧来の堤防が残る箇所も散見されます。それら部分について、今後の展望などをお聞かせいただきますとともに、また、神田川出口から勝鬨橋に至るまでの隅田川堤防におきまして、亀島川との合流部だけ大きく迂回しなければなりません。亀島川水門があるがゆえに、簡単な構造にはならないと思いますが、近年では月島水門の例などがございます。将来的な展望なども含めて、お知らせください。
続きまして、中央区を取り巻く交通環境の変化、そして、道路交通法の改正などにより危惧される事案に向けて、本区独自の対策などについてお尋ねいたします。
毎年、春になりますと、お巡りさん、そして先生に引率されて交通安全の実施学習をする新入学児童の姿を目にします。黄色い帽子が連なるさまは春の風物詩とも言え、誠にほほ笑ましくも凛々しく、これは小さなお子さんに限りませんが、交通安全の願いを一層強く印象づけるものでございます。また、その前後に行われます全国交通安全運動時には、区内地域ごとにマッチした、きめ細やかな交通安全啓発活動によりまして事故件数並びに死者数が減少するなど、地域の皆様の地道な安全活動のたまものであると認識し、今後も永続的な活動を願うとともに、事故抑制効果に期待をしております。
さて、今年春の改正道路交通法施行では、自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務化されたことや、あるいは七月一日施行分からは電動キックボードに関する交通ルールの緩和など、運転をする方、しない方にも影響が及ぶであろう法改正が盛り込まれております。これらの改正道路交通法は、本区の交通環境、そして道路事情と相性のよいもの、あるいはそうでないものとがあるように見立てておりますが、それらを含めた昨今の交通問題についてお尋ねいたします。
先般、人形町におきまして交通事故が発生しております。青信号で横断歩道を渡る小学三年生をミキサー車が巻き込んでしまうというもので、誠に痛ましい事故でございます。被害に遭われたお子さんの一日も早い完治をお祈りするとともに、この事故の問題点を洗い出し、再発を防ぐのが我々の使命でございます。既に、信号調整や啓発看板の設置あるいは植樹の部分調整など、各方面で素早い対応をなされておりますが、今回の事故で気になるのは、当該車両が工事関係者であったことでございます。つまり、建築工事を行う際にのみ往来する車両でございます。本区では、現在建築中のものから数年先の着工分まで、大規模な再開発事業を筆頭に、中小の案件まで含めれば、相当数の建築計画が存在しております。近接したエリアにおいて工期が重なれば、工事車両も、その間はその現場に集中することとなります。これまでにも道路や橋梁におきまして特殊車両の駐停車が問題になりつつあることも踏まえ、現場の位置関係や工事車両の数を鑑みて、同地区内の工期や作業工程をずらすなど、車両の総数による一定のルールづくりの必要性を感じております。
この件につきまして、あるいは事故に対する対策などもあれば、お聞かせください。
次に、七月一日に施行開始となります改正道路交通法におきまして電動キックボードの走行ルールが緩和されます。十六歳以上であれば、免許が要らない。そして、自転車道や路側帯あるいは、条件つきながら歩道までも走行可能と大変大きく緩和されるために、平均的に道幅が狭く、交通量の多いこの中央区におきましては、交通事故の増加が懸念されます。区として、この点についていかがお考えかお聞かせください。
次に、本区の道路にも自転車ナビマークが路面標示されるようになりまして数年が経過しております。そんな中、朝の通勤時間などは乗用車との接触を危惧するシーンに出くわすこともあり、思わずひやりとすることも一度や二度ではございません。また、近年では、歩道にあふれる放置自転車により、思わぬ事故やトラブルの発生を耳にしております。駐輪対策では、バリケードやコーンあるいはバーの設置などによるハード面での施策が効果を発揮している場所もございますが、歩行者の歩きやすさ、あるいは車椅子の往来のしやすさをも維持するには、それだけにとどまらない、ハード、そしてソフト両面での対策が必要と考えます。自転車の安全走行とともに、放置自転車について区としてのお考えをお聞かせください。
続きまして、コロナ禍により体力が低下した区民の皆様に向けたスポーツ施策についてお尋ねいたします。
コロナ禍がもたらしましたもう一つの健康被害が、運動機会の激減によりまして全年齢層に及ぶ体力低下や免疫力の低下あるいは高齢者のフレイルや認知機能低下、障害者の未病、子供たちの体力低下などでございます。まずは、かつての健康生活に戻すことが第一優先と思われますが、心身の発育期とも重なる未成年者は、この三年間を少なからず取り戻す意味からも、運動の必然性を周知し、あるいはスポーツへの新規取組などを促すなど、大変重要と考えております。
そこで、お尋ねいたします。
三年間にわたるコロナ禍により体力低下した区民の皆様へ、また、運動嫌いな方でも体を動かすことの喜びやスポーツの魅力を感じていただけるよう、楽しさ発見会などの試みは即効性があり、また、ポストコロナ禍の現在においては大変重要かと考えます。例えば、区民スポーツの日などの機会を捉え、運動の重要性を伝えるとともに、スポーツを促すなど、この時期に応じた試みが必要と考えますが、いかがお考えでしょう。
また、気軽にスポーツを始められる機会として、区の体育協会などが主催する各種のスポーツ教室あるいは地域スポーツクラブなどがございますが、これらの団体につきまして依然として存在を認識されない方も大変多く、さらなるアピールの必要性を感じております。この点についていかがお考えかお聞かせください。
また、広いスペースや特定のコートなどが必要なスポーツ教室などは、場所の確保が難しく、教室の開催がなかなか難しいなど、課題についても耳にしております。これらスポーツ教室などの現状、そして課題、問題点などがあれば、併せてお聞かせください。
そして、近年は、区内にある実業団チームがスポーツ教室などへ協力を申し出ていただくこともあるとお聞きします。こういったアスリートやプロチームと連携することにより、区民の皆さんが本物に触れ、スポーツの意義や奥深さを知ってくださり、楽しく、また、かつ永続的にスポーツをする動機づけになることと考えます。今後も長く広く区民の皆様へお伝えすることや、体験会の実施など、時に区のサポートも必要かと思いますが、この件につきましても御見解をお聞かせください。
続きまして、特別支援教育の充実についてでございます。
本区の特別支援教育は、昭和二十九年に明石小学校へ現在の特別支援学級につながるクラスを設置して以来、対象を中学校生徒に拡大するため、昭和五十九年に銀座中学校に設置し、月島地域の人口増加に対応するため、平成三年には月島第二小学校に設置しており、着実に受入れ人数を拡大してきております。しかしながら、近年の児童数増加とともに、特別支援学級児童も増加傾向にあることが見受けられます。
こうした中、改めて見直しますと、京橋地域には明石小学校、そして月島地域には月島第二小学校があるものの、残念ながら日本橋地域には特別支援学級はなく、日本橋地域に居住する特別支援学級児童は明石小学校へ通っているのが現状でございます。このような子供たちに対し、教育委員会が通学用タクシーの運行を行っていることは承知しておりますし、誠に感謝する次第ではございますが、地理的な観点で述べますと、やはり日本橋地域に特別支援学級がないことは、保護者に対して通学に要する時間的あるいは距離的負担をかけざるを得ない状況でございます。
日本橋地域における特別支援学級の設置に関しましては、児童数増加による教室確保等、様々な課題があろうかとは存じますが、子供たちが身近な環境で一人一人に適した教育を受けることが可能となり、本区の特別支援教育の充実にも資する日本橋地域の区立小学校における特別支援学級の設置を強く求めますが、教育委員会の御見解をお聞かせください。
次に、通学区域についてでございます。
本区には、開校以来の伝統や統合前からの歴史を踏まえると、既に百年を超える期間、地域に根差している多くの学校がございます。百年を超えずとも、まちの方々は学校に対して強い愛着を抱き、それゆえに、PTA、校友会などが学校の活動に協力し、地域が一丸となり、周年行事などを支援してくださっております。学校は地域コミュニティの核の一つと言えるものなのであります。学校と地域を結びつける強い絆は、人的なつながりにとどまらず、制度面の影響も大変大きなものと考えられます。私は、それを通学区域であると捉えております。
本区の地域コミュニティは、連合町会や町会・自治会などの御尽力により支えられているものであり、学校と町会の規模を考慮しますと、区立小学校十六に対して、連合町会の数は十七とほぼ同数であることから、統廃合や居住人口などによる違いはあるものの、小学校の通学区域と連合町会は面積的に近い規模感であることが分かります。例えば、一例を挙げますと、阪本小学校と日本橋七の部連合町会は、小学校の通学区域と連合町会の区域が完全に一致しております。小学校の行事やまちの祭りなどにおきまして、地域全体で取り組む様子が見受けられます。まさに、小学校が人をつなぎ、まちをつなぐ存在であることがうかがえますとともに、小学校通学区域と連合町会区域の一致がもたらす教育活動、そして地域活動への効果は極めて高いものと考えられ、このような地区の増加が望まれます。
具体的なお話となりますが、常盤小学校の通学区域は、大半が日本橋一の部連合町会の区域であるものの、本町三丁目東町会並びに本町四丁目東町会のみ、日本橋小学校の通学区域となっております。これは、隣接する旧十思小学校の経緯等もあるかと存じますが、まちの様子が変化し、新たに区内に居住する方が増加した現在におきまして、両町会を常盤小学校の通学区域とすることで地域の連帯感がさらに高まるとともに、こうした方々が連合町会をはじめとする地域コミュニティに関わる契機となり得ます。とはいうものの、私も小学校の通学区域が様々な経緯で設定されていることは重々承知しており、児童数が増加を続ける状況においても、学校の増改築や改修などにより現在の通学区域が維持されていることから、保護者のみの要望はもとより、地域の意向であったとしても、それだけで変更がかなうものでないことは十分に理解しております。しかしながら、学校を取り巻く環境の変化等、複合的な要因を考慮した場合、本町三丁目東町会と本町四丁目東町会を常盤小学校の通学区域に編入することは、学校と地域の結びつきをさらに強める可能性を秘めており、一考の価値があると思いますが、教育委員会のお考えをお聞かせください。
以上で私の第一回質問を終了いたします。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
塚田秀伸議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、水辺の魅力向上に資するにぎわいについてであります。
本区の貴重なオープンスペースである水辺において、魅力ある拠点を形成することは重要であります。区は、これまでも、水辺沿いの親水公園や散策を楽しめる親水護岸の整備など、水辺の活用を推進し、魅力的な水辺空間を創出してまいりました。また、今後、都では、築地市場跡地のまちづくりにおいて、親水空間の整備と併せて、船着場や民間活力を利用したにぎわい向上に資する施設の整備を予定しており、区では、築地の地域資源や立地特性を生かしたまちづくりについて要望しております。現在、私の水辺に対する思いをまとめた水辺環境の活用構想の最終取りまとめに入っており、近々公表したいと考えております。これにより水辺利用を積極的に推し進めるとともに、歴史的に利活用されてきた河川や運河といった水辺空間がさらなるにぎわいと魅力のある拠点となるように、舟運の復活も含め、取り組んでまいります。
次に、亀島川の緑道整備と水辺活用についてであります。
亀島川は、日本橋川から分かれ、隅田川に注ぐ延長約一・二キロメートルの水門に囲まれた静穏な河川域であります。これまで、区では都と連携しながら、護岸の緑化や旧稲荷橋付近において、水辺を近くに感じられる緑道の整備を進めてまいりました。緑道の整備につきましては、テラスへ接続する場所の確保など様々な課題がありますが、連続化の実現を目指してまいります。一方、水辺の活用については、地域主催によるボートやカヤックの体験など、水辺イベントが開催されており、にぎわいの場として利用されております。今後、亀島川の整備や水辺の利活用について、より一層の有効活用が図れるよう、課題を解決するとともに、都など関係機関と連携し、取組を進めてまいります。
次に、河川域の水質改善の取組についてであります。
水質の改善は、生物多様性の保全とともに、水辺の活性化を図る上で重要であると考えております。区内を流れる河川は、生活排水や産業排水の流入により、昭和三十年代をピークに水質が悪化いたしましたが、下水道の整備などの浄化対策により大幅に改善され、現在では多くの魚の姿も見られるようになったところであります。しかし、これらの河川は潮の干満の影響を受ける感潮河川であり、水の滞留時間が長いことから、春から夏にかけて溶存酸素量が減少するほか、汚泥が蓄積しやすいという課題があります。区では、隅田川水系浄化対策連絡協議会などの各種協議会に参加し、定例会や合同水質調査を通じて情報共有を図るとともに、国や都に改善の要請を行っております。また、都においても、各河川で定期的にしゅんせつ工事が行われているところであります。区といたしましては、水質のさらなる改善に向け、各種協議会に参加する区と連携しながら、広域的な取組を推進してまいります。
次に、隅田川のスーパー堤防と水辺の遊歩道化についてであります。
隅田川のスーパー堤防の整備は、都による整備事業のほか、護岸の背後地における開発や建て替えに伴い、協力の得られた箇所から順次整備が進められております。また、区内の隅田川テラスの連続化については、大部分が整備済みでありますが、支川の合流部で一部未整備となっている状況であります。亀島川水門及び住吉水門部分は、都が設置した検討会による、隅田川等における未来に向けた水辺整備のあり方(素案)において、今後の展開策として、テラスの動線強化の拡充が示されております。区といたしましては、こうした水辺に関する取組について、都の動向を注視するとともに、着実に推進されるよう都に対して働きかけてまいります。
次に、建設工事に伴う工事車両に対する区の指導についてであります。
建設工事においては、資材や建設機械の搬入、建設発生土の搬出など、多くの工事車両が行き来することになります。とりわけ、市街地再開発事業等の大規模な建設現場では、一日に数百台の通行も想定されることから、区では、これまでにも開発事業者に対し、走行ルートに関する交通管理者との十分な協議を要請するとともに、近接して複数の大型工事が想定される場合においては、工事工程や車両の走行ルートの調整により、周囲への影響を低減するように指導してまいりました。区では、今回のような工事に起因する事故等があった場合には、区内の工事中の市街地再開発組合に対し、安全対策の周知徹底について注意喚起を行っており、今後は、近接した工事との工程調整等に加え、特殊車両の待機が生じないような運行計画の検討についても指導してまいります。また、新たな取組として、中小規模の建設工事に対しても、区内の施工業者の団体等を通じ、工事車両の走行における安全対策の周知徹底を依頼したところです。今後も、建設リサイクル法の届出や報告書の提出など、施工業者が来庁する機会を捉えて、通学路やスクールゾーンを考慮した走行ルートや運行計画の検討を求めるなど、さらなる指導に取り組んでまいります。
