ページの先頭です
トップページ  の中の  会議録検索(本会議・委員会等)  の中の  令和6年第一回定例会会議録(第2日 2月28日)

令和6年第一回定例会会議録(第2日 2月28日)

1.会期

三十一日(第二日)

二月二十八日(水曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後五時十五分散会

3.出席議員

(二十九名)

一番 ほづみ ゆうき議員

二番 小坂 和輝議員

三番 上田 かずき議員

四番 黒原 裕司議員

五番 アルール うた子議員

六番 川畑 善智議員

七番 永井 佳代議員

八番 梶谷 優香議員

九番 高橋 まきこ議員

十番 青木 かの議員

十一番 高橋 元気議員

十二番 田中 耕太郎議員

十三番 かみや 俊宏議員

十四番 太田 太議員

十五番 竹内 幸美議員

十六番 山本 理恵議員

十七番 渡部 恵子議員

十八番 白須 夏議員

二十番 奥村 暁子議員

二十一番 瓜生 正高議員

二十二番 塚田 秀伸議員

二十三番 押田 まり子議員

二十四番 海老原 崇智議員

二十五番 木村 克一議員

二十六番 礒野 忠議員

二十七番 原田 賢一議員

二十八番 堀田 弥生議員

二十九番 墨谷 浩一議員

三十番 田中 広一議員

4.欠席議員

(一名)

十九番 小栗 智恵子議員

5.出席説明員

区長 山本 泰人君

副区長 田中 智彦君

副区長 吉田 不曇君

教育長 平林 治樹君

企画部長 浅沼 孝一郎君

総務部長 黒川 眞君

防災危機管理室長 春貴 一人君

区民部長 濱田 徹君

福祉保健部長 大久保 稔君

高齢者施策推進室長 北澤 千恵子君

保健所長 渡瀬 博俊君

環境土木部長 三留 一浩君

都市整備部長 早川 秀樹君

都市活性プロジェクト推進室長 溝口 薫君

会計管理者 山﨑 健順君

教育委員会事務局次長 生島 憲君

監査事務局長 林 秀哉君

政策企画課長 石戸 秀明君

財政課長 野末 託範君

総務部参事(総務課長事務取扱) 田部井 久君

6.議会局出席職員

議会局長 伊藤 孝志君

庶務係長 長田 基道君

議事係長 小倉 正信君

調査係長 佐藤 康之君

書記 鳴子 歩良君

7.議事日程

日程第一

  • 一般質問

午後二時 開議

○議長(瓜生正高議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。

 本日、小栗智恵子議員より欠席の申出がありましたので、御報告いたします。


○議長(瓜生正高議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 十六番山本理恵議員。

〔十六番 山本理恵議員登壇〕

○十六番(山本理恵議員)
 中央区民クラブの山本理恵です。

 令和六年中央区議会第一回定例会の一般質問を、さきの質問通告に沿って行わせていただきます。区長並びに各理事者の方々には誠意ある御答弁をお願い申し上げ、質問に入らせていただきます。御答弁によりましては、再質問を留保いたします。

 一般質問を始めるに当たり、去る一月一日に発生した石川県能登半島地震でお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。この困難なときを乗り越え、被災された方々が早急に平穏な日々を取り戻せるよう、一日も早い復旧復興と生活再建を心よりお祈り申し上げます。

 今回は、子供のクオリティ・オブ・ライフの向上をテーマに、質問や提案を重ねてまいります。

 クオリティ・オブ・ライフ、QOLとは、生活の質、人生の質を示す概念であり、主に医療や福祉の分野で用いられています。この概念は、ソクラテスの、何よりも大切にすべきは、ただ生きることではなく、よりよく生きることであるといった哲学的追求にも関係しています。QOLは、物質的な豊かさに満たされた生活ではなく、心身ともに満たされた生活に焦点を当てた考え方です。生活の質を向上させる上で最も重要なことは、健康な生活を送ることです。健全な食生活や規則正しい生活習慣を心がけることが大切です。生涯にわたって心も体も健康で質の高い生活を送るために、生きる上での基本である食育が重要です。

 まず、心と体を育てる食育の推進について伺います。

 近年、核家族化の進展、共働きやひとり親世帯の増加などにより、区民のライフスタイルは多様化し、食を取り巻く環境は大きく変化しています。不規則な食生活、食習慣の乱れ、栄養の偏り、朝食の欠食、外食や中食等の習慣化、生活習慣病の増加など、食に関する深刻な課題が山積しています。

 食育基本法では、食育は、生きる上での基本であって、知育、徳育、体育の基礎となるものであり、様々な経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てるものとします。また、食育を推進する農林水産省は、健全な食生活、食の大切さ、食に関する知識やマナー、食を選択する力、食の安全、食文化の理解と継承、食に関わる人々への感謝などについて、家庭・学校・地域社会・行政がそれぞれの立場で、それぞれの役割を果たすことを求めています。毎年六月を食育月間、毎月十九日を食育の日と定め、食育に対する国民の理解促進、普及啓発を行っています。

 中央区では、中央区健康・食育プラン二○一三において、健全な食生活の実践、生活習慣病の予防、共食の推進などの食育に取り組み、生涯を通じた健康づくりを推進しています。具体的には、バランスのよい食事や早寝早起き朝ごはんの食生活習慣の定着に向けた普及啓発、食べよう野菜三五○運動の推進や、食育野菜キャラクターの普及などに取り組んでいます。また、家庭での食育の取組を支援するレシピ集の配布や動画の配信など、食育ガイドを活用した食生活情報を提供しています。新たな中央区健康・食育プラン二○二四、中間報告では、ライフコースアプローチの視点を取り入れた健康づくりが盛り込まれています。胎児期から高齢期に至るまでの人の生涯を経時的に捉えた個人の特性をより重視した健康づくりを推進します。食育のスタートは胎児期から幼児期を経て、青壮年期、高齢期となることから、子供の頃から健全な食生活を支えていく必要があります。

 そこで、まず、中央区における食育の推進状況と課題について伺うとともに、中央区健康・食育プラン二○一三の成果についてお聞かせください。また、子供に対する食育の取組と課題、今後の方向性について伺います。

 次に、子供の朝食欠食と生活習慣病について伺います。

 子供の食をめぐる問題は、大人たちを中心とする家族の暮らし方、働き方、価値観などが大きく影響しています。子供の食生活の乱れが深刻化する中で、特に問題視されているのは朝食欠食です。子供が朝食を食べない、あるいは食べられないことの主な理由は、食べる時間がない、食欲がないというものです。これらの理由の背景には、夜更かしによる朝寝坊など、基本的な生活習慣が確立されていない子供の生活実態があります。不規則な睡眠や寝不足は、心身の健康を損なうおそれがあります。

 農林水産省が公表する令和四年度食育白書では、朝食の摂取は栄養補給だけでなく、体内時計のリズムを整えるために必要であり、適切な生活習慣の育成と心身の健康の保持につながるとします。また、文部科学省は、早寝早起き朝ごはんを国民運動として推進し、早寝早起きのリズムと学習意欲との関係や、朝食摂取と学力・体力との関係を明らかにしています。同省が実施した令和五年度全国学力・学習状況調査によると、毎日朝食を食べる小学生の割合は八三・七%、中学生は七八・六%であり、毎日朝食を取る児童・生徒ほど、各教科の平均正答率が高い傾向にあることが報告されています。また、スポーツ庁が実施した令和四年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査によると、毎日朝食を食べる子供ほど、体力合計点が高い傾向にあることが報告されています。

 令和四年五月に実施した中央区民の健康・食育に関する意識調査では、毎日朝食を食べる子供の割合は、平成二十八年度に九○・二%だったのに対し、令和四年度は八四・四%に減少したことが報告されています。特に、朝食をほとんど食べない未就学児が一○%程度いることに留意する必要があります。

 そこで、中央区における子供の朝食欠食の現状と課題について伺います。また、朝食を欠食する子供を減らすための取組についてお聞かせください。

 成長期の子供に対する食育は、生涯にわたる健康の基礎をつくるものであり、子供の頃に身についた食習慣を大人になってから改めることは、とても困難です。子供の頃からの健全な食生活の実践により、生活習慣病を予防していく必要があります。令和四年度中央区三歳児・児童生徒の肥満度調査結果によると、三歳児健診受診者のうち、身長・体重の測定を行った幼児一千五百十八名の三・四%、区立小中学校の全児童生徒九千九百九十四名のうち、小学生は六・三%、中学生は一○・三%で、年齢が上昇するにつれて、肥満の子供が増えていくことが報告されています。また、令和五年度第一回中央区立保育所における園児肥満度調査結果によれば、区立保育所十六園の三・四・五歳児クラスの園児九百九十一人のうち、三・三%に当たる三十三人が肥満であると報告されています。

 そこで、子供の生活習慣病の原因とその問題点について伺います。また、中央区における子供の生活習慣病の予防と食習慣の改善に向けた取組についてもお聞かせください。

 次に、子供の基本的な生活習慣の確立について伺います。

 中央区では、保護者の働き方、生活スタイル、家族形態の多様化に伴う子育て支援ニーズの変化に柔軟に対応できるよう、きめ細やかな子育て支援サービスの提供に努めてきました。多様な就労形態に対応する延長保育、急な残業等に柔軟に対応できる夜間保育、突発的な事情等に対応できるベビーシッターによる預かり保育など、午後十時まで利用できる子育てサービスを提供しています。また、学童クラブ等においては、保護者の就労等、特別な事情がある場合は午後七時半まで延長が可能で、民間学童クラブは午後九時まで延長して利用できます。

 子育て支援の充実とともに、子供の帰宅時間や就寝時間は遅くなりつつあります。一時預かり保育や延長保育、早朝・夜間保育等は働く保護者の強い味方である一方で、複雑な思いを抱えている子供がいるのも事実です。子育て支援の充実に当たっては、子供の心情にどのように寄り添っていくのかが課題となります。

 そこで、子供の基本的な生活習慣の確立と、長時間化する保育との関係をどのように捉えているのか伺います。また、就寝・起床時刻の遅れや生活リズムの乱れが子供の成長に与える影響と、成長期の子供の望ましい生活習慣について、医学的知見を交えてお聞かせください。

 健康的な食習慣の確立は、規則正しい生活習慣の上にこそ成り立つという認識は、食育を推進する上で共有されるべき土台です。子供の朝食を食べる習慣は、就寝・起床などの生活習慣や、親世代の朝食を食べない習慣などが影響している可能性があることが指摘されています。富山大学と富山県教育委員会の連携事業として実施した文部科学省スーパー食育スクール事業において、生活にゆとりのない家庭の親は食育への関心が低く、子供の食習慣の悪化や孤食をもたらす傾向があることを示唆しています。ここでいう孤食とは、孤独な食事、一人で食事を取ることを意味する孤食です。

 子供の食習慣は親の生活習慣に左右されることから、子供の望ましい食習慣づくりを進めるに当たり、親に対する健康教育をより積極的に推進していく必要があると考えますが、区の認識を伺います。

 次に、お弁当における食育の取組について伺います。

 子供への食育の推進については、児童福祉にあっては保育所保育指針や幼保連携型認定こども園教育・保育要領に、学校教育にあっては幼稚園教育要領や学習指導要領に、保育及び教育活動の一環として位置づけられています。食育の中核的な役割を担う管理栄養士や栄養教諭等を中心に、関係者が連携した体系的かつ継続的な食育を推進しています。

