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令和6年第三回定例会会議録(第2日 9月19日)

1.会期

三十日(第二日)

九月十九日(木曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後六時五十五分散会

3.出席議員

(三十名)

一番 ほづみ ゆうき議員

二番 小坂 和輝議員

三番 アルール うた子議員

四番 上田 かずき議員

五番 黒原 裕司議員

六番 川畑 善智議員

七番 白須 夏議員

八番 永井 佳代議員

九番 高橋 まきこ議員

十番 青木 かの議員

十一番 高橋 元気議員

十二番 田中 耕太郎議員

十三番 かみや 俊宏議員

十四番 太田 太議員

十五番 竹内 幸美議員

十六番 渡部 恵子議員

十七番 山本 理恵議員

十八番 梶谷 優香議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 奥村 暁子議員

二十一番 瓜生 正高議員

二十二番 塚田 秀伸議員

二十三番 木村 克一議員

二十四番 海老原 崇智議員

二十五番 礒野 忠議員

二十六番 原田 賢一議員

二十七番 押田 まり子議員

二十八番 堀田 弥生議員

二十九番 墨谷 浩一議員

三十番 田中 広一議員

4.出席説明員

区長 山本 泰人君

副区長 田中 智彦君

副区長 吉田 不曇君

教育長 平林 治樹君

企画部長 生島 憲君

総務部長 黒川 眞君

防災危機管理室長 春貴 一人君

区民部長 濱田 徹君

福祉保健部長 大久保 稔君

高齢者施策推進室長 田部井 久君

保健所長 渡瀬 博俊君

環境土木部長 三留 一浩君

都市整備部長 早川 秀樹君

都市活性プロジェクト推進室長 溝口 薫君

会計管理者 山﨑 健順君

教育委員会事務局次長 北澤 千恵子君

監査事務局長 林 秀哉君

企画部参事(政策企画課長事務取扱) 石戸 秀明君

財政課長 野末 託範君

総務課長 小林 寛久君

5.議会局出席職員

議会局長 伊藤 孝志君

庶務係長 長塚 由希江君

議事係長 小倉 正信君

調査係長 佐藤 康之君

書記 後藤 絵里子君

6.議事日程

日程第一

  • 一般質問


午後二時 開議

○議長(瓜生正高議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(瓜生正高議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 十八番梶谷優香議員。

〔十八番 梶谷優香議員登壇〕

○十八番(梶谷優香議員)
 中央区議会立憲民主党の梶谷優香です。令和六年第三回中央区議会定例会に当たり、通告書に従い質問をさせていただきます。なお、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 初めに、災害・防災対策について質問いたします。

 発災直後の自治体の業務の中で、避難所運営等の業務は大きなウエートを占めており、現状は手書きやファクスといった紙ベース、アナログ業務で行われており、自治体職員等の業務負担が高いことや、災害情報の共有に時間を要することが課題となっています。避難者の個々の状況に応じたきめ細やかな支援を行うことも困難になるため、国では、デジタル技術を活用して、災害対策本部や避難所運営者の業務負担を軽減するとともに、被災者支援を効率化する仕組みの構築を進めております。

 その一環として、デジタル庁は、昨年度、避難者・避難所運営者・災害対策本部における情報入力・集約・報告資料作成の負担軽減・効率化を図るための実証実験を二回にわたって実施しました。デジタル庁は、これらの成果を取りまとめた報告書を本年六月四日に公表し、マイナンバーカードによる入所手続では、手書きで行う従来の手法に比べて、最大九○・二%、避難所状況報告書の作成業務は最大六八・四%の時間が削減できるといった効果が確認されました。

 全国の各自治体でも、避難所での受付に際し、デジタル化する動きが進んでおります。

 二○一六年の熊本地震では、熊本市で最大十一万人が避難所に詰めかけ、受付業務や避難者情報の把握が課題となりました。熊本市では、市が三月に運用を始めたスマートフォン専用のくまもとアプリの中で、QRコードを読み取り、避難者の人数などを入力するだけで受付が完了、市民がいつ、どこに避難したかを即時に把握することができ、熊本市は、被災者支援に欠かせないツールとして普及を進めております。

 千葉県八千代市では、市ホームページか無料通信アプリLINEで事前に氏名等の情報を登録し、災害時は避難所で自身のスマートフォンなどにQRコードを表示し、カメラ端末にかざすことで受付が完了。避難所での入退室をはじめ、避難生活中は体温や風邪症状の有無などを入力してもらい、健康状態の把握、そして、あらかじめ登録した遠方の家族などへ避難情報もメールで連絡がいく設定もできます。

 二○一八年の西日本豪雨の際、避難者情報を集めた書類の処理に時間を要し、配慮が必要な人の把握や対応に遅れが生じた広島県三原市でも、避難者カードのデジタル化を始めました。QRコードを印刷した紙の避難者カードを使用し、スマートフォンを使って入力、スマートフォンを使用できない人には従来どおりカードに手書きをしてもらい、職員が代わりに入力をします。今回のデジタル化によって、災害対策本部で情報を一元管理し、迅速で効率的な支援の展開を目指します。

 秋田県横手市では、避難所に設置した専用カメラでマイナンバーカードか運転免許証を読み取ると、住所や氏名、性別といった避難者情報が瞬時に災害対策本部へ送信されます。試験的に運用した防災訓練では、避難所の受付手続に要する時間が三分の一ほどに短縮され、参加住民からは、手間がかからず楽だといった声が聞かれました。

 山形県庄内町では、無料通信アプリLINEを活用し、氏名などを事前登録したQRコードを町職員が端末で読み取ることで受付が完了。一つのLINEアカウントでほかの家族分など複数のコードの発行が可能で、避難所に入る際は、代表者が全員分を提示して受付することができます。

 避難所でのデジタル化といっても、幾つか先行事例を紹介したように、様々なシステム、やり方があります。避難所における避難者カードのデジタル化を早急に推進していくべきと考えますが、本区の御見解をお示しください。

 大地震が発生した後、およそ七十二時間は、救命救助活動を通じて一人でも多くの命を救うことが最優先となります。そのためには、帰宅困難者の一斉帰宅を抑制し、大渋滞により救急車等が到着できないといった状況を防止することが重要です。学校や企業など、身を寄せる場所にいる際に大地震に遭ったときは、その施設で安全にとどまることが基本となりますが、移動中など、屋外で被災した帰宅困難者については、一時滞在施設で待機していただくこととなります。二○一一年の東日本大震災では、首都圏で約五百十五万人の帰宅困難者が発生したと推計されており、銀座、築地、日本橋など、東京を代表する繁華街を有する中央区内の帰宅困難者は約三十四万人になることが想定されております。

 大規模災害が発生した際、懸念される帰宅困難者を支援しようと、兵庫県神戸市は二○二四年四月から、スマートフォンで一時滞在施設を予約できるシステムの運用を始めました。利用者の現在地や要援護などの希望に応じて対応可能なホテルや商業施設を案内するのが特徴で、施設への円滑な誘導が期待されております。

 令和五年第三回定例会の一般質問においても、訪日客に対する支援について触れました。本区でも、防災マップアプリにおいて帰宅困難者の一時滞在施設への案内を行っておりますが、今後もさらに訪日客を含む帰宅困難者対策の強化に取り組まなければいけないと考えます。本区の帰宅困難者対策における課題と、今後、区として力を入れていく取組についてお示しください。

 災害時の情報伝達を強化しようと、神奈川県横浜市は、緊急地震速報などが出た際に、テレビの電源を自動で起動し、画像と音声で情報を伝える専用機器の設置費用を全額補助する取組を始めました。この取組は、横浜市が聴覚障害者やスマートフォンがない高齢者を念頭に、緊急地震速報や避難情報をいち早く届ける仕組みを整えるためとしております。活用するのはケーブルテレビ会社の専用の機器で、インターネット回線とテレビにつないで住所を登録すれば、緊急地震速報や避難指示などが出た際に、テレビが自動でオンになり、音声と文字で情報が流れます。

 本区でも、緊急告知ラジオの頒布や防災マップアプリにおいて、地震情報や避難情報、弾道ミサイル情報などの緊急放送を自動的に放送し、情報発信を行っております。横浜市の取組は、聴覚障害者の方をはじめ、加齢性難聴により耳が不自由になった高齢者にも有効的と考えます。本区の耳が不自由な方における緊急情報取得の課題と今後の取組についてお示しください。

 次に、安全・安心・魅力あるまちづくりについてお伺いします。

 昨今では、スマートフォンの普及・浸透による読書スタイル、さらには情報収集の変化、そして実態としての書店の漸減という環境変化によって、図書館の立ち位置が大きく変化をしております。

 全国的に図書館数が増え、利用者全体数も増え、図書館単位での利用者数は少なくとも減少はしておらず、岡山県真庭市立図書館でも、毎年、来館者数は増加しているものの、貸出し冊数は二○二一年度から毎年約五%減少しており、来館者数とは反対の動きを見せております。そこで、ITサービスを充実させることにより利便性を高め、減少傾向にある貸出し冊数の増加を目指しました。無料通信アプリLINEと連携し、アプリ上で市立図書館の公式アカウントを登録し、利用者カードとひもづけることで利用が可能となり、アプリをカード代わりに本を借りられるほか、アプリ上で借りている本の確認や返却期限の延長、返却日前の通知を受け取ることができます。

 鳥取県倉吉市でも、利用者の利便性向上や職員の業務効率化に向けて、各種サービスをスマホなどモバイルデバイスで受けられるように環境整備を行っております。事前にホームページから登録をし、専用バーコードの発行を受けると、窓口でスマホやタブレット端末に表示したバーコードを読み込み、手続が完了する仕組みで、利用者カードを提示する必要がなく、手続がスムーズに行えます。システム更新に合わせ、希望者に返却期限をメールで通知する仕組みも導入し、職員が行っていた電話連絡の負担が軽減されたほか、返却漏れも減少するなど、業務効率化も図られております。

 本区でも、中央区立図書館のホームページから貸出し延長や返却リマインダーの登録など、様々に工夫をしてくださっていることは承知しております。しかし、ホームページから、その登録にいくまでの操作が煩雑であり、その機能があることさえ知らない利用者が多いのではないでしょうか。図書館でのイベントを一覧で分かりやすく表示し、利用者カードの提示、そして貸出し履歴の閲覧をはじめ、予約や貸出し延長も分かりやすくできるよう、ホームページのリニューアルを含めた区立図書館のさらなるデジタル化を推進すべきと考えますが、本区の御見解をお示しください。

 自治体に対するカスタマーハラスメントは全国的に問題となっており、多くの自治体が職員を守るために対策強化に乗り出しております。多くの自治体が、職員の名札がフルネームになっており、近年、プライバシー保護の観点から、名字のみの表記変更を行いました。本区では、十五年以上前から名字表記のみとなっており、全国の自治体で報告されている個人情報の特定などの問題を未然に防いでいると考えます。しかし、名字の中には、珍しい名字のため、名字だけで個人がすぐに特定できてしまうケースや、来庁が増えている外国人の方には読みづらいという懸念もあります。

