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令和6年 決算特別委員会(第9日 10月9日)

1.開会日時

令和6年10月9日(水)

午前10時   開会

午後2時52分 散会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(16人)

委員長 竹内 幸美

副委員長 田中 広一

委員 原田 賢一

委員 塚田 秀伸

委員 海老原 崇智

委員 太田 太

委員 青木 かの

委員 高橋 まきこ

委員 ほづみ ゆうき

委員 山本 理恵

委員 小栗 智恵子

委員 梶谷 優香

委員 上田 かずき

委員 白須 夏

議長 瓜生 正高

副議長 礒野 忠

4.説明員

別紙理事者一覧のとおり

5.議会局職員

伊藤議会局長

長塚庶務係長

小倉議事係長

佐藤調査係長

後藤書記

鳴子書記

林書記

坂和書記

6.議題

  • 議案第88号 令和5年度中央区各会計歳入歳出決算の認定について

(午前10時 開会)

○竹内委員長
 おはようございます。ただいまより本日の委員会を開会いたします。よろしくお願いいたします。

 3特別会計歳入歳出決算について、理事者の説明を願います。

○山﨑会計管理者
 (説明)

○竹内委員長
 それでは、3特別会計歳入歳出決算について、質問者の発言を願います。

○小栗委員
 それでは、3特別会計について質問します。

 最初に、国民健康保険です。

 資料を頂いておりますが、資料326で保険料率の推移をいただいております。この決算年度も保険料率、所得割、均等割が上がり、全体として保険料は増えているわけですけれども、特に均等割については、2022年度から、国の制度として未就学児の保険料均等割が半額になりましたが、その均等割の減額の制度は対象が限定的だということもあり、多子世帯に保険料の負担が大変重いということが言えるのではないかと思います。それと、賦課限度額があるので、高額所得者は限度額以上は保険料がかかりませんが、中間層は保険料の負担が重いというのが実情だと思いますけれども、中央区として、保険料の実態についてどのように分析されているのかお伺いしたいと思います。

 次に、介護保険ですが、行政評価に、介護サービス事業所物価高騰緊急支援事業補助金を支給したということで、令和5年度の取組の成果として書かれています。物価高騰が続く中で大変重要な施策だというふうに思いますけれども、この施策の成果をどのように考えておられるのかということと、ここにも課題として書かれていますけれども、令和5年度で終了したが、物価の上昇は止まっておらず、事業所運営への影響は続いているということで、今年度はこれは行われていないということですが、物価上昇がずっと続いていることもありますので、支援が必要ではないかというふうに思います。この点の今後の取組として、どのようにお考えなのかお伺いしたいと思います。

 3つ目に、後期高齢者医療についてですけれども、後期高齢者医療は、2022年10月から窓口負担が2割負担になる対象の人が生まれています。収入は変わらないのに2割負担になったということで、驚いて御相談に見えた方もいるんですけれども、実態的には、中央区内でどのくらいの人が対象になっているのか、区民からの相談や声はどういう状況なのか、その辺の実情についてお伺いしたいというふうに思います。よろしくお願いします。

○井山保険年金課長
 私からは、国民健康保険と後期高齢者医療制度についてお答えいたします。

 まず、国民健康保険料です。

 委員御指摘のとおり、国民健康保険というのは所得割と均等割額を合わせたものが保険料となっております。均等割額というのは、一人一人同じ額がかかるものでございます。確かに、委員がおっしゃるように、お子さんが多い世帯、多子世帯の場合には、やはり3人いれば3人分、5人いれば5人分かかってしまうというところで、負担はやはり重くなっているのかなと感じるところです。令和4年度から、未就学児に関しましては、均等割額の半額という制度が国のほうで始まりました。区といたしましては、特別区長会の要望として、均等割額の軽減に関しまして、未就学児だけではなくて、もう少し範囲を広げることを要望はいたしております。引き続き、その要望は行ってまいりたいというふうに感じております。

 また、賦課限度額です。令和5年度においては、賦課限度額104万円というところで、令和6年度、今年度においては2万円上がりまして、106万円です。確かに、限度額があるということで、高所得者の方にとっては、それ以上かからないというところはあるので、中間所得層がちょっと負担増になるというところはあるかと思います。この限度額に関しましては、基本的には国のほうで決めるものではありますけれども、今後どういうふうにこれが推移していくのかというところは注視してまいりたいと思います。

 それから、後期高齢者制度についてでございます。

 2022年10月から、それまで1割、3割だったのが2割負担が増えたというところでありまして、本区の2割負担の詳細、実績でございます。まず、令和5年度に関して、令和5年度3月末の実績で申し上げますと、被保険者数1万4,209名、そのうち1割負担が8,268人で58.2%、2割負担者2,828人で19.9%、あと3割負担が3,113人で21.9%となっております。2割負担の方というのは、国でも大体20%というふうに推定をしておりまして、本区においても大体その数字なのかなというふうに考えております。

 2割負担になったことに対しての区民の方からの相談というのは、4年度に制度が変更になったときには、いろいろお問合せは多々ありました。現在のところは、2割負担になったことについては、毎年、負担割合が変わる場合は保険証をお送りはしているんですけれども、負担割合が変わったときに、何で変わったんだというお問合せはいただいておりますが、そのときには、その都度、その方の収入とか、いろいろ個々の状況になりますので、個別に丁寧に説明をしているところでございます。

 以上でございます。

○河内介護保険課長
 介護サービス事業所物価高騰緊急支援についてでございます。

 こちらの事業は、物価高騰等に直面する区内の高齢者施設であったり、介護サービス事業所の負担軽減等を図ることを目的として、令和4年度に引き続いて、令和5年度も国の臨時交付金を活用して1年間の物価高騰対策に対応して、食費、光熱水費等を支援するという事業でございます。

 事業の実績といたしましては、今回、介護サービス事業所の入所系、通所系、訪問系と、それぞれ分類しておりますが、入所系につきましては22事業所、通所につきましては27事業所、訪問については72事業所、計3,100万円余の支援金として支給したところでございます。

 成果といたしましては、やはり事業所の運営が厳しいというところは、物価高騰を見れば感じているところですが、その中にあっても、こういった支援があると助かるといった声もいただいておりますし、実際、我々も事業所の状況を逐次確認しておりますが、倒産というか、事業の廃止が増えてしまったりとか、そういった状況がないところを見ると、一定の成果があったものと感じております。

 この事業と今後の展望というところですけれども、やはりまだまだ物価が安定していないという認識はありまして、国も、例えば光熱水費の補助を一部また再開したり、それもまた今後継続するのか、そのままなくなってしまうのかとか、そういった状況であったり、円安の状況であったり、経済状況等もまだまだ不安定な部分があると思いますので、引き続き国・都の動向等も注視しながら、適時適切に対応して、区民の皆様に介護サービスが安定して提供できるように、こちらも対応してまいりたいと考えております。

 以上です。

○小栗委員
 介護サービスの件です。

 今年はやっていないですけれども、来年に向けて、国がどういうふうに考えていくかというのはあるかもしれませんが、区として、物価高騰の中で大変になってきている事業所への支援として、何か必要だ、やっていこうというお考えがあるのかどうかについて、もう一度確認をさせていただきたいと思います。

 今、介護報酬の改定で訪問介護の基本報酬の引下げなどもあって、経営が悪化している事業所も大変増えているということもあります。そういう中で、区としての支援をぜひ行っていくことが必要ではないかというふうに思いますけれども、御答弁をいただきたいと思います。

 介護報酬自体の改定とか、本当に事業所が安定してやっていけるように、そして介護の職場で働く人たちの待遇もよくなるようにということで、きちんとやるのは国の責任ですけれども、国の報酬が改定になると、上がれば、逆にそれがまた介護保険料に響いてくるということもあって、そういうものも必要ですが、区が直接補助金などで支援するということが、保険料には直接響かないので、そういう事業としても支援していくことが必要ではないかと思いますけれども、その点について御答弁をもう一度お願いしたいと思います。

○田部井高齢者施策推進室長
 まず、私からは、1点目の物価高騰等々に関わる支援、補助ということでございます。

 先ほど介護保険課長のほうからも答弁させていただきましたけれども、こうした社会状況、経済状況というものをしっかりと見定めながら、また、国ですとか、そうしたところの動向をしっかり踏まえ、押さえながら、区としてできること、そしてやるべきことを今後しっかり検討して、実施をするときは適切なタイミングを捉えながら実施をしていきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○河内介護保険課長
 事業者に対する支援でございます。

 我々としましては、もちろん経済的支援というところも1つ大きな支援だと考えておりますが、経済的支援だけではなくて、要は事業所の人材を育成するというのは、人材育成であったり、困難ケースであったり、そういったものについて、こちらも支援をしていくといったような支援であったり、いわゆる人材のところのサポートであったり、もちろん事務的な、今、介護報酬という形の話がありましたけれども、例えば制度が変わりますと、請求の仕方が変更になります。そういった形で、加算など、そういった請求の仕方であったり、どういった形であれば、質も担保しながら、また報酬等も加算で得ることができるかとか、そういった手続上のお話もございます。事業者からの御相談に支援をしていくといったような形も考えております。

 経済的支援でいえば、報酬改定というところで、国も処遇改善加算等々を行っております。都のほうも、新たに介護職員に対する新しい支援等も行っておりますので、そういったところと併せてバランスを見ながら、区としてもしっかり支援していきたいと思います。区としても、令和6年度から地域密着型の介護事業所等に対して、住宅を確保した際の補助金等も、今回、新しい事業として行っておりますので、そういった事業について他区の事例等も参考にしながら検討してまいりたいと考えております。

 以上です。

○小栗委員
 ぜひ、直接的な補助なども含めた支援、そして人材育成などへの支援も含めて、ぜひ強力に支援をお願いしたいというふうに思います。

 国民健康保険と後期高齢者の保険料、利用料の負担についてですけれども、やはり保険料が毎年毎年引き上げられる状況が続いています。都道府県化によって公的負担、法定外繰入れも順々に減らしていくという方向で、毎年、保険料の値上げが繰り返されております。そうした制度設計そのものをもっときちんと見直していかなくてはいけないのではないかというふうに私は思っております。

 滞納世帯についても、いつも資料を頂いていますけれども、資料323で、令和5年度、2023年度の滞納世帯数などが出ています。あわせて、資格証明書の発行件数、短期証発行状況も数字として出していただいています。今後、マイナ保険証への一体化の中で、これから短期保険証はもう発行しないことになるということが、条例の改正なども行われようとしておりますけれども、具体的には、今、短期証を発行されている636件の人たち、これは令和5年度ですが、その人たちの具体的な手続はどういう手順になるのかお示しをいただきたいというふうに思います。

○井山保険年金課長
 短期証の交付手順といったお話になります。

 御承知のとおり、12月2日からマイナ保険証を基本とした資格確認の仕組みが始まるということで、保険証が原則なくなるというところで、短期証、あと長期の滞納者に発行する、一旦10割払っていただく資格証も廃止になります。短期証というのは期間の短い保険証ですけれども、これがなくなることによって、今後どういうふうに短期証に代わる仕組みになるかというところですが、国のほうから、つい最近、具体的な滞納者に対する取組というものの通知が来ました。運用のほうはこれからになりますが、それを基に、本区でどう運用していくのかというところは、今後検討してまいりたいと思います。

 いずれにしましても、短期証というのは、期間を短くすることによって被保険者との接触を図って納付を促すことが目的ですので、引き続き、そのあたりはこちらのほうも個別に相談等を行いながら、寄り添った対応をしてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○小栗委員
 それでは、取りあえず、今、短期証を持っている人は、その短期証の期限まではそのまま使えると。その後のことは、また追って通知みたいなことなのかという点の確認をさせていただけたらと思います。

 短期証がなくなったら、一旦窓口で10割払って後でもらう形になると思います。大変負担が重くなるということもあるので、この点でもう一度、手順について確認をお願いしたいと思います。

○井山保険年金課長
 短期証、あと資格証にする方に短期証等を送るときというのは、普通の保険証が2年に1回更新となっておりまして、その更新の際に期間を設けて、事前に通知を送って相談の機会を設け、それでも納付がない場合に対して、短期証であったり、資格証を送っているといったところが現在の運用でございます。来年度、保険証が切れたときに、切れる前にその取組を行う必要があるかと思いますが、そのあたりの細かい運用は今後検討してまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。

○小栗委員
 国民健康保険も介護保険も後期高齢者も、大本は国の制度なので、国の制度がどんどんよくなればいいんですけれども、どんどん悪くなっている中で、現場の、実際に運営する区としても、いろいろな苦労があるというふうに思います。区民の被保険者の負担が増えて、窓口負担が増えて医療にかかれなくなる、介護が受けられなくなるという事態を防いでいくように、ぜひこれからも御努力をお願いしたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

○海老原委員
 3特別会計歳入歳出決算の質疑も終了したと思われますので、次に、総括質疑に入るようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○竹内委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹内委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 これより総括質疑に入りますので、関係理事者の方は席の移動をお願いいたします。

 それでは、総括質疑について、質問者の発言を願います。

○原田委員
 総括となりました。よろしくお願いをいたします。

 私からは、今回の総括は大きく2つの構成に分けて質疑を進めさせていただきます。まず、第1部としましては、もちろん令和5年度の決算についてのお尋ねです。そして、第2部では、決算質疑から見えてくる本区の今後の展望、近未来への展望についてのお尋ねをしてまいります。

 昨年の一般質問で私は、1923年、あの関東大震災から100年を迎えての未曽有の惨状からの復興への道と、その大変な困難の中から新たな時代へ向かっての新たな東京をつくり上げた先人の皆さんの御苦労の中から幾つか質問をさせていただきました。今年、この場における決算総括質問の論点といたしましては、新たな時代を迎えた中央区はということであります。

 基本構想が掲げる本区の輝く未来へ橋をかけるべく、変化、変革、変容、改革、革新などなどを踏まえた令和5年度の予算のテーマであります「新たなステージへ!」は、すなわち新たな時代に入った新たな時代へ向かうための予算であり、新たな変化を踏まえての予算でありました。では、この「新たなステージへ!」の第一歩のこの1年はどのような歩みであったのだろうか。新たな舞台に立った新たな中央区のこの1年の姿はどのようなものであったのかをお聞きしてまいります。

 それでは、質問に当たり、区長の令和5年第一回定例会における所信表明を振り返りたいと思います。区長は、所信表明の中で次のような話をされました。

 まず、令和5年1月、中央区の人口が17万4,074人に達し、70年ぶりに過去最多を更新したこと、また、国の出生数が減少を続ける中、本区は2,000人規模で推移する出生数を維持し、合計特殊出生率は5年連続で23区トップとなっていることを述べられた。さらに、新型コロナとの3年を超える闘いも収束が見えて、銀座や築地、日本橋などなどには国内外から来街者の訪れも増えるとともに、にぎわいを取り戻しつつあること、しかし、一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の問題を引いて、多くの貴い命が犠牲になっている戦争の現実とともに、平和の重要性について触れられました。残念ながら、今もってこの問題の終息が見えないのは皆さんも御存じのとおり、さらにガザ地区での紛争が新たに加わって、誠に憂える状況がそれぞれの地で継続しています。

 また、区長は、平和とともに、世界規模で環境問題の深刻さについても目を向けて、気候変動による世界各地での被害に触れながら、ゼロカーボンシティ中央区宣言の下に、脱炭素社会の実現について、区民、事業者が一丸となって取り組む重要性についても言及しています。

 こうした背景を踏まえながら、デジタル化の進展や働き方に対する意識の変化、区民一人一人の生活にも社会変革の大きなうねりが押し寄せていることや、築地市場跡地をはじめとした都市基盤整備がそれぞれに具体的な段階に進んで、将来のまちの輪郭が見え始めていると述べています。こうした中で、基本計画2023の策定に取り組んで、今後10年間の区の基本的な方向を示された。

 基本計画では、基本構想で掲げる将来像である「輝く未来へ橋をかける ―― 人が集まる粋なまち」の実現に向けた取組として、計画全体を先導する政策横断的な取組として、ゼロカーボン、水とみどり、コミュニティ、経済・文化の4つの分野をリーディングプロジェクトと位置づけて、これを名づけてセントラルパーク構想としています。そして、各施策の実現のため、基本計画の初年度、令和5年度の予算のテーマは「新たなステージへ!」として、前年度予算を上回る過去最大の予算編成を行って、3つの施策の道筋に沿って予算の概要について説明をされました。

 以上、所信表明の内容について、簡略ではありますが、振り返りながら、るる述べさせていただきました。それでは、これらを目指した本区の取組についての現況、新たなステージへの第一歩となる1年目の令和5年度の取組はどうであったのか、区長が挙げた3つの道筋に沿って予算の概要で示された内容を踏まえて、幾つかお尋ねしてまいりたいと思います。お尋ねする内容は、これまで各款の質疑の中でも既に御答弁いただいているものもあるかもしれませんが、私の意図としましては、細かな数字、実績を問うものではないので、現状の考え方、そして今後の方向性などなど、大きな流れについてお答えいただければ結構です。