次に、電動キックボードの安全対策についてであります。
本区では、令和三年十月から電動キックボードのシェアリングサービスの実証実験が行われていますが、路上パーキングや荷さばき駐車、歩行者が多いなどの地域特性があり、道路空間に新たな交通主体が加わることによる交通事故の増加などを懸念しております。昨年五月には、警察庁に対して、交通事故の危険性の高い道路空間には通行禁止区域を設けるなど、地域特性に柔軟に対応できる制度となるよう要望書を提出いたしました。また、本年七月の改正道路交通法施行前の六月十一日、歩行者天国実施中の銀座四丁目交差点付近において、警察署や事業者等と連携して電動キックボードに対する交通安全キャンペーンを実施し、交通ルール、マナーの遵守の啓発を行ったところであり、今後も繰り返し実施してまいりたいと考えております。区といたしましては、引き続き、事業者に対して自発的な交通安全対策を働きかけるとともに、警視庁や警察署には、さらなる交通安全指導の徹底と交通取締りの強化を要請してまいります。
次に、放置自転車対策についてであります。
放置自転車は、まちの美観を損なうとともに、歩行者の通行の妨げや接触事故等につながることから、区では、平成元年から、放置自転車の多い駅周辺において駐輪場の整備が完了した区域に対して放置禁止区域を定め、自転車の撤去を行ってきたところであります。このような取組により、駅前の放置自転車は減少したものの、近年では、人口増加や利用目的の変化に伴い、日常的な買物や送迎等での自転車利用とともに、町なかでの自転車の放置も増加している状況であります。区といたしましては、放置自転車クリーンキャンペーンなどによる意識啓発や注意喚起等を行うとともに、放置自転車の多いところでは、公共駐輪場への誘導や、放置が物理的にできないよう看板等の設置を引き続き行ってまいります。さらに、大規模開発などの機会や広幅員の歩道の活用などによる駐輪場の整備に向け、事業者や道路管理者など関係機関と連携を図り、放置自転車のない、歩きやすい歩行環境の確保に粘り強く取り組んでまいります。
次に、健康な生活に向けたスポーツの取組についてであります。
区では、コロナ禍においても、可能な限り感染防止対策を徹底しながら、子供を対象としたスポーツの楽しさ発見事業や、障害者を対象としたスポーツ・レクリエーション教室など、誰もが身近でスポーツを楽しめる機会を提供してまいりました。また、今年の区民スポーツの日では、マラソン大会の定員を拡大し、より多くの区民が参加できる機会を創出するとともに、区内にある相撲部屋の御協力により相撲体験コーナーを再開させるなど、内容の充実を図り、実施する予定であります。スポーツに親しむことは、体力の向上や健康の維持増進を図ることはもとより、豊かな生活を送る上でも欠かすことのできない重要なものであることから、今後もこうした様々な機会を通じ、スポーツの楽しさや重要性などを広く伝えてまいります。
次に、体育協会が実施するスポーツ教室等についてであります。
体育協会が実施する教室や地域スポーツクラブのプログラムについては、区が実施していない種目も多く、それらの事業の果たす役割は大きいものであります。区では、区のおしらせ等を活用し、これらの事業周知に協力しているところでありますが、団体の認知度を高め、一層の参加を促すことや、活動場所の確保といった課題があることも認識しております。地域スポーツを推進していくためには、区と関係団体との連携が不可欠であることから、団体からの要望を聞き取りながら、課題解決に取り組み、それぞれの強みを生かした事業を展開してまいります。
次に、実業団等との連携についてであります。
区では、毎年実施しているボッチャ交流会において、現役のトップアスリートをゲストとしてお招きし、一流のプレーを間近で見たり、一緒にプレーするなどの交流の場を設けております。参加された方には大いにお喜びいただき、自らも大会に出たいなどといった声も寄せられております。また、陸上部を持つ企業からの働きかけを受け、地域スポーツクラブに紹介することで、ランニングイベントの開催につなげることができました。アスリートと直接触れ合う貴重な経験はスポーツに対する関心を高めることから、区といたしましては、実業団等とのつながりをこれまで以上に大切にし、様々な場面で、こうした機会を提供していくことにより、区民にスポーツを継続的に行っていただけるよう取り組んでまいります。
私からの答弁は以上であります。
〔教育長 平林治樹君登壇〕
○教育長(平林治樹君)
教育問題についてお答えいたします。
初めに、特別支援教育の充実についてであります。
教育委員会では、特別支援学級児童の今後の推移を見定めつつ、子供たちの良好な教育環境の確保に向け、全地域への特別支援学級の設置や増設について検討を進めております。特に、日本橋地域への特別支援学級設置に関しましては、従前から要望をいただいていることに加え、明石小学校へ通学する児童へのタクシー運行を実施していることや、特別支援教育における適正な学級編制の観点から、児童が通いやすい立地やスペースの確保などが極めて重要であると考えております。今後、これらのことを総合的に勘案し、検討案がまとまり次第、お示しをしてまいりたいと存じます。
次に、日本橋地域における通学区域の変更についてであります。
日本橋地域の小学校は、いずれも長い歴史と伝統があり、通学区域につきましても、様々な経緯で現在の設定となっております。そのため、通学区域の変更に当たりましては、将来的な児童数の変化を慎重に見極めつつ、良好な教育環境の維持向上、また、日本橋地域への特別支援学級の設置などを考慮し、総合的に判断する必要があると考えております。従前より地元の連合町会等から要望のありました、本町三丁目東町会と本町四丁目東町会の常盤小学校通学区域への編入につきましては、これまで述べてきた観点に加え、地域コミュニティのさらなる強化も含め、前向きに検討してまいりたいと存じます。
答弁は以上であります。
〔二十二番 塚田秀伸議員登壇〕
○二十二番(塚田秀伸議員)
それぞれに御答弁ありがとうございました。
まず、水辺についてでございます。
区長から力強いお言葉で、現在、取りまとめしているということで、内容につきまして、これをまた近日中にお見せいただけるということなので、また、水辺への取組について、そういった力強いお言葉をいただきましたことに、大変ありがたい思いでございます。
それから、亀島川でございますが、やはり連続性、水辺の新しい活用法です。これまで、中央区の水辺といいますと、やはり護岸、緑道を造って、そこを歩いていただく、あるいはそこを憩いの場としていただくというパターンが一つの、いろいろ考えますと、そういう形にならざるを得ない面はあるんですが、亀島川の特性としまして、大変水面が堤防から比較的近いところにある。そういう意味では親水性が非常に高い面もございます。もちろん安全を確保した上ではございますが、新たな使い道、利活用の方法を探っていただく。現在でもイベント事が若干進められておりますけれども、新たな利活用方法をまた探っていただき、広くこういったことに期待されていることもありますので、ぜひとも前向きに進めていただければという思いでございます。
また、水辺全般、そして水辺もそうですけれども、現在、KK線をはじめ、高速道路の覆蓋化などによる遊歩道計画が進められているわけでございますが、既に一部が完成しております。朝潮運河、それから、今後、日本橋川もそうだと思います。そして、こういった亀島川なども含めて、今後はやはり遊歩道化、これは世界のトレンドでもございます。KK線のTokyo Sky Corridorと連結する形で、これはもう単なる私の意見でございますが、本区独自のグリーンコリドーあるいはウォーターコリドー、こういったものを展開していただいて、全長十キロ近くにも及ぶ大変長い遊歩道、そして水辺、緑の環境、そしてスカイコリドーとつなげるような遊歩道計画もぜひとも一考していただけるようにお願いいたします。これらは、いずれも本区独自の考えだけではない、東京都、そして国との考えを調整することは大変重要でございます。簡単なものではございませんが、どうぞ引き続き、皆様の要望でございます。広く、皆様に健康になっていただき、また、憩いの場として楽しんでいただく意味でも、ぜひともお願いいたします。
続きまして、交通安全についてでございます。
先ほど答弁でございましたが当然、これまでにも工事現場での車両のあらましであるとか、そういったものの調整はされているということでございました。やはり区内の某所で現在進められている説明書によりますと、車の台数であるとか、例えばミキサー車が何十台であるとか、一日の工事車両の延べ台数が何台であるとか、こういった数値が確実に記されておるわけでございます。一方で、日本橋地区などを考えますと、大変一方通行が多い。そして、これは工事車両に限らずなんですが、どうしてもA地点からB地点に向かうときに同じ道を通らざるを得ない。いろいろな道がある中でも、どうしても通行するルートが似通ってしまう。これは、例えば複数のバスがございますが、中規模以上の車が走る場合に、結果的にどういったルート、線形を描いていくかというと、どうしても限定されてしまうんです。
そういう意味では、中央区内でもあちこちで地域性がございまして、特に日本橋地域においては、やはり台数の制限であるとか、一定の数的な目安というのは要るんじゃないかなというような思いでございます。こういったことも、工事期間が延びるということは、それイコールいろいろあるわけで、なかなか言うほど簡単ではないんですけれども、やはり安全が第一であり、大変多くのお子さんも走ったり、元気に遊んでいる地域でもございますので、ぜひともこの点についてもお考えいただければという思いでございます。
そして、キックボードでございます。
これも自発的なマナー啓発、これは大変分かるんですが、要するに免許を持たない方にどこまで求めるかというものもございます。そして、中央区の中では、道路事情が、日本全国から見ますと、平均的にやはり大変狭小といいますか、狭い道路が多い。こういった道路環境もございます。また、大変多くの車両が通行する中で、ぜひとも今まで以上にマナー啓発、そして、皆様に周知徹底し、理解を進めていただけるように、告知、啓発をお願いしたいと思っております。
そして、自転車を取り巻く環境でございます。
これも、やはり人口増、そして利用の方法、そしてどういった活用法になるか、こういったものの変化がありまして、なかなか以前よりも放置自転車の数が大変多くなっております。この件につきましても、今後はやはり積極的に公共駐輪場を増やしていくこともそうだと思いますが、そういった使い方を促していく。ちょっとした買物であっても、ちょっとしたお出かけであっても、単にこれまであまり問題になってこなかった駅前に止めるといったようなことも、今後はそれぞれのまちで大変大きな問題になっていくであろうと考えております。ぜひとも駐輪場を造り、そこへの駐輪を促していくような方向性で、どうぞ進めていただければという思いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
そして、失われたコロナ禍の三年間に限らずでございますが、日々の運動の必然性というのは、お子さんから高齢者の方まで、どなたにとっても大変重要なものでございます。この機会と言うのもなんですが、コロナ禍に戻すというのがまず第一優先ではございますが、これまでスポーツをされてこない方に、ぜひともスポーツを始めていただくきっかけになっていただきたい。そういう意味では、先ほど区長の答弁でも、いろいろ可能性を広げて進めていただいていると。以前、私も体験したことがありますけれども、お相撲さんをはじめ、いろいろなプロスポーツ選手に来ていただいたりというのも近年では増えていると聞いております。そして、新しいスポーツもございます。今までの、例えば体育館、学校の施設を使ったり、そういったものとともに、何か新しい活用法、あるいは時間帯などもそうですけれども、ただでさえスポーツをする場が少ない中央区でございますので、可能性を広げていただいて、ぜひともここは区が調整していただけることにおいては、積極的に進めていただければという思いでございます。
最後でございます。特別支援教育、そして学区域についてでございます。
やはり近年の人口増加、そして、その人口の分布、住宅事情の変化など、以前より格段に大きく、また問題も様変わりして切実な問題となっております。ぜひとも、この機にいま一度見直していただきますようお願い申し上げます。
それぞれに御回答、答弁いただきました。大変予測困難であり、そして、計画の遂行すらままならない、この三年間でございましたが、今年度は、この間の時間を取り戻すことにとどまらず、新たな施策を講じ、今後の大きな飛躍、中央区の飛躍につなげることと期待をしております。将来像に掲げる「輝く未来へ橋をかける ――
人が集まる粋なまち」筆頭に、基本構想のいずれも具現化していくタイミングかと考えております。未来に向けて確実な歩みを一歩一歩進めていく、こういった姿勢で挑んでいただきますように、どうぞよろしくお願いいたします。
こうお願いいたしまして、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○二十三番(押田まり子議員)
議事進行について動議を提出いたします。
ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。
午後三時四十分 休憩
午後四時 開議
○議長(瓜生正高議員)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。まず、十番青木かの議員。
○十番(青木かの議員)
かがやき中央、青木かのです。さきに提出いたしました質問通告に従い、質問してまいります。再質問は留保いたします。
では、今回は再開発の話から始めたいと思います。
私は、決して再開発そのものに反対しているわけではありません。まちは生きています。その時々に合わせて変化するのに必要であるのならば、受け入れます。吉田副区長はよく、再開発で関係者を一人残らず幸せにしてきたとおっしゃいますが、果たしてそうでしょうか。再開発のため、他区へ移転した親しい友人が、ここ数年で、残念ながら三名亡くなりました。皆さん、六十代以上ですが、月島時代は大変お元気でした。でも、お年を召してからの生活環境の変化は、場合によっては心身ともにすり減らしてしまうおそれがあります。