 中央区では、令和六年四月から全区立幼稚園で希望する園児に弁当給食の無償提供を始めます。これに先行して、令和五年度は久松幼稚園で弁当給食の実施に向けた試行を行いました。また、区立小学校の長期休業期間中における学童クラブ及び放課後子ども教室プレディ、プレディプラスにおいて、原則としてお弁当を持参としながらも、希望する在籍児童への昼食の提供を始めます。中央区学童クラブ等弁当配食事業を実施するに当たり、学童クラブ等へ弁当配食を行う指定事業者を決定しました。子供たちが安心しておいしく食べられるお弁当を提供していく予定です。

 そこで、学童クラブ等における弁当配食を新たに実施するに当たり、栄養バランスへの配慮、アレルギー食への対応、衛生・食品管理等に留意しながら進めていく必要がありますが、それぞれの施設での対応と課題、利用頻度の見込みについて確認をさせてください。また、幼稚園における弁当給食についてもお知らせください。

 さらに、食を通じた子供の育ちの観点から、お弁当における食育の取組について、お考えをお聞かせください。

 子供の食を考えるとき、家庭と連携して食育を進めていくことが不可欠です。家庭の協力なくして、食育の成果は得られません。これを機に、偏食や小食、ここでいう小食とは食事量が少ないことを意味する小さい食です。小食など、食に関する子育ての悩みや不安を抱えている保護者と子供の育ちを共有し、家庭における食育を支援していくべきと考えますが、見解を伺います。

 次に、家族の絆を深める共食の推進等についてです。

 食育の取組は、日常生活の基盤である家庭を中心に推進していくことが極めて重要です。家族が食卓を囲んで、共に食事をしながらコミュニケーションを図ることは食育の原点であり、共食を通じて食の楽しさや食に関する基礎知識を習得する機会になります。農林水産省は、家庭における食育の推進について、家庭での食育は、何も特別なことをしなくても日常生活にある、当たり前にあることから学べるとします。しかしながら、親の仕事や家事あるいは子供の塾や習い事など、それぞれのハードワークにより、一昔前までは当たり前だった家族団らんの時間が減少しています。

 中央区健康・食育プランでは、家族そろって食卓を囲む共食を重点課題とし、家族との共食の頻度を増やすための取組を行っています。食育の原点である家庭における共食は、子供への食育を推進する大切な時間と場だからです。

 そこで、まず、家庭における共食の効果について区の認識を伺います。また、日常生活を通した家庭における共食の推進状況と課題、今後の方向性についてお聞かせください。

 内閣府は、平成十九年度から、十一月の第三日曜日を家族の日、その前後一週間を家族の週間と定め、家族の大切さなどについて理解促進や啓発活動を行っています。啓発活動の一環として、こども家庭庁は、令和五年度こどもまんなか「家族の日」写真コンクールを開催しました。見る人の心が温まる写真を公募した結果、全国各地から一千四百四十一作品の応募があったそうです。

 子供や家族が大事にされる社会の実現に向けて、中央区においても、家族の日に写真コンクールの開催、家族で楽しめる過ごし方の提案、家族で参加できるイベントの実施など、家族の絆を深める取組を積極的に推進していくべきと考えますが、見解を伺います。

 また、食文化や食品選択、食品ロスなど、食に関する知識や意識を高める参加型イベントや、子供が楽しみながら学べる自然・農業体験など、親子が質の高い時間を一緒に過ごせる場を増やしていくことを望みますが、見解を伺います。

 次に、子供を育む親力の向上について伺います。

 第二期中央区子ども・子育て支援事業計画では、親子で過ごす時間は子供の成長に大切であるとともに、親にとっても喜びであることから、子供と過ごす時間を増やせるような働き方や、両親共に子供に向き合う時間をつくり出すワーク・ライフ・バランスを推進しています。

 NHKのバラエティ番組「チコちゃんに叱られる!」で紹介された、親子で一緒に過ごせる時間によれば、母親が生涯自分の子供と過ごせる時間は約七年六か月、父親は母親の半分の約三年四か月しかなく、子供の成長とともに、一緒に過ごせる時間は減っていくとのことです。これは、関西大学社会学部教授の保田時男氏の計算式により割り出されたものです。永遠のように感じる子供と過ごす時間ですが、実際には、長い人生の中で子供と一緒に過ごせる時間はとても短い現実があります。慌ただしい日常生活の中で、親が子供と触れ合える時間が限られているからこそ、子供を健やかに育む親力や、家庭における子育て力を高めていくことが重要と考えます。

 各家庭の自主性を尊重しながら、子供の豊かな成長を支える親力向上の取組と成果、課題についてお聞かせください。

 あわせて、次期計画の策定に当たり、中央区における子ども・子育て支援の方向性についてもお聞かせください。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 山本理恵議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、本区における食育の推進状況と課題についてであります。

 区では、中央区健康・食育プラン二○一三における食育の取組として、妊娠期、乳幼児期、学童・青壮年期、高齢期それぞれのライフステージに応じた講習会や栄養相談等を実施してまいりました。令和四年に実施した最終評価では、野菜の摂取目標量を認知している区民は増加しましたが、朝食欠食者の増加やバランスのよい食事をする区民の減少が見られ、コロナ禍の中、区民のみならず、国の調査においても同様の結果となっており、重要な課題と認識しております。子供に対する食育の取組については、これまで幼児・児童と保護者が親子で料理作りにチャレンジする親子食育教室や、食育と料理教室を組み合わせたキッズクッキングなどを実施してまいりました。今後、食育に関心の薄い層を含め、幅広い対象に向け、興味・関心を持っていただけるよう、動画や健康アプリなどのデジタル技術を積極的に活用しながら、食育の普及啓発の充実を図ってまいります。

 次に、中央区における子供の朝食欠食の現状と課題についてであります。

 令和四年五月に実施した区内の十七歳までの子供四百四十二人へのアンケート結果によると、朝食をほとんど食べない理由として、時間がない、お腹がすいていない、食べたくないが挙げられております。また、起床時間が遅くなるにつれ、毎日食べる割合が低くなっており、家庭内で朝食を食べて生活リズムを整えることや、早寝早起きの重要性について周知を図る必要があると考えております。朝食を欠食する子供を減らすための取組については、幼稚園等での出前健康講座で朝食をテーマにした講習会を開催しているほか、すぐに調理できる簡単なレシピの紹介を行っております。

 次に、子供の生活習慣病の原因とその問題点についてです。

 子供の生活習慣病には、遺伝的な要因によるもののほか、近年の子供の成育環境の変化、我が国の食の変貌などが挙げられると考えております。また、中央区における子供の生活習慣病の予防と食生活の改善に向けた取組については、幼児・児童と保護者を対象に、食育教室、子ども健康教室、出前健康講座等において、食をテーマにした健康教育やレシピの紹介、調理の実演・実習・実食などを行っております。今後、今年度に策定する中央区健康・食育プラン二○二四を着実に推進し、子供の健康増進を図ってまいります。

 次に、子供の基本的な生活習慣の確立と、長時間化する保育との関係についてであります。

 日々の生活の中で子供の生活習慣の確立やしつけを行うことは根気の要ることですが、近年、乳幼児期から他者による長時間の保育を受ける子供がおり、生活習慣の獲得は保育現場に委ねられる場面があると認識しております。また、就寝・起床時間の遅れや生活リズムの崩れが子供の成長に与える影響として、慢性的な睡眠不足や生活習慣の乱れが、心身の不調を来すことが知られています。さらに、望ましくない生活習慣が多い子供ほど、肥満発生のリスクが高まることも報告されております。成長期において、食生活、身体活動、睡眠が適切であることが重要です。望ましい食生活によって、肥満や痩せを防ぎ、幼児期、児童期に運動習慣の土台をつくることで、思春期、成人期の運動習慣や身体活動量を確保することにもつながります。また、適切な就寝時間及び睡眠時間の確保や、成長ホルモンの分泌や身体を恒常的に保つための内分泌の働きにも影響を及ぼすため、規則正しい生活や日中の活動性と健全な精神活動の向上にも役立ちます。これらを総じて、早寝早起き朝ごはんは規則正しい生活、適切な身体活動や休息を促す生活習慣であると考えております。

 親に対する健康教育については、現在、本区では三○・三五健康チェックやママの健康チェックなどの機会を通して健康教育を実施しているところですが、今後、子育て中の親に対象を拡大して、健康教育を実施してまいります。

 次に、弁当配食における対応についてであります。

 弁当配食事業者の選定に当たっては、製造及び配送時における適切な衛生環境の確保はもとより、メニュー構成や御飯の量の選択なども評価項目に含めて決定したところです。アレルギー食については対応できませんが、メニューに含まれるアレルゲンを表示し、保護者がお子様の状況に応じて弁当を発注できるようになっております。施設では、配達された弁当を適切な温度で管理し、配達リスト等を活用して当該児童へ確実に配食されるよう事前準備を行うなど、子供が昼食を安全に楽しく食べられるよう対応してまいります。弁当配食の利用頻度につきましては、昨年の夏季休業中における学童クラブの状況では、約二六%の利用率となっていることから、同程度の利用を想定しております。

 次に、食育の取組についてであります。

 学童期における食育は、児童の身体的な成長だけでなく、食の楽しさ、感謝の気持ちを学ぶなど、精神面の成長においても大変重要であると考えております。児童館では、ミニトマトやオクラなどの野菜を栽培・収穫するなどの活動を通じて、食べ物に関する興味を促すとともに、昼食時における十分なそしゃくや偏食の防止など、食べることの大切さを指導しており、こうした取組を継続してまいります。また、弁当配食の実施を契機として、御家庭においても、食事について親子が共に考えたり、子供と向き合う時間が増えることが期待できるものと考えております。区といたしましては、学童クラブ等での食事や生活の状況について、連絡帳などを活用して保護者と情報共有を行うとともに、保護者からの悩みや不安などに対しては、保護者と一緒にその原因を考え、適切な相談窓口を紹介するなど、個々の状況に応じたきめ細やかな対応を行ってまいります。

 次に、共食の推進等についてであります。

 共食は、食の楽しさが共有でき、食や生活に関する基礎を習得できる重要な機会と認識しております。家庭における共食の推進状況としては、区が令和四年に実施したアンケート結果によると、朝食を同居家族とほとんど毎日一緒に食べる頻度は全体で四四・七%で、子供においては、年齢が上がるほど頻度が下がる傾向にあります。先ほどのアンケートにおいても、共食を「知らない」は全体の四六・四%であり、今後も区報、健診、講習会などの機会を捉えて、共食について広く周知してまいります。

 次に、家族の絆を深めるイベント等の実施についてであります。

 核家族化や共働き世帯が増加し、親子で共に過ごす時間が限られる中にあって、子供たちが心身ともに健やかに成長していくためには、親子が触れ合う機会を創出し、その絆を深めていくことが重要であると認識しております。そのため、区では、子どもフェスティバルや区民スポーツの日など、親子が気軽に参加し、楽しめるイベントを実施するほか、檜原村自然体験ツアー、親子食育教室や親子消費者講座など、各分野において親子で共に学び、体験できる場の提供にも努めております。また、地域社会においては、青少年対策地区委員会などにより、親子を対象とするバスハイクや料理教室、防災体験教室など、特色ある様々な活動が区内各所で展開されております。区といたしましては、次代を担う子供たちの健やかな成長に向けて、今後とも、親子がかけがえのない時間を共に過ごし、親子の絆が深まるよう、積極的に取り組んでまいります。