 予算の全体像として説明されているのは、感染症や物価高騰のほか、子育て環境などの喫緊の課題への対応、近づく20万都市への土台となる中長期的な課題への対応に重点を置いているとのことでありました。新規28事業、充実21事業を含む一般会計予算は、先ほどお伝えしたとおり、前年度を上回って当初予算として過去最大の計上額となっているとのことでした。

 それで、質問に入ります。

 初めに、一人一人の生き方が大切にされた安心できるまちを目指してについてから、幾つかお尋ねします。

 まず、子育て支援策からです。

 子供たちの放課後対策等など充実についてですが、民間学童クラブの誘致の拡大とプレディと学童クラブの一体的運用が挙げられておりました。このことについて、令和5年度の取組とその成果への所感、そしてまた今後の課題や方向性などがあれば、お聞かせを願います。大きな流れで結構です。よろしくお願いします。

○黒田放課後対策課長
 民間学童クラブの誘致につきましては、令和5年4月に月島三丁目に定員40名の学童クラブが開設されました。これによりまして、月島地域の定員数増を図ることができたとともに、民間のノウハウを活用した質の高いサービスが比較的低廉な価格で利用できるなど、児童の放課後の居場所としての選択肢となったと考えております。さらに、晴海地区での需要増に対応するために、同地区での民間学童クラブの誘致を行いました。晴海地区になかなか物件がない中で、晴海四丁目に定員88名の民間学童クラブを誘致し、本年4月から運営が開始されているところでございます。

 次に、プレディと学童の一体的運用につきましては、令和5年6月の福祉保健委員会において整備スケジュールなど、方向性をお示しさせていただいたところでございます。その後、教育委員会や運営事業者と調整を重ねまして、令和6年4月から区内4校において学校内学童クラブを開設し、プレディプラス事業を実施しているところでございます。こうした取組によりまして、学童クラブの利用可能人数を、令和5年度の795名から478名増の1,233名とすることができまして、申請者数が約300名増えている状況でも、待機児童数としましては31名減らすことができたところでございます。また、プレディプラスの実施に合わせまして、保護者の利便性向上を図るために、ICTを活用した保護者の連絡ツールの導入ですとか、長期休業中における配食弁当の実施に向けた準備も行ってまいりました。

 放課後対策の今後の課題と今後の方向性につきましては、プレディプラスを確実に実施していくために、児童の活動場所の拡充を図っていきたいというふうに考えております。また、児童館、プレディとの交流など、連携を強化していくことで、子供たちがより楽しいと思える放課後の居場所づくりを行っていく、そういったところが重要であると考えております。また、現在プレディを実施していない小学校4校につきましても、当該学区域内に居住する児童の居場所の確保というものが重要であると考えております。これらの学校については、一部の学校で活動場所の確保が可能である見通しが出てきたところから、実施可能な学校については、早ければ令和8年度からプレディを実施できるよう、現在、教育委員会と調整を行っているところでございます。

 以上でございます。

○原田委員
 御丁寧にありがとうございます。

 子育て環境の変化に伴って、子供たちの家庭以外での居場所の整備は、今後、いや応なく、さらなる充実が求められていくものと思います。どうぞ引き続いて、今、御答弁いただいた方向性で取組をお願いいたします。

 次に、子育て世帯への経済的支援です。

 区立小・中学校の給食費無償化の実施について挙げられています。これらは、もはや23区で当たり前のような状況となりました。今回の無償化についての成果と課題をどのように考えておられるか、また、今後もこれを継続していく予定なのか、そこのところをお聞きしたいので、お願いします。

○鷲頭学務課長
 学校給食についての御質問でございます。

 こちらにつきましては、まず大前提といたしまして、受益者負担が原則であるという考え方に基づくものではございますけれども、先般からの物価高騰の中で、学校設置者として、迅速に子育て世帯の経済的負担を軽減するための方策として、私ども教育委員会として実施に動いたものでございます。こうした物価高騰下におきましても、公費負担としたことによりまして、様々な食材価格の高騰などに対しましても柔軟な対応が可能となっておりますので、こうしたことによって一定の質を保ちながら学校給食の提供を行えているところでございます。

 なお、このあたりは成果という面でございますけれども、一方で、課題の部分ということで申しますと、中央区、また23区を少し超えた形のお話になろうかとは思いますが、本来であれば、他自治体を含めまして、対応にばらつきがあるというのは望ましい状況ではないのかなと考えているところでございます。こうした点については、既に特別区の教育長会におきましても、文部科学大臣をはじめ、様々な要請、要望等を既に行っているところではございますけれども、今後も機会を捉えまして、こうした働きかけは続けてまいりたいと考えているところでございます。

 また、給食費の無償化の継続の観点で申しますと、今年度から東京都も給食費の無償化に要する経費の2分の1を補助し始めるという形で施策を打ってきているところでございます。教育委員会といたしましては、こうした支援を有効に活用し、今後も給食費の無償化を継続してまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○原田委員
 ありがとうございます。

 この問題については、子供たちの育ちや学びの問題でありますので、お話しされたように、本来なら国において一律に整備が図られていくよう対応が求められるべきものと思っておりますが、今お話しされたように、どうぞ引き続いて国、また東京都などの動向も踏まえて、取組をよろしくお願いするところであります。お願いします。

 次に、快適で安全な生活を送るための都市環境が整備されたまちを目指してについてお尋ねをします。

 ここでは、世界的かつ喫緊の課題として、環境負荷低減の重要性について述べられています。そこで、お尋ねでありますが、若い世代が脱炭素に向けて自ら考え、実践、発信していく新たな取組として、Team Carbon Zeroの運営が開始されております。では、この活動について、改めて現況と今後の展望についてよろしくお聞かせを願いたいと思います。お願いします。

○鎌田環境課長
 Team Carbon Zeroの活動についてでありますけれども、こちらの目的としまして、区民、また事業者の行動変容を促して機運醸成を図るというところで、10代から20代のメンバー19名をもって結成しまして、活動をスタートさせたところでございます。

 昨年度、スタート初年度につきましては、まずは地球温暖化ですとか、脱炭素化が何かといったことについて学ぶ、インプットをするというところに重点を置きまして、取組を進めてきたところでございます。その結果を受けて、今年度につきましては、実際、学んだことを実践活動としまして、中学校のほうに赴いて、間伐材を活用したしおりの製作ですとか、また、区内の企業でミートフリーの食材を提供する、こういった取組を通じまして、脱炭素の普及啓発を図ってきたところでございます。また、この夏には、脱炭素の協定を締結しました福島県大熊町にも、環境学習ということで、メンバーが赴いて実施をしてまいりました。これからも引き続きメンバーの自主的な活動の取組を続けながら、最終的には、年度末に区長報告会で2年間の取組を総括する予定となってございます。

 これらの取組以外にも、SNSを通じた情報発信ですとか、また江戸バスへの広告の掲出等によりまして、多くの皆様にゼロカーボンの働きかけを行ってきたところでございます。機運醸成の取組については、一時的なものでなく、やはり継続的に行っていくといったところで効果が出るものと考えておりますので、行政だけでなく、こういったチームメンバーのような若い世代の皆さんからの発信の効果にも期待しながら取り組んでいく必要があると考えてございます。今後につきましても、こういった取組を継続していくほかに、1期メンバーが培った経験ですとか力を生かしまして、将来大きな成果となって現れてくることを期待して、引き続きゼロカーボンの機運醸成に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○原田委員
 ありがとうございます。

 環境問題は、今後おざなりにできない問題だと私も考えておりますし、もちろん、若い人の意識ばかりでなく、私たち大人も責任を持って地球環境を次の世代に引き継いでいかねばならないものと思っておりますから、どうぞ引き続きよろしくお願いをいたします。ありがとうございます。

 では次に、都市基盤づくりについてお尋ねします。

 所信表明では、築地から東銀座にわたる地域における都心・臨海地下鉄新線や高速晴海線の整備とともに、築地市場跡地の開発に触れられております。築地市場跡地の開発事業予定者の決定が令和6年度にずれ込みましたけれども、令和5年度からのこれらの取組の状況、そして現状、そして今後についても改めて教えていただきたいと思います。お願いします。

○溝口都市活性プロジェクト推進室長
 築地開発についてでございます。

 区では、昨年度、開発について取り組んでいくべき事項につきまして、地元の方から御意見もいただきながら、区の考えをまとめたところです。あわせまして、都知事宛てに都市基盤整備についての要望も出させていただきました。そして、今年度に入りまして、今、委員からも御案内いただきましたとおり、4月19日には事業予定者として三井不動産を代表企業とする事業グループが決定いたしまして、4月26日には区長、議長連名で事業予定者宛てに要望書を提出したところでございます。また、速やかに銀座地区・築地地区合同まちづくり協議会、また勝どき・豊海地区及び晴海地区合同まちづくり協議会をそれぞれ開催いたしまして、事業予定者から地元に対して事業概要の説明をしたところでございます。

 ただ、事業予定者は決定いたしましたが、残念ながら、具体的な計画内容ですとか、スケジュールが示されていない状況にございます。また、跡地の中には建築制限区域が設けられておりまして、こちらは区有施設の再編にも影響を及ぼすという状況でございます。

 区としましては、今後も適宜必要に応じて、東京都や事業予定者にも参加いただきながら、まちづくり協議会で地元にもきちんと説明をし、また、要望書につきましては、都市計画決定の手続に入る前までに具体的な内容を事業予定者と詰めて合意を図ってまいりたいと考えております。また、東京都に対しましても、建築制限区域のかかる高速晴海線の線形等、早急に示していただくよう、また引き続き要請をしてまいります。

 築地の開発は、区にとっても非常に大きなプロジェクトでございます。築地、東銀座、銀座と連続性を持たせたまちづくりとなるよう、東京都、また事業予定者と協議・調整を図ります。また、築地の開発と場外が共存共栄し、築地の工事は長い期間がかかりますけれども、その間も築地の活気とにぎわいを継承して、さらなる発展を遂げるよう、地元とともに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○原田委員
 お答えありがとうございます。

 この問題は、これから本格的な、具体的な築地のまちづくりについて、その周辺と関わりも含めて進捗していくことと思います。どうか、今お話にもありましたとおり、地元の意向を尊重しながら、場外市場とその調和、そして活気とにぎわいの継承に向けて、引き続きよろしくお願いをするところです。お願いをいたします。

 次に、都市環境の整備という面から、急増している外国人観光客の対策と、それに続く災害に強いまちづくりについてのお尋ねです。

 コロナ禍の収束を受けて、多くの外来者が銀座、築地など本区を訪れるようになって、まちににぎわいが戻りつつあることは大変に喜ばしいことと思っております。しかし、その一方で、日本は地震など災害の多い国でありまして、外国人来街者の中には、異国の地で慣れない災害に直面し、パニックになる方もいるかもしれません。しかも、その場には区の職員がいるわけではない。そうした状況において、外国人来訪者の安全を確保して、帰国までの間、安心して過ごしていただくことが必要であると考えますが、これについての区の考えを伺いたいと思います。

 なお、あわせて、来街者が増加するに伴って、観光に伴う清掃、それから廃棄物、ごみ等が増加します。関係する各事業者が管理、処理を行っているんですが、その負担が次第に大きくなっていると聞いております。そこで、区として、こうした事業者の負担軽減についてのお考えを併せてお聞かせ願います。よろしくお願いします。

○春貴防災危機管理室長
 私からは、地震時の外国人来街者の安全確保についてお答えいたします。

 委員から御指摘のあったとおり、大地震が発生した場合に、外国人観光客の中には、言葉の問題に加えて、地震を初めて経験する方もおり、どのような行動を取ればよいか分からないことが想定されます。こうしたことから、発災直後から混乱を生じさせずに安全等を確保していくためには、鉄道や民間事業者によって外国人観光客の保護、適切な情報提供、避難誘導などが円滑に行われることが重要であります。また、これに加えて、民間事業者と連携した対応をしていくことが不可欠であります。

 この考えを踏まえて、今後の外国人観光客を含めた来街者の安全確保につきましては、現在進めております、少なくとも3日間安全にとどまれる場所の確保と円滑な運営について引き続き取り組むとともに、加えて、地域全体で取り組む方策を検討していくことが必要だと考えております。具体的には、委員が例示として挙げられた銀座や築地といった外国人観光客が多数訪れる地域において、外国人観光客の保護、避難誘導、また適切な避難行動を促すための情報発信など、地域全体で取り組むための方策を地域団体等と協議をしながら検討していくことが必要だと考えております。こうした取組を進めることで、本区を訪れる方の災害時の安全確保をさらに充実させていきたいと考えているところでございます。

 私からは以上でございます。

○三留環境土木部長
 私からは、来街者の増加に伴う清掃や廃棄物の増加についてお答えをさせていただきます。

 外国人観光客によるごみのポイ捨てやごみ量の増加につきましては、銀座や築地といった地域で、その対応を求める声も多くなってきているところでございます。また、来街者の増加に伴う諸課題は、ごみ問題に限らず、様々な問題も抱えているところであり、それらの対策が必要な状況にあるとも認識をしているところでございます。

 環境土木部といたしましては、ごみ問題を含む、まちの環境美化や道路の不適正利用などにつきましても、早急にその対応を検討してまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○原田委員
 お答えありがとうございます。

 本当に、皆さん御存じのとおり、銀座などへ行っても、ほとんど外国人の来訪者じゃないですか。土地の人というか、知り合いというか、見知ったような顔は誰一人見ないですからね。これから、そういう面では、今質問させていただきましたけれども、大変な対策が必要になってくると思います。災害時における外国人の来街者の安全確保の対策をよろしくお願いするとともに、廃棄物の処理についても、お話しいただいたようにどうぞよろしく御対応のほど、お願いをいたします。

 続けて、改めて聞くんですけれども、災害に強いまちづくりについてであります。

 令和5年、去年は関東大震災から100年の年であり、本区においては、様々な強化と準備が図られたものと考えております。令和5年度におけるその成果と課題、そして、それらを踏まえた今後の方針について、ひとつお聞かせを願いたいと思います。よろしく。

○春貴防災危機管理室長
 令和5年度の防災対策の成果と課題等についてでございます。

 御質問のございました令和5年度の成果と課題といえば、何といっても1月1日に発生しました能登半島地震であると考えてございます。この地震は、厳寒の中での発災、交通路の遮断、長引くライフラインの停止によって、厳しい避難生活、またトイレ等の衛生環境の保持など、教訓を得たところでございます。

 本区においては、発災直後から全庁を挙げて本区防災対策の点検・検証を行い、また、防災拠点運営委員会の場において防災拠点の強化策などの意見聴取を行ったところでございます。こうした取組の結果として、今年度の当初予算、6月、9月の補正予算に計上いたしました防災対策の強化策に結びつけたことは、一定の成果であると認識しているところでございます。

 本区の防災対策につきましては、防災拠点を中心とした地域防災力の向上、本区の特性でございますマンション防災対策、事業所防災対策といった大きな柱がございます。こうした防災対策を推進するためには、区民や事業所の方々の協力を得られる環境づくりや、防災対策について地域ぐるみで一体となって取り組める体制づくりが重要であると考えてございます。今後も人と人とのつながりを大切にして、地域の方々の理解と協力を得ながら、防災対策の一層の強化を図ってまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○原田委員
 ありがとうございます。

 今、お話にありましたとおり、本年1月の能登半島地震による被害からの復興、そしてまた近々の豪雨による被害、それからのまた復興、これは今もって先の見えない状況があります。本区の防災対策では、令和6年度当初の予算はもちろん、能登震災の被害の実績を踏まえて、補正予算においても、今お話がありましたように、さらなる充実が図られているところです。どうぞ、引き続いて本区の現状に即した取組をお願いするところです。

 それでは、3点目に入ります。輝く個性とにぎわいが躍動を生み出すまちを目指してについてであります。

 こちらでは、徐々ににぎわいが戻る中、それを支援するための取組について述べられています。そこで、お尋ねですが、コロナ禍も明けて、先ほどお話ししたとおり、本格的に観光客の皆さんが戻ってきています。そこで、地域資源を国内外に戦略的・効果的に発信するシティプロモーションの展開について、令和5年度での取組の現状、そして今後の方針についてもお答えをいただければと思います。

 なお、続けて質問ですけれども、町会・自治会などが実施する地域イベントなど、これもコロナ禍が明けてからの活性化の状況について、また現状と今後の展望についてもお答えをいただければと願います。あわせて、お願いします。

○登り副参事(計画・特命担当)
 私からは、シティプロモーションの展開についてお答えをいたします。

 令和5年度の取組でございますが、30代以下の区民、在勤・在学者をターゲットとしたインスタグラムでの発信の強化における取組をいたしまして、ハッシュタグキャンペーンを開始したほか、区内在住・在勤の方へのインターネット調査、外国人へのヒアリング調査、そのほか、観光協会制作の観光プロモーション動画を活用したユーチューブ広告の実施などに取り組んでございます。また、シティプロモーションの方向性の取りまとめを行いまして、区の歴史アーカイブ・発信、地域・まちの魅力発掘・発信、全職員の広報力向上の3つの方向性に沿って、令和8年度の区制施行80周年に向けて段階的に取組を進めていくことといたしてございます。

