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令和6年 決算特別委員会(第11日 10月11日)

1.開会日時

令和6年10月11日(金)

午前10時   開会

午後1時59分 散会

2.開会場所

第一委員会室

3.出席者

(16人)

委員長 竹内 幸美

副委員長 田中 広一

委員 原田 賢一

委員 塚田 秀伸

委員 海老原 崇智

委員 太田 太

委員 青木 かの

委員 高橋 まきこ

委員 ほづみ ゆうき

委員 山本 理恵

委員 小栗 智恵子

委員 梶谷 優香

委員 上田 かずき

委員 白須 夏

議長 瓜生 正高

副議長 礒野 忠

4.説明員

別紙理事者一覧のとおり

5.議会局職員

伊藤議会局長

長塚庶務係長

小倉議事係長

佐藤調査係長

後藤書記

鳴子書記

林書記

坂和書記

6.議題

  • 議案第88号 令和5年度中央区各会計歳入歳出決算の認定について

(午前10時 開会)

○竹内委員長
 おはようございます。ただいまより本日の委員会を開会いたします。よろしくお願いいたします。

 総括質疑について、質問者の発言を願います。

○梶谷委員
 おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。順々に質問をしていきたいと思います。

 初めに、令和5年度継続事業、280メガヘルツ帯域を活用した緊急告知ラジオの有償頒布についてお伺いをします。

 昨年からの継続事業ということで、令和4年度決算特別委員会でも確認をさせていただきましたが、令和5年度予算として7,675万7千円が計上されております。決算書204ページ、2、基盤整備・緊急情報発信事業、(3)の緊急情報の発信で7,797万468円となっており、この中に今回の継続事業も含まれていると思います。本事業の決算額、そして執行率についてお聞かせください。あわせて、頒布開始以降の頒布状況についても確認をさせてください。

○菅沼防災危機管理課長
 緊急情報の発信の項目でございます。

 今、委員からお話がありましたとおり、280メガヘルツ帯域を活用した緊急告知ラジオの部分については、この7,797万円余の金額の中にラジオの有償頒布事業が含まれています。

 その上で、当該事業につきましては、3つの費目になってございます。まず、1つ目としましては、緊急告知ラジオの購入代です。1台当たりの単価2万1,450円掛ける3,000台を昨年度購入してございまして、予算額6,435万円に対して決算額も同様で執行率100%でございます。2つ目としては、緊急告知ラジオの保守委託料として予算額810万円余の部分で、こちらも決算額が同額で執行率が100%、最後、3つ目がラジオの頒布業務委託を昨年度かけていまして、予算額430万円余、決算額が300万円余、執行率が69.7%ということで、こちらは契約差金による差額になってございます。したがいまして、委員から御質問あった緊急告知ラジオの頒布事業全体としましては、予算額7,675万円余に対して決算額として7,545万円、執行率としては98.3%となってございます。

 それから、今、御質問のあったのが頒布開始以降の頒布状況です。

 まず、280メガヘルツ帯域のラジオの頒布を開始したのが、一昨年、令和4年4月1日からでございまして、その当初、世界的な半導体不足によりまして、ラジオそのものの台数確保に苦慮したところが1点ございます。したがいまして、当初の頒布台数が一定程度抑えられてしまったことから、令和4年度の当初については、4月、5月と、それからもう一回、7月、8月と頒布交換会という形での対応とさせていただいてございます。頒布当初の上半期は相当な反響もございまして、結果として、令和4年度は交換、頒布を含めまして、合計で2,937台の頒布実績となってございます。また、昨年度は、毎月30台から40台の頒布実績を重ねてございまして、多い月で80台から100台を超える月もございましたけれども、超えて伸びる月というのは、やはり地震があったり、あるいは台風シーズンに入ったりという部分での実績だと我々は受け止めてございます。合計としては、令和5年度は大幅に落ちまして485台、つまり4年度、5年度合計で3,422台となってございます。

 参考としまして、今年度は4月から8月までで合計199台の実績となってございまして、昨年の4月から8月の5か月分と比較すると、85台増加しているという状況でございます。

 以上でございます。

○梶谷委員
 この事業に対する決算額が7,545万円で、執行率が98.3%ということで理解をいたしました。頒布状況についても、旧型ラジオからの交換も含めて、令和4年度と比較すると令和5年度は落ちておりますが、でも、今年度また増えているということで、頒布実績を伸ばしているということで理解をいたしました。

 本年度は多くの区民を迎えましたが、新しい区民への周知を含む現在の周知の状況も踏まえて、今後の取組についても御見解をお聞かせください。

○菅沼防災危機管理課長
 緊急告知ラジオの周知についてです。

 今、委員からも新しい区民への周知ということがございましたけれども、まず、緊急告知ラジオの周知につきましては、新しく区民になられた方、つまり転入された際のお話でございますが、わたしの便利帳に緊急告知ラジオのチラシを差し込み、個別に配布し、周知を図っているところでございます。また、区のおしらせには年2回、それから日頃から区ホームページへの掲載をしてございます。そのほか、我々防災危機管理課の職員が町会等に出向いて防災講座とか防災の勉強会を逐次してございまして、そういった機会を通じてとか、あるいはこれは年1回ですけれども、総合防災訓練時に展示ブースを設けながら、その周知を図っているところでございます。

 この緊急告知ラジオは、やはり有事の際の災害情報を取得する有効なツールの一つだというふうに認識してございますので、引き続き、本当に様々な機会を通じながら区民皆様方に周知を図っていきたい、そのように考えているところでございます。

 以上です。

○梶谷委員
 本事業は、周知が大変重要になってくると思います。総合防災訓練等の様々な機会を通じて、より多くの区民への積極的な周知、さらなる普及をお願いしたいと思います。

 次に、先ほどと同じ決算書204ページ、2、基盤整備・緊急情報の発信事業の中にある防災無線等の管理についてお伺いをします。

 令和5年度予算として9,573万7千円が計上され、決算額は7,572万8,386円となりました。本事業の執行率、そして執行残が生まれた理由について確認をさせてください。あわせて、本事業の現状、そして今後の取組についても御見解をお聞かせください。

○小森地域防災担当課長
 防災無線等の管理についての執行率等についてでございます。

 本事業につきましては、当初予算から一部、防犯カメラの助成金のほうに187万6,000円を流用していることもございまして、当初予算に対する執行率ではなく、流用後の予算に対する執行率ということで80.9%となっております。

 そして、執行残が生まれた理由でございますけれども、こちらは無線の設置ということで、施設側との調整がいろいろございます。そうした中で、実際に施設の改修工事に伴って設置をしたりということもあるんですが、この改修工事が予定していた時期より延期になったり、ほかには、設置を予定していた施設とのその後の調整により設置に至らなかったケースがございまして、執行残が発生したものでございます。

 こちらの今後の取組についてでございますけれども、例えば防災行政無線につきましては、これは災害時に適切に情報を発信していくことを目的として設置しております。防災行政無線を通じた情報により、即時に避難情報等を発信していく体制を区では整備しているところでございます。この音声情報が区内の各所にしっかり行き渡るよう、面的な整備拡大を進めているところでございます。今後も、開発等の機会を捉えて、適切な維持管理、整備に努めていくというふうに考えております。

 もう一つ、地域防災無線でございます。

 こちらは、災害時に通信手段が途絶した状況においても、防災関係機関との情報連絡、施設における現況を早く把握するために設置しているものでございます。当然、災害時にも確実に使用できるよう、こちらも引き続き適切な維持管理を図るとともに、関係機関や施設への整備を進めていくというふうに考えております。

 以上でございます。

○梶谷委員
 予算額が年度途中で変更となったため、その金額に対する執行率が80.9%ということで理解をいたしました。

 晴海西小・中学校の開校、そして晴海区民センターの開設もあり、新たに地域防災無線や防災行政無線を配備していただきました。災害時に情報通信機能を確保し、適切な維持管理を図るとともに、今後も区民の理解促進へのお取組を引き続きお願いしたいと思います。

 行政評価の中で、災害情報一斉システムについて、防災行政無線等の新たなツールとの連携を引き続き研究とありますが、具体的にどのようなツールなのか、研究状況について詳しくお聞かせいただけますでしょうか。

○菅沼防災危機管理課長
 災害情報一斉送信システムの新たなツールとの連携と検討状況でございます。

 御案内のとおり、災害情報一斉送信システムにつきましては、令和2年7月から運用を開始してございます。運用当初は、安全・安心メール、エックス、それからフェイスブック、防災マップアプリという伝達ツールを一括して自動あるいは手動で送るシステムの構築をして運用というところでございました。その後、現状運用しているLINEとか、ホームページを加えながら連携充実を図ってございまして、その運用をしているというところでございます。

 御質問がございました新たなツールの連携という部分でいいますと、さきの一般質問の答弁でもありましたけれども、区では、現状、総合防災システムの導入を検討してございます。この総合防災システムというのは、国あるいは都が運用している監視システムあるいは気象情報と直接結びつきを持つ。さらには、例えば警察、消防などの防災機関との情報連携を持つ。さらに、防災拠点とか、災害現場と区の災害対策本部をつなぐというシステムを検討しているところでございます。本システムの導入によりまして、正確な状況把握はもちろんですけれども、より速やかに区民への情報伝達とか、大きい話として、庁内で全庁的に災対本部を立ち上げて、例えば地図情報を見て一目瞭然とか、そういった環境を生み出したい、つくりたいというところの検討をしているところでございます。

 このシステム導入には、当然のことながら、システムの構築そのものに一定の時間を要しますので、これからそのあたりを詰めていかなければいけないですけれども、現行の災害情報一斉システムとの親和性とか、あるいは情報収集の機能面とか、通信の機能面を含めまして、あらゆる面で強靱化を図りたいという観点もございます。我々区の防災力の強化に努めていくシステムだと思ってございますので、検討を深めていきたい、そのように考えているところでございます。

 以上です。

○梶谷委員
 行政評価の中でも記載がありますが、災害時に確実に情報通信機器が機能するよう、維持管理の徹底をお願いするとともに、情報収集、通信機能の多重化・強靱化に向けて、引き続きお取組をお願いしたいと思います。

 次に、令和5年度新規事業の家庭用消火器の設置促進についてお伺いをします。

 家庭における消火器の設置及び適切な維持を促進し、自助の取組を強化するため、令和5年度予算として217万3千円が計上されました。この新規事業の決算額は、決算書のどの項目に含まれるのか教えてください。そして、家庭用消火器の設置促進に対する決算額、そして執行率も併せて教えてください。

○小森地域防災担当課長
 家庭用消火器の設置促進についてでございます。

 こちらの決算額は106万5,882円になりますが、こちらにつきましては、決算書の206ページ、5の(4)防災対策の普及・啓発、決算額557万3,902円に含まれております。そして、こちらの事業の執行率は49.1%になっております。

 以上です。

○梶谷委員
 決算書の防災対策の普及啓発に含まれており、決算額106万5,882円、執行率49.1%ということで理解をいたしました。

 本事業は、家庭用消火器を特別価格であっせんする事業として、令和5年9月から10月の期間を設けて行われましたが、本事業の実績、そして今後へのお取組についても御見解をお聞かせください。

○小森地域防災担当課長
 こちらの実績等についてでございます。

 こちらの事業は、令和5年度から開始しておりまして、令和5年度は2か月の申込み期間を設定いたしました。令和5年度の実績が260台でありましたところ、令和6年度につきましては、少し実施期間を広げようということで3か月で実施しました。速報値ですけれども、現在、448台ということで、前年を大きく上回る申込みをいただいたところでございます。

 今後の取組についてでございますけれども、まずは、消火器というのは使用期限がございます。そういう意味で、買換え等の需要というのは常に一定数存在するということを考えますと、古い消火器の回収まで行うという事業でございます。そういう事業でございますので、なかなか量販店等に買いに行くことが難しいような方にも非常に使いやすい事業というふうに考えております。あわせて、マンション単位でのお申込みというのも受け付けるという取組を行ってございまして、事業の利便性を高める工夫を取り入れているところでございます。そうしたことから、初期消火における自助の促進を図る取組の一つとして、今後も引き続き実施していきたいというふうに考えております。

 以上です。

○梶谷委員
 本年度は昨年よりも台数が増えたということで、現在の状況についても理解をいたしました。

 企画費・総務費の質疑の中でも自助の取組についてお話がありましたが、今後もさらに自助の促進をより強化する取組を今後も引き続き御尽力をお願いしたいと思います。

 次に、決算書204ページ、防災訓練事業の中にある令和5年度の充実事業、防災拠点運営委員会訓練についてお伺いをします。

 地域防災の要である防災拠点の運営体制の強化に加え、区民等の防災意識の高揚や防災を通じた地域コミュニティの醸成を図るため、防災教育の一環として、中学生が防災拠点運営委員会訓練に参加する新たな取組に着手するとともに、子供が楽しみながら防災を学べる場や幅広い世代が興味を持ち、参加意欲が高まる訓練を取り入れるため、令和5年度予算として1,440万円が計上され、決算額は1,184万3,230円となりました。本事業に関しては、企画費・総務費の質疑の中でも多く触れられておりましたので、私からは、本事業の執行率、そして執行残が生まれた理由について確認をさせてください。