 佐賀県武雄市では、平仮名のみの表記に変更。佐賀市や山形県上山市をはじめ、名字のローマ字表記も記載する工夫をした自治体もあります。

 カスタマーハラスメント対策として、滋賀県長浜市では、庁舎と外部との通話について録音している旨を相手に明示する音声ガイダンスを導入しました。録音していることを相手に意識してもらうことで、不当圧力排除や犯罪防止につなげることが目的です。

 本区でも、名札作成の際には、所属部局の特色に応じ、子供や外国人が読みやすい平仮名表記、そして職員の希望を聞き取りして作成すべきと考えますが、御見解をお示しください。

 さらに、庁舎と外部との通話を録音し、カスタマーハラスメント対策を強化すべきと考えますが、本区のカスタマーハラスメント対策の現状も含めて御見解をお示しください。

 近年、気候変動の影響で夏場に猛暑日が常態化しており、気象庁によると、今年の夏の全国の平均気温は平年と比べ、一・七六度高く、これまで最高だった昨年と並び、統計のある一八九八年以降で最も暑い夏となりました。多くの庁舎では、早朝や夜間などは冷房が切れる仕組みとなっており、一部の自治体や国も対策を始めました。

 愛知県庁は、およそ三年前から時差勤務制度を導入した関係で、午前七時半から午後六時四十五分で冷房をつけており、近年は、春から暑くなることを踏まえ、五月上旬から十月下旬まで、外気温が二十八度以上などの一定の条件を満たしていれば、冷房をつける対応をしております。

 東京都庁でも同じく、時差勤務制度を導入したことで、午前七時から午後八時で冷房をつけ、全館空調ですが、やむを得ない残業や休日出勤をする場合、申請をすれば冷房をつけるなど、職員が働きやすいよう柔軟に対応をしております。霞が関の中央省庁も対応を変更し、これまで温室効果ガス排出削減のために、庁舎の冷房温度を室温二十八度に設定しておりましたが、今年八月上旬、職員の健康保持のため、設定温度にこだわることなく、超過勤務を行っている職員がいる場合は、引き続き空調整備をなどとした通知を各省庁に出しました。

 庁舎内に限らず、本区の職員の中には、業務的に外で業務を行う時間が多い場合もあります。ここ数年、記録的な暑さが続いているため、熱中症防止の観点から、品川区清掃事務所では空調服を導入しました。空調服は、内蔵された小型ファンによって服の中に外気を取り込み、汗を蒸発させることで涼しく快適な環境をつくり出してくれる作業着で、空調設備がない工場や屋外での作業現場はもちろん、アウトドアでのスポーツやレジャーでも人気を博しています。真夏の熱中症対策としても注目を集めており、様々なシーンで見かけることが多くなりました。空調服に内蔵されているファンは軽量かつコンパクトな設計で、作業員の動きを妨げないため、作業中のストレスを軽減できますが、ファンの分だけ、通常の衣服と比べてやや厚みがあり、装着感が若干異なります。通常の作業着に比べて価格が高いため、導入コストがかかり、バッテリーの交換など、定期的なメンテナンスが必要となるため、ランニングコストもかかります。

 本区の職員が安全に働きやすい環境整備に向けて、熱中症対策をさらに取り組むべきと考えますが、本区における庁舎の空調管理、さらに屋外で作業する職員への空調服の導入について、本区の御見解をお示しください。

 最後に、妊娠、出産、子育て環境の充実についてお伺いします。

 全国でベビー用品、おむつ自販機が多く設置され、身近な商業施設や駅で度々見かけるようになりました。多くの自治体でも設置を導入しており、品川区でも本年六月、児童センターに液体ミルクや紙おむつなどを購入することができる自動販売機を新たに設置しました。赤ちゃん用品自販機設置により、子育て支援物品を移動先でも入手できるようになり、施設利用者の満足度の向上のみならず、子育て世代の外出しやすい環境整備を目指すことが目的です。さらに、設置業者と災害時の販売品無償提供について協定を締結し、災害時の子育て支援も可能となりました。墨田区、世田谷区、中野区等でも導入されており、庁舎内をはじめ、子供が多く集まる区施設にも設置をしております。

 本区でも、本庁舎をはじめ、子育て世代が多く集まる施設に設置を進めるべきと考えますが、本区の御見解をお示しください。

 多くの市区町村では、三歳児健診以降、就学時健診まで健診がなく、乳幼児への切れ目のない母子保健の提供のためには、社会性発達の評価、発達障害等のスクリーニング、健康増進を目的とした五歳児健診の標準化・体制整備が必要と考えられております。令和三年度時点では、四から六歳児健診について公費負担を実施している自治体は一五%にとどまっております。国は、昨年度から、発達障害などへの早期対応につなげるため、母子保健法で義務づけられている一歳半と三歳児健診以外のほかの年齢で健診をする自治体への財政支援を始めました。特別な配慮が必要な児童に対して早期介入を実施することで、保護者の課題への気づきや生活への適応が向上する可能性が指摘されており、五歳児健診により、学童期への不登校発生数が減少したという研究結果もあります。

 千代田区では、運動機能や心理・情緒の発達期であり、基本的な生活習慣が確立し、社会性を身につける重要な時期として、五歳児健康診査を実施しております。

 葛飾区では、子供が五歳になるタイミングで保護者アンケートを実施し、保護者の心配の度合いや相談希望、そして未就園の児童が健診を行う制度を導入しております。

 全国的にも五歳児健診の導入が進んでおりますが、本区の乳幼児健診の現状と課題、そして五歳児健診に対する御見解をお示しください。

 こども家庭庁は、保育所等における性被害防止対策に係る設備等支援事業の実施を発表し、各都道府県の保育園、幼稚園、保育所、児童福祉施設などに周知を促しています。保育園、幼稚園では、これまでも虐待、性被害などのニュースが度々報道されており、こうした事件を防ぐため、パーティションや簡易更衣室、防犯カメラを設置して、保護者からの確認依頼に応えられるように記録を取っておくなどの対応をする設備設置の支援として、一施設当たり十万円を補助基準額として支援をしております。保育園や幼稚園などの子供を預かる施設においては、部外者侵入抑止を目的とした外周防犯カメラがほとんどの施設で取り付けられております。リスクを回避する、またはリスクに対処するという観点では、保育室等へのカメラ設置も必要であると考えられており、ふだんの見守りはもちろん、万が一のけが、事故の際にも原因の検証ができるようになります。しかし、常に管理・監視されていることへの職員の心理的負担やデータの適正管理に課題があります。

 徳島県吉野川市では、子供の安全や保育の信頼性を高めるために、市内にあるこども園の保育室や遊戯室に室内カメラを設置し、私立園にも補助金を出して設置を促す事業を始めました。モニターは置かず、トラブル発生時などの必要に応じて、録画した映像を確認することとしております。

 本区内の認可保育施設で既に設置している園もありますが、本区の保育室等へのカメラ設置について御見解をお示しください。

 以上で第一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 梶谷優香議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、避難者カードのデジタル化についてであります。

 災害発生時、電力や通信の途絶も想定される中、防災拠点においては、紙媒体の避難者名簿に記入いただくことで、健康状態や要配慮情報など、避難者の状況を正確かつ詳細に把握し、避難者に応じた適切な避難居室へ誘導等を行うこととしております。一方で、能登半島地震において、発災後の避難所運営で業務量が急速に増加するとともに、混乱が生じ、避難者の状況把握が遅れ、一人一人に合った適時適切な支援につながらなかった等の課題がありました。こうしたことから、区といたしましては、避難者名簿をはじめとする避難所業務のデジタル化について、より迅速かつ効率的な避難者情報の集約が図れるよう、総合防災システムの導入検討を進めているところです。本システムの導入は、正確性や迅速性が高まり、区の防災力の強化が図れるものであります。今後、適切な時期に防災拠点運営委員会の意見を伺いながら、できる限り早期にシステムの運用を開始したいと考えております。

 次に、帰宅困難者の支援についてであります。

 昼間人口が約六十三万人、三万四千強の事業所が立地していることに加え、十一路線二十七駅を有する本区では、大地震発生の時間帯によって、多くの帰宅困難者が発生することが想定されております。現在、帰宅困難者対策を進めている中で、事業所の従業員の一斉帰宅抑制と利用者保護に対する理解や備えが道半ばであること、帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設等の確保が十分でないことが主な課題として挙げられます。こうした課題の下、区として、防災拠点運営委員会や町会・自治会の会議の場をはじめ、帰宅困難者支援施設運営協議会活動など、様々な機会を通じて、事業所に対して一斉帰宅の抑制や利用者保護の普及啓発を図りながら、協力要請等を行っております。加えて、大規模開発事業等の開発計画の機会を捉え、一時滞在施設等の確保にも努めているところであります。こうした取組とともに、区内に多くの訪日観光客が訪れている現状を踏まえ、一時滞在施設等を運営する事業者と鉄道事業者の連携が図れる関係づくりや、一時滞在施設を有していない事業所の参画を促進し、まちぐるみで帰宅困難者の適切な避難誘導を行える環境づくりに注力してまいります。

 次に、耳が不自由な方の緊急情報の取得についてであります。

 高齢者を含め、聴覚に支障がある方にとって、大規模災害の発生時、音声による情報が入らないことにより、的確な判断や避難行動に結びつかない事態が生じてしまうことが大きな課題であります。そのため、テレビやスマートフォンなど、文字や映像による情報収集が速やかにできるよう、就寝時もスマートフォンや補聴器を常に体から離さないこと、モバイルバッテリーや補聴器用の電池を日頃から準備しておくことが重要です。あわせて、共助の取組が生かせるよう、災害時地域たすけあい名簿への登録や個別避難計画の作成も肝要となります。区内には、約百九十名の聴覚に障害のある方や加齢性難聴の高齢者が多数暮らしていることから、正確な災害情報を得られるよう、区の安全・安心メールやLINEの登録をしていただくことや、日頃からの災害の備えを行う重要性についての普及啓発をより一層推進していく考えです。と同時に、防災拠点において、耳が不自由な方へ適切なサポートができるよう、防災拠点運営委員会活動を通じながら、理解促進や対応スキルの向上を図ってまいります。

 次に、カスタマーハラスメント対策についてであります。

 職員が区民等と対応する中で、暴言や理不尽な要求等、カスタマーハラスメントに該当する事例は、本区においても生じております。区では、こうした事例に対処するため、クレームに関する研修や職場でのOJTを通じて、対応スキルの向上に努めているところであります。名札に関連したハラスメントの事案は、現在のところ確認されておりませんが、外国人を含む多様な区民と職員との円滑なコミュニケーションを促進する観点から、その表記について、民間企業を含めた様々な取組事例を研究してまいります。通話内容の録音につきましては、不当・過剰なクレームや脅迫的言動などを抑止する効果に加え、事実関係の明確化に役立つなど、カスタマーハラスメント対策の有効な手段の一つであると認識しております。近年、ICTを活用した様々なサービスが開発されていることから、より安価で効果的なツールの選定や録音データに係る取扱いのルール化など、導入に向けた検討を進めてまいります。