 次に、子供を育む親力の向上についてであります。

 家庭は、基本的な生活習慣、他者への思いやり、社会的なルールや自己肯定感など、子供の基礎的な資質や能力を育成する上で非常に大きな役割を担っており、区では、各家庭の自主性を尊重しつつ、親が子供と真剣に向き合い、子供を健やかに育む親力の向上を図ることが重要と認識しております。このため、PTAや青少年委員、民生・児童委員等で構成する中央区地域家庭教育推進協議会において講座や学習会等を開催し、家庭教育の在り方や養育に関する正しい知識を学ぶ機会を提供するなど、地域全体で家庭の教育力向上や思いやりのある温かい家庭づくりに向けた支援を進めてまいりました。年間七十を超える学習会を開催する中で、親が子供の個性を受け入れ、寄り添い、尊重することの大切さに気づいたとの感想が多く寄せられているほか、参加者が増加傾向にあるなど、一定の成果を得ているところです。一方、父親の参加が少ないことが課題と認識しており、父親の得意分野を生かすテーマの設定のほか、オンラインや動画配信の実施など、より参加しやすい学習会の提供に努めているところです。子ども・子育て支援策におきましては、本区の子育て支援策を総合的に推進する第二期子ども・子育て支援事業計画において、地域や社会全体で子供を育む力を高めていくことを施策の方向性の一つに位置づけております。今後とも、家庭が子供の養育の基本であることが示されているこども基本法の基本理念を踏まえ、地域全体で子育てを支えるという考えの下、子ども・子育て支援策を推進してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 幼稚園における弁当給食についてであります。

 本事業の実施に際しては、栄養面での配慮として、厚生労働省が公表している日本人の食事摂取基準における三歳児から五歳児までの区分の基準を踏まえた献立を作成することとしております。また、アレルギー対応については、卵・牛乳・乳製品の除去食を提供することとし、衛生面に関しても国際衛生基準であるHACCPの認証取得を求めております。こうした弁当給食の提供は、今年度、久松幼稚園で試行しており、特段の課題はなかったほか、その実績を見ると、全園実施に当たっては、一日当たり三割から四割の申込みが見込まれるものであります。

 答弁は以上であります。

〔十六番 山本理恵議員登壇〕

○十六番(山本理恵議員)
 それぞれ御答弁をいただき、ありがとうございました。

 今回は、子供のクオリティ・オブ・ライフの向上をテーマに質問や提案をさせていただきました。

 子供は、社会にとっても、家庭にとっても、かけがえのない存在です。子供が心身ともに健康で質の高い生活を送るためには、生きる上での基本である食育が何よりも重要です。生涯を通じた健康づくりのスタートとなる幼少期から切れ目ない食育を推進し、子供の健全な食生活と生活習慣の定着を図っていくことが大切です。

 食の基本は、あくまでも家庭にあります。子供の心と体を育てる家庭での食事が今後どのように変わっていくのかが、今後の食育の行方に大きく影響してきます。ハーバード大学の研究で、家族そろって食卓を囲む家庭の子供は、語彙力が豊富で学力が高いという結果があります。子供の語彙力を身につけるには、本を読む以上に、親との対話が効果的であるそうです。一昔前まではごく当たり前だった家族団らんの食卓風景が、未来にも受け継がれていくような共食の推進を望みます。

 また、人生の先輩たちから、子供の成長はあっという間だよとよく言われます。子供の成長は速いからこそ、より一層の家族が一緒に過ごせる時間と場の充実を望みます。いつの時代も、育ち、育てられる関係の中で、子供も親も育っていきます。子供は、親を親として成長させてくれる存在です。社会の価値観が変わっても、子供の本質は変わりません。

 多様な家庭や家族の形態があることを踏まえつつ、こどもまんなか社会の基本理念である子供の最善の利益、子供にとって最もよいことを第一に考えた子ども・子育て支援事業の展開を要望し、一般質問を終わります。

 御清聴いただき、ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(押田まり子議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後二時四十二分 休憩


     午後三時五分 開議

○議長(瓜生正高議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。二十番奥村暁子議員。

〔二十番 奥村暁子議員登壇〕

○二十番(奥村暁子議員)
 日本共産党の奥村暁子です。日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。答弁によっては、再質問、再々質問を留保させていただきます。

 初めは、防災対策についてです。

 区長の所信表明では、冒頭で元日に発生した能登半島地震に触れ、常日頃からの備えが十分か点検・整備するとともに、地域のことは地域で守るという視点に立ち、防災対策に万全を期していくと述べられています。

 そこで、お聞きします。

 この、地域のことは地域で守るとは共助を指しているものだと思いますが、行政として、公助を後景に追いやるようなことがあってはなりません。中央区民の九五%はマンション住まいで、地域コミュニティ形成に課題がある中、こうした共助頼みや、経済的負担も大きい災害時の備えを自助努力で行うことには限界があると思いますが、いかがですか。

 所信表明の中で後述される災害に強いまちづくりという部分でも、公助という文言は一切ありませんが、公助の役割こそ重要だと思います。いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、公助の役割の発揮について具体的に伺います。

 所信表明にも述べられている防災拠点、いわゆる避難所やマンションへの非常用発電機の配備などは、通信手段確保のためにも欠かせませんが、発電のための燃料の容量には限りがあります。また、エレベーターや空調機などを作動させるためには、こうした非常用発電機よりもさらに容量の大きい自家発電機が必要になります。タワーマンションなどでは、非常用の大型ディーゼル発電機を設置しているケースもありますが、発電機の使用可能な時間には限界があります。

 給水についても、停電時には、マンションの屋上などに備え付けられた受水槽に水圧ポンプで水を押し上げられず、蛇口から水は出ません。受水槽にたまっていた分の水を使い切ってしまえば終わりです。直接水道管がつながっているマンションでも、上水道が止まってしまえば水は使えなくなります。

 中央区では、人口の九五%を占めるマンション住民に対し、在宅避難が推奨されていますが、長期間の在宅避難を支える体制はどうなっているのでしょうか。まずは、地震から命を守ること、そして、地震で助かった命が失われることがないよう、災害関連死を引き起こさないことが重要です。

 そこで、お聞きします。

 第一に、区内の分譲マンション、賃貸マンションの数はそれぞれ何棟となっていますか。新耐震基準、旧耐震基準で建てられたマンションはそれぞれ何棟ですか。地域防災計画の素案では、令和七年度までに耐震性が不十分な住宅のおおむね解消を目指すと書かれていますが、耐震化率の向上はどこまで進んでいますか。

 第二に、区は、木造建築物や木造以外の住宅やマンションの耐震補強工事に対して費用助成を行っています。建物の形態により工事費用の助成限度額は様々ですが、例えば木造建築物の場合は限度額三百万円となっており、一般の人は工事費の二分の一、高齢者や身体障害者がいる世帯に対しては工事費の全額を助成しています。マンションだと限度額が賃貸一千五百万円、分譲三千万円で、工事費の二分の一の助成などとなっています。こうした助成の拡充を求めますが、いかがですか。生活困窮世帯も、高齢者世帯のように全額助成の対象とすることを求めますが、いかがですか。

 また、この制度の対象となる木造建築物は一九八一年以前の旧耐震基準で建築した建物となっていますが、旧耐震基準の木造建築物は、現在、何戸ありますか。また、二十三区中、十八区は、木造建築物の耐震補強工事の助成対象を二○○○年以前に建築したものとしています。中央区でも早急に基準年度を見直して、対象を拡大することを求めますが、いかがですか。

 第三に、所信表明では、木造住宅に対する感震ブレーカーの無償配布など、我が党が求めてきた施策も予算化されており、評価できる点もありますが、災害に備えるための支援をさらに拡充すべきだと思います。備蓄食料を生活困窮世帯に無償配布するなど、自助が立ち行かない方々への負担軽減策が必要だと思いますが、いかがですか。

 第四に、中央区は、防災組織の結成や防災マニュアルの作成などに取り組むマンションを、分譲、賃貸問わず、防災対策優良マンションとして認定し、防災資器材の支給や防災訓練の経費を助成しています。現在、百五件が認定されており、組立て式仮設トイレやバルーン投光機、エレベーター内防災用キャビネットなどが三十万円を限度に支給されていますが、さらなる認定優良マンションの推進と制度の拡充を求めますが、いかがですか。

 第五に、区内で自家発電機を備えているマンションはどのくらいありますか。分譲マンション、賃貸マンション問わず、非常用発電機設置への補助を求めますが、いかがですか。また、防災拠点での非常用発電機の配備状況と運用計画はどのようになっていますか。

 第六に、分譲マンションへの防災対策として、中央区都市整備公社が行っているエレベーター閉じ込め防止のための地震時管制運転装置設置や防災備蓄倉庫の設置への補助制度を広く周知し、利用促進を図ることを求めますが、いかがですか。また、賃貸マンションも対象とすることを求めますが、いかがですか。

 第七に、超高層のタワマン、オフィスビル建設偏重のまちづくりは、災害時のリスクを高めます。エレベーターが停止すれば、避難やその後の生活で階段使用が余儀なくされることをはじめ、ライフラインが止まった際のトイレやごみの貯留問題、在宅避難が立ち行かなくなっても防災拠点での受入れは困難だということなど、課題は山積しています。防災面からも、東京一極集中のまちづくりを見直していくことが必要だと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 日本では、災害そのものによる直接死に加えて、その後の災害関連死が多いことが特徴です。それを防ぐためには、在宅避難の支援強化と併せ、防災拠点の環境整備が重要です。日本と同様に自然災害が多いイタリアでは、トイレ、キッチン、ベッドの略であるTKBが発災直後から各個人に提供される仕組みが確立されています。安心できる清潔なトイレ、温かい食事、快適なベッドは人間的に暮らすために欠かせないもので、これらがしっかり整っていないと命を落とすことにつながります。

 イタリアのTKBを学ぶため、現地を視察したNPO法人日本トイレ研究所代表理事の加藤篤氏によると、イタリアでは災害時、被災者が避難所となる体育館などに入り切らない場合には、屋外に三百人程度の規模で家族ごとのテントを張り、こうしたテント村にコンテナ型のトイレカー、キッチンカー、シャワーカーが送り込まれる体制が取られています。

 トイレカーは五から十コンテナほどが配置されて、一つのトイレカーの中にはトイレ個室が四個室程度あります。七人から十五人に一個室あるという計算になり、日本における国のガイドラインよりもはるかに多い数で、しかも、エアコンや手洗い用の洗面台も完備され、車椅子用のトイレもあるそうです。