○小森地域防災担当課長
 防災拠点運営訓練についての執行率等についてでございます。

 執行率は82.2%になっております。執行残が生まれた理由でございますが、例えば多世代型訓練、幅広い世代が参加できる訓練を防災拠点訓練で、現在、取り入れておりますけれども、令和5年度につきまして、14拠点で開催したのですが、開催した全ての拠点で消防署の協力を得られることができました。そうしたことで、消防署において、例えば煙体験ハウスでありますとか、消火体験コーナー、消火器、初期消火のコーナー、こういうものを担当していただくことによって、事業者のほうにこういうコーナーをお願いする委託料を計上していたところですが、こちらの執行が必要なくなったというところがございます。もう一つは、拠点委員会との協議の中で一部の防災拠点訓練が平日の開催ということになったということで、これに絡めて報償費等が減になったということが主な理由としてございます。

 以上です。

○梶谷委員
 執行率82.2%、執行残の理由についても確認をいたしました。

 先週の土曜日に、私の地元である佃中学校でも防災拠点訓練が行われました。教育費の質疑の中で、指導室長から、防災拠点運営委員会訓練に参加する中学生についてもお話がありました。小学校1年生の長男も参加をしたんですけれども、雨だったこともあって、子供の参加が昨年に比べて少なく、長男の不安そうな様子を見て、中学生が声をかけてくれて、常に気にかけてくれました。中学生の皆さんのおかげで、私も息子も有意義な時間を過ごすことができました。引き続き、教育委員会と連携をして、防災教育に力を入れていただきたいと思います。

 次に、決算書204ページ、地域特性に応じた防災対策の推進事業の中にある高層住宅防災対策についてお伺いをします。

 令和5年度予算として1,908万9千円が計上されており、決算額は1,416万4,225円となりました。本事業に関しても、企画費・総務費の質疑でも多く触れられておりましたので、私からは、本事業の執行率、そして執行残が生まれた理由について確認をさせてください。

○小森地域防災担当課長
 高層住宅防災対策の執行率等についてでございます。

 こちらの執行率は74.2%となっております。執行残が生まれた理由ということでございますけれども、1つ目は、まず、マンション防災における震災時活動マニュアル策定の手引きを令和5年度に作成しました。5,000部作成したのですが、予定していた単価748円に対して、実績の単価が538円になったということで、こちらの単価分の減少によるもの115万円相当が、まずは執行残として発生しております。あわせて、優良マンションに対する資器材の供与の契約の実績が想定より下回ったというところ、そして訓練経費の助成、1団体当たり5万円を上限に助成させていただいておりますけれども、こちらの訓練経費、訓練団体数は多かったのですが、その上限に達しない範囲で訓練をされたマンションが多かったというところが主な不用額の理由でございます。

 以上です。

○梶谷委員
 執行率74.2%、執行残の理由についても確認をいたしました。

 防災対策優良マンションの増加に向けて、引き続き小中規模のマンションにも普及啓発を積極的に行っていただくとともに、災害に強いマンションづくりを進め、さらなる強化に向けて、引き続き御尽力をお願いしたいと思います。

 次に、令和5年度新規に当たる事業の一つ、脊柱側弯症検査の導入についてお伺いをします。

 児童・生徒における脊柱側弯症の早期発見を図るため、定期健康診断に加え、脊柱側弯症検診を新たに実施する事業で、令和5年度予算として363万円が計上されました。この事業の決算額は、決算書のどの項目に含まれるのか教えてください。そして、この脊柱側弯症検査の導入に対する決算額、執行率も併せて教えてください。そして、検査導入後の状況についても、併せてお聞かせいただければと思います。

○鷲頭学務課長
 脊柱側弯症につきましては、事業といたしまして、小学校5年生と中学校1年生の全児童・生徒に対して実施したものでございます。検査といたしまして、1次と2次という形で2回に分けて、1次検査で、さらに検査をという方々に対しては2次検査ということで、その意味で申しますと、決算書の300ページの1、小学校管理事業の(8)小学校保健と、303ページにございます3、中学校管理事業の(4)中学校保健の中に、それぞれ小学校分、中学校分が分かれて決算として計上されている状況でございます。

 そうした中で、事業単体ということでまとめてお答えいたしますと、予算現額が約362万8千円となりますので、それに対しての決算額は325万5,450円でございました。そのため、執行率としては89.7%ということになっております。

 検査導入後の状況といたしましては、小学校で要治療とされた児童が1名、中学校では生徒2名が要治療となっております。こうした結果自体は、これまで学校医が視触診として行ってきた結果と大きく変わるところではないですけれども、今回については、機械を使用しておりますので、検査精度が上がりましたことから、要観察とされた児童が8名、生徒が6名おりまして、次年度の再検査とされた児童が6名、生徒が4名おります。要治療までいかずとも、要観察とされた子供を早期に拾い上げることができまして、子供たちに対して、生活習慣を含めました正しい姿勢や姿勢の見直し、また、そういった部分の気づきにつなげることができましたのは、児童・生徒の健やかな成長に鑑みますと、一定の成果を上げられたのではないかと考えているところでございます。

 以上でございます。

○梶谷委員
 決算書の小学校保健と中学校保健にそれぞれ計上されており、執行率89.7%ということで理解をいたしました。

 これまで学校医が行っていた検査に比べて大きく結果は変わっていないものの、早期に要観察の生徒たちを早期に発見でき、気づきにつなげることができたことはよかったと思います。今後も引き続き、お取組をお願いしたいと思います。

 次に、令和3年から令和4年と決算特別委員会でも質問をさせていただきましたが、例年に引き続き、多様な集団活動等利用支援事業について質問をさせていただきます。

 本事業は、令和3年度では執行率が16.1%、令和4年度では執行率が18.0%でした。令和5年度予算として1,560万円が計上され、決算額は577万6,000円となりました。本事業開始の令和3年度からの区へ申請があった施設数、そして給付を受けている方の推移について教えてください。

○鷲頭学務課長
 多様な集団活動等利用支援事業についてですけれども、本事業については、令和5年度において他事業への予算流用を行っておりますので、予算現額としては846万7千円となっております。ですので、そちらと比較しますと、執行率は68.2%の状況でございます。

 こちらの対象施設ということでございますけれども、これは区に申請があった施設ということで拝察いたしまして、受給者数と併せてお答えいたしますと、令和3年度が10施設50人、令和4年度は9施設53人、令和5年度は対象施設の入替えがありましたけれども、全体としては9施設35人となっております。

 対象施設数については大きく変化しているところではございませんけれども、決算額の推移で見た際に令和5年度が下がっております理由としましては、延べ支給月数が、令和3年度の482月と令和4年度の460月から、令和5年度は291月と大きく減少したところでございます。これについては、我々が拝見している限りですと、インターナショナルスクール系のキンダーガーデンの在籍者の方々への支給月数が大きく減少していることによるものであると認識しております。こういった動向が一過性のものであるのか、もしくは今後のトレンドとなるのかを含め、こちらの事業については注視してまいりたいと存じます。

 以上でございます。

○梶谷委員
 施設数については横ばいですけれども、受給者、そして支給月数も減少したということで理解をいたしました。今回の減少の理由について分析していただくとともに、今後も注視していただきたいと思います。

 昨年も、この事業については制度上の課題が大きいと私も認識をしていて、お話をさせていただきました。どんなに本区が予算を取ってこの事業を活用してほしいと思っていても、多様な集団活動などを行う事業者が対象施設等として本区に申請をして決定を受けなければ何も始まりません。令和4年度の決算でも、保護者の方向けに幾ら通知をしても、施設側から手が挙がってこないと功をなさない事業、施設側に対してのアプローチをより強めているような状況という答弁がありました。周知に関する現状と今後について、御見解をお聞かせください。

○鷲頭学務課長
 多様な集団活動等利用支援事業の周知等に関する状況でございますけれども、令和5年度中にホームページの記載を見直しまして、特に事業者の方々向けのページの見直しを行いまして、より簡易で分かりやすい内容といたしました。また、施設としての申請の受付でございますけれども、これまでは一定の期間の中で行っていたところでございますが、それを通年で受け付けるような形に変更しているところでございます。こうした変更に伴いまして、事業者からの問合せ自体はこれまでよりも増加はしているんですけれども、やはり事業者への直接の支援と勘違いされているようなケースですとか、また、本区の幼児がそもそも在籍していないような施設であったということもあって、いろいろ工夫はしているんですが、なかなか制度の内容の正しい理解に結びついていないと思われる事例が多く、現時点で対象の事業者及び施設の増加にはつながっていないところでございます。

 こうしたことを踏まえまして、今後についてというところで申し上げますと、事業者がさらに理解しやすい記載の仕方はもちろんのことですが、我々に電話でのお問合せを事前にいただくことも多くなっておりますので、そうした際に、より細かな状況の聞き取りなどを行うことを検討しておりまして、こうした取組を着実に実施してまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○梶谷委員
 本区が御尽力くださっていることは承知しているのですが、この制度自体が分かりづらく、まだまだ課題が多くあり、現状を見ると厳しい事業ですが、今後の予算についても合理性のある予算配分となるように、引き続きお取組をお願いしたいと思います。

 次に、区民費の質疑の中で、委員の方々から自転車について多く触れられておりましたが、私からは自転車用ヘルメット購入補助事業についてお伺いをします。

 令和5年度中央区一般会計9月補正予算で2,071万5千円を計上し、令和5年度の決算額は48万円となりました。本事業は実施期間が令和5年11月から令和7年3月の1年5か月間で行われており、現在も継続中の事業となっております。そのため、執行率ではなく、令和5年度の状況、課題、今後の取組について御見解を教えてください。

○坪川副参事(交通安全対策・特命担当)
 まず、昨年度から始まりました自転車用ヘルメットの購入助成事業の関係ですが、令和5年度の助成件数につきましては240件となっております。また、今年度に入りまして、9月末現在でトータルとして521件の助成を行っております。月平均に換算いたしますと、月に約47件の助成を行っている計算となっております。

 また、課題ですが、当然のことながら、助成件数の向上が喫緊の課題であるとも認識しております。我々としても、区民の方々が区内の指定店でヘルメットを購入していただくことを期待しておりましたが、昨今、ネット通販等でもこうしたヘルメットは3,000円前後で購入でき、手軽さからネット購入に流れたことも、助成が伸びない一つの要因ではないかとも思われています。こうした課題を捉えまして、今後、一人でも多くの区民の方々に自転車用ヘルメットを購入していただくためにも、区のホームページ、また警察署と連携しました街頭キャンペーンや自転車教室、こういったイベント等で周知していくとともに、また、区のLINEやエックスも活用しながら本事業の周知を図っていきたいと考えております。

 以上となります。

○梶谷委員
 3月、4月、新生活が始まる時期に、保育園、幼稚園の送り迎えで自転車を新たに使用する人が増える時期ですので、さらに周知に力を入れてほしいと思います。今後も引き続き、街頭キャンペーンをはじめ、区のLINEやエックスを活用しながら啓発活動に力を入れていただきたいと思います。

 次に、令和3年度決算特別委員会から毎年毎年の質疑で申し訳ないのですが、本区庁舎内に設置されたメモリアルフォトコーナーについてお伺いをします。

 令和3年度の決算特別委員会で、初めてフォトコーナーについて要望させていただきました。翌年の令和4年度決算特別委員会の質疑の中で、設置についてお話があり、令和5年11月22日にパネルが設置されました。

 まず、こちらの設置にかかった金額について確認をさせてください。そして、設置してからの状況についても併せて教えていただければと思います。

○早川区民生活課長
 本庁舎1階に設置いたしましたメモリアルフォトコーナーについてでございます。

 こちらは、委員御案内のとおり、昨年の11月22日のいい夫婦の日から、婚姻届等での記念撮影に御利用いただいているものでございます。金額につきましては、パネルの製作に11万990円、あと三脚等で4,096円ということで、合計11万5,086円要したものでございます。

 そして、状況でございますけれども、私どもとしては、婚姻届ですとか、本区に転入される方、また出生届などのときに御利用いただくことを想定しておったんですが、実際にはほとんどの方が婚姻届のときの記念撮影で御利用いただいております。出生届の際は、生まれたての赤ちゃんを連れてというようなことはほとんどなく、そういう御利用者もいらっしゃるんですけれども、ほとんどの方は婚姻届で御利用いただいておりまして、皆様、幸せそうに写真の撮影をしておられるという状況でございます。

 以上でございます。

○梶谷委員
 設置していただいて、大変うれしく思っております。

 ただ、少しだけ気づいたことをお伝えさせてください。婚姻届や出生届の戸籍の届出で来庁された方を想定しており、設置場所も1階のロビーのところになっております。婚姻届も出生届も横向きとなっていまして、その届出を2人が持つことを想定すると、パネルが縦なので、どうしても画角が横になって、きれいに収めることができないんです。せっかくすてきなパネルなんですけれども、とてももったいなく感じております。これまでの質疑の中で場所等の関係で難しいことは承知しておりますが、工夫をして、今後も他区のフォトコーナーも参考にしていただきながら、中央区らしいメモリアルフォトコーナーにしていただきたいと思います。

 これまで各款ごとに新規、充実、継続を中心に事業の執行率や課題、そして今後について質問をさせていただきました。最後に、令和5年度の総括として、令和5年度決算のまとめ、そして今後どのように生かしていくのか、総括としてお聞かせいただければと思います。

○生島企画部長
 今後のことと、令和5年度の総括ということで答弁させていただきます。

 令和5年度は基本計画の改定後の初年度ということで、「新たなステージへ!」ということで予算編成のテーマを決めさせていただいております。前年度からコロナが明けていくだろうということで、そのことを、当然、実際の取組の中では各事業部がそれぞれの事業の取組の中で工夫をしながら、おおむね実績がまとまった形で取組が進められたのかなというふうに考えてはおります。