 令和6年度、今年度の状況でございますが、インスタグラムでのハッシュタグキャンペーン、区民カレッジの講座などの取組のほかに、外部講師を招いての職員研修、副業人材を活用した目指すべき情報発信の在り方やマニュアルの作成など、職員の広報力の向上に向けた取組を進めてございます。

 今後の方向性についてでございますが、現在、今後のシティプロモーションの展開の基本的な考え方や内容について検討を進めているところでございます。近年の人口増加に伴う新たな区民の増加、3年間にわたるコロナ禍の影響などを踏まえまして、区制施行80周年という節目の年に向けて、区の歴史やルーツ、現在の区の魅力を発信していくことによりまして、区民、在勤・在学者の皆様の地域への誇り・愛着心の醸成、そういったことに資するような取組を進めてまいりたいと考えてございます。具体的な取組につきましては、今後お示しできるよう引き続き検討してまいりたいと考えてございます。

 私からは以上となります。

○濱田区民部長
 地域の活性化の状況でございます。

 思い起こしますと、本当にコロナ禍におきましては、様々な地域活動が全て停滞をいたしまして、ストップしていたということで、それが明けて今があるわけでございますけれども、令和4年度に大江戸まつり盆おどり大会を久しぶりに再開したときに、大勢の参加者の笑顔等を見て、やはり皆さんは飢えていたなという思いもありますけれども、直接的な交流というものが大切だなと改めて認識したところでございます。それが起爆剤というか、きっかけとなりまして、地域のお祭りとか盆踊りが徐々に復活してまいりまして、現状では、ほぼコロナ禍前の状況に戻っている状況でございます。

 コミュニティの醸成をしていく上で、やはりこうした交流を今後ともしっかりとやっていかなければいけないということで、こうした取組、さらに本区のにぎわいと活気につながりますよう、今後ともしっかり取り組んでいきたいと思っております。

 以上でございます。

○原田委員
 それぞれありがとうございました。

 江戸開府以来の歴史と伝統が息づく本区の風土をどうか改めて区民が実感して、今お話がありましたとおり愛着が持てるような取組を、コミュニティの振興策と併せて、長く継続して進めていただきたいと思います。

 ここまで令和5年度における成果と今後という視点で、福祉、教育、まちづくり、環境、そしてコミュニティ振興の分野について具体的施策からお伺いをいたしました。

 ここで、前半の最後のお尋ねであります。にぎわいを取り戻しつつある本区でありますが、令和6年4月にようやく晴海もまちびらきとなりました。人口増加もさらに加速していくものと推察しますが、人口増加による増大する行政需要に対応しながらも、健全財政を確保するために、どのような工夫をもって進めていく予定であるのか、前半の最後になります。これをお聞かせ願います。よろしく。

○野末財政課長
 健全財政の確保についてでございます。

 今後、20万都市に向かうに当たり、一層拡大、多様化する行政需要に対応していくためには、その基盤となる健全な財政運営は必要不可欠でございます。健全な財政運営を行っていく上で大事なのは、主に3点であると考えているところでございます。

 まず、1点目につきましては、歳入の確保でございます。これまでもコンビニ収納やモバイルレジ、キャッシュレス決済など、納付しやすい環境の整備を行うとともに、道路占用料、公園使用料の改定などを通じて歳入の確保を図ってまいりました。引き続き、応能負担、応益負担の観点から、自主財源、一般財源を中心に、歳入の確保を図っていくことが重要であると考えているところでございます。

 2点目は、効果的・効率的な行政運営により歳出の純増を抑えることでございます。こちらにつきましては、拡大、多様化する行政需要に応えるため、組織の役割や機能を点検するとともに、BPRの推進やデジタル技術の活用により行政運営の効率化に取り組む必要がございます。また、限られた人員や財源の中で、より質の高い行政サービスを提供するため、様々な形で民間資源の活用を図ることも重要であるというふうに考えております。事業の執行に当たりましては、行政評価を通じた改善の取組、行政コストの純増を抑えていく歳出面の取組も大切であるというふうに考えております。

 最後の3点目でございますけれども、基本計画2023に掲げます各種施策の展開を図ることでございます。本区に住みたい、あるいは住み続けたいと思っていただく各種施策を展開することで、基幹税である区民税の増など、安定的な財源の確保につながります。また、事業者の方が経済活動を活発に行いやすいまちづくりや施策の展開をすることで、都税とはなりますけれども、都区財調のパイを増やすことで本区の交付金の増にもつながるものと考えているところでございます。

 これらの3点の取組を毎年毎年積み重ねながら収支改善を図り、そこから生まれた剰余金を新規・充実事業の財源に充てたり、災害や施設整備などの将来需要の備えとして基金に積み立てるほか、起債を活用して財政負担の平準化、負担の公平性も図っていきたいというふうに考えております。こうした考えの下、引き続き人口増や社会経済状況の変化にも耐え得る健全で持続可能な財政運営に努めていきたい、そのように考えているところでございます。

 以上でございます。

○原田委員
 ありがとうございます。安心しました。まだまだ本区は大きく成長、変化をしていきますので、そのための健全財政を担保しつつ、行政運営に臨まれることを期待しております。

 それでは、前半を終わりまして、ここから第2部として、若干視点を変えて、今後の中央区の姿について私なりに感じるところを踏まえながら質問をさせていただきたいと思います。

 改めて、令和5年度の予算のテーマは「新たなステージへ!」でありました。前半では、その一歩目となる令和5年度の具体的な取組について、また考え方などについてお尋ねしました。後半は、またかと思われますが、一つの小説を手がかりに、今後の本区の展望について伺ってまいりたいと思います。

 今年の夏、今夏、大変猛暑ですごかったです。私のような年寄りの身には大変こたえました。でも、暑さも少し収まった夕暮れどきになりますと、そわそわ動き出しまして、いつもの1杯のお酒を飲む支度、酒のさかなを見繕ったりしまして、少々、毎夕お酒を楽しみました。夏のお酒といいますと、かの詩人、歌人、若山牧水の歌に、「かんがへて飲みはじめたる一合の二合の酒の夏のゆふぐれ」と一首あります。私も御多分に漏れず、この夏、晩夏の夕暮れには1合の晩酌、風鈴の音とともに、好みの切り子、おちょこ、杯で一人静かに飲みながら久しぶりに読み返した、ある長編小説がありました。それは国民的作家とも言われる司馬遼太郎氏の代表作の一つであります「坂の上の雲」であります。いやいや、久しぶりに、何十年ぶりでしょうか、読み返しました。

 この長編小説は、1968年、昭和43年から昭和47年までの5年の歳月をかけて新聞に連載された物語です。この小説は、10年以上前になりますが、2009年から2011年までの足かけ3年にわたって、スペシャルドラマとしてテレビで放映もされました。この小説は、世界史の中でも帝国主義が吹き荒れていた時代を背景とした日本の近代史の幕開けである明治という時代の一幕を描いた物語で、日本そのものの青春像、日本という国の成り立ちにおける日本の青春時代を描いたものです。四国は松山のそれぞれの道に一直線に邁進した明治の青年、若者3名の生涯を語り伝えたもので、私たち日本人の世代を問わずに、各世代にわたって読み継がれている物語であります。

 5年前、元号が令和を迎えて、本区、中央区の新しいキャプテンに山本新区長を迎えて、本区にも新しい時代の幕が開きました。その後、4年にわたるコロナ禍で、今夏、デジタル化の波が一気に押し寄せて、私たちの生活様式は大きく変わりました。このお話をするに当たって、現下の押し寄せる新しい時代の幕開け、オープニングという意味では、いささか古き時代であろう、また唐突な話でと思われるかもしれませんが、ぐっと時代は下りまして、あの明治という日本の近代史の幕開けをつくった、その一幕を舞台にしたこの小説、「坂の上の雲」という物語を読み返したとき、一つの大きなターニングポイントにあるのではないかと思われる本区の新しい舞台の、すなわち令和5年度予算のテーマである「新たなステージへ!」の第1幕が何かこの小説の舞台にも似ているかのような印象を受けたのであります。今の本区を取り巻く時代の流れが、うねりというものが何か重なるような思いがしたんです。この小説の時代背景にある我が国日本が江戸から幕末、維新を経て近代国家への第一歩を踏み出した明治という時代の選択と決断、そして、それに向かっていくエネルギーを現代の日本のデジタル社会への一歩へ続く本区、中央区のデジタル化への一歩をどうオーバーラップさせて、これからの本区、中央区を開いていくのか、これを探りたくて読み返しました。

 そして、今、日本の歴史の大きな激動期であった明治維新より150年余りの歳月が流れました。過日、当委員会でも昭和はもう古いよというお話がありましたが、今日のお話は150年も前のものですので、御容赦のほど、お願いします。

 この小説「坂の上の雲」を映像化したものが、先ほどお話ししたようにスペシャルドラマとしてテレビで3年にわたって放送されまして、当時、私も見ておりました。ところが、本年、先月の9月ですかね、気がつきました。15年ぶりにこのドラマが再放送されているんです。日曜日の夜中です。どうぞ、御興味ある方は見ていただきたいと思います。ドラマの主演は本木雅弘、阿部寛、香川照之、石坂浩二、石原さとみなどなどなど豪華俳優人の総出演の感ありで、ナレーションは俳優の渡辺謙が語りました。小説の内容を細かくお話しする場ではないので略しますが、この小説のスタートに当たって作者が書き記した序文とも言うべき言葉が、このドラマの冒頭のナレーションで渡辺謙によって語られています。そして、この序文こそが、この小説の意図するところをまさに網羅しているように思えますので、この序文のナレーションを要約して読みます。

 「坂の上の雲」序文。

 「誠に小さな国が、開化期を迎えようとしている。小さなといえば、明治初年の日本ほど小さな国はなかったであろう。産業といえば農業しかなく、人材といえば300年の間、読書階級であった旧士族しかなかった。明治維新によって、日本人ははじめて近代的な国家というものをもった。誰もが国民になった。不慣れながら国民になった日本人たちは、日本史上の最初の体験者としてその新鮮さに高揚した。この痛々しいばかりの高揚がわからなければ、この段階の歴史は分からない。社会のどういう階層のどういう家の子でも、ある一定の資格を取るために必要な記憶力と根気さえあれば、博士にも官吏にも軍人にも教師にもなれた。この時代の明るさは、こういう楽天主義から来ている。今から思えば実に滑稽なことに、米と絹のほかに主要産業のないこの国家の連中がヨーロッパ先進国と同じ海軍を持とうとした。陸軍も同様である。財政が成り立つはずは無い。が、ともかくも近代国家をつくり上げようというのは、もともと維新成立の大目的であったし、維新後の新国民達の少年のような希望であった。この物語は、その小さな国がヨーロッパにおける最も古い大国の一つロシアと対決し、どのように振る舞ったかという物語である。主人公は、あるいはこの時代の小さな日本ということになるかもしれない。ともかくも、我々は3人の人物の跡を追わねばならない。四国は伊予の松山に、3人の男がいた。この古い城下町に生まれた秋山真之は、日露戦争が起こるにあたって、勝利は不可能に近いといわれたバルチック艦隊を滅ぼすに至る作戦を立て、それを実施した。その兄の秋山好古は、日本の騎兵を育成し、史上最強の騎兵といわれたコサック師団を破るという奇跡を遂げた。もう一人は、俳句、短歌といった日本の古い短詩型に新風を入れてその中興の祖になった、俳人正岡子規である。彼らは、明治という時代人の体質で、前をのみ見つめながら歩く。登っていく坂の上の青い空に、もし一朶の白い雲が輝いているとすれば、それのみを見つめて、坂を登ってゆくであろう」というナレーションが入り、ドラマが始まります。

 これは、当時の日本というつくりたての国家がいかに途方もない坂を上ろうとしたのか、そこにはある種の高揚や楽天的とも言える精神性がなければ困難だったろうなということだと思います。当時、東アジアの情勢は、振り返ると、そこに間違いなく大きな危機意識があったのではないかと思います。日本の近代化への道筋そのものへの評価、解釈、また感想は様々あると思います。しかしながら、そのことはさておいても、明治維新から僅か三十数年という歳月の中で、作者の書くところの誠に小さな国の国民は、軍事費の増大による重税の貧困にあえぎながらも、明治7年に日清戦争、10年後の明治37年には日露戦争という歴史的過程をたどって、その危機を乗り越えました。しかし、現在から当時の国際社会のありさまを振り返れば、いかに危なくて危うい道筋であったかが見えてきます。ともかくも過酷な歴史的事実があって、当時の日本国民がどのような高揚感を胸に、輝く一朶の白い雲を見詰めながら、その坂を上ったのか。大変興味深いところであり、そこに何か大切な力が働いていたのではないかと思われます。

 続けます。

 欧米列強がしのぎを削る東アジアの一角において、食うものも食わずの30年を過ごしながら、つくりたての国家で歩みを進めていこうとする極めて険しい坂の上に、どのような雲を見詰めていたのか、どのような雲を見詰めることで生きることが、また生き残ることができたのか、そのことを本区に重ねて問いかけてみたいと思っています。繰り返しになりますが、日本の近代化への道は平たんではありませんでしたし、詳細に見ていけば、様々な評価、批判もあることは私も承知しているところであります。

 そこで、ちょっとそれますけれども、冒頭述べましたように、この小説「坂の上の雲」、秋山好古と真之きょうだい、そして俳人の正岡子規、3人を中心に展開していくものです。秋山きょうだいも正岡子規も、御存じのとおり、ともに伊予松山藩、つまり愛媛県の出身であります。松山藩の藩主というのは、本区にゆかりの深い久松家なんです。物語においても、兄、好古が後に帝国陸軍騎兵隊を預かる者となりますけれども、東京に来て間もない頃、日本橋の浜町にあった旧伊予松山藩主の屋敷内の宿舎にしばしば世話になる場面が出てきます。また、一方の弟、真之は海軍の道を進みましたから、日本海海戦では参謀として大きな成果を残しています。海軍ですので、築地にあった時代の海軍兵学校に在籍をして通っていたんです。築地にいたんです。伊予松山藩は大変に教育熱心で、人材育成に力を入れました。そういう藩の風土をつくったのが久松家であって、そういう風土の中で主人公の3人は子供時代を過ごしました。こうした久松家が築いた気風は、維新後に本区、中央区の久松小学校の設立に力添えすることに縁づいているんだなと思います。そんなところも、この小説からうかがえます。

 話を戻しますが、私からは、この小説に描かれた明治という時代に中央区の今を重ねながら質問したいと思っています。「坂の上の雲」の時代が明治維新を経て近代化という坂道を上っていく過程だとすれば、果たして、今、私たちはどのような坂の前にいるのでありましょうか。日露戦争の後、日本はおぼつかない足取りで列強の仲間入りをしていきます。その後も、関東大震災に見舞われたり、また太平洋戦争によって多くのものを失いますが、その都度、我が国は復興した。再スタートをしてきた。昭和元年から数えて、今年、昭和100年を迎えます。また、太平洋戦争からも約80年を経た今、確かに、日本国内は平和が保たれているのかもしれませんが、失われた30年と称される低迷の時代も、いよいよ40年が近づいています。様々に批判的な評価がなされている面もありますが、さらに、ここ数年では、世界的な問題ではありましたが、コロナ禍という苦難の時を過ごしました。こういう社会背景の中、区長も所信表明で言われたデジタル化の大きな進展や働き方改革の波が、今、押し寄せています。人々のつながりが希薄化して、人間一人一人の個別性、多様性を受け入れていくリテラシーの醸成が求められるなど、その対応にはハード・ソフトの両面で取組が必要です。こうしたことは、時に新旧が火花を散らす中で議論をされることもあります。正解の見えない大きな社会変革期を私たちはしっかりと乗り越えていかなければなりません。

 そこで、本区に目を移すと、様々な人口回復策が功を奏して、平成9年以来、順調に人口も回復へと向かって、70年ぶりに過去最高を更新しました。うれしいことに、昨今では毎年2,000人の子供たちも誕生していますし、多くの皆さんが中央区を選び、住まおうとやってきてくれています。最近の推計では、令和9年度のうちに区民の数は20万人に達するとのことで、この4月には晴海に新たなまちも生まれました。今後、さらに高まる行政需要に応えていく必要があります。いずれも喜ばしいことと受け止めつつも、一方で、江戸開府以来、文化と伝統の継続と継承が懸念されたり、また古くより住まわれてきた区民の皆さんと新しく住み始めた区民の皆さんが共存する中で、時に亀裂を生むこともあるのは皆さんも御承知の課題であります。

 こうした中、中央区の前には、今、どのような坂があると考えておられるのか。生まれてくる多くの子供たち、その子らを取り巻くファミリー層の増加、人口の増加に伴い、高齢期を迎える方もやがて当然多くなるでしょう。教育施設の充実も急がれているところでありまして、デジタル化の進展に対応したGIGAスクール構想も第2期へと向かっています。また、再開発の案件もまだまだ控えており、人口増加の傾向はしばらくは継続していく見込みでありましょう。こうした目の前の坂を上るため、各分野において目指すべき青い空にある一朶の白い雲とは、どのようなものを想定していくべきでしょうか。もちろん、ここで例えている坂や一朶の白い雲とは、単純に課題とそれに対する目標、対応策と捉えていただいて結構です。ですから、大きな考え方、方向性について教えてほしいと思っています。