中央区における再開発は、佃の大川端リバーシティから始まりました。その後、勝どき、晴海、そして月島と進んでいきます。私が改めて説明するまでもなく、大川端リバーシティは、IHI、石川島播磨重工業工場跡地です。勝どき東地区の多くは倉庫街でした。HARUMI FLAGは、東京オリンピック・パラリンピック二○二○大会選手村の跡地です。つまり、これらの大規模な再開発は、人があまり住んでいないところ、あるいはゼロからのスタートだったのです。しかし、現在進んでいる月島三丁目北と南、二つの再開発は、まさに人が住んでいる、まちに密着した生活が百三十年連綿と続いてきたまちなのです。この月島三丁目の再開発は、それだけ丁寧に準備をして工事を進める必要があったと考えます。
そこで、月島三丁目北地区再開発、この四月から現在に至るまでの具体的な事業者と区の対応を時系列で述べながら、今後の市街地再開発事業について区の考えをお聞きしてまいります。
六月九日に開催された環境建設委員会で、令和五年度市街地再開発事業地区の資料が出ました。平成二十八年度二十二件から、昨年、令和四年度には十二件まで減りましたが、令和五年度、今年度は十三件、検討中のものが十二件と、まだまだ新しい再開発事業が控えています。
そこで、お尋ねします。
今後の市街地再開発事業の方針、特に四年後、二十万都市が達成された後の市街地再開発について区の考えをお聞かせください。
次に、再開発事業の進め方についてです。
事業者は、まず説明会を開催する義務があります。といっても、形式的なもので、壇上の関係者の方々には、一緒にいいまちをつくろうという思いはみじんも感じられません。多分どの再開発の説明会でも同じように答え、必要とあれば謝罪する。ただただ時間が過ぎていくのを待っているように見えます。質問の手を挙げている方がまだいるのに、たくさんいらっしゃるのに、時間になりましたと言って一方的に終了する。区民館は、事前連絡すれば延長できることが分かっているのに、その誠意も見られません。確かに、これは事業者と地域、そして個人の問題でしょう。
では、このような誠意の感じられない説明会について、区は事業者にどのような指導をしているのでしょうか。住民と事業者が十分な意見交換をするために、区はどのような説明会の在り方が理想と考えますか。お答えください。
では、本題に入ります。
月島三丁目北地区再開発工事が始まり、昨年十月より、月島の狭い道路への大型工事車両の通行が始まりました。近隣への騒音・振動被害を軽減するために、分散通行を警察署より指導されているにもかかわらず、事業者は二つの区道しか設定していなかったため、被害の集中をもたらしました。特に、四月以降は、毎日百台もの汚染土壌運搬用の大型ダンプが狭い区道をひっきりなしに通行することになりました。多くの騒音や振動被害が発生。私のところへも苦情や相談が寄せられるようになりました。ついには、四月二十一日、月島一丁目の横断歩道上において大型ダンプによる自転車の巻き込み人身事故が発生しています。この後も、事業者は、警察の指導を無視し、大型ダンプの通行を一つの区道に集中させて四月から五月の二か月間にわたって、連日百台もの大型ダンプによる振動・騒音被害が続きました。結局、近隣住民の粘り強い申入れと、そのことで動いた警察署の強い指導により、ようやく近隣住民との合意による通行路の分散化、そして誘導員の増加、これが実現しました。
そこで、質問です。
当初、事業所は区の担当者からの度重なる指導を無視し続けました。この点について、区はどうお考えですか。
では、話題は月島から佃へと移ります。
現在、築百年の古民家、佃島の風景を守ろうという運動が広がっているのを御存じでしょうか。これまでも多くの建築士やまちづくりの学識経験者が、この飯田家住宅を訪れ、当時の住宅の研究対象となっていました。テレビでも、個性的なあるじとともに、よく紹介されていた古民家です。そんな中、昨年二月、当主であった飯田様が逝去され、あるじをなくした住宅の取壊しを危惧して、佃島旧飯田家住宅活用委員会が設立されました。専門家によるリノベーション計画、さらにテナントのめどが立ったことから、クラウドファンティングが開始され、募集締切りが三日後の二十四日の予定でしたが、今朝確認したところ、昨日、目標とする三百万円を達成したということです。旧飯田家住宅は魚問屋の店舗兼住居として大正九年に建てられましたので、商売道具から日常の生活用品まで、当時をしのばせる貴重な物資は、中央区教育委員会の御協力で郷土資料館に保存されることになりました。
では、そもそもなぜこのような状態になってしまったのか。佃島でも、更地にして売り地になり、今風の建物や低層マンションが混ざるようになりました。しかし、この飯田家住宅は建て替えて一般住宅にするのではなく、保全して、現在考えられている多用途なシェアスペースとして、多くの人が関わり、佃島暮らしの密度の濃いコミュニケーション空間を次世代に伝えることが大切な役目であると考えます。このままでは、築百年を超える貴重な建物が佃島からどんどん消えていく可能性があります。
そこで、質問です。
区として、月島地域最後のとりでとして、佃一丁目内の古い建物や路地を守ることはできないのでしょうか。将来的には、旧飯田家を国の文化財登録にする、佃島全体を町並み保全する、少なくとも高さ制限は必要になってくると思いますが、区の考えをお聞かせください。
次に、公共交通施策についてお尋ねします。
先日、有明に新しくできた天然温泉に行ってきました。会員になると料金が大変お得になり、ネイバーズ、つまり、近隣に住んでいるとネイバーズ優待料金になって、さらにお得という料金体系でした。このネイバーズとは、江東区民だけではなく、中央区の佃、月島、勝どき、晴海、豊海と、港区ではお台場が含まれています。既に、ビジネスでは、どの区かではなく、ベイエリアということが重要なのです。
中央区も、人口、特に一万二千人が住むことになるHARUMI FLAGのまち開き前に、区内公共交通の強化に取り組んできたのは承知しています。晴海の人口がさらに増加する前に、いわゆる交通不便地域の解消は急務だと考えます。しかし、ゆりかもめに始まり、BRT、都バスの増便も含め、東京都との取組は苦戦しているように見えます。先ほどの有明ガーデンへ行くとき、私は、豊洲まで歩き、そこからゆりかもめに乗っています。ゆりかもめは大変快適な乗り物です。定時性、速達性も備えている。車窓からの湾岸の眺めもすばらしい。何度も持ち出して申し訳ありませんが、交通政策審議会で答申された際、早いタイミングで勝どきまで延伸、さらに新橋まで延長して環状化していれば、現在の臨海部の交通問題はかなり解消できていたのではないか。これはあくまでも仮定の話ですので、答弁は求めません。
BRTと都バスに話を戻します。先日、六月一日、中央区長名で二件の要望書が東京都に出されました。
一件は、東京都都市整備局長宛て、東京BRTの本格運行開始を要望するものです。一部引用しますと、貴局におかれましては、晴海フラッグの入居状況や公共施設などの開設時期、交通需要などを適切に捉え、東京BRTの本格運行の開始や運行計画の設定などを行っていただくよう、お願い申し上げます。
この要望書にどれだけの効力があるのでしょうか。特に、入居の状況を見ながらで間に合うのか。入居前、遅くとも今年の年末までに運行計画を出してもらう必要があるのではないでしょうか。そもそも、都は、満足なバス停さえ、まだ整備していません。BRT勝どき駅は、いまだに昔ながらのポールだけの停留所です。もともと風の強い場所ですから、雨の日は、皆さん、吹き飛ばされそうになりながら並んでいらっしゃいます。当初、BRTのホームページで紹介されていた屋根つき、ベンチつき、デジタルサイネージつきのバス停の整備も間に合っていないなど、このままではBRTへの区民の期待はどんどん薄れていきます。
そこで、お尋ねします。
中央区が現在想定している今後の東京BRTについて、本格運行はいつ頃になるのかなど、できるだけ具体的にお答えください。
二件目の要望書は、東京都交通局長宛て、晴海地区における都営バスの拡充についてです。こちらも重要な部分を引用します。貴局において都営バスの路線や便数などを検討するにあたり、晴海フラッグの入居状況や公共施設などの開設時期、交通需要などを適切に捉え、都営バスの拡充及び新たなルートでの運行を早期に開始していただくよう、お願い申し上げます、ここまでが引用です。
そこで、質問です。
要望の中身は、先ほどのBRTとほぼ同じです。こちらも、中央区が想定する、中央区にとって最適と考える都バスのルートや便数の増加と再拡充についてお答えください。
さて、ここまで中央区と東京都が推進するベイエリアの公共交通について述べてまいりましたが、次に、これまでの一般質問の中で私が要望し、区長からも大変前向きな答弁をいただいた公共交通について、現状と今後の計画についてお尋ねしたいと思います。
まずは、環状第三号線についてです。
令和二年第一回定例会の一般質問で、新島橋工事がようやく完了いたしまして、そのまま勝どき、そして、地下通路を使って、トンネルを出れば、そこは東京タワーという、これは大変な観光資源にもなると思います、この環状三号線について、どれくらい中央区として力を入れていくお考えがあるかお聞かせください、これが当時の私の質問。この質問に対し、吉田副区長の答弁を議事録から引用しますと、環状三号線が、三一四号線の入ってくる道とか何かに妨害されずに、ある意味でストレートに入っていくのであれば、環状三号線の有効性ということも否定できないので、そういった全体の道路に対する本区の姿勢というものを整理させていただいて、東京都に、我々としては働きかけていく必要があるというものでした。
このトンネルを通れば、勝どき、芝、そして、現在再開発中のJR浜松町駅周辺を五分ほどでつなぐことができます。晴海通りも環状二号線も通りませんので、臨海部の交通量を分散し、渋滞緩和策として現実的な選択肢の一つだと考えます。まさに、水辺の活用です。また、この環状三号線は、今回、東京都が提唱する東京ベイeSGまちづくり戦略二○二二の中にも、ベイエリアと区部中心部を結び交通・物流ネットワークの強化が期待される環状三号線の早期事業化に向けた取組を推進とあり、東京都は環状第三号線については熱心なようです。
そこで、お尋ねします。
これを受けて、現在、区が行っている環状三号線実現への取組状況を教えてください。
もう一つは、水上交通です。
令和三年第三回定例会の一般質問で取り上げました。恵まれた舟運を生かし、かつ生活の多様性も進んでいる中で、水上バスの必要性について質問したところ、こちらも議事録から引用しますと、都では、HARUMI FLAGの入居開始に合わせ、マルチモビリティステーションに隣接する位置に船着場を計画しており、定期船の誘致・就航が検討されておりますとの区長答弁をいただきました。
また、令和四年三月に策定した中央区総合交通計画では、水上交通ネットワークの充実として、身近な交通手段として利用されることを目指し、新たな舟運ルートの開設を促進するという文言が入っています。実際、本年度の予算書には、水上交通活性化事業として一千三百二十六万九千円が計上されています。
そこで、お尋ねします。
この水上交通について、本年度実施する基礎調査の結果を踏まえ、今後の展開についてどのように考えているのかお答えください。
ここまでが一回目の質問です。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
青木かの議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、今後の市街地再開発事業の方針についてであります。
市街地再開発事業は、住環境整備に限らず、大都市を支える主要な交通基盤の整備や更新、防災力を高める面的整備等の推進を目的として進められる都市計画事業であります。本区におきましては、都心・臨海地下鉄新線の実現や首都高速道路日本橋区間の地下化をはじめとした高速道路の再編が喫緊の課題となっているほか、にぎわいを創出する新たな歩行者ネットワークの形成や、水害対策を講じた水辺空間の整備など、本区のさらなる発展を支える基盤整備を着実に進めていく必要があることから、まちづくりの一つの手法として、今後とも市街地再開発事業を活用していくものであります。
次に、事業者が行う市街地再開発事業の説明会についてであります。
都市再開発法や条例に基づく説明会の開催に当たりましては、説明会の場に限ることなく、参加できない方や疑義がある方に対する個別対応を行うなど、事業者としての説明責任を十分に果たすよう指導しているところです。区といたしましては、説明会に関する法や条例の趣旨を踏まえ、十分な情報開示を行うとともに、一方的な説明にならないよう、住民の方の御懸念や御意見を真摯に受け止めながら、分かりやすく丁寧な説明を誠意をもって尽くす、そのような説明会を望むものであります。
次に、月島三丁目北地区市街地再開発事業の工事に伴う車両の通行についてであります。
当地区の工事車両につきましては、交通管理者との協議や説明会等での意見を踏まえ、あらかじめ複数の経路が設定されております。こうした中、関連工事の影響に伴う一部経路への集中など、地域から寄せられた御意見や相談内容を踏まえ、その都度、事業者への指導を行ってきたところです。事業者側では、区の指導を受け、低速での走行や路面状況の確認などの早急な対策を講じるとともに、走行経路の再設定や安全対策の再検討を行いましたが、その実施に向けては、交通管理者との再協議や地域の方々との調整のほか、交通誘導員の確保や運行ドライバーへの周知徹底などが必要であり、一定の時間を要したものと認識しております。区といたしましては、今後とも、地域の状況を確認しながら、地元への影響の軽減やさらなる安全性の確保が図られるよう指導してまいります。
次に、佃一丁目の建て替えについてであります。
まちに建ち並ぶ建物や、公道ではない路地などの土地は全て私的所有物であり、町並み保全の観点による高さ制限など、建物等への使用制限をかけることは、区からの発意によって行うべきではないと考えております。こうした制限につきましては、地元からの発意の下、地域の中での話合いを経た上で、合意に基づき、定められていくものと認識しております。また、国に対する文化財登録申請に当たりましては、建物所有者の保存に対する意思が重要であることに加え、教育委員会と所有者が連携しながら手続が行われるものと認識しております。
次に、東京BRTと都営バスについてであります。
晴海地区では、HARUMI FLAGの入居が令和六年一月から順次開始される計画となるなど、まち開きに向けた動向が変化してきております。そのため、都に対して、大幅な交通需要の増加を踏まえ、HARUMI FLAGの入居状況や公共施設の開設時期などを捉えながら、東京BRTの本格運行や都営バスの拡充を図るよう要望したところであります。令和五年四月には東京BRTがプレ運行(二次)を開始し、現在、本格運行に向けて、マルチモビリティステーションの整備や停留施設の設置などが進められております。本格運行につきましては、晴海地区のまち開きに向けて開始するとしているものの、具体的な時期は示されておりませんが、区といたしましては、HARUMI FLAGの入居など、交通需要が増加するタイミングに応じて早期に運行されるよう、引き続き働きかけてまいります。また、都営バスについては、拡充に当たり、晴海五丁目地区内の交通需要に対応できる停留所の配置やルート、運行頻度となる必要があるものと考えております。今後も、晴海地区の交通利便性の向上に向けて、関係機関へ働きかけてまいります。
