令和6年 決算特別委員会(第8日 10月8日)
1.開会日時
令和6年10月8日(火)
午前10時 開会
午後3時50分 散会
2.開会場所
第一委員会室
3.出席者
(16人)
委員長 竹内 幸美
副委員長 田中 広一
委員 原田 賢一
委員 塚田 秀伸
委員 海老原 崇智
委員 太田 太
委員 青木 かの
委員 高橋 まきこ
委員 ほづみ ゆうき
委員 山本 理恵
委員 小栗 智恵子
委員 梶谷 優香
委員 上田 かずき
委員 白須 夏
議長 瓜生 正高
副議長 礒野 忠
4.説明員
5.議会局職員
伊藤議会局長
長塚庶務係長
小倉議事係長
佐藤調査係長
後藤書記
鳴子書記
林書記
坂和書記
6.議題
- 議案第88号 令和5年度中央区各会計歳入歳出決算の認定について
(午前10時 開会)
○竹内委員長
ただいまより本日の委員会を開会いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
第8款「教育費」について、質問者の発言を願います。
○太田委員
おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。それでは、令和5年度決算に関する教育費について、順次質問させていただきます。
この款を所管されている教育委員会につきましては、私も区民文教委員会の副委員長として現在携わっておりまして、報告事案などをお伺いしておりますと、昨今の児童・生徒数の増加による教室不足や、通学区域の変更をはじめ、学校給食に関する課題解決など、様々な教育問題を扱っておられ、変化が激しく、かつ子供たちの教育活動に密接不可分な関連経費の決算ということで、この款の質疑については大変重要な事項として改めて認識しているところです。
さて、日本を取り巻く社会的なニュースにつきましては、これまでも触れさせていただいておりますとおり、能登半島を襲った記録的な豪雨災害、遡りますと、元日に発生した地震、今月の猛烈な暑さなど、大規模災害と異常気象に見舞われている日本であります。また、海外に目を向けますと、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルのガザ侵攻など、緊迫する欧州・中東情勢は我が国にも無関係ではなく、資源高騰などの影響による物価高、インフレは私たちの暮らしに影を落としております。
こうした混沌とした社会情勢の中、先日10月1日には石破内閣が発足し、新たな日本の政治・行政システムがスタートしたわけでございます。日本をはじめ、外交問題など、様々な課題に直面するこの内閣は、区行政にとっても影響を受けるものであり、とりわけ教育につきましては、文部科学省を中心に今後の子供たちの教育の礎を確固とする政策と気概が必要であります。
日本が少子高齢化社会を迎え、人口減少局面を迎える中で、今を生きる子供たちは国の宝であるとともに、このように混沌としている社会を力強く生き抜いていくための確かな学力をはじめ、課題解決能力やコミュニケーション力の育成が欠かせないものと考えております。誰一人取り残すことのない学びの場を実現し、あしたに伸びゆく子供たちの健全育成を図るためには、生きる力、すなわち知・徳・体を中心とした教育課題がテーマになるものと考えておりまして、今後の子供たちの明るい未来と健やかな成長が図られるように、また子供たちに教育を授けることこそが子供たちの血となり肉となることを肝に銘じて、決算審議に関する教育費について順次質問させていただきます。
初めに、知であります。子供たちは、基礎・基本を身につけ、社会における様々な場面で知識や技能を活用していくことが求められると考えております。そして、身につけた技能を自分の経験などと関連づけ活用していく力が知の根幹と認識しております。そうした中で確かな学力を定着させることは極めて重要であり、とりわけ言語活動においては、国語の中で理論的な考え方やコミュニケーション能力、豊かな感性を育む教育が重要と認識しております。
そこで初めに伺います。子供たちの学力向上を図る指標として様々なテストが行われ、総じて高い評価であることは承知しておりますが、私が学校教育の中で重要と認識している日本語教育、英語教育を通して、子供たちのコミュニケーションスキル、言語活動の醸成についてはどのように取り組まれているのか、状況をお知らせいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○小林指導室長
子供たちの言語能力というのは何よりも大切です。その基として、子供たちは生活する中で言語能力をしっかりと身につけて、将来大人になったときもこの言語能力というのは非常に必要なものとなってございます。そうした中、学校教育の中では、御承知のとおり、国語科を中心として様々な言語活動を行っております。主に話すこと、聞くこと、書くこと、読むことということなんですけれども、例えば話すことであれば、分かりやすく相手に伝えるためにポイントを押さえてどのように話していくかとか、聞くことにつきましても、この人は何を言っているんだろうということを聞いて、そして要点をまとめるとか、書くことにつきましても、相手に他者意識を持って、どういうことを書くとうまく伝わるのかなどということをやっております。それから併せて読み解く力ということで、各種いろいろな学力調査等もありますけれども、問題をしっかり読んで、それに対して答えていくというような力も大事でありますし、そういったことを国語科を中心に習得しているところでございます。
そのベースを踏まえて、実は国語科だけでやっているわけではなくて、委員のおっしゃったように、英語科をはじめ、ほかの教科でそういったものを活用する場面というのを大事にしております。様々、それぞれ教科の特性がありますので、グラフを読み取ったりとか、そういったこともございますし、子供たちがしっかりと使っていく場、そういうことによってこの言語能力は習得すると考えておりまして、これからも国語科を中心に教育活動の中でしっかりと身につけさせていきたいと考えております。
以上でございます。
○太田委員
詳しく御説明ありがとうございました。
生活の中で身につけるということは大事だということで、今、指導室長もおっしゃられたとおり、話す、聞く、書く、そしてまた読み解く力と、こういうものも本当に大事なことだと思います。英語でも、書いて習うだけよりは、しゃべるというのが大変重要なことだと思っておりますので、そのあたりもしっかりとお願いいたします。子供たちに必要な力となってくるかと考えておりますし、例えば経験したことを記録したり報告すること、相手を説得するために意見を述べ合う活動には言語の力が欠かせないと思っております。また、一見関係ないように思われる理数の分野においても、数式、図、グラフなどを使って論理的に考えたり、根拠を明らかにして筋道を立てて説明することも必要と感じております。今後の取組を期待するとともに、ぜひ、指導室長の答弁にもありましたように、施策を積極的に推進されることをお願い申し上げる次第でございます。よろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。少々細かいことになりますけれども、子供たちの言語活動においては重要な事項と考えておりますので、再度質問させていただきます。低学年の漢字学習についてであります。
私は、令和元年度の決算特別委員会において、小学校の低学年における漢字の学習状況の問題について質問させていただいたことがありました。小学校低学年の1、2年生が学習していない漢字を使用すると、担任の先生から平仮名で書き直しをさせられるということに関して、疑念を抱きましたので、教育委員会の考え方をお尋ねしたものでございます。
例えば太田幸子と書くと、幸の字は3年生で習う漢字だから、これを使ってはいけませんと。それで、幸を平仮名にして太田さち子と書くわけです。そういったことがありまして、たしかそのときの答弁の内容というのが、担任の先生の指導方針によるところが大きいが、ただし学校として考え方を統一しながら対応していく必要があると回答いただいたと記憶しております。漢字の学習をはじめ、学習指導要領に準拠した学習方針の下に子供たちに対する指導が進められ、教育上やむを得ずこのような書き直しの事態に至ったものと考えるわけでございますが、それにしても、例えば自分の名前の一字を学んでいないがゆえに書き直しを行うということは、様々な御意見があろうかと考えています。
そこでお伺いします。小学校で学習する常用漢字は、学習指導要領に沿った内容であり、十分尊重に値するものであることを踏まえながらも、せめて言語活動の根幹をなす自己のアイデンティティの一部である名字や名前は正確な漢字を記載することの運用を求めたいのですが、教育委員会としての考えを改めてお聞かせいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○小林指導室長
まず、子供は、実は習っていなくても知っているものとかできるものというのは、披露したいとか見せたいという大本の気持ちがあると思っております。例えば幼稚園でも、まだ平仮名を習っていないですけれども、平仮名に似せて作品を作ったりするようなところがあって、こういったところが子供にはあるのかなと思っております。教員は、そういった子供の気持ちを理解した上で、必要があるものについては指導していく必要があると思うんですけれども、実際に今御質問いただいた場を見ていないので何とも言えないところではあるんですけれども、こういったことはしっかり認めてあげてもいいのかなと思っているところです。
逆に、学習指導要領に沿って漢字を習うこともありますので、習った漢字を平仮名で書いていたりとか、そういった場合には教員は、書ける漢字はしっかり書いていこうというような指導は必要かなというところです。こういったところ、漢字というのは、書かせることでしっかりと身についていく、習得していくというところもありますので、習ったことを自分で書けるということはもちろん大事なんですけれども、書きたいとか、やりたいということはしっかりと認めてあげるような教育方針で、学校教諭のほうにも指導していきたいと考えております。
以上でございます。
○太田委員
安心いたしました。子供が学校に行って名前を書いてきて、書き直しをさせられて、しゅんとして帰ってくるわけですよ。親としては一番最初にプレゼントした名前ですから、これはしっかり認めてあげるというのは本当に大事なことだと思いますし、先生にもいろいろ考え方はあると思いますけれども、そういった部分はしっかり統一して、子供の教育として伸ばせるところはしっかり伸ばしてあげるというのは重要なことだと思います。自分の名前を正確に記載するということは、家庭における教育においても行われることであり、学校における指導と矛盾してはならないと考えております。今、指導室長にお答えいただいたとおり、十分尊重しながら、学校教育の在り方について今後もしっかりと研究していただくことをお願いするところではありますが、いま少し質問させていただきます。
漢字の問題で質問させていただいた事項に関連しますが、学校教育におけるレベル感の統一についてです。
学校には若い先生が多く在籍されている様子が見受けられます。学校や教育委員会でのお話を聞きますと、世代交代が進んで、ベテラン教員の方々が退職される中で、若手の教員を多く採用しているとのことでありました。報道等によれば、全国的には教員の成り手不足が深刻となっていて、国において給特法の改正により、教員給与の改正や働き方改革のほか、学校教員の魅力創造などにも力を入れていることは承知しております。これまででしたら先輩教員からの十分なサポート体制の中で新規採用の方々が教壇で力を発揮される土壌があったところですが、中堅教員が手薄だったり、学校管理職の多忙により目が行き届かなかったりと、学校の内部組織における人員構成も昔と異なり、変化していると推察いたします。
そこで伺います。若手教員による授業の統一したレベル感を保つために、どのような取組をされているのか、お知らせください。
次に、また、若手教員が学校で孤立しないようなサポート体制についても、併せてお知らせいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○小林指導室長
まず1点目の若手教員の授業力向上のためにどのような取組をしているかというところでございます。今、各小学校、中学校には毎年2名から3名の新規採用者、大体延べそのぐらいかなと思っておりますけれども、若手教員が毎年入ってきているような状況でございます。中央区におきましても、今年度、特に1年目が50人を超えるということで、今までにない新規採用の教員が今教壇に立っているところでございます。そうした中、授業力向上というところで、実際に今委員がおっしゃったように学校の中でOJTとして、学年主任の先生とか、少し中堅の先生の授業力を見て学ぶというところもあるんですけれども、中央区は特に若手研に力を入れておりまして、年間10回程度集まって、それで研修を行っているところです。その中に授業のことについてもプログラムされております。
それに加えまして、実は柏学園で初任者の宿泊研というのをやっておりまして、夏休みに、1学期の終わりのところで自分の授業力はどうだったかというところを振り返らせるとともに、2学期以降の自分の課題を見つめ直させるという機会を設けているのと同時に、これは先ほどの孤立しないようなサポート体制にも関わってくるんですけれども、横のつながりがその後できておりまして、初任者が同期として非常に仲よく、情報も交換しながら、時には悩みも相談しながらやっているところです。
この孤立しないサポート体制については、若手の横のつながりだけではなくて、教育センターにいるセンター講師の方が各学校を回りまして、授業の様子を見たりとか、中央区には独自で採用しているメンタティーチャーという者がおりまして、小学校と幼稚園にそれぞれこういったメンタティーチャーが出向いて、特に2年次、3年次の若手教員等にしっかりと授業力をつけさせるために、外からの指導・助言という機会も設けているところです。それと併せてメンタル面のサポートというのも大事だと思いますので、悩みも聞きながら、早い段階でそこをキャッチしたら管理職につなげるという流れもつくっておりますので、こうした取組をしっかりと確立して、若手教員の育成に努めてまいりたいと思います。
以上でございます。
○太田委員
ありがとうございます。
今年は50人採用ということで、若手の先生も成り手がまだまだたくさんいるんですね。何かテレビを見ていると、入ってからどういう指導をしているのかはあれですけれども、ちょっと前だと、メンタル的にやられてしまって、若いうちに退職してしまって、せっかくの芽を潰してしまうような状況が続いていたかと思うんですけれども、本区に至っては、先ほど指導室長のおっしゃったとおり、メンタティーチャーという外部の講師の方を入れて充実させるとか、そういった部分はさすがだなと思いました。今は、若手というのは本当に若いですから、メンタル面にも配慮しなければいけない部分はたくさん出てくると思いますし、僕らが若い頃は張り手を食らいながら育った世代ですけれども、そういった部分も随分教育の方針が変わったんだなと思いました。計画的な研修や、先ほどのメンタティーチャー制度の活用によって本区の若手教員に対するサポートということで、統一感ある学校教育と教員の指導力向上は欠かせないと考えますので、しっかり取組を推進していただければと思います。ありがとうございます。
次に徳についてお尋ねいたします。豊かな人間性を育む上で、自らを律し、他人と協調するとともに他人を思いやる心や感動する心などが極めて重要と考えております。教育基本法では、第1条において、教育の目的を、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成と定めている。そして第2条においては、教育の目標を、知・徳・体の調和の取れた発達を基本に、自主自立の精神や自他の敬愛と協力を重んずる態度、自然や環境を大切にする態度、日本の伝統と文化を尊重し、国際社会に生きる日本人としての態度の養成と定めております。こうした教育基本法の規定も踏まえると、徳育は、社会が理想とする人間像を目指して行われる人格形成の営みであり、幅広い知識と教養、豊かな情操と道徳心、健やかな体を育むという知・徳・体の調和ある人格の完成を目指す教育の根幹を担うものであると考えております。義務教育の中では、人権教育や道徳教育の中で具体化されておりますが、私の問題意識も含め、順次お尋ねしていきたいと考えております。
初めに、私のこれまでの問題意識に関することから伺っていきたいと思います。北朝鮮に拉致された日本国民についてです。これまでも過去の質疑の中で、横田めぐみさんの拉致事件に関する人権教育を取り上げ、区立学校としてどのようにこの問題を子供たちに伝えているのか、また普及啓発事業や授業の一環の中でDVDを活用したものとなっているのかなどについて伺ってまいりました。1977年に北朝鮮に拉致された横田めぐみさんを題材にした映画「めぐみへの誓い」が、少し前の話になりますけれども、俳優の大鶴義丹さんらが出演しながら、2021年に公開されました。今なおこの問題を色あせることなく、我が国で起きた重大な他国による国ぐるみの犯罪として伝えていこうとする関係者の熱意のたまものと考えております。北朝鮮による日本人拉致の問題は、決して許されることのない人権問題として強く抗議するとともに、国民の関心が色あせることのないよう、学校教育現場の教育方針と問題意識について改めて問いたいと思います。
そこでお尋ねいたしますが、人権を無視した拉致被害の実態を後世に伝え、風化させることなく子供たちへ教育することは、卑劣な犯罪を認めないという意識の醸成や重要な安全教育にも資するものと考えております。学校指導要領に沿った学習内容と聞いているところではありますが、いま一度、教育委員会のお考えをお知らせください。よろしくお願いいたします。
○小林指導室長
今のお尋ねの件ですけれども、このことについてもそうなんですけれども、大事なことは、子供たちに正しい事実を伝えて、そして子供たちがそのことについて向き合って考えることが重要かなと考えております。御存じのとおり、たしかあれは2002年、平成14年でしたか、日朝首脳会談が行われて、北朝鮮は拉致の事実をもう認めているというところです。このことは実は小学校や中学校の社会科の教科書にも掲載されておりまして、これについて子供たちがどう考えるかということが大事かなというところです。やってはいけないこととしては、教師の考えを押しつけるとか、そういうことではなくて、子供たち自身がこの事実をどう捉えて、ではこれから育っていったときに、自分が成長していく中でどのようにこの問題と向き合っていくか、あるいはこういうことを教訓として、次にどのようにしてやっていくのかというのを考えることが大事かなと考えております。
以上でございます。
○太田委員
ありがとうございます。社会科の教科書の中にも記載されているということは私も承知しておりまして、おっしゃったとおり、学校の先生の様々な考え方、そういった思想の部分というのは、これは非常に難しい部分があって、そうした部分を子供にしっかり考えさせると今おっしゃっていただいたので、そこが重要だと私も思っています。こういった部分、人権というのは、本当に様々に今、問題が提起されておりますし、そういった部分をしっかり醸成していただいて、子供たちの教育に寄与していただければと思っております。
紹介させていただいた映画は、拉致被害について関心を持ちながら、現在も日本へ帰国を果たせないでいる方々への思いが大変強くなる作品です。配役についても、本当に被害に遭われた方なのではないかと思えるもので、大変見応えのあるものでした。穏やかな日々を簡単に奪われてしまうことや悔しさ、解決に至らない日本人としての情けなさをかみしめながら、国民全体で一致団結の必要があると感じています。ぜひ、機会がありましたら、子供たちにこの映画を通して人権問題の重大さを伝えていただければと考えております。
また、人権の問題を考える上で、平和教育も欠かすことができないものであります。現在、国際社会においては、ウクライナや中東をはじめ、世界の様々な国や地域で戦争や紛争が起きており、改めて平和な社会の実現について考えるところです。平和な社会の実現に向けては一人一人の大人が向き合うことが最も大切であると考えておりますが、小学生や中学生も、現在起きている戦争などを基に、起きている事象のみならず、世界平和について考え、友達と意見交換し、価値観を磨き合うことなど、教育の重要性を再認識しております。
そこでお尋ねいたします。学校教育においては、人権教育に基づく平和学習をどのように行っていますでしょうか。お示しいただければと思います。よろしくお願いします。
○小林指導室長
御承知のとおり、特に社会科を中心に、戦争の歴史であるとか、現在の社会情勢といったことについて触れていって、当時の開戦の要因であるとか戦争の悲惨さといったものについて、子供たちは学んでおります。昨今こういったことが起きていることもありますので、特に平和というのが大事だということで、総合的な学習の時間の大きなテーマを学校ごとに決めるんですけれども、中学校などで、学校によっては、平和ということを柱にテーマ設定をしておりまして、過去の出来事とか平和の大切さなどを学んだ上で、修学旅行で広島を訪れて原爆の資料館等を見たりすることなどをして、心に深く刻む教育というものを学校の特色としてやっているところもございます。
また、10年に1回大きな周年行事があって、各小学校とか中学校では、当時の歴史を振り返る中で戦時中のことに触れたりすることもありまして、実際にはそういった中で、今自分たちが恵まれているということについても改めて実感するような行事なども行っているところです。平和というのは考えることが大事であって、そこら辺のところをどのように学校教育の中でも落とし込んでいくかということが大事だと思いますので、社会科の授業だけではなくて、あらゆる機会を通じて、子供たちの平和に対する思いというものを、意識を高めていけたらと考えているところでございます。
以上でございます。
○太田委員
ありがとうございます。
本当にこれはとても大切なことで、私の祖父も満鉄に行っていまして、そこから南方に赴いて生きて帰ってきたんですけれども、そのときに田舎でそういった経験を基にしながら政治家になって、皆さんに奉仕したんです。そういった部分も小さい頃よく聞かされておりました。本当に戦時中のことを疑似体験するような教育というのもまさに大切だと思っております。今後の日本を考えると、そうした平和教育というのは力を入れなければいけない。世界で起きている戦争、紛争を早く終結に向かわせるということも、これは政治家の務めなのか、国民の務めなのか、分かりませんけれども、しっかり国民一丸となって、世界のみんなで考えなければいけないことです。これをしっかりお願いいたしたいと思います。
小学校や中学校の社会科の授業のみならず、学校の特色として総合的な学習の時間で平和をテーマとしてゲストティーチャーを招いた授業や、集大成として修学旅行で広島を訪問するなどして平和学習を実施していること、また周年行事の一環として戦時中の学校生活を通じて戦争の悲惨さを知る学習に取り組んでいることなど、様々な平和学習を実施していると今お伺いしたとおり、確認させていただきました。
特に、修学旅行で広島平和記念資料館や原爆ドームを見学した生徒は、平和の大切さを理解するにとどまらず、平和な社会の実現に向けて自分ができることは何かを考えるきっかけになったのではないかと思っております。今後も、施設見学など体験学習に加えて、デジタル教材なども活用して戦争の悲惨さを伝えるとともに、どうしたら戦争が起こらなくて済むのかということも考えながら、世界平和に寄与する児童・生徒の育成に尽力いただければと思います。
そこで、さらにお尋ねいたします。世界平和に関連しまして、これまで私が質問させていただきました人権が何よりも大切であり、これが根底にないと、平和な社会というのは実現しないと思います。現在、学校教育においても全校で人権教育を推進していると思いますが、女性や子供の人権、体罰や暴力など、17の人権課題についてどのようなことを取り上げているのでしょうか。また、授業では具体的にどのように人権教育を行っているのでしょうか。お聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
○小林指導室長
まずは、人権教育ということは、例えば授業で、今日は人権教育の時間ですとか、そういったことはありません。人権教育というのは、全ての教育活動でしっかりと各学校のカリキュラムに結びつけて人権感覚を磨いていくというものになってございます。例えば、人権課題・女性とありますと、家庭科の授業でそこに触れたりとか、あるいは高齢者とか障害者等は、道徳の時間であるとか総合的な学習の時間でこういったところに触れたり、あるいはインターネットによる人権侵害ですと、中学校の技術科で取り組んだりということです。あと、最近ではハラスメントというものについては、中学校の社会科で、今の社会がこうなっていますよということも触れております。
それらに加えて、実はタイムリーなものもこういった人権課題で取り上げています。例えば東京2020大会が行われたときなんかは、オリンピックは平和の祭典というところもございますので、その中で、オリンピック・パラリンピックと人権とか、そういったテーマもありますし、あるいは数年前まで、新型コロナウイルス感染症による医療従事者等への差別的なものが社会問題になりました。こういったところでいくと、感染症に関わる人権問題というようなことで、子供たちもそのときに起きたことに対して、人権は大切にしていかなければいけないんだという思いと、それから人権はそれを教えるものではなくて自分で磨いていくものというところもありますので、様々な教育活動を通じてこれからも子供たちの人権感覚を磨いていきたいなと考えているところでございます。
以上でございます。
○太田委員