 そこで、お尋ねします。

 4点あります。福祉、教育、まちづくり、環境の分野についてであります。

 まずは、増える人口と、その各世代において、これからの中央区の福祉における坂と雲とは何だろうか。

 2つ目、さらなるデジタル化の進展を前に、これからの子供たちに必要となる教育が目指すべき雲というものはどういうものであると考えているでしょうか。雲はどういうものであろうか。

 さらに、3つ目、築地市場跡地の開発について、事業予定者も決定されましたが、今後も本区には様々な形で資本が投下され、まちは変貌、これを遂げていくものと推察します。では、区民生活と市場原理が共存していく本区のまちづくりにおける坂と雲とはどういうようなことが想定されるか。

 あわせて、4つ目、高度に都市化された本区における環境問題への対応についてでありますが、その坂と雲についてもお聞かせ願いたいと思います。

 誠に漫然とした問いではありますが、これからの本区の展望と捉えていただいて、それぞれにお答えを願いたいと思います。よろしくお願いします。

○大久保福祉保健部長
 福祉における坂と雲、課題と今後の方向性というところでございます。

 質問の趣旨とぴったり合うかどうか、今、ちょっと不安ではありますけれども、福祉、行政全体として言えることですが、行政というのは、やはり皆さんから納めていただいた税を再配分して、お困りの方に再配分することによって、困難な方に対して支えたりするということが基本的な仕組みというふうに私としては捉えております。特に、この施策を進めるに当たっては、やはり課題に対して制度をつくって、それで仕組みをつくって実施することで、公平性あるいは公正性も担保しながら、平等に対応するということを念頭に置きながら、これまで実施をしております。

 しかしながら、こうした取組というのは、一つの限界というか、課題もあるのかなというふうに、最近、考えているところでございます。社会の家族のありようとか、あるいはコロナ禍を経て、また、現在の物価高、そして、こういった状況を踏まえて、やはり皆さんからのニーズというのがかなり多様化している。委員からもお話がございましたけれども、人口増加によってのニーズの増大、そして多様化、そして中央区の特徴としまして、人口増加や、あるいは転出入が大きいということで、そういうことを考えますと、ニーズの多様化というのがさらに多様化していくという、そういった素地を持っている地域なのかなというふうに思っております。

 そうしたことを考えますと、行政がこれまでのように制度をつくって、それに適用してサービスを提供するというところは、当然、今後も必要ですけれども、それと併せまして、違う仕組みで多様化するニーズに対応していかないといけないのかなというふうに捉えているところでございます。

 最近、私が参加している会議体におきまして、区民の方から1つ御意見をいただいたことがございます。多様化するニーズに行政で全て応えるのはなかなか難しいのではないかということでございます。行政として様々なサービスを提供している相手方、子育てあるいは障害のある方、様々いますけれども、施策の対象者というのは、サービス、支援を受ける側として捉えがちですけれども、そうした方々も様々な活動を通じて支える側になる、なり得るというふうな発言もございました。そうしたことをお聞きしながら、やはり一方の見方ではなくて、それぞれのできる範囲での取組、そういった仕組みづくりをするのが必要なのかなというふうに考えたところでございます。

 行政でできることとして、やはり仕組みづくりというのは民間ではできないところでございますので、こうした支える側、支えられる側をどのようにマッチングしていくかとか、そういった仕組みづくりをするというのは、行政ができる一つの方策なのかなというふうに考えております。地域で自主的に活動し、課題を解決するという、こうした仕組みは、基本計画の中、基本構想の中でもプロアクティブ・コミュニティという文言が書かれていたりとか、本区における保健医療福祉計画においても、みんなが支えて暮らしやすいまちをつくっていくという基本理念も掲げているところでございます。こうした子供や高齢者あるいは障害のある方など、全ての方が支える側であって、支えられる側である。こうした理念の下、誰もが支え合い、自分らしく暮らせるまち、本区における保健医療福祉計画のこの基本理念が、福祉全般における、ある意味、雲というか、目指す姿なのかなというふうに捉えているところでございます。

 私からは以上でございます。

○平林教育長
 大変参考になるお話、ありがとうございました。

 明治時代の先人たちが、明治維新、また近代国家に向けて途方もない坂を上っていく、このパワーは、今聞いていてもすごいなと。この中には、やはり先人たちが高い志とか、それから意欲、こういったものがあったんだろうなというふうに感じたところでございます。我々も、これから非常に難しい坂を上っていくんだろうなということを考えておりました。

 今、日本を取り巻く環境を見たときに、やはり少子高齢化ということが非常に進展してくる。その中で何が起きるかというと、世界に類を見ない超高齢化社会、これが今の例えば社会保障制度なり、行財政制度にどういった影響を与えてくるのか、これは非常に大きな問題だというふうに思っておりますし、また、生産年齢人口の減少化、これがまた世界で起こるGDPの低下などにどういった影響があるのか、こういった大きな視点も持っていかなければいけないというふうに思っております。また、グローバル化、それから情報化、こういった進展が、多様な主体というものが非常に速いスピードで相互に影響し合う。一つの出来事が、いわゆる広域的にも、加速度的にも複雑に伝播し合う。これが余計複雑に、先の見えない時代を生み出していくんだろうというふうに考えております。

 一方で、これから子供たちが将来就くであろう職業についても、情報化の進展、それから技術革新が大きな影響を与えてくるんだろうというふうに思っておりまして、いろいろな説がございます。これからの子供たちは、半数以上が今ない職業に就くんだろうという説もあります。予測があるわけでございます。それからまた、今ある職業の半分以上がICTに取って代わられるといった予測もあるわけでございます。こういった中で、子供たちがどういったキャリア形成を選択するか。それによって、いずれにしても、どの子供たちがどのキャリアを選択したとしても、生き方に対して様々な影響があるということは、我々は認識していかなければいけないというふうに考えているところでございます。そういった中で、なかなか先行きの見えないこれからの時代をどう生きていくか、この社会の変化に対して、子供たちは受け身であってはいけないというふうに思っております。主体的に自らが向かい合って関わり合っていく。その関わり合いの中で、子供たちの一人一人が自分の持てる最大限の能力を発揮しながら、よりよい社会、それから幸福な人生をつくり上げていかなければいけないというふうに思っております。

 その上で、教育としてですけれども、子供たちが今ある定まったような問いに対しての解き方、答えを効率的に解ける力を身につける、これだけではもう通用しないんだろうというふうに思いますし、これでは不十分だというふうに考えてございます。こういった中で、我々は、様々な社会変化の激しい時代の中にあっても、先ほどの高い志と意欲を持って、これからの社会に対応していかなければいけない。そういった子供たちをどのように育てていくかということが重要なんだろうというふうに思っております。

 子供たちは、これからの世界の中で、問いのない、自分たちが今持てる、もしくは蓄積した知識を最大限に発揮しながら、膨大にあふれる情報の中から何が必要なのかということを選択しながら、自らの改めての問いをつくりながら、その解決に向けて努力していかなければいけない。それから、多様な考えを持つ他者と関わり合いながら、新たな価値というものを創造していくことが必要なんだろうというふうに思っております。そのために、教育委員会、学校を通しながらでございますけれども、子供たち一人一人の可能性を伸ばし、それから引き出しながら、これからの時代に必要な資質ですとか、能力を確実に育成していくために全力で取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○吉田副区長
 まちづくりと環境という問題について、お話をさせていただきます。

 「坂の上の雲」は大好きな小説で、何度も読み返しているんですけれども、司馬遼太郎さん、明治の時代に頑張ったよと言って、日本頑張れというトーンがあるから、本当にゼロから出発したような形で明治を描いているんですが、何度か読み返すうちに、ちょっと違和感を覚えておりまして、確かに、ゼロから出発した趣もあるんだけれども、実は、その前に、日本固有の文明、そういうものもかなり高いものがあって、その上に西洋の文物を取り入れていったのではないのか。

 私は、実際、いろいろなことを知っているわけではないですけれども、例えば戦国時代のときに、織田信長が洛中洛外図の狩野派の人に2枚描かせているんですよね。1つは上杉謙信に贈るため、1つはローマ大使に贈るために洛中洛外図を描かせているんですが、大変すばらしい絵です。ある意味で世界水準を誇っていたと思う。もちろん、今、ブームになろうとしている日本橋のプロデューサーが描かせた北斎やら広重やらの絵の水準というのは非常に高いものでございまして、1800年代の後半にはジャポニズムというところで、パリの中で既に大変な評判を受けていたわけです。そういう日本の文化の上に近代の思想をちゃんと取り入れていった。江戸という社会が、当時、世界の都市の中で識字率が一番高い都市であった。そういうものの背景の上に、文明を取り入れていったところに価値があると思っています。今、御指摘のように様々な変化の中で、そしてこれからの変化の中で、絶対にこれまで以上に国際化は進むと思います。

 私は、先日亡くなった矢田とともに、人口回復に狂奔してまいりました。きっと、僕は、その点では、矢田は巨人だと思っていますけれども、巨人なのか狂人なのか分かりませんが、人口回復はずっと言い続けた。最初に彼が言い出したときは、区民の人は、またかよと。そのうち、まあ、しようがないなみたいな、矢田はそうだよみたいな受け止め方に変わっていったんですが、ずっと言い続けた。矢田の年齢は享年85歳でございます。つまり、昭和15年に生まれている。彼の記憶の中で一番最初に見たまちの風景は、きっと焼け野原の東京だったと思う。彼の心の中に、やはり常に復興という構図があったと思う。人口が減っていって非常に寂しいまちのときに、本当に寂しいまちで、人口が毎年3,000人から5,000人の間で減っていった時代に、矢田は区長になりました。そのときに、いや、やはり人がいなければ、まちではない。しゃかりきになって人口回復を志しました。

 現実には、本当に寂しいまちだったんです。人口が減少していた時代の中央区は、本当に寂しいまちだった。私も、この役所に勤めていても、人口が減少しているときは、土日にここの役所に残業に来ると悲惨だったですからね。周りに飯を食うところもないし、コンビニもないですから。私は銀座に行って立ち食いそばを食うしかなかったので、それで、向かい側に馬券場があったので、残業して損しておりましたけれども、実態的には、そういう中でやはり人口を回復しようという思いは大事だったと思うんです。

 今、日本は少子化という時代にどんどん突入して、これから静かな国として、少子化でいいやというようなことをおっしゃる方もいますけれども、経済はもちません。人口を増やしていかざるを得ない。もう一回、非難されるかもしれませんが、やはり成長軌道に経済を乗せていくためには、基本的には、やはり国際化は進むんです。いろいろな方がお住まいになるんです。国際化はどんどん進んでいくだろう。冒頭の話に戻りますが、だからこそ、私どものまちづくりの中でも、環境政策の中でも、やはり日本、今、この国が持っているあらゆる資質の中で、もう一度日本というのを見詰め直して、それをどう残すか、きちんと国際化の中でどう残していくかが大事なことだと思っています。

 環境問題の中でも、私も、今回、大熊町との連携などをやっておりますが、私は、その部分においては、都市と地方との連携みたいなものを大きな基軸にしながら、やはり環境問題についても、我々一人ではない。我々単独のまちではない。この豊かさは、やはり日本全体の中から生み出されてきたものなので、そういった都市間連携も含めて、もう一度日本全体の中の中央区ということをきっちり考え、日本の歴史の中の中央区ということをきっちり考えて、まちづくりをしていくこと、環境政策に臨んでいくことが一番大事だと。そのことを我々としては大事にしていきたいと思っております。築地に関しても、まさにその部分を大事にしたいと思っています。

○山本区長
 原田委員の大変すばらしい問題提起、今のお話も伺いつつ、それから原田委員の「坂の上の雲」のお話、私は、秋山真之が夕刻になると豆腐1丁を食べながら1杯やる、あの至福のひとときはなかったという、その辺をよく覚えているということなんですけれども、これからの「坂の上の雲」、今、吉田副区長からもいろいろお話をさせていただいて、私の歴史観的なところから、ここは僕の考えを言っておかないといかんかなと思いまして、手を挙げた次第でございます。

 私も大きく捉えて、今、この東京、そして翻って江戸というのは、やはり江戸時代から続いてきている。江戸時代は文化爛熟、鎖国をしていましたから、ある意味で大きい戦争はなかった。みんな参勤交代で、中央集権の下に平和な国家が営まれていた。これが江戸時代。したがって、蔦屋重三郎であったり、私もよく知りませんけれども、多くの文化がこの中から生まれて、浮世絵もそう、歌舞伎もそう、そのほかにも様々な日本の芸術というものが花開いた。爛熟した。これが江戸時代。人々の心がそういう方向へ向かって、日々の生活というものに彩りを加えていった。こういう時代が江戸時代であったと思います。

 それで、これが1868年、明治維新を迎えてから第二次大戦が終わるまで、日清、日露、第一次、第二次大戦、この4つの戦争を繰り広げて、日本はその間、産業革命の波を一気に受けて、あらゆる産業の基盤というものをつくり、多くの、渋沢栄一は500以上の会社をつくって、今日の資本主義社会の骨格をつくっていったというのが、恐らく敗戦の、1849年ですか、それに至るまでの間、この間は日本が産業革命というものを取り入れて、日本を富国強兵化していく。しかも、江戸時代の先ほどの士農工商しかなかった時代から、国民という概念が新たに取り入れられて、何としても世界に追いつく近代的な国家になるんだということでやったのが敗戦まで。

 したがって、僕の考えでは、その後の、敗戦後、今度は経済成長です。何とかして復興を果たさなければいけない。さきの矢田先輩が残された、人口が増えなければ、にぎわいがなければ駄目だという基本的な考えに基づいて、復興、復興で先進国をキャッチアップして、それで世界第2位のGNPまでいくところまでいった。そして、それからなだらかな成長に入って、何度か金融恐慌があって、ブラックマンデーがあったりしていきながら、そして今日に至って、先代の黒田日銀総裁が異次元の金融緩和というところで、なだらかに成長してきた。どちらかといいますと、明治維新以降、経済、人々の生活を衣食住を含めて豊かにする、こういう方向へ向かって、ずっと進んできた。こういう時代が続いて、なだらかな成長になっておりますけれども、これは戦後の経済の復興というのも同じように、豊かになろう、豊かになろうということだけを考えて、だけではないけれども、主にそれを考えて今日まで来たというふうに僕は理解するわけです。

 江戸時代、そして明治維新から敗戦、敗戦から経済成長、こう来たときに、さあ、これからの坂の上の雲は何だろうと考えたときに、私は、1つは、先ほどお話のあった江戸時代の日本人の感性が花開いた、いわゆる人の中から生まれてくる、目に見えないかもしれないけれども、新しい価値を求めていく時代、これは文化とも言える新しい文明を開いていく時代。文明というと、今度は技術的であったり、経済的な意味合いもありますから、このことを考えると、今度はライフサイエンスであったり、あるいは宇宙であったり、あるいはデジタル系であったり、そういう事柄というものは今までになかった産業分野を私たちは涵養して、新たな成長へ向けて、これを進めていかなければいけない。

 そう考えますと、これからの時代の坂の上の雲は、もう一回日本人が純粋に、国際的に開かれた中で、日本人の純粋な感性が息づきながら、文化というものを極めてみんなが重要視して、心が豊かになっていく雲、そして今までになかった産業がもう一度皆さんの英知をこれには結集して、先ほど言ったようなライフサイエンス、その他のような分野に邁進していって、新しい経済、社会、人々が生活していける基盤、こういうものをつくり上げていく、今、そういう坂の一番下にたどり着いたところだというふうに理解をしたいというふうに思って、今のことを一口にちょっと言えないんですが、人の心が回復して文化が開いて、その象徴は築地から発しなければいけないと思いますので、築地からそういうものを発信していきながら、世界の中の第2の文明開化は築地から始まるというぐらいのことで、これは一地域だけのことではなくて、日本の中の築地ということに僕はなっていかなければいけないという覚悟を持って、あの土地のありようということについては考えたい。

 一つの固まりとしての表現は、ちょっと今できませんけれども、ともかくそういう意味で、これまで失われてきたものがここから開いていく、坂の下に今いる。こういうふうに僕は理解をしたいと思います。

 以上で、ちょっと長くなりましたけれども、終わります。ありがとうございました。

○原田委員
 区長さんにまで御丁寧な御回答をいただきまして、本当にありがとうございます。興味を持って御回答を聞いておりました。ありがとうございます。上るべき坂道、その坂の上にある雲に見る目標、それぞれの分野における輝く雲とそれに向かう坂道とは何かをお話しいただきました。ありがとうございました。私どもも、これらの施策、これからの施策の方向性についても、今、皆さんのお話を基本にして勉強させていただきたいと思います。ありがとうございました。

 今回は、小説「坂の上の雲」を軸に、これからの中央区はどうあるのか、その展望についてお聞きしました。この一冊の本から新しい物語が生まれて、そしてまた、この一冊の本が新しい出会いをくれます。先人より学ぶことは多いです。過去の偉人はどうやって幾つもの大きな困難を乗り越えてきたのだろうか。今抱えている私たちの悩みの答えは、果たして歴史の中にあるのかもしれません。