次に、環状第三号線についてであります。
環状第三号線は、平成五年に都市計画決定されたものの、事業化のめどが依然として立っていない状況であります。都が令和四年十二月に策定したTOKYO強靱化プロジェクトでは、防災拠点等へのアクセス強化に資する環状第三号線の整備がリーディング事業として位置づけられ、改めて都市の骨格を形成する重要な路線であることが示されました。また、第四次事業化計画期間である令和七年度までの事業化を目指し、未整備区間である中央区勝どきから港区芝公園までの約二・三キロメートルについて検討が行われているところであり、今後、事業化に向け、都と関係区との協議が図られるものと考えております。そのため、区では、公共交通に係る各種計画や、周辺の開発状況など、勝どきや豊海町などのまちの将来像も見据えながら、地域の意見を含めた、地元区としての考えを整理することが必要であると認識しております。区といたしましては、引き続き都の動向を注視するとともに、今後の協議の中で、区の考えを踏まえた整備となるよう都に働きかけてまいります。
次に、水上交通についてであります。
基本計画二○二三においては、区民の新たな移動手段となる舟運の整備をリーディングプロジェクトとして位置づけております。今年度は、区内船着場の利用者数や航行可能な船舶のサイズなどの現状を整理するとともに、需要の概略調査や基本方針の検討など、舟運の活性化に関する基礎調査を行っているところであります。今後は、基礎調査の結果や都が行った社会実験などの調査を踏まえ、事業スキームの検討を行うとともに、適切な運賃やルートを検証するため、区独自の社会実験を行うなど、詳細な検討へ進んでまいりたいと考えております。区といたしましては、通勤や日常的な移動手段として広く利用していただけるよう、陸上交通との連携による回遊性の高い舟運ルートの開設に向けた取組を進めてまいります。
答弁は以上であります。
〔十番 青木かの議員登壇〕
○十番(青木かの議員)
それぞれ答弁ありがとうございました。
順番は後ろのほうからまいります。こうして新しい公共交通のこと、答弁をお聞きしておりますと、やはり中央区としては、舟運の活用、前議員も、ずっと中央区は水辺のまちであったという水の歴史、お話がありましたように、環状三号線もトンネルを通る、それから水上バス、水上交通など舟運を活用した公共交通ということにぜひ引き続き力を入れていただきたいと思います。
それから、市街地再開発事業なんですが、市街地再開発事業についても、前議員から日本橋のほうでの質問がありましたが、やはり交通量が大変増えています。大変増えていますと、こんな漠然とした数値では説得力がありませんので、ちょうどその時期、確かに事業者からは、近隣者の皆様へという、この時間、この日、何台走りますというのが出されております。比べましたところ、初日です。初日、二日、三日、全部その数値を超えております。つまり、事業者は言われたことをちゃんと出しますが、それを誰が確認するかという問題なんです。そこに私は区の介入というものをお願いしたのです。
区の担当の方は大変一生懸命やってくださいましたが、もう事業者の方が慣れていらっしゃると言うと失礼かもしれませんが、その場ではいい対応をしてくださるのですが、なかなか車の量は減らない。最終的には、やはり警察が介入することによって、こうして出されたとおりの数に抑えていく。つまり、車の数だけではなく、ルートです。これは大変重要です。今、私のところにいろいろ意見が来ているのは、地元の月島三丁目北になりますので、やはり通学路にも重なります。この問題、ですから、八時から工事が始まりますが、八時前から大量の大きな車が、ダンプが押し寄せてきて駐車しているという状況、そして、それはバス通路に止まっていたり、あるいは橋の上に、月島橋の上に駐車しているダンプもあるということで、これは明らかな違反になります。そのところをしっかりと、警察は最近もよく見てくださるようになった。
あと、先ほど私の最初の話の中でお話しさせていただきましたように、誘導者の方が大変よくなった。これは大きいです。できることとできないことがありますが、誘導者の方を増やしていただく。そして、しっかりと誘導していただく。ただ見ているだけではなくて、年配者が来たら、お子さんが来たら、すぐ駆け寄ってという、これは私もずっと見ていますが、誘導者の方が一生懸命やってくださるだけでも事故は減ると思います。事故は起きない、これが一番です。
それから、もう一つ、これから中央区はまだまだ地下鉄の問題があるので、はっきりとおっしゃいませんでしたけれども、再開発は続けていくということですよね。でも、以前には、たしか中央区の適正人口は二十万人ということもいただいておりますので、以前ありました街並み誘導型地区計画、月島については、月島地区まちづくりガイドラインなどのすばらしいガイドラインもありますので、ここに一旦戻るということも考えていただきたいと思います。
最後に、一問だけ再質問、佃一丁目、クラウドファンディング、そして旧飯田家住宅です。
これにつきましては、ちょっと前向きな御答弁をいただきました。国の文化財に指定するということ、これには教育委員会の大変な協力が必要になりますので、その点について、教育委員会として協力していただけるかどうか、最後の質問といたします。よろしくお願いいたします。
〔教育長 平林治樹君登壇〕
○教育長(平林治樹君)
青木かの議員の再質問にお答えをさせていただきます。
佃一丁目の国の文化財登録に関してでございます。
本件に関しましては、区長が答弁で申し上げましたとおり、所有者の意向に沿いまして、相談があり次第、教育委員会として申請を経由するという立場かと思っております。あくまでやはり所有者の方々が、所有する建物を国の文化財として登録をしたいんだと。その意思の下、教育委員会を通じて、国の文化庁に対して申請を行っていくと。最終的には国の文化庁が文化審議会を経て、これを登録するかどうかという最終決定を下すということでございますので、ある意味、区としては、その申請のお手伝いをさせていただくという立場かというふうに考えてございます。
答弁は以上でございます。
〔十番 青木かの議員登壇〕
○十番(青木かの議員)
この重要なところ、そこだけお答えいたします。この土地の所有者と建物の所有者は、別々で二名いらっしゃいますが、賛成していらっしゃると。前向きに協力をしていただくということを確認いたしましたので、教育委員会をはじめ、中央区のほうでも、ぜひ御協力をよろしくお願いいたします。
私の質問は以上です。ありがとうございました。(拍手)
○議長(瓜生正高議員)
次に、一番ほづみゆうき議員。
○一番(ほづみゆうき議員)
会派かがやき中央のほづみゆうきです。今回、初めて一般質問させていただきます。さきに提出いたしました質問通告書にのっとり、質問させていただきます。区長並びに理事者の皆様におかれましては、区民福祉の向上のため、ぜひ前向きな御答弁をお願いいたします。なお、答弁の内容によりましては、再質問を留保させていただきます。
まず、放課後の居場所対策についてです。
本区においては、二○二三年四月時点で二百六十名もの学童クラブの待機児童が発生している状況です。また、人口推計によれば、今後も出生数は伸び続け、今年一千七百六十八人である出生数が、二○三三年には二千三百七十五人となる見込みとなっております。子供の数が増えれば、学童クラブのニーズも高まります。これまで学童クラブの定員を超えるニーズに対しては、プレディへの受入れで対応するというのが区のスタンスでありました。つまり、プレディは学童クラブを補完する位置づけであるということです。また、先日の委員会にて報告いただいたとおり、二○二四年四月から、プレディプラスとして、現在プレディが運営されている小学校の中で学童クラブを設置することとなり、双方の関係性はより強くなるものと考えております。
ここでの一つの課題意識は、学童クラブを補完するものという位置づけになっているプレディが、利用者にとって必ずしも同じように利用できないという点であります。具体的には、おやつの提供時間が異なること、長期休暇中の弁当配送の対応の可否などが、明確に異なる点として挙げられております。その他、定量的なものではありませんが、プレディのほうが遊び道具が少ない、人数に対して場所が狭かったり、スタッフの数が足りなかったりするといった点も指摘されております。例えば、利用時間については、延長で十九時半まで利用できるようになっており、できる限り両者を一体的に利用できるよう努力いただいていることは理解しております。一方で、上記に挙げたような点で、まだまだ利用者にとって、プレディが学童クラブの代替とはならないような部分がございます。区が言うように両者を一体的に運営していくためには、これらの違いを、利用者目線に立った上で、どうやって埋めていくのかという点が今後の大きな課題であるという認識です。
ここから質問いたします。
まず、現状の学童クラブとプレディの利用に当たり、利用者にとっての違いの部分について、どのような点があると認識されておりますでしょうか。
次に、これらの運用面での違いの部分について、今後、これらを一体的に運営していくプレディプラスにおいて、どのように対応していく見込みでしょうか。特に、運営上の都合によって利用者に不便なやり方で統一されるようなことがないように、最大限配慮が行われるというような理解でよろしいでしょうか。
最後に、実態調査についてです。
先ほど例に挙げた点は、これまで利用者の声として、SNSもしくは直接我々のほうに寄せられた内容でございます。これらの内容は、あくまで一部であって、実際の利用者の方々に直接お話を聞けば、もっと細かい部分での違いや要望があるのではないかと考えております。この点を明らかにするためには、実際の利用者の方にアンケートを依頼することが最も望ましいと考えます。このような実態調査は、これまで実施されていないかと考えます。特に、今年度は、次年度からのプレディプラスの導入に当たっての検討が行われる絶好のタイミングでもあります。現在の学童クラブ、プレディの利用者の方々にアンケートを実施し、現在の利用状況や満足度などを調査することが不可欠と考えますが、区の見解についてお示しください。
次に、児童館への直接来館についてです。
次年度から、小学校への学童クラブ設置により、一千人規模の定員が増加するということを伺っておりますが、完了する予定であるのは二○二六年四月で、まだ先であること、今後も利用ニーズは増加傾向にあることを踏まえると、短期的に実行できる施策も並行で導入するべきと考えます。この観点から、児童館への直接来館について提案いたします。
これは、学童クラブを待機になってしまった子供などを対象にして、小学校から直接児童館に行くことができるようにする制度です。名前は区によって様々ですが、二十三区でいいますと、八区で既に実施されております。この特徴は、学童クラブの待機になった子供でも、放課後の居場所として児童館を利用できるようになるということです。現状ですと、学童クラブが利用できない場合、区として提供している放課後の居場所はプレディのみですが、この制度の導入によって、もう一つの選択肢、すなわち児童館に行くという選択肢を提供できるようになります。
重要と考えますのは、選択肢が複数あるということです。プレディが楽しいという子もいれば、児童館が楽しいという子もいます。例えば、学童クラブからプレディに移ったお子さんで、学童クラブは喜んで行っていたが、プレディは合わずに行きたがらないというような声もお聞きしております。それぞれの好みに合わせて選択できるということが、子供たちの放課後の居場所を充実させることにつながるのではないかと考えております。何より、現状として、多くの学童クラブの利用希望者に対して、定員が足りないという理由からプレディを利用していただいているのが現状です。しかしながら、先ほどの質問でもお伝えしたとおり、両者は制度上での位置づけも異なることから、区の見解として一体的な運営というスタンスではあるものの、実際に中身が必ずしも同じではございません。
基本計画二○二三には、まちづくりの視点の一つ目として、一人一人の生き方が大切にされた安心できるまちを目指してという文言が掲げられております。子供たちの放課後の居場所の多様化という観点から、このような施策を中央区でもぜひ導入するべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解についてお示しください。
次に、日本橋プラザ株式会社への土地貸付額についてであります。
日本橋プラザ株式会社は、区有地の有効活用を目的として、区と銀行や不動産会社など民間事業者と共に、いわゆる第三セクター方式によって一九八五年に設立されたものです。中央区は、資本金十億円のうち五・五億円の出資のほか、区有地の貸付けを行っており、毎年、株式の配当金と土地貸付収入が区の収入となっていることを確認しております。令和三年度の実績では、株主配当金が一千六百五十万円、土地貸付収入が六・五億円です。また、損益計算書を見ると、令和三年度の当期純利益は約一・二億円で、会社としての利益も出ているような状態であるようです。
このように、区としては、毎年、配当金と土地貸付収入が入っていて、会社自体は黒字経営をしていてということで、一見すると何事も問題ないかのように見えますが、気になるのは、区の土地貸付料についてです。直近五年分の決算書を見たところ、他の区有地は、年を経るごとに、基本的に貸付料は上昇しております。例えば、コナミリアルエステート株式会社に貸し付けている銀座一丁目の土地、清水建設株式会社に貸し付けている京橋二丁目の土地は、二○一七年度から二○二一年度にかけて約一・六倍に上昇しております。一方で、日本橋プラザ株式会社に貸し付けている土地は、常に六・五億円と変動がございません。中央区行政財産使用料条例第二条第一項の二には、土地を使用させる場合には、当該土地の位置、形状、環境、使用の態様等を考慮して算定した当該土地の適正な価格に千分の二・五を乗じて得た額とあることから、基本的に、その土地の評価によって貸付料が設定され、その額が変われば、土地貸付料も変動されるものと認識しております。一方で、同条例の第五条には、何らかの理由がある場合には使用料の減額または免除ができる旨の記載があり、中央区公有財産管理規則には、具体的な手続として、減免を受けるためには、申請書を区長宛てに提出する旨の記載があります。
これらを踏まえて、質問いたします。