 一方で、ウクライナ侵攻の関係ですとか、そういったものが継続していく中で、さらにパレスチナ・ガザ地区の紛争なども加わって終わりが見えないような状況で、物価高騰ですとか、様々な原材料の価格に影響しているという状況が継続しておりまして、こういった部分に関しましても、区民生活ですとか、区内の経済活動への支援ということも取組が必要な状況がありました。今後は、コロナ禍でやや停滞した人口のほうも、転入超過で戻ってきておりまして、9年度末に向けて20万人に到達するだろうということで推計を出させていただいております。

 それから、来街者の皆さんも、円安の関係で外国人を含めて、非常に区内、まちがにぎやかになってきているという状況もあります。様々な方が区に来訪したりめぐったりし、それから在住・在勤ということでの営みをしてくださっていくという状況が今後もかなり拡大していくだろうということで、こういった状況の中に向けて、区として、行政としての役割を果たしていかなければいけないことはもちろんですけれども、一番気にかけていきたいと思っておりますのは、質疑の中でもありましたけれども、これまでお住まいになってきました皆さんですとか、それから新しくいらっしゃった住民の皆さんですとか、人とまちがつながっていくための取組というところは、区として、今年の予算テーマにもしておりますけれども、重要になってくるのかなと。

 例えば、防災対策の中での訓練時の人のつながりをつくっていく部分ですとか、区民部の事業の中にある各種のイベントの中で様々な交流を生んでいくという部分ですとか、それから、5年度から少しずつ取組を始めておりますシティプロモーションということで、区の文化や歴史とか、そういったものを掘り起こしていって、区民の皆さんと区が一緒になって、お住まいになる、働いていらっしゃる皆さんに、そういったところをPRしていくことによって、つながっていく一助になるといいかなというふうに思っております。こういったことを進めていくことによって、住みやすく働きやすい環境をつくっていくことで、安心・安全というものをつくっていくことができれば、より中央区の発展にもつながっていくのかなということで、全庁一丸となって引き続き取り組んでまいりたいと思っております。

 以上でございます。

○梶谷委員
 本年春には晴海地区に新たなまちが形成され、令和9年には定住人口が20万人に達する見込みです。それに伴い、増加する行政需要に対応する必要があります。今後は新たな行政ニーズに対して、迅速かつ的確に応じるとともに、成果重視のマネジメントサイクルを活用して、既存事業の見直しを進め、経営的視点を持った行政を推進していくことが重要だと思います。これにより、将来的にも健全で強固な財政基盤を維持し、財政環境の変化に柔軟に適応できる持続可能な財政運営を実現していただきたいと考えております。

 以上で終わります。

○竹内委員長
 次の質問者の発言を願います。

○上田委員
 日本維新の上田かずきです。前半では、主に款にまたがる個別事業についてお伺いします。後半では、新たな基本計画初年度の決算ということを踏まえまして、10年後の中央区を見据えた教育とまちづくりについて伺います。年に一度の長い持ち時間でございます。ぜひ忌憚なき御議論をいただければ幸いです。何とぞよろしくお願いいたします。

 まず、全庁的に活用できる庁内DXにおける生産性向上施策についてです。

 現在、23区特別区職員の採用倍率はおよそ4.3倍であり、平成26年の7.7倍と比べると大幅に低下しています。今後も民間企業の旺盛な採用需要がある中で、職員を増やし続けることはなかなか困難であり、人が少なくても回る役所を目指していく必要があると考えます。

 そこで、1点目、生成AIを活用した議事録の活用です。

 既に、庁内ではAIの議事録活用が進んでいると伺っておりますが、議事録は取ることだけが重要ではなく、読み手の負荷を減らすということも併せて考える必要があります。近年は、生成AIの進化により、即時にAIが要約してくれることも可能となりました。このような読み手の負荷を減らす仕掛けというのをどのように取り組んでいるのかお伺いします。

 2点目、関連して、議会における議事録公開について伺います。

 本区は勤労世帯が多く、平日の日中に傍聴している人はほとんどおりません。議事録は、その中で貴重な情報公開の仕組みです。しかし、今回お出しいただいた資料9を見ると、議事録公開までに要する日数は、令和5年時点でいずれも100日以上、最長で154日、およそ半年にもなります。国会では10日で正式な議事録が出ているほか、都議会も30日から50日において正式な議事録を公開しており、大きく遅れていると言わざるを得ません。本件についてどのように改善をしていくのか、議会局の考えを伺います。

 以上です。

○佐藤副参事(デジタル推進・特命担当)
 私のほうからは、生成AIを活用した議事録の要約等についてお答えさせていただきます。

 本区において、委員からも御案内がありましたとおり、AIを活用した議事録を作成するといったところでは活用を進めているところでございます。また、生成AIの活用については、調査・検討を進めているところです。具体的には、庁内における生成AI議事録作成等のサービスを有している事業者との交渉ですとか、あるいはサンプルを使ったテキストの要約ですとかを試みてはいるところですが、そもそも最初の議事録を取るところで、やはり人の目が入らないと正しく文字化されているかどうか確認できていないといったところもあって、なかなかこちらが要望するようなレベルまで至っていないというのが現在のところでございます。今後も検討を進めて、ニーズに応じたサービスが提供できる事業者等を確認しながら、検討を進めていく必要があるとは考えております。

 以上でございます。

○生島企画部長
 生成AIの利用に関しては、私どももやはり今後活用していくことを視野に入れながら、当然、取組を進めているところでございます。

 ただ、一方で、生成AIと言われたときに、そのものが一体どういった働きによって生産性が向上されているのかが分からないところなどもあって、ガイドライン等を定めて使っているところも東京都などでもあるんですけれども、そういったものをつくらないで使っているところもあったり、自治体の中で利用の格差が結構あるかなというふうに思っております。私どもとしては、我々、公の仕事に携わる者が安心して使える環境がどういうものなのかというところをしっかり考えながら、活用していけるように引き続き取組を進めていければと思っております。

 以上です。

○伊藤議会局長
 議会の議事録の公開についてでございます。

 ただいま上田委員からは、大きく遅れているという御指摘をいただきました。厳しいお言葉をいただきました。謙虚に受け止めたいと思っております。

 議事録の公開を少しでも早くという意識で常に取り組んでおります。この間、実際に議事録を作成する工程というのは、複数の職員が何度も繰り返しやっているというのが現実でございまして、そこに人手を少しでも少なくというところでは、私どもも生成AIについてトライをしているところでございますが、冒頭で委員が御指摘のように読み手の負荷というところで見ますと、正直言って、ここまでの状況で見ますと、およそ生成AIで即時に起こされた文字の内容をもって議事録としてできるかという点では、非常に道としてはまだ遠いというのが私の認識でございます。今後の生成AIの技術の進捗もそうですし、また、そこへ手をかけるというところについても、職員の手のかけ方についても工夫をしなくてはいけないというふうに思っています。これについて引き続き取り組んでまいりまして、少しでも早く公開できるように引き続き研究をしていきたいと思っております。

 以上でございます。

○上田委員
 それぞれありがとうございます。

 まず、生成AIの活用がどのような技術になっているのかというところは、本当におっしゃるとおりだと思います。僕も、実は、8月より、とある生成AIの会社のアンバサダーと呼ばれる、言わば広報大使、宣伝大使に就任をいたしまして、2週間に1回、今、中国の上海でどのような生成AIを開発しているのか、あるいはアメリカのスタートアップが何をやっているのかというのがリアルタイムで英語と中国語で入ってくるようになりました。僕は読めません。なので、すぐに自動翻訳をAIにかけてもらいます。それをさらに3分で要約をして、僕の朝のメール、LINEに飛んできます。ここまでは無料で全部自動でつくれます。これぐらい、やはり情報収集の速度を上げることが1つはできる。

 あと、企画部長がおっしゃっているとおり、これは議会も同じだと思いますが、正確性を求めるものと、例えば広報物のデザインをつくるみたいな、ある程度は自由度が許される仕事は分けて考えるべきだと思うんです。僕も生成AIを全て信じてがんがん進めればいいとは思いませんが、それを使うことによって効率性が担保できる部分もあると思います。

 また、議会局におかれましては、他の、国会だったり、都議会も含めた議会がどのように実際に30日で製本化ができているのかということについても、ぜひ御研究いただければありがたく思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 続いて、職員の働き方改革について2点伺います。

 1点目、情報管理の効率化です。

 職員の方々は、民間と異なり、数年ごとに全く違う課に異動をなさっているということが多々あると思います。その中で、引継ぎは非常に大事だと思うんです。このあたりのマニュアルの仕組みというのはどのように整備がされているのかお伺いします。

 2点目は、テレワークについてです。

 フレックス勤務については、大分定着していると伺いましたが、資料76を見る限り、テレワークはかなりまだ低い実態があります。今後、どのようにリモート勤務を増やしていくのか、お考えをお聞かせください。

○星野職員課長
 職員の異動に関しての引継ぎの状況でございます。

 職場によって、それぞれ引継ぎはいろいろなパターンがございまして、当然ながら、窓口などの業務であれば、しっかりしたマニュアルが整っていたりということもございますし、本当に人づてにしっかり時間外に引継ぎをするとかというようなこともございます。引継ぎにつきましては、基本的には、異動が決まって4月になってから、時間をかけてしっかりやるというような形になってはいるんですけれども、異動してからも時間外に引継ぎをしたりとかというような現状がございます。この辺は、やはり職場によって、どうしても異なってしまう形があるのは仕方がないのかなというふうに認識しているところでございます。

 テレワークについてですけれども、本区では、令和4年10月から、パソコンを使う方については、基本的には全ての方がテレワークできるような環境にはなってございます。昨年の6月に本区でもテレワークの推進ハンドブックを職員課がつくりまして、試行運用版ということではあるんですけれども、そちらをもって運用を進めていくような方向性をしっかりと出しております。今年の1月からは文書管理システムが動きまして、来年からは財務会計システムでも電子決裁関係ができるようになってくるという状況で、今後期待はしているところでございます。

 ただ、区役所ということで、やはりそもそも窓口を持っているところで、できないところもございますし、できるところについても、なかなか今は進んでいない状況があるところではあるんですけれども、例えば、ほかの自治体などですと、携帯電話を支給して自宅でも内線が取れるようにとか、中央区では2人か3人に1台の電話がありますので、そういった対応とかがハード的に今後できるようなことになれば、もっと進むのかなというようなところはございます。また、どうしても遠距離で通われている方にメリットがあるというところで、そういったところの不公平感を持たずに皆さんが協力できるような体制を普及していくことが重要かというふうに考えております。

 以上でございます。

○上田委員
 ありがとうございます。

 1点目、引継ぎの件は、本当に部門によって違う会社に転職するのかというぐらい、恐らく雰囲気も含めて違う部分というのはあると思います。その中で、とはいえ、ベーシックなマニュアルは存在すると思っていて、そこを例えば電子的な横串のシステムを入れる等は、情報システム課を中心にデジタル化の検討を行っていただいたほうがよいかなということで、これは御検討いただければと思います。

 もう一個、テレワークについて、おおむね同意なんですが、1点だけ、私は遠距離で通われている方のためにテレワークをするべきだと思ってはおりません。そうではなく、リモートワークというのは、本庁舎において、まず狭隘化の対策という観点においては一定度の効果をなすだろうと思っています。職員の方々のフロアに行くたびに、本当に狭いなと思っていまして、今後さらに新規採用を増やすのであれば、テレワークができる体制を整えなければ、少なくともこの先10年はこの本庁舎を使う計画ですから、やはり考えなければならないだろうと。

 そして、もう一つは、同年代の子育て世帯の声を聞くと、2人目をためらう一番の理由はワンオペがつらいという言葉なんです。9割弱が区外からの通勤である本区として、少しでも移動時間を減らして、御家庭で子供といる時間を増やすというのは、30から34歳が最も多いですよね。行政評価371ページに記載がありますが、その区であるということを踏まえると、できない理由というのはたくさんあると思いますが、やはりある程度、10%とか、数値目標を定めて、少し検討を進めていただければ、職員の方にとっても、より魅力的な職場環境になるのかなと思いますので、御検討いただければと思います。

 続いて、待機児童対策について伺います。

 本区の子育て政策の現時点における最大の課題は、区長所信表明演説でもおっしゃっていたとおり、小1の壁の打破ということにあると思います。プレディプラスは効果的な施策だと思いますが、それでも数年間はまだまだ逼迫が続くだろうと考えます。

 そこで、3点提案いたします。

 1点目は、保育園のさらなる活用です。

 10月8日、日経新聞において、こども家庭庁が2025年度予算の概算要求で保育の多機能化への支援補助に踏み込みました。本区でもこの状況を注視しながら、保育園の5歳児室など、比較的空きがある部屋を活用することは検討できるのかお伺いします。

 2点目は、稼働率が低い施設の転用です。

 具体的には、ハイテクセンターにおける早稲田大学エクステンションセンター撤退後の空き室の活用や、会議室に比較的空きが出やすい産業会館、豊海・浜町区民館等、そしてブーケ21等の施設を民間学童の誘致、プレディのような放課後対策事業に、一時的であれ、供することはできないかと考えます。今の利用可能人数での調整後における学童クラブは明らかに過剰収容で、子供たちに最適な環境かというと、なかなか難しいと思います。包括的に施設の利活用を見直すべきだと思いますが、御見解をお伺いします。