 次に、区職員の熱中症対策についてであります。

 まず、庁舎の空調管理については、中央区役所温室効果ガス排出抑制実行計画に基づき、室温を二十八度に設定することを基本としておりますが、日々の気象状況や各執務室の実情に応じて適切な調整を図ることにより、安全で快適な執務環境の確保に努めているところであります。また、屋外で作業する職員への空調服の導入については、職務によって作業の内容や継続時間も異なり、その有効性に差があることから、職員の意見を丁寧に聞き取りながら検討を進めてまいります。

 次に、赤ちゃん用品自動販売機の普及についてであります。

 本区では、授乳室やおむつ交換台、チャイルドチェアの設置など、これまでも小さなお子さんを連れた来庁者が区施設を利用しやすい環境の整備に努めてきたところであります。近年、商業施設や都営地下鉄、公共施設などにおむつや液体ミルクなどが購入できる自動販売機の設置が広がっていることは承知しており、こうした取組は、子育て環境のさらなる充実に資するものと認識しております。区施設における自動販売機については、区の許可を受けた福祉団体等が設置していることから、今後、新規設置や入替えの際には、当該団体に対し、こうした自動販売機の設置を積極的に働きかけてまいります。

 次に、乳幼児健康診査についてであります。

 現在、区では、法定の一歳六か月児、三歳児に加え、三・四か月児、六・七か月児及び九・十か月児に対して、内科や歯科の健診、栄養相談、子育て相談等を実施しております。特に成長が著しい乳児期に健診の機会を多く設け、乳児期の健やかな成長を確認するとともに、必要時には、適切な専門機関の紹介や心理士等の専門職による継続支援を行っております。本区においては、晴海のまちびらきにより、急速に乳幼児の人口が多くなっていることから、健診を滞りなく実施できるよう、医師会、歯科医師会をはじめとした関係機関との連携が必要であると考えております。五歳児健診につきましては、実施方法や専門医療機関の充足度などに課題があることから、その導入に関しては引き続き調査検討してまいります。

 次に、区立保育所の安全対策についてであります。

 保育室内にカメラを設置することは、日々の保育の振り返りや不適切保育を抑止する心理的効果といったメリットがある一方、プライバシー侵害の懸念や保育現場の過度な監視による保育士の萎縮、モチベーションの低下といったデメリットも考えられます。区立保育所においては、職員を手厚く配置することにより、複数の目で見守りが行き届く保育環境を整備しているところであります。保育室内へのカメラの設置については、これらのことを踏まえた上で慎重に検討をしてまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 区立図書館のデジタル化についてであります。

 現在、図書館のホームページは、平成二十六年の更新から既に十年が経過をしており、操作性や視認性などに課題が生じていると認識しているところであります。こうしたことから、来年度には、図書館システムのリプレースと併せ、ホームページのリニューアルを予定をしております。今後、利用者からいただいている意見や他自治体のホームページ等も参考にしながら、どなたにもより見やすく、使いやすいホームページを整備していくとともに、図書館利用者の利便性の向上や業務効率化等に資するよう、図書館のデジタル化を推進してまいります。

 答弁は以上であります。

〔十八番 梶谷優香議員登壇〕

○十八番(梶谷優香議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございます。

 近年、大規模な災害が頻発し、自治体の防災対応の重要性は増加しており、被災者が避難所を利用する際の個人情報や健康状態などの登録は、現在、手書きで行っている自治体が大半であるため、職員の負担となり、効率化が課題となっております。今後の課題として、早急に避難所の運営にデジタル技術を導入し、職員の負担を減らしていくことが欠かせません。

 デジタル庁が行った実証実験では、情報集約に要する時間を大幅に短縮できましたが、災害時には、着のみ着のままで避難する場合も少なくなく、スマホやマイナンバーカードを持たずに避難所に駆け込む人もいるかもしれません。貸出用のタブレット端末などの準備をするとともに、デジタル機器が苦手な人が対面で手続できる窓口も残しておくべきと考えます。

 総合防災システムの導入についてお話もありましたが、本区において、被災者に寄り添ったデジタル化を早急に進めていただけるよう要望をいたします。

 いつ、どこで起こるか分からない災害への備えとして、帰宅困難者になってしまった場合の行動は、日頃からの備えを知っておくことが安心であり、在勤者をはじめ、来街者の方に対し、本区の帰宅困難者対策の取組について周知も強化をしなくてはなりません。魅力的なまちであり、多くの方が来街される本区だからこそ、今後も一時避難場所の確保を含め、混乱せずにスムーズに一時避難場所まで移動できるよう、今後も積極的に取り組んでいただけるよう要望いたします。

 都市部の自治体では、防災行政無線のデジタル化、防災ラジオ普及等、全ての区民に必要な情報を届けるための様々な取組を進めております。聴覚障害者の方をはじめとする耳が不自由な方への緊急情報取得手段の確立は、喫緊の課題となっております。ICTの進化に伴う情報化社会の中で、情報端末を持たない、持っていても使用できない高齢者等の情報弱者は、災害時の避難活動等に影響を受けると言われております。様々な手法を使い、誰一人取り残さない、みんなに優しい本区の災害防災対策となるよう期待をしております。

 新型コロナウイルスの蔓延や読書バリアフリー法の制定、ICT技術の進歩など、公共図書館を取り巻く環境は大きく変わってきています。時代や利用者のニーズに合わせて、図書館サービスも、より利用価値の高いものへと変わっていかなければなりません。来年度にリニューアルするとのことでしたが、図書館のデジタル化として、まずは利用者目線に立ち、様々な機能が使いやすく、分かりやすいホームページになるよう要望いたします。

 行政のカスタマーハラスメント対策が進まない背景には、自治体が公共の利益のために存在する組織であり、全ての住民をサービスの対象としている組織としての特性があると考えられております。過剰なクレームや脅迫・強要などのカスタマーハラスメントは、民間企業だけではなく、自治体の窓口など、至るところで発生しており、職場環境を脅かす社会問題となっております。しかし、国内では、カスタマーハラスメントを直接的に規制する法律がまだ整っていないため、対応にばらつきがあるのが現状です。電話の録音について導入を検討してくださると御答弁がありましたが、カスタマーハラスメント被害の実情について理解を深め、職員を守るための対策を早急に整備することを要望いたします。

 猛暑日が年々増加する中、適切な予防や対処が実施されれば、死亡や重症化を防ぐことができるにもかかわらず、熱中症による救急搬送数は毎年数万人を超え、死亡者数は高い水準で推移しております。熱中症の発症に大きく影響する気温について、気候変動の影響により、将来、熱中症リスクが増加することが予測されております。本区の職員が少しでもストレスを感じず安全に働けるよう、お取組の強化をお願いいたします。

 乳幼児を育てる家庭は、お出かけの際に予備のおむつを持ち歩いていますが、緊急的におむつを購入することが必要な事態が起きてしまうことがあります。先行事例を幾つか挙げましたが、墨田区は指定管理者の自主事業として、世田谷区と北区はおむつ自販機を誘導する政策判断を行い、自販機設置の際の条件としたそうです。世田谷区では、同時に、液体ミルクも自動販売機設置の条件としており、各自治体によって様々ではありますが、本区としても、子育て支援施策の一環として、区有施設におむつ自販機の設置を政策的に進めていただけるようお願いいたします。

 ゼロ歳児には頻繁にあった健診ですが、一歳六か月健診の後は、三歳児健診、そして就学前健診と期間が空くこととなります。発達障害は、子供が小学校に入学後、行動やコミュニケーションの問題が顕在化することで気づくケースも多く、五歳児健診のタイミングでコミュニケーションの問題や発達障害が疑われれば、就学までの一年間に療育などを受けて、小学校入学の準備ができます。五歳児健診の問診は就学前健診よりもかなり詳しい内容であることが多く、医師が子供本人に質問し、どう応じるかを見るのが格段に増え、三歳児健診とは大きく異なります。医師の確保など、課題がさらに増えると思いますが、ぜひ本区でも五歳児健診の実施に向けて、前向きに御検討をお願いいたします。

 人手不足が深刻な問題となっている保育業界ですが、たくさんの子供を預かる上で、安全な環境づくりは重要と考えます。本区でも、職員を守るという観点から、保育室等へのカメラ設置を慎重に、前向きに検討していただけるよう要望いたします。

 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

     午後二時四十六分 休憩


     午後三時五分 開議

○議長(瓜生正高議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。まず、二十七番押田まり子議員。

〔二十七番 押田まり子議員登壇〕

○二十七番(押田まり子議員)
 中央区議会自由民主党議員団の押田まり子でございます。議長さんから発言の許可をいただきましたので、区の一般事務事業について質問させていただきます。日頃から区政に対して感じておりますこと、また、区民の皆様方の御意見を基に質問いたしますので、どうぞ理事者の皆様は、区民の生命と財産を守る、そしてあしたの中央区にとっては何が必要かということを念頭に置かれて、前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。

 まず初めに、子供に夢を持たせる、そして、その夢を育てるにはどうしたらいいかということについてお尋ねをいたします。

 夢というものは、年齢とともに変わっていくものだなというふうに思っています。私の弟の幼稚園の頃の夢は、インドに行きたいというものでした。なぜかと思って聞いたら、大好きなカレーライスがいっぱい食べられるからだと言うんです。そして、幼稚園は幼稚園、小学生は小学生、中高生になると比較的実現できるような夢を持つようになってくると思います。

 本区の学校教育というのは非常にレベルの高いものだと思っておりますが、このように子供に夢を持たせる、また、夢を育てるというようなことは何かできておりますでしょうか。また、やっていらっしゃるとしたら、どんなことをしていらっしゃるのかお尋ねをしてみたいと思います。

 次に、今ではNPOになっておりますけれども、当時はまちとPTAの有志が集まってつくった団体がありました。その団体に参加をさせてもらったんですが、これは体育館にいっぱいに紙を広げまして、子供に自分のなりたいものとか夢を絵で描かせるんです。そこに参加をしていたのが、シェフであるとか、それからプロのサッカー選手、元アイドル、それから俳優さん、お医者様とか弁護士さんと、本当に種々様々な方たちで、ゲストさんとしていらしてくださいました。子供たちは目を輝かせて、その方たちのお話を聞いたり、いろいろなものを習っていました。

 夢というのは、時代によって変わってくると思います。昔の子供たちの夢というのは、プロ野球の選手だったり、プロのサッカー選手というのが非常に多かったんです。でも、今では、ユーチューバーであるとか、ゲーマーであるとか、女の子だとパティシエとか、時代によって夢はだんだんに変わってきていると思います。しかし、時代が変わっても、夢を持つことの大切さというのは変わらないというふうに思っています。時代が変わった夢に取り組んでいるイベント、この行事については、どのように評価をなさるか、また、行政としたら、どんなことができるのかお答えをいただきたいと思います。

 次に、高校生の問題です。

 高校生は、より現実的な夢を持つようになって、年齢も高くなってまいりますが、本校には晴海高校しか高校はございません。でも、調べてみますと、十五歳から十九歳までぐらいの間に五千三百人余りの人口があるんです。ということは、それに近い高校生がこの中央区内に住んでいらっしゃるということだと思います。幼小中と本校の教育は非常に手厚いものがありますけれども、区民としていらっしゃる大勢の高校生の方たちには何かできることがあるのかどうかお尋ねをしてみたいというふうに思っています。