 イギリスの歴史学者エドワード・ハレット・カーは、歴史とは現代と過去との対話であると言いました。ただいま、総括では各理事者の皆様にいろいろとお答えをいただき、ありがとうございました。

 大きな展望を抱きつつも、目の前の課題の一つ一つにしっかりと対応していくことが大切であると考えています。一朶の雲を目指しながらも、本区に生きる区民の皆さん一人一人に寄り添いながら、着実に我々の目の前にある坂を上っていけるように、常に区長さんと私ども区議会の思いが一つであることを願っております。

 今回はいささか古きの感あり、明治の時代、150年前に遡りつつ質問させていただきました。歌人、詩人、御存じ中村草田男によって歌われました一句に、「降る雪や明治は遠くなりにけり」とあります。明治は遠くなりましたが、皆さんのそれぞれの胸には今も真っ白な坂の上の雲が輝いていることと存じます。どうぞ、理事者の皆さんには、また職員の皆さんには、区民の安心と安全を守るという坂の上の青空のかなたに輝き見える雲を目指して上っていっていただくことを期待して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○海老原委員
 ただいま総括質疑の質疑半ばではありますが、暫時休憩し、午後1時15分に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○竹内委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹内委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後1時15分に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午後0時12分 休憩)


(午後1時15分 再開)

○竹内委員長
 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。

 総括質疑について、質問者の発言を願います。

○高橋(ま)委員
 それでは、かがやき中央の高橋まきこです。総括の質問をさせていただきます。長時間お時間をいただいています。理事者の皆様も、ぜひ水分補給とか、お手洗とか、上着を脱ぐとか、そういったところは進めて体調管理を第一に過ごしていただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 中央区議会の会派かがやき中央からは、来年度、令和7年度の予算要望につきまして、重点の6点を総論として提示させていただきました。1つ目、子供の支援に注力した予算編成とこども基本条例の制定、2点目がDXの迅速な浸透と環境負荷低減への寄与、そして3点目、オープンディスカッションの実現としまして、開かれた会議を求めております。4点目、プロアクティブ・コミュニティの実現、5点目は中央区がハブとなった都市間連携、交流の活性化、6点目に、20万都市を見据えたまちづくり、縦横のつながりを深めながら、こうした重点ということでお伝えをさせていただいております。本日の総括におきましては、この6点に基づきまして、中央区基本構想の目指す方向性に沿って質問をいたします。

 1点目は、防災と教育、男女共同参画について伺ってまいります。

 中央区地域防災計画が改定されました。いざというときに重要なのが本部の立ち上げです。この計画では、本部室を区役所3階の庁議室、そして各区の部を8階の大会議室に設置と指定されております。本部は各地域防災拠点と連絡を取り合うハブ的機能であり、極めて重要です。これまでの質疑から、基本的な情報のやり取りは、デジタル化は全てとは至らず、紙ベースが基本である現状については、お聞きしてきたところでございます。通信や電気が停止しているケースも想定しますと、区内各地から区役所3階への往復をして情報を伝達し、そして歩き、必要な手続を各部が8階に上がって行う。そして、職員をはじめとした皆様は、8階と3階を往復しながら、また各地へ出回るという、なかなか負担が大きい動きがあるのではないかということを懸念しておりますし、現実的な動きなのかと心配しているところでもございます。

 この点に関連しまして、3点伺います。

 1点目は、9月の区議会にてシステムの導入にも言及がございましたが、災対本部立ち上げと拠点運営の初動につきまして御説明をお願い申し上げます。

 そして、2点目です。災害時の防災拠点と区の情報連絡は原則として電話ということが示されており、電話不通の際は防災無線または防災マップアプリということで、この点については、より広く平常時より区民に周知しておく必要があると思います。この周知の現状と課題についてお聞かせください。

 そして、3点目です。災害時は公衆Wi-Fiが利用できるそうで、この設置場所に防災拠点24か所も含まれております。しかし、防災拠点訓練では、この開通作業など、現場の対応の必要はないのか。これは拠点の皆様からも御質問がございましたし、通信の確保は極めて重要なこととなります。この仕様については、どのような手順となっているのか確認をさせてください。

 そして、もう一点です。中央区地域防災計画が取りまとめられましたので、これに沿ったBCP計画が進められているだろうと想定されます。現在の進捗と、この内容へのお考えについてお聞かせをお願いします。

 以上、お願いします。

○菅沼防災危機管理課長
 まず最初の、災害時の初動というところから答弁いたします。

 まず、基本、震度、時間帯によって、我々初動体制を庁内で共有しているところでございまして、地震の規模でございますけれども、1つ震度4の部分においては、我々防災危機管理室が速やかに防災危機管理センターに集まって情報収集をするというところが、まず1点ございます。それ以外に、休日・夜間、発災時、いかなる時間帯においてもというところでございますけれども、御質問にございました災対本部の立ち上げというところから申しますと、震度5弱を基本としながら、速やかに本部員が3階庁議室に集合しながら、日中であればというところを含めましての対応を、まず災対本部を速やかに立ち上げるというところでございます。

 それと併せまして、先ほど御案内した防災危機管理センターでは、災害時の事象、まずはあらゆる災害情報を収集する、正確に把握する、そこがやはり災害対応の最初の原点でございますので、正確な情報を収集した上で、我々は、まず一歩目の踏み出し、災害対応として何をすべきかというところを災対本部に上げながらというところになります。そこには、当然のことながら、交通遅延、交通運行停止もさることながら、重要なライフラインの停止であったり、区内の火災あるいは、万一の家屋の倒壊みたいな事象も当然含まれている中での災害情報でございます。そうした部分を含めまして、今、委員の御案内があったとおり、これは誤解していただきたくないんですけれども、災対本部は庁議室というところと、全庁的な初動の対応の部分については、同時並行的に8階の大会議室で全庁の災害対策室みたいなものを立ち上げるというイメージを我々は持っていなくて、まずは初動段階で本部メンバー、本部員、区長をトップとする災害対策本部の中での初動の確認をきちんと方針を打ち出しながら、全庁を挙げて、それぞれの所管の災対部ごとの業務に全力を挙げて災害対応業務に当たるというところをイメージしてございます。

 一方で、庁議室が、一定の時間の経過の中で、具体的には3時間、4時間という時間経過の中で、今度は、より一層、災害現場であったり、あるいは防災拠点の開設というところをにらみながら、我々は次の行動に入っていきますと、当然、全庁的な横の連携が必要になってきますので、8階大会議室、災対室を立ち上げながらというところの号令が敷かれる。そこで、今御指摘の8階と3階の往復という部分については、ひょっとすると電力ダウン、それから本庁舎のエレベーター停止というのは当然考えられますので、そこでの往復というのは階段の上下階への往復、歩いてという形になります。ただ、一方、内線電話であったり、あるいは職員間のLoGoチャットというような庁内のツールであったり、はたまたパソコン上のやり取りとか、個人が持つ携帯電話でのやり取りは当然ございますので、そこは一旦、我々各災対部との連携を含めまして、どういった形で8階とそれぞれの各階で主たる災対業務をやっていることの情報連携であったり、対応業務をつなぐのかというところについては、毎年訓練を重ねている本部運営訓練等で確認をしている部分でございます。

 とはいえ、現実、そこが職員の疲弊につながるという懸念も当然我々は持ってございますので、その辺は、具体的には来年以降、ある意味、通信環境が確保されているという前提の中で、総合防災システムというようなシステムも、より迅速かつ正確なシステム構築をしようではないかというところで、今、検討をしているところでございます。

 それから、私のほうからもう一つ、地域防災計画の改定が終わってという話で言いますと、御指摘の業務継続計画を今年度の当初予算に上げながら、業務継続計画の改定に係る作業を実態的に着手しているところでございます。今、どんな状況かという話で言いますと、まず今年の、間もなくですけれども、6月から業務着手して今日まで、基本的な方針、どういった形でBCPを見直すのかという方針を庁内的に確認している状況でございます。具体的に言うと、発災状況に応じた職員体制の構築、今まさに御質問があった初動体制の構築をいま一度きちんと、参集状況の変化に応じて、そして厳しい条件下でも非常優先順位業務をどこから手をつけるんだということを改めて再整理したいというところが1つ目の方針でございます。

 2つ目としましては、災害時における救援物資とか、あるいは人、受援の受入れ態勢という概念をはっきりして、BCPに不可欠な受援という概念を追加しながらというところで、受援の意識、物資の搬入受入れの整理をしたいというところの執行体制の確立とか、執務環境の確保というところを我々は、今、方針として掲げてございます。

 最後、3つ目、様々な災害事象がございますので、これまで震災、地震に特化したというところでございますけれども、我々は地域防災計画でも編として分けた風水害の部分についても、このBCPを反映すべきだという考え方に基づきまして、風水害であるとか、あるいは発災時期、季節に応じる区の考え方も整理をかけたいというところで、今、業務着手をしているところでございます。一旦、改定方針というところを今年度末に取りまとめる形で、実態的には令和7年度、来年度の改定を目指して、現状、作業をしているところでございます。

 それから、情報連絡の部分の2点目の話でございます。

 今、委員の御指摘があったとおり、実際上、地域の災害対応の核となる、言わば地域防災センターの役目をなす防災拠点と、実際に被災された方というところでいうと、例えば、我々は本当に、実際に幾つか課題点として挙がっているのが、まず1つは、防災拠点運営委員の人たちが速やかに鍵を持って防災拠点の鍵を開けるという確認を毎年訓練上やっているんですけれども、本当に委員の人たちがはせ参じるというところが可能なのかということは、委員の方からもやはり疑問とか不安という部分を含めまして、指摘を受けています。

 具体的に言うと、ある委員の方は、自分のところのマンションの理事役とか役員をしていて、まず自分のところのマンションの安全確保とか、そこの部分に手が追われてしまう。つまり、防災拠点の集合、参集という部分でいうと、ひょっとすると1時間、2時間かかってくるかもしれない。そうした部分の手当ては、ある意味、自分たちのマンションでも、防災拠点に向かうべき人と、マンションにとどまって、マンション内の安全確保とか安全管理をすべきではないかという議論も一部の拠点で起きています。そういった時間軸を捉えながらの初動を、委員の人たちと、それから我々臨時非常配備職員が、日中であれ、夜間・休日であれ、いかに徒歩でそこまで向かうかという体制を一つ一つ点検、確認が必要だというところを、今、防災拠点運営委員会の場で議論を深めているところでございます。

 つなぐという意味でいうと、実は、ここも一部の拠点で言われているのは、御自宅から拠点まで、それこそ近くに、徒歩圏内にあるんですけれども、より効率性を増すために、委員皆さんで、例えばLINEグループをつくりながら、速やかに情報を取って、そこで拠点にいる委員の人と自分のところのマンションの被害状況、例えば、今、ここのマンションではエレベーターが停止しているとか、あるいは2日、3日たった後に、この物資が不足しそうだ、心配だというような情報を速やかに連携するという話の動きもございます。そうした部分は、全ての拠点が一斉に足並みをそろえてというところは、正直、なかなか難しいところではございますけれども、そういった動きを含めまして、今、委員御案内のとおり、拠点と本部を結ぶという通信確保と、拠点とそれぞれのマンションであったりを結ぶ、つなぐという作業を大切にしながら、きちんとそれをネットワーク化していきたいというのが我々防災危機管理課としての課題であり、ある種、取り組まなければいけない話だと認識してございます。

 そういう意味からすると、そこも通信環境という課題は絶えずございますけれども、ある種、情緒的といいますか、複層的にリスクを分散しながら、皆さんと、この場合はこうしましょうというところを、拠点活動を通じながら確認していきたい。さらには、拠点の委員皆様だけが知り得る話ではなくて、防災拠点訓練を通じながら、この拠点ではこういう動きをしますので、一般参加の皆様方はぜひお知りおきくださいというアナウンスも同時並行的にやらなければいけない、そのように思っているところでございます。

 私からは以上でございます。

○小森地域防災担当課長
 私からは、Wi-Fiの使用手順について説明させていただきます。

 防災拠点を含む区の施設、約50施設において通信事業者と協定を結んで、Wi-Fiの設備、地域BWAサービスというものを活用したWi-Fiの機器を設置しております。災害時にはこちらを開放するということになりまして、各拠点施設においてフリーWi-Fiが活用できるということになっております。

 そして、あともう一つ、災害時には携帯電話事業者によるファイブゼロジャパンという、こちらの接続サービスも開放されることになるかと思います。こうした通信環境がありますというところを、災害時、そして防災拠点訓練等でもしっかり周知していきたい、そのように考えております。

 以上です。

○高橋(ま)委員
 それぞれにありがとうございます。

 まず1点目ですが、災害時の初動が重要ということについて聞かせていただきました。おっしゃいましたように、初動ですと参集の確認というところも極めて重要となりますので、LoGoチャットがどのように稼働するのかというところもぜひ今後勉強していきたいと思っておりますし、御説明いただけたらとは思います。これは今後の機会に考えております。

 また、災害時のネットワークという点で、いろいろと具体的にお示しいただきました。全国的にも、例えば防災拠点を開く鍵、私どもでいうと小学校等が基本にはなりますが、この鍵を持っている方が高齢化されていて、実際に鍵を持って最初にたどり着けるのかというところに課題を感じているというのも全国的な自治体からは多く聞かれているところです。本区の防災拠点についても、こうした初動から訓練をしていくということが非常に重要となると思いましたので、今回取り上げさせていただきました。

 また、地域の方々同士でLINEがつながっているということも、まず声をかけ合おうという機運の醸成が非常にすばらしいと思って伺ったところではございますが、次の質問にも関わりますけれども、おっしゃいました通信、電話とWi-Fi両方が使えないと、結果的にはほとんどの方がLINEも動かない状況になってしまいますので、どちらかが使えないときにはこうなる、もしくはこちらであればこうなる、それは個々人が持っていらっしゃるデバイスにもよると思いますが、そうしたことを確認するというのも拠点で必要な作業かなと思いましたので、訓練の視点から質問させていただきました。

 こちらは1点確認したいんですが、おっしゃっていただいた公衆Wi-Fiの開放については、防災拠点では特に作業は必要ないのかという点についてお聞かせください。訓練のメンバーの方々は、このWi-Fiを使ったことがないので、実際にどのように使えるのか分からないとか、区でやってもらえることなのか、自分たちが何か開通作業をするようなものなのか、この50施設の対象となっているところからは、そういったお声もございましたので、この点は、自動的に区のほう、もしくは事業者と一斉になるものなのかというところだけ伺わせていただきたいと思います。

 そして、BCP、来年度の改定に向けて作業いただいているというところを確認させていただきました。地域防災計画がさらに実際に使えるものとなるためには、BCPも非常に重要だというふうに捉えております。

 私は、春に、NPO日本危機管理士機構におきまして危機管理指導士の勉強会に参加いたしました。このメンバーではいち早く能登へ支援に参加した危機管理士、この方は熊本市の職員でいらっしゃるんですが、報告を受けました。まず、支援に入りやすい自治体から地域の復帰が早まるということを伺いました。複数の自治体が被害を受けている場合、まず、どこで何の支援が必要かが見える化していることが大切で、分かりやすいところから助けるということを伺っておりました。そのためにはBCPがしっかりとあり、それが対外的に見える形で伝わる状態にあることが大事だということを伺いました。まさに、教えていただきました受援体制を明確にするというのが、このBCPの狙いであると思います。まだ、改定作業中ということでございますので、本日は質問はいたしませんが、今後は出来上がりました、改定されたBCPが本区ではどのように対外的に表現されているのか、伝えられていくのかということについても今後は確認をさせていただきたいと思います。

 再質問を1点いたしましたが、続けてもう一つ質問をさせていただきます。

 9月の補正予算にて備蓄物資の充実として、授乳服などの拡充が決議されたところでございます。内容については、いずれも重要な内容であると拝見しております。一方で、具体的に申し上げると、授乳服を備えているだけでは真の安心とは言えず、各拠点や地域で授乳環境への理解促進があって初めて、この備蓄の授乳服が生かされるものとなると考えております。能登でも授乳中の女性が性被害に遭うということが起こっておりまして、これは珍しいことではございません。また、こうした対策として、防災拠点でも女性相談機能が極めて重要で、被災したそのときに突然、知らない方に相談するというのはハードルが高いというお声も伺っております。日常的に防災や防犯として性犯罪防止、女性相談が連携した活動や、顔が見える関係を築いておく必要がございます。

 まず、この点において、防災と地域の女性を守る仕組みの学び合いについて何かお取り組みされていることがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。お願いします。

○小森地域防災担当課長
 私からは、防災拠点等におけるWi-Fiの使用手順において住民が何かする必要があるかというところでございます。

 結論から言いますと、住民のほうで接続の作業そのものをする必要はございません。事業者等と協議の上、無料開放の手続を区のほうで行うということになります。そして、住民のほうでは、Wi-Fiの接続の設定の画面で、そちらのSSIDを選択していただくという作業はございますが、特段の機器そのものの接続作業は必要ございません。