まず、日本橋プラザ株式会社に貸し付けている土地は、何らかの減額措置を受けている結果として、現在の貸付料となっているような理解でよろしいでしょうか。また、減額措置を受けている場合には理由が必要ですが、その理由はどういった内容でしょうか。
次に、令和三年度において区が収入として得た額は、先ほどお伝えしたとおり、土地貸付料は六・五億円ですが、当該土地の本来の評価額は幾らだったのでしょうか。また、令和五年度時点の評価額についてもお示しください。そして、今年度においても減額措置が行われているのであれば、今年度の土地貸付料については、幾らでしょうか。
さらに、過去も含めて、もし減額措置が行われ、その上で現状の経営が成り立っているということである場合、これは区が第三セクターである日本橋プラザ株式会社の赤字を実質的に補塡しているということになるかと思います。ここで何より重要であるのは、この実質的に赤字を補塡していた額というのは、本来得られるはずであった区の収入であり、これは子供や高齢者もしくは商工関係者など、区内の福祉や経済をより充実させるために使うことができたはずのものであるということです。
本件については、区には二つの点での責任があると考えております。一つは、区民の財産である区有地の土地貸付料を日本橋プラザ株式会社に対して本来の評価額で支払わせておらず、本来得られるはずであった収入を得ていないという責任です。もう一つは、経営の一端を担う者として、本来の土地貸付料が支払えないような状態を招いているという責任です。これは一義的には会社の責任ではありますが、区は五五%の株を保有している最大の株主であり、役員名簿を拝見しますと、報酬は発生していないと伺っておりますが、現職の議長や副区長、総務部長など区の関係者のお名前も並んでおります。また、過去の議会の答弁でも、区の関係者が経営に関わっていること、そして、そうあるべきというような見解が示されております。この結果として、実質的な経営不振を招いているとすれば、その責任は区にあると考えるのが妥当だと考えております。
これまでを踏まえ、質問いたします。
まず、区の役職をお持ちの方で役員に名を連ねていらっしゃる方がいらっしゃいますが、これらの方に対する日本橋プラザ株式会社からの役員報酬や退職金などの支出は一切ないということでよいでしょうか。この点を確認させていただいた上で、現在の経営状況についての所感と区の責任についてお聞かせください。
最後に、今後の経営改善の方針についてです。
これまでも経営努力や経費節減を行っていただいていることは理解しておりますが、区民の財産を最大限有効活用させるためには、一層の対応が必要と強く感じております。日本には数多くの経営不振の第三セクターがあることから、その改革には数多くの事例があります。例えば、民間企業への株式売却や、株式会社を解散して区の所有とした後に指定管理者制度を導入するであったりですとか、そういった手法によって経営体制を抜本的に刷新している例もあります。こういった他の自治体の例も踏まえ、今後の経営改善の方針について区の見解をお示しください。
次に、公正な入札が行われるための制度上の整備についてです。
入札に関する不正や、それによる関係者の逮捕などは、残念ながら、様々な自治体で起こっていることであります。近年の例では、お隣の江東区で二○二二年に清掃管理業務の指名競争入札に当たって不正な行為があり、当時の区議会議員や区職員らが逮捕されるという事件は記憶に新しいところです。このような事件が発生しますと、不正行為の実態把握から現状の課題の分析、その上での再発防止策が講じられるというのが通例の流れです。江東区においても、江東区契約にかかる不正行為等防止検討委員会が立ち上がり、今年の五月に報告書が取りまとめられ、今後、様々な対策が講じられることとなっております。
幸いにして、本区では、関係者の皆様の御努力のおかげで、近年に同様の入札に関する不正行為が起こっているという話は把握しておりません。しかしながら、いつ同様の事態が生じるかは分からないというのが実情でありまして、であればこそ、他の自治体での事件を他山の石として、公正な入札を実現させるためには、効果のある施策は積極的に取り入れていくべきものと考えております。
入札制度の改善に関する論点は多岐にわたりますので、この中から今回は二点を質問で取り扱います。
一点は、予定価格の取扱いについてです。
予定価格は、入札の際の区側の予算の上限となる金額で、中央区入札予定価格等公表要綱によれば、建設工事については、入札を行う前に応札業者が予定価格を知ることができるようになっております。この予定価格の事前公表には、メリット、デメリットがあることが知られております。総務省の資料によれば、職員に対する予定価格を探る行為などの不正行為の防止が可能となることがメリットとしてある一方で、談合が一層容易に行われる可能性があること、積算能力が不十分な事業者でも、事前公表された予定価格を参考にして受注する事態が生じることをデメリットとして挙げております。また、落札率が高止まりするという点についての指摘もあり、事前公表をするようになった後に、再度事後公表に切り替えた自治体もあるようです。このほか、国土交通省は、公共工事の入札及び契約の適正化の推進についてという文書において、予定価格の事前公表について、適否について十分に検討した上で、弊害が生じた場合には速やかに事前公表の取りやめ等の適切な対応を行うこととあり、決して事前公表を行うべきというスタンスでもありません。
これらを踏まえると、メリット部分である不正行為の抑止については、別の手法で担保しつつ、予定価格の事前公表をやめることで、落札率が高止まりするというデメリットを解消し、予算をより有効活用できるようにするというのも、一つの方向性として、あり得るのではないかと考えております。本区において、あえて予定価格を事前に公表しているという経緯と、今後の見直しについての所感についてお伺いいたします。
もう一点は、いわゆる口利き行為を抑止するための制度の導入についてであります。
これは、先ほどの予定価格の非公表による職員に対する不当な働きかけの抑止を担保するものという位置づけでもあります。冒頭に例に挙げた江東区のように、入札に関する情報は結果を左右するものであるがゆえ、担当となる職員は、その情報を漏らすような圧力を受け得るという構造にあります。そして、その圧力をかける存在が上司や政治家といった立場である場合には、従わざるを得ないと受け止めてしまうケースもあります。これらの不当な圧力から職員を守るために必要と考えるのは、これらの働きかけがあった場合に、その内容を記録する制度の導入です。こういった制度を導入することで、圧力をかけてこようとする立場の者がそういった行為をすれば、必ず表沙汰にせざるを得なくなるというところから、その働きかけを抑止する効果が期待できます。都内においても幾つか、既に導入している事例がありまして、東京都や目黒区、新宿区、中野区など、既に導入済みであるほか、江東区でも、今回の事件を受けて、導入が検討されております。現時点においても、建設工事以外の予定価格は事前公表されておらず、これに限らず、入札に関して秘匿すべき情報は多々あることから、本区の入札関係の職員も、こういった不当な圧力を受け得る立場に置かれているというのが現状です。
これを踏まえ、本区においても同様の制度導入に向けて検討を進めていくべきと考えますが、区としての見解をお示しください。
最後に、江戸バスの運営についてです。
江戸バスは、区内の各施設へのアクセスを充実させることで、区民の皆さんの利便性向上などを目的に運営されているものと理解しております。ただ、全体の経費としては、年間約一・五億円程度かかっており、これに対する収入は五千万円程度にとどまることから、毎年、一億円程度を区で補助している状態です。このような中、六月からは高齢者等への無償化が実施されます。過去のアンケート結果では、六十歳以上が乗客の四割以上を占めていることから、収支はさらに悪化することがほぼ明らかです。この無償化は福祉向上のためという答弁が先日の委員会ではありました。一方で、福祉目的であるからといって、無制限に予算を費やしてよいわけではありません。釈迦に説法ではありますが、地方自治法には、こういった文言がございます。地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。すなわち、目的が正しいにしても、多様な選択肢を検討した上で、その中で最大限に効率的な業務を行っていただく必要がございます。
今回の施策の目的は、高齢者及び障害者の外出機会を確保し、健康づくりや生きがいづくりへの主体的かつ持続的な取組を促進するとともに、妊婦の通院や出産後の乳幼児健診、日常生活等の利便性の向上及び親子の外出機会の創出とあります。そして、この無償化によって、これまで対象者が支払っていた運賃は支払われなくなることから、この見込みが一千万円から二千万円程度と伺っております。となれば、この目的を達成するに当たって考え得る様々な選択肢の中で、そもそもこの施策が効果的であったのか、さらには、他の選択肢と比較して最も効率的であったのかについても厳しく検証が行われる必要があります。
この観点からお尋ねします。
まず、本施策を行うことによる、今年度の江戸バス運営に係る収支の見込みについて教えてください。
また、対象の方々、すなわち高齢者、障害者、妊婦の方等がどの程度の頻度で利用して、外出機会が増えることや利便性の向上など、どの程度施策の目的として掲げた行動を取るようになったのかについては、今後、どのように検証されるのでしょうか。
さらに、その検証によって、十分に効果を発揮していないことが明らかになった場合には、この施策を撤回するということもあり得るという理解でよいでしょうか。
一度目の質問は以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
ほづみゆうき議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、学童クラブとプレディについてです。
学童クラブは、保護者の就労等により家庭での保育が困難な児童に対して生活の場を提供するものであり、プレディは、学校の空き教室を活用し、見守りを行う児童の居場所であります。こうした事業の成り立ちから、指導員配置や面積基準などサービス内容のほか、弁当配食やおやつの提供に関する保護者の関わりには相違があるものと認識しております。プレディプラスの実施に当たっては、児童館を運営する事業者に委託することで、職員配置や活動内容のノウハウを同一校内の学童クラブとプレディにおいて共有し、保育内容やイベントの開催など、同水準のものを提供してまいります。児童館やプレディ利用者の意見については、日頃の活動の中で児童や保護者とコミュニケーションを図りながら伺い、事業運営に反映しております。区といたしましては、現時点で実態調査を実施する考えはありませんが、今後も引き続き利用者の声を聞くとともに、これまでいただいた意見も参考にして、子供たちにとってよりよい放課後環境を実現できるよう取り組んでまいります。
次に、学校から児童館への直接来館についてです。
本区では、学童クラブの待機児童が増加する中、児童館において様々な工夫をし、定員の拡大を図るとともに、プレディにおいて時間延長を行うなど、連携して対応してまいりました。さらに、来年度以降はプレディプラスを実施し、学童クラブへの入会を希望する一・二年生を受け入れられる体制を整備してまいります。そのため、待機児童が児童館へ直接来館するという、そのような制度を導入する予定はございません。児童館は児童の健全な遊び場であり、公園や児童遊園、図書館などと同様に、小学生の多様な居場所の一つとなっております。したがいまして、放課後の一般来館については、教育的な観点から、一度帰宅した後に来館いただくことが基本となっており、学校においても同様に指導しているところであります。
次に、日本橋プラザ株式会社についてであります。
同社に対する土地貸付料は、地代の額と分割払いによる権利金相当額とを合わせたものとなっております。平成十六年度以前には、区議会の議決を得て減額した時期がありましたが、平成十七年度に貸付期間を変更し、権利金相当額の平準化を図って以降、現在まで減額を行った実績はありません。地代部分の額については、区内近傍の公示価格等を参考に、三年ごとに見直しを行っており、令和三年度の評価額に基づく地代は約一億七千万円、令和五年度については約一億五千四百万円であります。六億五千万円との差額は権利金相当額の分割払い分となりますが、こちらについても順調に償還が進んでいるものと認識しております。
次に、同社の経営状況についてであります。
まず、役員について、代表権を持たない七名の取締役は、全て無報酬となっております。日本橋プラザ株式会社は、区立紅葉川中学校の跡地を活用し、東京駅に近接する業務地区という立地特性から生まれる収益を長期的に区に還元することを大きな目的として設立されております。今日に至るまで、約三百二十億円を超える歳入を区にもたらし、教育や子育て支援の充実のための財源となっております。直近の経営状況につきましても、エネルギー価格や物価の高騰、オフィス市況における空室率の上昇基調など、厳しい経営環境の中にあって、建物の適切な維持管理や営業努力により継続的にテナントを確保し、着実に経常利益を上げております。区といたしましては、資本金の五五%を出資する筆頭株主として、会社設立の目的に沿って、今後とも良好な運営がなされるよう、適切な指導、助言に努めてまいります。
次に、入札における予定価格の事前公表についてであります。
本区では、これまで入札や契約における透明性や公正性を高めるため、様々な制度の改善に努めており、工事契約に係る予定価格の事前公表についても、段階的に対象の拡大を図ってまいりました。そのメリットとしては、関係職員への不当な働きかけ等を防止するのみならず、ダンピングの排除や入札不調等を避けるといった点においても効果的であると認識しており、現段階で直ちに見直す考えはありません。
次に、職員による不正行為の防止についてであります。
本区においては、日頃から契約事務の適正処理について全庁的な周知徹底を図るとともに、第三者機関である入札監視委員会において厳正なチェックを受けるなど、入札・契約事務における不祥事の防止に努めております。また、新規採用時はもとより、様々な職層を対象とする研修において、不祥事の具体的な事例等を紹介しながら、公務員倫理に対する意識の向上を図るとともに、綱紀点検調査委員会の下で、組織的な職場点検及び指導等に取り組んでおります。今後とも、こうした取組を積み重ねるとともに、さらなる防止策についても研究してまいります。
次に、江戸バスの高齢者等への無償化についてであります。
事業の収支につきましては、高齢者、障害者、妊産婦を合わせて、三割から四割程度の運賃収入の減少があるものと見込んでおります。利用者数の動向や本施策における収支状況の変化については、今後、確認してまいります。また、区では、従来より様々な福祉施策に取り組んでおり、その相乗効果により区民福祉の向上を目指しているため、具体的な効果については、江戸バスの無償化のみをもって検証できるものではないと認識しております。本施策は六月二十日から開始したばかりでございますが、既に多くの方からお問合せがあり、喜びの声もいただいているところです。区といたしましては、一人でも多くの方に江戸バスを御利用いただき、コロナ前の生活を取り戻す一助となるよう、本施策を継続してまいりたいと考えております。