 食事については、イタリアに限らず、欧米では避難所で食事を作ることが必須となっており、プロのシェフや調理トレーニングを受けた人が職能ボランティアとして調理に当たります。国際栄養情報センター国際災害栄養研究室室長の笠岡宜代氏の報告では、イタリアではコンテナ型のキッチンカーと食堂がセットで配備され、長テーブルと長椅子も用意されます。パスタ、リゾット、スープ、肉や野菜などの温かい料理に加え、チーズ、アイスクリーム、コーヒーなども提供されますが、こうした栄養価の高い食事の費用は、請求すると公費から支払われる仕組みとなっています。日本の避難所での食事は炭水化物が中心で、量及び質ともに不十分で、ビタミン類が少ないことなどから、深部静脈血栓症が高頻度に発症することも報告されており、栄養面の改善が必要です。

 ベッドについては、避難所・避難生活学会理事の榛沢和彦氏によると、体育館などの床に段ボールやマットを敷いて大勢の被災者が毛布で寝ているような避難所は、実は先進国では日本だけで、イタリアに限らず、欧米の避難所では必ず簡易ベッドが配備されて、またテントで家族ごとに避難生活をするのが一般的とのことです。

 簡易ベッドが用いられるようになったのは、第二次世界大戦中の一九四○年のロンドンで、防空壕が足りずに大勢の市民が地下鉄駅構内へと避難し、今の日本の避難所のように雑魚寝が続く中、肺塞栓症、いわゆるエコノミー症候群で亡くなる人が前年比で六倍、肺炎で亡くなる人も二倍と増え、簡易ベッドの必要性が訴えられたことに始まります。簡易ベッドが準備された後、こうした疾患の増加がなくなったことは、今でもロンドン市博物館やロンドン交通博物館などで繰り返し展示されているそうです。避難所では、幾ら環境整備をし、土足禁止にしても、大勢の人が行き来し、ほこりやちりも入ってきます。段ボールやマット、布団を敷いても床から冷気が伝わり、背中が冷えると脊髄神経も冷やされ、交感神経が刺激されて安眠できず、血液が固まりやすくなり、血栓ができることから、エコノミークラス症候群や心筋梗塞、脳梗塞などが起こりやすくなります。こうした疾患を防ぐために、避難所・避難生活学会は、簡易ベッド、特に冷気を遮断する効力が強い段ボールベッドの使用を提唱しています。

 こうして紹介したように、欧米、またTKBの本場イタリアでは、国として徹底的に人に主眼を置いた人道支援が柱となっています。快適なトイレ環境、温かくおいしい食事、安心して眠れるベッドを整えることは、決してぜいたくなことではありません。災害時だからしようがない、我慢するしかないと、被災者、国民は諦める必要はないのです。そうした支援策を準備しておくのが行政の責任ではないでしょうか。

 そこで、お聞きします。

 第一に、避難生活を支えるため、コンテナカー方式のトイレカーやシャワーカー、キッチンカーの活用を進めるべきだと思いますが、いかがですか。

 第二に、中央区で設置される仮設トイレの洋式・和式の別、バリアフリーの有無、それぞれの数についてお示しください。また、防災拠点でのトイレやマンホールトイレも合わせ、何人に一個の割合となっていますか。十分な数はあるのでしょうか、お示しください。

 第三に、災害時の学校の給食室の運用についてお示しください。また、中央区は自校方式となっていますが、他自治体の給食センターの活用の計画についてもお示しください。

 第四に、内閣府の避難所運営ガイドラインには、段ボールベッドも含む簡易ベッドの使用について明記はされたものの、これまでの事例では、設置までに、発災後平均十日以上かかっているとのことです。段ボールベッドの備蓄状況と設置までの流れをお示しください。欧米並みに三日以内に設置できるよう整備が必要だと思いますが、いかがですか。

 第五に、災害時、交通が途絶えた場合でも、すぐに住民の支援活動などに当たるための職員確保が重要だと思いますが、職員住宅や区内在住の職員は何人いますか。職員住宅の拡充が必要だと思いますが、いかがですか。また、中央区では非正規職員が増加の一途をたどっていますが、会計年度任用職員などの非正規雇用の方は災害時の参集要請に応じる義務はないため、正規職員を増やしていくことが防災上も必要だと思いますが、いかがですか。

 第六に、イタリアには市民安全省という常設の国家組織があり、災害対応には専門知識や技能を持ったボランティアが全国に百万人規模で組織され、災害直後から稼働するシステムが構築されています。災害が発生すると、有給ボランティアとして各専門職が集合し、調理、電気整備やテント張りなどの対応に当たりますが、こうしたボランティアには、発災時には最長三か月の休暇を取って被災支援に当たることができるルールがあり、人件費は会社に対して政府が負担することになっているとのことです。このように、専門職をボランティアとして配置する仕組みはとても有効だと思います。国・東京都とも連携しながら、ボランティアを活用する仕組みを構築することを求めますが、いかがですか。イタリアでは、ボランティアを前提として調理師免許を取得するための訓練も毎年実施されているそうですが、こうした職能訓練を取り入れる仕組みづくりも必要だと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、高齢者の居場所について質問します。

 中央区は、高齢化率は低いものの、全体的な人口増加に伴い、高齢者人口も増加しています。所信表明では、年齢を重ねても地域で自立した生活を送ることができるよう、生きがいや健康づくりなどの支援を強化していくとのことでした。昨年十二月に、ほっとプラザはるみを改修して造られた、はるみらいがオープンし、新たな地域コミュニティの拠点として運営されていますが、高齢者の居場所としての機能が十分とは言えません。多世代交流を促す役割も担っていますが、高齢者よりも子育て世代などに焦点を合わせた運用となっていることから、高齢者の居場所としての機能を充実させてほしいという声が地域から上がっています。この地域にいきいき館、いわゆる敬老館を整備してほしいという声も以前からあります。晴海地域で高齢者が健康づくりや仲間づくり、生きがいづくりをしながら、憩える身近な空間を増やしていくことが求められます。

 そこで、お聞きします。

 第一に、HARUMI FLAGの入居者も含んだ晴海地域全体での高齢者人口の推計はどのようになっていますか。今後、子育て世代が高齢化するなど、将来的な高齢者人口の増加については、どのように捉えていますか。

 第二に、敬老館では、マシントレーニングやフラダンス教室、オカリナ教室、ペン習字教室、パソコン相談など、あらゆる行事は全て無料となっています。マッサージ師によるマッサージも大変な人気で、抽せんとなっていますが、これも無料です。また、マッサージチェアや将棋なども自由に使え、お茶なども無料で提供されるなど、一日過ごせる施設となっています。こうした機能をはるみらいにも取り入れることを求めますが、いかがですか。

 第三に、中長期的な視野からも、晴海地域に敬老館を整備することを求めますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、子育て支援策について質問します。

 今、格差と貧困の拡大は社会問題となっており、比較的高所得世帯が多いと見られている中央区でも、就学援助を受けている子供は多くいます。例えば、学用品では、小学校児童の六・六%が、中学校生徒の二○%が援助を受けています。所信表明では、子供も親も笑顔が輝き、地域で安心して子育てができるまちの実現に向け、子育て支援サービスの充実を図っていくと述べられていますが、そのためにも、格差是正として、保護者負担の軽減をさらに拡充していくことが求められます。

 そこで、お聞きします。

 第一に、学校給食費無償化についてです。新年度から東京都が給食費の二分の一の補助を行うということですが、全額補助を都に求めるべきだと思います。いかがですか。また、港区や板橋区では、アレルギーや宗教上の理由からお弁当持参の子供に対しても、小・中学校での給食費相当分を助成することが決まりました。中央区でも、給食費無償化の対象拡大を求めますが、いかがですか。

 第二に、品川区では、区立小・中学校の児童・生徒約二万四千人を対象に、絵の具や習字セットなどの学用品について、所得制限を設けず、全額無償化することを発表しました。中央区でも、こうした学用品の無償化を実施することを求めますが、いかがですか。

 第三に、予算案では、卒業や成長に伴い着用しなくなった標準服の寄附を募り、譲渡する標準服リユース事業を始めるとあります。環境に対する意識啓発や行動変容の促進を図るとのことですが、保護者負担の軽減としての意義も大きいと思います。説明では、譲渡会を月一回開催、譲渡額は上着一着一千五百円程度、譲渡会場は京華スクエアとなっています。現在でも、回収した標準服をPTAが無料配布している学校もあり、大変人気がありますが、新しく始まる標準服リユース事業でも無料譲渡とすることを求めますが、いかがですか。また、この間、我が党としても予算修正案などで提案してきた高過ぎる標準服の半額補助を求めますが、いかがですか。

 第四に、足立区では、統廃合した区立小学校跡地に私立の不登校特例中学校を今年四月に開設し、保護者に対する授業料の一部助成も実施するとのことです。中央区でも、こうした取組を実施することを求めますが、いかがですか。

 第五に、北区は、返済する必要のない給付型奨学金制度を独自に創設し、二○二五年度から実施することが、北区教育ビジョン二○二四(案)で発表されました。このビジョンの策定に当たり、ゼロ歳から中学校三年生までの子供がいる保護者の方を対象として、北区の教育についてどのように感じているか調査する保護者向けアンケートと、児童・生徒向けのアンケートも実施されました。中央区も、子育て支援に関するニーズ調査の実施や、中央区教育振興基本計画二○二○を策定しており、今後は、第三期子ども・子育て支援事業計画の策定予定もありますが、こうした中で、奨学金制度など教育負担軽減の必要性について、どのように受け止めていますか。北区のような奨学金制度の創設を求めますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 奥村暁子議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、公助の役割についてであります。

 自らの生命は自ら守るという自助、自分たちのまちは自分たちで守るという共助、そして、防災関係機関及び区民等の協力を得て、区が有する全機能を発揮して、区民の生命、身体及び財産を災害から守る公助の取組が三位一体となって災害対応していくことが、本区の防災対策の基本理念であります。したがいまして、区として、自助や共助頼みとする考えは有しておりません。今回の能登半島地震においても、発災直後の消火活動に加え、津波からの避難行動や倒壊家屋からの救出救護活動、さらには、避難所生活での助け合いなど、それぞれの地域における数多くの共助の取組が様々な映像媒体で流されております。改めて、災害時には地域ごとの共助の取組が不可欠であることや、その共助の取組を全力で支援する公助の重要性を強く認識したところであります。区としては、今後とも地域防災の要である防災拠点における様々な活動を支援するとともに、地域と区が協働して地域防災力の強化に邁進していく所存です。

 次に、住宅の耐震化についてであります。

 区内の分譲マンションの棟数につきましては、令和五年四月現在で九百九十棟、そのうち、旧耐震基準で建てられたマンションは百四十九棟となっており、残りの八百四十一棟が新耐震基準で建てられたマンションであると認識しているところです。一方、賃貸マンションにつきましては、建物の維持管理方法や所有形態の相違から、実態調査の対象外としており、その棟数は把握しておりません。住宅の耐震化率につきましては、令和三年三月に策定した耐震改修促進計画では九四・七%でありましたが、令和六年一月末現在では約九五・七%であり、住宅の耐震化が着実に進んでいるものと捉えております。