 3点目、時限的な民間施設利用の促進です。

 学研の2023年10月調査によると、全国的に見ても、小1で習い事に通わせている割合、驚いたんです。70%です。全国で70%ということは、本区ではなおさらでしょうと。これのよしあしについては置いておきますが、事実として待機児童がいる中、様々な民間事業者を活用いただくことは、混雑緩和につながる可能性があるだろうと考えます。大阪市は、市内在住の子供たちに対して、学習塾、家庭教師、文化・スポーツ教室等の教育に月額1万円補助するなど、民間事業者の活用を後押ししています。待機児童が解消されるというところまで時限的で、例えば小1から小3までとか的を絞ってでもよいと思います。民間事業者の利用促進を促せないか、御見解をお伺いします。

 以上です。

○金広保育課長
 最初の保育園の5歳児室を学童に転用というようなお話ですけれども、今、空きがあるからといって、すぐに保育園をほかに転用するということは、まだ考えにくいところでございます。まず、保育の必要性のある人が年度途中でも入れるような環境づくりが必要かなと思っております。というのも、保育ニーズというのは年々本当に上昇しておりまして、そのため、やはりゼロから2歳の受皿というのがなかなか厳しい状況になっている。そういうところも含めまして、空きがあるような場合は期間限定保育などをやって、ゼロから2歳でも年度途中に入れるような仕組みをまずはやっていきたい、そのように考えております。

 以上でございます。

○黒田放課後対策課長
 稼働率の低い公共施設等の活用についてでございます。

 区の公共施設につきましては、複合施設が多くございまして、単に稼働率が低くて空いている状況だからといった中で、プレディの活動が果たしてそこでできるかというところ、また、プレディにつきましては、安全を確保するというところで、例えば学校から施設までの安全確保ですとか、場所が離れていることのスタッフの確保、そういったことも考慮しなければいけない。さらには、施設を使われているほかの利用者の方への影響、そういったことも十分注意しながら検討する必要があるというふうに考えております。

 基本的に、プレディである放課後子ども教室につきましては、学校の空き教室を使うということで、これまでも学校と教育委員会も含めまして協議をしていく中で、可能な限り最大限場所が確保できるよう調整しているところでございますけれども、昨今、児童が増えていく中で、場所の狭隘化はずっと課題になっているところでございます。そういった中で、例えば曜日ごとの部屋とかではなくて、時間単位ですとか、そういった空きの、短時間でも使える場所等を学校のほうと調整をしながら使っていく、そういったことも含めまして検討していきたいというふうに考えております。

 また、民間等の時限的な利用ということでございますけれども、区としましては、文部科学省なり、厚生労働省で行っている放課後健全育成事業ですとか、居場所事業の中で子供の健全育成を図っていくべきだというふうに考えております。その上で、各御家庭の考え方ですとか就労状況、そういったところを各御家庭で御判断いただいて、区としましては、学校でのプレディ、それから学童クラブ、また、現在行っております民間学童クラブの誘致、そうした中で放課後の居場所を確保していきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○生島企画部長
 施設利用の部分に関して言うと、企画部のほうで今年度から施設整備課のほうも入ってきまして、公共施設マネジメントの取組を本格化させていこうと考えているところでございますので、区全体としての施設需要に関しては、私どものほうで検討しつつ、事業部と連携していくということになっていこうかと思っております。

○上田委員
 それぞれありがとうございます。

 まず、保育園の活用についてです。

 これはおっしゃるとおり、1歳児の待機児童は、まだそっちはそっちでいると。そっちはそっちで対処しなければいけないということだと思いますので、保育園という機能を考えたら、確かにそちらのほうがやりやすいでしょうし、優先だと思います。そこは非常に納得いたしました。

 2点目の稼働率の低い施設の転用で、ごめんなさい。言葉が足らなかったと思うんですけれども、別に、僕はそこの利用者を追い出そうとか、そういう気は全くなくて、例えば、現在、稼働率が30%であるということは、多少一、二フロアを減らしたとしても、稼働率が60%とかにはなるかもしれませんが、何らかは確保ができるのではないかということを思っているわけです。

 他方で、今、放課後対策課長からも御答弁がありましたが、担当課としては、そういうことにならざるを得ないわけですが、はっきり言って、学校が求められている役割というものがあまりにも本区は多過ぎる。区民の施設としても利用開放してくれと。今回もありましたが、自転車の練習にも使いたい、何々もしてくれ、学校の教室が足らないと。こうなると、学校施設だけという単語で、これを組み合わせようとしても、ないパイを一生懸命奪い合うことになりかねないのではないか。最終的に、それこそ教員の負荷だったり、管理職の負荷につながるのではないかということを少し感じております。

 企画部長からも御答弁がありましたが、公共施設マネジメントはまだ始まったばかりだと思います。ただ、今までだったら所管課が考えていたものを、そうではなくて全庁的に、こういう場所だったらこういうニーズがあるのではないかとか、そこの代わり、ここに移転してもらおうかとか、多少近いところというのは考えられると思います。今から建物を建てて土地を買おうというと、えらい目に遭うと思いますので、それよりは既存のものをどうやって生かして、小1の壁に全庁を挙げて取り組んでいくのかということを引き続きお考えいただければと思います。

 では、ここから後半に移って、大局的、俯瞰的な観点からお伺いをしたいと思います。

 まずは、これからの教育ということについてです。

 教育費のときも触れましたが、本区は、充実した学校設備投資、そして様々な区独自職員の配置を通して教育の質を高めるということに御尽力いただいていると理解しております。従来、教育は誰もが全国統一で、沖縄から北海道まで平等に知識をきちんと教え込むということが公教育であるという時代もありました。しかし、現在は子供の個性に合わせて柔軟に教育内容を変えていくことが、ある意味、正しいというような時代に入ってきています。そして、子供の個性というのは、環境の影響をやはり大きく受けます。すなわち、中央区で育つ子供というのは、このまちの個性を受け継ぎ、気風をつくっていくのだと私は考えます。

 そこで、これは教育長にお伺いします。

 本区が目指す教育において、どのように中央区のよさ、よく愛着心の醸成とかも出てくると思いますが、中央区らしさを教育の中で取り入れているのかという観点について御教示いただければと思います。

○平林教育長
 教育の今後も含めて、中央区の特色的なお話から少ししていかなければいけないかなというふうに思います。確かに、今、教育自体、全国一律でということがだんだん通用しなくなるだろうというふうに思っておりますし、そもそも今の制度自体の中で、全国一律の取組が、逆に、中央区に合うのかという問題もあろうかと思います。全国的には少子化の中で地方創生が叫ばれ、それに向かった制度構成が行われて、中央区のように逆に人口が増えている区にとっては、その制度自体が合わないということも教育の中では起きてきているというふうに思っております。

 中央区の実態を見ると、僅か10平方キロしかないですけれども、日本有数の名立たる企業があるわけでございます。その中には100年を超えるような老舗があったり、デパートがあったり、ホテルがあったり、また外国企業があったりということで、国際感覚も含めて、子供たちのすぐそばに様々な資源が豊富にあるということ、それから歴史と伝統に培われた人々の営みが行われ、そこには地域の人材というものも多くおります。こういった方々には、例えば中央区の中で、地域理解ということも含めて、地域の文化・歴史・伝統を学ぶ地域理解教育であったり、それからキャリア教育として、地域の名立たる企業等が、これはCSRもありますけれども、地域貢献も含めて様々な形で学校に携わっていただいている。また、中学校における体験学習などは、先ほど言ったようなホテルだとか、デパートも含めてですけれども、中央区で50を超えるような企業にお手伝いいただいている。このような状況でございます。

 これを見ると、地方も含めると、相当羨ましい環境なんだろうというふうに思いますし、現に、今いる保護者の中にも世界で活躍されている方々もいるわけで、子供は身近に、すてきなというか、様々な大人を間近に見られる環境があるのが恐らく中央区だろうと。中央区の教育目標にも掲げておりますけれども、いわゆる世界で羽ばたける人材育成が中央区には求められているんだろうというふうに思っております。いろいろな意味で、地域に戻ってきて、地域の中で就職して活躍していくという地方創生の流れとは、もしかすると少し中央区は違うのかもしれませんけれども、いずれにしても、地域の伝統・歴史・文化を大事にしながら、個性豊かに世界の中で活躍する人材育成に尽力していきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○上田委員
 丁寧にありがとうございます。

 実は、この後、お話ししようと思ったことの半分ぐらいお話しされてしまいまして、どうしようか少し悩んでいるぐらいなんですけれども、おっしゃるとおり、中央区に限らずですが、やはり都心区というのは、全国均一、金太郎あめでは、教育に限らず、なかなかできないんだろうということは思います。

 今のお話の中で僕も完全に同意をするところは、保護者の多様性、これははっきり申し上げれば、港区とか、千代田区にも僕はないのではないかと思っていて、具体的に申し上げると、歴史ある商店街の方と、スタートアップで役員をやっていらっしゃる方と、大企業で世界を股にかけて働いている方と、芸術系でフリーランスをやっている方と、そして官僚の方が同じクラスの保護者として存在するわけです。この混じり合うというのはすごいと思っていて、中央区はそこが新旧混ざっているところは、吉田副区長がおっしゃっていた築地の再開発とすごく似ていると思っていて、新しさと歴史が共存するということが、これから中央区のアイデンティティになっていくんだろうということを感じております。

 そこで、1点要望したいのですが、この厚みのある保護者、今、教育長には企業の話を中心にしていただきましたが、保護者の方々がキャリア教育においては物すごく力になるのではないかと僕は思うわけです。例えば、オリンピック選手を招聘して話を聞くこともいいでしょうと。そして、例えばNISAの使い方だったり、金融教育も大事でしょう。ただ、それ以上に、身近な大人、○○ちゃんのパパみたいな人たちの中に多様性があって、そして、それぞれがそれぞれの持ち味を生かして輝いて社会で働いているんだということを背中で見せるということが、教育という、そして彼らが社会に羽ばたいていくという観点において、中央区だから羨ましいと言われるぐらい、できる教育なのではないかと僕は思うんです。このあたりについての御見解をお伺いします。

○小林指導室長
 まさに、キャリア教育の中で、様々な方から話を聞いたりとか、仕事に対する思いとか、熱意とか、失敗談とか、そういったことを子供たちが聞くことによって、子供たちはすごく、大人はこういうことなんだなと。と同時に、憧れを持ったりすることで、また自分の生き方とか将来像であるとか、夢や希望を持つことになります。今おっしゃったとおり、中央区には様々な保護者もおります。そして、中央区は、さらにPTAも協力的でありますし、そういったところでいくと、キャリア教育の中に、決して企業のところとかだけではなくて、保護者の方から生のお話を聞く機会は、子供たちにとってみたら大きな成長の場かなというふうに感じているところです。

 これに関しましても、実際に学校がどのようなキャリア教育のプランを全体の計画で立てていくのか、どういうところに盛り込むのかというところによって大分変わってきますけれども、今いろいろといただいた御提案なども含めて、校長会の中でもしっかりと、身近な大人の中にも子供たちの心に火をつける大人がいるのではないかということについては、提案をしていきたいというふうに思っております。地の利を生かしたというか、地域人材を生かしたキャリア教育に尽力していきたいというふうに考えております。

○上田委員
 校長会でも取り上げていただけるとのこと、まずは本当にありがとうございます。

 例えば、委員会の中でも、今日は最終日なので、いろいろお話をずっと伺っておりましたが、地域のつながりがややもすればPTA、町会という言葉だけで切り捨てれば、高齢者中心だよねとか、なかなか担い手がいないよねとか、こういうネガティブなワードに区民の話としてはなってくる。ただし、学校という一つを取ってみて、そして学校の中に地域の方々、それは高齢者の方々を含めてですが、関わりが持てれば、本当に毎週飲むほど仲よくはならないかもしれませんが、今度は防災のときに、あの辺に住んでいるよねとか、僕も保育園に送り迎えしていると、何となく分かるわけですよね。御自宅の住所までは知りませんと。でも、そうなると大体、何とかさん、大丈夫ですかというレベル感で、お互いの絆と絆が顔と顔で見合える関係になるということが、キャリア教育の、例えば保護者とやるという中において培ってこられるんだろうというふうに思いました。

 あと、もう一つ、指導室長の話で、やはりそうだよなと、久々に教師の時代を思い出したんですが、我々は聞かせることはできないんですよね。こっちはしゃべることができますけれども、受け手の話ですから、聞いてくれるかは、我々の熱意と我々の思いとか、人によって変わってくる。それはタブレットには絶対できないことじゃないですか。人をやる気にさせるという部分の教育というのが、これだけタブレットが入ってきてデジタル化が進む。子供たちもスマホを当たり前に持つでしょう。その中で心に火をつける教育ということは非常に大事だと思いました。あまり時間がないので、あれなんですが、火をつける教育のために、どのようなことに取り組まれているか、よかったら追加で1問教えていただければと思います。

○小林指導室長
 教育においては、やはり子供たちの心を揺さぶっていくということがとても大事なんです。全部教えて教え込むということでは、子供たちはそれをただ聞くだけの大人になってしまいます。そうしたときに、これについてはどうかな、どういうふうにしていくのかなというようなところで、教師が考えさせる場面とか、何を設定するかによって、大分この中身が変わってきます。

 先ほど、ゲストティーチャーを呼ぶ、身近な保護者をというところもありましたけれども、そこもただ呼べばいいではなくて、そのときにどういうことを、例えば事前学習をやって、当日呼んで質問をして、そこからまた、さらに追加の質問をしてということによって、子供たちは何を目的にこの学習をやっているかということが分かってきます。そういった中で、すごくやる気になったり、先ほども言いましたけれども、全部成功体験だけではないと思うんです。いろいろな苦労話とか失敗談ということも、大人もそうやって失敗をするんだ、そして苦労しているんだというところが、自分と重ね合わせる形になると思います。したがいまして、こういったところを教員がどういうふうに設定をしていくのか、どういう場面で考えさせて、どういうふうに時間を取ってやっていくのかというのが大きな役割になっていきます。