 以上です。

○菅沼防災危機管理課長
 女性の視点という話でいうと、まず1つは、物資の視点が大事でございますので、9月補正予算では、今、委員御指摘のあった授乳服のさらなる備蓄という話とか、あるいは携帯洗浄機という物資、そして防犯という意味でいうと、新たにホイッスル、避難所生活の中で、やはり女性は、ある意味、お守り代わりではないですけれども、身につけながら、いざ何か有事に遭ったときの防犯という観点から、そのホイッスルを吹いてもらうという視点を持って、新たに備蓄をしたところでございます。

 委員御質問の日常的に防災と地域を守る仕組みという部分については、本当に大事な視点だと思ってございまして、例えば、さきの委員の質問のときに、実は、先日、京橋築地小学校で、いざ地域の皆様方がこの体育館で避難所を協力し合って運営するという訓練を11のミッションに分けて、8班に分けたミッションをそれぞれこなしてもらう。そのときに、我々が何を狙いとして委員の皆様方と訓練を組み立てたかというと、具体的な場面をイメージしてもらう。そして、具体的な対応策をみんなで考えてもらう。これは一つのミッションでございますけれども、夜騒いでうるさい人がいます、そのときどうしますかとか、携帯の充電器を一人の方が占領していますみたいな話のミッションを与えながら、住民の人それぞれの方々が話合いを持って、ここの避難所運営はこういう形にしようねという話がございました。それは我々、ある種、新しい取組として有意義な訓練であったと認識してございます。

 そういった避難所運営訓練の中で具体的な、例えば女性が授乳をするために、どこの部屋で、どういう形で物品を用意しなければいけないか、そして、女性が例えば着替えるための工夫の、更衣室であったり、カーテンのように布をセットしたりというところの運営を誰がするのかというところも、実は、別の拠点訓練の中で実際に体験してもらっているという訓練も展開してございます。そういった取組一つ一つを具体化、体験という訓練を通じながら、やはり避難所運営は我々区の職員ももちろんのこと、地域の皆様方によってつくり上がる。そして、皆様方によって混乱を招くことなく運営をしていかなければいけませんので、そういったところの仕組みにつながる取組を、訓練を通じたり、あるいは防災拠点の活動の話合いの場を通じながら、きちんと組み立てて、共通の認識とするよう、本当に女性が守られるような環境をつくっていきたい、そのように考えているところでございます。

 以上です。

○小林総務課長
 私のほうからも、男女平等センターの職員のほうで、協働ステーションのほうで、防災危機管理課が取り組んでいる女性防災リーダー養成講座の卒業生がグループを立ち上げたいというようなお話があって、男女平等センターのブーケも連携して取り組んでほしいということで、そうしたところに参加して意見交換をしたりですとか、そうしたところで、地域のそうした活動について、こちらのほうでも取り組んでいるところです。

 以上です。

○高橋(ま)委員
 それぞれにありがとうございます。

 おっしゃいました日頃からの関係というところ、また、このたび御紹介いただきました女性防災リーダーの活動について、いずれも非常に重要だと思っております。例えば、このたびのように授乳服が配られました、そして現地で訓練してみよう、授乳室をつくろうかとなったときに、隅で真っ暗なところにお部屋をつくってしまいがちであるとか、そういった全国の訓練の誤った事例も共有されているところです。その服を基に、どういったことを想定するか、ぜひ訓練と学び合いが一体となって、この備蓄がより生かされるように要望いたしますので、地域で学び合う機会については、引き続きお取組をお願いしたいと思います。

 ここで、男女共同参画行動計画の質問を続けてまいりたいと思います。

 ただいま御紹介しましたように、男女共同参画の理解、そして性教育や防犯、地域コミュニティというところは非常に重要な点だと思っております。この理解を進めるためには、やはり性教育がなくては性犯罪の防止というところの理解を深めることは難しいということになってしまいます。ユネスコによります国際セクシュアリティ教育ガイダンスによりますと、レイプなどの性的虐待は人を傷つける行為であり、それを体験した場合に助けを求めることができることを学ぶということにふさわしい年齢は、9から12歳と示されております。

 昨年度策定されました中央区男女共同参画行動計画2023では、暴力の防止について、中学生への出前授業を実施すると示されております。この現状についてお聞かせいただきたいと思います。

 そして、さきの国際セクシュアリティ教育ガイダンスに基づく年齢とは乖離があるというのが中学生の年齢と拝見しております。また、本区中央区内でも小学生の女児が性被害に遭っているという現状を鑑みれば、より早い教育機会が得られなければ、性暴力を予防できないのではないかという懸念がございますし、保護者からも、そうした心配の声は上がっております。この計画策定後の出前授業の状況、そして小学生への教育の必要性についてお考えをお聞かせ願います。

○小林総務課長
 区立中学校への出前講座でございます。

 男女平等、共同参画の普及啓発は非常に重要だということで、こちらのほうで非常に力を入れて取り組んでいるところでございます。そうした中で、若年層に向けた男女平等は若い頃からの普及啓発が非常に大事だというようなところで、行動計画2023でも新規事業として、区立中学校への出前講座を掲げたところでございます。

 こちらは、新しく企画して、それを調整して実施ということでございまして、まずは若い方向けのデートDVですとか、性被害の防止ですとか、そういった知見をお持ちの事業者、NPO法人と意見交換を重ねて、どういった内容がいいのかお伺いしながら、そしてまた、実際に教育委員会の指導主事の先生への御説明に男女平等センターの職員が伺ってございます。そうしたところで、まずは教育委員会事務局の御理解もいただきながら、区立中学校での出前講座の実施は計画でも掲げておりますし、実現に向け、既に取り組んでいるところでございます。

 以上でございます。

○小林指導室長
 小学校における性教育のことについてお答えをしていきます。

 まず、先ほどお話がありました昨年度のことにつきましては、性被害ということよりも、教育委員会としては、セクシュアルハラスメントということで捉えておりますので、よろしくお願いいたします。

 その上で、小学校における性教育につきましては、東京都が出している性教育の手引きを基に行っているところです。これは発達段階を踏まえて、その辺の指針が示されたものであることから、公立学校として、どの段階でどういう教育をしていくのかというところは、やはり国や東京都がしっかりと決めていくべきものかなというふうに思っております。私たちも、そういったものを基に、公立の学校での教育については、発達段階を踏まえた上で、適切な段階で保健の授業等で取り扱っていく。そして、低学年のほうも、デリケートなところについては、どういうところなのかも踏まえて、そういった授業をやっていきながら、保護者とも連携を取りながらやっていきたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

○高橋(ま)委員
 それぞれにありがとうございます。

 私自身も、ブーケ21、男女平等センターで開催されている性教育などに参加させていただいているのですが、私より年齢が下かなと思われるような世代とか、私の娘のような若い世代の参加の状況が見受けられないということを若干残念に思っておりました。本区の方針、おっしゃった計画を生かすというところで申し上げると、この講座を中学生にも聞いていただけたらいいのではないかと思うところもございましたし、本区で既に行っていただいている取組に参加者が増えるということで、一層広がるというところでもございますので、そのような連携したお取組を今後もお願いしたいと思っております。

 進めまして、(仮称)中央区こども計画の推進に向けまして質問をさせていただきます。

 基本理念(案)でございますが、子どもも育む人も誰もが笑顔輝き、自分らしく成長できるまち中央区と掲げられております。先日の子ども・子育て会議におきましても、委員から、この理念について、育む人は自分自身だと思ってもらえるのだろうかという疑問の声もございました。私どもとしましても、この育む人というのが全ての人を指すんだという中央区の思いが伝わるような理念ということで表現されるべきだというふうに、委員の意見に共感する思いを持っております。この点については、再度広く御意見を伺っていただき、検討くださるよう要望させていただきます。

 この理念の実現に向けて質問をさせていただきます。今回の計画策定に向けて、子供たちにもアンケートを実施いただきました。その中で、中央区を好きな理由として、「遊べる公園がたくさんあるから」を選択している割合が高く、特に小学生では過半数がこれを選択されていました。そして、個別意見では、ボール遊びができる公園を増やしてほしいといった個別意見も上がっています。保護者アンケートのほうを見ましても、子育てをする上で足りないことは、断トツでトップとして、全ての年齢層の保護者が、子供が思い切り体を動かして遊ぶ環境となっています。

 私から、2022年6月、一般質問にて要望しましたインクルーシブ遊具の導入を続けていただいていることを心強く思っております。この答弁におきまして、区長より、プレーパークは主体性や社会性を育む場所となるという認識についてお聞かせいただいたところでございます。中央区内にプレーリーダーを配置したプレーパークを設置し、中央区こども計画の基本理念、子どもも育む人も誰もが笑顔輝き、自分らしく成長できるまちのシンボルと言える拠点の一つとして、プレーパークの機能を果たす公園を運営していくことにつきまして、中央区のお考えをお聞かせください。この点からお願いいたします。

○白石水とみどりの課長
 中央区の公園におけるプレーパークの推進といった御質問でございます。

 公園に関しましては、お子様が思い切り遊んだり、運動したりといった側面というのはもちろんありますし、公園の中で公園のルールを守るだったり、年長の子が下の子に遊具の遊び方を教えてあげるといった社会的な勉強にもなる場所だというふうに思っています。まさに、お子様にとっての集合する場所、コミュニティという側面を持っているところかなというふうに思っております。また、遊具ですけれども、挑戦してみて、できたかなというところで、ある意味、ここまでやると危ないですとか、ここまでいってしまうとけがをするとか、そういった部分も子供たちが自ら学べる場所なのかなというふうに考えております。

 環境土木費の款でも御質問いただいて、御指摘がありましたが、そうはいっても、今、中央区の公園は禁止事項が多いといったところで、23区の事例をいただきまして、ボール遊びですとか、自転車の乗り合い、自転車練習場といった御意見もいただいているところでございます。ただ、公園としましては、今、有人の管理ではなく、どこの公園も無人で運営していますので、お子様にとって、より安全な遊びの場の提供ということでいいますと、やはり一律のルールの中で禁止することが必要になってくるところもあるのかなというふうに考えております。

 委員から御紹介いただきましたプレーパークの話に移りますが、プレーパークは、委員がおっしゃったとおり、禁止事項等をなるべく除いて、子供たちが思い切り木登りできたりとか、泥遊びができたり、場所によっては、火をたいてたき火ができたりといったところが、ある意味、特色になっているところでございます。中央区としては、まだ導入には至っておりません。それは課題がございまして、公園としての場所の確保ですとか、委員から御紹介がありましたプレーリーダーという担い手の不足であったり、中央区としての担い手との関係性みたいなところがまだ構築できていないところもございまして、プレーパークに関しては、様々な他区、他地区の事例等を踏まえながら、今後、可能性を持って研究していきたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

○大久保福祉保健部長
 子供の観点というところで、私からも少しお話をさせていただければと思います。

 今、委員から御提案のありましたプレーパークの整備につきましても、当然、ないよりはあったほうがいいと思っています。ただ、象徴的な取組としてというお話がありましたけれども、言葉が適正か分からないですが、それだと行政の、ある意味、自己満足かなというふうに私どもとしては感じたところでございます。子供にとって身近なところにそういったところがあることが重要であって、中央区内に1か所あればいいかというと、日頃から遊んだり、足を運んだり、そういうところがないと、子供にとってのプレーパークにはならないのかなというふうに考えております。

 そういう意味では、中央区は面積的にもそういった整備がなかなか難しいところではございますけれども、今でも公園であったりとか、あるいはなかなか場所を確保できないという観点で学校の校庭を使った、例えば自転車あるいはボール遊びなども含めた、そういった場所や、内容によっての使い分けにはなりますけれども、様々な場所を使って子供の居場所あるいは遊び場所を工夫してやっているところでございます。私どもとしましては、身近なところにいかに足を運んで安心して遊べるか、そういった観点で既存の公園あるいは学校の校庭を含めて、様々な場所を活用した子供の居場所を考えていきたいというふうに考えております。

○高橋(ま)委員
 ありがとうございます。

 まず、プレーパークについて改めてお考えをお聞きしました。私も、おっしゃるとおり身近なところ、日常的に遊びや環境があることが極めて重要だと思っております。そして、自己満足に陥らないかという懸念点については、私は2021年に要望させていただいているんですけれども、明石町複合施設に隣接したあかつき公園への設置はどうかという提案をさせていただいたことがございます。このたび、こども家庭センターの設置と併せて、進めるべき場所にもあるのではないかということを考えております。

 不登校の居場所としてプレーパークが活用されている、見守りの人がいることで子供の居場所となる、そうなり得るということは、川崎市の子ども夢パークで全国に広く知られたところでもございます。区内で唯一、1つしかない不登校の支援適応教室、また子ども発達支援センターなど、子供たちが積極的に行きたいと思える場所となるべき場所が明石町にはあるのではないか。そして、そこではつらい相談を受けることもありますし、なかなか保護者が受け止めにくい評価を聞くこともあります。そこで何か笑顔が見られるきっかけをつくりたい、そのような思いを込めて明石町について1つ提案をさせていただいた経緯がございます。こうした居場所となり得る機能というところに注力をいただき、先ほども担い手との関係ということもございましたが、ぜひ積極的なプレーパークの導入については、引き続き検討を要望いたします。

 担い手との関係性としましては、一例で、港区は、みなそとと共に民間連携でプレーパークを運営されています。ここでは、子供たちのやってみたいをやってみようというメッセージを伝えています。中央区が目指す主体的な学びは、主体的な遊びという基盤があってこそ、よりたくましくなっていくものと思っておりますので、応援するメッセージを伝える意味でも必要だと思っております。

 そして、ただいま福祉保健部長からおっしゃっていただきました日常的な遊びの展開ということで、学校施設を活用した自転車練習やボール投げができる校庭開放ということについては、部や課の連携によるすばらしい取組だと思っておりますし、期待をしています。一方で、これが日常的な遊びの場となっているかと申し上げると、区内で実施されている学校がまだ数校にとどまっている。3校ですかね。御提示いただきましたが、そのことと、現在のスケジュールだと恒常的に毎週とかではなく、限られた回数ということを報告では受けております。例えば、自転車では1回の練習だけでスムーズに乗れるようになるということはまれなケースで、日常に練習機会を取り入れていくということで定着していく。これは、ボール投げも同様だと思っております。

 現在の拠点校のみならず、より広い学校でどのように日常に取り入れながら学校施設を使用していけばよいのかという点について、まさにおっしゃいました日常にどう取り入れていくかという展開については、どのように考えていらっしゃるのかをお聞きしたいと思っております。まず、この点からお願いします。

○田中学校施設課長
 今、委員からお話があったボール遊び、キャッチボールの件ですけれども、学校が、今、校庭開放を実際しているところになっております。まずは、今年度は月島第一小学校、明正小学校、あと日本橋小学校で開始しているところでありまして、今、どのぐらい実績があるのか確認しているところです。ただし、ボール遊び、キャッチボールを展開するとなると、実際に校庭開放というところがなくなってしまいますので、まずは今の実績を確認しながら、子供たちが何を求めているのかというところを確認して、次年度以降の検討材料にさせていただきたいと思っております。

 以上です。

○高橋(ま)委員
 ありがとうございます。子供たちの目的、狙いも聞いていただけるということを伺ったところでございます。

 校庭開放や、さきの防災拠点訓練といった学校を拠点とした地域コミュニティは、中央区が重視されているとこれまでも伺ってきたところでございますが、一層活性化していく。今申し上げた、学校ごとに使っている団体も違いますし、子供たちの人数、規模も違う。その地域に合わせた実情をもって活性化していくには、やはり地域の背景や特性を踏まえて、自立しながら、より活性化していく必要があると思っております。その意味では、地域協働本部で話し合う各地の自立したコミュニケーションということを私どもが尊重していくこともふさわしいのではないかと思っております。NPOや民間企業等の幅広い市民の参画を経て、学校を核とした地域づくりを目指し、地域と学校が相互にパートナーとして連携、協働して行う様々な活動こそが、コミュニティスクールと国によって示されております。

 各地がより自立した地域コミュニティとして、今申し上げたような各事項をエンパワーメントしていくためには、地域協働本部というシステムを区から提案してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

 具体的には、晴海西小学校の学区域の方々から、今からPTAだけでどうかという御意見もございまして、地域全体、今、担ってくださる民間の団体や、そして既存の町会など、思いのある方はたくさんいらっしゃいまして、このワークとしては、このぐらい広い広がりということが基盤となってスタートするのも望ましいのではないかという中で、中央区からはそういったお話はないのかという御質問も受けたところでございました。この点について、お考えをお聞きしたいと思います。お願いします。

○小林指導室長
 今、お話のあった地域協働本部のお話に関連しまして、少しお話をしたいと思っております。

 中央区におきましては、委員がおっしゃったように、PTAがあったり、あるいは学校評議員会があったりということで、学校の応援団というか、いろいろな意見を聞く場も確立できている状況でございます。他地区では、地域協働本部等を検討して導入しているところもあると思うんですけれども、それのよさもあると思っておりますので、今後、本区のPTAとか、それから学校評議員会とか、地域のつながりというものと照らし合わせて、本区になじむのかというところをしっかりと検討していきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○高橋(ま)委員
 ありがとうございます。今後の検討に期待をするところです。全国的には、ない自治体のほうが少数派になってきている中で、なぜほかの自治体は導入しているかというところも、私自身も勉強を続けたいと思います。