 次に、耐震改修工事費助成の拡充及び対象の拡大についてであります。

 助成制度につきましては、十分な予算措置をしているものと考えておりますが、近年の建築資材の高騰などの影響もあり、助成金の申請をちゅうちょする建物所有者も見受けられる状況です。区といたしましては、こうした状況も踏まえつつ、改めて耐震化の必要性を訴えるため、耐震アドバイザーの派遣や耐震フェアの実施などを通じて、当該制度のさらなる活用と耐震化率の向上を促進してまいります。なお、生活困窮世帯につきましては、現時点では御相談や工事実績がないことから、全額助成の対象とすることは考えておりません。また、本制度の対象となる未耐震木造住宅は五百三十戸と推計しており、区といたしましては、これら住宅の耐震化を優先的に行っていく考えでおります。一方、新耐震基準以降で二○○○年以前に建てられた木造住宅は百二十戸前後あるものと認識しており、これらにつきましても、次期改定予定の耐震改修促進計画において、耐震化の必要性について位置づけを行うなど、必要な対応を図ってまいります。

 次に、生活困窮世帯への防災上の支援についてであります。

 区では、誰もが低廉な価格で備蓄できるよう、防災用品のあっせんを行っております。また、食料の備蓄に当たっては、ペットボトルや缶詰など、一度だけ少し多めに買い、その後は消費した分のみを買い足しするローリングストック法の活用など、負担の少ない備蓄方法もあります。こうした手法も含めて、備蓄の取組を促進するとともに、備蓄が不足するなどにより在宅避難が難しい場合は、避難所へ避難していただくことを案内してまいります。

 次に、防災対策優良マンションについてであります。

 区では、マンション居住者が九割以上である地域特性を踏まえ、全国に先駆け、防災対策優良マンション制度を創設し、その普及を図ってまいりました。しかし、本区のマンション棟数に照らすと、さらなる認定数の増加を図っていくことが重要であります。そこで、マンション規模にかかわらず、認定要件の一つである防災マニュアルを容易に策定できるよう、今年度末に「震災時活動マニュアル策定の手引き」を改訂するとともに、次年度以降は本手引きを活用し、マニュアルづくりや防災組織づくりの支援を行うなど、当該制度の活用を積極的に進めていく考えです。また、制度の充実については、能登半島地震の教訓を踏まえ、供与する資器材品目の増加等の検討を現在進めているところです。

 次に、非常用発電機の整備状況等についてであります。

 区では、区内のマンションにおける非常用発電機の整備状況を把握してはおりません。また、マンションへの非常用発電機の設置助成については、個々のマンションの敷地規模のほか、非常用発電機の設置場所や、それに伴う設計条件、さらには有資格者の配置などの課題がございます。そのため、区としては、今後、マンションの大規模改修が行われる機会等を捉え、非常用発電機の設置の相談や助言を行うなど、マンション防災対策の強化に努めていく考えです。

 次に、防災拠点の非常用発電機につきましては、全二十三拠点のうち十八拠点で整備しております。この非常用発電機による電力は、体育館や保健室など、防災拠点の主要な居室で使用することとしており、燃料の不足が見込まれた場合には、協定事業者や東京都からの供給を受けて、継続して使用できる体制を整えております。さらに、使用する電力が不足する場合に備えて、可搬式の発電機や蓄電器を各防災拠点に配備しているほか、新年度予算で電力確保の充実を図ることを予定しております。

 次に、マンションの防災対策への補助制度についてであります。

 本区では、共用部分改修費用助成事業の中で、防災対策についても補助対象といたしております。本事業の周知に当たりましては、区のおしらせやホームページへの掲載、住宅情報ガイドの窓口配布などを行うとともに、具体的な支援の場となる都市整備公社においても、全ての分譲マンションに対して支援事業の案内を毎年送付するなど、積極的な情報提供を行っているところです。本事業につきましては、管理組合からの申込み件数が増加傾向にあり、着実な運用が図られていると認識しておりますが、昨年七月に策定したマンション管理適正化推進計画に基づき、助言や指導が必要な管理組合に対するマンション管理士の派遣を通じて、直接的な情報提供を行うなど、さらなる利用促進に取り組んでまいります。なお、区では、専門知識の不足や合意形成の困難さが課題となりやすい分譲マンションを対象として支援を行っていることから、現行制度において、賃貸マンションを対象とすることは考えておりません。

 次に、防災という観点からのまちづくりについてであります。

 戦後の早い時点で建物が建ち並んできた本区におきましては、建物を建て替えていく再開発は、防災面のみならず、まちの更新を図るためにも必要なことと認識をしております。そのような中、地元の意向や地域の課題に応じて、大規模で面的に共同建て替えを行うことにより、自立した発電施設を持ち、地域に開放された広場や帰宅困難者などの収容施設を整備していくことは、本区の公的な防災対策として有効であります。こうしたことから、区といたしましては、個別の建て替えと面的な建て替えとの両輪によるまちづくりを引き続き推進してまいります。

 次に、トイレの整備状況等についてであります。

 本区では、過去の大規模災害の教訓や国のガイドラインに基づき、マンホールトイレの整備や仮設トイレの配備など、トイレ対策の充実に取り組んでまいりました。防災拠点のトイレは、学校等における水洗トイレの使用に加え、マンホールトイレ等の活用により、おおむね二十人に対して一基のトイレを有しており、避難者に対して必要な数のトイレを確保しております。さらに、仮設トイレについては、大小それぞれ三十基を備蓄しており、そのうち大便器については、全て洋式かつ手すりを設置しているものとなっております。なお、トイレカーやシャワーカー、キッチンカーの活用につきましては、避難が長期化した場合における健康・衛生管理対策の一つとして、能登半島地震における事例も踏まえ、今後研究を進めてまいります。

 次に、災害時における学校給食室の運用についてであります。

 各防災拠点で施設利用計画は異なりますが、一部の防災拠点においては、給食室や家庭科室を活用し、炊き出しの準備を行うこととしています。また、他自治体の給食センターを活用する計画は、区としては有しておりません。

 次に、防災拠点における段ボールベッドの備蓄状況等についてであります。

 本区では、防災拠点における避難生活は、エアマットと毛布を配布し、対応することとしております。一方で、避難の長期化が見込まれ、段ボールベッドが必要となった場合には、直ちに協定事業者や都に要請の上、確保することから、備蓄をしておりませんが、現在、区としての備蓄について検討を進めているところです。

 次に、災害時の職員配置についてであります。

 令和五年四月一日現在において、区内に居住する区の正規職員は二百五十四人で、そのうち八十一人が職員住宅に入居しており、災害発生時の職員体制を確保する観点からも、一定の戸数を維持していく必要があると考えております。また、正規職員については、最少の人数で最大の効果を上げるという原則の下、平常時における行政需要や業務量に応じて適正に配置すべきものと考えております。災害発生時には、状況に応じて、他自治体に人的支援を要請するなどの対応を図ってまいります。

 次に、ボランティアの活用についてであります。

 区では、災害時にボランティア活動が円滑に行えるよう、中央区社会福祉協議会の協力の下、中央区災害ボランティアセンターを設置し、ボランティアの受入れやコーディネート等を行うとともに、その活動を支援することとなっております。専門職の方をボランティアとして配置することは有効だと認識しておりますが、発災時には全国からボランティアが集まることから、職能訓練を含めた仕組みづくりにつきましては、広域的な立場から国において議論を重ねていくべきものと考えております。

 次に、高齢者の居場所についてであります。

 晴海地域の高齢者人口については、今後も増加が続く見込みであり、我が国の高齢者数がピークを迎えると言われる令和二十二年頃には、現在本区の人口の四割を占める三十五歳から五十四歳が高齢期に差しかかり、高齢化の進行が予想されます。そのため、区では、高齢者の社会参加や生きがいづくりなどにより健康な状態を維持し、健康寿命を延伸する取組として、高齢者が安心して過ごせる居場所の確保は重要であると認識しております。はるみらいは、様々な世代に心地よい居場所であり、高齢者もトレーニングスタジオでの運動や温暖浴スペースでの休憩等で御利用いただいているところであります。本施設は、多世代交流とにぎわいを生み出す地域活動拠点であり、敬老館と同様の機能を取り入れる考えはありませんが、今後、シニア向けの講座や交流イベントを実施するなど、さらに高齢者にも活用していただけるよう取り組んでまいります。また、身近な場所で生きがいづくりや健康づくりに取り組める高齢者通いの場を増やすことも計画しております。区としましては、このような取組により、晴海地域の高齢者の居場所の充実を図ることとしており、新たな敬老館を整備する予定は、現在はございません。

 次に、標準服リユース事業についてであります。

 本事業は、子供たちが毎日着用する標準服や園服などを対象とすることで、子供の、物を大切にする意識の向上とともに、家庭でのリユースの促進を図ることを目的としており、その副次的な効果として、子育て支援にも寄与するものであります。このように、環境対策を主目的とした事業であることから、より多くの保護者の方に利用していただくためにも、公平性の確保を図るとともに、負担していただく譲渡額は、標準服等を再利用する際に必要となるクリーニング代や補修費などの実費相当額に設定したところであります。区といたしましては、これらを踏まえ、標準服等のリユース品を無料で譲渡することは考えておりません。

 次に、奨学金制度についてであります。

 本区では、生活困窮世帯の貧困の連鎖の防止を目的として、子どもの学習・生活支援事業や受験生チャレンジ支援貸付事業を実施し、一定所得以下の世帯の子供の進学を支援しております。また、国や東京都などにおいて、授業料、入学金の減免や給付型奨学金に関する制度を設けており、相談窓口において各種制度を御案内しているところです。こうしたことから、区といたしましては、低所得世帯への教育費の負担軽減の必要性については認識しておりますが、区独自の給付型奨学金制度を創設する予定はありません。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 初めに、学校給食費無償化の対象拡大についてであります。

 学校給食の無償化は、本来、国として全国一律に行われるべきものであり、特別区教育長会を通じて国に要望書を提出しており、区の負担が軽減されるよう、引き続き機会を捉えて要望してまいります。また、今回の無償化は、あくまで現物支給する給食を対象とするものであり、アレルギーや宗教上の理由から弁当を持参する子供にも、多くの場合は除去食による給食で対応していることからも、現時点で給食費相当分を補助する予定はありません。

 次に、学用品の無償化についてであります。

 学用品をはじめ、個人に帰属する物品は、基本的に教育委員会が設置者として提供するものではないことから、保護者負担が原則であると考えております。また、標準服についても学用品と同様であることから、購入経費の補助を行う予定はありませんが、御相談を受けた場合は、PTAが実施するリサイクルや、今般、環境土木部で実施予定であります標準服のリサイクル事業のほか、就学援助などを御案内してまいります。

 次に、不登校対策についてであります。

 本区では、適応教室における民間事業者と連携した個別学習指導の実施や、支援員による校内別室指導の推進など、一人一人のニーズに応じた学びの場を提供しており、様々な不登校対策の充実を図っているところであります。なお、私学を誘致した不登校特例校につきましては、学校跡地等、適切な土地がないため、難しいものと考えております。

 答弁は以上であります。

〔二十番 奥村暁子議員登壇〕

○二十番(奥村暁子議員)
 順不同ですが、再質問させていただきたいと思います。

 奨学金についてですけれども、親の所得が下がって、奨学金の依存度が高まっているという現状もあります。経済的格差が教育格差につながっているという問題への認識というのは、どのようになっているのかということもお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 不登校の支援ということで、新たな学校の設置などですけれども、調べると、今、二十三区では、葛飾区、江戸川区、大田区、世田谷区、今回、足立区も加わり、そして大田区のほうでは既に不登校児の学びの場として、二十一年度にみらい学園中等部というものが開設され、そして二十四年度には初等部も開設するなど、こうした取組も広がっています。中央区で独自に学校を建設していくことは、敷地の問題などからなかなか難しいということですけれども、近隣区の自治体、例えばお隣の江東区ですとか、そういうところと共同でつくっていく、創設していくようなことはあり得るのかどうかという点についても伺いたいと思います。