 さっき、心に火をつける教育というふうに言いましたけれども、これは、実は、若手の教員にはしっかりと教えていかないと、単なる知識を教えたりとか、学習を教えるということが教員の役割ではないんだよ、そこからの生き方を見せていくのは、教員もそうだけれども、周りの大人も関わるようにしていかなければいけないんだよということは、これからも言っていきたいというふうに思っているところです。

 以上です。

○上田委員
 ありがとうございます。

 今、聞きながら、ディズニーランドは、ジェットコースターに乗りに行くんだっけということを思っていました。多分ジェットコースターに乗りに行くわけではないと思うんです。事前の期待感があって、わくわくがあって、ようやく乗れたから、120分の大渋滞に耐えられるんだと個人的には思っています。今の話は本当に教育の世界に通じるものがあると思っていて、ぜひ、子供たちが自発的にやれる、そのために先生だけでやり切れないところは地域との連携を考えていただければと思っております。よろしくお願いいたします。

 最後に、チャレンジする人を育て育むまちという観点について質問いたします。

 吉田副区長の答弁で、矢田前区長の原体験、そして政治家としての信念のお話を伺いまして、私自身、大変学ばせていただきました。そして、同時に、僕自身の原体験を振り返るきっかけになりました。大変恐縮ですが、少しこの場をお借りしてお話をさせてください。

 僕自身は、失われた30年と呼ばれることになる平成という時代に生まれ、学生時代を過ごしました。物心ついたときから好景気は知らず、マクドナルドのハンバーガーは59円、吉野屋の牛丼は280円です。そして、デフレ、低成長の時代を生きてきました。生まれたときにはなかった消費税がどんどん上がり、年金がもらえないとメディアにあおり立てられる社会で、私たちは、社会はあなたを支え切れない、だから自身で生き残ることが大事なんだと教わってきました。その結果、すごく優秀なのに、一度転げ落ちたら戻れない恐怖から、リスクを取らず、自分を守ることにきゅうきゅうになっている同世代、そしてサピックスで教えてきた教え子をたくさん見てきました。チャレンジをしたくても、未来が怖くて、恐れが勝ってしまうわけです。でも、チャレンジを全くしない人生で幸せだったという人は、僕はいないのではないかと個人的には思っています。根っこにある心が悲観的になっているこの現状を変えなければ、幾らお金を配っても、少子化対策は恐らく成功しません。スタートアップは増えません。やはりこの状況を打破して、前向きにチャレンジする人を増やしたい。そして、チャレンジする人を応援する社会を生み出したいと思って、私はこの政治の世界に入りました。

 また、この話は、今、少し起業家の話も出ましたが、そうではなく、例えば私の父でありますが、定年まで銀行に勤め、東京営業部長まで上り詰めました。普通に考えたら、天下りをして関連会社に行くのが通例なんですが、父は新しいチャレンジとして保育の道を選びました。恐らく自分が子育てを満足にする時間がなかった、できなかったという後悔があったのだと思います。今は本人は非常に満足していて、電話をするたびに1時間ぐらい長話をさせられるんですが、非常にいいことだなと思っていて、やはり年齢に関係なくチャレンジは人を生き生きさせるんだと思います。

 そこで、まず1点お伺いします。

 1つ目は、本委員会での質疑で、区長から、ライフサイエンス等、今までになかった産業を創り、新しい経済社会を実現したいという思いをいただきました。これらの新しい産業を興すんだという気概を持つ起業家をはじめ、年齢を問わず、様々なチャレンジをしたいと思う人たちを、本区はまちとしてどうやって支えていくお考えがあるのか、その見解を伺います。

○山本区長
 今、チャレンジできる青年をこれから育成しなければいけないという課題に対して、前向きの、例えばスタートアップ企業、こういったものの支援をどういうふうに区としてやっていかれるかというふうな問題提起であったと思います。

 そういうことで、区の内外の状況を見ておりますと、今、日本橋周辺あるいは京橋、銀座、それから月島辺りでも起きているでありましょうけれども、とりわけ日本橋においては、スタートアップ企業が、今、もう1,000社から2,000社集まって、これこそ未来のライフサイエンスと、それから宇宙、その他のことの未来的な仕事に対して、新たに企業を起こして、これからの国を引っ張っていこうとする若者たちが集まってきております。これは民間の中での一つの胎動でございます。区の行政の立場からは、なかなかそれが見えませんけれども、日本橋の開発で、高層ビルが建っていきますけれども、国家戦略特区の中で一つの国家的使命を果たしていくために、経済を前に向けて進めていくという非常に大きな課題をしょって、今、あのまちは生まれ変わろうとしている、こういうふうに私は見ております。

 そうなるとしますと、行政は一体何ができるだろうかと考えるわけで、例えばビジネスマッチングを今度また行いますし、また、例えば商工会議所とタイアップすることによってスタートアップ企業を支援できるような、そういうマッチングであったり、新しい場づくり、あるいは東京都のスタートアップと連動していきながら、区としてやれることを模索して進めていく、このようなことをやっていきながら、そういう篤志を持った、あるいは未来に対して志を持っている少年や青年たち、そういう人たちに道しるべを与えていくことができるような、中央区としての新しいビジネスのサポーティング、あるいは社会の中でいろいろな行動を起こしていく、環境に対して起こしていく、福祉に対して起こしていこうとする、これからの若者たちの持っている気持ちを支援していくことのできるような区としてのバックアップ体制、こういうふうなことがどういう形を取ったらできるかということで、関係部署と連携を取りながら、これから施策を展開していきたい、こういうふうに考えております。

○上田委員
 丁寧にありがとうございます。非常に胸に刺さる、国家的使命を帯びたまちだという御発言がありました。本当にそうだと思います。

 私は、全国のスタートアップ支援施設というところを、仕事柄、巡ったりもしました。神戸も行きました。仙台も行きました。札幌も行きました。福岡も行きました。圧倒的に本区のほうが集積ができます。どう考えても、このまちでスタートアップの育成ができないのであれば、日本で税金をばらまいても恐らくできないだろうと。それは何が違うのか。箱は、はっきり言うと、うちの区より立派なんです。すごい施設が建っているんです。でも、中にいる人たちの熱気だったりとか、ある種、ちょっとねじが二、三本飛んでいるような思いみたいなものが、やはりこのまちにはすごく多いと思うんです。

 僭越ながら、1点だけ区長に申し上げたいと、今、聞いていて思ったのは、もし中央区として、行政でできることだとするならば、中央区らしさも含めて考えるのであれば、やはり僕はIPO、上場支援ではないかと思います。兜町を持つ私たちが、その上場を、最終的にどのようにというのは所管部署とお考えいただく話だと思いますから、詳述は控えますが、やはり前に向かって一つのゴールがIPOで、なぜIPOというのが大事かというと、自分のものではなくなるからなんです。社会のものに会社が変わる。今まではずっと自分の商品なんです。自分の子供なんです。それがIPOをすると社会のものに変わって、そして世界中から応援という形で金が入るんです。

 GAFA、アップルはあそこでまだ20年ですよ。設立して20年の会社が、日本全ての上場企業の時価総額を超えてしまったわけです。それは、日本人もすごくGAFAに投資をしているわけで、世界中の応援マネーがあそこに行った。逆に言えば、日本人のお金が、中央区に住んでいる人たちのお金が、ふるさと納税の話題になりますが、ふるさと納税以上のはるかにでかい額がアメリカに飛んでいっているわけですよね。これが実態です。

 だから、日本で新規産業群を起こすことができれば、そして、そのスタートラインには、これはいろいろ御意見はあると思いますが、一部の不動産とかを除いたIPOというのはすごく必要なんだと思います。このあたりについて、もし再度答弁いただけるようであれば、お願いしたいと思います。

○田中副区長
 るるいろいろと産業の、起業、それから各企業の発展についての案件といいますか、御意見をいただいたところでございます。

 まず1点、御理解をいただきたいと思っておりますのは、産業施策は、御存じのように東京都に産業労働局というのがございまして、産業の構造自体が、ある意味、地方自治体、23区において、各区ごとにどういう取組をしていくか、この辺に関しては、長い歴史の中で広域的な取組が必要だろうということで、基本的には東京都が産業振興策を行うというのが原則となっているというふうに認識をしているところでございます。

 その中で、区が持っている産業振興策は何かといったところを考えますと、やはり中央区で事業を営んでいる方々をどう支援し、どうその方々が活躍しやすい環境をつくっていくかという部分だというふうに認識をしているところでございます。中央区は江戸からできたまちでございまして、商業のまち、その商業の中には様々なお店、日本橋の魚河岸から始まって、銀座の様々な老舗ですとか、商店ですとかができたり、そういった方がいらっしゃる。それから、築地に市場が移転した後は、市場の周りに市場で働く方々がまちを形成していくといったようなこともございます。また、明石町ですとか、湊地区には印刷を地場とした産業も栄えてくるといったようなもの、あるいは明治以降、昭和にかけてできた月島、晴海には工場その他、様々なものができてくるといったような、佃の漁師町もそうでございますけれども、過去の歴史の中で様々な、その地その地に合った産業が展開されております。

 ただ、申し訳ございませんが、これは全て皆さんの努力の中でそれぞれ発展をしてきたものであって、それに対して我々は、その方々とお話合いをしながら、御努力いただく部分と区が支援できる部分と、その辺を十分お話合いをしながらやらせていただいている部分でございます。中央区でいろいろな企業が今も集まってきてございますし、展開をしているというふうに認識してございます。バブル当時から始まりまして、様々な構造、それから建物の形態が変わる中で、本社機能が移転したりですとかいったこともありましたが、それでも中央区のポテンシャルは下がらずに、今なお、まちとして、商業のまちとして世界から注目を集めてきている部分でございます。

 何度も繰り返すようでございますが、これはひとえに事業をやられている皆さんの御努力、それから皆さんの考え方が中心になっているというふうに考えてございますので、区といたしましては、引き続きそういった皆様をどういった形で支援できるのか、十分にお話をしながら進めていきたいというふうに考えているところでございます。

○上田委員
 ありがとうございます。御丁寧に教えていただき、ありがとうございました。

 これは、まさに築地の話と一緒だと思うんです。地元区として東京都に何を要望し、東京都と何を連携し、やっていくのか。その中で、おっしゃるとおり、築地の文化を残すであったり、月島の工場、印刷であったりとか、そのあたりというのは、これももちろん大事にするべきだと思います。他方、国がスタートアップで1兆円までお金を、はっきり言えば物すごい量を投下しようとしている。その受皿に本区はならなければならないんだろうと。それは、あわせて、やはり必要なことになってくるんだろうと思います。

 私たちは、まちとしてもチャレンジをするべきだと思っています。私たちが日本の成長の先駆けとして牽引できれば、これは、区民にとっても、雇用が増えて税収が伸びて福祉を充実させることができますし、通勤者の増加は商店街と地元企業の活性化にもつながります。そして、集まる人々がさらにまちの魅力を紡いでいくんだと僕は思っています。だからこそ、中央区はリスクがあってもチャレンジする人を応援するまちであり続けてほしい。先輩方がそうであったように、御自身の努力だけで、多分そこの中で事業に失敗してしまったときに、誰かが雇い直してくれたりとか、応援してくれたり、起業家の話同士であると思うんです。起業家という生き方が全てではないということは僕も重々分かっていますが、夢を持って事業を志し、社会課題の解決に挑むということは、我が国にとっても大変重要なことだと思いますし、僕はすばらしい生き方だと思っています。彼らに中央区を住居として、また登記地として選んでもらえるようなまちづくりという観点も、今後ぜひ取り入れていただくことを要望いたします。

 失われた30年を生きた私たちが、次の令和世代に再び同じ困難を生み出してはならない。その強い意志を持つとともに、中央区は、文字どおり日本の中央として、文化的にも経済的にも日本のリーディングシティであり続けるために、これからも皆様と御議論を交わさせていただきながら、また知恵を絞りながら、未来志向の対話を続けさせていただきたいと思います。

 これをもって質問を終わります。ありがとうございました。

○竹内委員長
 次の質問者の発言を願います。

○白須委員
 総括質疑、どうぞよろしくお願いいたします。私学助成、火葬場、控除の拡大の3点ほど確認させていただけたらと思います。

 総務費事業の中で行われている私学助成について伺います。

 外国人学校保護者補助金という名目で、朝鮮人学校、韓国人学校及び中国人学校に在籍する児童・生徒の外国人保護者に対して補助金を交付することにより、保護者の経済的負担を軽減ということで、本区は昭和60年度より月額8,000円の補助を行っております。

 そこで、伺います。

 こちらはどのような目的で始まったのでしょうか。支援に疑問を持つような御意見は入っていないでしょうか。また、3か国に限定されていること、インターナショナルスクールが含まれない理由、これまで継続してきた理由を伺いたいと思います。