ありがとうございます。そうですね。おっしゃるとおりだと思います。自分で磨くもの、もうここに集約されているんだと思うんですけれども、今テレビを見ましても、様々な事件が起きていますね。最近も芸人の方が事件を起こしまして、そういった卑劣な犯罪に手を染めてしまう。抑えられないものもあるでしょう。しかし、そういった部分というのは今後、日本においてはもう絶対許さないんだということも必要だと思います。
ちょっと脱線しますけれども、韓国では、そういった性犯罪に手を染めた人というのは、発信機をつけられるそうですね。日本もいよいよそれを考えなければいけないんではないかと思っております。そういった部分でも人権教育は、人権感覚をしっかり磨かせるような、そうした題材を取り上げていただいているというのは確認させていただきまして、ありがとうございます。
17の人権課題に加えて、現在の社会情勢を踏まえたオリンピック・パラリンピックと人権や、先ほどもおっしゃっていましたコロナウイルス感染症に関連した感染症に関わる人権問題などを取り上げて教育を行っていること、そうした部分をお聞かせいただきましたので、安心させていただきました。特にパラリンピックは、障害者理解に直結しますし、オリンピックはまさに平和の祭典とも言われております。さきに質問させていただきましたけれども、子供たちが人権を深く理解し、平和な社会を築いていってほしいと思っております。
そして、子供たちの人権に対する意識は、もちろん学校教育のみで培われるものではありません。子供の視点で見てみますと、身近なものとして、まず家庭があり、そして学校があり、学童や習い事など、日々の生活の中で様々な方と接する中で子供一人一人の中で価値観が生まれ、ひいては人権感覚が磨かれるものであると捉えております。改めまして、周りにいる大人や友達との関わりの中で、子供たちがバランスの取れた人権感覚を持ち、自ら考え、判断し、そして世界平和を含めたよき社会の形成者として成長することを願っております。
次に道徳教育であります。道徳は、主として自分自身に関すること、主としてほかの人との関わりに関すること、主として自然や崇高なものとの関わりに関すること、主として集団や社会との関わりに関することを学ぶものとして、改正教育基本法に道徳心を培うことが明記され、児童・生徒が人間としての在り方を自覚し、人生をよりよく生きるために基盤となるものと考えております。
本区の区立学校においても、小・中学校で道徳が教科化され、学習指導要領に基づく教育が推進されております。私が小学生や中学生の頃は道徳の授業はどのようなものだったかなと考えますと、正直言えば、あまり記憶にないです。伝記を読んで、立派な大人になりましょうとか、勧善懲悪の物語を聞かされて、善悪の判断を身につけましょうといったようなことを一方的に教わる時間だったという記憶があるのみです。しかしながら、時代は変わりまして、道徳の授業を通して多様な価値観や共生・共存について考えることが大切となる中で、教員の指導方法や指導内容も随分進化してきたものと考えております。
そこでお尋ねいたします。道徳教育を実施されるに当たり、子供たちの人格形成や豊かな思考力を育めるよう、どのような点に留意しながら教育を推進されているのか、お聞きいたします。よろしくお願いいたします。
○小林指導室長
まず道徳なんですけれども、先ほどの人権と少し近しいところがあるんですけれども、教員の道徳的価値観を押しつけるような道徳の授業は駄目だということで、そこはこちらの教育委員会としても、しっかりとその道徳の授業の在り方というものを研修等しているところです。今、国は、道徳の授業を、考え、議論する道徳なんだということで言われておりまして、様々な葛藤する場面を子供たちにイメージさせて、そしてこれはどうなのかと、自分の意見を言わせるようなことを今させているところです。実際に学校の中では様々な考え方が出てきておりまして、友達の意見を聞いて、それは違うんじゃないかな、僕はこう考えるよということが、何よりも道徳的な価値観というのが一方ではなくていろいろな人から聞く中で、自分の道徳的価値観をどのように持っていたらいいのかな、あるいはどのようにその感覚を磨いていったほうがいいのかなというところが教育活動の中ではあるのかなと思っております。引き続き教員にこういった、考え、議論する道徳というのをしっかりと進めるよう努めてまいります。
以上でございます。
○太田委員
ありがとうございます。先生の価値観を押しつけないと先ほども聞きましたけれども、葛藤させるということ、これがなかなか子供たちの意識醸成を育むのかなと、そういうイメージを抱きました。ありがとうございます。
道徳は、その学習活動を通して、節度ある態度や自制心を育みながら、豊かな人間性や自ら学ぶ姿勢、考える力の基盤となるものであり、子供の成長の糧であると考えています。道徳の授業を通した取組を今後充実させることをお願いしまして、次の質問に移ります。
次に体についてでございます。まさに言葉のとおり、健康や体力を維持するものであり、体育を中心とした教育活動が子供たちにとって極めて重要であるということは言うまでもありません。体育は、全ての子供たちが生涯にわたって運動やスポーツに親しむのに必要な素養と健康、安全に生きていくのに必要な身体能力、知識などを身につけることを狙いとするものでございます。そういった観点から、体育の授業を通して、全ての子供たちに身体能力、態度、知識、思考、判断などを身につけさせることが必要であると考えております。
本区では、体育活動の取組としては、マイスクールスポーツなどの活動を通して、子供たちの基礎体力の向上と健康維持に取り組んでおられます。都心である本区においても、子供たちにとっては学校での体育活動が数少ない、体を活発に動かす重要な機会であるとともに、そうした環境であるからこそ幼児の頃からの体育活動は重要と認識しております。
そこでお尋ねいたします。児童・生徒基礎体力調査によれば、幾つかの項目において課題があると認識していますが、持久力の向上や筋力向上を踏まえた体育的活動で特に留意している点や取り組んでいる点などありましたら、お知らせいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○小林指導室長
まず、本区の子供たちの実態で、中学生は、持久力が東京都あるいは全国と比べて少し課題があるかなというところでございます。それから小学生においては、例えば握力であるとか、そういったところが課題かなということと、それから全体的に柔軟性についてはもう少ししっかりとやっていかなければいけないかなということを感じているところです。こういったところで、学校としては、例えば体育の授業で長距離走であるとか、体育の授業だけではなくて、短時間のランニングを毎日のようにやったりとか、そういった取組をしております。それから、例えば握力のところでいくと、鉄棒とか、肋木というものがありますけれども、ああいったものを使った体育的なものをやったりとか、あと、中央区ならではだと思うんですけれども、ボルダリングの施設も結構小学校にあったりして、そういった中でやっております。
ただ、体育の授業だけで体力向上を図るということは難しくて、子供たちに運動する楽しさとか、そういったことがないとそこは長続きしないということはもう承知のところです。引き続き運動の日常化に向けて、体育の授業をきっかけにして、あるいは休み時間の取組をきっかけにして、子供たちが元気に活発に動くことによって、自然とそういったいろいろな体の機能面あるいは体力、力の部分も養っていけるのではないかと考えているところでございます。
以上でございます。
○太田委員
子供の体力向上ということで様々なお取組を聞かせていただきました。ボルダリングなんかも、今はもう、最近はオリンピック選手になる子供も出てくるんじゃないかと、ぜひ中央区からもそういった子供が出てくればいいなと思っております。僕も子供の頃は、僕は青森で育ったもので、ランニングするときに、ここまで走ると弘前ですとか深浦まで行きましたとか、何かそういったことでやたら走らされた記憶がありまして、体力がついたんじゃないかと思います。楽しみながら運動するというのが一番いいのかなと思っております。
幼稚園から小学校低学年にかけて様々な運動、遊びを通じて多様な動きを経験させ、柔軟性を高めるとも言いましたれども、そこも大事だと思います。日々体を使いながら運動を日常化していくことが重要と考えております。また、その点のお取組をさらに推進していただきたく存じます。
さらに、学校教育外となりますが、本年度から区立小学校3校において自転車やキャッチボールなどの機会創出ということで、休日に時間を割いていただいております。活動場所の少ない本区では、学校施設が有効な体を動かす場であることを踏まえると、こうした事業がますます大切なのかと考えております。こうした事業自体は環境土木部と教育委員会が連携して実施されておりますが、学校がこのような事業や、地域団体から様々なニーズにおいて活用されている状況にあろうかと思います。
そこでお尋ねいたします。学校施設は、施設開放や地域開放など、様々な用途で活用されております。学校が地域の貴重な財源であり、特定の属性を持った方々の施設ではないということも承知しておりますが、子供たちの活動には少し優先枠を設けるなど、工夫をしてもいいのかなと感じております。この点について、施設を貸し出す立場の教育委員会としての考えをお知らせください。よろしくお願いいたします。
○田中学校施設課長
現状なんですけれども、学校教育法の中では、学校教育上支障のない状況で、学校の施設を社会教育その他公共のために、利用させることができると定めております。その一環として、区内の小学校9校で日曜日に校庭開放を実施しております。未就学児や小学生を対象に学校の校庭で自転車及びキャッチボールをすることができる場所の提供も、今年度より明正、日本橋、月島第一小学校の3校で始め、その他、月島第一小学校では、スポーツ事業者が公園ではできない競技、遊びを直接指導する事業も実施しております。私も今年度、このキャッチボールを見に行きまして、親子で楽しくやっている姿を見て、大変ほほ笑ましく思いました。
広い場所が確保できない中央区にとって、学校の校庭とか体育館という貴重な資源を限られた時間で区民の皆様にどのように活用してもらうかというのは課題の一つと考えております。先ほどお話のありました自転車・キャッチボール事業におきましても、関係者との定例の意見交換会を設けておりまして、様々な意見とか要望もいただいているところです。そのような意見、要望も聞きながら、子供たちが使用できる日数とか、時間、場所を増やすということができれば問題ないんですけれども、ただ単純に増やすというのは難しい部分もありますので、例えば事業の拡大とまでは言えないまでも、それぞれの事業実績を確認しながら、子供たちが何を求めているのか、どのようなことをしたいのかというのを見極めた上で、運用の中で改善点はないのか、検討を進めていきたいと思っております。
私からは以上です。
○太田委員
ありがとうございます。校庭開放も様々にやっていただいていることは承知しております。さらによりよい環境を提供していただけるように、引き続きよろしくお願いいたします。学校を活用した体を動かす場の提供については、都心区であることを踏まえると、最大限提供すべきことかと考えています。学校教育に十分配慮しながら、ぜひ子供たちの体力向上に資する取組に御協力いただきたく存じます。
ここまで知・徳・体についてお尋ねしましたが、その他の事項についても少し触れさせていただきます。月島地域の児童数の問題についてです。
これまでの委員会における報告にもありましたように、月島地域における人口が急増していることに伴いまして児童・生徒数も比例して増加しているとのことです。小学校として適正な児童数を維持し続ける必要があることから、地元の佃島小学校をはじめ、月島第一小学校や月島第三小学校との間で通学区域が見直され、令和7年度から改正された通学区域の運用が開始されようとしています。この問題に付随する事項としては、校舎の老朽化問題もあろうかと考えております。とりわけ、今御紹介した3校の中では月島第一小学校の老朽化は著しくて、現在のICT機材を活用した学習環境の維持はもとより、防災拠点としての機能維持の観点からも非常に課題があると考えています。これまでの答弁では、令和10年を目途に、改築時期も含め様々な検討と決定を行っていただけるということで理解をしております。
そこでお尋ねいたします。月島第一小学校の校舎は老朽化していると考えますが、子供たちの教育環境としてふさわしい状況となっているのか、また改修や機能更新は適切に行われているのか、ハード面からの取組についてお答えください。さらに、改築に関する検討は現在どの程度まで進んでいるのか、お知らせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田中学校施設課長
月島第一小学校についてなんですけれども、昭和51年に竣工され、築48年が経過しているところです。平成20年度から21年度に実施した前回の大規模改修の中でも、その受変電設備の更新ですとか、学校機能を更新、維持するために必要とする工事は実施しており、そのほかにも、毎年行っている建築設備点検の結果も確認しながら、修繕工事を進めております。その他、ICT環境の整備も継続的に進められるよう施設の環境も整えており、学校の安全、教育環境はきちんと保たれていると考えております。今後とも、関係各所と協力しながら適切な維持管理に努め、良好な教育環境を維持していきたいと思っております。
続いて改築に関する検討についてですが、現在、人口推計から各年度ごとに必要となる教室数を精査して、改築計画を検討しているところです。保護者や地域住民を対象にした説明会では、改築後の校舎が現在の敷地で収まるように学級規模を適正化させるために、令和7年度より通学区域の変更をお願いしております。今後の再開発の動向や就学状況から児童数の推移を見極めた上で、現在検討中の改築計画の状況についても、しかるべき時期に区議会への報告をしっかりとさせていただきます。
以上です。
○太田委員
ありがとうございます。月島第一小学校の改築に関することは、引き続き御検討いただきながら、大切なことは、現在そこで学び続けている子供たちの学習環境であり生活環境と考えています。ただいまの御答弁から、様々教育上の配慮の上で施設改修と整備を重ねられ、工夫されていることを聞かせていただきました。
これは款が異なりますので深くは触れませんが、学校は地域の防災拠点としても重要な施設です。児童や保護者をはじめ地域住民の協力もいただきながら、月島第一小学校の教育上の配慮や使い方も含めて、地域が一丸となって学校を盛り上げていく姿勢が重要なのかなと感じております。
同校のハード面についても、一例としてお尋ねいたしました。中央区内では、新設の晴海西小学校を含め17校体制となったところです。小学校の適切な維持管理を教育の面のみならず様々な観点から御配慮いただくことを願いつつ、次の質問に移らせていただきます。
晴海地区の課題であります、まちびらきが行われたHARUMI FLAGについては、東京2020大会の選手村跡地として住宅転用されたもので、1万2,000人の人口増をもたらす地域として、本区の行政需要をキャッチしながら、新たな住民を受け入れていかなければならない。教育費に関する問題については、同地区の義務教育施設の充足についてお尋ねしていかなければならないと考えています。
晴海西小学校については、東京2020大会の立候補ファイルにまで遡り、オリンピック終了後のレガシーや住民増加にこたえるものとして、小学校や中学校の必要性について記載されております。その当時の通学区域としては月島第三小学校であり、住民の方もほとんどお住まいになっておられない地域でありましたけれども、そのほかに建設される住宅から月島第三小学校に通うのでは、子供たちの足では相当な時間がかかることから、当該エリアに学校が建設されることは理にかなうものであると考えておりました。また、そうした考え方に沿うように、HARUMI FLAGのまちびらきに併せ、建物引渡しから1か月程度の短期間に学校開設までの準備を整えられ、滞りなく晴海西小学校・中学校が令和6年4月に開校されたことに感謝申し上げる次第です。また、小学校27学級、中学校8学級からのスタートということで、学校には子供たちの活気が満ちあふれている状況を大変うれしく感じているところです。
一方、NHKの報道によれば、同HARUMI FLAGについては、賃貸棟の計画的な貸出しから一気に住民転入が進まない事情があるものの、非常に好評の中で住宅販売が進んだと聞き及んでいる分譲棟についても、まばらな状況であるとのことでした。マンションを購入された方々の事情を個別に推しはかることは困難ですし、ましてや役所として転入時期を正確に当てるということは困難と認識しています。ただ、これまでの報告によりますと、晴海西小学校については、既存校舎の教室スペースの拡充や第二校舎の竣工早期化など、9月の区民文教委員会に報告されております。詳細については我が会派の委員よりお尋ねしておりますので、私からは改めて数点確認させていただきます。
改めて児童・生徒数の推計方法や今後の同地区の児童・生徒数の見直しについてお知らせください。また、子供たちの学びが滞りなく行われるよう、本校舎の拡充された教室での学習環境についてもお知らせいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○俣野庶務課長(参事)
ただいまのお尋ねにありました晴海地区の関係を含む児童数推計ということでございますけれども、私どものほうでは、企画部の人口推計とともに、教育委員会のほうで改めて中身をブレークダウンしながら、より確度の高い児童・生徒数を推計しているところでございます。御紹介させていただきますと、毎年の4月1日時点の住基人口といったものを基準としながら、出生数、あと死亡数といったものを加味するとともに、さらには区内ですとか区外への移動といったものを計数化いたしまして、1年後の人口を計算してまいります。この人口を基に2年後、3年後、4年後と経年で追っていくわけでございます。
また、そうして導き出されました人口でございますが、それに対しまして就学対象人口ということでございます。私どもの対処しなければならない幼稚園から中学校までの3歳から14歳の人口といったものを割り出しまして、そこからさらには就学率、さらには特認校制度ですとか、自由選択制度、指定校変更、こういった各種の就学制度の利用に関する計数といったものを加味しながら、最終的には園児・児童・生徒数を推計してまいっているところでございます。
それから、晴海地区を含む月島地域全般の児童・生徒数の関係でございますけれども、今、議論がございましたように、佃島小、月一小、月三小につきましては、適正な子供の通学規模ということで、令和7年度より通学区域の変更が行われるものでございます。こういったことにつきましては、転校ですとか指定校変更の状況など、例年とは異なる就学の動きがあるものと考えているところでございます。
それから、HARUMI FLAGにこれまでまだ転入されていない方々が今後どのように転入されてこられるかというような動向もしっかり把握するとともに、さらには令和7年竣工のタワー棟、それから令和8年、令和9年にかけては月島三丁目住宅、さらには令和9年の豊海タワーということで、引き続きこの地域につきましては大規模な開発物件の竣工が控えているということでございます。こういった月島地域の開発によりまして、私どもが対処しなければならない月島地域の児童・生徒数は引き続き増加傾向と分析しているところでございます。
以上でございます。
○田中学校施設課長
拡充された教室環境なんですけれども、小学校の計画当初からHARUMI FLAGの居住環境というのが分かりづらかったので、児童・生徒数の予測も立てづらいことから、オープンスペースというものも計画しておりました。こちらのオープンスペースなんですけれども、空調や照明も何の滞りもなく設置できますので、現在の普通教室と比較しても遜色のない場所となっております。
以上です。
○太田委員
詳しく御説明いただきまして、ありがとうございます。
本当にこれは課題の多い部分だと思いますし、なかなかその人口推計を把握するというのも骨の折れる作業だと思います。正確な見通しには課題は多いと思います。しかし、義務教育には待機児童のような考え方はなくて、国民の権利・義務としては学びは保障されなければならないと考えますし、その根幹となるものが当然学校でございます。良好な教育環境の維持向上と考えています。薄氷を踏むようなかじ取りが任される教育委員会には大変困難な事業の遂行かと考えますが、引き続き子供たちの教育機会の確保に取り組んでいただきたく存じます。
今日はもう時間が来てしまうのであれですけれども、様々に人権問題は、もっとやりたいお話はたくさんあったんですけれども、人権から始まって漢字の教育の話もさせていただきましたが、中央区の子供たちというのは僕は本当に恵まれていると思っています。本当に僕の育った時代を考えると隔世の感がありますけれども、そういった本区の子供たちがさらに輝ける学校教育等を皆さんのお力で推進していただければと考えまして、私の質問を終わりとさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○竹内委員長
次の質問者の発言を願います。
○高橋(ま)委員
かがやき中央の高橋まきこです。正午まで1時間を頂いています。よろしくお願いいたします。
先日10月5日は教師の日ということで、先生方に感謝を伝える日とされております。これに合わせましてTeach For Japanによるイベントが開催され、私も参加いたしました。これからの子供たちのために、どんな学校教育を目指すか、教員の皆様との学び合いの場でございました。ここではお二人の講演に触れたいと思います。
お一人目は、「ウェルビーイングな学校をつくる」の著者である埼玉県上尾市の中島校長先生です。中島先生は、子供や先生が毎日行きたくなる学校づくりを目指して取り組み、実際に教員の休職をなくし、子供たちの学力を向上させています。ウェルビーイングというのは、単に心地よい幸せではなく、心理的安全性を指すということでございました。一人一人が安心して意見を言える状態であり、そのことでその場のチームの総合力が結果として上がるという考え方です。
もう一人は、全国最年少の市長として話題になりました芦屋市の髙島市長です。教育をメインの政策と掲げ、子供たちとの対話を大切にし、学校に足をたくさん運んでいらっしゃるそうです。子供たちに委ねる教育として、徹底的に子供たちと教員を信じることが大事だとおっしゃっていました。教員を信じ、働き方改革を進めると、先生方が自ら学び、子供たちと向き合う時間をつくり、結果として教育の質の向上につながったというお話を伺いました。
さて、中央区ですが、20万人都市へと進化を続け、子供たちもどんどんと増えているということがこれまでも議論されてまいりました。持続可能なサステナブルとウェルビーイングを基盤とした信頼関係を持って、学校がよい方向に変化していくように期待を込めています。会派かがやき中央からは、来年度への予算へ向けた予算要望書において、子供たち自らが学ぶ主体的な学びを要望しております。この視点を持って本日質問をさせていただきます。
本日は、まず学校行事、そしてこちらは学校内外の行事、それから学校給食、そして不登校支援、特別支援、また水泳指導と伺ってまいりたいと思っております。
まず、行政評価を参考にしながら質問させていただきます。257ページからです。こちらの右下部分ですが、宿泊行事については、児童数が年々増加する中、実施日程の調整や宿泊施設の確保等が喫緊の大きな課題であると書かれており、その対策として、本年度、令和6年度から移動教室の業務委託化を実施するということで、ほかのページにもこの点は書かれておりました。この取組の現状について詳しくお聞きしたいと思います。
また、私に保護者や子供たちから多くの意見がございましたので、この点を質問いたします。小学校5年生で赤城山への宿泊学習が行われているということです。学校によっては赤城山へ行っていないところもございますが、多くの学校が複数校一緒に赤城山を訪れる宿泊学習が開催されているということでございました。この狙い、時期、目的が果たせる現状であるのかということを伺いたいと思います。
実際に経験した子供たちや保護者からは、どんな意味がある行事なのかなとか、何のためにあんなに遠くへ行くのかなとか、期待していたけれども、全く涼しくなかったといったような否定的なお言葉も多くいただいているところです。子供の言葉もございますので、恐れ入ります。夏の酷暑もあり、高原で体験とまではいかないようで、近年は雨天も増えており、企画のほとんどができないまま復路の大渋滞を経て、大変疲れたという子供たちの声も聞いたところです。保護者の感想を聞きますと、あれ、この宿泊は何だったのかなと疑問を持っている方もいらっしゃるようでした。何が経験できたかというところを子供たちに聞くと、カレー作りということで、保護者には、あれ、柏学園のセカンドスクールと違ったのかなという印象を持っている方もいらっしゃるようです。複数校が一斉に出かける、区としてかなり大規模な行事を整えていただいていると認識しております。この行事の認識について、今回その目的地として特定した狙いと成果に触れながら、御説明をいただきたいと思います。
続きまして、行政評価261ページです。レガシーである国立競技場において中学校連合陸上競技大会を開催するということで、本年9月に実施されたものでございまして、およそ500万円の予算で合っていますでしょうか、その予算を計上したと拝見しております。こちらなんですが、私は詳しく理解していなかった部分があったなと思ったのですが、区内の中学生でございますが、希望者の実施であったということで、実際には行かれた生徒と、行っておらず学校に残って学習した生徒がいらっしゃったということを伺っています。参加した子供や保護者からは、貴重な経験になった、応援がとても盛り上がってよかったという喜びの声を聞いている一方で、うちの子供は参加したがらなかったのでという保護者の声もあり、多く広がりがあるものだなと捉えております。こちらの開催に至った経緯と、また任意参加とした狙い、そして成果、また来年度に向けてのお取組の方向性についてお聞かせをお願いいたします。