答弁は以上であります。
〔一番 ほづみゆうき議員登壇〕
○一番(ほづみゆうき議員)
それぞれに答弁ありがとうございます。
まず、放課後の居場所対策について、両者の違いについて理解いたしました。また、今後のプレディプラスの運用の中で、同一の委託業者になっての中で、同水準のサービスが提供されるということで理解いたしました。
次の実態調査に関してでして、こちらを行うつもりはないというような答弁をいただいていたかと思います。こちらは、やはり先ほど申し上げたとおり、次年度からプレディプラスの運用が開始されるという節目ですので、このようなタイミングで現状の運用を振り返り、今後の運用設計にどう生かすかという点については、極めて重要だと考えております。日頃の活動で様々な意見を収集するということでしたが、結局、それでは、ごく一部の方の声しか聞くことができないかと思います。区として利用者の方々に対して調査を行うことで、より幅広い意見が明らかになるかと思います。現状の把握が曖昧なままに運用設計をしてしまうと、せっかくの新たな仕組みが十分に活用されないということにもつながります。これは、利用者の方、区にとっても、望む結果ではないかと思います。
あえて、こういった調査を行わないという点について、明確な理由について、改めてこちらについてお示しいただければと思います。
次に、直接来館制度の件でございます。
こちらについても、行う予定はないというような見解であったかと思います。その理由としまして、プレディの話、延長の話もございましたけれども、結局、居場所があるなしの話でいいますと、プレディという選択肢があることも意味があることだとは思うんですけれども、今回の提案として訴えておるのは、そうではなく、居場所の多様性という点でございます。先ほどのとおり、プレディが合わないというようなお子さんもいらっしゃいます。そのような方も児童館を居場所として利用することができるようにするということが、必要な点ということで申し上げております。こちらについても、改めて答弁をお願いできればと思っております。
次に、日本橋プラザ株式会社に関する土地貸付けについてです。
こちらについては、地代と権利金の額ということで、今の金額、六・五億円という数字が出ているということで理解いたしました。
こちらについては、現状の契約のところについて、私のほうでも十分把握ができていなかった部分でしたので、今回いただいた内容を受けて、改めて、こちらのほうで指摘等をさせていただければと思っております。先ほども申し上げましたけれども、区有地は区民の貴重な財産であるかと思いますので、この財産を最大限に効率的に活用するということは重要かと考えますので、改めて今後の機会に質問等をさせていただきます。
次に、公正な入札のための制度整備について、こちらについては、予定価格の事前公表、口利き制度について、それぞれ御答弁ありがとうございました。
公正で、かつ適切な入札を行うということは、区民の皆さんから頂いた税金を有効に活用するということであって、これは、区として提供していくサービスの質に直結していくものであります。他区の事例でいいますと、何らかの不正行為が発覚してから、事後的にこれらの整備を行う例が多いようですので、本区においては、率先して、今回取り上げたような点も含め、公正な入札制度が構築されるよう、引き続き御努力をお願いいたします。
最後に、江戸バスについてでございます。
こちらについては、複合的な要因があるということであったので、江戸バスの効果として検証をされる御予定はないというような答弁だったかと思います。江戸バスだけを使っているか使っていないかというような点を比較するということは、もちろん困難であるかと思いますので、そういった実際の効果というものを測るに当たっては、もちろん複合的な要因というのは様々あるかと思います。ただ、そういった面を考慮した上で、どういった効果があったのか、二○二三年の施策の中から、例えば二○二四年、二○二五年度に対して、どういった区民の皆様に対して効果があったのかというところの検証は、必要ではないかと考えるものでございます。こちらの検証について、改めて答弁をお願いいたします。以上です。
〔福祉保健部長 田中智彦君登壇〕
○福祉保健部長(田中智彦君)
ほづみ議員の再質問に対してお答えをさせていただきたいと思います。
まず、学童クラブ、それからプレディの利用者に対する実態調査を行わない理由ということでございます。
区長からの答弁の中でもお話をさせていただきましたけれども、我々は、やはり児童館ですとか、プレディ、お子さんがいるところ、ここについて、お子さんの意見を吸い上げる際に、アンケートという手法が本当に正しいかどうか、この辺は十分慎重に検討する必要があるというふうに、まず一点認識をしているところでございます。
それから、児童館は学童クラブのお子さんが使っておりますが、それ以外にも、乳幼児から保護者の方、それから中学生、高校生まで幅広い御利用となってございます。そういった中で、それぞれ来館する目的や、そこでやろうとしていることがそれぞれ違っておりますので、お子さんそれぞれの感覚があろうかと思ってございます。そうしたときに、一律的なアンケートということではなくて、我々とすると、その場で実際に職員が利用者と触れ合いながら、じかに声を直接聞くことが大事だというふうに思って、これまで取り組んできたところでございます。そうした中で、いろいろな声をお聞きしているところであって、今回の例えばプレディプラスというものにつきましても、プレディでの問題点、それから学童クラブでの問題点、その辺を聞き取ったから、今回、新たにこういった御提案をさせていただいたというふうに認識してございますので、我々とすると、日頃の意見聴取の中で十分対応ができているという形で認識をしているところでございます。
それから、二点目の、居場所の多様性のお話でございます。
私も、子供の居場所の多様性については、必要だというふうに認識をしているところでございます。少し古いお話になりますが、まだプレディができる前に、実は、学童クラブの一年生のお子さんが待機児になった状況がございます。その際には、実は、児童館にかばんを持って、そのまま直接来館をする、そのときはかばん預かり制度と言っておりましたが、児童館で実施をしたことがございます。ただ、そのときには、結局何が起こったかといいますと、児童館はやはり、今、小学生だけを見ても、学童クラブのお子さんと一般来館のお子さんがいる。今、二つの区分があるわけです。そのほかにも様々な形で利用者がいらっしゃる。ここに、また一つ新たな区分を設けたことによって、お子様たちの中で非常に混乱が生じた。この実態を踏まえて、プレディの創設と併せて、そのときにお願いをしまして、プレディの中で学童クラブ的な利用をしていただくという形での居場所を確保したというふうに考えています。そうしたことによって、これまで区では何年にもわたって、放課後のお子さんの居場所、学童クラブに入れなかったお子さんの居場所についても確保してきたという経緯がございます。そうしたことから、今、児童館が乳幼児から高校生までの間で非常に利用されているというふうに私は認識してございますので、その中に、また新たな区分の利用者を設けることは、お子さんの遊ぶ施設を安全に運営する上では問題があるというふうに認識しているために、今回、御提案のあった内容につきましては、検討しないということでございます。
それから、江戸バスの検証のお話でございますが、高齢者のほかに障害者のこともございますので、私のほうからもお答えをさせていただこうというふうに考えてございます。
さきに区長のほうからも答弁させていただきましたように、福祉施策によりまして、区民の方々の健康ですとか、行動範囲がどう広がったか。これは、様々な形で、何らかの形で調べていかないといけないというふうには思ってございます。ただ、これは、江戸バスの施策をどう検証するかということではなくて、我々とすると、この後、例えば、毎年というわけではないですが、計画の策定に合わせて、いろいろな形でのアンケート調査を行ったりですとか、それから、毎年行ってございます区政世論調査、こういったものも含めて総合的に、その中で様々な角度から質問を行いながら、区が行っている施策、江戸バスだけではなくて、様々な施策の効果は、そういった中で検証していくべきものだというふうに認識しておりますので、今回の江戸バスに関してのみの検証については、やらないということでございます。
答弁は以上でございます。
〔一番 ほづみゆうき議員登壇〕
○一番(ほづみゆうき議員)
それぞれ答弁ありがとうございます。
まず、アンケートに関してでございますけれども、私の視点としましては、先ほど職員の方の目線が大事ということで伺っておりましたけれども、職員目線だけではなくて、やはり子供の目線というところについても重要であるかと思っております。残念ながら、今回、調査を行わないということでありましたが、我々会派としては、別の形で利用者の方々の声を集め、今後の委員会等で改めて対応を求めていこうと考えております。
次に、児童館への直接来館制度に関してでございます。
こちらについても、先ほど答弁いただきました。もともとの問題意識の部分としましては、短期的な目線で、まだ待機児童という問題がございますので、こちらについて、今回提案したものに限らず、短期的にニーズに対応していくような施策が必要であるかと考えておりますので、こちらについては、引き続き御検討いただければと考えております。
最後に、江戸バスの検証に関してでございます。
こちらも、区政世論調査等々を考慮した上で、今後、経過を把握されていくということで伺っております。こちらについては、経年の変化等についても分析をしていただいて、単年度の結果だけではなく、経年の変化というものを把握された上で、個々の施策に生かしていただければと考えております。こちらについても、引き続き注視させていただければと思っております。ありがとうございます。
これにて私からの一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○二十三番(押田まり子議員)
議事進行について動議を提出いたします。
ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。
午後五時二十分 休憩
午後五時四十分 開議
○議長(瓜生正高議員)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。二十八番堀田弥生議員。
○二十八番(堀田弥生議員)
中央区議会公明党の堀田弥生でございます。私は、令和五年第二回中央区議会定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告書に従い、質問をさせていただきます。山本区長並びに関係理事者の皆様におかれましては、どうか区民の立場に立たれ、分かりやすく建設的な御答弁をお願い申し上げます。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。
質問の前に、一言申し述べさせていただきます。
先月、五月八日、三年にわたって対応を余儀なくされてきた新型コロナウイルスへの感染症対策が次の段階へと移り、ようやく足かせが外れたような心持ちがしております。この間、本区としましても、活発な議論を重ねながら、区民の皆様のために様々な施策を行ってきたことを、今、改めて思い起こしております。特に強い思いを抱いておりますのは、コロナによる緊急事態宣言が全国に拡大した直後の二○二○年四月、全国民に一人一律十万円の特別定額給付金支給が決定したことです。当初は、世帯主の収入が減少した世帯のみを対象とする案が取り沙汰されましたが、国民の中に分断を生むことのないよう、そして全国民が心を一つにしてコロナという未曽有の災難に立ち向かおうとの思いから、所得制限を設けず、国民全員を対象とした給付金でした。
この十万円を何に使おうが自由だったわけですが、私の周りの何人かの高齢女性は、この十万円は孫にあげるのとおっしゃっていました。ですから、中央区では、いつ給付されるのかということが気になっておられたようです。昨年、区独自の施策として、六十五歳以上の方全員へ一人一律一万二千円分の区内共通買物・食事券を臨時給付しましたが、実は、このときも、先ほどの方とは別の高齢女性の方々が、これで孫たちと一緒にお食事したの、おもちゃを買ってあげるのと、うれしそうにお話しになっていました。父母の恩は山よりも高く海よりも深しといいます。今回の場合、父母ではなく祖母だったわけですが、ともあれ、その愛情が孫に向かうというのは決して珍しいことではありません。御自分が頂いた給付金や買物券を孫たちのために使ってくださった御高齢者は意外と多かったのかもしれないと思うと、御高齢者のための施策は、実は御高齢者のためだけではなかったのかもと考えたりもしております。また、子育て世帯への経済的支援として、今年度から学校給食費及び保育園副食費の完全無償化や医療費無償化の高校三年生世代までの対象拡大を実現いたしました。これに対し、子育て世帯からの喜びの声だけではなく、御高齢者の方々からもお褒めの言葉を頂戴したのは、私だけではないと思います。
そして迎えた、本年四月二十三日執行の中央区長選挙におきまして、山本泰人区長が無投票により二期目の区政運営を担われることになりました。ほかに対立候補が出なかったということは、この四年間の区政に対し、区民より一定の信託を得られたのだと受け止めております。今後の区政運営に大いに期待いたしますとともに、区民の皆様のために、まだまだできること、また足りていないことがあると思います。改選となった私たち区議会公明党も、そのために今後も努力を惜しまず、最善を尽くしていく決意でございます。
それでは、質問に入らせていただきます。
まず、初めに、日本橋川の水質浄化についてお尋ねいたします。
日本橋川は、これまで六十年以上、首都高の高架に覆われており、悪臭がひどく、水質の改善、そして日本橋川の再生が長年の大きなテーマでした。これまで地域の方々が様々な対策を行い、また、本区としても東京都にしゅんせつ工事を働きかけるなど、取り組んでこられましたが、残念ながら、あまり効果が得られませんでした。
一方、日本橋エリアは、名橋日本橋を中心に、多くの方が訪れる大きな観光資源でもあります。今年度、本区では、日本橋川沿いエリアのにぎわいを継続するための支援事業を予算化しておられますが、日本橋は、今も、そして過去も未来も、やはりにぎわいがなければなりません。そのような中、平成二十九年七月、国土交通大臣と東京都知事が、日本橋上空に架かる首都高速道路の移設撤去に向けた取組に関する考えを表明され、その後、令和元年の正式決定を経て、令和二年十一月から工事が始まり、現在、着々と進んでおります。令和二十二年度には撤去工事が完了し、日本橋上空に青空が戻ります。歴史と品格を受け継ぎ、そして、新たなにぎわいに包まれるであろう未来の日本橋エリアに悪臭を漂わせるわけにはいきません。日本橋川の環境改善・再生は喫緊の課題となりました。