○小林総務課長
 こちらの私学助成でございます。

 委員に御紹介いただいた内容で助成金制度をしてございます。

 まず第1に、この制度の成り立ちといたしましては、昭和57年の第一回区議会定例会において、中央区在住の朝鮮人子弟の民族教育を助成するための教育特別助成金給付に関する請願の趣旨採択を受けて、御紹介いただいたように昭和60年より、創設に至った制度でございます。また、各区において、こうした制度は設けられておりまして、日本の趣旨としては、公立学校に通う場合は授業料が無料であるけれども、母国学校では学費が発生するということから、保護者の負担軽減を図るというような目的で、月額8,000円という一部負担ということでございます。

 今申し上げたような経緯と目的で行われておりまして、現時点で3か国に限定されているといったようなところについても、やはり請願の趣旨採択を受けての制度であるといったようなところ、また、ほかの各国のインターナショナルなどを含まないのかというようなところについても、こちらも検討の中で現時点ではこうした請願に基づいた制度といったようなところでしているところでございます。

 以上でございます。

○白須委員
 御答弁ありがとうございました。成り立ちや経緯、目的、請願があったことで始まったということで承知いたしました。

 これまで継続してきた理由、検討してきたのかどうか教えていただけますでしょうか。

○小林総務課長
 先ほど、そうした区民からの声が入っていないのかという答弁を漏らしておりまして、すみません。

 確かに、様々な声をいただくこともございます。区長への手紙ですとか、そうした内容で、そんなに多くはないですけれども、数年に1回ですとか、そうしたところでいただいているところでございます。また、こちらを継続してきたところでいえば、やはり中国、それから韓国、そうしたところの利用者が人数として多いといったようなところと、それからまた、継続に対しても、もともとこの制度自体も、他区の状況なども注視しながら、やはりちゃんと毎年行政評価ですとか、それから予算要求、そうしたところでの機会を捉えて検討しているところでございます。

 以上でございます。

○白須委員
 ありがとうございます。様々な声は多少入っているということと、他区も継続しているということをいろいろ考えながら継続しているということで、今の答弁で理解いたしました。

 その中で、北朝鮮から度々弾道ミサイルと思われるものが発射される現状、領空侵犯を続ける周辺各国の目に余る状況を見れば、廃止する議論を進めていく必要性も感じております。おっしゃったとおり、現在は全ての特別区で補助金を出している状況にありますが、地方では廃止するところも増えてきております。周辺国家との関係や社会状況が変化しており、私のところには廃止を求める声がたくさん入ってきております。継続していくのであれば、今後は明確な理由が必要であり、廃止するのかどうか議論を進めていくべきだと考えております。検討していただけますよう、ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、多死社会に備えての火葬の現状と課題について伺いたいと思います。

 超高齢社会を迎えた我が国は多死社会でもあり、昨年の死亡数は戦後最多となっております。このような中、都心部では死者数に対して火葬場の数が足りないという状況が生じ、逝去してから葬儀までに1週間程度待つという状況が発生していて、値上がりも続いているという現状があります。今後さらなる値上がりがあるようでしたら、火葬費用の公的な価格統制の必要性を感じます。中央区議会におきましては、本年7月に、近年、火葬場が不足しているため、葬儀までに時間がかかり、都心区の住宅事情では精神的にも経済的にも負担になっている等の理由から、本区を含めた都心・臨海部における利用可能な公営火葬場の新設を求める意見書が東京都知事宛てに提出されました。

 そこで、伺います。

 火葬費用についての困惑のお声等は入っていますでしょうか。また、すぐに火葬場の新設が困難な中、利用者の負担軽減、補助を行ってはいかがでしょうか。

○武藤生活衛生課長
 火葬場の価格についてでございます。

 基本的に、火葬場については、墓地埋葬法で地方公共団体ですとか、宗教法人しか設置できないと決まっておりますけれども、経過措置の中で、民間事業者がもともと持っていたものについては継続的に運営できるといったところで、今、特別区のほうでは民間事業者が運営している火葬場が多い状況になってございます。ただ、金額等につきましては、公平性の担保が必要になりますので、火葬場が設置されている自治体において、調査ですとか、監視等をしております。本区は火葬場がありませんので、そういった権限を持っていないところでございますが、特別区長会のほうで情報を共有しながら対応しているところでございます。

 以上でございます。

○早川区民生活課長
 私からは、区民葬儀という観点でお答えをさせていただきます。

 区民葬儀につきましては、火葬料金も含んで、祭壇ですとか、霊柩車の料金等を、23区で運営協議会を設置しまして、その中で区民葬儀という冠をつけた場合の金額を設定してございます。火葬料金のほうは令和4年度から大人の方が5万9,600円、その前が平成23年度から5万3,100円で推移してございますが、これは民間の火葬場の料金と違いまして、あくまでも区民葬儀で御利用になった場合の火葬料金は、今お示しした金額となっているところでございます。

 以上でございます。

○白須委員
 ありがとうございます。

 区民葬儀の設定もありまして、本区では、区民葬儀の場合、良心的な価格で行われているということで、その点に関して、現状、価格の変化は数年見られていないという理解でよろしいのでしょうか。また、本区の区民の皆様が火葬費用を払った場合、近年、火葬費用が値上がりしているという理解、認識は、本区におきましては、ありますでしょうか。もう一度確認させていただけたらと思います。

○早川区民生活課長
 火葬料金の推移といったところでございまして、先ほども答弁させていただきましたが、民間の火葬場の料金の値上げ等の背景もございまして、令和4年度、令和4年4月1日から、区民葬儀につきましても、それまでの大人5万3,100円から5万9,600円という形で値上げがされているところでございます。

 なお、聞き及んでいる限りでは、都内公営の火葬場が2つと民間の火葬場がたしか7つあったというふうに記憶してございますが、そちらの金額はおおむね8万円から9万円ということで非常に値上げされているという情報は、こちらも持ち合わせております。ただ、繰り返しになりますが、区民葬儀で御利用いただいた場合には、今の火葬料金で御利用いただけます。

○吉田副区長
 全然門外から発言しますけれども、実は、臨海部の周辺区において人口増加がすごくなってきて、火葬場の需要も実際は臨海区のほうで出てくる。そうすると、実際に、今、うちの区だと桐ヶ谷斎場とか町屋斎場とかを使っているんですが、実は、1週間ぐらい火葬自体、待たされるというようなことが起きておって、やはり臨海部の区における火葬場の根本的な不足というのはある。ただし、やはり嫌悪施設ですから、実際にどこに造るんだという問題については、かなりナーバスにならざるを得ない。

 副区長という立場で個人の意見を言ってはいけないですけれども、今、人が住んでいない埋立地のところに造ればいいじゃないかと私は思っていますが、ただ、これも実はうちの区ではない。うちの区は火葬場を持っていませんから、大きな声で言えない。調整がつかない。これは昔のごみ戦争と同じなんです。主体性をなかなか発揮しにくいんです。

 今、御意見がございました助成の問題につきましても、民間と、それから公との間の価格差であるとか、民間の火葬場の利用価格の急激な上昇であるとかというところが、いろいろ現実に問題になっておりますから、その問題になっている部分の改善も含めたトータルの整理を、やはり基本的には区長会などで整理をしながら、あるいは東京都全体の中で調整をしながら進めなければいけない問題なので、補助金という問題についても、なかなか手がつけにくい状況であることは事実です。

 大変恐縮でございますが、この辺は、本来的に、持っていない区があまり大きな声で主張しにくい施策でございます。ただ、私どもの区の現実からすれば、それは欲しいんだという話でございますが、それを大声で言えば、自分で造ればということになってしまうわけです。また、それはうちのまちの中でどうするかという問題にもなるわけでございまして、その辺の複雑さを抱えている問題であるということを委員にも御理解をいただきながら、私どももアヒルの水かきでいろいろやらせていただきますけれども、その辺のところを御理解いただきたいと思います。

○白須委員
 御答弁ありがとうございました。これはトータルで都全体で考えていく必要があるということで、また1週間程度、そういうことも本当に精神的苦痛も感じられることをお話しいただきまして、ありがとうございました。

 本区には火葬場がありませんし、火葬場増設は、どこの地域でもなかなか住民の理解が得られないという問題、焼香や読経を省略したりして時間を短縮し、火葬炉の回転を速め、受入れ人数を増やしたりする取組が行われたりしていることは、好ましいとは思いません。東京都23区では、9か所ある火葬場のうちの7か所が民営の火葬場であり、そのうち6か所は東京博善という企業が運営し、ほぼ独占状態であり、利益優先の運営を行っていると言われ、今後、棺などの葬儀もかの国の製品使用が強制される可能性が高まっていると言われています。火葬場は公共インフラとも言えるものです。全ての死者に敬意を払い、適切な価格できちんと先祖供養するために、火葬場独占を解消するべきと考えております。区民の皆様の精神的、経済的な負担の軽減もなかなか難しいと思いますが、様々な状況を見ていただいて調整をしていただきますよう、今後もどうぞよろしくお願いいたします。

 最後になりますが、戦後、人生の先輩方が日夜を問わず頑張ってくださったおかげで今の日本があります。安定して暮らしやすい活力ある社会を継続するためには、自助・共助・公助の均衡が取れている必要性があります。

 医療費、教育費の無償化、災害時の給付金支給など、公的な支援を受けることが当たり前と感じるような社会になってきました。所得が増えず格差が拡大し、税や社会保険の負担が増加する中、社会の公平性を維持するために社会保障制度が拡大するのも理解はできますが、困難に直面した際に、他者や社会に責任を転嫁せず、他に頼らず主体的に判断し取り組み、自らの努力で解決する力を示す必要も感じております。御見解を伺いたいと思います。

○田中副区長
 やはりいろいろな施策が、今、東京都ですとか、国のほうからも打ち出されてきております。特に、ここ四、五年、コロナ禍を経まして、コロナ禍であるという理由で生活が非常に厳しくなったということから、一種ばらまきと取られてもおかしくないような施策の展開が、東京都あるいは23区で見ても、各区でそれぞれ競争のように行われてきているといった実態はあろうかと認識をしてございます。直近で言いますと、コロナ禍におきましても、中央区は他区で行っている様々な施策のようなことは行わずに、基本路線として感染症対策等では必要最低限の生活の支援といった考え方で取組を進めてきたところでございます。

 やはり生活は継続をしていかなければならないものでございまして、その中で、社会経済状況などに応じて様々な変化が起きるものだというふうに考えてございます。1つの事業、例えば民間の企業がやる際にも、先の予測ができない中で、不景気ですとか、収入の低下、こういったものを予測しながら蓄えをして、事業を継続していく。この力を持っているところがやはり強いんだろうというふうに考えてございます。

 また、コロナ禍で見ていますと、もう一つは、社会の流れを見抜いて、早々に事業転換したところが生き残ってきているといったところもあろうかというふうに思ってございます。

 我々は、区民生活を考えた上で、今、委員からもございましたけれども、自助・共助・公助が基本になってくる。一番ベースにあるのは、やはり自助だというふうに思ってございます。区民が様々な社会経済環境の変化に応じて、適切な対応をしながら生き残っていく力をまずは育てていかなければならない。そこの中で共助、もしそこで不足が生じた場合もしくは危なくなった場合、これを周りがどう支えていくか、こういったものも必要だと思います。その中で、どうしても足りない部分、あるいは生活保護といったような部分もございますが、必要最低限の生活がどこにあるのかといったところを公助として支えていく。それからもう一つは、自助・共助を補足あるいはフォローアップする部分としての公助、こういったものもあろうかというふうに思ってございます。

 今回の決算特別委員会の議論の中でもいろいろとございましたけれども、やはり最終的に私どもといたしましては、中央区にお住まいの皆さんに中央区というまちに愛着を持っていただいて、この中央区の中で住み続けていただく。生まれ育ったお子さんの頃から、ずっと生活をして、最後お年寄りになって、最後まで中央区に愛着を持って、中央区の中でどう生きていくか。これは人それぞれの価値観の中で行われていくべきものだと思ってございますので、その辺を十分皆さんに考えていただくような環境、あるいはサポートしながら、そういった部分を育てていって、さらにそこに不足する部分は、区として皆さんから頂いている税金を使って対応していく。こういった形でやりながら、中央区で生まれ育ち、中央区で生活する皆様が生き生きと活動し、輝ける中央区をつくっていければというふうに考えてございます。

○白須委員
 御答弁ありがとうございました。

 コロナというのは、本当に様々なところに影響を与えましたし、大変でした。また、コロナ禍で様々な支援が行われてきて、コロナを理由に、本当にばらまきと言えるようなことも行われてきたと私も認識しております。その中で、本区におきましては、基本最低限な施策を行ってきたということで、ありがとうございます。

 また、中央区で生まれた方、中央区に住んだ方が皆さん愛着を持って、住み続けて最後まで生きていく、それが本当に重要だと私も考えております。

 また、コロナ禍にいろいろ困難なことがあったときも、やはりそれぞれの努力が実るという状況を見ながら、企業も努力、個人も努力を失ってはいけないと考えております。余力があれば、求めに応じて、より快適な生活支援を行うことが可能でございます。しかしながら、公助の拡大には限界があるということ、そして公助の拡大で自立心の弱体、自助・共助の限界を招くことがないように、大変難しいことではございますが、自立心の涵養も考えていただきながら、引き続き、皆様に信頼される支援をお願いしたいと思います。

 ありがとうございました。終わります。

○海老原委員
 総括質疑も終了したと思われますので、次に、各会派の態度表明を行うようお諮り願うとともに、暫時休憩し、午後1時15分に委員会を再開されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○竹内委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹内委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 午後1時15分に委員会を再開いたしますので、御参集願います。

 暫時休憩いたします。

(午前11時56分 休憩)


(午後1時15分 再開)