そして、体験について、もう1点伺います。中学生の海外体験学習でございます。コロナ禍を経て5年ぶりに実施されたのが本年度であると認識しております。各校代表が4名ずつ、区内全域で16名が派遣団として11日間訪問したと伺っております。参加生徒は1人当たり3万1,350円が自己負担となると保護者から聞いております。参加できた保護者からは、とてもうれしいし、たくさんのものを得て帰ってきたと聞く一方で、選考されなかった方や、区立以外の中学校に通う保護者からは、対象の拡大という要望もいただいているところです。一例ですが、品川区がニュージーランドへの学生派遣で区内在住と広く公募しているということから、そのような公募が望ましいのではないかという具体的な御意見もいただいたところです。品川区については、品川区国際友好協会による募集で、参加費は28万円ということで、制度の設定としては違うものと認識しておりますが、こうした御意見もある中、対象の拡大においてのお考えまでお聞かせお願いします。
以上、お願いします。
○鷲頭学務課長
それでは、私から、赤城の林間学校と連合陸上の関係について、先に御答弁を申し上げたいと存じます。
まず赤城の林間学校についてでございますけれども、複数校での実施という部分について、狙いとか目的といった部分についての言及をいただきました。まず、そもそもで申しますと、林間学校については、臨海学校の流れをくむ形で、自然体験というのが非常に大きなテーマとなっているところでございます。そうした中におきましても、これも臨海学校からの引き続きで狙いとしている部分の一つでもございますが、複数校での実施という点については、まず複数校で実施することによって中央区全体で施設に占める枠が大きくなるので、施設の貸切りを行うことが可能になります。施設が貸切りで使えるようになりますと、当然のことながら中央区内の学校間の調整で施設の主立った部分の利用が可能になるということで利便性の向上を図ることができます。また、それと併せまして、この複数校での実施によって学校間の交流といった部分も図ることができるというのは、我々としては非常に大きな目的の一つであると考えているところでございます。
先ほど申し上げました自然体験が主な目的ですということで、残念ながらカレー作りが目的ではないところなんですけれども、実際に現場を見てみますと、都心区であります中央区では目にすることができない昆虫とか植物というものを非常に多く目にする機会がございます。こういった細かな部分は、そうした部分に気づくことができますと、そこの土地柄の魅力に気づき、またその部分についての関心を深める非常にいい契機となるものと考えております。あわせまして、都心区とは違いますので、夜については、非常に星がよく見えます。こうした部分について、星座の学習という観点もありますけれども、単純に星を眺めるというふだんなかなか得にくい経験をすることができるというのは、大変子供たちにとっても魅力的なものであろうかなと考えております。
また、時期的には、今般はどうしても林間学校でございますので、夏休みの期間に行っているところでございます。この夏休みが今回も、ここ数年その傾向はあったんですが、非常に暑い時期でございました。ただ、高地にあるものでございますので、朝晩の気温の変化と日中の気温の差というのが大変大きくございます。その部分で、朝晩については比較的活動はしやすい状況であるという中で、日中、あまり気温が高くなってしまいますと、屋外での活動を行うというのが難しくなります。ただ、そうしたために、この大規模な赤城の施設については屋内での活動というのも非常に充実しておりまして、そのあたりについては施設側とあらかじめ我々は調整をしていましたので、その時々の気温等を含めました気象状況に応じまして柔軟な活動ができるような用意をしていたところでございます。
そうした観点でこういった施設を選んでいるところでございますけれども、小学校5年生でこの林間学校を行いまして、赤城山のハイキングなども行ったりするところでございますが、そうした活動は、小学校6年生の移動教室におきまして、富士山ですとか三湖台といったようなところへの、あれはもう本当に登山という形になりますけれども、そうした部分への一つのステップとして大変有効な役割を果たしているのではないかと考えている次第でございます。
また、連合陸上について申し上げますと、先ほど委員からも希望制というところで任意とした狙いということでお話がございました。このあたり、たしか私の記憶している限りで恐縮なんですけれども、学校によって、選手というか、参加者の選び方というのがちょっと異なっているかなと思いまして、確かに任意制、希望制として手挙げ方式でやっていらっしゃる学校もあるやに聞いておりますが、学校の中で予選会的な形で執り行った上で選手を出されているというところもあると聞き及んでいた記憶がございます。こういった部分については、各校のそれぞれの狙いとか特色、また生徒の状況などによっても異なってくるかと思いますので、学校の方針に基づいてということで十分よろしいかと思いますが、何より大事なのは、私ども教育委員会としましては、中学校の生徒たちに、実際にオリンピック・パラリンピックでも会場として使用されました国立競技場を利用する機会を与えるということが非常に大きな狙いかと考えているところでございます。そうした競技場の中で実際に競技を行うということは、なかなか一生の中でない機会だろうなと思っております。また、子供たちにとっても大変夢のある機会だと思っております。
例えば、今後について、国立競技場の様々な利用状況とかがございますので、どういった対応ができるかというのは今後も検討していくところでございますけれども、このあたりは、赤城の使用のことも含めまして、私どもは小・中学校の学校長とかなり緊密な連携を取りながら対応しているところでございますので、引き続きこうした協議を重ねて、着実に実施をしてまいりたいと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
○小林指導室長
私のほうからは、海外体験学習についてお答えをさせていただきます。
まずこの海外体験学習なんですけれども、少し歴史や伝統がある取組となっておりまして、実は昭和63年から実施しておりまして、その後、平成に入りましてからサザランド市と姉妹都市提携をして、さらにそこら辺の関係性を強固にした上で海外体験学習をやっているところでございます。
そうしたところ、実はこれは新型コロナウイルス感染症が拡大することに伴って令和2年度から中止しておりまして、今年、5年ぶりに16名の派遣団がサザランド市を訪れたというところでございます。今回16名となったのは、実はもともとは、コロナ前は各学校6名ということで、その当時は4校でしたので、六四、二十四ということで、24名の生徒が行ったところではあるんですけれども、サザランドのほうもコロナ禍ということがありまして、学校もその受入れの体制がもう一度リセットされているところもあって、向こうの要望によって16名ということで、しっかりとしばらくこの数年間は16名、各学校4名ということなので、今のところ次年度は、晴海西もできて4名ということで計20名ということでやっていくことを今予定しているところでございますけれども、向こうの受入れ体制のこともあって16名となっているところです。
委員がおっしゃったとおり、公立の学校だけではなくて、もう少し間口を広げたらどうかというところなんですけれども、ここで大事なのが、実は海外派遣に行くというところで、11日間というだけではなくて、その前に事前学習をやって事後学習をやって、さらにこの派遣団の生徒はそれぞれの学校に行ってほかの子供たちに還元するという取組が一連の流れとなっております。そうしたところから、事前学習は、必ず各学校から引率者、代表者が出てきて直接指導しているところではあるんですけれども、こういった先生が実際にサザランド市に行ったときにメンタル面のサポートもしておりまして、日頃から顔見知りの先生が近くにいるということが何よりも大切な環境になっているかなというところです。
現在、そういったところで公立の学校から募集をして、そしてほかの行っていない子供たちにもその体験をしっかりと報告会を設けて還元していくという取組をやっておりますので、次年度はまた晴海西も含めてさらに4名プラスして行く形を取っていきますけれども、こういったサザランド市との今までの関係性を大事にしながら、姉妹都市との関係もありますので、そういったものを大事にしながら、子供たちの体験活動が充実するように努めてまいりたいと考えているところです。
以上でございます。
○高橋(ま)委員
それぞれにありがとうございます。
まず1点目の赤城山ですけれども、先ほど申し上げたように、かなり高温化しているということと、それによって山の上なので雨が降りやすく、この時期なかなか天気が難しいよねということを現地の方からも伺っております。子供たちも保護者も事前に指定されたユーチューブを見て、おっしゃったようなナイトウォークとか、星空天体観測、キャンプファイヤーといったものを期待するんですが、ちょっと夏休みは時期的に難しいという現地のお声も捉えると、より標高が高い、そうしたことが実際に体験できる場所を選ぶ必要もあるのではないかというところを今回疑問として取り上げさせていただきました。この2年間の御経験があると思いますので、来年度も同じ目的が果たせるかというところは、現地や先生方、そして願わくば子供たちの感想も聞きながら御決定いただけたらということを要望させていただきます。
続きまして、国立競技場につきまして、予選会など、そうした盛り上がりもあったのではないかということを教えていただいたところで、ありがとうございます。
先ほども取り上げましたが、応援した保護者から、すごくいい思い出になったという声を聞いていて、一方で、うちの子供は学校で自習していたみたいというところで終わった保護者には、私も応援に行けたらよかったなとおっしゃっている方もいましたし、おっしゃられました利用する機会こそが思い出だということを捉えると、応援席でも子供たちは全員参加したいという気持ちはなかったのかというところを子供たちにも聞いてみたいと思ったところです。今後については、多方面の調整があると思いますが、どういった体験が希望されているか、もしくは学校で勉強したいという子供もいるかとも思いますが、広く声を聞いて、行事がより意義深い、目的にかなうものとなるよう要望いたします。
続きまして、海外体験学習について、御丁寧に御説明ありがとうございました。現地の不安というところはおっしゃるとおりですし、参加した方から、あんなにきめ細かに対応するには、人数が多いのは難しいと思うというのは私も聞いたところです。一方で、その外側になってしまった方からは、3万円台で海外は、もうちょっと金額を上げても参加者を増やしてもらえないのかという声も実際に私や学校の先生にも寄せられているとは聞いています。おっしゃられました前後の活動もあって、その学校の日常的な学びの一環だということも含めて、もう少し外側の方に向けてもこの事業の御説明が必要かなと思っております。これを丁寧に説明することによって、区立の中学校の魅力の一つと逆に伝わるところもあると思います。公立以外だから関係ないというところではなく、公立でこんなすばらしい活動、伝統ある教育を続けてくださっているというところの発信については要望したいと思っております。
続きまして、学校給食について触れます。無償化について、本年度も決算でも御丁寧に説明をいただいているところでございます。学校給食の無償化は、物価高騰などの厳しい状況にあって、保護者の負担軽減として大きな意義を果たしているものと実感しています。しかし、一方で食の安全や選択といった個人の生き方への理解や尊重も求められております。学校給食法では、栄養の摂取とともに、学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うことや、環境の保全に寄与する態度を養うことともされております。
行政評価を拝見しますと、271ページ、右下部分ですが、区立小学校の児童・生徒に対して、代替食の経費補助ということに触れていただいているところでございます。こちら、東京都公立学校給食費負担軽減事業補助金交付要綱に基づきまして、中央区でも代替食支援についてこのように示されていると理解しております。区の学校給食費負担軽減事業となります。説明資料によりますと、アレルギーや宗教上の理由などにより、やむを得ず学校給食の提供を一切受けられない場合に対する支援ということでございます。対象者については区が決め、本年度末に対象者に返金する流れとなっているようです。
そこでお尋ねします。中央区はこの対象者をどのように特定するお考えでしょうか。一例ですが、文京区においては、この事業に長期欠席者を含んでいます。こちらを含むかどうかについて、この点についても中央区のお考えを伺いたいと思います。
質問を続けます。次に、牛乳の飲用についてです。日本人は、アジア人全体として、アレルギーにかかわらず、牛乳が体に合わないという人は多く、乳糖不耐の体質という方は少なくないと伺っております。牛乳の大量廃棄とSDGsの観点も踏まえて、多くの自治体が牛乳の飲用停止を選択できるようになっており、中央区もその自治体の一つと理解しております。しかし、この制度、仕組みを知らない方が多く、入学時とか、また入学を既にされていても、コロナ禍で情報が届いていない方もいらっしゃったようでございまして、説明の機会というものを求める声を伺っております。現在こちらについてはどのように御案内されているのか、教えてください。
そして3点目です。給食を無償化していく一方で、食材等の大量廃棄の抑制に向けて整備することは極めて重要なことと考えております。会派としてもこの点については要望で触れさせていただいております。この廃棄の現状はどのようになっており、これからの取組についてどのようなお考えを持っていらっしゃるか、お聞かせください。
以上、3点を質問させていただきます。
○鷲頭学務課長
それでは、私から、学校給食について幾つか御質問いただいた点を答弁いたしますけれども、初めに代替食支援の対象者の決定についてということでございます。
こちらについて、まず我々は、今回、学校給食無償化をしていることで、日々の給食における欠食者の状況というのはつぶさに把握しております。要は、言ってみれば、どの児童・生徒がどの日に食べた、欠食したという情報は全て把握しております。こうした情報に基づきまして、保護者からの御申請をいただくということになっておりますので、周知自体は当然広範にかけますけれども、例えば何かの行き違いとかで、実際には、給食を食べている児童・生徒の保護者の方から御申請いただいた場合には、こういった状況なのでということを御説明するということで、その点については私どもで把握しているところでございます。こういった情報に基づきまして、代替食支援の補助金については給付をしていこうと考えているところでございます。
また、そういった観点で申しますと、長期欠席者についてのお話に触れられましたけれども、こちらについては、我々は、今般のこの学校給食の無償化については学校設置者として提供する給食を無償化するという観点で行っているものでございますので、長期欠席者の方々については、基本的にまず学校給食を食べてもらう機会が得られないということもございますので、こちらについてはこの代替食支援には含まないということで考えているところでございます。
また、牛乳の飲用停止のお話もございました。乳糖不耐については、日本人でたしか3割程度だったかなということで記憶しているところでございますけれども、こういった子たちの対応として、お尋ねの中にもございましたが、飲用停止ということは行っているところでございます。こういった部分で、学校給食については、給食提供に当たりまして、本来ですとちょっと順番が逆になっていくんですけれども、学級の担任で1回チェックをし、さらに学校の配膳の部分で給食室においても調理師のメインないしは栄養士、またさらに実際に最初の配缶を行う方ということでの3段階で様々な確認等を行っております。こうした段階のいずれの部分におきましても、子供たちとの情報交換、お話というのは非常にオープンに行ってはいるところでございます。
実際の飲用停止につきましては、こうした体調面のほかにも、様々な事情があって見合せをする児童・生徒がいるということは私も耳にしているところでございます。お話をいただいて、単純に牛乳を止めますというような形でなくて、できる限りそういった部分は子供たちとコミュニケーションを図りながら、子供たちの状況を聞きつつ寄り添った対応ができるような形でこうした対応を行っていきたいと考えているところでございます。
また、食材の廃棄についての現状というところでございます。現状、中央区における学校給食のいわゆる食材の廃棄物については、全量メタン化か、ないしは動植物、家畜の餌として飼料化するといった対応を取っているところでございます。こうした対応を行う中で、特に飼料化の部分については、いわゆる調理前の食材の、例えば切りくずですとか野菜の皮ですとか、そうした部分が適しているということもありますので、そういった用途で使いつつ、メタン化については、いわゆる残菜についても全く問題なく対応できるというところで、基本的には全てリサイクルの観点で取組を行っているところでございます。
こういった観点の中で、今後のというお話もございましたけれども、このメタン化の過程の中で、産総研、国の産業技術総合研究所が取り組んでおります事例のニュースの中で、私もそちらの方面で大変興味深いニュースを拝見しまして、こうした食材廃棄物からメタンガスを取り出すに当たって、メタンガス10に対して1の割合の水素も取れるという技術があるというのを目にしました。こちらのニュースとしてはちょっと前のものなので、平成27年とか、それぐらいのものだったと思うんですけれども、そこからの実用化進展がどのように図られているのかというところは、なかなかこうした部分のリサイクル系については、コストの部分に大きな影響がありますので、そうした観点もあろうかと思いますけれども、単純なメタン化だけではなく、水素も取ることができるという観点で考えますと、今後、エネルギーの観点でいえば、水素社会ということについては様々な場面で言われているところでございます。学校給食の食材の廃棄物からそうしたエネルギーとしての利用という部分まで含めて考えることができるというのは、大変大きなトピックスではないかと考えているところでございます。
ただ私の実体験で申しますと、いわゆる肥料化というのも観点としてあろうかと思いますが、肥料化は、実は非常に量が多くなってしまうので、使い切るのが大変でございます。大規模牧場でも、正直、裏に山のような肥料が積まれていて、それをどうするという観点がございましたので、私どもも過去に平成30年度に一度だけ肥料化をやったことがございます。ただ、そうした観点を踏まえて、ではどういった方法であれば有効にリサイクルを実施することができるかということを考えまして、現在のような飼料化とメタン化に落ち着いたというところでございますので、今後もこうした取組をさらに推進していきますとともに、特に食材廃棄物の仕分の部分なども念頭に置きながら対応してまいりたいと存じます。
以上でございます。
○高橋(ま)委員
大変御丁寧に、ありがとうございます。
まず、欠食者の状況を把握しているということで、スタートとして非常に重要だと思いましたので、引き続きこの点はお願いしたいと思います。
一方で、長期欠席者についても、行きたくても行けないというところを捉えると、やむを得ず食べられないという状況は異ならないのではないかというところと、その部分のコストについては、よりよい運用があるのではないかということも考えております。不登校の子供たちのつながりとして、食については、必ずどのお子様ともつながれるきっかけであり、不登校の子供たちの保護者の一番の悩みでもございます。そのことによって仕事を辞め、昼食のことをずっと心配に思っているという方はたくさんいらっしゃいますので、子供たちと直接つながるきっかけが昼食にもなり得ると思っております。どのように、このコストの部分をより効率的に子供たちとのつながりに実際に生かしていけるかという点については、款をまたぐ福祉的要素がございますので、別なところで伺いたいと思いますが、ここが残食になるのか、作らなくていいのかというところについては、我々が無償化として担っていく中で、ぜひとも議会でも皆様と議論を深めていきたいと考えております。
次に、牛乳について、ありがとうございます。おっしゃられたコミュニケーションは大事だと思っております。相談してもいいんだということ自体が知られていないということが私は課題だと思い、取り上げました。おなかが痛くなるんだよねと言ってちょっと飲んだふりをしている子供がたくさんいたりすると、我慢の連続というのは、もともとの廃棄にもつながってしまいますし、みんながそのコミュニケーションを諦めるという状態になってしまいかねませんので、どのようにその相談の機会を得ていくのか、また子供たちの声を聞いていくかというところを踏まえて、こちらについては、私は一層の周知が必要だと捉えておりますので、検討を要望いたします。
最後に廃棄についてでございますが、事実との確認は、私のほうでデータは見ておりませんが、文京区においては、給食は年間で約30万トン以上、また牛乳については15万本以上、牛乳にすると年間14本に1本相当が廃棄されているということを言及している文京区のデータもございました。
中央区においては、私はこの詳しいところはまた今後勉強させていただこうと思いますが、おっしゃられたいろいろな政策の原点として、どの程度の廃棄があって、どういったところが次に生かされているかというところについては、私自身も今後勉強しながら、また教えていただけたらと思いますので、お願い申し上げます。
すみません、1点触れ忘れましたが、除去食の対応者等が今回の支援ということで、資料301で今年は出していただいていますが、昨年度との差を拝見しましても、子供の数が増えているというところもございますが、除去食、代替食の対象人数も増えているというところも捉えて、この政策は非常に注目しているところです。また詳しくお聞きしていきたいと思います。
続きまして、不登校支援について質問を進めます。こちらは資料から伺います。資料292で出していただきました適応教室の登録者数についてでございます。
不登校については、コロナ禍、令和に入ってから右肩上がりで伸びてきて、その後、令和4、5、6年度というところは若干横ばいということも拝見しておりますけれども、一方でこの適応教室の登録者数はさほど右肩上がりというほどの増加傾向にはなく、令和4年度と5年度という直近で申し上げると、利用者は減っているというのが全体と捉えております。
9月の一般質問にて私より適応教室「わくわく21」の改善を求めまして、これからメタバース等を活用していくという考えもお聞かせいただいたところです。私自身は、居場所機能の充実に向けて民間の活用を要望しております。
現状、保護者によりますと、このわくわくですが、午後2時までは自習の時間で、見守りの職員しかいないため、低学年のお子様には難しいと職員から説明されたと聞いています。また、オンラインを活用した個別指導を行っていただいているということですが、私が伺った保護者数名によりますと、週に1回1時間ずつしか取れないので、いい先生だけれども、居場所とか相談の相手としては、また学習指導の時間としても若干不十分じゃないかというお声もいただいております。適応教室のこうしたお声に対して、現状の課題と、どうしたら子供たちが行きたいと思える居場所になるかという点について直接伺いたいと思っております。
また、遠くて通えない、現在区内1か所でございますので、そのことが居場所となり得ていないのであれば、小学校全校に別室の配置を急ぐべきだとも考えております。この別室配置について、必要性をこれまでの議会でも伺ったところでございますが、いつから何校もしくは全校で始めるかというスケジュールを既に見ていらっしゃるようでしたら、質問させていただきます。この点も御答弁をお願いいたします。
質問を先に進めます。水泳指導について伺ってまいります。
今年の夏の高温については、これまでも議論されてきたところですが、特に水泳指導ができなかったと感じている学校や子供たちから声を伺っております。区内でプールが屋外にある各小学校では、児童数の増加もあり、指導時間が限定的である、さらに水温が高温のために中止、また雨天のために中止といったことが相次ぎ、ほとんど泳いでいないという学年に当てはまってしまう子供もいました。指定の帽子や水着を購入して名前をつけたけれども、1回しか私の子供は着られなかったという方もいらっしゃいました。水着は大きめを買うこともできず、名前を縫いつけるということもありますし、水着、下着であるというところもあって、ほかの方にお譲りするのも難しい中で、どのくらいこのことに取り組んでいくのかということを伺っているところです。
現状では、回数からいって、泳力の指導までは至っていないのではないかとも捉えられます。この点について、中央区の現状の水泳指導の狙いと、その目的にかなう授業が実施できている現状と捉えていらっしゃるのか、そして、この酷暑はこれまでも議論にあったようにまだ来年以降も続くであろうという中では、今後の方向性をどのように考えていらっしゃるのか、お聞かせください。お願いします。
○村上教育センター所長
私のほうからは、適応教室と、あと別室の配置のことについて答弁をさせていただければと思います。
資料292では、確かに令和4年度から令和5年度、人数が減っているところではございますけれども、さきの定例会でも答弁させていただきましたように、不登校になっている要因というのは本当に複雑多岐にわたっております。そのため、適応教室のみならず、この後も答弁させていただきますが、別室であったり、フリースクールであったり、様々なそういう多様な場所を用意、提供することがとても重要であると考えております。