日本橋川の再生に向け、活動してきた団体の一つに、水辺再生研究会がありますが、ここが中心となって、平成二十九年、Hiビーズという環境商品を使い、日本橋のたもとにある日本橋船着場周辺の環境改善を試みました。この場所は、平成二十三年に船着場が完成して以来、多くのツアーが運航し、利用者数は年間五、六万人に及ぶ等、大変人気があるのですが、ここもやはり悪臭が強く、大きな問題となっていたのです。Hiビーズを川岸に設置したところ、悪臭の明らかな低減効果が認められたそうです。事業者の事例報告によりますと、令和元年度の調査でも臭気が二百六十分の一まで低減しており、日本橋川の悪臭対策として大きな成果を出すことができました。このHiビーズとは、石炭を燃やした副産物である石炭灰から生まれた新商品で、本件の調査結果や他の事例を見るに、相当効果の高いものであると思われます。ぜひ、船着場以外でも使用していっていただきたいと思います。
そこで、お尋ねいたします。
日本橋川には、日本橋船着場以外にも、悪臭対策が必要な場所がまだ多くあると認識しております。今後、区はどのように取り組んでいかれるのでしょうか、区の御見解をお知らせください。
日本橋船着場周辺については、この処置により、堆積した土砂がヘドロ化して悪臭を放つということがなくなり、水辺環境の改善が大きく前進したわけですが、これだけでは根本的な解決とはなりません。日本橋川には、神田川を経由して、江戸城外堀の水が流入してきており、日本橋川の水質悪化の原因の一つが、この外堀の水質汚濁であるからです。外堀の水質汚濁は、二つの原因から生じています。一つは、大雨のときには、雨水に混じって汚れた生活排水が下水のはけ口から外堀へ流入してくる構造となっていること、そして、もう一つは、昭和四十年以降、玉川上水から外堀への水の補給がなくなっており、堀の水が滞留するため、特に夏場はアオコが発生しやすい状況にあることです。
アオコが発生すると、青臭いかびのような悪臭を放ちます。一点目については、外堀にある全十二か所のはけ口に改善を施し、また、下水を貯留するための施設を整備中で、今年度末に完成する予定です。これにより物理的に汚水の流入を止めることができ、水質汚濁の原因の一つは改善されます。しかし、もう一つ、悪臭を放つアオコへの対策が残っています。そのための取組、外濠浄化プロジェクトが、外堀の管理者である東京都により三年半前に立ち上がりました。二年前に策定した総合計画「未来の東京」戦略、その後継計画のバージョンアップ二○二二、二○二三の中でも、引き続き、日本橋周辺の首都高地下化と併せて明記しています。
昨年、基本計画も策定され、アオコは五日以上水が滞留すると発生するため、外堀の水が五日で入れ替われば発生を抑制できること、そして、それに必要な水量を導水する手段として、玉川上水や荒川から外堀への導水ルートが明示されました。都議会公明党では、五年前から、毎回の定例会で連続して議会質問を行い、外堀の恒久的な水循環による水質改善の方策について、この玉川上水からの導水という具体的な提言を繰り返しお訴えしてまいりました。また、公明党東京都本部も、国会、都議会及び関係する区の議員で構成するプロジェクトを設置し、東京都の関係五局や国交省、有識者との意見交換を重ね、水の都再生へ向け、推進してまいりました。さきの基本計画では、この導水ルートの工事完了、外濠浄化プロジェクトの終了が二○三○年代半ばとしています。日本橋周辺の首都高撤去工事完了は二○四○年ですから、外堀の水質浄化は日本橋再生までに間に合うということになり、日本橋を愛する一人として、これほどうれしいことはございません。ただし、外堀から日本橋川まで浄水が流れ着くためには、現計画では導水量が足りていないとの指摘もございます。これまで党のプロジェクトと一緒に活動してこられた中央大学の山田教授は、そのための新たな提案もなされているところでございます。
そこで、お尋ねいたします。
東京都による外濠浄化プロジェクトを本区はどのように評価しておられるのでしょうか。また、現計画の導水量では、日本橋川の浄化につなげるにはまだ足りないとの指摘があることから、東京都に対し、さらなる働きかけが必要ではないかと考えます。本区の御見解をお聞かせください。
東京都は、昨年の予算特別委員会における公明党議員からの質問に対し、令和四年度は水辺環境の大切さを学ぶ子供向け勉強会などを新たに予定していると答弁され、実際、六月から七月にかけて、新宿区と連携して行ったそうです。地域の小学生を対象に、座学での歴史授業や現地での水辺見学も行ったそうです。子供たちからは、外堀の未来への展望などについて、パソコンで作成した資料やポスターなど様々な発表がなされ、水質改善に向けた心がけなど、子供ならではの率直な意見が多く出たとのことでした。総合計画「未来の東京」戦略バージョンアップ二○二三では、この子供向け勉強会がしっかり明記されております。
そこで、お尋ねいたします。
本区でも、水辺環境を学ぶための子供に向けた勉強会などを開催してはいかがかと思います。本区の現状と今後の方向性について、お考えをお聞かせください。
次に、公文書の保存・管理についてお尋ねいたします。
昨年十二月、今から二十六年前の神戸児童連続殺傷事件の裁判記録が破棄されていたことが発覚しました。これに端を発し、各地の裁判所で、社会的に注目された少年事件や民事裁判の記録が破棄されていたことが明らかになりました。その後、オウム真理教への解散命令請求や、一票の格差の判決など、歴史的、社会的に意義の高い裁判の記録も破棄されていたことが判明しました。最高裁判所は、この問題を検証し、調査報告書が先月二十五日に公表されました。それによりますと、破棄に至った原因は、一つ、特別保存に指定する基準や判断時期が不明確だった。二つ、最高裁が特別保存の膨大化防止に取り組むべきというメッセージを出していた。三つ、裁判所内で記録は原則破棄するという認識が醸成されていた。四つ、記録を後世に残す意識が組織として欠如していた。五つ、事務手続やシステムの不備や誤りなどにあったなどとしています。また、再発防止策として、一つ、規程に保存する意義を明記する。二つ、特別保存に指定する基準や判断時期の見直しなどを挙げました。
この件は、裁判所への信頼と、歴史的、社会的な記憶、記録などにまつわる文書類の保存・管理について、その重要性を認識するための問題提起となりました。また、本年三月には、放送法第四条第二項に定める政治的公平の解釈についての質問で、立憲民主党の国会議員が用いた文書は、本来、外に出るはずのない総務省の内部資料であり、それが安易に外に流出したことは、文書管理において大問題であると話題になりました。
翻って、本区のような自治体行政においても、膨大な量の文書類、公文書が存在しています。政策決定に関わる協議内容や区民生活に関する施策の資料、また諸手続に必要な書類などの行政文書も、その種類は多岐にわたると思いますが、いずれも区の取組や運営、過去及び今後の方向性などを区民が知るための財産です。区がこれらの公文書を適切に管理し、その内容を後世に残すことは重要な責務であり、この保存・管理がどのようになされているのかは、区への信頼を左右する一つの尺度だと思います。報告書で指摘されているような保存指定するための基準や判断時期、また、そもそも保存することについての認識はどのようなものでしょうか。また、今回の問題を踏まえ、今後、改善すべきことがあるのでしょうか。
そこで、お尋ねいたします。
本区における公文書の保存・管理について、現状と今後の方向性についてお知らせください。
現在、国では、地方自治体に対し、公文書管理条例の制定を促しており、そのためのフォーラムも四回にわたり開催され、先行自治体による事例報告も行われています。国が推進しているのは、文書管理におけるデジタル化と、もう一つ、歴史資料として重要な公文書についての適切な保存・管理の取組です。この歴史公文書の保管について、国が行ったアンケートに対し、本区は、歴史公文書の選別を行っていないと回答しておられます。この歴史公文書の定義は、実は、自治体によってかなり異なっており、例えば杉並区は、歴史・文化的と判断されるもの、その時代の世相、世論等が象徴的または特徴的に現れているもののほか、事件、事故、災害の記録等としており、これについて長期に保存するとしています。また、ある自治体では、条例等の例規や議会会議録等としていたり、福島県のある町では、東日本大震災関連文書または東日本大震災関連を含む文書とするなど、歴史公文書の定義は実に様々です。
それでは、本区にとって歴史公文書と定義づけられるものは何でしょうか。本区は、歴史の流れ、時代の変遷とともに、どの地域よりも困難かつ進取の気性に富んだ区政のかじ取りを行ってこられたと思っております。人口面では、時代の世相とともに、著しく減少し、それが一転、増加をし続けてきました。また、まちづくりでは、オリンピックの開催によって建設された首都高速道路が日本橋の上空を遮り、今度はHARUMI FLAGという巨大なまちを生み出そうとしています。また、子育て世帯への支援や保育園待機児童問題においては、今や全国標準となった様々な施策を考え出し、他の自治体をリードしてまいりました。これらの政策決定にまつわる多くの文書を歴史公文書として後世に残すことは、意義のあることではないでしょうか。
そこで、お伺いいたします。
ぜひ中央区の歴史公文書の定義を決め、選別し、保存・管理に努めていただきたいと考えます。区の御見解をお聞かせください。
次に、本年四月一日に施行されました改正道路交通法に関わる取組についてお伺いいたします。
道路交通法とは、道路上での交通の安全及び円滑化を図るために定められた法律で、運転免許制度や自動車の検査・登録、交通事故の処理や交通違反の罰則などが規定されています。自転車は免許を必要としない乗り物ですが、軽車両として道路交通法で規制されています。自転車は気軽に移動したり、重たいものを積んで運んだりできることから、小さなお子さんから御高齢者まで多くの方が利用しています。しかし、自転車が絡む事故は年々増加しており、しかも、被害者ではなく、加害者にもなる立場であることから、自転車の利用には安全運転が求められ、これまでも、そのための法改正がなされてきました。例えば、平成二十年の改正では、歩道を猛スピードで走行する自転車が多いことから、自転車が歩道を通行することができる場合の要件が明確化されました。すなわち、歩行者の通行を妨げないように徐行しながら、十三歳未満の子供や高齢者、身体障害者などは歩道を通行することができるというものです。その折に、十三歳未満の子供が自転車を運転する場合、保護者は乗車用ヘルメットをかぶらせるように努めなければならないと定められました。そして、本年の改正で、ヘルメット着用の努力義務の対象が、十三歳未満の子供のみから、年齢を問わず、自転車の運転者や同乗者全ての人へと広がったのです。
ヘルメット着用の有効性については明白です。警視庁の調べによりますと、自転車事故で死亡した人の約七割が頭部に致命傷を負っており、ヘルメットを着用していない場合の致死率は、着用している場合の二・三倍も高くなるとのことで、大切な命を守るためには、自転車用ヘルメットを着用し、頭部を守ることが重要なのです。このヘルメット着用をはじめとする安全対策の必要性を自転車利用者に周知徹底することは大変重要だと思います。私たち中央区議会公明党は、去る三月二十八日、中央区長へ、自転車用ヘルメットの着用など安全対策の必要性について、さらなる周知徹底を図ることを要望し、併せて自転車用ヘルメットの購入費用助成の実施をお訴えいたしました。平成二十年に十三歳未満の子供へのヘルメット着用が努力義務化されたとき、本区では、当該年と翌年にまたがっての一年間、児童・幼児用自転車ヘルメット購入の助成が実施されました。ヘルメット着用率を向上させるため、このたびも同様の取組が必要ではないかと考えます。
そこで、お尋ねいたします。
自転車利用者に対する安全対策の必要性の周知徹底やヘルメット購入費用の助成について、区はどのように取り組んでいかれるのか、御見解をお知らせください。
自転車の交通事故を防止するためには、ヘルメットの着用だけではなく、利用者が交通ルールやマナーを守ることが大切であり、それを学ぶ場所が必要です。また、学ぶだけではなく、実際に乗り方や運転の仕方を練習できる場所が必要です。しかしながら、本区では、公園での自転車利用は禁止されており、地域によっては道路上で練習することもできません。交通ルールを学んだり、自転車の乗り方を練習する場所が少ないと感じております。
そこで、お尋ねいたします。
子供をはじめとして、自転車の乗り方や運転の仕方を練習できる場所、また、交通ルールを学ぶ場所の確保が重要だと考えますが、区の御見解をお聞かせください。
今回の改正を受け、警視庁は、先月下旬から取締りを強化する方針を固めました。これまで信号無視や一時停止不履行などの違反は警告にとどめていましたが、以後は、刑事罰の対象となる交通切符を交付して検挙するとのことです。実は、私の周りにも、最近、取締りで切符を切られそうになったという方がおられます。その方は、普通免許を持っておらず、一旦停止の概念がなかったそうで、警察官から一旦停止しなかったと指摘されて初めて知ったそうです。このときは、警官が免許情報を照会し、本当に免許を持っていないと証明されたため、指導で済んだそうですが、大変怖い思いをしたとおっしゃっていました。しかし、一旦停止という重要な交通ルールを知らずに自転車に乗っていたこと自体が危険なことであり、そのことを知ることができてよかったのかもしれません。また、この方の御友人は実際に切符を切られ、指定された日時に家庭裁判所へ出頭しなければならなかったそうです。その話を伺ったとき、今はそれだけ厳しく取り締まられるのだということに大変驚きました。同時に、このことは、皆様へしっかりお知らせするべきだと思いました。
大人も含め、正しい交通ルールを学べるとともに、法令遵守の意識を高めるためのリーフレットなどを作成してはいかがかと思います。区の御見解をお聞かせください。
最後に、国民健康保険加入者の受診率向上に向けた取組についてお伺いいたします。
国民健康保険には、自営業や無職、また年金受給者などが多く加入しておられます。中央区国保の加入者数は以前に比べ減少しておりますが、その構成はこれまでとは少し変わってきているのではないかと思っております。具体的には、働き方の多様化に伴い、フリーランスの方が増えているのではないでしょうか。私の周りでも、個人投資家やウェブデザイナー、システムエンジニア、編集者など、会社に勤めていない方が確実に増えているのです。しかも、まだ働き盛りの方々です。会社に勤めていれば、労働安全衛生法に基づく健康管理がなされるわけですが、フリーランスの方は健康面の管理をする人がいません。これらの方々が加入しておられるのは国保で、もちろん、本区国保においても健診事業が行われ、未受診者への受診勧奨もなされているのは承知しておりますが、その介入度合いは決して強くないと思います。また、本人も、年齢も若く、無理が利くことから、なかなか健診を受けるということに意識が向かない、受診の動機づけが難しいという人が多いようです。しかし、このような方にこそ、しっかりと健診を受けていただき、健康を維持していただくことが重要です。