 PTAや町会の青年部など、各所既存の仕組みには担い手不足という運営の難しさについて、私ども会派の議員にも寄せられている意見としてございます。運営側の方からは、毎回人が集まらないという意見を伺っていますし、参加をためらっている方々からは、既存組織は必要なのかという声が聞かれるということもございます。双方の理解を得られるような情報提供とコミュニケーションということに、ここの点では課題があると捉えております。各地でその地域に合った学校施設の活用を話し合い、実現するためにコミュニティスクール、この地域協働本部で広く話し合われ、自立されるコミュニティの導入を改めて要望いたします。

 ただいまも若干関わりましたが、(仮称)中央区こども計画の実現においても、福祉と教育の連携が極めて重要だということは、これまでも伺ってきたところでございます。おっしゃったように、子供たちも多様化していまして、国によりますと、普通級の35人学級をモデルとしますと、およそ4.5人が不登校やその傾向にある。そして、2.7人が発達障害等の特性を抱えている。こうした運営の難しさということが国のほうからも示されております。このことから、教育と福祉の連携が一層必要となっている。このことを踏まえまして、質問いたします。

 不登校から触れます。

 さきの教育費でも伺いましたが、学校に給食を食べに来ることで子供たちとつながりを保持することができている事例が全国的に多くございます。この場合は、別室登校が実現している場合となります。保健室で食事を食べるというのも、それは保健室が空いていればということになりますので、いつでもできるとはならない。そうすると、その場所があるというのは別室があるからだということを保護者からも伺っています。区内の各小学校では、まだ別室がありませんので、現状、食べに行く場が確保されていると捉えている保護者は多い状況とは言えないようでございました。

 学校内外の地域全体として、不登校児童と昼食のつながりのきっかけとしていくことについては、中央区はどのように考えているでしょうか。学校側もしくは福祉側、それぞれお考えがあると思うのですが、お聞かせください。お願いします。

○村上教育センター所長
 不登校、学校を休みがちなお子さんの昼食、給食等についてでございますが、さきの委員会でもお話をさせていただきましたけれども、別室で給食を食べに来るお子さん、もちろん保健室というお子さんもおりますし、やはりここのあたりは学校で子供たちとよく話合いをして、例えば職員室の片隅に持ってきて一緒に副校長先生と食べるという学校もありますし、学校に来ているお子さんに関しては、何らかの形で学校は工夫しながら給食を提供させていただいているところでございます。

 ただ、わくわくに来ているお子さんに関しては、昼食は持参をという形でお話はさせていただいておりますけれども、学校に来ているお子さんに関しては、基本的にはいずれかの方法で給食を提供している実態はございます。

 学校に関しては、以上でございます。

○植木地域福祉課長(参事)
 私のほうからは、不登校のお子さんの昼食というところで、私のほうで分かっているのは、不登校の保護者の、会ではないですが、そういった形で月に1回、いわゆる子ども食堂ではないですが、そういったことで親子が来られることをやっている団体があるというのは聞いているところでございます。福祉保健部としましては、そういった団体にどのように支援をしていくかが大事かなと思っておりまして、今回、令和6年度ですが、社会福祉協議会を通じまして、いわゆるみんなの食堂に対しての支援を拡充したところでございます。そういったことを周知しながら、そういった団体の支援をしていきたいと思っているところでございます。

 以上でございます。

○高橋(ま)委員
 具体的にありがとうございます。

 まず、福祉のほうで団体の支援に取り組んでいただいていることは、誠に貴重な活動だと思っております。こうした活動の方々にお話を伺いますと、区のほうでは、そうした場所をサポートいただけないのかという声も具体的に伺っています。具体的には、例えば食べるものを提供したら児童館でも配れないかとか、学校まで行けなくても目の前の児童館だったら取りに行けるということをおっしゃる子供や保護者もいるということで、適応教室は明石町1拠点のみですけれども、児童館は各地にございますので、こういった場所との連携を要望する声も聞いております。

 ここにも関わるところですが、こども家庭庁の令和7年度予算概算要求におきまして、不登校対策は地域で包括的な支援体制を構築すると示されており、こども家庭センターと教育センターの連携が求められているということも分かりました。現状は、子ども家庭支援センター、家庭をサポートするという立場と、不登校支援については、どのような連携をされているのでしょうか。私は、さきに申し上げたように、中央区で現状を申し上げると子ども家庭支援センターではございますが、こちらの情報については、児童館が把握し、地域の子供を見守るということも機能として求められているというように、今回の概算要求の内容を読んで拝見したところでございます。

 現状とこれからのお取組について、連携、この予算の活用についてお伺いをします。お願いします。

○村上教育センター所長
 教育センターと子ども家庭支援センターの連携ということでございます。

 特に、今年から子ども家庭支援センターが同じ建物に入ったこともありまして、日頃から積極的に教育センターが子ども家庭支援センターを訪問させていただいたり、逆に子ども家庭支援センターの職員の方がいらっしゃったりということで、連携はかなり進んでいることは間違いありません。その中で、不登校のお子さんのみならず、例えば虐待案件とか、いろいろな部分で連携が進んでいるところでございまして、子ども家庭支援センターでキャッチした情報を教育センターのほうで、例えば教育相談と連携が進んでいるという実情もありますし、そういった部分では教育と子ども家庭支援センターの連携、福祉との連携という部分はかなり進んでいるところでございます。

 以上です。

○左近士子ども家庭支援センター所長
 子ども家庭支援センターが支援するお子さんの中には、やはり学校に行けないですとか、家庭に引き籠もっているお子さんがいらっしゃいますので、そういったお子さんにつきましては、児相を含めまして、どのような支援をしていくのがよいかという中で、もちろん教育センターの方とも御相談しながら進めているところでございます。

 以上でございます。

○高橋(ま)委員
 ありがとうございます。

 これまでも不登校の背景は様々であるということで、先日、特性があるお子様に向け、ゆりのきで主催されました不登校支援に関して学ぶ勉強会に参加してきたところでございます。ゆりのきと教育センターについても同じ建物となって、子ども家庭支援センターとともに、より一層連携が進むと思われます。

 ここは教育委員会事務局次長に伺いたいと思うんですけれども、ゆりのきの理念と、この背景を特性としている方の不登校の御家庭、そして教育との連携というところについて、今後、私どもでできると思われる取組の可能性についてお聞かせいただけたらと思います。ゆりのきの設置の理念も踏まえまして、ぜひ学ばせていただけたらと思います。この点はいかがでしょうか。お願いします。

○北澤教育委員会事務局次長
 ゆりのきと不登校との関係、また教育センターや子ども発達支援センターとの連携の関係というところでございます。

 今、委員がおっしゃいましたように、不登校の原因として、発達障害というものが大きく関係しているというところは確かにあると思います。ゆりのきは基本的には就学前のお子さんの療育ということで、教育センターは学校に上がってからのお子さんの支援ということでやっておりますので、それぞれ年齢的に違いはございますけれども、そういったところで、ゆりのきの時点で、ある程度発達障害の傾向があるというお子さんが明らかになった場合には、就学相談をお勧めして、適正な集団、就学に向けて動いていただくということがやはり一番大切だろうと思っております。

 そういった意味で、育ちのサポートカルテを活用していただいて、うまく福祉から教育につなげていくというものが大事だということで、もともと本区におきましては、早い時期からそういったところを進めてまいりまして、私も教育のほうにきまして、サポートカルテの活用に関しましても、かなり定着してきているというふうに感じてございます。

 育ちのサポートカルテの活用がすぐに不登校の対策に結びつくかというと、なかなか難しいところではございますけれども、やはり教員の方々がそういった視点を持って、学校で何がこのお子さんにとって難しい点になっているのか、集団場面で何がお子さんにとって難しい場面になっているのかというところを、早い時期から、まだ入学して集団でうまくいっている時点から、もしかしたらそういった素養があるのかもしれないといったような見方でお子さんに関わっていただくことが、不登校の予防というところにつながっていくかと思いますので、そういったところで十分に活用していければというふうに感じてございます。

 以上でございます。

○高橋(ま)委員
 詳しくありがとうございます。非常に勉強になりました。集団の難しさに対して予防する取組ができるのではないかということは、非常に重要だと思って伺いました。

 今、保育の部分である就学前から、保育・幼児教育ですけれども、未就学から就学、教育へのつなぎということをおっしゃっていただいたところですが、やはり子供が集団の難しさや学校の行き渋り等を含めて、何か抱えたときには福祉に戻ってくる部分もあると思っております。そこは受け止められるゆりのきの御相談の履歴であったり、また相談員の方との、人とのつながりであったり、そして家庭を支えるという意味では子ども家庭支援センターもあると思いますので、行き来をしながら連携がより強まっていく施設の機能となるように引き続き要望しますし、また、この点は伺ってまいりたいと思います。

 さきに申し上げました要求資料から見ましても、やはり私どもでは地域の出先となるところは児童館だと思っておりますので、地域の子供たちが昼食に悩んでいる、もしくは昼食がつながるきっかけになるということであれば、児童館でもその役割を果たすということについて検討いただけないかという点は要望したいと思っております。

 また、昨日申し上げましたが、教育においての適応教室の民間連携においては、やはり業務委託契約を進めている自治体が多く、ある種、担い手の奪い合いとも言える状況が始まっていると捉えております。能登の被災地の子供たちを民間事業者が支え、強く励まし、メンタルの不調をなるべく少なくしながら見守っているという報告を受けているところですが、日常的にこうした民間との連携がある地域とない地域ということが、いざというときの備えの力の差にもなっているということを拝見しております。ぜひ、どういったつながりの場、居場所、そして人とつながっておくかということ、今回はプレーパークと不登校という視点から伺いましたけれども、民間とつながりをつくっておくということについては、また伺っていきたいと思っておりますので、お願いいたします。

 次に、少し細かい点ですが、会派の政策要望にも入れておりますので、触れます。1点目が小学生の早朝の登校、そして2点目がプレディのおやつ、まず、この2点から伺います。

 1点目ですが、小学生についてです。

 小1の壁になりますが、認可保育所ですと、早いと7時半から開所されている保育でございますが、小学校はおおむね8時15分前後と、登校時間の指定がございます。小学校1年生になると、この壁に当たるというお悩みの相談は非常に多くございます。全国的には、福祉人材の活用として、教育の場である学校と連携しながら課題を解消している事例もございます。小学生の早朝の居場所を福祉で支えるという視点についてのお考えをお聞かせください。

 もう一点です。プレディのおやつです。

 こちらは、プレディ、登録制で誰でも使える場については、保護者のおやつ係というものがございます。これまで学童等のお弁当が発注できるようにお取り組みいただきまして、非常に感謝の声を多くいただいています。そこで残る課題の一つがプレディのおやつ係、この購入についてです。一般的に、区内のプレディではおやつ係という保護者がいて、定期的に利用児童数を確認しながら保護者から集金をし、おやつを購入し、プレディの先生方へお渡しするという流れとなっております。

 伺いました保護者によると、アレルギー表示が不十分なものがあり、購入していた事例があるとか、認識の違いによって、アルコールが入っているものを買ってしまったというおやつ係の事例があり、事故の危険と隣り合わせということは否めないとおっしゃっていました。実際にプレディで働いている方々も、正直、危険だと感じるおやつを渡されたこともあり、提供を控えたという事例についても伺っています。プレディについては、有資格者の配置の基準も曖昧でございますので、保育士が必ず食の安全を管理できるかというと、そうした施設ではないのではないかという懸念もございます。こうしたプレディで提供するおやつの安全性、食のリスク、事故予防という観点について中央区の考えをお聞かせいただけたらと思います。

 この2点、お願いします。

○黒田放課後対策課長
 まず、小学生の早朝登校についてでございます。

 現在、小学校につきましては、プレディということで放課後の居場所として業務委託を行っていまして、仮に早朝の登校をプレディの中で見ていくということになりますと、当然、職員配置等もありますし、学校からお借りしている部分につきましても、基本的には放課後の利用としてお借りしているところでございます。お子さんを預かった際に、どういうふうに活動するか。登校してきて、例えばプレディの部屋で見るという形になりましても、朝の登校は皆さんがばらばらに来るような形になると思います。そういった面で、どれぐらいスタッフ等が必要になってくるかというのもしっかり検証しなくてはいけないということと、安全にしっかり見られる体制が取れるかどうか、そういったところもしっかり考えていかなければいけないというふうに考えております。

 親御さんの勤務時間の開始も多様化している中で、朝早い方もいれば、ゆっくり出られる方もいるということで、どれぐらいのお子さんがそういったものを必要としているのかというのも含めまして、いろいろと研究をしていきたいというふうに考えております。

 次に、プレディのおやつの件です。

 プレディのおやつにつきましては、おやつの会ということで保護者の方が主体となって品物を選定、購入等を行っていただいています。おやつの会と施設側につきましては、当然、連携を取りながら、あらかじめ、例えばアレルギー物質を含むようなおやつですとか、あめですとか、ガムですとか、誤飲の可能性があったり、そういったものについては、おやつの提供を控えてくださいということで、写真入りの資料に基づいて、こういったものを購入してくださいというようなやり取りをさせていただいているところでございます。また、当然、親御さんが買われたおやつにつきまして、提供前に各施設において、そういった物質が入っていないか、例えばアルコール成分が入っていないかとか、そういったところもしっかり確認をしながら、ダブルチェックをしながら、お子様に提供しているということで、そういったところについては、当然、お子様のお口に入るものですので、細心の注意を払って施設のほうで提供しております。

 以上でございます。

○高橋(ま)委員
 まず、プレディのおやつから伺っております。

 御配慮について伺いました。おやつ利用の登録人数規模が大きいプレディでは、民間のおやつ定期便事業者に外注していて、これは安心で助かるという声も伺っています。一方で、規模が小さい施設ですと、その対象人数を満たさず、サービスができなくて、私たちもああいったサービスを使えたら安心なのにといったお声を伺っているところでございます。伺うところですと、区が例えば一括契約をして、サテライト的に施設を登録することによって、小規模な施設でもこうした定期便事業者との連携で活用することができるというシステムもあるようです。プレディについても、より安全で安心な居場所となるために、また、保護者の負担軽減のみならず、おやつの提供の在り方ということも含めて検討いただけたらという点、要望をお伝えさせていただきます。

 そして、早朝登校について、難しいというところは私も共感しますが、やはり小1の壁をいかになだらかにしていくかということについて、また議論を深めたいと思っております。

 おっしゃいました仕事の多様化という点は、子育て支援における非常に重要な視点だというふうに思っております。ベビーシッターの部分の御説明についても、この決算特別委員会の中で多様なニーズがあるということを言及いただいたところでございますが、これまで、ベビーシッターは夜のお仕事支援ではないんですという御説明を私も現場でいただいたことがあるのですが、そこには若干スティグマがあるのではないかと感じたこともございます。具体的に申し上げると、海外の企業にお勤めで、夜12時から大事な世界的な会議がある、こうした方もいらっしゃいます。

 どんな時間にどのニーズがあるかというところは、スティグマにおいては一度置いておいて、その方にどんな支援ができるかということを私どもはチーム一丸となって考えていきたいと思っております。もしベビーシッターが使えない10時以降であれば、ショートステイの家庭は、お住まいの近隣に何件あって、そこはどのぐらいの方が稼働しているのか、こういった代わる支援を考えなくては、その方々は僅かな時間でも働いたり安心することができないということに寄り添う必要があると思っておりますので、保護者の働き方の多様化については、今後また違う機会に議論を深めたいと思います。

 そして、今回、中央区こども計画に関しては、重要な点として、ここは国で示されたところですが、青少年の活動との連携を強めていくというところが私どもにおいても重要だと思っております。子ども・子育て会議でも、正直、重点事業として弱いのではないかという意見もございました。子供たちが地域の担い手として力を発揮していく機会の創造については、防災訓練やお祭りの参加など、既に議会でも意義についてたくさん教えていただいたところでございます。重点事業の1つ目に掲げられているのが少年リーダーの養成でございます。今回、定員を拡大していくという方向性について示されているのですが、近年の募集状況で定員は埋まっているのかという点について確認をさせてください。今回、資料の中では103で頂いたところでもございます。

 そして、もう一点です。資料88でも頂いておりますが、青少年地区委員会への支援の在り方について、今、どのように捉えていらっしゃるか。

 この2点、お願いします。

○森下文化・生涯学習課長
 まず、委員に御指摘をいただいた少年リーダーの件でございます。

 少年リーダー養成研修を行っておりますが、5年度実施に当たりましては、お申込みが74名で、実際の参加が60名という状況でございます。定員は八十何名というところまで参加できる状況にありますので、今のところ、まだ埋まり切ってはいないという状況でございます。