その上で、適応教室につきましては、スペースの拡充を図る中で、非常に明るいカラフルな、子供たちが過ごしやすい造りに今ちょうど改修を行ったところでございまして、わくわくの教室でいいますと、わくわく1、わくわく2という形で教室を用意したりですとか、あとは個別の学習指導を、先ほど1時間しかという話がありましたが、可能な限り2時間利用しているお子さんもいるところでございます。
また、オンラインを活用したりということもありますけれども、基本的には、子供たち一人一人のやりたいことに合わせて個別の時間割を作ったり、あとそこには心理職も配置しておりますので、心理職と面談をしたりですとか、様々な活動を用意しております。
また、午後2時までというようなお話が今ありましたけれども、基本的には自学自習という形で午前中は活動しておりますけれども、お昼を食べた後に関しては、いろいろな活動を行っております。体を動かしたりですとか、あとは創作活動、園芸を行ったりですとか、様々なそういう活動のメニューも用意しておりますので、そういったことも今後拡充を展開していきながら、子供たちが安心・安全に過ごせる居場所づくりというのをしっかりと進めていきたいと考えているところでございます。
次の別室の配置の予定の部分についてでございます。昨年の秋から日本橋中学校、あと佃中学校のほうでまず開所いたしまして、今年度から銀座中、晴海中の4校に拡大したところでございます。こちらは、別室の効果がかなりございまして、例えばですけれども、一昨年わくわくに来ていたお子さんが、昨年この別室ができたことによって、完全に別室のほうに登校できるようになった。つまり、学校とより近い距離でつながることになったとか、あとは放課後にしか、放課後の子供たちがいない時間に登校していたお子さんが、通常の時間、日中に登校できるようになり、先生方がそこにいるということが分かっていますので、声をかけにいってあげたりとか、もしよかったら次の時間だけ授業に出ないかなんて声かけをさせていただいて授業復帰につながったりとか、あと給食を食べに来たりとか、いろいろな部分で、恐らく今までであれば学校に来られなかった、またどこともつながっていなかったお子さんがそういった形でつながる効果が現れております。
今後の状況につきましては、さきの答弁もさせていただいておりますけれども、小学校、また晴海西中学校も今はまだ設置しておりませんので、学校のニーズをしっかり捉えながら、そこにつきましては検討をしっかりしていきたいと考えているところでございます。
私からは以上です。
○小林指導室長
私からは水泳指導についてお答えをいたします。
まず、水泳指導なんですけれども、今、学習指導要領、国の出しているものなんですけれども、ここでは、年間10時間程度、体育の時間の中で水泳をやるということになっております。そうしたところから、私たち教育委員会としては、しっかりとその10時間を確保するように、今、学校のほうにもお話をしておりまして、実は昨年度から、夏が暑くて水泳ができないというような状況、特にプールサイドが暑いというような状況という声は聞いているところです。
昨年度から何を校長会で話しているかというと、しっかりできるときにやりましょうということで、屋外であっても、屋内であっても、時期について、例えば6月からスタートして、夏休みに入って9月に終わっていたところを、5月からスタートして7月に終えて、ちゃんと泳力をつけた状態で、夏休みはいろいろと海とか川に子供たちは行くところもありますので、そういったところで事故にも遭わないような形でやったらいかがですかというような投げかけをしているところです。
そういった中で、数校、そういった形で5月から始めてみましたなんていうことで、今年、声を聞いておりまして、5月、連休明けから少したったあたりからスタートして、十分にその授業の確保ができたというところがある一方で、最近では、この高温だけではなくて、雷が鳴ったりとか、雷雨とかでやむを得ず中止になったということも聞いているところでございます。
大事なことは、その授業の中で10時間しっかりと子供たちを泳がせて泳力を養っていくということでありますので、今後も、できるときにやっていくというような教育課程の編成を各校長を中心に組んでいくということをしっかりとこちらからも指導していきたいと思っておりますし、実際に各学校では、実は地元の地域との関係もあって、なかなか組み替えられないという声を聞いているところではあるんですけれども、暑くてできないという状態にならないような形を模索しながら、教育委員会も一緒に考えていきたいと考えているところです。
以上でございます。
○高橋(ま)委員
それぞれにありがとうございます。
まず適応教室について、重ねてになりますが、質問させていただきました。おっしゃられました2時間ということだとしても、オンラインの個別指導は、学習の効果を上げるというところまではなかなか難しいのかなと思うところです。保護者も、こうした様々な取組はいいのですが、何かをコーディネートし続けないといけないという、ここなら大丈夫とか、この方なら安心というところがなく、常にその組合せをずっとやり続けている状態という苦しさも聞いています。わくわくに行ける日もあれば、難しい日もあると。ただ、オンラインの予約は1週間に1回なので、その1時間だけはどうしても逃せないとか、こういった組合せも非常に負担と伺いました。また、午前中を耐えられないと、おっしゃるような魅力的な午後の体験まで待てない。その午前中の自習に耐えられるか、小学校2年生という苦痛も伺っているところです。こうした中で、本当に行っていられるか分からないけれども、昼食もまた弁当を作って持たせるという御負担の声もありましたし、私たちが子供の多種多様な希望とか、期待も子供自身にもありますので、どのようにそれに応えていけるのかというところは、引き続き相談をさせていただきたいと思っています。
フリースクールも非常に魅力的で、私どもでなかなか公的なところで用意できないこと、またそうした人を担ってくださっているとは思いますが、基本でも5万円程度が月額でかかり、都の負担が2万円ございますけれども、毎月、私が仕事を辞めている中でこれを払い続けるのは苦しいという声も伺っています。できることならば、家の近くで、子供の居場所、そして学べる、また給食を食べに行くだけでも、おっしゃったところだけでも非常に心強いというところは、他区の事例でもございますし、こうした居場所が学校区に求められているんだというところは、引き続き子供の声を聞きながらいただけたらと思います。
おっしゃられました別室の効果は、非常に大変有意義であると私も拝見しております。中学校はもちろんではございますが、不登校は、これまで教えていただきましたように、予防が大事でございます。正直、中学校で、もう既に小学校で不登校が定着していると難しいんだということも、これは文科省がはっきりと示しておりますので、私どもはより早期の対応、そして予防という点では、私は小学校の別室というものを全校に急ぐべきだと思っておりますし、会派としてもそちらを引き続き要望してまいりたいと思いますので、お伝えいたします。
民間との連携については、福祉に関わる部分がございますので、また別なところで取り上げたいと思いますが、居場所となるという自治体の中では、民間連携は非常に重要だなと思ってまいりましたので、この点についても引き続き要望させていただきます。
水泳指導について、年間10時間程度の確保が必要ということを示されているところ、確認させていただきました。おっしゃられました、できる時期にやるということは非常に重要だと思っております。泳力の指導にこれまでどおり注力するのであれば、児童数が増え、現在の施設の対応に限界もある。そして屋内プール設置校と屋外プール設置校との指導時間の差についても、私どもは全体感として捉えるべきことだと思っております。
民間指導者の活用という事例も全国では進んできていると聞いています。具体的には、多摩市では、教員負担の軽減と施設維持費の抑制といった視点から、民間施設に水泳授業を受けに行くといったスタイルの官民連携を始めています。例えばですが、本区でも、この屋内のプールがある設置校に年間を通して水泳指導を受けに行くといったことも、各地域に屋内プールの小学校がある本区だからこそできることだとも思います。指導の負担というのは、小学校の先生が一番ぐらいに掲げたい水泳授業とおっしゃる声も聞いておりますので、この両面から、民間連携や、私どもの施設の活用というのは、さきの答弁にもございましたので、この点から在り方についてはぜひ検討いただけたらと思います。私自身も保護者として、水泳が夏にあるものという考え方を変える必要があるんだなということを本年度、様々な自治体の取組で学んだところでもございました。
また、もう一例ですが、狛江市が民間の活用をしていまして、こちらはスポーツ庁に採択されているんですが、海のプロであるライフセービング協会と川のプロである河川財団が指導者として、水難事故に対する啓発をしているということで、泳力の指導をするに足りないのであれば、溺れないための指導ということも子供の命を守る教育として非常に重要だなと思いましたので、回数が増やせないのであれば、どんな学びをそこで得ていくかということについての位置づけなのか、今後考える必要はあるというところ、今の公教育における水泳指導の在り方については、また相談をさせていただきたいと思っております。
残りの時間で特別支援について質問を続けます。行政評価ですと277ページにございました。こちらは、指導時間の確保が難しいということも伺ってきたところです。ここでは3点、まず伺いたいと思います。
1点目が、学習障害、LDの子供たちへの支援の場が中央区の位置づけとして分かりづらいということを保護者から伺っています。具体的に、中央区ではLDの子が学ぶ場がないんだとおっしゃる保護者もいらっしゃいました。現在、このLDの子供たちの学びの環境についてはどのように整えていらっしゃるのか、そして中央区がどのようなお考えを持っているのかを伺いたいと思います。
そして2点目です。情緒等支援学級の設置へ向けて、私から本年2月の一般質問にて伺いました。その際の御答弁にて、検討を重ねて、設置について判断していくと御説明いただきました。その後どのような検討をされているのか、教えていただきたいと思っております。
3点目です。就学相談の経過や内容、結果につきまして、保護者とどのようなコミュニケーションを取っていらっしゃるのか。具体的に、途中でその経過が示されないということはこれまで伺ったところですが、就学先が決まった後にそういったものの情報の共有があるのか、この点の確認からさせてください。
以上、お願いします。
○村上教育センター所長
3点お答えいたします。
まずLDの子供たちへの支援ということでございます。今、特別支援教室を小・中学校に設置しておりますけれども、そちらで特に私は去年校長をしておりましたときに、特別支援教室の担当の校長を務めていたこともありまして、このLDに関してはかなり力を入れて教員研修を行っているところでございます。こういった特定の学習障害があるお子さんも、今増えてきている状況がありますので、しっかりそのあたりで先生方も意識をしながら、受入れに向けて、またお子さんによっても障害の差がございますので、やっております。あとは、タブレットを活用した、そういったLDのお子さんに特化したアプリを先生方で共有しながら、そういった形で今進めているところでもございます。
2つ目の情緒支援学級の設置についてでございます。以前の特別委員会のところで、そういった形で検討していくように考えていると述べたところではございますけれども、現在、区のほうとして考えておりますのは、知的の遅れがないお子さんというのは、おおむね授業に参加できるという部分がございます。そういった部分では、現在行っている特別支援教室でおおむね授業に参加しながら、そのお子さんの障害の程度に応じて、個別に取り出しをしてあげる。取り出しをすることによって、一対一の個別の学習もできますし、そのお子さんの特性に応じて、実態に応じて小集団活動を現在行っているところでございます。
これがもし情緒障害という形で学級をつくった場合を考えてみたところですけれども、学級でございますので、知的の固定学級と同様に担任がおります。そこに支援員がつくような形なんですけれども、基本的には担任の力によるところがかなり大きい。あとは、学年がばらばらでございますので、そのお子さんが本来であればこの勉強をしたいんだけれどもというよりも、知的に遅れがありませんので、もしかすると下の教科の勉強は全然もう分かっているよというお子さんもいる。そういう中でやっていくというのはかなり難しい部分があるのではないかなとも思っているところです。そういった部分でも、現在の特別支援教室での学び、この時間をできるだけ確保してあげるというところを区としては行っていきたいなと。そのお子さんが、通常の学級で、できればいろいろなお子さんと励まし合ったりとか、学び合える、そういった部分も大切にしてあげていきたいなと考えているところでございます。ですので、区としては、現在、特別支援教室のほうをしっかりと充実させていきたいと考えております。
3点目、就学相談の部分でございます。就学相談につきましては、教育センターの専門員の者が丁寧にフィードバックをさせていただいているところでございます。また、担当心理職であったりとか指導主事が各校の就学支援ファイルを引き継いで、子供たちの様子を丁寧に伝えているところでございますし、その保護者に関しましては、就学相談が終わった段階で、もちろん保護者が望む就学先と就学支援委員会で決定されるものが異なる部分もあります。そういった場合は、それはもちろん教育委員会が決定したからこうしてくださいということは絶対ありません。保護者のニーズ、お子さんの状況をしっかりと踏まえた上で、子供が本当にその4月からより学べる環境に我々としては設定してあげたい、決定してあげたいという思いで教育委員会として行っておりますので、ただそこで保護者の方の思いと違う場合は、しっかりとコミュニケーションを図りながら、その後の就学相談の決定、就学の決定につなげていきたいと思っております。
また、就学が決定した後は、先ほども少しお話をさせていただきましたけれども、決定して、はい、終わりではありませんので、教育センターのほうから、心理職であったり指導主事が学校を訪問させていただいて、こういったお子さんですよ、こういった特性がありますので、こういったところを配慮してくださいというような形で、場合によっては保護者同席の3者で行うこともありますので、丁寧にその就学相談を最後まで、また就学した後も、場合によっては転学相談等にも丁寧に今後も応じていきたいと考えております。
以上です。
○高橋(ま)委員
それぞれにありがとうございます。
すみません、行政評価を先ほど取り上げましたが、277ページにおきまして、特別支援教室における指導時間については、国のガイドラインで示されており、週1~8単位時間を標準指導時間としているが、現状、本区では週1~2単位時間の指導時間にとどまっている現状ということで、この8までには至っていない、一、二時間というところ、限定的であるということを伺いました。この状況からしても、現在も既にいっぱいで相談も待っている、待機があると伺ってきた中でございますので、ここにさらにそのLDの子供たちも含むことが望ましいのかということについて、今回は疑問の質問をさせていただきました。
おっしゃられましたタブレットの活用、デイジーについてだと思うんですが、tetoruでお知らせいただいたり、非常に取組に注力していただいている経過は心強く思っております。
例えばですが、きこえとことばの教室で学ぶということをLDに対して示している三鷹市であるとか、このLDの学びの環境として、ことばの教室で学ぶとしている世田谷区といった事例もございます。全国を見ますと、情緒級のほうに含みながら指導している事例についても伺っています。
本区の特別支援教室に集中している状況からすると、多様な特性の子供たちが共にその中に、恐縮ですが、詰め込むというか、そういう状況があって、この指導時間が十分に確保できないのであれば、多様な在り方を検討しなくてはならないのではないかというところが、私が本年、一貫して質問してきた趣旨でございます。
情緒等支援学級についても、知的がないので取り出しをする小集団の活動でよいというところも伺ったところですが、それは、学校に来られているお子様についてはそのようにも言えると思います。不登校については、特性があって、行くことを諦めているという子供も全国的には多くいますし、本区もそのように伺っています。これまでも事例として挙げましたが、例えば場面緘黙のお子様等ですと、そもそもその35人の教室に行くのが難しいので、特別支援教室だけのために登校するのではないとなると、日常的な不登校の現状があって、では教室にだけ行くのかとか、そういったことが課題で、毎日の居場所と学ぶ場所としては、より安心して学べる環境が私たちの望みですという子供や保護者の声もあるということを伺いたいと思っております。
現状の特別支援教室、今回頂いた資料でも、行政評価も含めて、利用のニーズは増えている中で、その多様な用途を備えるということも、今後中央区が拡大してくださる日本橋や月島第三小学校の設置を踏まえる中で、私は場合によってはニーズの数の把握はあると思いますが、それぞれの特性を把握した上で、機能を分散したり、特定の機能を担うというほかの自治体事例を参考にする必要もあるのではないかということをこのタイミングで要望させていただきますので、必要な子供の数、そして機能ということを今後施設が増える中では検討いただきたいとお願い申し上げます。
最後に、就学相談についてです。1点伺おうと思っております。
ただいま、就学相談についてはコミュニケーションを取っていると伺ったところですが、実際に就学先が決まった後に、就学相談でどのように評価をされたのかという結果を受け取る機会がないと伺っております。私が知っている保護者の方は、どのような評価を受けて、この学校でどんな自立を目指せばいいのかを知りたいということから、区に対して情報公開請求をして、その結果を受け取ったという保護者の声も聞いております。
今、区だけではなく、療育も含め、セルフプラン、保護者が自分でプランを立てたりとか、福祉に関わるところは聞きませんが、民間の施設のほうで、そちらがハブとなって民間施設を担う形でプランを作成するといった個別計画の策定とか、区が全ての計画の作成主体者ではないという多様なケースが生まれているということを鑑みると、より情報をオープンに保護者と子供に提供することによって、地域全体で正しい支援の在り方を考えられるということもあると思います。この就学相談の評価の共有についてのお考えをもう一度お願いします。
○村上教育センター所長
今の、情報をオープンにという部分でございますが、教育センターのほうで必ずフィードバックを行っております。先ほどの恐らく情報公開という部分は、医師診察であるとか、グループ行動観察、かなり膨大な様々な資料を扱っておりますので、それをフィードバックで全て保護者に一言一句伝えるのは難しいです。そのために、そこの部分のどういった内容の評価だったのかというのを恐らく情報公開請求されていると思いますので、基本的には、しっかりと、なぜあなたのお子さんはここが就学先であるということを教育委員会で決定したかというのは述べておりますので、そこは御安心をいただければと思います。
以上です。
○高橋(ま)委員
終わります。
○海老原委員
ただいま第8款「教育費」の質疑半ばではありますが、暫時休憩し、午後1時15分に委員会を再開されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長
ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。
午後1時15分に委員会を再開いたしますので、御参集願います。
なお、各会派の代表者の方は、休憩時間中に代表者会を開会いたしますので、この後、直ちに10階会議室にお集まりください。
暫時休憩いたします。
(午後0時 休憩)
(午後1時15分 再開)
○竹内委員長
休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
第8款「教育費」について、質問者の発言を願います。
○ほづみ委員
午後からもよろしくお願いいたします。かがやき中央でございます。
私からは、まず学習力サポートテストについてお伺いします。
本事業は、児童・生徒の基礎的・基本的な学習内容の定着状況と、問題解決能力の把握や、個に応じた指導の充実、教員の指導力向上などを目的として、毎年、小学校4年生から中学校3年生まで実施されているテストという認識です。このテストの結果は、本区の児童・生徒の皆さんの学習の定着内容の状況などを把握し、各学校において児童・生徒にとって適切に教育が行われているのかという点を測るために極めて重要な資料であると考えております。
一方で懸念しておりますのは、この結果の分析やその後の対応という部分です。今回の行政評価、そして先日、区民文教委員会にて提示のあった教育委員会の点検評価の報告書においても、さらには昨年11月の同委員会におけるテスト結果の学習力サポートテストの結果に関する報告においても、そこでの報告内容は基本的に小学校と中学校の各教科において平均点が何点であったといった内容が中心でありました。個々の学校の個々の児童・生徒の回答結果の集合である平均点が上がった、下がった、そしてそれがその他の参加校のデータと比較してどうであるかという点は、目的として掲げられている児童・生徒の基礎的・基本的な学習内容の定着状況といった目的を踏まえると、十分ではない面もあるのかと考えているところです。個々の児童・生徒にとって個別の結果を振り返るということ、そしてその学校の中での結果を振り返るという観点から見ると、個々の学校単位での点数の分布などを見ることが重要で、この分布において低い点数にいる児童・生徒が多いということは、何らかの改善が必要であるといった観点があるかと思っております。
まず、これまでに述べてきたように、公開されている情報としましては、この平均点に関する情報が主ではないかと思いますが、これらの例えば学校単位での情報ですとか、各教科においての点数の分布などの情報はそもそも存在しているのかという点、またこれらの例えば学校単位での分布のデータについては各学校に対して提供されているのかという点について、まずお願いします。
○小林指導室長
学習力サポートテストのことでございます。毎年4月に、小学校4年生から中学校3年生まで、国語、算数、社会、理科、あと英語も含めて、学習力サポートテストを受けているところでございますけれども、実際にはこの結果を区としてまとめたものをいつも提示しておりまして、平均正答率等で結果のお示しをしているところでありますけれども、委員が言ったとおり、実はここのところ、どのような課題があるのかというのは、学校個々あるいは学年でも違いますし、学級でも違います。こういったデータは存在はしております。実際にこのデータにつきまして、しっかりと学校に提示しているだけではなくて、指導主事もその担当校のところで、この学校個々がどんな状況かというのを把握して、授業改善に役立てているというような状況でございます。
以上でございます。
○ほづみ委員
ありがとうございます。
まず、区としてまとめたものを議会に提供いただいているというところと、学校等々に対しては、学校個々ですとか、あと学級単位ですとか、そういった点で提供されているというところと、あと指導主事等を交えて状況を把握して、改善を図っているところは理解いたしました。この点について、もう少し詳しくお伺いしていきます。
この分析の観点で何より重要と考えておりますのが、個々の教科の点数が不十分であるような生徒の存在を早期に把握して、できる限りそういった方に対して寄り添った支援を行い、それを改善していくというところではないかと考えております。この点について、既に算数においては、一般的にも二極化がしやすいということから、習熟度別クラスを以前から設けられるなど、対応は既に行っていただいているところという認識です。
一方で、その点数が不十分である児童・生徒の状況という点について、その報告をいただいている平均点というところでは十分に読み取れない部分もありまして、近年のそういった、どちらかというと成績の低い方の傾向ですとか、それに対する対応というところについて、若干重なる部分もあるかもしれないですけれども、どうぞお願いします。
○小林指導室長
先ほど述べたように、それぞれ、学級によっても、それから生徒個々によっても結果が異なっておりまして、何よりもこの学習力サポートテストの結果で、それまでの、今まで例えば6年生だったら5年生までの学習の事項の定着度が分かるようになっているんですけれども、そこの課題が見えてくるところでございます。こうしたところでしっかりと、特に今回、学習力サポートテストで結果が出なかったお子さんに対してサポートしていくのはとても重要なことだと思っておりまして、各学校では、放課後の学習といったサポートもしているのに加えて、実はドリルソフト等も使いながら、前の学年に戻って学び直しができるような環境を整えているところでございます。
特に、先ほど尋ねられたように、算数につきましては、二極化が進むというところは全国的な傾向もあることから、区では習熟度別少人数授業を全校で展開しております。簡単に言いますと、ゆっくりコースと、それからぐんぐんコースとか、そういった形で各学校で名前をつけながら、しっかりとその学力が身につくようにやっているところでございます。結果が個人のところに返ってきます。そうすると、先生方も、自分の授業をどのように見直していけばいいのか、どこが弱かったのかというところをしっかりと分析して、それ以降の授業改善に役立てていくということで、現在取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
○ほづみ委員
ありがとうございます。
放課後の学習ですとかドリルソフトを実施することによって一部底上げを行っていただいているというところ、あとはその結果を分析して授業の改善にも役立てておられるというところでした。