国保の財政運営については、平成三十年四月から、東京都がその責任主体となりましたが、区の一般会計から繰出金として拠出していることには変わりありません。加入者本人の健康のため、そして、それがひいては保険給付費の抑制につながることを考えると、受診率向上のためのさらなる取組が必要ではないでしょうか。
先日、御主人が個人事業主で国保加入者、御自身は健保の被保険者だという方から、主人がなかなか健診に行ってくれず、健康面でとても心配している、健保のように人間ドックの費用補助があれば行ってくれるのではないかと思うとの御意見をいただきました。他の自治体を調べたところ、人間ドックや脳ドックへの費用補助を区の保健事業として実施している国保が、二十三区内でも複数見つかりました。本区における区独自の保健事業は、健康相談、海の家・山の家の開設だけです。人間ドックへの費用補助を本区の保健事業として実施してもよいのではないでしょうか。人間ドックという響きが、受診の動機づけという意味では有効に働くのではないかと考えております。
もともと国保加入者は、大企業に勤める社員などが加入する健康保険と比べ、保険料が高く、また出産の際も、健康保険の場合は産前産後や育児休業中の保険料が免除されるなど、子育て世帯への経済的支援が充実しているのに比べ、国保加入者への支援は全くありません。働き方が多様化する中で、フリーランスという働き方を選択する人は増えており、国保に加入する子育て世帯への経済的支援が望まれていました。そのような中、先月、改正健康保険法が成立し、国保に加入している子育て世帯の経済的負担の軽減策として、出産を控えた妊婦の保険料を産前産後四か月分免除するという新たな支援制度が決定したというニュースも飛び込んできました。明年一月からの実施を目指しています。これまで手が入ってこなかった国保加入者への支援がクローズアップされている中、本区としても、その健康増進のためのさらなる取組が必要ではないでしょうか。
そこで、お尋ねいたします。
国保加入者の健康増進のため、人間ドックへの費用補助など、健診の受診率向上に向けたさらなる取組が必要だと思います。今後、区はどのような取組をなさろうとお考えでしょうか。御見解をお聞かせください。
また、三十歳代、四十歳代の若い世代の加入者は、特に仕事も多忙で、健康に対する意識も薄い方が多いと思います。若い世代の加入者への健康への意識啓発が必要だと思いますが、区の御見解をお知らせください。
以上で私の一回目の質問を終わります。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
堀田弥生議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、日本橋川の水質浄化についてであります。
悪臭のもとになる日本橋川の汚濁は、外堀の水の流入とともに、潮の干満の影響を受ける感潮河川であるため、水の滞留時間が長いことが原因であることから、水質を浄化するためには、下流域での底質の改善と、上流域からの水量の増加が必要であると認識しております。区では、日本橋船着場周辺環境改善事業における、平成二十九年二月から令和元年十二月にかけて実施したモニタリング調査において、Hiビーズの活用により底質が改善した実績を踏まえ、現在、Hiビーズの敷設範囲の拡大について都と協議しているところであります。また、都の外濠浄化プロジェクトに基づく外堀への導水により水量が増加し、水の滞留が緩和されることで一定の水質浄化が見込めるものと期待しております。本プロジェクトによる導水量に関しては、都の計画の進捗を注視し、水質の状況に応じて導水量の増加に関する必要な措置を都に要請していく予定であります。区といたしましては、今後も、都や神田川水系水質監視連絡協議会など関係団体と連携しながら、日本橋川の水質浄化を推進してまいります。
次に、水辺環境を学ぶための子供向け勉強会の開催についてであります。
次代を担う子供たちが多様な生物が共生する水辺環境について学ぶことは、自然環境を大切にする意識を育む上で重要であると考えております。区では、これまでも、公園での水生生物の見学会の開催、河川・運河で実際に捕獲できた生き物や生物多様性について紹介する冊子の製作・配布をするほか、環境情報センターでのイベントなどを通じて、子供たちが水辺について学習できる機会を提供してきたところであります。今年度は、環境情報センターにおいて、水生生物調査の実施に合わせ、川のいきもの観察会の実施や、その様子の動画配信とともに、水辺環境の大切さの実感をテーマに、水辺の生き物をデジタル機器を使用して描くデジタルアートワークショップを行う予定であります。区といたしましては、小学校と連携した現地見学会の開催を検討するとともに、環境情報センターの講座やイベントの充実など、水辺環境の役割や重要性について理解の促進を図ってまいります。
次に、公文書の保存・管理についてであります。
本区では、文書管理規程において、公文書の処理手順、保存、廃棄等に関するルールを定めております。公文書の保存につきましては、法令の規定、当該文書の内容の効力及び資料価値等を総合的に勘案し、一年から十年までの保存年限に応じて廃棄するものと、原則として永年にわたり保存とするものとを分けて管理しております。現在のところ、歴史公文書として明確な選別基準は設定しておりませんが、公文書の資料価値については、歴史的重要性としての視点も取り入れながら、総合的な判断をしているところであります。区では、大正十二年以降に作成されたおよそ一千五百箱に及ぶ永年保存文書を書庫に保管しておりますが、今後につきましては、現在進めている電子決裁・文書管理システム導入に向けた取組の中で、永年保存文書の電子データ化を含めた、歴史公文書としての保存の在り方を整理してまいります。
次に、自転車利用者に対する安全対策の周知徹底とヘルメット購入費用の助成についてであります。
自転車を安全に利用するためには、利用者一人一人が、交通事故は自分の身にも起こり得ることを認識し、交通ルールを遵守するとともに、ヘルメットを着用することが、万が一事故があった際の被害軽減のため、重要であると考えております。区では、これまでも、区内警察署をはじめとした関係機関と連携し、交通安全運動や各種キャンペーンなど様々な機会を捉えて、ヘルメット着用の重要性について繰り返し周知を図ってまいりましたが、今後、さらにヘルメット着用率の向上を図るためには、ヘルメットを購入する際の負担を軽減し、区民の購入意欲を高める取組が必要です。区といたしましては、引き続きヘルメット着用の重要性及び自転車安全利用五則の遵守について様々な機会を捉えて周知徹底するとともに、ヘルメットの購入費用の補助の速やかな実施について検討してまいります。
次に、自転車の練習場所の確保とルール、マナーの周知徹底についてであります。
本区では、交通事故全体に占める自転車関与事故の割合が年々増加しており、自転車に乗り始める早い段階から、自転車を安全に利用するための乗り方や交通ルールを学ぶ機会を創出することは重要なことと認識しております。こうしたことから、区では、学校の校庭開放なども視野に入れて、保護者と共に、自転車の練習ができる場所や自転車の交通ルールなどを学べる機会の確保に向けて検討を進めております。また、ルール、マナーの周知徹底につきましては、これまでも、交通安全運動をはじめとする各種行事や、幼稚園、学校における発達段階に応じた実践的な交通安全教育を区内警察署と連携して行ってまいりました。しかしながら、老若男女が利用する自転車は、自動車の運転免許を取得していない方も乗車しており、自転車を歩行者と同等と解釈している場合が少なくありません。区といたしましては、こうした方々に対しても、交通ルールを分かりやすく記載したリーフレットや東京都自転車安全学習アプリ「輪トレ」を活用して、交通ルール、マナーの周知徹底を図ってまいります。
次に、国民健康保険加入者の特定健康診査受診率の向上についてであります。
特定健康診査につきましては、四十歳以上の国民健康保険加入者を対象に、個別に受診券を発送し、無料で実施しておりますが、受診率は、平成二十七年度の三七・八%をピークとして、令和二年度の三一・○%まで年々低下しておりました。このため、区では、令和二年度に初めて受診対象となる四十歳の方へ個別勧奨を行うとともに、本庁舎や区民センターにおいて健診キャンペーンを実施するほか、ワクチン接種会場においても周知を図るなど、コロナ禍における受診控え対策等の取組により、受診率は令和三年度から増加傾向となりました。本区といたしましては、地区医師会の協力を得ながら、かかりつけ医など、お住まいの近くの医療機関で受診できる環境を整備しており、他区が受診率の向上を目的に行っている人間ドックの費用助成は予定しておりませんが、今後も引き続き、地区医師会と相談しながら、様々な取組を展開してまいります。
次に、若い世代に向けた健康への意識啓発についてであります。
区では、生涯にわたり健康な生活を送るためには、若年層のときから、がん、糖尿病、高血圧症、脂質異常症など、生活習慣病の発症を予防することが重要であると考えております。そのため、健康づくりに関する意識啓発として、初めて特定健康診査の受診対象となる四十歳の方にリーフレットを送付し、受診を促すとともに、生活習慣病の危険性についてお知らせしております。また、国民健康保険に加入している全世帯に国保のてびきを配布し、その中で、特定健診や生活習慣改善の必要性についても周知に努めております。さらに、国保加入者にかかわらず、三十歳と三十五歳の区民全員に個別通知を送付し、生活習慣病予防の健康教育と健康チェックを勧奨しております。今後は、身体的に健康で働き盛りである三十代、四十代の若い世代が関心を持つようなチラシを作成し、子育て世帯等を対象に、様々な機会を捉えて配布するなど、積極的な意識啓発の在り方について検討してまいります。
答弁は以上であります。
〔二十八番 堀田弥生議員登壇〕
○二十八番(堀田弥生議員)
御答弁ありがとうございました。
まず、日本橋川の水質浄化のことでございます。
本年三月に、日本橋川の清掃活動が実施されたとき、作成されたレポートを拝見いたしました。水質調査の結果、においはなく、ごみもほとんどなかったとのことでございました。ただ、透明度は低く、水質の状況はまだ悪いという、そのような結果だったようでございます。今後も悪臭対策の範囲を広げていただき、外堀の水質浄化の進行とともに、日本橋川の性質が改善されることを願っております。また、この三月の清掃活動のときのレポートには、このときにカルガモの姿が多く見られたというふうにも書かれてありました。本当に確実に状況はよくなってきていると思います。まだ続きというか、これからも引き続きというところが大切かと思いますので、よろしくお願いします。
また、来月、七月には銀座ブロッサムで玉川上水関連のシンポジウムが開催され、長年、日本橋川の再生活動において陣頭指揮を取ってこられた山本区長もパネラーとしてディスカッションに登壇される予定と伺っております。また、区役所ロビーなどを使ってのポスター展示もされると伺っておりまして、併せて楽しみにしております。
環境情報センターでの学習活動ということも御答弁があったかと思います。我が本区にとりましても、本当に大切な環境を学ぶ、また周知していくような、そんな場所かと思いますので、本当に有効にここが使われていけばよいなというふうに思います。
次に、文書の管理についてでございます。
本区では、その条例はないということですが、中央区の文書管理規程として、昭和四十年四月一日に制定されていると認識しております。昭和四十年の制定というのは、他区と比べても、ずば抜けて早い時期に制定されているというふうに、リストからも見て認識しております。また、中央区文化財保護条例、こちらも昭和六十三年、国が法律として定めた翌年に既に制定されておりまして、いずれも、本当に文書とか、そのような貴重なものを大切にしていこうという、条例に定めていたり、文書としては定めていなかったりはしますが、非常に大切なものなんだという認識の下、本区がこれまで管理なさってきたということを感じております。今後歴史公文書の定義づけもしていただければいいのかなというふうに思っておりますので、ぜひお願いしたいと思います。
また、先ほど大正何年かからの書類、文書が一千五百箱あるということで、すごい量が保管されているなという驚きとともに、本当に感心といいますか、すばらしいなと思っております。今後、デジタル化も進む中で、本当にこの管理をしっかり進めていただければと思います。
次に、道路交通法改正に伴う取組ということで、ヘルメットのことをお尋ねいたしました。
この四月から、私も、自転車に乗る際にはヘルメットを着用しておりまして、着用することで、自転車は軽車両なんだということを再認識できました。一人でも多くの方がヘルメットを着用するよう、その啓発、また購入費用の助成をぜひ進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後、国保加入者への取組というところです。
他区で実施している人間ドックの検査項目というのを見ましたところ、本区は、特定健診に区独自の項目を追加している関係で、両者はほぼほぼ同じ内容だということが分かりました。そういう意味では、本区の国保が実施している特定健診の内容が非常に充実しているということを、改めて今回認識いたしました。ただ、やはり人間ドックという響きは、健診を受けようという受診の動機づけとしては、非常に有効に働くのではないかなというふうに考えております。今後も引き続き御検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
今後、ますます本区が住みやすいまちとなっていきますよう、さらなるお取組をお願いいたしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○二十三番(押田まり子議員)
議事進行について動議を提出いたします。
本日の会議はこの程度とし、明六月二十二日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明六月二十二日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。
本日は、これをもって散会いたします。
午後六時二十七分 散会
署名議員
議 長 瓜生 正高
議 員 木村 克一
議 員 田中 広一
お問い合わせ先:区議会議会局調査係
電話:03-3546-5559