 私どもの中央区議会自由民主党議員団は、今年の夏に岐阜県可児市に視察に行ってまいりました。そのときに、その市では、高校生も一人の市民であるというコンセプトから、政治とか、それから選挙に関心を持ってもらうということで、疑似選挙をやったんです。三人の違ったタイプの候補者を立てた。ポスターも作った。そこで公約も発表させた。そして、投票行動を行わせたんです。そうしたら、その次のときの本当の選挙になったときに、十八歳の新しい選挙権を持った子の投票率が九○%を超えたということで、非常に驚きました。キャリア教育もやっていらっしゃるということで、その成果はどうなんですかと伺ったら、お医者様とか医師会の方たちとそこでお話合いをした子の中に二人、医学部に進んだ子がいるんですよと胸を張っておっしゃっていた。自分の若い頃に自分の人生、進路を決めるような人に会ったり、環境に会える子というのは、とても幸せなことだなというふうに思いました。

 本区の住民であって、本区の学校には通っていらっしゃらない高校生たちにキャリア教育のようなものは考えられないかどうかお尋ねをさせていただきます。

 次に、これまで教育の施策というのは非常に優れたものがいっぱいあると思うんですけれども、その教育施策が彼ら、彼女たちにどういう影響を与えてきたかということ、これは次の施策を考えるのに非常に参考になると思っています。

 例えば、オーストラリアのサザランドに、しばらくの間、ホームステイに行かれた子供さんたちがいますよね。いろいろな経験をなさってきたと思います。そういう経験が、その方たちの後にどういう役に立っているのか。オリパラ教育もしていらっしゃいますが、そういうことが、後の彼や彼女にどういう影響を与えていたのか、後追いのようなものはなされないのかなというふうに感じておりますので、伺わせていただきます。

 次に、まちの歴史とか文化、そういうものをとても大事にしていこうということを教育でできないかなというふうに思います。今、中央区に住んでいらっしゃる子供さんとか、大人の方もそうですけれども、あなたのいらっしゃるまちのいいところ、歴史や文化を挙げてみてくださいよと言ったときに、何人の方が大きな声でおっしゃれるかなというふうに思います。本区は、本当に中央区の宝物である歴史や文化、そういうものに枚挙にいとまがございません。

 私は、この間、地元の小学校三年生に地域理解教室というものの臨時講師で行ってまいりました。そのときに、一番最初に何をしたかというと、自分の住んでいるまちの名前はどういうところから来たのかというお話をしようと思いました。それで、物すごくお金持ちがこのまちに住んでいたんですよ、隅田川からまちの中まで船が荷物をちゃんと運べるように、川を掘りたいと思った、川を掘るにしても、昔だから、ショベルカーも、それからブルドーザーもない時代よと言うと、手掘りか、それじゃ大変だなと、子供たちもすごく感心をしてくれました。そして、本当に多くのお金と大勢の人を使って、まちの中に川を掘って、荷物を運べるようにした、新しい川を造った、それが新川なんですよというふうに話すと、本当に興味を持って聞いてくれました。

 それから、質問の時間を取ったんです。変な質問が来たらどうしようかな、手が挙がらず質問しない人がいたらどうしようかなと、すごく心配をしたんですけれども、はい、はいと手を挙げてくれて、時間が足りないくらいでした。

 面白い質問もあったんです。何で新川には動物園がないんですかとか、何で新川には地下鉄の駅がないんですか、飼い主のいない猫はどうして少ないんですかというような意見でした。ですから、まず初めに、動物園はすごく大きな場所が要るわよね、新川の中に動物園を造ったら、君たちの住む場所もなくなってしまうかもねと言うと、それじゃ、しようがないかなと。地下鉄の駅は、東西線というのができるときに、新川にも地下鉄の駅を造ってくださいと、まちの人たちが一生懸命会社にお願いに行ったんだ、しかし、茅場町から近過ぎるということと、隅田川が近いということで、なかなか駅ができなかったんだと、なるべく丁寧に説明をしました。

 そうしたら、その次に手が挙がったのが、このまちを盛り上げるためにはどうしたらいいんですかと、小学校三年生に聞かれました。私もふと言葉に詰まって、君はどう思うか、このまちをよくしていきたいと思ったときに、どんなことを考えているか言ってみてと言ったら、本当に大勢の子が、お祭りを盛り上げようとか、いろいろな意見を出してくれたんです。だから、言いました。それを君たちに一生懸命やってほしいんだ、大人の私たちはそれを応援していく、そうすれば、このまちはすごくいいまちになると思うわよという話をしました。そうしたら、真っすぐ前を向いて、うなずいてくれる子がたくさんいたんです。

 そのほかにも、自分の住んでいるまちの歴史とか文化を大事にしようと考えているだけではなくて、行動を起こした人たちがいるというので、非常に驚きました。それは、べったら市学生保存会といって、当時の日本橋小学校の四年生、今は六年生ですが、そういう会をつくって、まちの伝統文化、行事に、町会の人と一緒に準備に参加した。十月の初めぐらいから、例えばお供物の袋詰めなどをやって、まちの人と一緒に行事を考えていったというんです。自分の住んでいるまちの歴史、文化を見聞きするだけではなくて、体験をしたということはすばらしいことだというふうに思っています。よく、中央区の宝物を大事にしようと言いますよね。でも、なかなか成果が上がらないことが多い。こうやって自分のまちを一生懸命に考えている子供たちを育てていくことが、中央区の宝物を大事にしてくれる区民を育てていくことにつながるのではないかと私は思っています。

 様々に例を挙げてお話をいたしましたが、これらのこういう取組について、行政はどのように評価なさるか、また、お考えがあったらお知らせをいただきたいと思います。

 次に、申し上げたいのは東京湾大華火祭です。

 平成二十七年を最後に、ずっと休止しておりますが、まちの方から再開できないのかというお話も伺いますので、うちの会派から二回ほど質問させていただきました。六月の議会の御答弁が、令和四年に実施をした基礎調査の結果と、それから近隣区との話合いを基に、再開をするほうで準備を進めていたんだけれども、再開に対して非常に多くのお金がかかることと、築地市場跡地再開発の事業者が決まった。そうすると、晴海通りを工事車両も往来することが考えられる。これらの新しい課題を一つ一つ乗り越えながら、日本の本当に代表的な文化である夏の風物詩、一大イベントを再開すること、その気持ちに揺らぎのあるものではありませんという非常に前向きな御答弁をいただきました。

 毎年、中央区でやっている大江戸まつりがあります。これも年々参加する人が増えて、非常に盛大なものになってきておりますから、このイベントをやる効果というのは、とてもあるものだというふうに思っておりますので、東京湾大華火祭も、いろいろな課題はあるかと思いますが、それを一つ一つ乗り越えていただいて、再開できるものならしていただきたい。それと同時に、近隣区といろいろな話をなさっているということですから、近隣区との話合いも、今、どのようになっているかお教えをいただきたいと思います。

 次に、福祉の問題について何点か伺います。

 福祉というのは、求めている方に必要なサービスをしてさしあげる。それは公平公正なものでなくてはならないというふうに思っています。福祉は、高齢者、児童、そして障害者、保健所と様々な分野に分かれておりまして、そのときによって必要の度合いは違うかもしれません。でも、できるだけバランスの取れたものが望ましいというふうに思っています。

 これまでもずっと質問を続けてきたんですが、ちょっと違和感を感じていたのが、数字で表すことはできないにしても、今年度の予算書を見ましても、児童福祉費に二百五十億円余りです。高齢者福祉二十五億円余り、十分の一なんです。それを言うと、必ず介護保険の会計もそこに足すんですよというお返事をいただきます。介護保険を足してみました。九十七億円余り、これを足しても百二十三億円。十分の一ではないけれども、約半分ぐらいです。数字で施策の優劣があるとは決して思いませんけれども、少し違和感を感じてしまいます。

 また、医療のことについてもそうですが、十八歳までは無料ですよね。高齢者の方は相応の負担があります。高齢者はお金を持っているからと、よく言われるんです。確かに、これは長い間にわたって貯金をしていらして、お金を持っていらっしゃる方もいらっしゃる。しかし、収入も確実に減ってくるというふうに思います。訪問医の先生がおっしゃっておりました。医療費の負担が一割から二割、三割になったときに、お薬とか医療の負担が大きいので、これまで三回訪問していたところを一回にしているのが現実なんですよというお話も伺いました。

 さらには、何年か前に、高齢者施策推進室長と一緒に、百歳の方のところにお祝いに伺いました。夏だったんです。クーラーはあるけれども、暑いのに、扇風機が回っているだけでした。伺うと、電気代ももったいないし、そんなに暑くないからとおっしゃるんです。でも、暑いんです。熱中症も心配だから、クーラーをおつけになったらいかがですかと言ったら、暑かったら窓を開けるから大丈夫ですと断られてしまった。心配しながら帰ったんですが、廊下のほうがよっぽど涼しかったのを覚えています。

 考え方もいろいろとあると思いますし、区だけで制度がどうにもならないというのもよく分かりますが、高齢者が単純にお金を持っていらっしゃるというよりも、高齢者も、健康も財政の面でも本当に様々だということを常に念頭に置いて高齢者施策を立てていただきたいと思いますが、お考えを伺います。

 次に、様々なアンケートを取っても一番多いのは、高齢になってきたら自分の家で暮らしたいというお答えがすごく多いんです。どんな立派な施設であっても、順番が回ってくると、入りたくないと言って、長いこと待機をしていらしたのに、また一番後ろに回ってしまうという例がいっぱいあります。介護は誰にしてもらいたいかと聞くと、家族というのが一番多いです。圧倒的に多いのも納得ができるんです。

 本区の在宅介護については、本当に手厚いものだというふうに思います。私も長い間介護生活をしましたが、これらのサービスがなければ、とても続けられる生活ではありませんでした。ケアマネさんがいつもそばにいらして、私たちに合ったプログラムを立ててくださって、いろいろな介護サービスを受けました。長い期間受けていた私でさえ、この介護サービスがどんなものがあるか十分には承知していなかった。ですから、介護認定を受けていらっしゃらない方は言うまでもありませんが、要介護・要支援の方でも、今、自分がどのようなサービスを受けられるか十分に御存じでない方も多いと思います。冊子とかホームページでいろいろなお知らせが出ても、高齢者の方は、なかなかそこから情報を取ることが難しい。そうなってきますと、おとしより相談センターの役割というのは非常に大きなものがあると思っています。おとしより相談センターは、今、いろいろな事業者も出てまいりましたから、そういうものを組み合わせて、その方に合ったプログラムをつくってあげる。それから、指導してあげるということはとても大事だと思いますが、おとしより相談センターにいらっしゃれる方はまだいいんです。いらっしゃれない方もあるし、その存在すら御存じない方もいらっしゃる。

 ですから、少し突出した考えかもしれませんが、昔は防災フェアというのをやって、一年に一回、各まちで防災の普及啓発のためにやったイベントがありました。それと同じように、一年に一回でもいいから、まちの中に相談業務で出ていくことができないのかなというふうに感じます。それにはお金も人もかかる。一朝一夕にできることではないと思いますが、待つ姿勢の相談センターではなくて、出ていって、みんなの相談に乗ってあげる、そういう施策ができるといいと思いますので、お考えを伺わせていただきます。