近年の傾向として、その成績の分布というところに関して、よろしいでしょうか。
○小林指導室長
これにつきましては、中央区で一まとめにするのはなかなか難しい傾向があります。各学校によって状況が違います。中には、学校によっては、日本語をなかなか習得できていなくて、学習力サポートテストの下位層のところに結構出てしまったりというところもありますけれども、それはまた別の課題かなと認識しているところです。
全体的に見ると、中央区の場合には、よくこちらからお示ししている平均正答率は、参加校であるとか、あるいは全国、都と比べると、少し高い水準にありますということは御説明させていただいているところではあるんですけれども、状況を見ますと、上位層のところに固まって山になっている一方で、一部、下に学力が低いお子さんがいます。このお子さんが何なのか。その学力が定着しないのが、例えば発達的な特性なのか、あるいは先ほど言ったように日本語の習得の問題なのか、ここは担任がしっかりと把握しながらサポートしていく必要があるかなと思っているところです。いずれにしても、個々の状況が違うところまでしっかりと教員が把握して、個々の支援とともに授業改善に役立てていくことが大事かなと考えているところでございます。
○ほづみ委員
ありがとうございます。成績の分布の傾向についてもお示しいただきまして、ありがとうございます。
十分でない方については、先ほどおっしゃっていただいたように、様々な要素というところがあるかと思いますので、そこに関しては状況に応じて適宜対応いただけたらと思っております。
こちらの話題の最後に、その情報の公開という点についてお伺いします。先ほども成績の分布についてお伺いしましたけれども、学校別ではなく、教科別という形ではウェブサイトに掲載していることを確認いたしました。ただ、令和元年度のデータでして、それ以降のものというのはちょっと発見することができませんでした。
繰り返しになりますけれども、本区において、全ての児童・生徒にしっかり学習内容が定着しているかどうかという点を把握するために重要であるのは、テスト結果の分布というところを見ることが一つ大きな要素になるかと思っております。この意味で、教科別の結果の分布のデータというところはぜひ公開されるべきものではないかと思っております。
また、この点については賛否もありますけれども、個々の学校における教育内容やその状況を把握するという意味では、学校単位での分布等のデータの公開についても検討されるべきものかと思っております。これは、例えば小・中学校の学校選択についての重要な資料になる部分ですし、特に特認校におけるその特色のある取組ということをいろいろやっていただいているところかと思いますけれども、それが実際に例えばその成績という一つの尺度ではありますけれども、そういった点で他校と比較してどうなっているかといった関心もあるかと思っております。
これらの結果については、点検評価や議会への報告資料として、今後ぜひ提供いただけたらと思っておりますけれども、こういったデータの公開というところについて今のお考えをお示しいただけたらと思います。お願いします。
○小林指導室長
学習力サポートテストの主な目的は、個々の状況の把握と、それから授業改善にあるということは先ほども述べたとおりでございます。学校によってまたこの分布は変わっておりまして、例えば中央区で一まとめにしてその教科の分布図を載せたところで、あまり意味がない状態になるかなということです。
一方で、各学校の分布図を載せるということにつきましては、本来のこの学力調査の目的ではなくて、例えば学校間の序列化といったものがすごく危惧されて、あの学校が一番学力が高いんだというようなことと同時に、この学校は区内の中でもすごく低い位置にあるということが、その学校にとってみたらどうなのかということは、このデータの扱いを十分に注意しなければいけないと考えております。
したがいまして、今、教育委員会で考えていることは、小学校4年生から中学校3年まで学習力サポートテストをやっているというところなんですけれども、4年生、5年生、6年生という経年の変化がどうなのか。これは、同一集団がどのように伸びたり、あるいはもしかしたらちょっと下がったりというところもあるんですけれども、そういったところを各学校のところまで落とし込んで、学校によって、何で6年生になって急に下がっているのか、あるいは何で5年生から上がったのかなどということであるとか、また中学校に入るとメンバーが変わりますので、また中1、中2、中3でそこを追っていくと。これが実は教員にとって見たら、同じ集団のところをどのようにやっているんですかというところまで落とし込めることが大事かなと。教員が、単なる学習力サポートテストの結果を見て、その結果に一喜一憂するのではなくて、ではこれをどのように授業改善に結びつけていくのか、ここが肝だと思っています。今後も、こういった経年の変化をしっかりと見ていきながら、学校と協議しながら、何が課題なのかということについては洗い出していきたいと考えております。
以上でございます。
○ほづみ委員
ありがとうございます。
御指摘の公開という点については、ほかの自治体ですとか、その公開をめぐって様々な議論があったということを把握しておりますので、なかなか難しい面もあるかなとは思っているところです。
あと、経年の変化という点について分析を行っていただいているということをお示しいただきました。こちらの公開の内容ですとか範囲ですとか、そういったものについては様々お考えがあるかと思いますけれども、もともと当初、先ほど冒頭に申し上げた、児童・生徒の基礎的・基本的な学習内容の定着状況と、問題解決の把握や個に応じた指導の充実などを実現するために、ぜひ今後もこういった議論ができればと思っております。ありがとうございます。
次に、不登校に関してお伺いいたします。点検評価の報告書などによれば、全体の傾向としては、本区の不登校児童・生徒数は上昇傾向にあり、当事者や家庭の心理的負担、社会的孤立の防止、教育格差の拡大防止などの観点で様々な対応が必要とされているところです。今回その中で、不登校中の児童・生徒が欠席中に行った学習の成果の評価について伺います。
本年8月29日付で文部科学省より不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価についてといった通知がありました。これは、自宅やフリースクールなどで行った学校以外の場所で学習を続けている児童・生徒の努力を積極的に評価するという観点から、学校教育法施行規則を改正して、学校の判断で不登校児童・生徒が欠席中に行った学習の成果を考慮するということを法令上で明確にするものということです。この改正自体は最近行われたものですけれども、もともとは令和元年の時点での通知によって、こういった評価は可能という見解は示されており、以前からもこの評価は可能であったという認識です。
現時点で不登校であるにしても、将来的に進学等を考える際に、学校の成績というところが非常に重要な要素となってきます。また、様々な考え方はあろうかと思いますけれども、学校に行くということは、それ自体が目的ではなくて手段という面もあって、学校以外の場において学習が行われているのであれば、それを正当に評価することは重要と考えております。
一方で、学校現場としましては、必ずしもその標準のカリキュラムではないものを学校の成果に変換するという操作は個別対応とならざるを得ず、負荷になるという見解もあるかと認識しております。
この学校以外での学習の成績評価への反映という点について、現在の対応状況ですとか、今回の通知を受けての対応ですとか、そういうところについてお示しいただけたらと思います。お願いします。
○村上教育センター所長
不登校中の児童・生徒の評価についてでございます。今、委員からお話がありましたように、既に令和元年度の時点でこの通知が来ておりまして、各小・中学校におきましては、都合があって学校に来られないお子さんがおります。その努力を正当に評価する、これは本当に大事なことだと捉えております。したがいまして、既に学校におきましては、例えば中学校におきましては、定期テスト、こちらのほうを適応教室やフリースクールで行ったものを成績に反映したりとか、あとは実技教科で作成物があります。そういったものを自宅や適応教室等で行った場合に、評価にしっかり反映させなさいということは、本区におきましても学校に既に周知をしておりまして、行っております。いずれにしましても、これらの評価への反映につきましては、各御家庭によって様々なお考えがあります。お子さんの状況もあります。そちらについて学校としっかり連携を取りながら、では成績に反映しましょうという形で、丁寧に御説明をしながら現在、評価に反映させているところでございます。
以上です。
○ほづみ委員
ありがとうございます。こういった評価について、積極的に必要であるということで御見解を示していただきまして、ありがとうございます。
実際こういった今回の改正によって、不登校の方をどのように支援するか、どのようにそのときの活動を評価するかという点については、今後さらに対象が増えるということが予想されますので、様々な大変な部分というところもあるかとは思いますけれども、ぜひ引き続き対応いただけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
最後に、図書館のウェブサイトの更新に関してお伺いいたします。先日の一般質問における答弁の中で、次年度に図書館のウェブサイトの更新を予定されているとのことでした。この更新に関して、細かい点ですが、2点お伺いします。
1つは、電子書籍貸出サービスとの連携という点です。こちらについては、図書館に行くことがなく、自身のPCとかスマートフォンとかでその場で借りることができるという意味で、図書館の利便性を向上させるものと認識しておりますが、一方で、電子書籍のサービスのアカウントは図書館のアカウントとは別のものを発行する必要があって、いざ利用する際にも別のID、パスワードを管理する必要があります。点検・評価の報告書においても、昨今の状況を確認しますと、利用登録者が1.3万人に対してログイン数が2.5万回で、1人当たり年間2回程度しかログインされていないような状況にあるかと思います。利便性を向上させるという観点からは、これらのID連携ですとか、そういった利便性の向上を考える必要があるかと思っております。こちらの方向性についてお伺いできればと思っております。
もう1点は、Jr.中央区文化・歴史ずかんの位置づけという点です。こちらについては、先般の予算特別委員会において、図書館ウェブサイトにおいて掲載はされているものの、ページ単位で分割されていて見づらいという点についてお話をさせていただきました。こちらについてはリニューアル等に際して対応されるものかという点についてお伺いできればと思います。よろしくお願いします。
○植木図書文化財課長
質問の2点についてお答えさせていただきます。
まず、図書館ホームページにおける電子書籍との連携についてですけれども、こちらにつきましては、電子図書館と書籍のシステムが別建てでできておりますので、なかなか簡単に連携というのはちょっと難しいかなと考えるところでございます。
それから、Jr.中央区文化・歴史ずかんはホームページのリニューアルにも合わせまして、それぞれの掲載方法について見直してまいりたいと考えております。
私からは以上です。
○ほづみ委員
電子書籍のサービスに関してですけれども、こちらについては、サービスが別建てということについては認識はしているところなんですけれども、サービス連携、APIの連携ですとか、様々な技術というものはありますので、ぜひ今回の更新の際にそういったサービス連携というところについても御検討いただけたらと思っております。
もう1点、ずかんのほうに関しては、前回も申し上げましたけれども、まずリニューアルに際して変更していただくというところは理解しました。
もう1点、前回申し上げましたけれども、既に発刊から10年以上経過しているというところもありますので、何らかの記念、区制80周年ですとか、そういったタイミングに応じて、改訂についてもぜひ御検討いただけたらと思っております。
私からは以上です。
○竹内委員長
次の質問者の発言を願います。
○田中(広)委員
よろしくお願いいたします。私から、3点質問させていただきます。まず1点目は、図書館と子ども読書活動について、2点目は、学校給食の無償化と幼稚園事業について、3点目は、防災教育についてお尋ねいたします。
まず、図書館及び子ども読書活動の推進でございます。令和5年度は、待望の本の森ちゅうおうが開設されて1周年が経過したところでございます。さらに、今年の7月に開設した晴海図書館も、様々検討を行ってきた年度であるかと思います。
そこでお伺いいたしますが、この本の森ちゅうおうが開設され、間もなく2周年となりますけれども、これまでの取組をどのように評価しておりますでしょうか。あわせて、晴海図書館におきましても、令和5年度に準備をされて、令和6年度に開設となりましたけれども、この点をどのように評価されていらっしゃるのか、御見解をお願いいたします。
2点目は、学校給食の無償化と幼稚園事業についてでございます。学校給食の無償化につきましては、令和5年度からスタートいたしまして、大変大事な事業だと思っております。
少し遡りますと、令和4年度から、たしか上昇した分を補助してきたという経緯がありまして、そういった中で本当にいろいろな工夫をしながら取り組んでいただいたんだなと感じております。改めてですけれども、この令和5年度からの実施に当たりまして、本当にいろいろな御協議、御検討、この一つの事業を進めるだけでも大変だったと思いますけれども、どのように取り組んで、そして今現在、学校で展開されておりますけれども、どのように評価しておりますでしょうか。御見解をいただければと思います。
さらに幼稚園事業につきましては、これは今年度、預かり保育が全園に拡大し、弁当給食の導入も行われたところであります。まさに令和5年度は、しっかりと現場ともきっといろいろな協議をしながら御検討されてきたと思いますけれども、それをどのように準備、検討されて今スタートしているのか、その点も教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
最後に、3点目は防災教育でございます。防災の質疑の中で、防災拠点訓練のお話がありまして、一つの拠点で中学校と連携して行っているというお話を伺っております。教育委員会といたしまして、中学生が地域の方々と一緒になって避難所の開設・運営等訓練を行っていることにつきまして、どのように受け止めて、また評価されておりますでしょうか。生徒の方々のお声もお聞かせいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。
○植木図書文化財課長
私からは、京橋図書館、本の森ちゅうおう、また晴海図書館、それぞれの開設後の評価等ということでお答えさせていただきます。
まず、京橋図書館についてでございますけれども、令和4年12月開設というところで、その後の入館者数の状況におきましても、従前の京橋図書館については、およそ月2万人強の入館者数となっておりましたところが、新しい図書館については各月おおむね6万人前後、直近で8月につきましても6万8,000人ということで、大幅な増ということで、多くの方に御利用いただいているものと認識しております。施設自体につきましても、かなり大きな施設、また過ごしやすい施設ということで、これは晴海図書館も共通しておりますけれども、本を読む、それから勉強したり、利用する以上に、小さいお子さんが遊んだりしながら本を読むような設備、あるいはいろいろな意味で滞在しやすい施設というものを設備としても新しく造り上げたものと認識してございます。
また、特に本の森ちゅうおうにつきましては、イベント会場的な形、多目的ホールでのそういったいろいろな事業もできるようになりまして、いろいろな意味で利用の幅が広がっているのかなと考えているところでございます。
晴海図書館につきましては、7月、8月ということで、まだちょっとこれからの評価という部分はございますけれども、個人のブース席であるとか、とにかく座席数が今までの同規模の施設よりも大きく、大分多めにつくられておりますし、また個人のブース席といったものも充実させているところでございますので、こういったところの利用がかなり多いと聞いているところでございます。
今後、こういった新しい施設の在り方を踏まえまして、さらに図書館の利用をしていただけるような形での方向性、こういったものを進めてまいりたいと考えているところでございます。
私からは以上です。
○鷲頭学務課長
私からは、学校給食の無償化と幼稚園における預かり保育、弁当給食について御答弁を申し上げます。
初めに学校給食の無償化でございますけれども、委員からもお尋ねの中でございましたように、元来、令和4年度におきまして学校給食費を引き上げざるを得ないというところで、令和4年度については引上げ額の半分を負担して、それを2年間支援していこうという考えでいたところでございます。そうした中、令和4年度につきましては、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用しまして、引上げ額全額についての補助を行いました。
そうした過程の中で、23区の中の一部の区を契機としまして、この給食の無償化という動きが強まる中で、併せましてのタイミングで、ロシアによりますウクライナ侵攻等を契機としました物価高騰が、これまでもじりじりと物価自体は上がっていたところでございますけれども、一段高になったような状況でございます。こうした部分を踏まえまして、保護者の経済的負担の軽減ということで、区が一丸となって取り組めることの中でどういったことができるか、子育て支援世帯の経済的負担の軽減の取組ということの中で考えてみましたときに、私ども教育委員会といたしましては、学校設置者といたしまして、提供する給食の無償化にかじを切り、取り組み始めたところでございます。
また、幼稚園における預かり保育と弁当給食につきましては、これも令和4年度に幼稚園の在り方検討会のような内部組織の検討的なものを立ち上げまして、その中で様々な議論を行いました。こちらにおきましては、幼稚園長だけでなく、現場の幼稚園の教員もメンバーとなりまして、その中で本当に忌憚のない意見交換をしたところでございます。そうした中で、こういった預かり保育ですとか、給食提供、弁当給食という話も出てきたところでございますけれども、検討していく中でもなかなか課題は多くございました。ただ、そうした中でも幼稚園の園児数は減少していたところでございます。
そうは言いながら、私ども教育委員会としましては、幼児教育を考えた上で、特に中央区におきましては、区立しか幼稚園がございません。そういった中での幼稚園の重要性というのはいささかも揺るぎがないものと考えていたところでございます。そうであるならばという中で、一部の学校のPTAの方々が、子供たちに弁当を持たせているんだけれども、これをちょっとお試しで弁当配食という形で実施できないだろうかと、もちろん全てPTAで行うので、有料で行うものだというお話をいただきました。
私どもとしましては、先ほど申し上げました検討会の中で、そうした取組についての重要性、これは近隣区における私立幼稚園などでも、オプションとして預かり保育ですとか弁当給食提供といったことは行っているところでございますので、そうした部分の幼児教育の本質の部分ではなくて、オプションの部分の評価で、そうした部分に魅力を感じる保護者の方が一定数いることも理解はしておりましたので、であるならば、幼稚園をそうした保護者の方々の選択の俎上にのせるための措置としまして、今回こういった預かり保育、弁当給食を一気に全園で実施するという取組に至ったところでございます。
先ほど申し上げた一部のPTAにおける弁当配食についても、非常に高い利用の効果が出まして、無償だったらどれぐらい使いたいかといったアンケートを我々も別途で行いましたところ、そのときに96%の方々が何らかの形で使いたいというお答えをいただきました。実際に弁当給食を開始しましてから、保護者の方々にもこういったアンケートを取っておりますけれども、同様の傾向は続いておりますし、実績としまして、令和6年度に入ってからは数字としては全園で平均としまして80%がほぼ求められている数でございます。一部の園においては本当に9割を超えるような数字も出ておりますので、私どもといたしますと、幼児教育のオプション部分ではございますけれども、そうした部分における保護者への訴求効果というのは非常に高いものであるのかなと考えているところでございます。
こういった準備、検討を行うに当たって、幼稚園における園長をはじめ教職員の皆さんの御努力ですとか御理解というものもさることながら、私が申し上げたいのは、学務課の職員が本当に頑張ってくれました。これがなかったら、この事業は今年度から全園で実施するというのは非常に厳しい状況だったと考えております。そうした部分をぜひ委員の皆様方にもお酌み取りいただきたいと存じます。
私からは以上でございます。
○小林指導室長
では、私のほうから防災教育についてお答えいたします。
まず、防災教育なんですけれども、教育委員会としては、中学生は本当に貴重な戦力だと思っております。簡単に申しますと、大人の言うことも聞けますし、力仕事もできますし、子供の面倒もなかなか、ぱっと動いてくれて面倒を見てくれるというようなところで、これからまさに何か起きたときには中学生はしっかりと地域の防災のところで活躍してくれるのではないかということを期待しているところです。
そうした中で、防災拠点訓練につきましては、昨年度、晴海中学校で実際に地域の方と一緒にやってみてということで、今年はそれに加えて佃中学校の生徒が参加するということで、やっているところでございます。
主な取組としては、避難所の設営であるとか、あるいは炊き出しをしたり、あるいはマンションのところで物資を運んでみたりというような体験をしているところで、現場の声としては、そういったマンションのところで物資を運ぶことが大変だったということもありますけれども、何よりも表情を見ていて、何か地域の人と一緒にやっている、それから自分が役立っているというところがすごくいい表情になっていて、これから地域の中に溶け込んでやってくれるのではないかなと思っているところです。
今後も、特に今、自助・共助というところが大事だと言われておりますので、中学生が自助だけではなくて共助の精神を持って地域に貢献する、そういった中学生を一人でも多くこの防災教育を通して育てていきたいと考えているところでございます。
私からは以上です。
○田中(広)委員
それぞれ大変力強い御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
まず、図書館と子ども読書活動の推進のところでございますが、今お話しいただいたとおり、本当にいろいろな工夫、またいろいろな検討を進めて、多くの方に御利用されて、本当にすばらしいことだなと思います。私も日頃、本の森ちゅうおうをはじめ、各図書館へ行ったりしますけれども、本当に多くの方が利用されておりまして、新設の図書館だけでなくても、皆さん居場所というのは求めているのかなと思っております。
また一方で、先日ある企業の経営者の方とお会いしたときに、2週間に一度、本の森に行っていますという方がおられまして、本を借りて返却してという昼休みの生活を行っているらしいんですけれども、中央区は、本当にこういう図書館ができて、すばらしいですねという評価の声もいただいたところであります。
今、本当に人口が増えて、社会がいろいろ変化している中において、この図書館の果たす役割というのは大きいですし、大事なときに開設をそれぞれしていただいたなと思っております。
その中で、細かい点で恐縮なんですけれども、一つぜひ御検討いただきたいなというのが、若い世代の方から言われますのは、閲覧席がもうほぼ午前中で埋まってしまっている状態で、いざ行くと、座る場所がないというんです。もちろんこれは、運営していくほうとしては、本当に多くの方に利用していただいてありがたいという思いはあるんですけれども、利用される、特に若い世代の方からすると、席がないという声をいただきます。グループ学習室は、当然学校が終わってからになるかと思いますので、それまでは空いた状態ではあるんですけれども、いずれにしても座るところがないというところでございます。
そこで、施設の中を見ていただく中で、どこか、この時間は利用していない、少し空きスペースがあるとか、ここは午前中はほぼ利用していないので開放できそうですとか、ぜひ今後に向けて、この席の確保に向けて御検討いただきたいなと思うんですけれども、この点、いかがでしょうか。
さらに、2点目の質問でございます。今、学校給食、また幼稚園事業について御答弁いただきました。お話を伺って、この一つの事業を行うに当たって、どれだけ大変なことかということを改めて認識した次第でございます。これも、教育委員会の皆様あるいは現場の保護者の皆様や学校関係者の子供たちのためという思いがあって、多くの関係者の皆さんが知恵を出し合って、一つ一つ積み上げてここまで来ているんだなということを再認識した次第でございます。引き続き、どうかしっかりと取り組んでいただきますよう何とぞよろしくお願いいたします。
その中で、これも各論で恐縮ですけれども、1点、御要望いただいていることがございまして、幼稚園の預かり保育なんですが、本当に御努力していただいていることはもう理解しているんですけれども、できれば利用者側として安心できるように、定期利用みたいな形でこの予約ができたら助かりますという声を伺っております。この点について御検討いただければありがたいと思いますが、御見解のほどよろしくお願いいたします。
それから、3点目の防災教育についてでございます。今お話を伺って、中学生の皆さんの表情が違っていたということ、また地域の方と触れ合うことも大事だということを伺いました。方向性としても、これからも取り組んでいくとありますけれども、ぜひ充実していただきたいなと思います。