 わくわく21に通っている子供の人数、これは通っている数と登録している子供の人数と多少乖離はあると思いますけれども、私は、やはり不登校児童への対応としては十分とは言えないと思っておりますので、こういった学校の設置という問題について再度伺いたいと思います。

 そして、学校給食ですけれども、渋谷区は既に学校給食が無償化されているんですけれど、来年度から一食当たりの単価を三五%上げていくということです。物価高騰もある中で、こうして給食の質の向上も併せていこうという取組もあるそうなので、これは質問とはしませんが、東京都への全額助成などの要請、また対象の拡大などということと併せて、こうした給食の質の向上という問題にも取り組んでいただきたいということを要望させていただきたいと思います。

 高齢者の施設についてですが、私が聞いているお話ですと、桜川敬老館などは特に女性風呂がとても混んでいるとか、勝どき敬老館に晴海の方などが行っても、遠いところからわざわざ来てと、ちょっと冷たい目で見られて居心地の悪い思いをしたとか、はるみらいの講座の費用も高額だ、高いと感じる方も多いそうです。やはり中央区は、行政区として、今後、四つになっていくわけですから、晴海地域での敬老館の建設というものも、今後の高齢者人口の増加も見越しながら整備していただきたいということは強く要望をさせていただきたいと思います。

 そして、避難所での段ボールベッドについてですけれども、協定している事業者もあると。これはベッドを作る工場ということなのか、そのあたりの確認と、東京都のほうからも、いざとなればベッドが運ばれてくるということですけれども、東京を中心に地震などが起きた場合には、どんな自治体でも同様にベッドが足りない、東京都に要請するということになるのでしょうし、それでも足りるという見込みであるのかという点についても確認をさせていただきたいと思います。

 避難所・避難生活学会、先ほど御紹介した榛沢氏の話では、段ボールベッドなどは、三百キロ離れていたとしても、備蓄してあるところから運んだほうが早く設置できると。災害時に発注して工場などで製造していくような過程を取る協定を組んでいるところもあるそうですけれども、そういうところだと七日程度かかって長いということなので、やはり近隣の自治体との連携でベッドがすぐに運ばれてくるような対策のほうが望ましいということなので、その点についての見解もいただきたいと思います。

 全体として、耐震化の工事、また備蓄品などについては、賃貸の住宅に対しての支援がとても弱いのではないかというふうに思います。まちというのは、分譲マンションも、賃貸マンションも、木造住宅もあり、戸建ての住宅もあり、そういう中でできているわけですから、賃貸への助成補助というものも拡充していく必要があるというふうに思いますので、賃貸への助成になぜ踏み切れないのか、そして賃貸への、管理会社などへの耐震化なども含めて、どう促しているのか、どう積極的に取り組んでもらうようにしているのかという点についても伺いたいと思います。

 以上です。よろしくお願いします。

〔防災危機管理室長 春貴一人君登壇〕

○防災危機管理室長(春貴一人君)
 私から、段ボールベッドの件についてお答えさせていただきます。

 私どもが段ボールベッドの協定を結んでいるところにつきましては、埼玉県に倉庫を有するところでございまして、埼玉に三つの、川口、八潮、熊谷に倉庫を持っている会社と協定を結んでいるところでございます。段ボールベッドの簡易ベッドを運んでいただくという協定を結んで、直接区から要請をすることで運搬されるという協定内容となっているところでございます。

 また、近隣の自治体との協定についてでございます。

 二十三区では、総合で災害時に応援をするという協定が結ばれておりまして、例えば中央区に被害があって、西部の区等で被害がなかった場合については、特別区間で応援をしていくという体制も整えられているところでございます。加えて、私どもは千葉県銚子市、山形県東根市、また山梨県富士河口湖町、岡山県玉野市などと災害時相互援助協定を結んでおりまして、そちらからも支援が行われるという内容で考えているところでございます。

 以上でございます。

〔福祉保健部長 大久保 稔君登壇〕

○福祉保健部長(大久保 稔君)
 私からは、奨学金の関係で、教育格差についての認識ということでの御質問にお答えさせていただきます。

 現在の物価高騰などを背景といたしまして、やはり総体的な負担、教育費も含めた全体的な負担の高まりということは当然認識しておりまして、特に低所得者に関しては、それが中心となって、負担の格差、負担の大きさが高まっているというふうには認識してございます。基本的な教育水準につきましては、義務教育あるいは公立学校において、一定の水準はしっかりと確保されているという認識を持っております。さらなる高等教育への進学などにつきましては、先ほども申し上げました国や東京都の奨学金制度などもございますので、そういったものを活用しながら御案内をし、そういった取組を区としても御案内していくという考え方でございます。

 私からは以上でございます。

〔都市整備部長 早川秀樹君登壇〕

○都市整備部長(早川秀樹君)
 私からは、賃貸住宅に対する補助事業についての拡充というところについてお答えさせていただきます。

 賃貸住宅につきましても、全く補助制度を設けていないというわけではなく、耐震改修工事等の助成あるいは耐震診断については、分譲、賃貸問わず、補助事業を行っているところでございます。そうした中で、今回御指摘のございました共用部分の修繕あるいは防災対策に対する補助につきましては、区といたしましては、まずは分譲マンション、こういったマンションではなかなかそういった整備が進まないような現状もあることから、こういったところについて整備が進められるように、区のほうとしても工事費の一部を助成して、こういった取組が進むように取り組んでいるところでございます。

 なお、賃貸マンションにつきましては、そもそも運営事業者が自らの資産なり、健全化を図りつつ運営をするものであろうと考えているところから、区のほうでの補助は、現在のところ、考えていないものでございます。

 以上でございます。

〔教育委員会事務局次長 生島 憲君登壇〕

○教育委員会事務局次長(生島 憲君)
 私からは、不登校についてでございます。

 私どもも、コロナ禍以降、不登校の子供たちが増えていることに関して非常に深刻に受け止めておりまして、その対策の充実に関しては懸命に取り組んでいるところでございます。わくわく21の中でもリモートによる学びの確保を進めていく部分ですとか、民間の事業者の活用をしながら学習支援をしていくことですとか、現在、取り組んでいるところですけれども、ここに至るに当たっても、民間のフリースクールの視察なども含めて、どういったことを民間のほうで行っているのかということの研究なども行ってまいりました。今後も引き続き、不登校対策に関しては、対応について、きめ細かに学校における別室登校などによる階層を設けた形での対応を作成していく部分ですとか、それから、わくわく21の中でのさらなる充実、こういったところには引き続き力を入れていきたいというふうに考えております。

 お尋ねの共同設置の部分に関しましては、他の自治体との連携ということで、かなり課題も多いかなというふうには感じておりますけれども、申し上げたように、不登校の対策に関しては教育委員会としても充実させていきたいという方向はありますので、研究等は行ってまいりたいというふうに考えております。

 答弁は以上です。

〔二十番 奥村暁子議員登壇〕

○二十番(奥村暁子議員)
 初めに、不登校対策についてですが、不登校の方の保護者の方は、フリースクールなどに入れたくても、学校が少ないので、なかなか入れないということ、高いということなどもあります。区として設置していく、ほかの自治体でも、例えば児童相談所なども共同して運営しているようなこともあるわけなので、検討していただきたいですし、前から述べているように、フリースクールへの授業料の補助といったものも求めたいと思います。

 災害対策について、賃貸にはなかなか支援策が届かない部分もあるようですが、再開発などは民間の建物でも税金を投入して対応しているわけなので、同様の対策が取れると思います。御検討ください。

 以上で終わります。(拍手)


○二十五番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後四時七分 休憩


     午後四時三十分 開議

○議長(瓜生正高議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。八番梶谷優香議員。

〔八番 梶谷優香議員登壇〕

○八番(梶谷優香議員)
 中央区議会立憲民主党の梶谷優香です。令和六年第一回中央区議会定例会に当たり、通告書に従い、質問をさせていただきます。なお、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 初めに、石川県能登地方を震源とする能登半島地震により、犠牲となられた方々に心よりお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 災害は、私たち中央区民にとっても切実な問題です。そこで、まず災害・防災対策について質問をいたします。

 日本は、地震や火山活動が活発な環太平洋変動帯に位置しており、世界面積の僅か○・二五%という小さな国土面積に対して、地震発生回数の割合は全世界の一八・五%と非常に高くなっております。阪神・淡路大震災をはじめ、東日本大震災、熊本地震、大阪北部地震、北海道胆振東部地震、そして能登半島地震、過去の大地震とその影響、被害を振り返り、課題を見つけ、いつ起こるか分からない地震への日頃の備えを見直してきました。

 一たび災害が起こると、避難所は、住まいを失い、地域での生活を失った被災者のよりどころとなり、また、在宅で不自由な暮らしを送る被災者の支援拠点となるのが避難所です。しかし、東日本大震災では、避難所における生活の質には課題が多く、水、食料、トイレ等は不十分で、暖房は限定的であり、狭い空間での生活によって多くの被災者が体調を崩すおそれと隣り合わせの生活でした。阪神・淡路大震災以降、避難所の運営に関心が高まり、東日本大震災の教訓を受け、災害対策基本法が改正、平成二十五年八月に避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針が策定されました。災害発生時には、臨機応変に活用できるよう、状況の変化を想定した準備も進めていくことが望まれます。

 避難生活開始後、世帯ごとに詳細な名簿を作成し、どのような人が避難しているのかを把握、避難者の特性に応じた支援を実施するために名簿を活用していくこととなります。避難者の人数や状況を把握し、物資等を配布、そして避難者の職能や特技等を把握して避難所運営に積極的に協力してもらう人を確保することが目的です。しかし、避難所の受付において、短時間に大勢が避難し、受付が混雑する事例が相次いでいます。避難者名簿を作成する、避難者支援業務を支援するデジタルシステムを導入している自治体は少なく、手書きがメインの手集計のオペレーションが中心で、避難所運営者の業務負担が高くなっております。業務運用が手書き・手集計のため、記録・伝達・集約の作業等に時間を要するとともに、情報流通のボトルネックとなっているのが現状です。

 デジタル技術を活用した避難者支援業務の業務改善に関する調査・研究として、デジタル庁が調査・研究を始めました。デジタル技術を活用して、確実かつ迅速に災害対応を実施できる仕組みや、被災者支援のための活動を効率化できる仕組みを検討し、避難者支援業務のデジタル化を推進するための効果検証をすることを目的として位置づけ、デジタル技術を活用した業務改善に関する調査・検討を実施しました。現時点では課題もあり、これからの国の動向を注視する必要があると考えます。国の動きを待つだけでなく、本区として今できることから始めてみるのはいかがでしょうか。