○竹内委員長
 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。

 休憩前の総括質疑で全ての質疑が終了いたしましたので、これより本特別委員会に付託を受けました議案第88号に対する各派の態度表明をお願いいたします。

 まず、自由民主党さん。

○原田委員
 それでは、中央区議会自由民主党議員団の態度表明を行います。

 令和5年度は、「新たなステージへ!」と題して、当初予算が編成され、主な新規事業・充実事業として、新規28事業、充実21事業、継続43事業の計92事業に係る予算が執行されました。

 5月にコロナウイルス感染症が2類相当から5類に引き下げられ、経済活動が勢いを取り戻し始め、まちにはにぎわいが戻ってまいりました。

 しかしながら、平時の生活を取り戻しつつある一方で、世界に目を向けると、ロシアのウクライナ侵攻が継続する中、さらにはパレスチナ・ガザ地区をめぐる紛争が重なり、いずれも終息へと向かう気配のない、誠に憂える状況が現在も続いています。このような国際状況を背景として、区民生活には終わりの見えない物価高騰の影響が影を落としています。

 こうした中、区は基本構想の、輝く未来へ橋をかけるべく、基本計画の改定を行い、改定後の初年となる令和5年度のテーマを「新たなステージへ!」として、改めて新たな歩みを始めたものと捉えております。この着実な展開を図るべく、各種施策が実施されたことと評価しております。

 令和6年度はHARUMI FLAGがまちびらきとなりました。今後さらに人口増加が進み、行政需要の増加も見込まれます。まちには子供たちが多く見られ、大変喜ばしいことですが、本区の宝である子供たちが健やかに育まれる子育て環境と教育環境の整備が引き続き求められます。

 また、インバウンド需要の順調な伸びを見せる一方で、ごみ処理に関する事業者負担が増えていることや災害時の対応など、その対応は喫緊の課題となっております。能登半島地震の教訓を踏まえた区民への防災対策と併せ、取組を進めるようお願いします。

 さらに近年、地球温暖化など気候変動が大きな問題となっています。檜原村や大熊町との連携事業に通じて、将来的な脱炭素社会の実現に向け、本区の若い世代が環境問題を考える機会を充実させることも重要だと考えます。

 本委員会において我が会派からは、コロナ後の各分野における取組状況について様々な質疑・要望をいたしました。いずれも切実なる課題と捉え、先般提出した重点政策要望とともに、次年度予算編成に反映をし、引き続き20万都市に向け着実な歩みを進めていただくようお願いします。

 以上を申し上げて、本決算特別委員会に付託されました令和5年度歳入歳出決算の認定に同意いたします。

 以上です。

○竹内委員長
 次に、かがやき中央さん。

○ほづみ委員
 会派かがやき中央の令和5年度の各会計決算に対する態度表明を行います。

 令和5年度は、本区の行政運営の根幹をなす基本計画の新たな始まりの時期でありました。そして、その予算においては「新たなステージへ!」と題して、この基本計画を着実に展開させるために様々な施策が企画され、1年を通して懸命に御努力いただき多大な成果が得られ、このたびの決算審査に至ったところです。

 今回の決算審査に先立ち、我が会派からは次年度の予算編成に向けた要望書を区長にお渡しし、その内容に基づいて審査における質疑に臨みました。

 この要望書における個々の施策や改善の提案は、我々自身での調査分析から導き出されたものもあれば、日々区民の方々から寄せられた御意見・御要望に基づいたものもあります。また、その聴取の手段についても、直接に話をお伺いするものもあれば、インターネット上のSNS等でのやり取りやアンケートなどから得られたものもあります。

 このように、その経路や手段は多様であるものの、これらは我々個人の思いであること以上に、数多くの区民の皆様への区政への強い期待を具現化したものと自負しております。

 決算審査における質疑では、様々な行政課題を取り上げ、数々の議論がありました。その個々の論点は多岐にわたることから、大きく2つの観点から振り返ります。

 1点は、過去から現代における変化への対応という観点です。

 この一例としては、人口の変化があります。区政の課題が人口減少であった時代もありましたが、2023年1月時点で本区の人口は70年ぶりに過去最多を更新し、現在もなお増加の一途をたどっております。

 これらに伴う数々の変化によって既存の枠組みが十分に機能しておらず、何らかの変革が必要となっている面が多く見受けられ、その対応は急務です。

 これは、例えば町会・自治会を中心とした意見聴取の在り方です。このたび明らかとなった加入率の低下傾向や担い手の高齢化等によって、その声が必ずしも区民の声の全てであるとは言えない状況にあり、新たな意見聴取の手段の検討は不可欠です。

 また、産業会館や区民住宅、京華スクエアなど区で管理する施設インフラについても、当初の役割を現代の行政ニーズに合わせて再定義していくことが求められております。

 もう一点は、新たな時代への対応という観点です。

 さきに挙げた人口増加は今後も続き、いずれ20万人都市となる見込みとなっております。また、築地市場跡地をはじめとした再開発が今後も控えており、これらを見据えたまちづくりを目指す必要があります。このほか、首都直下地震など今後起こり得る大規模災害に向けた対応も重要です。

 これらの新たな時代に対応していくためには、個別具体の議論がありつつも、何より将来を見据えて多様な行政ニーズを的確に把握していくことが重要であり、そのために必要であるのは、区民の皆様をはじめとした本区に関わる多様な立場の方の声にこれまで以上に耳を傾け、共に新たな区政をつくっていくことです。もちろん、その対象は大人だけではなく、こども基本法の理念に基づき、子供も対象とされるべきです。また、この前提として各種審議会の資料の早急な公開やLINE等のさらなる活用など、区政に関する情報の積極的な発信も求められています。

 これら我が会派からの主張について、立場が異なることによる意見や観点、優先順位における相違があることで、その方向性が必ずしも同じものになるわけではありません。一方で、重要と考えますのは、おのおのの思いをこの場において主張し合い、より優れたアイデアを生み出し、区民の皆様にとってこの区政をよりよいものにしていくことです。

 先般の要望書及び質疑における数々の提案が、今後の本区の施策に迅速かつ積極的に生かされるよう改めて要望し、また、今後ますます闊達な議論ができることを期待しまして、会派かがやき中央は令和5年度中央区各会計歳入歳出決算の認定に同意いたします。

 以上です。

○竹内委員長
 次に、公明党さん。

○田中(広)委員
 中央区議会公明党の態度表明を申し上げます。

 本年、元日の地震で甚大な被害を受けた能登半島を、今度は記録的な大雨が襲いました。改めて、被災者の皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興を念願いたします。

 さて、令和5年度中央区各会計歳入歳出決算は、財政指標によりますと、現時点で健全性を維持していると思いますが、人口増加に伴い拡大・多様化する行政需要への対応、さらに景気の先行きや物価上昇の影響など、今後の推移に十分注意していく必要があると考えます。これからも、効率的で持続可能な行財政運営に努めていただくよう要望いたします。

 基本計画2023の初年度となる令和5年度は、「新たなステージへ!」と題して、物価高騰への対応など、経済対策の実施や能登半島地震の発生を受けた防災事業の総点検、産後ケア事業の拡大など子育て世帯に対する支援の強化、第四次子ども読書活動推進計画の着実な実施など子供の健やかな成長と豊かな学びあふれる取組、晴海西小・中学校や晴海図書館などの整備、銀座・築地周辺みどりのプロムナード構想など中長期的な都市基盤整備の検討、水辺環境の活用検討などの緑あふれる豊かで魅力あるまちづくり、帯状疱疹ワクチン任意予防接種の一部助成など健康で安心して暮らせるまちの推進など、各事業の充実・強化に努められました。

 特に、中央区議会公明党として一般質問などで取り組んでまいりました子ども医療費助成制度の高校生世代までの拡大や、保育園及び小学校・中学校の学校給食費の無償化について令和5年4月より実施していただき、評価いたします。引き続き、幼稚園の弁当給食の導入や預かり保育も検討していただき、子育て・教育環境の充実とともに、物価高騰への対応強化や精神的支援にもつながると考えます。

 物価高騰については、区民生活に大きな影響を及ぼしておりますので、国や東京都の動向も踏まえながら、今後ともさらなる経済対策を要望いたします。

 また、防災対策については、現在、総点検の結果を踏まえ、補正予算を編成し各事業を進めていただいているところでありますが、引き続き防災対策の強化に向けて取組をお願いいたします。

 今後、中央区は、人口増加がさらに続く中、東京の発展を牽引するような築地市場跡地開発や築地川アメニティ整備構想など都市基盤整備事業が進んでいきます。各事業が複雑に関わり合い、竣工後だけではなく工事中も事業が並行して進行するため、交通など様々な影響が区内全域に及ぶことが予想されます。変化が続く中、人と人との温かいつながりや地域への愛着心の醸成など、安心して住み続けられるまちづくりが求められます。中央区全体を俯瞰し、これまで培ったまちづくりの知見や各地域の歴史なども踏まえ、様々な検討をしていただきながら、中央区基本構想「輝く未来へ橋をかける ―― 人が集まる粋なまち」の実現に向けて取り組んでいただくようお願いいたします。

 各款におけます決算審議に際しましては、区民の目線に立ち、様々な意見や提案をさせていただきました。当局におかれましては、これまでの意見・提案を十分に御検討いただき、次年度予算編成、また今後の行政運営に反映していただきますよう強く要望いたします。

 中央区議会公明党は、中央区各会計歳入歳出決算の認定に同意いたします。

 以上申し上げまして、中央区議会公明党の態度表明とさせていただきます。

○竹内委員長
 次に、区民クラブさん。

○山本委員
 令和5年度中央区各会計歳入歳出決算の認定に対する中央区民クラブの態度表明を行います。

 基本計画2023の初年度に当たる令和5年度予算は、「新たなステージへ!」をテーマに掲げ、脱炭素社会の実現を目指す取組、地域経済の活性化につなげる取組、妊娠期から子育て期にわたる伴走型支援、都市再生に向けた都市基盤整備などに重点を置いた予算編成でした。

 予算執行に当たっては、将来にわたる健全で持続可能な財政運営を基本とし、コロナ感染症や物価高騰への対策のほか、低所得世帯や子育て世帯への経済的支援などの喫緊の課題への対応に加え、将来の中央区を支えるまちづくりなどの中長期的な課題に重点的・優先的に取り組んでおられます。また、ゼロカーボンシティ中央区宣言を踏まえ、再生エネルギーの活用、森林保全活動の推進、環境負荷の低減に向けた取組を強化しています。これらの積極的な取組を評価いたします。

 さて、決算審査においては、予算の見積りに過不足がなかったか、予算の執行結果や事業成果、行政課題などに焦点を当てさせていただきました。コロナを機に区政を取り巻く環境が変化する中で、現下の課題に的確に対応できる組織づくりと部局間連携により、区民の信頼と期待に応える行政サービスの提供を望みます。

 最後に、本決算特別委員会において私が申し上げました意見及び要望などを今後の区政運営に十分に反映していただくことを望み、令和5年度決算に対する同意の態度表明とさせていただきます。

○竹内委員長
 次に、日本共産党さん。

○小栗委員
 令和5年度、2023年度中央区各会計歳入歳出決算の認定に対する日本共産党中央区議会議員団の態度表明を行います。

 日本経済は30年にわたって深刻な停滞に陥り、それに加えて物価高騰が国民に襲いかかっています。異常円安、物価高騰で、実質賃金は今年6月まで26か月マイナスとなっており、実質賃金はピーク時の1996年から年収で64万円も減りました。国の社会保障や教育への公的支出は極めて低い水準です。

 政府が2023年に閣議決定した全世代型社会保障改革工程で、高齢者の医療費窓口負担引上げ、都道府県内統一化の名による国民健康保険料の値上げ、介護保険の利用料2割負担の対象拡大、要介護1、2の生活援助の保険給付外しなど、社会保障の全分野にわたって国民負担増と給付削減を行っています。

 一方、骨太の方針2023では、敵基地攻撃能力の保有をはじめとする防衛力強化や、日米同盟強化の推進のため、6兆円を超える防衛関連費を盛り込みました。財界や大企業の利益のために、超低金利や公的マネー投入で株価をつり上げ、大企業への減税を続けるなど、大企業の利益優先の経済政策を続けています。

 東京都はどうでしょうか。小池都政は、国際競争に勝ち抜く、稼ぐ東京をつくることを主眼にした築地市場跡地を含む臨海地域の東京ベイeSGまちづくり戦略の大規模開発や、外かく環状道路などの大型道路建設を進めています。

 中央区に求められるのは、こうした国や都の悪政から区民生活を守る防波堤の役割をしっかり果たし、公助の力を最大限発揮することです。

 日本共産党中央区議会議員団は、2023年の予算編成の際、900項目の重点要望書を区長に提出し、予算案を審議した予算特別委員会では、区民の命と生活を守る施策を予算化するという基本に立って、私立・区立の保育所のゼロ歳から2歳児の保育料無償化や生活保護世帯への歳末見舞金・夏期見舞金の復活、情報公開手数料の廃止などを計上し、一般会計を28億6,419万5千円増額する予算修正案を提出しましたが、残念ながら、修正案は否決されました。

 2023年の予算執行には、子ども医療費助成の18歳までの拡大、学校給食費・保育所等副食費の無償化や区施設での生理用品の無償配布、新たな仕組みによる中央エコアクトの運用開始など評価できる施策もありますが、抜本的な見直しが求められる多くの課題があると考えます。

 予算編成から決算審議までの経過を含め、日本共産党中央区議会議員団は、決算案について総合的に検討した結果、議案第88号、令和5年度中央区各会計歳入歳出決算の認定に反対します。