その中で一つ、今後のための御検討の中に組み入れていただきたいことがあります。少し御紹介させていただきたいと思うんですが、荒川区の防災部の取組についてでございます。
実はこの荒川区の防災部の視察に当たっては、最初、荒川区のゆいの森を視察に行ったんです。そうしたら、ゆいの森の紹介動画を見ていたら、その多目的ホールで防災部の皆さんが発表会をやっているという紹介がありまして、ゆいの森の視察を終えて、またしばらくして、議会事務局の方に無理をお願いして、再度、荒川区の防災部を視察させていただいたところでございます。
その荒川区の防災部は、2015年度に区立の中学校10校全てに創設をいたしまして、初年度から各学校で30人程度、区内全校で約300人の生徒が入部しました。この防災部は、サッカー部や吹奏楽部など他の部活動との兼部を認めているのが特徴であります。背景としましては、東京都の地震危険度調査でランク5であるということ、世論調査でも防災対策がトップ、東日本大震災の発生を受けての多くの方の思いを受けて取り組んだということであります。
目的は、助けられる人から助ける人へ、防災ジュニアリーダーの育成に取り組み、防災意識の醸成と将来の地域活動の中核になる人材の育成です。主な活動は、被災地の訪問、防災対策会議、ジュニア防災検定の受験、あらBOSAIへの参加、防災訓練、学校ごとの特色ある活動であります。特にこの被災地訪問では、毎年、岩手県釜石市の釜石東中学校との交流を実施しております。その報告会がゆいの森で行われているということであります。
さらに特色ある活動では、単身の高齢者のお宅を訪問して、つながりを今からつくっていこうということで、交流を深めております。これは、最初に御挨拶してくださった教育長さんもおっしゃっていましたけれども、高齢者の方から褒められると、中学生は本当に喜ぶということで、ますます防災意識を高めていたとのことでありました。
また、一方で課題としては、コロナ禍で活動が止まってしまって、なかなか再開するのが実は大変なんですと、また、学校現場ではいろいろな業務があって、なかなか厳しいという、また、今までの経緯を分かっている職員の方々も替わってしまって、すごく難しいですという声もありました。
ただ、すごく大事な取組だと思いまして、ぜひ今後の防災教育の充実に、御検討の一つとして考えていただきたいなと思いますけれども、その点、御見解をいただければと思います。
○植木図書文化財課長
私からは、図書館での座席数の増設、確保等についてお答えいたします。
図書館について、かなり人気があるというか、なかなか席が取れない、座れないといった状況がある点については、時折私もお声を聞いたりする部分はございます。座席等につきましては、当然ながら施設内においてどのような座席の設備の設置等ができるかということで、基本的に物理的なハード面での問題というのが大きいかと思っております。
図書館としての快適性を保つために、動線であるとか、一定の空間確保、また、あるいは蔵書数との兼ね合いで、当然本が占める部分といった面積等もございますので、有限の施設の中で、どのような形で座席の増設あるいは確保ができるかにつきましては、今後様子を見ながら、指定管理者等とも話し合いながら工夫を重ねてまいりたいと考えております。
なお、関連したお話ですけれども、夏季、夏休みにつきましては、いわゆる児童・生徒のためにということで、夏季の学習室を設置しておりまして、令和4年度は12月開設ということで、昨年度は見送ったところですけれども、今年に関しましては、京橋図書館につきましても、曜日限定ではあったんですけれども、一部施設を夏季の学習室ということで開設しました。人数的には、2か月弱で230人程度の利用ということになっておりますけれども、こういった形で時期やいろいろなものを見ながら、そういったいろいろな在り方、工夫といったものを考えてまいりたいと思います。
以上です。
○鷲頭学務課長
私からは、預かり保育の定期利用についてお答え申し上げます。
この預かり保育の定期利用は、私どもでは従前までは登録利用ということで、こうした制度があったことは、お話にありましたとおりでございます。こうした中で考えました際に、全園で今現在預かり保育を実施しているということを考えたときに、では果たしてどれぐらいの数の需要があるのか、言い換えてみると、どれぐらいの方が利用できないのかという部分との兼ね合いを考えていく必要があるものと存じます。
そうした中で申しますと、今年度、全園で開始しましてから、全13園中10園で1日も抽せんは発生しておりません。ということは、全ての申し込まれた方が利用できているという状況になります。残り3園のうちの2園については、延べで各園お二人ずつお使いになれなかった方がいらっしゃいました。各園でお二人ずつだけです。そして、もう一つの園については、3歳児の御利用の部分で御利用できない方が一定数ございます。
こうした部分を踏まえまして、既に区の中におきましても、実際に一定程度利用できない方がいる場合は、定員の拡大といったことも含めて柔軟に考えるということについては、前向きに検討していただくことになっておりますし、私どももそうした検討を始めているところでございます。
行政で行う事業でございますので、最少の経費で最大の効果を上げていきたいということで考えました際に、定期的な利用ということがどこまで必要なのか、もしくは、先ほど申し上げたように、抽せんにかからずに皆さんが使えているのであれば、当然それはそうした機能も代替し得るところではございますのと、あと、この幼稚園の預かり保育については、もともと幼稚園については元来1号認定の方が御利用になる、つまり保育に欠けている方が利用されるという施設の位置づけにはなっていないということも含めて、総合的な視点から対応を行ってまいりたいと存じます。
以上でございます。
○小林指導室長
私からは、防災部の導入とか、防災ジュニアリーダーの育成についてお答えをしていきます。
まず、この荒川区の取組については、すばらしいなと思っておりまして、今後、中学生がこういった防災の意識を持っていくということは大事だろうと考えているところでございます。一方で、部活となりますと、自主的、自発的なものとなりますので、ではそこが存続できるのかというところもいろいろな課題があるかなと考えるところではございます。
中央区の考え方としましては、どの子供たちにも体験してもらいたい、経験してもらいたいということで、実は土曜授業に組み込んで昨年度からやっておりますので、全ての生徒が経験する、体験する、ここが重要なのかなと。それをもって、これはまだ今、晴海中学校、佃中学校ということになっておりますけれども、ほかの学校にも受入れ体制が整えば進めていきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○田中(広)委員
それぞれ、ありがとうございます。
まず、図書館に関してですけれども、どうか夏季の学習室等、うまく少し拡大すれば閲覧席がまた空きやすくなるのか、総合的に御検討いただければありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、ゆいの森を視察したときに驚いたのは、荒川区のゆいの森は教育委員会の中にあるのではなくて、区長部局でございました。したがって、荒川区はとにかく全庁挙げての会議を行って、どうやったらこの本に触れる、親しむことができるか、そういうことを全庁挙げて検討を常に行っているということでありました。そこで荒川区は、最初に宣言を行って、その後条例まで制定して、豊かな心を育む取組を区で進めていこうということで取り組んでおりまして、大変勉強になりましたし、研さんを深めることができました。また、今後いろいろと検討しながら、私も御提案させていただきたいと思いますので、またそのときはよろしくお願いします。さらに、子ども読書活動の推進については、総括のほうでさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
それから預かり保育についてでございます。今、御答弁をいただきまして、本当にいろいろと取り組んでいただいていることはよく分かりました。あとは、どうか保護者の皆様に安心していただけるような御利用となるように、多角的に検討していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
3点目の防災教育でございます。今、御答弁いただいて、中央区は全生徒に対する防災教育を充実していきたいという御答弁でありました。本当に大事な点でございますので、どうかよろしくお願いいたします。
今回、荒川区の視察へ行って思ったのは、防災の教育を継続するということは大変なんだなと実感いたしました。被災地のフォーラムを聞いても、被災地の現場でも、継続することは難しいということを伺っております。どうか現場の負担があまり過度にならない中で、継続してこの防災教育を行っていただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○竹内委員長
次の質問者の発言を願います。
○小栗委員
それでは、教育費について質問します。
最初に、学習力サポートテストの関連です。先ほど来質疑もありましたので、学年や個人の経年の状況も分析して学習指導に活用しているという点については、御答弁もありました。私がお伺いしたいのは、今タブレットがみんなに配られていますけれども、学習力サポートテストなどの結果が個人のそういうところに蓄積されていくものなのかという点の確認と、あと、これは参加校が参加してやるテストですけれども、そういうテストの結果というか、データがビッグデータとして教育産業などに利活用されるということがあるのか、その点の確認をさせていただきたいと思います。
2点目に、全国学力・学習状況調査についてです。この全国学力テストは、国の一斉のテストだということで、国が費用を出しているということを確認いたしました。それで今、全国知事会からも、これは毎年やる意味があるのかという意見が出たり、県ごとにどの県が何点だったということで順位を出すようなやり方は意味がないのではないかというような意見も出ているということなんですけれども、この全国学力テストについて、教育委員会としての見解をぜひ伺いたいと思います。
前から私も言っていますけれども、悉皆調査をする必要はないのではないかということで、悉皆調査は必要がないと思うんですけれども、その点についての御見解も伺いたいと思います。
テストに関連してもう一つ、東京都の事業として行っている英語のスピーキングテストのことなんですけれども、令和5年に行った際も、不具合があってよく聞き取れなかった生徒もいて、東京都に申入れもしたというお話を以前に伺っていますけれども、全体として昨年度のスピーキングテストは問題がなかったのかという点の見解をまずお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○小林指導室長
それでは、まず最初に学習力サポートテストのことでございます。これに関しましては、実は今現在は、結果が出ましたら子供たちに紙で個票を返しているような状況でございます。これにつきましては、先ほどのデータで取り込んでということは今のところ区の教育委員会では考えておりませんので、授業改善に生かすとともに個の課題につなげていくというところなので、そのデータを蓄積するということまでは今のところは考えておりません。
それから、全国学力・学習状況調査の件なんですけれども、実際にはこの全国学力・学習状況調査については、小学校6年生と中学校3年生が全員参加しているような状況になっております。この意図は、実は学習指導要領の中で大事にされている、知識をどう活用してやっていくのかということも測れるテストになっておりまして、いわゆる区でやっている学習力サポートテストというのは、どちらかというと知識とか思考力というようなところがあるんですけれども、かなり読み解いたり、その問題をしっかりと把握して、子供たちが考えながらやっていくものとなっております。この調査は、実は教員のほうにも意識を持ってもらいたいと思っておりまして、単なる知識を教えるだけの授業ではなかなか解けないというところもございます。
こうしたことから、毎年やっていくことはどうかというところなんですけれども、毎年その部分のところをしっかりと教員も意識して、子供たちに、特に小学校6年生、中学校3年生が一番最高学年のところでもありますので、そこまでにどういう力が身についているのかということは学校全体でも振り返っていくものと考えているところでございます。
それからあと、東京都教育委員会が実施しているESAT-J、スピーキングテストの課題はあるかということで、昨年度区民文教委員会でも御報告をさせていただいたんですけれども、1件、機器の不具合で受験ができなくて、そしてそれと会場のスタッフの方が勘違いして、一旦帰してまた再受験するということはありましたけれども、それ以外のものについては特に課題としては上がってきておりません。
引き続き、このESAT-Jにつきましては、しっかりと東京都教育委員会、保護者も関係している、子供も関係しているものでもあるので、課題等があったら、東京都教育委員会にしっかりとそこは申し入れていきたいなと思っております。
1点訂正でございます。すみません。
学サポの区、学校ごとのデータというものについては、もちろん各学校に行っておりますので、データとしては活用されているような状況です。個人のところは、先ほど言ったとおり紙ということになっておりますけれども、学校にはデータで行っておりますので、そういったところをしっかりやっているところでございますので、こういったところのデータの扱いは十分留意しながら活用していきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○小栗委員
学習力サポートテストがビッグデータとして、それをやっている会社のほうのいろいろなデータとして利活用されるということはあるのかどうか、ちょっとそれについては答弁がなかったので、お願いします。
それで、英語のスピーキングテストですけれども、実際に中央区でも不具合があったということもありますが、今年も11月にやるということで、今度、運営業者が替わったために、これまでは学校で申込みをしていたのが、登録や申込みを保護者がやるということで、またさらに混乱が増しているという状況が伝えられていますけれども、中央区での状況はどうなのかという点について確認をさせていただきたいと思います。
公正な状態でできないテストを都立高校の入試に使うということで、保護者の皆さんも生徒さんたちも不安に思っているわけなんですけれども、その点で問題は全然解消していないのではないかと思いますけれども、その点についても御答弁をお願いしたいと思います。
○小林指導室長
失礼いたしました。先ほど学サポのデータを会社のほうで利用されていないかというところなんですけれども、そこについては、中央区が持っているデータでもありますので、今後そういったところをもう一度会社のほうとも確認をしながら、そういったことがほかのものに使われてないかどうかというのは確認をしていくように考えております。
それから、実際にESAT-Jのところで今回、保護者が家庭のほうから登録するような形になっておりまして、これについては7月から実際に行っております。上がってきている情報としては、二重で登録してしまって生徒数が100%を超えてしまったというところがあって、そこについて二重に登録したものをちゃんと解消するように、今動いているところでございます。
先ほどお伝えしましたけれども、こういったことも含めて東京都教育委員会にはこういった不具合が起きているということは随時伝えておりまして、東京都教育委員会も即座に対応するという状況にありますので、これは中央区だけではなくて、ほかの区でも起きていることですので、全体を通して、ここの課題については適切に対応するように求めていきたいと考えております。
以上でございます。
○小栗委員
こういうテストで、教師の方も、いろいろそういう手続だけでも大変な仕事が増えたり、問合せが集中したりということも言われていますし、学校の現場のほうも大変混乱しているということも伝えられています。それを受ける子供たちにとっても、ちゃんとした状況で受けられるようになっていないということもあり、公正な状態でできるような条件が整っていないのに、それを高校の入試の判断材料の一つにするということは大変問題ではないかという点を重ねて指摘させていただきたいと思います。
それと、全国学力テストについては、前から全国一斉にやると。前にそういういろいろな問題があって一旦やめたのに、またそれが復活して今やっているということで、結局、点数が出れば、どこの県が一番なのかとか、どこの県が一番点数が取れなかったのかとか、そのように比べるものにどうしてもなってしまうし、現場でも大変な負担もあるし、毎年毎年全員にやる必要性というのはないのではないかということは前から指摘されていますけれども、その辺は現場の意見としても、こういうテストを毎年毎年全員にやる必要があるのかという点で、よく検討をしていただきたいと思います。
続いて、教員の多忙化の解消の問題で質問をいたします。
給特法の改正などの問題もいろいろありましたけれども、結局は残業代の支給というのも変更されずに、待遇改善についても、今後どのようになるのかという点でもまだまだ十分ではないという理解をしておりますけれども、教員の皆さんへのアンケートでも、これは全国的なアンケートですけれども、今、教員不足が大変深刻だと言われていて、長時間労働がその要因ではないかということで声が上がっておりますし、教員の多忙化の解消のためには、教職員を増やしたり、全ての学校で少人数学級を実施していくなど、そういう条件を変えていくことが必要だと思います。
それで、毎回いただいているこの資料305を見まして、平均超過勤務時間が1日1人当たり1.5時間から2時間以上というのが常態化しているということが見てとれると思います。昨年の数字と比べると、所によっては減っているところもあったり、さらに増えているところもあったりするんですけれども、全体として改善が図られていないのではないかと思いますけれども、どのようにこの辺の解消を図っていくのかという点と、教員の増員がさらに必要ではないかと思いますけれども、その点についての御答弁をお願いしたいと思います。
○小林指導室長
教員の多忙化についてでございます。まさに私たち区の教育委員会がやることは、働き方改革を推進して、教員が働きやすい環境を整える責任があると思っております。実際、令和3年度、4年度、5年度を比較すると、今まで月の超過勤務時間が45時間を超えていた教員が5割弱いたのが約33%まで減ってきているというのは、中央区のこの働き方改革の取組の成果の一つが現れているかなと思っております。
中央区は、正規の教員というよりも、様々な専門のスタッフを入れながら、今、学校の運営をしているところです。それによって、チーム学校として役割分担をしながらやっておりますので、引き続き、教員が長時間労働にならないようにということなんですけれども、実際には、前にもちょっと御答弁させていただいたとおり、自分はすごく教材研究が好きで、自分でやっていきたいという人も中にはいますし、それを取り上げてしまうのもちょっと違うかなと感じているところです。なので、大事なことは、教員がやりがいを感じられるかどうかというところに焦点を当てた働き方改革ということをいろいろ多角的に検討して、しっかりとそこに基づいて、長時間労働に陥らないようにという環境を整えていくことを、中学校や小学校の校長会、それから園長会とも協議をしながら進めていきたいと考えているところです。
以上です。
○小栗委員
今、正規の職員だけではなくて、非正規も増やして、チームでやっているというお話がありましたけれども、資料302でも出ていますけれども、今、小学校の正規教員は全部で490名、非正規が213名ということで、大変非正規の教員も多いということで、非正規教員の内訳でいうと、時間講師が98人ということで、様々な仕事の中身というのは、そういう時間講師でやってもらっているというのが、いい授業もあるかもしれませんけれども、本来は正規でちゃんと教員の仕事が果たせるようにするべきところが非正規で賄われているというような実態がないのかという点も大変心配をしております。
資料304では資格や待遇なども出していただいていますけれども、不登校の子供に対するスクールソーシャルワーカーの方などの待遇も十分ではないのではないかと見てとれます。
そういうことで、ぜひ教員の働き方改革を進めていく上でも、この教員の正規化、待遇の改善をぜひ図っていただきたいということを要望して終わります。ありがとうございました。
○竹内委員長
次の質問者の発言を願います。
○梶谷委員
本日もよろしくお願いします。
私からは、まず決算書298ページ、2、教育委員会運営事業の中にある(2)教育広報紙「かがやき」の発行についてお伺いをします。
教育行政に関する施策内容のほか、学校の現状や教育委員会の考え方などについて、区民や保護者に周知し、理解の促進を図ることを目的として、教育広報紙「かがやき」を発行しております。令和5年度予算として473万8千円が計上され、決算額は359万2,330円となりました。本事業における執行率、そして執行残が生まれた理由について教えてください。
あわせて、令和5年度分の行政評価に、教育広報紙「かがやき」に関する記載が見つけられなかったのですが、どこに記載されているのか、教えてください。
○俣野庶務課長(参事)
教育広報紙「かがやき」でございます。今御紹介いただきました「かがやき」につきまして、こちらの執行率でございますが、結果的には75.8%というものでございました。こちらにつきましては、その理由が「かがやき」の発行委託に伴う契約差金というところで御理解いただければと思っております。
また、こういった「かがやき」の事業が行政評価から除外されているのではないかという御指摘につきましてでございますが、こちらにつきましては、これまで「かがやき」の発行自体は、たしか教育委員会の運営事業のほうに記載していたところでございます。こちらを今般の令和5年度分の行政評価を作成するに当たりましては、関係者と協議する中で、教育委員会の事業自体が行政委員会としての活動ということも含めまして、評価すること自体が、職員の人件費ですとか、教育委員会委員の報償ですとか、そういったことも含めまして、評価になじまない部分があろうかということでございまして、全体的な取扱いの中で削除される扱いとなりました。そうしたことから、「かがやき」自体につきましても、そういった教育委員会の運営のほうにそもそも記載がございましたので、併せて削除されたものと御理解いただければと思っております。
以上でございます。
○梶谷委員
執行率は75.8%で、執行残については委託に伴う契約差金ということで理解をいたしました。行政評価についても、今後も掲載がないということで、理解をいたしました。
この「かがやき」のホームページのところに、平成14年11月に発行された第76号から今現在閲覧することができまして、当時、久松小学校の開校130周年の記念式典についても掲載がされておりまして、私はそのときに久松小学校6年生として在籍していたのですけれども、当時の同級生も写っておりまして、何だか懐かしい気分となりました。
最近は年に6回の発行でしたが、3回、4回の発行の年もありました。これまでどのような工夫をされてきたのか、現在の発行部数の推移、現在の配布の仕方を含む取組状況、課題についてお聞かせください。
あわせて、今後の取組についてもお聞かせいただければと思います。
○俣野庶務課長(参事)
引き続き「かがやき」ということでございまして、委員からも御紹介いただきました「かがやき」につきましては、直近の9月11日号をもって185号となったわけでございます。平成2年の第1号創刊号をはじめとしまして、非常に歴史のある教育広報紙として位置づけているわけでございます。
実績でございますけれども、ここ数年で言いますと、令和2年度につきましては7万9,124部、令和3年度につきましては16万9,495部、それから令和4年度につきましては18万1,434部、令和5年度につきましては18万1,581部ということでございます。コロナのときに極端に発行部数が減ったわけでございますけれども、それ以外につきましては、対象者の増加も含めまして、比較的増加傾向の中で発行部数については推移しているところでございます。
また、発行先でございますが、区立小・中学校、幼稚園、それから私立の保育園のほか、町会・自治会、それから区議会議員の皆様方にも配布させていただいているところでございます。
それから、工夫という点がございました。こちらの工夫につきましては、教育委員会は、学校を中心に、教育委員会が子供たちや保護者に伝えたいこと、また、さらには社会教育ですとか社会体育分野につきましても可能な限り掲載していく必要があるんだろうなと考えているところでございます。こういった掲載に当たりましては、常に子供たちが主役となるような紙面構成といったものになるように意識して、紙面の編集については取り組んでいるところでございます。
また、この広報紙につきましては、教育委員会とか各学校のホームページといったものを補完する役割も機能としてございまして、現時点では紙ベースを中心とした広報紙でございますが、各家庭に確実に届くように、紙を中心に現在は配布をさせていただいているところでございます。
それから、今後の課題というお話がございました。こちらにつきましては、本区へ転入される方が引き続き多いということもございまして、本区の教育行政に対する御理解をこういった広報紙を通しまして促していくことが非常に重要なことかなと考えているところでございます。
各学校におきまして、先生たちが子供たちのことを第一に考えながら学校教育で取り組んでいることの内容ですとかメッセージ、こういったものを広報紙を通して確実に伝えることを通しまして、保護者の皆様を含めまして、転入される方々に確実に伝えていくことが、今後の取組の方向性としては考えているところでございます。