 もう一点、青少年対策地区委員会への支援の在り方ということでございます。

 まず、ともかく私どもの認識といたしまして、青少年の健全育成に向けて、青少年対策地区委員会の役割というのは大変重要なものということで認識しております。青少年をめぐる社会環境の浄化ですとか、青少年の健全育成につながる様々なイベントなど、子供たちが健やかに成長し、また、子供たちの笑顔を見るために、日頃、懸命に活動していただいていると認識しているところでございます。

 青少年対策地区委員会への支援の考え方でございますが、支援に当たって、それぞれの地区で、当然、特色が違いますので、まず根本的にお子さんたちの数というのは、そこに住んでいるお子さんの数とかは違うところではございますが、現状、その支援に当たっては、児童数の多いとか少ないということではなくて、地区委員会の活動実績ですとか、また、その活動の計画など、各地区の状況をお聞きしながら、助成金による支援に努めているところでございます。

 以上でございます。

○高橋(ま)委員
 ありがとうございます。定員には満たなかったが、参加応募は74名あったということを伺いました。

 今回のこども計画の中でも、今後の計画として、定員を増やし、そして、その定員の9割を超える参加者数を目指すということが書かれているのですが、人数のみならず、どういった活動ができるかということの広報であるとか、また、参加したいと思えるような子供たちの動機とか、そういったところにコミットする必要もあるのではないかということで、今回、取り上げさせていただきました。青少年の協議会においても、活躍の場に限りがあるというような意見もございましたし、また、子ども・子育て会議でも、これが目標にかなうツールの一つなのかという意見もありましたので、青少年の活動の機会、また計画については、どういったものがなじむかというところを引き続き質問してまいりたいと思います。本日はここの確認までとなりますが、ありがとうございました。

 ここまで、官民連携や区民をはじめとする皆様とのコミュニケーションについて質問をお伝えしてきました。地域の課題改善や地域力の向上のためには、民間連携も必要不可欠であると考えます。一例ではございますが、渋谷区では、そのハブ、コーディネート機能を果たす一般社団法人渋谷未来デザインがございます。視察をしてまいりました。防災フェスや渋谷区全体を運動場にするプロジェクトといった、楽しみながら、地域の人だけで改善が難しい課題に企業や団体とともにアプローチし、成果を上げているということでした。特に、防災フェスは物すごい人数で盛り上がり、そして楽しさが満載といったイベントになっていました。このような区政全般における民間連携のハブ機能の必要性については、中央区はどのようなお考えをお持ちでいらっしゃるかお聞かせください。

 ここまで取り上げてきましたように、部や課を超えた地域課題における民間連携というのは、非常に難しい問題だと思っております。民間の方々もこうしたことができるというお力を持っていても、どこの誰に言っていいのか分からない、中央区に実際住んでいて働かれていて、こんなことを改善したいけれども、誰に言ったらいいんだろうかというところで止まっているという御意見も非常に多く聞くところでございます。窓口、そして運用、運営、そして相談については、どのように考えているかというところをお聞かせいただきたいと思います。

 もう一点、質問を先に進めます。

 路上等の受動喫煙、放置自転車、そして道路で修繕が必要な箇所のことなど、中央区で過ごす皆様が日常的に感じていることを中央区に伝えていただくということは、中央区にとっても非常に重要な知るべき内容であると思っております。そのコミュニケーションがどうであるかということは、より深く議論されるべきことだと考えております。まず、この3点について、区民個人の意見をどのように受け、集約しているのか、現状の確認をさせてください。お願いします。

○石戸政策企画課長(参事)
 私のほうからは、民間との連携ということでお答えをさせていただきます。

 現在、行政課題が多様化、複雑化する中で、やはり行政のみでは解決困難な場合も増加しているところでございます。そうした中で、質の高い行政サービスを提供するためには、やはり多様な主体との協働や連携の重要性がますます高まっているというふうに認識しているところでございます。本区では、これまで企業における社会貢献活動の連携機運とか、包括協定等の中で民間連携を積極的に進めまして、従来の枠にとらわれない形での課題解決に取り組んでいるところでございます。

 今、お問合せがあった相談窓口等でございます。やはり行政課題は様々なところに該当するかと思いますので、一義的には企画部のほうで一旦窓口として承りまして、その内容を踏まえながら、各担当所管課のほうに案内、協力していくような体制を取っているところでございます。

 以上でございます。

○清水広報課長
 区民の個人の意見をどのように捉えているかという部分でございます。

 区民の皆様からの御意見に関しては、区長への手紙ということで、Eメールなど、また、お手紙などで頂戴しているところでございます。内容に関しましては、各担当部署でしっかり検討してお答えをしている状況でございます。

 以上でございます。

○金広道路課長
 私からは、道路を含めた区民からのお問合せについて答弁させていただきます。

 環境土木部として様々所管している中で、道路であれば道路の損傷、あとは委員のほうから御紹介がありました放置自転車など、そういった区民からのお声については、基本的には電話での受付をしております。また、東京都であったり、あるいは警察、そういったところから情報が来た際には、その都度、各所管のほうで対応させていただいているところでございます。

 以上でございます。

○高橋(ま)委員
 それぞれにありがとうございました。

 まず、伺いました道路等については、電話で受付をされているということでございましたが、そういったことを知った場合にどこに電話したらいいかを何で知ったらいいか確認したいと思っておりました。区民の方が、危ないとか、異常に気づいたときには、どのように電話番号を知ることができているのか分からなかったという点です。これは区民の方々からも、そういうものはどうしたらいいんだという御質問として伺っています。どのように公表し、その窓口は区民とつながるコミュニケーションを取っていただいているかという点を確認したく思っておりましたので、この点を1点伺います。

 また、区長への手紙についても御説明いただきまして、きちんと対応していると伺ったところでございますが、ひな形回答が気になるということもいただいているところです。個別には一件ずつ丁寧にお返しいただいているのですが、一覧で上がって自分と同じ意見がかつてどのように回答されていたんだろうかということを調べたときに、ひな形のように見えるということのようです。ここについては、丁寧にコミュニケーションを一件ずつ取っていただいているということを承知しておりますので、そのコミュニケーションの過程が見えることで安心することもあると思います。貴重な一件ずつの区長への手紙の対応については、ひな形と言われない、皆さんが日頃丁寧に行っていただいていることが伝わるといいと思って、お伝えをさせていただきました。

 まず、電話受付のコミュニケーションについて確認をさせてください。お願いします。

○金広道路課長
 区民からのお問合せ先というところでございますが、基本的にはホームページから問合せ先をお調べいただいて、そこにおかけいただくというところが基本になっておりますが、公園などでは看板に連絡先が書いてあったり、あるいは道路上の工事ですと、工事看板にお問合せ先ということで連絡先が載っている場合もございますので、そこに看板がある場合とかについては、そこでお調べいただければというふうに思います。

 以上でございます。

○高橋(ま)委員
 ありがとうございます。

 ホームページでたどり着けるかという不安もございまして伺いましたし、私ども会派からは、通報のようなシステムとか、そういったツールが必要ではないかということをこれまでも議論させていただいたところでございます。今すぐ何か教えてあげたいという温かい気持ちで区に対して御意見を持ってくださった方に、ホームページを見て、何課の、道路課かなというところが、きちんとたどり着いていただけるか、そしてお電話をいただけるのかというところに不安を感じるところでもございます。

 ここについては、より区民がこちらにコミュニケーションを取ろうとしてくださっている意図を酌み、いかにレスポンスできるかということについては、また会派としても話し合い、要望させていただきたいと思っています。このような日常で感じることを伝える機会がないとか、分からない、表現する場がない、結果として改善しないとか、改善をしないと感じるという循環については、区や区民をはじめ、応答する方々との信頼関係に非常に大きく影響しているものなのだなと、皆様の声を伺って感じているところでもございまして、取り上げたところでございます。

 同様に、子供たちのコミュニケーションについても伺いたいと思います。

 さきの中央区こども計画の子供たちへのアンケートについて、中央区に対して意見を伝えやすい方法というのが質問としてございまして、この中で最も回答が多かったのがタブレットやパソコンを使った方法で、これはやはり断トツのトップでございました。しかし、これまで中央区からの御答弁によりますと、子供たちの意見は児童館の箱で受け取っているとか、職員の方々が聞き取りをしているという御説明をいただいたところでございます。こうした方法は、子供たちが伝えやすいと思う方法と合致していないのではないかというところが、このアンケートを見て気になったところです。こうしたアンケート結果は、全庁的に共有し、子供たちの意見を反映させる仕組みとして、ツール自体、窓口を正しく整備することが重要だと捉えております。

 参考に、さきの質問ですが、小学生の回答で、パソコンとタブレットについては41%、何らかの箱のようなものから受け取るというものは16%、身近な大人に話すというのは4%、区の人に会って伝えるというのは3%でございました。そして、残念ながら、伝えたいと思わないというのが20%あったところでございます。子供たちとの信頼関係を取り戻し、まずは伝えたいと思ってもらえたらというふうに思いますし、そうしないと意見は聞けないんだということが、この数字から分かったところでございます。

 こども基本法にふさわしい中央区政の運営を全庁的に徹底するためには、中央区はこうした子供の意見をどのように聞き、全庁的な体制として整備し、体制を取っていくのかというところで、子どもの権利条例制定は考えていないということをこれまで伺いましたので、その中では具体的なプロセスをどう踏むと考えていらっしゃるのか、この子供のアンケートに基づき、御意見を伺いたいと思います。お願いします。

○古賀子育て支援課長
 子供の意見の取り方、聞き方についてでございます。

 計画を策定する中で考えたところといたしましては、国のほうからも示されているんですが、意見の取り方というのは、事業の状況ですとか、その事業の実施のプロセスですとか、評価ですとか、いろいろな場面場面があって、一概にこうすればいいですという正解はなくて、各実態に即して広角的にやっていくべきだというふうに記載されているものと私どもとしては認識しております。そういった意味でいいますと、今回、計画の策定の段階におきまして、学校の協力も得ながら、タブレットを使ってアンケートをさせていただきました。それから、高校生世代の子供たちには、はがきをお送りして、そこから二次元コードでアクセスしていただいて回答していたという意味でいうと、ツールとしてネット環境を使ってということが効果的にその部分ではできたと思いますし、委員が御指摘のとおり、意見を出す手法としては、そういったやり方がなじんでいるのだろうと感じたところです。

 実際、事業の実施段階というところになりますと、これは会議でも会長の先生がおっしゃっていますけれども、やはりふだんから接している職員が信頼関係の中で子供の様子を見取りながら、そこで声かけをしたり、信頼関係の中で意見を取るというのが、また効果的だという御意見もございます。さらに、評価という段階になれば、この後、この計画が5年後の改定を迎える時期には、アンケート調査を取っていく中では、今回使ったような手法、ただ、回収率が低かったところもありますので、その辺は工夫が必要だと思いますけれども、そういった点で子供の意見を聞く方法と、回答しやすい場面といいますか、促し方は工夫をしながらと思いますが、冒頭に申し上げたとおり、各事業の中で様々な場面で適切に子供の意見が反映される、リアルで集まって意見を取っていく場合もありますでしょうし、今回の計画のようなやり方もあると思いますので、それぞれの事業実態に即して適切な手法を取るということで、何か一つの窓口にまとめてそれをやるということではなくて、それぞれのやり方、進め方を工夫していければいいと思っております。

 以上でございます。

○高橋(ま)委員
 ありがとうございます。

 おっしゃいました総合窓口というのは、多分私が事例でも取り上げました一例ですが、小金井市の子どもオンブズパーソンとか、そういった特定の窓口を設置する意図はないということをおっしゃっているのかと思い、受け止めました。

 一方で、今、御丁寧に説明をいただきましたが、このように聞きますと、どなたでも、そういった対応が望ましいんだということ、また、会議の中でも会長も丁寧に発信されていましたので、そこを聞いた方は皆さん共有できていると思うんですが、全ての職員の皆様にその考え方が徹底されるかということで申し上げると、やはり子どもの権利条例の制定や理念を明確にしていない中、このこども計画の理念をもって、自分も当事者だ、そのような取組が必要だと思えるのかというところについて、このたびは取り上げさせていただいたところでもございます。誰でも分かるような理念の共有があって、そのような丁寧なお取組が徹底されるということにつながると思いますので、私どもは重点でも申し上げたように、中央区子どもの権利条例の制定が望ましいと考えますし、協議会や検討会は1年など時間がかかるものです。より早いスタートラインに立ち、その目的を共有し始めるということで、より早く着手されるということを要望したいと思います。

 今、おっしゃいました、まさに日頃の信頼関係が効果的というところは、私がこれまで区民をはじめとする皆様と中央区とのコミュニケーションということで質問してきた経緯でございます。こうした皆様と中央区との信頼関係を深めるという点については、昨日紹介いたしましたウェルビーイング、心理的安全性をもって一人一人が安心して意見を言える状態とすることで、そのチームの総合力が結果として上がるという考えがございます。こちらに沿うと、中央区と中央区民をはじめとする皆様は、このウェルビーイングの関係性にあることで、自発的、自律的なコミュニティがより活性化していくものと予測されます。これこそが、まさに中央区が基本構想で目指すプロアクティブ・コミュニティにほかならないということでございます。区内外に対してオープンな情報公開があり、信頼関係が構築され、ウェルビーイングなコミュニケーションが成熟していくことで地域力が自然と上がり、その好循環がさらなる高まりにつながっていくというシステムが私たちが目指すべき方向性であると思いますし、会派かがやき中央からの要望書の6点の重点は、こうした意図を持っていると捉えております。

 ここで、区長に質問をさせていただきます。

 こうした区民との信頼関係をより深めることを目指すことについての区長のお考えをお聞かせください。とりわけ、さきも御紹介がございましたように、区長への手紙全てに目を通していただき、その思いを直接受け取っていただいていると伺いました。信じるから伝えてくれる、その気持ちに真摯に向き合っていただく中で、どのように区民を信じているんだというメッセージをお伝えいただけるのか、お願いします。

○山本区長
 一どきにお答えのできる質問でもないと思いましたけれども、感じるところでお話を申し上げたいと思います。

 区民を信じているかどうかということについては、基本的には、町会という単位がございます。今、中央区の中に175町会と自治会があります。なるべく丹念に足を運ぶことによって、そこの方々と真摯に向き合うというか、親しく向き合いながら、いろいろな話合いをしてくるということで、私自身のコンセプトとしては、区民を信じておりますし、また区民からも信頼されているというふうに感じます。だから、区長が来たから何か言おうじゃないかという、何となくにじむような気持ちを感じるところもあります。そういうことがあったときに、それを区内に伝えなければいけないという使命を私は負いますので、それは丹念にやっているつもりではありますけれども、具体的な政策として全てにそれが反映され切っているのかというふうに考えると、若干じくじたるところはあるということでありますが、これについては努力を続けているということでお答えをしたいし、区民を信頼しているのは、町会の活動からひたひたと感じるところ、また私が感じさせていただいている、こういうことのように思います。

 あと、区長への手紙は、実際には担当の現場で答えておりますけれども、私は、目を通させていただいておりまして、そのことについて、もう少し一歩突っ込んだらどうだというようなときには、その部門のほうに連絡を取りつつ、そのことについて、より一層強化をした形で踏み込んでいくというようなことで、私の考えを申し述べているということもございます。これも十分かどうかというと、じくじたるところもございますけれども、そんな点で、真摯に向き合う、それから、そういうことに対して寄り添いながら、何とかできないかという視点でそのものを感じながら、なるたけ対応していくというふうに日頃応じておりますので、そのようなことを申し上げたいと思います。

 終わります。

○高橋(ま)委員
 温かいメッセージも含めて、ありがとうございました。

 日頃からというところは非常に重要だと思いましたし、心強く思いました。そしてまた、区長を通じて皆様にそうした連携を取っていただけているということも心強く思っております。親しく寄り添ってくださり、その中で何とかできないかという、私もまさに寄り添いと何とかできないかというところで自分自身も葛藤する思いもございますし、できる限りの何とかしたいという思いを皆様と共有して、区民の皆様と信頼関係を深めたいという思いで質問したところでございました。

 中央区側としての考えを理解していただくという、ある種の制限であったり、約束事もあるとは思いますが、できる限り寄り添いたいというところを、区長をはじめ、皆様と一緒に信頼関係を深めたいと思ったところでございます。中央区基本構想では、中央区はこれらの時代の変化に合わせ、新たな基本構想を策定することにより、地域の人々や企業、ボランティア等とともに、誰もが安心して生き生きと活躍できる活力ある地域社会の発展を目指していくとされております。まさに、区長のおっしゃったことを基に、信頼関係を深めることで構想のビジョンに近づくものと捉えております。

 区民をはじめとする皆様が求める方法で調べ、アクティブなアプローチを受け取り、それをフィードバックしていくという循環こそが、私ども会派が求める情報公開やDXであり、私どもの政策要望の重点6点を軸にしました区政運営を要望しまして、かがやき中央からの総括質問を終わりといたします。ありがとうございました。

○海老原委員
 ただいま総括質疑の質疑半ばではありますが、本日はこの程度とし、明10日午前10時に委員会を開会されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○竹内委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹内委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 明10日午前10時に委員会を開会いたしますので、御参集願います。

 本日はこれをもって散会いたします。

 お疲れさまでした。

(午後2時52分 散会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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