 さらに、体の動く間は自分で頑張ろうと思っていらっしゃる御高齢の御夫婦の方は多いんです。皆さんも、まちでよく御覧になるかもしれませんが、この暑い中で、手をつないで支え合いながらゆっくり歩いていらっしゃる御高齢の御夫妻の方がたくさんいらっしゃいます。足が弱るから散歩をしていらっしゃるのだったら、まだほほ笑ましいんですが、毎日の自分の生活のためにスーパーや何かに買物に来られるんです。言い合わせたように、帰りには御主人がレジ袋かエコバッグを持って、また、ゆっくり手をつなぎながら帰っていかれる。病院に行かれる方たちもいらっしゃいます。

 こういうことを考えてみますと、やはり御高齢の方は本当に様々だと思うんです。ひとり暮らしで一生懸命に頑張って生活をしていらっしゃる方もいらっしゃる。それを考えてみたときに、御高齢の方も様々で、体力も財力も皆違うということを十分に念頭に置かれて施策を立ててほしい。そして、御高齢の方たちの施策を立てる基準はどこにあるのか、高齢の方たちの御意見を吸い上げるにはどのようなことをなさっているのか、併せてお聞かせをいただきたいと思います。

 最後に、福祉保健部の組織についてお尋ねをいたします。

 福祉保健部というのは、所管する部署によって違います。高齢者、それから児童、障害者、保健所と違ってくるわけですが、高齢者施策は高齢者福祉課と高齢者施策推進室というのがあって、まとまって高齢者のことをやっていかれますが、児童というのは全部課対応になると思うんです。全てが課の対応、各々の対応になってきていると思います。

 国でもこども家庭庁ができまして、児童の福祉を総体的に考えようという風潮もできております。ですから、本区でも、福祉保健部長を先頭に、高齢者、それから児童、それから障害者、保健所とバランスの取れた組織をつくって、これからの福祉行政を行っていく必要があると思いますが、お考えをお聞かせください。

 以上で一回目の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 押田まり子議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、高校生世代に対する教育についてであります。

 高校生世代が学校教育以外に身近な地域で、様々な世代や多種多様なキャリアを有する方々と接し、多くの知見を得ることは、自己の将来を考える上で非常に重要なことであり、そうした場を創出することは区の役割であると認識しております。そのため、区では、少年リーダー養成研修会での高校生スタッフや、区民スポーツの日での高校生ボランティアとしての参加、子どもフェスティバルでのコーナー運営などを通じて、様々な年齢や立場の人と関わりを持ち、自己と社会についての多様な気づきや発見を経験する機会を提供してまいりました。昨年度には、本区のゼロカーボン機運醸成事業として、高校生を含む若い世代が主体となって活動するTeam Carbon Zeroを立ち上げ、その活動は、脱炭素社会実現に向けた学びを得る機会となっております。また、今年度、男女平等センター「ブーケ21」において、理系の進路を考えている女子生徒と保護者のためのセミナーを開催しており、これらの取組はキャリア形成に向けて好影響を及ぼすものと考えております。区といたしましては、今後とも、こうした機会の提供に努め、本区の輝かしい未来を担い、さらには世界に羽ばたくような高校生世代のキャリア形成を後押ししてまいります。

 次に、子供の本区に対する愛情や誇りについてであります。

 区内には、江戸以来の歴史・文化が地域の至るところに存在し、地域行事や伝統行事等を通じて今日まで引き継がれ、本区の大きな魅力となっております。これもひとえに、地域の皆様の強い思いと誇りが結集したたまものであり、まさに本区にとってかけがえのない宝であります。これらを着実に引き継いでいくためには、次代を担う子供たちが地域の中で、人と人との直接的な触れ合いを通して歴史を学び、強い思いと誇りを感じることにより、地域に対する愛着を形成していくことが大変重要であります。そのため、区では、大江戸まつり盆おどり大会などのイベントを開催するとともに、町会・自治会や青少年対策地区委員会などが行う地域行事への支援を通じて、子供たちが地域の中で様々な世代と交流し、本区の伝統と文化を肌で感じる機会の提供に努めております。本年十二月には、新たに晴海まつりを開催いたします。プログラムの中には、地域のおみこしを展示するコーナーを設けるとともに、子供たちには実際におみこしを担いでいただく予定であります。区としては、今後とも、こうした地域の伝統や文化・歴史に触れる機会の充実に努めてまいります。

 次に、東京湾大華火祭の再開についてであります。

 本区の一大イベントであり、日本を代表する夏の風物詩として長年にわたり親しまれてきた東京湾大華火祭の再開を望む多くの声が届いており、区といたしましても、その期待に応えるべく、なるべく早期に実現したいと考えております。再開に向けては、開催費用という大きな課題とともに、令和四年調査時からの環境変化への対応など、新たな課題を着実に乗り越えていく必要があります。そのためには、近隣区との調整を進めることが重要であり、現在、港区をはじめ、近隣区と再開時期を含め、最後の開催である平成二十七年度の警備計画や実施結果の確認など、実務的な協議を開始しております。東京湾大華火祭の開催に当たっては、会場周辺のみならず、広域的に区民生活を含め、様々な影響を及ぼすことから、早期に区の方向性をお示しできるよう、引き続き近隣区との調整を着実に進め、再開に向け、積極的に取り組んでまいります。

 次に、福祉行政のバランスと高齢者施策についてであります。

 本区では、中央区基本計画を上位計画とする中央区保健医療福祉計画に基づき、子供、障害者、高齢者、保健医療の各分野の施策を包括的に整合性を図り、その推進に努めております。お尋ねの高齢者分野につきましては、法制度を含めた国や都の動向のほか、本区の高齢者人口等の現状や、高齢者の生活実態調査の結果から見えてきた課題を踏まえ、個別計画としての高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を三年ごとに策定しております。本計画は、互いに支え合い、自分らしくいきいきと暮らせるまちを基本理念とし、健康づくりや生活支援、認知症ケアなど六つの基本目標を掲げ、高齢者の様々なニーズに応えるために、取り組むべき施策を計画的・総合的に推進しております。高齢者お一人お一人の抱える状況が多岐にわたることから、高齢者施策のみならず、区政全体を通じて、高齢者が安心して暮らせる施策を展開してまいります。

 次に、おとしより相談センターの相談支援体制についてであります。

 高齢者に関する総合的な相談や支援を行うおとしより相談センターでは、来所・電話による相談のほか、来所が難しい方や、地域の方々からの情報提供等により把握した見守りが必要な方に対しては、職員が自宅を訪問するなど、積極的な支援を実施しております。区では、高齢者人口の増加やニーズの多様化に伴い、相談機会の充実の必要性が増していると認識しており、今年度から、日本橋保健センター及び月島保健センターの健康イベントにおいて、おとしより相談センター職員による個別相談会を実施した結果、短期集中予防サービス、はつらつ健康教室の参加につなげることができました。今後も、地域の方々や関係部署・関係機関と連携を図りながら、全ての高齢者がいつでも身近な場所で気軽に相談ができ、適切なサービスを受けられる環境づくりを推進するとともに、より多くの方におとしより相談センターを活用していただくため、その機能について広く周知をしてまいります。

 次に、高齢者施策への考え方についてであります。

 本区では、先ほど申し上げました基本理念の下、ひとり暮らしや要介護の高齢者の割合が高い傾向にあるといった本区の特徴や公共性・必要性を考慮し、高齢者施策を展開しております。また、施策の円滑な実施を図るため、学識経験者や医療関係団体、区民・民生委員の代表の方を委員とする中央区高齢者施策推進委員会を設置し、高齢者の生活実態調査の結果も踏まえながら、幅広く御意見をいただいているほか、ひとり暮らし高齢者等調査などを通じて、区民からの声もお寄せいただいております。区といたしましては、必要なときに必要なサービスが行き届くよう、これまでも高齢者福祉事業のしおりを全高齢者世帯に配布するとともに、民生委員の方々の御協力を得ながら地域の高齢者に御案内いただいておりますが、今後も多くの高齢者が集まる敬老大会などのイベントや、医療・介護の関係機関が出席する在宅療養支援協議会などの機会を捉えて、さらなる周知を図ってまいります。

 次に、福祉保健部の組織についてであります。

 こども基本法の制定や児童福祉法の改正に伴い、子どもの権利の擁護が図られた児童福祉施策の推進や、子育てに困難を抱える家庭に対する計画的かつ包括的な支援、母子保健と連携した切れ目のない相談支援が行える体制が求められております。また、区の最重要課題の一つであった待機児童対策に一定の成果が得られた中で、コロナ禍を経た子供を取り巻く環境の変化や新たな課題を的確に捉え、柔軟に対応できる体制を構築することが必要と認識しております。区といたしましては、子供は、輝く未来を担い、まちに活力をもたらす源と考えており、現在策定中の(仮称)中央区こども計画の初年度に当たる令和七年度に向けて、高齢者施策推進室と同様に、子供施策を総合的に推進するための組織強化を図ることで、子供から高齢者まで誰もが来るべき二十万都市を希望を持って迎えられる福祉政策を推進してまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 初めに、令和時代に合った子供の夢の育て方についてであります。

 子供たちが夢を持つことや将来像を描くことは、その実現に向けて学び、努力し続ける姿勢や態度が身につくとともに、学業のみならず、生きる力の原動力になるものであると認識をしております。学校、幼稚園では、トップアスリートや国際社会で活躍するゲストティーチャーを招いた出前授業を行っており、子供たちは講演会を通して、競技に対して真剣に臨む姿勢や、目標に向かってどんな状況でも諦めずに挑戦を続けることの大切さなど、夢や将来像につながる生き方を学んでおります。また、能楽鑑賞教室や歌舞伎鑑賞教室、音楽鑑賞教室など、身近な芸能や文化などの本物に触れる機会を設け、憧れの気持ちを持たせる感動体験を充実させております。時代の変化とともに、子供が描く夢や将来像も変化し、時代に合わせた取組を行うことは大変重要であると考えております。教育委員会としても、子供たちの意見を反映させながら、キャリア教育を充実させるとともに、子供の琴線に触れる様々な体験を重視した教育活動を推進し、一人一人が夢や将来像を描きながら、未来に向けて羽ばたく力を育んでまいります。

 次に、教育施策の成果についてであります。

 本区では、かねてより教育の中央区を標榜しており、質の高い教育により、全国学力テストの結果においても高い成績を収めております。この教育の成果が将来にわたって子供たちにどのような影響を与えているかを把握することは大変重要であると考えておりますが、現状、全ての状況を把握することは、調査方法も含め、非常に難しいものであると考えております。そのような中、今回御紹介をいただいた中学生の海外体験学習では、ホームステイのほか、体験入学、自然保護活動、オーストラリア先住民との交流を通して、言葉や習慣、文化の違いを理解するとともに、国際感覚を磨くことができる価値ある学習となっており、これまでに一千名を超える代表生徒がオーストラリアの地を訪れております。現在、海外体験学習に参加した生徒の進路等について、同窓会を通して確認したところによれば、参加者の多くが高等学校で生徒会役員となり、リーダーシップを発揮している、あるいは外国語を学ぶため、大学への進学や留学を行っている、また、語学力を生かし、国際的な仕事に就いているなど、本区の教育施策の成果が着実に現れているものと捉えております。今後も、同窓会など様々な機会を捉えながら子供たちとつながりを持ち、教育施策の効果の把握に努めてまいりたいと考えております。