以上でございます。
○梶谷委員
細かく教えていただき、ありがとうございます。
発行部数も年々増えており、児童数の増加も影響していると推測できます。今後も、子供たちの活躍や保護者の意見、生涯学習、スポーツ団体の活動状況などを積極的に取り上げ、教育委員会と保護者、地域関係団体とを結ぶコミュニケーション手段の一つとして活用していただき、本区の教育行政の理解促進に取り組んでいただきたいと思います。
次に、決算書300ページ、1、小学校管理事業、(2)スクールバスの運行についてお伺いします。
通学の利便性向上や安全対策強化を図るため、就学人口の多い月島地域から特認校、城東小学校、常盤小学校、阪本小学校へのスクールバスを運行しておりまして、令和5年度予算では1億1,713万4千円が計上されており、決算額は1億2,555万8,445円となりました。
まず、当初予算額に対して決算額が上回っており、何らかの財源措置をしたと考えられますが、財源措置をしなければいけなかった理由について教えてください。
また、行政評価を見ますと、特認校児童数は多く増えておりますが、スクールバス申請者が横ばいなのが分かります。この状況についても教えてください。
○鷲頭学務課長
スクールバスの状況についてでございますけれども、まず当初予算額に対しまして決算額が上回った理由といたしましては、コロナ禍が一段落し、通常の学校活動が再開されます中で、特に令和5年度については、各校で行事等に基づきました学校都合によります下校の際の臨時便と呼ばれる、通常のバスの配車と異なる配車の回数が非常に多かったというところが挙げられます。
臨時便がどういったものかということを簡単に御説明いたしますと、通常であれば、下校のときには、例えば2台のバスであれば、その2台のバスが何回か巡回して、回転しながら子供たちを下校先に送っていくというものでございますけれども、こうした学校都合によります臨時便ということについては、基本的に全校の児童を一どきに帰すような形での対応が必要となってまいります。つまり、通常の下校で使うバスの数よりも多くのバスの数を必要とするという事例がございます。こうした回数が多かったこともございまして、当初の予算よりも多くの予算を必要とするという事態になりましたので、予算の流用によりましてこうした措置を行ったところでございます。
また、特認校の児童数が増加しているのに対してスクールバス申請者が横ばいである状況ということでございますけれども、現時点におきまして、阪本小学校と城東小学校ではいわゆる複数学級化が進行しているところでございます。阪本小学校は令和4年度から、城東小学校は令和5年度から順次、これまで1学級、単学級だったものを複数学級、2学級化しているという状況でございます。それに伴いまして、単純に学級数の部分だけで捉えますと、城東小学校と阪本小学校が令和4年度と比較しまして、令和5年度は1学級ずつ、合計で延べでいうと2学級多かったということで、特認校の児童数は増加しているところでございますが、そうした中で、特に城東小学校におきましては、人数が23人、スクールバス利用者として増になっているところでございます。ただ、その一方で常盤小学校については18人減となっているところでございまして、このあたりについて考えられますところは、通学区域内に新しくできたマンションなどにより、いわゆる指定校として通学するお子さんの数が増えたことによるものではないかと考えているところでございます。
このあたりについては、特に令和6年度、今年度、常盤小学校の一部区画について通学区域の変更なども行っているところでございますので、そうした影響がもし出ているのであれば、令和6年度のこういった部分についても顕著に影響が出るものと考えておりますので、私どもといたしましてもそうした状況を注視してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○梶谷委員
通常の学校活動が再開されて、行事等の学校都合による臨時便の増、その影響で流用したということで理解いたしました。
人数についても、城東小学校は、学級数が増えたこともあり、23人増加、そして常盤小学校は、通学区域からの通学者が増えたのかなという予想があり、18人減ということで、そこで横ばいの状況ということを理解いたしました。
令和4年度の決算特別委員会の質疑の中で、送迎バスの安全性について要望させていただきました。そこで、行政評価を拝見すると、スクールバスの運行に際し、車内での児童置き去り防止など、安全を確保するために、車内に安全装置を設置していただいたとの記載がありました。要望していた内容だったので、本当に安心しました。
そこで、スクールバスの運行において、課題を含む現状、そして今後の取組についてもお聞かせください。
○鷲頭学務課長
スクールバスの課題や現状、今後の取組といったところでございますけれども、まずスクールバスの運行等についての部分で申しますと、学校運営に合わせたような形で、先ほど申し上げましたような臨時便の増加等を含めまして、柔軟な対応で運行しているところでございます。
こうした中ではございますが、一部の学校のスクールバス内におきまして、いわゆる子供たちのふざけ度合いといったことを含めた乗車マナーについて、様々御意見をいただいているところがございます。ただ、こういった部分については、学校のみならず、PTAの皆様とも連携して、様々、場合によっては同乗するとかを含めた取組を行っていますし、基本的には各学期ごとの初めの1週間程度につきましては、教育委員会事務局の職員が全バスに乗って、そうした状況を見守っているところでございます。
また、あわせまして、こういったスクールバスの部分については、注意喚起も必要であると考えております。特に保護者に対しての注意喚起が、こういった乗車マナーという部分は家庭教育の側面もございますので、そうした部分についての取組なども行いながら、複合的な観点でスクールバスの円滑な運営について取り組んでいるところでございます。
今後の取組といたしまして、我々も特に注視しておりますが、HARUMI FLAGのまちびらきに伴いまして、今現在HARUMI FLAGがございます晴海五丁目から特認校に通っているスクールバスに乗っている方の数というのが30人ほどおります。この数は、令和4年度の数字と5年度の数字と大きく変化がないところではございます。ただ、そうした中ではございますけれども、今年度の特認校の申込み状況という部分を当然勘案しなければならないという考えは持っているところでございますので、今回の申込みの状況を注視してまいりたいと存じます。
以上でございます。
○梶谷委員
今年1年生になった子供たちも、だんだんと学校生活に慣れて、少し気も緩んでくる頃かと思います。夏休み明けの新学期が始まる前に、スクールバスの乗車マナーについて、スクールバスを利用している子供たちには、家庭に注意喚起の手紙を送付していただいたりと御尽力いただいていることは承知しております。今後も、学校PTAとの連携をはじめ、月島地域の就学児童の推移を踏まえた運行計画の検討をお願いしたいと思います。
最後に、決算書304ページ、幼稚園管理事業の中にある通園バスの運行についてもお伺いをします。
令和6年9月1日より久松幼稚園は、現常盤小学校内にある常盤園舎に移転し、新しい園舎での生活がスタートしました。それに伴い、通園の負担を軽減するため、久松小学校と常盤園舎久松幼稚園の間を運行する通園バスを配車し、園児の送迎も併せてスタートしました。
令和5年度では、通園バス運行の準備期間として288万2千円が計上され、決算額が352万円となりました。まず、当初予算の予算額に対して決算額が上回っているので、この財源措置をした理由について教えてください。
○鷲頭学務課長
久松幼稚園の通園バスについてでございます。こちらの通園バスにつきましては、令和5年度は準備期間ということで、常盤小学校前にございますパーキングメーターの撤去に要する予算を計上していたところでございます。そうした予算計上を行うに当たって、当然のことながら、どこにバスを止めて、何台パーキングメーターを撤去するかといったことを勘案していたところでございますけれども、現場は、特に交通管理者でございます警察との協議を経る中で、バスの停車位置を当初予定から変更したことに伴いまして、撤去するパーキングメーターの基数が1基増加しております。そうした部分については予算措置がまだなされていなかったこともございますので、この部分について流用により対応しているところでございます。
以上でございます。
○梶谷委員
撤去するパーキングメーターが1基増えたということで、理解いたしました。
9月1日より通園バスの運行が始まりましたが、現在の通園バス運行に対する御所感をお聞かせください。あわせて、今後の取組についてもお聞かせください。
○鷲頭学務課長
この9月から実際に運行が始まりまして、久松幼稚園の教職員の方々のみならず、保護者の方々の御理解ですとか、特に園児自身の習熟と申しましょうか、通園バスに乗り降りする動き方の学びといった部分について、非常に協力してもらっているなということを認識しているところでございます。そうした点もありまして、ここまで本当に事故なく運営できてきたのは、私どもとしても何よりだったなということで考えているところでございます。また、バス酔いしたりするような子供もおらず、園児たちはバスの車内から非常に楽しそうに窓の外を眺めながら通園をしているというような状況でございます。
こうした部分について、今後の部分で申しますと、現時点でも預かり保育が久松幼稚園で開始されたことで、16時半に終わってからの降園ということになりますと、もうちょっと薄暗い時間帯になってきております。そうした部分で、東京都トラック協会中央支部から御寄贈いただきました光るバンド、身にペチッとつけられるような、そういったものを園児たちに持たせ、また身につけさせることによって、歩行者や自転車に乗っている方々にも視認できるような状態で運営しているところでございます。
また、秋の交通安全週間の際には、お隣にございます富沢町町会などにも御協力いただいているところでございますので、こうした地域の方々の御協力などもいただきながら対応してまいりたいと存じますし、今後の部分で申しますと、園児数が増加しても、バスの台数自体は現行のままで可能ですので、さらに教育委員会全体で一丸となって対応してまいりたいと存じます。
以上でございます。
○梶谷委員
地域の方々の御協力もあり、現在は事故もなく運営ができているということで、理解いたしました。
来年度から預かり時間の延長も始まり、まだ課題もありますが、園児の安全を最優先に、今後も御尽力をお願いしたいと思います。
終わります。
○海老原委員
ただいま第8款「教育費」の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後3時に委員会を再開されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長
ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。
午後3時に委員会を再開いたしますので、御参集願います。
暫時休憩いたします。
(午後2時43分 休憩)
(午後3時 再開)
○竹内委員長
休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
第8款「教育費」について、質問者の発言を願います。
○上田委員
日本維新の会、上田です。よろしくお願いします。
今日は、教育環境というところを少しテーマにしてお話をさせていただきます。ページとしては、行政評価274ページをお開きいただければと思います。また、手元の資料322番のほうをお開きいただければと思います。
まず、このあたり、確かな学力の向上事業ということで、一般財源は13.6億円ほど充当しております。今回、新規資料として内訳も出していただきましたが、区として独自の教員配置など、人材のところに対して多大な投資をしていただいていると感じております。
あわせて、今回はその場の環境ということを少しテーマにしたいと思います。というのも、環境が変われば人の意識というのは変わり、それがモチベーションだったり、態度というものにも変わっていくだろうと考えているからです。
ICT機器のリニューアルという形で今年は大幅な増額ということもありまして、期待が膨らむ中だと思いますけれども、ではこの中のハードという面においてどういうことが考えられるかというと、いよいよ一方通行に黒板があって、そこに35人が同じ方向を向いてという状態からの脱却が、ある意味タブレットによって実現ができるのではないかと考えております。このあたりについて、教育委員会はどのようにこの教育環境を考えていくのかというところの見解を伺います。
○小林指導室長
今、委員お尋ねのところにありましたけれども、実際にタブレットが導入されて、授業のスタイルであるとか、そういったものはどんどん日進月歩のように変わっております。先ほどありましたとおり、環境というところでいきますと、今現在、学校の中では、35人あるいは40人ぐらいが入れる教室になっておりまして、机と椅子があって、黒板があってというようなところが一般的な形で、そこで授業を進めております。その中で、例えばグループ学習であるとか、そういったところで4人班にしたり6人班にしたりということで、子供たちが机を動かしながらやっているところです。
一方で、実際に子供たちは、新しい環境で学ぶことに対しては、非常に気持ちが高まるということで、わくわくしながら学習に取り組むというところがあります。一例を挙げますと、例えば学校の中には、学校によってはなんですけれども、英語科教室とかがあると、かなりその掲示物といったものも、もう英語を使っていくぞというような雰囲気が出ているような環境があって、そういったところは非常に子供たちにとってみても大きい影響があるかなと考えているところでございます。
以上でございます。
○上田委員
ありがとうございます。
今おっしゃっていただいたとおり、例えば英語の教室といったときに、ただ同じ机とか、同じ環境なだけではないというのが多分価値だと思いますし、もう少し踏み込んで申し上げますと、例えば晴海西の低学年教室だったら、マーブルチョコのようなカラフルなものがあって、晴海図書館にもありますぷにぷにした置物とかは大人気だと思うんですけれども、そういうところで、要は知識をインプットすることを前提とした教室管理というものから、発散をしたり、アイデアをブレストしたりというような場所というのも検討していくべきではないかと思います。
あわせて、プロジェクターとか、今、小型でいいものもそろっていますから、それをタブレットと連結させて、いろいろなところで発表ができる。例えば、4面を全部ホワイトボードにするとかの、要は探究学習、対話型の授業を意識したような箱の導入というものについても、今後少し研究を進めていただければなと思っております。
大人を見ても、今はもう1か所で8時間座って働くというよりも、スターバックスに行って働く方もいますし、先ほど前委員の話もありましたが、本の森ちゅうおうを利用するとか、そういう話もあるかなと思います。環境が変われば思考が変わり、思考が変われば発散で出てくるものが変わってくる。それが一人一人違う家庭、違う環境にいる者がミックスされて、学校というのはその相乗効果が織りなす場所になるんだろうと思っております。ぜひこのあたりについても今後御検討いただければと思います。
2点目に参ります。行政評価のページで言うと279になります教育センターのところです。ここについては、スクールソーシャルワーカーの派遣回数というのが急激に伸びている。これは、子供に対するケアという観点において、きちんとそのニーズに応えていると評価をしております。反面、教育相談、これは主に親向けだと思うんですけれども、ここについて、その子供と比較したときに明らかに伸び悩んでいる。この観点について教育センターとしてどのように考えるか、お示しいただければと思います。
○村上教育センター所長
教育相談の件数でございます。こちらの行政評価にございます教育相談の件数は、教育センター内で行っております来所相談、電話相談の件数、5年間ほぼ横ばいという状況でございます。
こちらについて少し中身を見ていきますと、専任教育相談員の15名という体制で5年間やっておりまして、本当に私が見ておりましても、隙間なく、1時間ごとに相談が入っている状況でございます。そして、今年度、実は晴海西小学校開校に併せて専任教育相談員を1名増員いたしましたので、昨年度の8月末現在と今年度の8月末現在でどのぐらい変わったのかということをちょっと調べましたところ、昨年の8月末現在が1,226件、今年度が1,408件ということで、14.8%ほど実は1名の増員で増加している。これは恐らく行政評価でも、来年度、令和6年度はぐんと伸びてくるのではないかなというのが予想されるところです。
また一方で、カウンセラー業務をこの専任教育相談員は幼稚園、小学校のほう、あと宇佐美学園も含めまして、教育相談という形でカウンセラーとして学校にも行っておりますし、こちらに示しておりますソーシャルワーカーであるとか、あと今年1月に始めた子供のSNSの相談、そういうものを活用しながら、いろいろなチャンネルを教育相談のものとして用意して対応している、そういう現状でございます。
○上田委員
丁寧に御説明ありがとうございます。
1名でこれだけ伸びるということは、恐らく3名ぐらい増やすと、さらに現実には伸びるんだろうと思います。資料312にも示されていますが、児童数の推計は、たったあと5年で1,500名増えていくと。そうなれば、教育相談の数というのは当然それに合わせてまず増えるだろうと。加えて新しい方が増えていくということは、核家族化が進んでいて、地縁・血縁がない方が、ここの資料314にも示されていますが、不登校、集団不適応といった学校の悩みということを子供側は別室指導の話も含めてかなり区として強化が進んでいるという認識なんですが、この親向けのところというのが、親のほうがある意味発見しやすいというところもあるのかなと思います。
ぜひこのあたりについて、人の増員というのはいただきましたが、そこも工面いただくとともに、1点、私のほうで8月に予算要望で組み入れさせていただきましたが、働く両親、共働きにとっては、これは9時から17時なんですよね。電話の件も、来所の件も、ここについては夜間だったりとか、子供が寝た後に、特に2人おりますと、例えば娘が小学校2年生で、下が幼稚園とかになってくると、かなりその相談というのが、どうしても子供が寝た後にやりたいなと思うという方も多いとは思うんです。
これを単純に行政の職員を増やすだけでやろうとすれば、これはかなりの負荷になると思いますから、民間との連携活用、あるいはそういう事業者との一部補助等を試行的にでも加えて、この学校の中での問題というのを、とにかく親独り、そして子供たちだけに抱え込ませないということが、どこかに吐き出せて、それを最終的に行政として把握ができれば、それこそちょっと福祉の分野になりますが、育ちのサポートカルテをつないだりとか、いろいろ掛け算できるところってあると思うんです。
ただ、芽が出ないと、僕らはキャッチできないというのも事実だと思いますから、このあたりについては、この教育相談が令和6年に伸びていくと。伸びればいいというもんじゃないというのはよく分かっていますが、ある程度健全に伸びていくと、ただそこに、最終的には自殺をしてしまうとか、本当に長期不登校になるという率を下げていける。相談は伸びているけれども、そこのデータは下がっていく。それが一番あるべき姿なんだろうと思いますので、ぜひ引き続きのお取組をお願いしたいと思います。
最後、3点目に、行政評価に戻りまして259ページ、宇佐美学園のことについて申し上げます。
この宇佐美学園は、まず単純なお金だけの話をすれば、2億円近い予算をこの数十名の児童にかけているように見えるといえば見えるわけです。ただ、それ以外にも、この特別支援学級としての意味づけ、位置づけというのは、非常にあると僕は思っています。教育委員会として、この宇佐美学園というのを今後どのように活用していくのか。本区は税収が伸びていますから、その中で無理やり削るという話というよりも、今ある施設をどうやって生かしていくのかという観点についてぜひお示しいただきたいと思います。
○鷲頭学務課長
宇佐美学園についてでございますけれども、宇佐美学園は、ただいま委員からのお尋ねの中にもございましたとおり、城東小学校の特別支援学級(養護学園)としての位置づけで存在しております。関連は、東京都が進めておりました健康学園としての位置づけからのこうした現在の法的位置づけになっているというところでございます。
そうした中におきまして、一時期、宇佐美学園については非常に児童数が減少していた頃がございました。その後という観点で申しますと、私どもは、健康という概念の多様化というのは挙げられるものかと考えております。いわゆるぜんそくとか肥満といったような肉体的な部分にとらわれず、例えばデジタルデトックスな観点ですとか、あと場合によっては、家庭環境も鑑みて、一時的にでも保護者と児童が離れてそれぞれで生活していったほうがいいような場合などについてもそうした対応が取れるような施設であるということで認識しております。
昨今の児童数全般の増加に伴いまして、この宇佐美学園の園児数もそういった意味では増加傾向にございまして、こちらの行政評価の259ページにございます表で申しますと、令和5年度は29人というところでございますけれども、今年度、令和6年度の2学期開始の時点で36人ということになっておりまして、また寮のキャパシティの部分を考えましても、40人を超えてくると、なかなか数としてはいっぱいに近い形にはなってくるのかなというところで考えているところでございます。
宇佐美学園におきましても、特別支援学級(養護学園)という先ほど申し上げた位置づけでございますので、園児数が多ければ必ずしもいいというところではないとは思いますけれども、この小規模な園ながら、この小規模な園に城東小学校経由の学籍ということにはなりますけれども、非常に多くの小学校から子供たちが集まってきております。そこで多様なそれぞれの背景を持った子供たちが触れ合い交流するということについては、中学校にその後進んだときに、より多くの生徒の中で活動するということが公立にしろ私立にしろあるわけでございますので、そうした中における他者との交流という観点からも、大変有意義な施設であると考えております。私どもといたしましては、引き続き宇佐美学園の維持管理、また運営につきまして、教育委員会としましてバックアップをしていきたいと考えております。
以上でございます。
○上田委員
ありがとうございます。
もうキャパシティぎりぎりということですよね。36名、現状でいるということは、これはまさにおっしゃるとおり、健康というものが今メンタルな話もかなりあるだろうと。そして、これは民間では決して収支が合わないですから、まずできない施設だと思うので、これは公共の価値だと僕は思うんです。まず、それは1点、非常によいものだと僕も思っています。
1点だけちょっと要望を申し上げたいんですが、それは、宇佐美学園のことは全小学校に対してメッセージを送られていますから、周知というのはあると思うんです。しかし、現実的に宇佐美学園とはどんなものというのは、私が初めて議員になったときに視察させていただく前に、サイトを見ても、これは国民宿舎かなという感覚で、ちょっと分からなかったので、正直言うと、ちょうど改修後でしたから、中に行ってあんなに立派な施設があるのかということも非常に驚いた。素直に言うと、ここに中央区立があるんですかみたいな感覚を一区民としては持ったわけです。このあたりは、幼稚園のときに、幼稚園で動画を作成されて共有していただいていたりしていると思うんですが、より宇佐美学園というのはどういう場所なのか、そしてどういう施設があって、変な話、遜色ない施設があって、こういう目的でやっているんだということを何かイメージビデオのようなものをサイトに載せるだけでも大きく、もしかしたら、いいことかは分かりませんが、申込者が増えたりとか、御相談や体験の数が増えるんじゃないかなということを期待しております。
先ほど申し上げたとおり、公共で選択肢を持っておく、増やしておくと、不登校以外の方法を持つと、特に両親とのバランスがちょっと崩れたときに、言い方は悪いですけれども、少し退避できる場所があるということは、23区でも少なくなってきましたから、貴重だと思うので、これをきちんと、周知のほうが先ですが、理解をいただく、共感をいただいて、進めていただければなと思います。
私からの質問は以上です。ありがとうございました。
○竹内委員長
次の質問者の発言を願います。
○白須委員
よろしくお願いいたします。
GIGAスクール構想により全国の小・中学校にタブレット端末が整備されましたが、入替えの時期がやってきます。GIGAスクール構想の第2期に向けて、今の現状、そして理想のICT活用についてお聞かせください。
また、ICT活用への対応はかなり大変だということをよく伺います。現場から見たICT支援員の配置の現状や課題はいかがでしょうか。ICT支援員の不足感はないでしょうか。伺いたいと思います。
また、学校間によって端末の活用方法と進行度、意識に差があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
3点お聞かせいただけたらと思います。
○小林指導室長
GIGAスクール構想第2期がいよいよ次年度スタートしていきます。こうした中で、来年度、新しい端末に入れ替えていくだけではなくて、システム、ネットワークのほうもクラウド化していくなど、様々なことを今考えております。そうした中で、実際にICTの活用の状況なんですけれども、今、令和3年からもう端末が導入されてGIGAスクール構想をスタートしたわけですけれども、非常に今、活用率は上がっておりまして、中央区はどの学校においてもこの端末を活用した状況になっているところでございます。