 受付を円滑に実施するため、事前に避難者名簿の作成をお願いしている自治体もあります。いざというときに備えて、事前に必要事項を記入しておき、すぐに持ち出せるよう、分かりやすい場所、例えば非常持ち出し袋に保管をお願いし、避難所に避難した際にはすぐにカードの提出ができるよう工夫をしております。本区でも、避難者名簿の作成に向けて、事前に配布をし、記入をした状態で持って来ていただくようお願いするのはいかがでしょうか。本区の御見解を教えてください。

 令和元年第四回中央区議会定例会において、ペット同行避難のガイドラインや運営マニュアルを作成し、受入れ可能なペットの種類を明確にするとともに、日頃からの飼い主が備えるべきこと、そして災害時の対応を周知徹底していくべきと要望をさせていただきました。コロナ禍もあり、思うようにペット同行避難の訓練が実施できなかったことと思います。

 現在、各拠点において、ペットの保護スペースを決めているところと理解しておりますが、これからはより具体的な運営計画や実効性のある取組が必要と考えます。今後、区としてどのような方針で取組を行っていくのか。

 さらに、有事の際、ケージを持参して避難するのは現実的ではないと考えますが、区の御見解を教えてください。

 防災拠点では、ペットの飼い主同士で助け合うこととしておりますが、最初の受入れ時は混乱状態で、助け合える状況ではないと考えます。実施に際して、誰が受入れを行うかなど、本区の御見解を教えてください。

 心身に不調のある高齢者や障害者にとって、大勢の人と寝食を共にする一般の避難所での生活は困難を伴うケースが少なくありません。必要な医療的ケアが受けられなければ、命に関わるほか、認知症や発達障害、知的障害のある人にとっては、見知らぬ人が大勢いる空間がパニックの引き金になることもあり、こうした人たちが必要な配慮を受けられるよう、一般の避難所とは別に設置されるのが福祉避難所です。

 発災時に速やかに開設できるよう、災害対策基本法施行規則に基づき、市町村が定める指定福祉避難所が全国にあり、二○二三年六月に公表された内閣府と消防庁の調査によると、その数は計八千七百十か所、そのほかに、市町村と福祉施設との協定などにより確保されている福祉避難所が一万六千六百四十六か所あります。高齢者や障害者のほか、妊産婦や乳幼児、難病患者なども受入れの対象となりますが、能登半島の地震では福祉施設が被災し、本来、福祉避難所に避難すべき要配慮者が一般の避難所において避難生活を送っていることが報道され、課題となっております。

 本区において、災害時に一般の避難所で生活することが困難な方を福祉避難所に移送する場合の福祉避難所の開設や福祉避難所への移送などの流れについて、お示しください。

 能登半島地震を受け、本区の福祉避難所における課題、そして、人口が増加する本区において、福祉避難所をさらに増やしていく必要があると考えますが、本区の御見解を教えてください。

 さらに、災害時に要配慮者が安心して避難生活を送るためには、防災拠点や福祉避難所においても介護サービスが継続的に提供されることが必要であると考えますが、現在の取組、そして課題、今後について教えてください。

 次に、安全・安心、魅力あるまちづくりについてお伺いします。

 国土交通省は、子供や子育て世帯の目線に立った公園整備を進めるため、自治体に対する新たな支援制度を創設する方針を発表しました。地域での協議会開催など、子育て世帯の声を整備計画に反映させるための経費や建設費用の一部を国が負担するとしています。都市部の住宅地は用地確保が難しく、現在も国による公園整備の補助はありますが、対象を比較的大きな公園に限っており、新事業では、より小さな公園のほか、既存の公園を改修する場合も支援する考えです。

 公園で遊ぶ子供の声が騒音だとして苦情が寄せられるケースもあり、国土交通省は肩身の狭い思いをしなくて済む子供の遊び場や親同士の交流の場となる公園を増やす必要があると判断し、今回、こどもまんなか公園づくり支援事業を創設しました。自治体の公共事業などを支援する社会資本整備総合交付金を活用します。各地域で整備計画を協議する段階では、住民を交えた会合を開催し、子育て世帯の意見を反映させ、ボール遊びスペースなど、子供の要望も考慮し、利用しやすい遊び場にすることを目的としています。

 公園整備に対する本区の現状、そして今回のこどもまんなか公園づくり支援事業の創設を受け、本区の御見解を教えてください。

 次に、福祉の充実についてお伺いします。

 心身に障害を持つ人や難病を抱える人に役立つ情報を届けようと、東京都江戸川区はスマートフォンで使えるえどがわ障害者支援アプリを開発し、二○二三年十月から運用を始めました。障害内容などを入力すると、放課後等デイサービス施設などの空き状況が分かるほか、障害者向けイベントの情報を知ることもでき、全国的にも先進的な取組で、江戸川区は障害者が暮らしやすいまちを目指したいとしています。アプリでは、こうした機能に加えて、探しているサービスや希望の地域を絞って、区内の福祉事業所や訪問介護事業者、就労支援事業所などを検索できるほか、障害者手帳アプリ、ミライロIDと連携させれば、区立施設の利用料の減免などが受けられます。区民らの評判は上々で、運用開始から約一か月で約五百人がダウンロードしており、簡単に必要な情報が見つけられるようになったなどの声が寄せられているそうです。

 二○二一年十月から提供している東京都港区では、二○二三年十月までに一千二百人以上がダウンロードしており、ミライロIDと連携する機能があるほか、地域のバリアフリーマップにアクセスもできます。港区の担当者は、広報紙などでは視覚・聴覚障害者に伝わりにくい、アプリならスマホに通知が来るプッシュ型の発信で重要な情報がすぐに伝えられると、意義を強調しております。

 令和四年第二回中央区議会定例会において、障害者手帳アプリ、ミライロIDの導入について提言をさせていただきました。アプリを活用することが障害のある方の利便性の向上に資することから、今後、区施設等においてもアプリに対応できるよう周知に努めるとの区長答弁がありましたが、その後、実際に区施設等において障害者手帳アプリに対応できるようになったのかお示しください。

 そして、港区や江戸川区のように、障害者の方への情報発信や利便性向上に向けて、障害者支援アプリ導入など、さらなる支援強化が必要と考えますが、本区の御見解を教えてください。

 子宮頸がん予防のため、女性の接種費用を全額公費で負担するHPVワクチンについて、男性の接種費を独自に助成する自治体が出てきました。女性の感染リスク低減につながるほか、男性もかかる肛門がんなどへの予防効果が判明したことが大きな影響とされております。

 埼玉県熊谷市は、二○二二年九月から、小学六年から高校一年の男性を対象に、一回一万八千二百二十七円を上限に、接種費用の助成を始めました。同様の動きは昨年から相次ぎ、東京都が調査したところ、二○二三年八月末時点で、東京都中野区、千葉県いすみ市、秋田県にかほ市など、全国九区市町村が助成制度を設けました。東京都は、助成制度がある都内区市町村への財政支援費用として、新年度予算案に約三億八千九百万円を盛り込む方針を発表しました。

 厚生労働省は、二○二二年八月から、男性の定期接種化に向けた議論を進めていますが、独自助成を始めた自治体は、国の結論を待たずに対策を講じる必要があると判断し、助成を始めてきました。男性から女性へのHPV感染を防ぎ、子宮頸がんの発症を抑えたいとの狙いもあり、東京都の小池百合子知事は九月の都議会で、男女ともに接種すれば集団免疫効果を期待できると強調しました。ただ、二○二三年八月に助成を始めた中野区では、月ごとの接種人数は三十一人から七十一人で推移し、区が想定する百人を下回っているのも現状です。

 同じく、東京都の新年度予算案の中にインフルエンザワクチンも含まれることになりました。毎年一月からインフルエンザ流行のピークを迎えるため、十一月下旬から十二月上旬までには予防接種を済ませることが推奨とされており、十三歳未満の子供は二回の接種が必要となります。インフルエンザワクチンの料金は病院ごとに値段が異なり、一般的には三千五百円前後の費用、大人は一度の接種で済みますが、十三歳未満は二回の接種の合計金額が大人より大きくなる場合がほとんどです。子供が二人、三人と増えると、その費用負担が大きくなります。インフルエンザ予防接種には、各自治体ごとに様々な補助制度があり、本区でも高齢者の方を対象とした補助制度を設けております。全国で多くの自治体をはじめ、東京都二十三区の中でも複数の自治体が、高校生以下あるいは十三歳未満の子供のインフルエンザ予防接種費用を一部助成や無料とする制度を設けている自治体があります。

 本区においても、希望する区民に対し、HPVワクチンの男性接種費用や小児インフルエンザ予防接種の助成事業を行うべきと考えますが、本区の御見解を教えてください。

 増え続ける要介護認定申請に対応するため、自治体では、要介護認定業務の一つである認定調査業務をどのように効率化するかが課題となっています。要介護認定の認定調査を実施する際、訪問先でタブレット端末に入力するなど、デジタル技術を活用して認定調査票を作成するシステムを導入する自治体が増えてきました。導入することにより、要介護認定の申請から認定結果の判定までの期間を短縮し、事務処理を効率化するのが狙いとされております。

 本区の要介護認定の申請件数の推移、そして申請から認定結果の判定が出るまで要する期間の現状をお示しください。

 多くの自治体で、要介護認定の調査に端末などデジタル技術を活用したシステムを導入しておりますが、職員の負担軽減も含めて、本区でも検討するべきと考えますが、本区の御見解を教えてください。

 次に、妊娠・出産・子育て環境の充実についてお伺いします。

 親族など周囲に育児の悩みを相談できない、孤立の孤、一人という漢字を引用する孤育てと呼ばれる状態の解消につなげるため、おむつなどベビー用品の無償配布を活用する動きが、兵庫県明石市を皮切りに、各地の自治体で広がりを見せております。育児経験のある配達員が定期的に子育て世帯を訪問し、相談しやすい環境を整え、行政などの支援機関と家庭の距離を縮める狙いがあり、育児費用の負担軽減になる上、虐待につながるような家庭の異変を行政側が把握しやすくなる効果も期待されております。配達員は育児経験があり、児童相談所の職員から虐待の兆候を見分けるポイントについて講習を受けており、配達先が子育てに悩みを抱えていれば相談に応じ、赤ちゃんの様子に異変があれば市や区の担当者に連絡し、支援につなげております。

 東京都品川区は、二○二三年十一月、四月以降に生まれた子供を育てる家庭を対象とした見守りおむつ定期便を始め、保護者は約六十品目の中から好きなものを選び、月に一回、家庭訪問する支援員から受け取ることができ、品川区は子育ての悩みや困り事を聞かせてほしいと呼びかけております。各自治体が目指すのは、親族や近所に育児の悩みを相談できず、孤立してしまう子育て世帯の解消であり、こうした状況は孤立の孤、一人という漢字を引用した孤育てと呼ばれ、子供の虐待につながるケースもあり、行政や地域が見守りしやすい体制づくりは喫緊の課題となっております。

 本区も出産・子育て応援事業やバースデーサポートを開始しましたが、配達時に同様の取組を取り入れ、少しでも寄り添った支援につながるよう期待いたしますが、本区の御見解を教えてください。

 できれば、他の自治体同様に、定期的に複数回の訪問を行い、親族など周囲に育児の悩みを相談できない孤育てと呼ばれる状態の解消への取組に一歩踏み出していただきたいと思いますが、併せて本区の御見解を教えてください。