 答弁は以上であります。

〔二十七番 押田まり子議員登壇〕

○二十七番(押田まり子議員)
 抽象的な質問があったにもかかわらず、私としては、前向きに御答弁をいただいたものだというふうに思っております。ですから、再質問というよりも、少し所感を述べさせていただきたいというふうに思います。

 まず、具体的なところで言いますと、なぜ高校生について伺ったかというと、中学まではほとんど毎日一緒にいた子供たちが、高校になると離れていってしまう部分がある。つながっていたいという気持ちを一番強く持っているのを感じたのは、成人式のときなんです。成人式に、みんなが会って、ああ、元気だった、何をしたと、みんながすごくうれしそうに話をしている。ですから、今いろいろなことを伺って安心はしたんですが、高校に行ってばらばらになったとしても、同じ中央区の区民であるから、そこにつながりが持てるようなものを育てていってほしいというふうに思っています。

 それから、サザランド、すごいですね。いろいろ活躍をしていらっしゃる方がいる。やはりそういうことをきちんと見ていくことが、この施策はすごく有効だから広げていこうとか、これは一時ストップしたほうがいい、そういうものの根幹になると思いますので、どうぞ、これからもできる限りそういった情報も集めながら、教育施策をやっていっていただきたいというふうに思います。

 子供の夢とか、まちに対することという、すごく抽象的なお尋ねをしましたけれども、子供のエネルギーは物すごいんですよね。ですから、そのエネルギーを十分に育ててほしいと、いつも思っております。

 ちょうど、さっきおみこしの話が出ましたけれども、うちのまちも子供神輿連合というものがありまして、今年、出発式に行きましたら、この辺の高いところから、押田さん、おはようございますという声が聞こえて、ふと見上げたら、すごく背の高い青年なんです。誰かなと思ってみたら、そうだ、つい最近まで子供みこしを担いでいた子供で、私が面倒を見てあげた子だ、このつながりがまちだなというふうに思いました。町会の方たちのつながり、ある議員さんに伺ったら、自分の町会では、青年部ではなくて少年部もつくろうかという話も出ていると。こうやってまちのつながりを大事にしていってほしいと思います。

 衣食住はないと困ります。食べられない。住めない。着られない。これはないと困るものなんですが、私がお話しした夢とか芸術とか、まちを大切にする気持ち、伝統・文化などというのは、別になくても困るものではないです。でも、あったほうがいいよねというものだと思います。あったほうがいいよねというものがあることによって、まちは潤ったり、豊かな暮らしになると思うんです。ですから、あったほうがいいよねというものを大切にしながら、皆さんがおっしゃっている歴史・伝統・文化に支えられたすばらしいまち中央区、その中央区づくりのために、なお一層の御努力をお願いしたいと思います。

 それから、私は高齢者福祉に特化したような質問をしましたけれども、高齢者福祉だけが充実すればいいということを決して申し上げているわけではない。赤ちゃんも、子供さんも、お母さんたちも、その方たちも中央区に長く住んでいただければ、そのうちに高齢者施策に関わり合いを持つことになるかもしれない。御高齢の方たちが豊かに、そして潤いのある暮らしをちゃんとしていけるということは、逆に言ったら、皆さんが安心して中央区に長く住み続けようねと思う気持ちを持ってくださるかと思っています。ですから、児童福祉、高齢者福祉は決して対立軸にあるものではなくて、共存共栄していく福祉の一環だというふうに思っております。ですから、申し上げましたように、福祉保健部の組織もきちんと整備した上で、中央区でなければできない、すばらしい福祉施策をつくっていってほしいというふうに思っています。

 最後に、前にも申し上げたかもしれません。私の大好きな言葉に、後漢書の中にある、疾風に勁草を知るという言葉があります。中央区は、今、本当にいろいろな風が吹いています。大変です。子供さんが多くなって、学校も建て替えたり、それから増築もしなければならない。築地の跡地の問題もある。日本橋のまちづくりも、ほかのところもまちをきちんとつくっていかなければならない。晴海地域は大勢の方がいらしたけれども、交通不便地域だから、大量輸送機関も引くことを実現しなければいけないと、本当に強い風が吹いています。こういうときだからこそ、強い中央区にならなければいけない。勁草としての力をきちんと出した上での区政をやっていかなければならないというふうに思います。

 そして、この中央区が勁草になったときに、初めて安心・安全で暮らせるまちがつくれるというふうに感じておりますので、どうぞ、これからもひときわの御努力をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

○議長(瓜生正高議員)
 次に、十二番田中耕太郎議員。

〔十二番 田中耕太郎議員登壇〕

○十二番(田中耕太郎議員)
 中央区議会自由民主党議員団の田中耕太郎であります。令和六年第三回中央区議会定例会に当たり、会派の一員として、質問通告書に基づき質問をさせていただきます。区長をはじめ、関係理事者の皆様には、将来を見据え、明快かつ具体的な御答弁をお願い申し上げます。御答弁の内容によりまして、再質問をさせていただきます。

 さて、先週の九月十二日から十五日に、私が町会員として日々活動しております小舟町町会において、小舟町八雲神社天王祭が斎行されました。江戸時代より昭和初期にかけて、小舟町は、その名のとおり、諸国の産物が舟で集まる荷揚げ場であり、商人たちは財をなして大いに繁栄、その名残を今に伝える大祭でありました。通常は四年おきに行われる本祭でありますが、本来は一昨年が開催年に当たりましたが、新型コロナウイルスの流行の影響や堀留児童公園の改修等の影響もあり、二年延期されたため、六年ぶりの斎行となりました。江戸期より疫病退散や災害復興を祈って開催を重ねてきた歴史があり、今回は小舟町命名三百周年と堀留児童公園改修完成も記念し、社会の平穏を祈り、まちを挙げて特別なお祭りにしたいと準備が進められてまいりました。江戸期から戦前まで行われていたと記録の残る日本橋の橋上、橋の上におけるおみこし渡御の復活となり、近隣の日本橋地域の町会や関係する方々七百名以上の担ぎ手による渡御は壮観でありました。

 今回の祭礼や関連イベントを行う中で、私も祭礼祭典委員として、微力ながら尽力をさせていただき、官公庁、近隣町会、各種団体、企業への協力依頼や調整なども一部担当させていただきました。参加した方や御覧いただいた方からは激励や高い評価を多数いただいた一方で、斎行までの道のりは険しく、新たな取組をなぜ行うのか、課題や様々なリスクについて厳しい御指摘や御懸念、お叱りを受けた点は多々あり、大変教訓となりました。

 物事を進める上で、何よりも、立場の異なる多くの方々に対して適切な情報提供と情報収集、そして、そこから生まれる大きな方向性や価値の共有こそが重要であることを改めて強く認識いたしました。幾らすばらしいものを作っても、伝えなければ、ないのと同じ。世界中の誰もが知るアップル社の創設者である、MacやiPhoneの生みの親として知られる実業家、スティーブ・ジョブズの言葉でもあります。

 翻って本区について考えた際、今月一日現在、人口十八万五千九百五十一人と、引き続き大きく人口増加の続く本区政においてはどうでしょうか。人口の増加は活力の源泉であり、まちのにぎわいと活気を生み出す一方で、様々な立場や多様な価値観を持つ区民が増えていることも意味しています。区民はもとより、区に関わる全ての方へ適切な情報提供と情報収集を行っていくことで、区政の推進と相互理解を深める必要がさらに高まっています。そうした観点の下、区から区民への情報提供と、区民からの情報収集の具体的な事項について質問を進めてまいります。

 まず、区の情報提供の要と言える広報紙、区のおしらせちゅうおうについてであります。

 区のおしらせちゅうおうは、十月一日号からリニューアルを行う予定と既にお伺いしております。全紙面をフルカラー印刷として、これまで以上に写真を積極的に掲載することで、見やすい紙面を制作する方向性も表明されています。区民にとって見やすく分かりやすい広報紙への改善に取り組まれることは、評価いたしたいと思います。

 一方で、十月一日号から毎月一日、十五日の月二回へと発行減となると聞いております。かつて月二回であった発行を、平成二十二年度に月三回発行へと変更した際は、区民への情報伝達の質と量を高め、迅速化することで区民サービスの向上を目指すというお話をされていたと記憶しています。そして、これまで、一日号は町会・自治会による配布、十一日号並びに二十一日号は新聞折り込みによる配布を行ってきましたが、町会・自治会配布を廃止して、新聞折り込みと新たな配布希望者への個別配送へと変更されると聞いております。

 本年度の第五十四回区政世論調査によると、区の情報入手方法として、区のおしらせちゅうおうは、年々下降傾向とはいえ、五七・一%と、六割近い方が中央区の情報の入手手段としており、二番目に高い区のホームページの二五・八%の倍以上の割合を占めております。まさに、主力の広報媒体です。

 そこで、お伺いします。

 現在の区のおしらせちゅうおうの発行・配布状況、費用、課題等の現況についてお示しいただいた上で、月二回配布に戻す意義と効果、費用、配布方法の変更による影響について御見解をお願いいたします。

 特に、町会・自治会による配布が困難となっている事象は理解をしておりますが、配布補助は町会・自治会の有効な財源ともなってきたことへの対策、マンション管理組合などに対して配布協力や共用部へのラック設置の依頼を検討するなど、様々な点、検討事項があると考えますが、いかがでしょうか。

 個別配布希望者数と配送コストをどの程度に見積もっておられるのか、新聞折り込みとの重複や兼ね合いについても見通しをお示しください。

 総発行部数の減少や閲読率の低下、ひいては区の情報が区民に行き届きにくくなる可能性も起こり得ると懸念されます。区の認識や対策をお知らせください。

 次に、戦略的なネット広報やプレスリリースの在り方についてお伺いいたします。

 広報の語源となっているPRとは、パブリックリレーションズの略語です。つまり、公共と公衆、一般の方と情報を通してよりよい関係をつくることであり、組織と人をつなぐ考え方や活動全体を表すものであります。使い古された言葉となりますが、現代社会では情報が氾濫しています。年々、質・量ともにさらに存在感を増すインターネットを中心とした情報化社会、私たちは、日々、情報の洪水に接し続けているとも言えるでしょう。加えて、近年は生成AIの発達により、その集積や付加、加工、創造情報までもが短時間で広がりを見せる、際限のない高度情報化社会。何を取捨選択するべきかが、個人にも、企業団体にも、そして当然、自治体にも求められています。

 こうした状況の中で、広報を計画的、戦略的に行うべきであるという考えが普及し始めており、二十三区内では杉並区が、広報戦略、区民に伝わる広報活動の戦略的な進め方、川崎市ではシティプロモーション戦略プランなどが策定されており、流山市ではマーケティング課を設置し、SNSや動画配信を活用して広報活動を充実して行い、住民だけではなく、来街者や移住者に対して適切な情報を配信することで、自治体やまちとしての付加価値を高めるブランディングにも寄与しているとされています。