これと併せて、GIGAスクール構想のところで教員だけがその部分のICTの活用を促進していくのではなくて、バックアップとして、先ほど委員のおっしゃったICT支援員というところで活用を進めているところなんですけれども、支援員の活用につきましては、年度年度で教員も慣れてきておりまして、実際には令和3年度最初の導入のときと比べると非常に支援の回数が少なくなってきて、教諭も自立してICT機器を活用しながら授業を進めているというような状況でございます。
それから、学校ごとの活用の差につきましては、実はICTの活用状況のアンケートを毎年取っておりまして、ここは身につけておいてほしい力だなというところは、教育委員会として意図を持ってアンケートを実施しておりまして、その中で、不得意な先生であるとか、そういったものを洗い出すとともに、校内でも実はOJTということで、得意な先生、特に若手の先生のほうが得意でいるような状況でして、そこがもう教え合っているというような状況も見受けられます。
今後、先ほど述べたGIGAスクールの第2期ということで進めていくところであるので、改めてこういったところまで、端末も入れ替わり、ネットワークも変わりというところもありますので、支援員をどのように入れていくのかというのは今検討しているところでございます。
以上でございます。
○白須委員
御答弁ありがとうございました。活用率が上がっているということ、また第2期に向けてしっかりと進んでいると思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
また、ICT支援員の方の稼働状況は、令和4年度、5年度とだんだん少なくなってきていることは確認しておりますが、若い方はもうよく理解していらっしゃって、しっかりと行われているということですが、現場の声を聞きますと、本当に本当に大変だという声は実際は聞きますので、ICT支援員が足りているかどうか、本当に大変で悩んでいる先生も本当はいらっしゃると思いますので、その点は対応している先生方のお声をしっかりと聞いていただいて、もし本当に足りないからもっと支援してほしいということでありましたら、しっかりとまた補充していただいて、やっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
GIGAスクール構想は、授業の改善だけではなくて、働き方改革もその狙いに含まれているという点があると思います。先生の働き方に変化が見られたのかどうか、教えていただけますでしょうか。
○小林指導室長
まさにおっしゃるとおり、GIGAスクール構想は、子供たちの学習だけではなくて、校務の効率化も含めて導入しているところでございます。実際には、ここ数年で教員のほうもこういったいろいろなものを使って、例えば中学校で言うと、自動採点システムとか、そういったものを使って、今まで手でやっていたものを自動で採点してくれるようなものを入れて効率化を図ったりということや、あるいは特に大事なことが、子供の情報をしっかりと共有していくというところで、校内でのその情報の共有化のところで使っているところでございます。
これ以外にも、今現在、第2期に向けて、校務のDX化ということで、教育DXというところも進めているところなので、今後さらに効率よくこのICT機器を活用して校務が推進できるように環境を整えてまいります。
○鷲頭学務課長
私から、校務支援システムについて少々補足をいたします。
来年の夏にこの校務支援システム含めましてもろもろ教育系の様々なシステムの更新を行うところでございますけれども、このタイミングで校務支援システムのいわゆるクラウド化を行ってまいります。これによりまして、学校の教職員も、これまでであれば職員室の自席に戻って校務支援ソフトを使って校務環境の業務を行うというところでございましたけれども、それぞれの教室の中でこうしたことの活用になるということがございます。授業等の時間との兼ね合いというのがもちろんあるところではございますけれども、こういった観点からも教員の働き方改革に資するものと認識しております。
以上でございます。
○白須委員
御答弁ありがとうございました。
自動採点システムですとか、大事なところは子供の情報を共有化できるなど、様々変わりつつありまして、どんどん進化していくと思います。また、学校の教員・先生方は大変だと思いますので、効率的にぜひ使っていただいて、来年の夏に向けてさらなる効率アップをお願いしたいと思います。教育の現場が抱える多くの問題はあると思いますが、AIにはできないことは愛情を持って子供たちに接する教育だと思いますので、ぜひそれを考えながら実行していっていただきたいと考えます。
次に、幼稚園管理事業について伺いたいと思います。
幼稚園の維持管理及び適切な運営を行い、園児の教育環境の充実が図られていると思います。令和5年度においては全ての区立幼稚園で入園希望者を受け入れることができていて、希望すれば、お弁当の提供、預かり保育も実施という状況であると認識しております。また、先ほどは学務課の職員の方々が本当に頑張ってくださったということを伺いました。また、幼稚園の在り方検討会でもしっかりと様々議論を重ねているということを確認しております。また、幼稚園の現状としては、園児数が減少傾向にあると思いますが、それは選択肢が広がったことも一因だと私は考えております。
そこでまず、幼稚園と保育園の違い、幼稚園ならではのよいところ、先ほど幼稚園の教育の本質についても触れられましたが、幼稚園ならではのよいところをどのようにお考えか、お聞かせいただけたらと思います。
○鷲頭学務課長
まず、幼稚園と保育園の違いという部分で申し上げますと、先ほども前委員の際に少々申し上げたところではございますが、幼稚園については、基本的にいわゆる保育に欠けていない子を受け入れる施設でございます。そうした中におきましても、様々な御事情で一時的に子供を園で見ていてほしいといったような場合に対応できるように、こうした形での預かり保育を行っているところでございます。
また、幼児教育的な観点で申しますと、区立幼稚園におきましては、今般で申しますと9月の区民文教委員会でも御報告いたしました、幼稚園の非認知能力向上のための探究活動のさらなる推進としてのすくわくプログラム中央区版といった形で行ってまいります。これについては、渋谷教育学園が運営しております幼保連携型認定こども園とともに行っていくものでございますけれども、こうした成果につきましては、区立保育園等を含めまして全般的に共有する中で、波及効果等も含めまして、中央区における幼児教育全般の底上げを図ってまいり、中央区における円滑な小学校への接続につなげてまいりたいと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
○小林指導室長
区立幼稚園ですが、御存じのとおり、幼稚園教育要領に基づいて、遊びの中で様々学んでいくというところで、環境を重視してやっております。環境あるいは人との関わりというところで、様々地域の人との交流も含めて、異学年の小学生との交流も含めてやっているところです。こうした幼稚園の取組により、子供たちに興味・関心が湧いたり、あるいはそれに関わって遊びを通して様々なことを学んでいくという芽生えを今培っているところではあるんですけれども、これは実は保育所のほうにも保育指針というのがありまして、実は教育の要素も入っております。こうしたところがしっかりと、保幼小連携というのを今やっておりますけれども、こういった取組のよさをお互いが知って、それをそれぞれのところで取り入れていくということが今、中央区としてとても大事かなと思っておりますので、幼稚園のいいところもあり、保育園のいいところもあり、それをお互いに共有しながらやっていくということを今後も続けていきたいと考えております。
以上でございます。
○白須委員
御答弁ありがとうございました。
遊びの中で様々学んでいくということで、また、幼稚園は特に教育的要素が目立ったほうがいいと私は考えております。また、園児数を気にするのであれば、幼稚園、保育園それぞれ保護者が求めていることがそもそも違うと考えております。学務課の職員の方がしっかり頑張ってくださって、給食ですとか、預かり保育の延長などを考えてくださったので、大変恐縮でございますが、幼稚園らしさを求めている方が多いのではないかと考えております。園児数を気にしてこのようなことを在り方研究会で考えて、給食や預かり保育を延長したのでしょうか。
まず、私の考えとしては、幼い頃から子供を預ける時間がどんどん増えて、手作り弁当を食べる機会が減って、少し残念な気がしております。お弁当を作るのが私自身は負担に感じることが全くなかったわけではありませんが、自分自身が手作り弁当を食べたことも作ったこともよい思い出となっております。親の育児に対する価値観は様々で、二極化しつつあると思いますが、まずこの給食と延長保育という点は、園児数の減少の観点から変えたのかどうか、伺いたいと思います。
○平林教育長
今回の幼稚園教育に対する最初の我々の考え方は、中央区は公立幼稚園しかございませんので、それ以外は私立の保育園とか公立保育園はありますけれども、認定こども園とか、その中でも就学前教育の中心的役割は幼稚園が担うべきなんだろうと僕は考えております。したがいまして、幼稚園が衰退していくことは、結果的に言うと、中央区全体の教育に影響してくるのではないか。そのためには、幼稚園は選ばれるような条件が必要なんだろうと考えておりまして、先ほどの幼稚園と保育園の違いというのは、法的違いも含めていろいろありますけれども、結果的に言うと、ゼロ歳から預かっている保育園、それから3歳から預かっている幼稚園という中で、教育要素というのは先ほど指導室長が言ったように幼稚園にも保育園にもございます。保育園は、「保育」という中の「育」が教育の部分で、「保」というのは養護の部分を指すわけですので、養護と教育が成り立っているのが保育園で、幼稚園はその部分が一般的には、預かる施設というよりも、教育施設としての位置づけになっていると。
何が違うかというと、保育園は、生活スタイルに合わせて、そもそも園児が来る時間帯がばらばらなんです。ただ、幼稚園というのは登園時間と決まっていて、一斉に教育ができる。これが大きな違いかと思っています。
それと、幼稚園スペックで言えば、相当幼稚園のハード部分というのは法的に義務づけられているので、これはかなりいい環境が整っている。その中で今言われたような非認知能力といったものを育てながら、これをいかに保育園とか認定こども園にフィードバックしていくかというところ、これが中央区全体の底上げになっていくだろうと。
今我々が、お弁当ですとか延長保育をやることによって求めたい園児というのは、私立保育園ですとか、それからいわゆる認可外の保育園に行っている子供たち、これをできたら区立の幼稚園でもう一度見ていただけないかと、振り返っていただけないかと、そのためには何が必要かということを考えた上でこれを行っているということで、基本の教育の本質というのは充実させていくし、それは大切にしていくという考え方でいるわけでございます。
以上でございます。
○白須委員
御答弁ありがとうございました。幼稚園の衰退は全体的に影響を受ける。また選ばれる幼稚園を目指しているということで、また、区全体の底上げを図っていくことで、また幼稚園と保育園の違いも、ありがとうございました。
子育て支援には様々要望もいろいろあると思いますが、まず子育て支援を行政が行っていただいていること、また保護者や教育者の方に感謝の気持ちを持ちたいと思います。
また、気になっていますのは、幼稚園にもっと預けたい、もっと給食の提供をと当たり前のように当然の権利として要求していくことはおかしいと思います。様々な強い要望もあって大変かと思いますが、社会全体のバランスを考えた施策の実行をお願いして終わりたいと思います。ありがとうございました。
○海老原委員
第8款「教育費」の質疑も終了したと思われますので、次に、第9款「公債費」、第10款「諸支出金」及び第11款「予備費」について一括して質疑に入るようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長
ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。
これより第9款「公債費」、第10款「諸支出金」及び第11款「予備費」に入りますので、関係理事者の方は席の移動をお願いいたします。
それでは、第9款「公債費」、第10款「諸支出金」及び第11款「予備費」について、質問者の発言を願います。
○ほづみ委員
最後に、三款の部分について幾つかお伺いしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、第9款「公債費」に関して、金利の上昇局面による今後の特別区債の管理という点についてお伺いをいたします。
歳入の款において、近年の金利上昇によって基金の運用益が今後さらに見込まれるという喜ばしいお話があったところですが、この金利の上昇は、言うまでもなく、借入れという面では今後支払うべき利子が増えるという点で十分に注意を要する部分かと思います。過去の答弁において、借入れについては、公的資金、民間資金、銀行引受けといった手段を活用して実施されているということを伺っておりまして、その残高は最新の財政白書によれば432.7億円となっているかと思います。
この借入れの利率について、民間資金、銀行引受けの場合はもちろんのこと、公的資金においても、その借入れの利率は世間の相場の影響を受けるものと思います。また、この利率については、いわゆる住宅ローンのように、固定ですとか、変動ですとか、そういった設定があるようなものもあると把握をしております。これらを踏まえまして、これら既存の借入れというところについて、何らかのその金利上昇の影響を受けるのかという点、そして、少なくともその今後の借入れというところについては、この金利の上昇というところについても無関係ではないかと思いますけれども、これによる今後の影響という点について、現時点での見解があればお伺いしたいと思います。お願いします。
○野末財政課長
既に借入れを行っている、起債の金利への影響ということでございます。
ちょっと前段で御紹介いたしますと、今御紹介のありました公的資金、民間資金、それぞれ今の内訳といたしましては、大体公的資金を7割、民間資金を3割という形で借入れを行っているところでございます。今回、金利につきましては、一度借りますと、その借りた時点での利率が適用されますので、その点については、借入れを今も行っているものについては、今回の金利の上昇といった直接の影響はないものと認識しているところでございます。
今後の新たに起債を発行するといった場合の影響でございますけれども、確かに今、日銀のほうがマイナス金利を解除したというところで、金融市場につきましては金利が上昇傾向にあるというところはございます。ただ、今の公的資金の金利の状況を見ますと、例えば令和3年度に発行したものについては0.7%、令和4年度で1.2%、令和5年度に発行したもので大体1.3%から1.5%、上昇局面ではあるんですけれども、まだまだ利率のほうは1%台というところでまだ低い状況ではございますので、ここら辺の公的資金を借りるというのは、金利のほかにも、長期間、また多額の資金といったものを借りられるというメリットの部分がございます。
これまでも答弁しているとおり、起債を発行するというのが、財政負担の平準化と、一度施設を造りますと長く施設を使うということなので、現区民だけではなくて将来の区民にも公平に負担してもらうという観点の下、こちらの公的資金を中心に、起債のほう、お金を借りているという状況でございます。
以上でございます。
○ほづみ委員
ありがとうございます。借入れの割合のところについてもお示しいただきまして、ありがとうございます。
公的資金が7割で、民間が3割ということでした。また、借入れの金利の部分に関しては、既存のものに関しては適用されないということで、理解をいたしました。
今後についても、若干上昇しているということについてもお示しいただきましたけれども、それほどはあまり大きくはないと認識いただいているということでした。
あと、説明としましては、その財政の平準化ですとか、将来にわたっての公平な負担という点について以前にも答弁をいただいておりますけれども、そういった考え方があるということについては理解をしておるところです。様々なそういった状況も踏まえて、適正な財政運営ということについて、引き続きお願いできればと思っております。
次に、第10款、諸支出金の財政積立金、特にまちづくり支援基金積立金についてお伺いします。
昨日、都市整備費の款において、居住継続援助事業がまちづくり支援基金によって賄われているという点についてお伺いしました。こちらに関連して、まちづくり支援基金積立金の原資というところについて確認をさせてください。およそ1.5億円が今回積み立てられておりますけれども、この原資としましては、いわゆる再開発に係る開発協力金というところが担っているという話を先日いただきましたけれども、それが一応全てという認識でよいかという点について確認をさせてください。お願いします。
○野末財政課長
まちづくり支援基金の原資でございます。委員御紹介のありましたとおり、今回、令和5年度の積立額が1億5,600万円余となってございます。
その積立金の内訳でございますけれども、まずまちづくり支援事業協力金、こちらが一番大きい主要な原資でございます。この協力金の中でも、事業系、オフィス系の開発事業に伴う協力金の約8割をこのまちづくり支援基金に積立てを行っておりまして、また、住宅系の再開発事業の協力金につきましては5割を積み立てているところでございます。おおむねこの開発協力金だけで1億5,500万円余の積立てとなっておりまして、ほかにつきましては、基金利子、こちらが200万円弱、積立ての原資となっているところでございます。
以上でございます。
○ほづみ委員
ありがとうございます。開発協力金というところ、オフィス系と住宅系とありますけれども、そちらからこの約1.5億円が充当されているということで理解をいたしました。
懸念しておりましたのは、昨日も申し上げましたけれども、その再開発が減ることによってこの開発協力金が足りなくなって、目減りしていくような部分を一般財源で補塡するとか、そういったことが行われないかなということをちょっと懸念しておりました。
昨日の答弁において、担当部署としても、基金の収支については注視していくというようなお話があったかと思います。今後も適正な基金の運営が行われるよう、財政の観点からもぜひ確認いただくようお願いできればと思っております。
次に、先ほどお聞きした2つの点に関連して伺います。特別区債をどの程度償還していくのかとか、あと個々の基金をどの程度積み上げていくのかといった点については、安定的な財政運営のために、単年度のやりくりだけでなく、中長期的な視点も必要になってくることかと思っております。これらの財政運営という点については、基本的にもちろん担当部署の方が対応されているものかと思いますけれども、例えば外部の有識者のような方からの指導・助言といったものですとか、何かそういった外部の意見とかを取り入れた上でこういった運営されているのかという点についてお伺いできますでしょうか。お願いします。
○野末財政課長
基金の管理に外部の有識者を入れる考えはというお尋ねでございますけれども、基金の管理につきましては、毎年の収支や将来需要に備えるため、当初予算や補正予算の編成の中で、基金の積立て、取崩し額を庁内で決定しているところでございます。あくまで基金については、区の施策を展開するために、年度ごとの財政負担の平準化を図ることを主たる目的としているため、引き続き、企画部を中心に、予算編成の中において基金管理については対応していきたいと考えております。
確かに有識者という形の意見の取り入れ方もあるとは思うんですけれども、ふだんから決算統計といった普通会計で分析を行っていたりとか、あと健全化4指標といったところでの数値の確認とか、あと毎年発行しています財政白書の中でもいろいろ分析も行っております。そういう各種統計や指標、そういったもろもろの参考データも含めまして、引き続き庁内での検討も踏まえながら決めていきたいと思っておりますので、現時点で有識者の方を入れるという予定はございません。
以上でございます。
○ほづみ委員
ありがとうございます。
基本的に企画部の方を中心に内部の職員の方で対応いただいているということでした。既にお示しいただきましたけれども、財政白書等々の分析の資料については、拝見しておるところです。
一方で、冒頭に申し上げたような金利の上昇ですとか、様々な社会情勢の中で最適な財政運営を行うという観点からすると、先ほど申し上げたような外部からのアドバイスを受けるということについても有益なものかとは思っておりますので、こちらにつきましては、他の自治体の状況等についても調査した上で、改めて必要であれば提案してまいろうと思っております。
最後に、第11款、予備費の部分についてお伺いいたします。
予備費の役割につきまして、過去の議会の議事録においては、柔軟に速やかにスピード感を持って対応できるという点が挙げられていることを確認しております。今年度における内訳に関しては、決算における審査意見書の中で、区民費で2件、福祉保健費で3件、教育費で1件の合計6件、金額としては、予算が1.5億円に対して、およそ5,400万円が支出されたとあります。
この予備費について、もちろんその予算の使い方としては、あらかじめその款項目ごとに積み上げられた予算の中から支出することは基本でありつつ、様々な国際情勢の変化ですとか、物価、人件費の高騰など、様々な予期せぬ事態というのは生じ得るもので、その中で必要な行政サービスをいち早く区民の方々に対して届けていくという観点からすると、必要があればこの予備費をより活用していく余地というのもあるのではないかと思っております。この点についてお伺いします。この予備費の支出における庁内のプロセス、要するにどのような手続によってこの予備費というものが利用できるようになるかという点について確認をさせてください。
そして、この予備費の役割について、改めてお示しいただければと思います。お願いします。
○野末財政課長
予備費のプロセスとその役割でございます。
予備費につきましては、委員に御紹介いただきましたとおり、予算編成後の予見し難い経費が生じた場合に充用して対応する予算として、毎年1億5,000万円を計上しているところでございます。ただ、一時的に令和2年度は2億5,000万円という時期もありましたけれども、おおむね1億5,000万円という形で計上しております。
そのプロセスでございますけれども、予備費の執行をする際には、まず所管部から企画部に相談がございまして、その必要性とか緊急性などを確認の上、最終的には区長決裁で予備費の充用の決定を行っているところでございます。
そして、一例を申し上げますと、令和5年度の一例ですと、総合スポーツセンターの空調設備の改修工事ということで、今回、一番大きい金額、2,100万円ほどの予備費の充用を行っているんですけれども、事例といたしましては、総合スポーツセンターの空調、主要な空調が2台ございまして、そのうちの1台が不良になった、壊れてしまったというところ。それで、夏の8月の暑い時期ということもありまして、その壊れていない1台をフル活用しても設定温度には達しないという状況でございました。また、そのもう1台も壊れた場合には、総合スポーツセンター自体が休館に追い込まれるというリスクもございましたので、そういった緊急性があるということで予備費の充用をさせていただいております。
こちらの予算執行の役割、あくまで予備費につきましては、まず原則としては、その予算に不足を来したといった場合には、補正予算など、議会の議決を得るというのがまず基本だと考えております。その上で、比較的軽易な案件であったりとか、金額が少額である場合とか、あと区民サービスに支障が出るおそれがあるような場合、そういった対処をする場合に予備費を必要最小限度に執行していくと、そういう考えの下で今後も執行していく必要があると考えているところでございます。
以上でございます。
○ほづみ委員
ありがとうございます。用途について、予見し難い場合に対応するものというところ、あとプロセスについても、所管の部署から企画部のほうに相談があって、最終的に区長決裁でということで伺いました。また、総合スポーツセンターの改修経費の事例についてもお示しいただきました。ありがとうございます。こちらは休館のおそれもあったということで、まさに適切な判断であったのではないかと思っておるところです。
先ほど冒頭に申し上げたとおり、あとは先ほどの答弁でもいただいたとおり、その積み上げた予算について、計画的に使うという点が基本というのはもちろん、私としても理解しておるところでございます。
一方で、その手続の適切性というところを重視するあまり、必要なサービスが十分に提供できないということが起こり得るというところを懸念しての今回の質問でありました。ぜひ庁内においても、この予備費というものが存在していて使うことができるということのプロセスについても改めて周知していただいて、より柔軟かつ迅速な行政サービスが提供されるということについて、引き続き要望いたします。
私からは、以上です。ありがとうございます。
○海老原委員
一般会計歳出決算の質疑も終了したと思われますので、次に、国民健康保険事業会計歳入歳出決算、介護保険事業会計歳入歳出決算並びに後期高齢者医療会計歳入歳出決算について、一括して質疑に入るようお諮り願うとともに、本日はこの程度とし、明9日午前10時に委員会を開会されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長
ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。
明9日午前10時に委員会を開会いたしますので、御参集願います。
本日はこれをもって散会いたします。
(午後3時50分 散会)
お問い合わせ先:区議会議会局調査係
電話:03-3546-5559