 次に、教育環境の充実、学習活動の推進についてお伺いします。

 文部科学省は、公立学校の図書館に置く新聞の充実に向け、二○二二年度からの第六次「学校図書館図書整備等五か年計画」で、小学校二紙、中学校三紙、高校五紙の配備を目標に掲げています。しかし、学校での新聞購読は、これまで各校が新聞販売店との契約や支払い、夏休み中の配達停止等、学校側の事務負担が増え、新聞の配備が進まない要因とされてきました。

 そこで、東京都葛飾区では、区内七十四の小・中学校の学校図書館で複数の新聞が読める環境を整えるため、教育委員会が全校分を一括契約し、学校側に負担をかけず、新聞の配置を行いました。全小・中学校の図書館への新聞配備が始まった葛飾区では、教育現場での新聞の活用法を話し合う研修会も行われ、新聞を学習に活用する意識が教員や学校司書の間に高まり、実践が進められています。新聞記事は、編集作業中に新たなニュースが飛び込んだときに紙面スペースを空けられるよう、記事の末尾から段落ごと削除して短くしても意味が通るように書かれています。研修会では、重要なことから順番に構成する逆三角形と呼ばれる記事の書き方や、二○三○年のSDGs達成に向けた社会の取組などに関する新聞の読み方などが行われました。

 本区でも、それぞれの学校に新聞の配備が行われておりますが、現在、本区の公立学校における学校図書館の平均新聞配備数は、小学校、中学校それぞれ何紙か教えてください。

 そして、学校側の負担軽減にもなることから、教育委員会が全校分を一括契約し、各校に複数の新聞配備が行えるよう検討すべきと考えますが、本区の御見解を教えてください。

 以上で第一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 梶谷優香議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、避難者名簿の作成についてであります。

 高齢者から子供まで様々な方が避難する避難所においては、一人一人が安心して避難生活を送れるよう、個々の健康状態や生活上の必要な配慮をきめ細やかに把握することが重要であります。この考えの下、区では、防災拠点に避難された方に名簿を配布し、体調はもとより、障害、妊娠、介助の有無などを対面で確認しながら、要配慮者優先居室への適切な誘導等を行うこととしております。その上で、各防災拠点では、この運用に基づく避難所開設運営訓練を毎年実施し、防災拠点運営委員会の場で訓練結果の検証を行い、改善を図っているところです。区といたしましては、避難者名簿の事前配布は考えておりませんが、防災拠点訓練の実施、検証を重ねつつ、防災拠点運営委員会の皆様と共に、引き続きよりよい避難所運営についての検討を深めてまいります。

 次に、今後のペット同行避難の方針についてです。

 現時点で、区内全二十三の防災拠点中、二十二の拠点でペット保護スペースを決定し、そのうち六つの拠点でペット同行避難マニュアルが策定されております。今後、マニュアル未策定の拠点において策定に向けた協議を進めるとともに、訓練を通じて、実際の防災拠点内の決められた場所での動きや流れの確認と、現行のマニュアルに対して適宜必要な更新を行ってまいります。さらには、避難所においては人とペットのスペースを分けること等を平時から飼い主をはじめ、広く区民に対して普及啓発を図ってまいります。

 次に、災害時にケージを持参して避難することについてです。

 ペットに必要なものは飼い主が責任を持って用意していただくことが原則となりますが、災害時にはケージを持つ余裕がなく防災拠点に避難してくることも想定されることから、一時的な緊急対応用のケージの備蓄を行ってまいります。

 次に、発災当初の混乱期におけるペットの受入れ体制の整備についてです。

 区では、ペットを伴った避難者がマニュアルに基づいて円滑に行動できるよう、掲示物やペット登録名簿、ブルーシートなどをコンテナにまとめたスターターキットを来年度に全拠点で配備してまいります。さらには、来年度にペット防災の専門家の協力を得ながら、ペットの避難受付や保護スペースへの移動など、マニュアルの具体的な運用に関する検討を深めるとともに、防災拠点運営委員会の皆様と相談しながら、実災害に即した運営について対応策を協議してまいります。

 次に、要配慮者への支援強化についてであります。

 区は、発災後、直ちに福祉避難所運営担当本部を立ち上げ、施設の安全や受入れ体制が整ったことを確認した上で、おおむね三日後を目途に通常の福祉避難所を開設します。職員が一般の避難所である防災拠点に避難している要配慮者のスクリーニングを行い、福祉避難所に移送すべき人及び移送先の福祉避難所を決定します。移送に当たっては、協定を締結した運送会社または福祉避難所となる施設の指定管理者と連携の上、車両を手配し、送迎を行うこととなります。能登半島地震を受けての課題としては、開設準備を行う職員自身が被災し、人手不足になり、想定どおりに開設できない可能性があることや、福祉避難所自体が被災する、そういったリスクがあることが挙げられます。このため、発災時に確実に参集できる職員を配置するよう努めるとともに、人口増にも対応するため、福祉避難所を増やすことも検討してまいります。また、区は介護サービス事業者と災害時における要介護高齢者の安否確認等に関する協定を締結しており、利用者が防災拠点や福祉避難所に避難していても、避難場所での居宅介護サービスを提供していただくこととなっております。情報共有の方法等に課題はありますが、今後、事業者と行う安否確認の訓練等を通じて、その体制をより強固なものにしてまいります。

 次に、魅力ある公園整備についてであります。

 新たな公園用地の確保が困難である本区においては、これまで、水辺の公共用地を活用した河川、運河沿いの親水公園の拡充、老朽化した公園の改修はもとより、再開発事業や立体都市公園制度の活用による公園の整備など、様々な公園機能の充実を図ってまいりました。整備する際には、地域の利用状況や利用者ニーズを把握することが重要であるため、計画や設計の段階から意見交換会などを開催し、子育て世帯を含めた地域住民や公園利用者などの意見を反映してきたところであります。国土交通省が令和六年度に予定しているこどもまんなか公園づくり支援事業については、その主旨や支援対象を研究するとともに、他自治体における活用事例などを注視してまいります。

 次に、障害者支援の推進についてであります。

 区では、この間、障害者手帳アプリの活用について検討してまいりましたが、障害者手帳の交付事務を所管する東京都において、スマートフォン用アプリの取扱いに関する具体的な方向性を示していないことや、通信環境等によりアプリを提示できない場合にはサービスを受けられなくなるなどの懸念もあることから、現時点において区施設等への導入を見送っているところです。障害者手帳をお持ちの方が受けられるサービスの提供は、広域的な対応が求められることから、今後も東京都の動向を注視するとともに、障害者団体等の意見なども伺いながら利用ニーズの把握に努め、アプリの活用などによる情報発信やサービス提供について、引き続き検討してまいります。

 次に、HPVワクチンの男性接種及び小児インフルエンザワクチン接種に対する費用助成についてです。

 これらのワクチンの助成事業については、今月、東京都から予算案として示されたところでありますが、東京都や国の考えなど、事業の詳細が明らかでないことから、引き続き情報収集に努めてまいります。

 次に、介護認定作業の効率化についてであります。

 要介護・要支援認定の申請件数は、令和二年度は四千五百七十四件、令和三年度は五千七百七十五件、令和四年度は六千百三十七件、令和五年度は一月末現在で四千百七十三件、申請から認定までにかかる日数は、令和五年度平均四十二・七日となっております。今後、高齢者人口の増加や介護認定調査員の人員不足も見込まれることから、作業の効率化及び職員の負担軽減は積極的に取り組むべきものと認識をしております。認定調査におけるタブレット端末の活用には、入力漏れや記述内容のばらつき防止などの効果が見込まれますが、導入に当たっては、業務プロセスの見直し、個人情報の取扱い、利用する職員の習熟などの課題があります。区といたしましては、令和八年一月に予定している介護保険システムの標準化対応に合わせた導入を目指し、検討を進めてまいります。

 次に、ベビー用品の配達を通じた子育て世帯への定期的な複数回の訪問と、孤独な、孤立するの孤の、孤育て解消における区の考えについてであります。

 本区では、伴走型相談支援及び経済的支援の一体的実施により妊婦面談の実施率が上昇したことから、以前よりも子育てにおいて孤立しやすい背景を持った世帯を把握し、必要な支援につなげられるようになっております。妊娠時、出産後において不安や悩みをお持ちの方には、訪問や電話など状況に合わせた方法で関わることにより、区と関係性を構築し、ママとベビーのはじめて教室、すくすく健康相談などの子育てサービス利用にもつなげております。ベビー用品の配達員による訪問については、必要性や効果について慎重に検討する必要があると考えておりますが、引き続き子育てにおける孤立化防止に努めてまいります。

 私からの答弁は以上です。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 学校図書館における新聞の活用についてであります。

 区立学校における令和五年度の新聞配備数は、小学校では平均一紙、中学校では三・五紙であります。現在、教育委員会では、子供たちの読解力の向上に力を入れており、その取組の一つとして新聞を活用しております。読解力のさらなる向上に向けては、複数の新聞配備も含め、学校が新聞購読や図書購入を主体的に選択できるよう、十分な予算を確保しているところであります。

 答弁は以上であります。

〔八番 梶谷優香議員登壇〕

○八番(梶谷優香議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございます。

 二○二四年は、元日から能登半島に大きな地震が起こり、波乱の幕開けとなりました。帰省をされていた方々も多く、いつ、どこで自分が被災するか分からないという災害の怖さを実感させられました。だからこそ、事前にできること、備えておけることには積極的に取り組むべきと考えます。

 要配慮者の方々は、特に不安が大きいことと思います。日頃から災害に備え、様々なシミュレーションを行い、必要十分な準備を行うようお願いしたいと思います。

 本区は、特に小さな公園や児童遊園も多く、子育て世帯の声をより大事にしてほしいと思います。こどもまんなか公園づくり支援事業に期待をし、子供を中心に、障害者の方も含めた多世代が憩える空間づくりをお願いいたします。

 障害者手帳アプリ、ミライロIDの普及とともに、他の自治体と足並みをそろえるだけでなく、先進的に取り組むよう期待をいたします。障害者の方への情報発信や利便性向上に向けて、障害者支援アプリ導入など、さらなる支援強化をお願いいたします。

 ワクチン接種を希望する区民に対し、HPVワクチンの男性接種費用や小児インフルエンザ予防接種の助成事業をぜひ本区でも取り組んでいただけるよう要望いたします。

 要介護認定を申請する方の多くは、既に今まさに生活が何らかの形で困っている方だと思います。そういった方々の状況に寄り添い、デジタル技術の導入を含め、可能な限り短期間で認定作業が行われるよう要望いたします。

 本区において、周囲に育児の悩みを相談できない孤育てと呼ばれる状態がなくなることを今後も期待をいたします。

 同一のテーマであっても、新聞によっては解釈、考え方が異なります。ぜひ、学校側の負担軽減も含めて、複数紙を配備できるよう前向きに検討していただきたいと思います。

 今回、私が質問で提案した内容について少しでも区政に反映していただけるようお願い申し上げます。

 お聞き苦しい部分が多々あったと思いますが、最後まで御清聴いただき、ありがとうございました。

 これで私の一般質問を終わります。(拍手)


○二十五番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明二月二十九日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二月二十九日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

午後五時十五分 散会


署名議員
議長 瓜生 正高
議員 竹内 幸美
議員 渡部 恵子

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

ページの先頭へ