 自治体が広報を行うべき理由は、大きく分け、一に、住民に必要な情報を伝える、二に、住民のまちづくりや各種イベント、政策への参画意識を醸成する、三に、住民以外の関係者にも自治体の情報や魅力を伝えるなどが考えられます。この中で、本区は必要な情報の発信自体は適宜行っていると考えますが、区民のまちづくりや各種イベント並びに政策への参画意識向上、自治体としてのブランディングアクションなどには、まだ改善の余地があるのではないかと考えております。

 以上の観点で質問をいたします。

 広報の在り方全般をいま一度見詰め直し、区の基本構想や基本計画にのっとった中央区の広報戦略を策定し、全ての人を対象にするのではなく、ターゲット層や目的を明確に絞り込み、それに合わせた媒体と内容を発信すべきだと考えます。例えば、区民向けは、その内容により、特に防災などは明確に分けて情報発信に努めるべきだと考えますが、現状と今後の展望についてお知らせください。

 また、一方的な情報発信をするのではなく、様々なメディア媒体、ネット、SNS等を用いて、区民や一般の方から区の課題や魅力についての情報発信を促し、改善や魅力拡大につなげる取組をすべきと考えます。川崎市のように、ブランド推進やイメージアップについても住民や各種事業者、団体などから募り、成果指標を測定し、数値目標のある定量的評価とアンケートなどの定性的評価を行い、達成率を明確にして改善に取り組むという方法を推奨できるのではないでしょうか。

 あわせて、外部のメディアやプレスリリース、配信サイトなどの有効活用についてもお伺いします。

 情報を提供や掲載することで、より多くの方に知ってもらうことが可能となりますが、そのためには、ここでも明確な目的とターゲット、魅力的かつ具体的なニュース性のあるタイトル、明快な表現、引用やデータ活用、適切な配信先、継続的なフォローアップ等が重要とされています。これらを区がパブリシティ、プレスリリースで行う際の取組状況についてお知らせいただき、必要に応じて、広報戦略に長けた外部人材の登用や委託も検討すべきだと考えます。御見解をお知らせください。

 情報の発信の広報と対になる情報の収集、すなわち広聴のお取組についてお伺いいたします。

 先ほど区政世論調査について少し触れましたが、人口増加の著しい本区では、常に新しい区民ニーズが誕生しています。これらを酌み取ることは、第一義的に私たち議員の重要な役割ではありますが、全ての人から話を聞くことが不可能であることや、サイレントマジョリティの動向、区や区政への窓口を持たない区民のニーズを酌み取り、定量的な評価を行うことや、マーケティングの発想を取り入れた調査や制度設計を行い、時にアウトリーチ型の施策や能動的な広報ともリンクしていかなければなりません。

 そこで、お尋ねをいたします。

 現在行われている区政世論調査や区長への手紙などの各種広聴手段の現状をお知らせいただいた上で、対象者を明確にした調査や無作為抽出による調査、グループミーティング方式のヒアリングなど、目的を定めたり、新たなニーズを酌み取るための広聴の取組について、区の見解をお知らせいただきたいと思います。

 また、区政世論調査をはじめとした各種広聴によって得られた具体的なニーズや要望、時に不満やリスクをどのように施策に反映していくのか、そのプロセスや優先順位のつけ方についてお知らせをしていただき、今後ますます多様化する区民ニーズの把握手法と、その反映方法についての見解をお示しください。

 あわせて、本区は多くの再開発地域を抱え、新しいまちが次々と形成されています。本年より入居が始まったHARUMI FLAGや区内の大型マンション、タワーマンションのように多数の新区民の入居によって新しいまちづくりが行われている地域で、町会・自治会や各種地域団体などのような地域の自治や意思が示される機能形成までに一定の時間を有すると考えられるエリアに対して、区や行政機関とのパイプとなる人材や組織、機会が限られており、しかし、新しいまちであるからこそ発生する課題や要望が区へ届きにくくなるリスクを感じております。

 こうした区や区政との接点が現状では限られている、新しい住民の多い再開発地域等の要望や声をどのように迅速に把握していくのか、現状と具体的な対応策をお知らせください。

 社会情勢に対応した区民サービスの向上策について、個別の課題についてお伺いします。

 まず、課税証明書類等コンビニ交付サービスについてお伺いいたします。

 マイナンバーカードの東京での普及率は七二%を超え、中央区では、マイナンバーカードを利用して、コンビニエンスストア等に置いてあるマルチコピー機等で住民票の写しや印鑑登録証明書が取得できるようになっています。しかし、隣接する千代田区や港区では取得可能な課税証明書類や各種戸籍証明書類は、コンビニ交付の対象外、対象とはなっていません。児童手当の制度改正等に伴い、課税証明書類の取得ニーズが高まっており、本区でも課税証明書類等のコンビニ交付を早期に導入すべきだと考えます。区の御見解をお知らせください。

 次に、男性のHPVワクチン任意接種費用助成についてお伺いをいたします。

 科学的な正確性を期するため、主に東京都保健医療局のホームページより引用をいたします。

 ヒトパピローマウイルス、HPVは、主に性行為によって感染するウイルスであり、性行為を経験した際に、男女を問わず多くの人がHPVに感染いたします。ウイルスの遺伝子型は二百種類以上あり、大半は問題を起こしませんが、その一部は女性の子宮頸がんのほか、男性が罹患する中咽頭がん、肛門がん、尖圭コンジローマなどの疾患の原因になることが分かっています。

 日本では、毎年、約一万一千人の女性が子宮頸がんにかかり、約二千九百人が亡くなっています。若年層の発症割合が比較的高く、治療により子宮を失う人も年間約一千人おり、その予防にHPVワクチンは科学的に効果があるとされています。しかし、HPVワクチンは、接種後、体にしびれなどの症状を訴える事例が相次いだため、二○一三年以降、接種の積極的勧奨が取り下げられておりましたが、二○二二年に再開、同時に女性へのキャッチアップ接種も始まっております。

 HPVワクチンは、二○二四年一月現在、世界百四十一か国で公的接種の対象となっており、そのうちアメリカ、オーストラリア、カナダ、イギリスなどを含む五十九か国においては、男性も接種の対象となっています。国内で使用されているHPVワクチンは二価、四価、九価の三種類がありますが、そのうち男性への接種が承認されているのは四価ワクチン、商品名、ガーダシルのみです。日本では、男性を定期接種の対象に加えることについて厚生労働省で検討されていますが、東京都では、自治体が接種費用を助成する場合の補助事業を令和六年度から既に開始しています。

 現在、男性への接種は定期接種ではないため、費用は接種者が全額負担となり、一人合計三回の接種が必要なので、およそ五万円から六万円程度かかりますが、区市町村が行う男性へのHPVワクチン接種に係る被接種者の実費負担額の軽減を図る事業に要する経費のうち、任意接種に要する経費及び本事業の周知等のために要する経費を東京都が補助しております。こうした状況の中で、男性へHPVワクチン助成を、東京の二十三区内においては、既に二十一区が、本年度内の全額助成を打ち出しております。

 ワクチンをはじめとする医療行為は、高度な専門知識と判断を要するものと考えます。HPVワクチン自体の是非について、私の立場から論じる資格はないと考えております。しかしながら、東京都保健医療局をはじめ、多くの医療関係者や二十一区が全額助成に向けた意思を明確にしている事実は重たいと考え、他区とは現状異なる本区の立場や今後の対応、その理由を区民には明確に伝える必要性があると考えています。

 そこで、お伺いします。

 本区では、HPVワクチンの効果やリスクについてどのように考え、男性接種並びに女性の接種、キャッチアップ接種に対して啓発や助成を当面行わないのか否か、理由とともにお知らせください。

 次に、増大する外国人観光客・居住者対策についてお伺いします。

 新型コロナウイルスの収束や円安の影響もあり、外国人観光客が急回復しています。旅行者の様々なマナーや、いわゆるオーバーツーリズムへの対応については、以前も一般質問等で触れさせていただきましたが、様々な取組を再度検討すべき時期と考えております。また、災害などの緊急時にパニックとならないための対応について、官民を挙げて協力体制を築く必要性があります。

 二十三区の人口を五年前の令和元年と比較すると、二十三区全体として、外国人人口は四十七万人から十万人近く増え、五十七万人を超え、五年間で約一・二倍に増加しています。この間、日本人の都内の人口は一・○倍と、増減がほとんどありません。そして、二十三区の中で増加率が最も高かったのは本区であり、九月一日現在の中央区の在住外国人人口は一万二千七十人であります。十年前の平成二十六年、二○一四年は五千二十一人とありますから、およそ二・四倍、この十年間に中央区の外国人人口は増え、現在、総人口のおよそ六・五%を占めるまでに至っています。背景として、国内に在留する外国人約三百四十一万人の四分の一を占めるとされる中国人約八十二万人の動向が影響していると考えられます。本区は、外国人に占める中国人の割合が五年前の約四三%から約五一%に増加しており、タワーマンションなど都心部の住環境や教育環境を求める中国人富裕層から選択されているのではないかという指摘もあります。

 日本国の首都として、その都心区として、法に基づき、世界に開かれたまちを目指すべきことに疑いはありませんが、外国人との共生には課題が確実にあります。

 まず、言語の壁。日本語が話せない外国人にとって日常生活や行政手続が難しいことがあり、これに対して多言語対応のサービスや情報提供がさらに高い次元で求められています。

 次に、文化、ライフスタイルの壁。近隣に住む外国人と言語、文化の違いからトラブルが発生することは、日々、ニュース等になることがあります。外国人に対する偏見や差別も防がねばなりません。

 次に、教育と子育ての壁。そして、外国人の子供が日本の学校に適応するための支援が必要なケースは日々増加しています。特に、日本語教育や文化の違いに対する理解を、その保護者にも求めていかねばなりません。多文化共生には、やはり相互理解と協力が求められます。地域社会での交流やイベントを通して、日常時も緊急時も孤立しない社会を推進する取組は避けて通れません。

 そうした観点からお伺いいたします。

 区では、増大する外国人観光客に対して、民間の宿泊施設や公共交通機関、商業施設などと連携して、行き過ぎた混雑の回避や災害時などの緊急対応策を具体的に検討すべきだと考えます。これまでの取組状況と今後の対策について御見解をお示しください。

 区内では、外国人居住者が国内でも最も増加している地域であり、特に中国人が増えているとされています。区として、その居住実態の把握に努めるとともに、さきに挙げた言葉の壁、文化の壁、教育の壁を取り除く工夫や施策を充実すべきだと考えます。また、相互理解を深める取組を進め、様々なトラブルを未然に防ぎ、交流を深める機会を創出すべきだと考えます。現状と、そのお取組、区の見解をお示しください。

 最後に、大手IT企業をはじめとする官民連携サービスについてお伺いいたします。

 自治体がIT大手メルカリグループと包括連携協定を結び、フリマアプリ、メルカリ内にショップを開設して、不要となった備品等を販売する取組が全国の自治体で導入されています。メルカリを通じて粗大ごみや不用品を販売することで、ごみの減量とリユースの促進が図られています。また、リユースやサステナビリティに関する教育プログラムをメルカリ社が提供しているところもあります。これらを効果的に行うためには、区職員と区民の理解と協力が不可欠ですし、そのシステムを活用するためには、システム整備や運用方針の明確化が必要であります。しかし、備品廃棄に係る経費の削減と新たな財源確保策として注目されており、庁舎内で交換となるが、まだ使える備品や、小・中学校で使用された楽器や給食の食器など、小さなものも実際に取引されており、様々な物品のリサイクル、リユースが見込まれています。同社によると、現在、全国で四十三の自治体が備品等の不用品のリサイクル販売に取り組んでおり、一定の成果が出ているとされています。