 以下、その理由を述べます。

 まず、一般会計についてです。

 2023年度の決算は、一般会計で約1,630億円の規模となりました。歳出決算額の増額の主な要因は、市街地再開発事業助成、晴海に新設する小・中学校の整備や、晴海特別出張所等複合施設の整備などによるもので、投資的経費が60%増となっています。特に9地区の市街地再開発事業助成が220億円となり、歳出決算の13%を占めています。

 中央区は国際競争に勝ち抜く、稼ぐ東京をつくるという東京都とともに、首都高日本橋区間の地下化、KK線、新京橋連結路、首都高環状線と築地川アメニティ構想、日本橋川周辺の5地区再開発、東京駅八重洲駅前地区の再開発、築地市場跡地開発と併せた築地周辺の再開発を進めています。

 超高層ビルを林立させ、再開発地域やその周辺、また、道路建設などで転出者を生み出すような再開発計画が区内あちこちで行われ、莫大なCO2の排出で、環境への負荷も増大させているまちづくりは問題です。

 また、区内各地でマンション建設が進み、HARUMI FLAGへの入居などで人口が急増していますが、保育園、学童クラブの待機児問題は深刻です。

 高騰するマンション価格の一方で低家賃住宅が不足し、住み続けられない事態を生んで、住宅問題も深刻です。

 福祉の増進を図るという自治体の本旨に沿って区民ニーズに応えた公共の役割、責任を果たしていくことが求められます。

 特に、以下の点を要望するものです。

 第1に、中央区役所の職員の男女の給与の差異は83.8%と公表されました。ジェンダー平等に向けた男女の賃金格差是正のためにも、会計年度任用職員などの待遇改善が急務です。採用上限回数の撤廃を早期に実施するとともに、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営に立ち戻るべきです。

 第2に、子育て分野では、2023年4月も待機児童ゼロと報告されましたが、年度末の2024年3月では183人、隠れ待機児は583人となり、引き続き量の確保が必要です。あわせて、私立認可保育所の運営費弾力運用を見直し、保育士の待遇改善を図って、保育の質を確保することも欠かせない課題です。

 第3に、都市型水害を防ぐため、雨水貯蓄施設を整備し、雨水の活用を進めることが必要ですが、区内の民間施設での設置状況も把握されていません。助成制度もつくり、雨水貯蓄施設の整備を進めることを求めます。また、街路樹などの樹冠被覆率を高め、都市のヒートアイランド現象の緩和や雨水の吸収を図るため、目標を持って取り組むよう求めます。

 第4に、公園の少ない中、貴重な公園の土地を営利企業に貸し出す桜川公園のPark-PFIの導入は見直すべきです。

 第5に、教師の多忙化の解消は喫緊の課題です。長時間労働等の解消のために教職員増、少人数学級の実現などの条件整備、残業代支給の仕組みなど、抜本的な対策が必要です。

 第6に、子供たちを点数で競わせる全国学力テストの中止、英語スピーキングテストを都立高校の入試に使うことをやめるよう求めます。

 次に、特別会計についてです。

 国民健康保険は、2023年度も保険料が引上げとなりました。国の制度として未就学児の保険料均等割が半額となりましたが、多子世帯の保険料軽減は限定的で、子供が多いほど保険料の負担が重くなっています。特に、中間層の保険料は大変重いものとなっています。一般会計からの繰入れを増やして、高過ぎる保険料を引き下げることを求めます。

 また、12月から健康保険証を廃止して、マイナ保険証に一体化する準備が進められています。短期証の廃止も予定されています。短期証の廃止で10割負担を強いられることになります。資格確認証の発行などで混乱も広がっています。健康保険証の存続を求めるものです。

 介護保険については、原則1割だった利用料が、所得によって2割、3割の自己負担となっています。保険あって介護なしとならないよう、保険料、利用料の軽減を図るべきです。

 また、区独自に、物価高騰対策として実施した介護サービス事業所への補助金など、支援をさらに拡充することを求めます。

 後期高齢者医療は、高齢者に2割負担が導入され、75歳以上の2割に当たる高齢者が窓口負担2倍化となりました。

 保険料も利用料負担も窓口負担も引上げばかりです。受診抑制、利用抑制につながることになり、到底容認できません。

 以上、各会計決算に対する反対理由を述べ、日本共産党中央区議会議員団の態度表明を終わります。

○竹内委員長
 次に、立憲民主党さん。

○梶谷委員
 令和5年度中央区各会計歳入歳出決算の認定に対する中央区議会立憲民主党の態度表明を行います。

 今回の令和5年度の予算では、「新たなステージへ!」と題し、新たに作成した中央区基本計画2023に掲げる取組の着実な展開を図るとともに、脱炭素社会の実現を目指す取組、アフターコロナを見据えた地域・経済の活気とにぎわい向上の取組、子供の健やかな成長と豊かな学びあふれるまちづくり、将来の区を支える都市基盤整備について、重点的に強化を図った予算編成でした。

 決算審査においては、主に財源措置を行った事業など、執行率を確認しながら、現状をはじめ、課題や今後について確認をするとともに、予算編成時の新規28事業、充実21事業、継続43事業の主要事業を基に、補正予算で新たに追加された新規事業についても質問をし、さらに、区民の方から伺った御意見や要望を踏まえて質問をさせていただきました。

 質問をさせていただいた事業は、いずれも首都東京の中心都市であると同時に、江戸時代からの歴史と伝統が連綿と続く本区ならではの特性に資する事業ばかりであり、今後とも、区民の皆様への行政サービスとして、さらなる充実を図っていただきますようよろしくお願いいたします。

 現在、ポストコロナの時代においては、デジタルトランスフォーメーションが急速に進展し、社会全体が新たな価値観や生活様式を模索しており、このような変化の中で、行政運営は常に先を見据え、柔軟かつ迅速に対応することが求められています。これからも区民の安全と安心を最優先に、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいただきたいと思います。

 最後に、本決算特別委員会において、私の質疑内で提案した内容や要望について、子供たちから高齢者の方々まで、本区に暮らす全ての方々が笑顔で安全・安心な暮らしを送ることができるよう、少しでも区政に反映していただけることをお願い申し上げ、令和5年度中央区各会計歳入歳出決算に対する同意の態度表明とさせていただきます。

○竹内委員長
 次に、維新さん。

○上田委員
 令和5年度の各会計歳入歳出決算に対する日本維新の会の態度表明を行います。

 令和5年度予算は、基本計画2023とともに策定された初の予算であり、脱炭素の取組やコロナ後を見据えた地域・経済の活気を取り戻す取組、再開発が続く中での都市基盤整備、そして子育て世帯への支援強化など、数多くの要素を盛り込み、過去最大規模の一般会計予算であったと理解しております。

 その中で、私たち日本維新の会として要望していた数多くの施策が実現されていったことを、まずは評価したいと思います。具体的には、シティプロモーションの展開、起業家塾の拡充、民間学童クラブの誘致や学校給食費・保育所等副食費の無償化、学校設備の整備・改築など、いずれも区民のニーズと現実の課題に向き合い、予算を活用いただいております。事業別行政評価シートについても、昨年より見やすい形に変更いただき、お礼申し上げます。

 他方、総括質疑でも触れたように、行政の効率化という点については、まだまだ改善の余地があると考えます。区民からの要望のみならず、トップダウンで中央官庁から降ってくる様々な施策も踏まえると、予算も人員も決して潤沢ではないでしょう。予算特別委員会でも申し上げたとおり、事業そのものが本当に今の時代に必要なのか見直す仕組みを、今後、決算の中でぜひ取り入れていただきたいと思います。そして、限られた人員の負荷が重くなり過ぎないよう、DXの取組・リモートワークの推進など、いずれも行政が民間の働き方改革で求めている内容を、行政側でも隗より始めよの精神で、率先して実施いただくようお願いを申し上げます。

 これからも中央区は新たな住人を迎えながら、進化を続けていくまちになるでしょう。そのことは期待に胸が膨らむ一方で、高い品質の民間サービスと行政サービスは比較され続けることになります。

 区政世論調査によると、本区への愛着心は平成18年以降8割台と大変高いと示されている。一方、同時に、3年間で54.6%もの人が定住せずに去っていくというデータも示されました。この事実に行政は向き合い、考えていかなければならないと思います。区民の多くは、政治・行政に関してサイレントマジョリティ、つまり物言わぬ多数派であります。とはいえ、よほど大がかりな調査をしなければ、その具体的な課題感は見えてこないというわけではありません。課題の解像度を上げるためには、区民が日々過ごしている視点・感覚を理解しようと努め、改善するという地道な行為こそが大事であると考えます。

 言うまでもなく、本区は行政職員のおよそ9割が区外からの通勤者です。本当の意味で当事者になることはできないからこそ、区民目線、住民目線を決して忘れることなく、自分事として捉えて各施策の執行に当たることをこれからもお願いしたいと思います。特に、理事者の皆様方におかれましては、細部に目を配っていただきたいのです。例えば、公園に行って、プレディを見て自分の子供を行かせたいと思えるかどうか。敬老館に行って、ここなら自分の親が来ても笑顔になれそうだなと感じるかどうか。そして、機会があれば自らが中央区に引っ越し、住み続けたいと思うかどうか。一人一人の当事者感覚をぜひ大切にしていただければと思います。

 そして、一つ一つの具体的な業務、すなわち価値提供は、理事者の皆様方の熱量と、現場にいる職員の方々の御尽力に依拠していくものと考えます。私たち議員は、区民の小さな声を拾うことはできても、職員の小さな声を拾うことは現実的に極めて困難です。だからこそ、理事者の方々が若手職員の声や、現場で御尽力されている指定管理者や会計年度任用職員の方々も含めたステークホルダー全員の声をできる限り聞きながら、行政のよりよい執行に当たっていただくことをお願いしたいと思います。

 最後に、中央区は本区が持つ歴史・伝統に基づきつつ、未来に向けた役割を果たしていくことがこれから何より重要だと思います。今年の決算を振り返ってみても、10年間活用していく新たな基本計画の初年度として、まさに「新たなステージへ!」の第一歩を着実に歩み始めていると感じます。当然、十分ではない部分も、道半ばの事業もあるでしょう。ですが、その課題を認識した上で改善を続ければ、必ず目標はかなうものだと信じています。所管を持つ皆様方におかれましては、できるところから着実に改革を進めていただきたいと思います。そして、それだけでは動かない山があれば、区長を筆頭に政治的な決断もしながら、20万都市の先を見据えた区政運営をこれからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

 それぞれ提案いたしました各種要望を踏まえた上で、以降の区の運営に取り入れていただくことを心からお願いしつつ、本特別委員会に付託されました令和5年度各会計歳入歳出決算の認定に、日本維新の会として同意いたします。

○竹内委員長
 次に、士魂の会さん。

○白須委員
 士魂の会の態度表明を行います。

 少子高齢化が進行し、物価の高騰や先行き不透明な社会情勢の中、本区におきましては、力強い人口増加がしばらく続くと予想され、多岐にわたる諸課題への取組により、社会経済活動の正常化が進んでいると存じます。

 本委員会の質疑で行った、区政を担う職員の魅力ある職場づくり、公共施設の有効利用、高齢者が地域で生き生きと暮らせるまち、美しい景観の形成、児童・生徒の学びの充実、様々な危機管理と意識改革を着実に実行していきますようお願いいたします。

 想定できる限りのあらゆる想定を行い、新たなステージに向かって、強靱で持続可能な社会を構築し、より効果的で信頼性のある財政運営につなげていくことを要望いたします。

 人々が集い、にぎわい、魅力あふれるまちを継続できるよう、時代に合った施策を実践し、誇りある中央区として様々な挑戦を続けていくことを確認し、令和5年度中央区各会計歳入歳出決算の認定に同意いたします。

○竹内委員長
 各会派の態度表明が終わりましたので、これより採決に入ります。

 副委員長は委員席へお移りください。

 議案第88号、令和5年度中央区各会計歳入歳出決算の認定について、起立により採決いたします。

 本案を認定することに賛成の皆さんは御起立を願います。

〔賛成者起立〕

○竹内委員長
 起立多数と認めます。――御着席願います。

 よって、議案第88号、令和5年度中央区各会計歳入歳出決算の認定については、これを認定すべきものと決定いたしました。

 副委員長は元の席へお戻りください。

 さらに、ここでお諮りいたします。来る17日開会の本会議において、本特別委員会の委員長報告をいたしますが、その報告については、いかが取り計らいましょうか。

〔「正副委員長一任」と呼ぶ者あり〕

○竹内委員長
 正副委員長一任の声がありますので、さよう取り扱わせていただきます。

 なお、委員長報告案が出来上がりましたら、次の委員会で御検討をお願いすることになります。その際、各会派の態度表明部分の朗読を省略いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹内委員長
 御異議なしと認め、態度表明部分の朗読を省略いたします。

 それでは、次回の委員会開会日時については、いかがいたしましょうか。

○海老原委員
 来る17日午前11時に開会されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○竹内委員長
 ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹内委員長
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。

 来る17日午前11時に委員会を開会いたしますので、御参集願います。

 それでは、私より一言御挨拶を申し上げます。

 (挨拶)

 次に、議長より挨拶をお願いいたします。

○瓜生議長
 (挨拶)

○竹内委員長
 次に、区長より挨拶をお願いいたします。

○山本区長
 (挨拶)

○竹内委員長
 それでは、本日はこれをもって散会いたします。

 誠にお疲れさまでした。

(午後1時59分 散会)

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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