 そこで、質問をいたします。

 今回はメルカリとの包括提携協定によるリサイクル事業の推進を紹介いたしましたが、このような事業を本区でも導入、検討の余地がないのかお伺いをいたします。

 また、メルカリ社に限らず、様々なITサービス企業をはじめ、その他業種も含め、強みや特色のある企業と連携を深め、協定を結ぶことで本区事業や施策の推進を積極的に図るべきだと考えます。区として、企業との連携策について取組状況と今後の展望について併せてお示しください。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 田中耕太郎議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、広報紙、区のおしらせちゅうおうのリニューアルについてであります。

 区では、現在、毎月三回広報紙を発行し、一日号については約七万七千部を町会・自治会を通じて、十一日号と二十一日号については、それぞれ約四万七千部を新聞折り込みで配布しており、リニューアル後の経費も含む令和六年度予算額は約六千六百万円となっております。情報発信手段が多様化し、広報を取り巻く環境が変化する中、区政世論調査の結果では、区政情報を得る手段として広報紙が最も利用されているものの、その割合は減少傾向にあります。区が発信する情報をこれまで以上に区民に伝わるものとし、興味・関心を持っていただくため、リニューアルに当たっては、区民の地域活動等を紹介する特集記事の掲載や広報モデルの起用など、新たな取組を予定しています。情報伝達の迅速性に関しては、デジタル媒体にシフトする一方、広報紙においては、紙面内容の充実と併せ、紙媒体の特性を生かしながら、区ホームページへの誘導を図ってまいります。これまで町会・自治会の皆さんに御協力をいただいていた一日号の広報紙の配布につきましては、毎月の配布に係る負担が軽減されることから、委託単価の見直しを行ったところです。一方で、町会・自治会が有している区域住民相互の連絡や情報発信などの機能は重要なものであるとの認識から、区からの業務委託を引き続き継続するとともに、新たに新規会員の加入促進の動きを後押しするために、委託内容に加入促進加算を新設したところであります。広報紙を紙媒体で読むことを希望する方へ確実にお届けできるよう、個別配送に係る周知を丁寧に行うことと併せて、重複を避けるため、新聞購読者は申込みが不要であることもお知らせをしています。なお、個別配送の希望者数に関しては、現在、三千件近くのお申込みをいただいており、今年度の配送コストは約百六十万円と見込んでいるところです。紙媒体、デジタル媒体、それぞれ希望する方法で区民がしっかりと情報を受け取れるよう取り組むとともに、身近で親しみのある紙面内容を通じて、区民と地域をつなぐ媒体として、今後も工夫を重ね、伝わる広報紙を制作、お届けしてまいる所存であります。

 次に、広報の在り方についてであります。

 各種広報媒体の特性に着目し、情報を届けるべきターゲットや、その目的を考慮した活用をしていくことが効果的な情報発信につながるものと認識しております。現在、広報分野に関する豊富な実務経験を有する副業人材を活用し、本区の目指すべき情報発信の在り方を整理するとともに、その実現に向けた具体的手法の取りまとめを行っています。また、区民や在勤者等による多面的な魅力発信が活性化されることを目指した取組の一つとして、インスタグラムを活用して、区のオリジナルハッシュタグをつけた投稿を促進するフォトキャンペーンを行っており、フォロワー獲得数などの成果指標も設定しているところです。リニューアル後の広報紙の成果指標としては、定量的評価は引き続き区政世論調査により把握に努めるとともに、紙面を読んだ感想をお聞かせいただくアンケートを実施することにより、定性的な評価の目安とすることを検討しております。プレスリリースや外部メディア等の活用につきましては、各予算案をはじめ、区として初めて取り組む事業や充実事業などを中心に進めており、内容に応じて配信先を選定することに加え、関心を持ってもらいやすいタイトルや画像データの活用など、相手先メディアに伝わる工夫をしているところです。こうした取組は、広く区外の方にも本区の事業や魅力を知っていただく貴重な手段の一つであることから、引き続き工夫して実施してまいります。今後も、様々な手段を組み合わせながら、本区のブランド力向上に資する戦略的・効果的なPRを行うことができるよう、広報の在り方について検討を深めてまいる所存であります。

 次に、区民ニーズの把握と反映方法についてであります。

 定住人口の増加が続き、区民ニーズも多様化する中、区民の声に耳を傾け、行政サービスの向上を図っていくことは重要であると認識しています。区では、区政世論調査や区長への手紙、区政への提案など、各種広聴手段のほか、高齢者や子育てなど、個別の施策において対象者を明確にした調査を行うなど、様々な機会を通して区民の意見を把握するよう努めています。区長への手紙については、令和五年度の受付件数六百三十件のうち、意見の採用や意見を実現する方向で検討等を行った件数は百二十二件であり、区民等の意見や要望の一九・四%を区政に生かすことにつなげる結果となったところです。また、パブリックコメント制度を通じて寄せられた意見の各種計画への反映や、区政世論調査の結果を基本計画の達成度の目安となる指標に設定する取組も行っているところであります。

 次に、再開発地域等の要望や声の把握についてであります。

 本区では、コミュニティ連絡相談員を各地域に配置しており、町会活動における多種多様な相談に対応しているところです。再開発中の地域においても同様に、町会活動の在り方などについての相談・要望をお聞きするほか、必要に応じて職員が町会・自治会の定例会等に出席し、課題解決の参考となる他の地域での事例紹介を行うこともございます。HARUMI FLAGにおいては、再開発中に区と事業者が協議を重ね、速やかに自治会が結成されるよう働きかけを行いました。結成後は、地域の連合町会や既存自治会との顔合わせの機会を設定するなど、新たな住民を円滑に地域に迎え入れられるよう準備を進め、自治会と区との信頼関係を構築してきたところであります。今後も、こうした取組を通じて、区民から寄せられる様々な声を受け止めながら区政運営に取り組んでまいります。

 次に、コンビニ交付サービスの拡充についてであります。

 区では、平成二十八年度から、住民票の写し等のコンビニ交付を導入しており、全国のコンビニで手軽に即時取得できる利便性などから、年々利用実績が高まっております。課税証明書等については、現在、本庁の税務課及び各特別出張所で交付しており、令和五年度においては、約三万件の交付実績がある中で、窓口に来庁した区民からコンビニ交付を望む声を複数いただいており、利便性に対するニーズを認識しているところでございます。コンビニ交付を導入するためには、システムの改修が必要となりますが、区といたしましては、令和八年一月に予定されている税基幹システムの標準化の中で対応していく考えであります。なお、戸籍証明書のコンビニ交付については、現存する戸籍のみが交付対象であり、相続手続等で必要な改製原戸籍の交付ができないことから、提供するサービスとして不十分なため、導入を見送ってまいりました。区といたしましては、本年三月一日から開始となった全国の自治体窓口での取得を可能とする広域交付の効果を見極めながら、導入の必要性について検討してまいります。

 次に、HPVワクチンについてであります。

 現在、国において、HPVワクチンは子宮頸がんや肛門がんの予防効果が認められ、副反応については、現時点で重大な懸念はないと判断されております。女性への定期接種及びキャッチアップ接種に対しては、その費用を全額助成するとともに、接種を完了していない対象者へ個別に勧奨はがきを送付するほか、ホームページを活用して周知を行っているところです。男性への接種については、一定の効果が認められるものの、現時点で費用対効果に課題があることから、国において、引き続き科学的知見に基づいて分析を行うこととされております。区といたしましては、国の動向を注視するとともに、男性への接種の啓発、助成について、周辺自治体の状況も踏まえて検討してまいります。

 次に、外国人観光客への取組についてであります。

 本区を訪れる外国人の方々が、安全・安心の下、より快適に観光を楽しんでいただくために、宿泊施設や商業施設、公共交通機関などの観光関連事業者と連携を図りながら、各種取組を進めていくことは大変重要であります。そのため、区では、各事業者に観光案内ガイドブックの配布を依頼し、観光客の区内回遊を促すとともに、マナー啓発チラシによりトラブルの未然防止に取り組んでおります。また、観光情報センターにおいて、観光スポットの混雑傾向を御案内しております。さらに、今年度から都が実施するDXによる観光データ活用等支援事業を活用し、専門のアドバイザーから支援を受けながら、人流データ等の取得・分析・活用を二年間にわたって行ってまいります。この分析データは、観光協会を通じて各事業者と共有し、様々な事業等に役立てていただくことで、サービスの向上や混雑の緩和等に資するものと考えております。災害時の対応については、外国人観光客を含む帰宅困難者対策として、一時滞在施設の確保や、事業所・集客施設に対する利用者保護の普及啓発を行うなど、各事業者との連携を図ってまいりました。こうした中、昨年度には、一時滞在施設の運営事業者、隣接の鉄道駅、防災拠点が連携し、一時滞在施設の開設や帰宅困難者の受入れ等の合同訓練を行ったところであり、引き続き、民間企業や鉄道事業者と連携した取組を進めてまいります。区といたしましては、今後とも、区内事業者と一体となって、外国人の方々が本区の魅力を心行くまで堪能していただけるよう取り組んでまいります。

 次に、外国人居住者への取組についてであります。

 本区における外国人居住者は、平成二十六年以降、コロナ禍を省き、毎年増加しております。特に、ここ数年は大幅に増加しており、地域からは、ごみ出しのルールを守らない、コミュニケーションが取りにくいといった声が区に寄せられております。外国人が日々安心して日常生活を送るためには、異文化理解、相互理解を促進することが大変重要であると認識しております。そのため、区では、外国人向け生活ガイドブックを転入時に配布するとともに、ホームページの自動翻訳により最新の区政情報を提供しているほか、窓口においては、各種手続が円滑に行えるよう、多言語に対応したタブレット端末等による通訳サービスを実施しております。また、学校教育においては、外国から編入学した児童・生徒が、日本語や生活習慣の違いを理解し、日本の学校教育に適用できるよう語学指導員を配置しております。さらに、中央区文化・国際交流振興協会においては、日本語教室を開催するとともに、日本の文化を体験する国際交流サロンや、各国の文化に触れる国際交流のつどいを通して、外国人と日本人の交流が深まるよう取り組んでおります。区といたしましては、こうした取組により、良好なコミュニケーションの下、異なる文化を理解し合い、多文化共生を実現することで、誰もが暮らしやすい環境づくりを推進してまいります。

 次に、企業との連携によるリユースの推進についてであります。

 リユースの推進に当たって企業と連携することは、有効な手法の一つであると認識しております。本区では、株式会社ジモティーとリユース活動の促進に向けた連携と協力に関する協定を令和五年三月に締結いたしました。不用品の譲り先や必要とするものを譲ってくれる人をウェブサイトを通じて探すことができるほか、リサイクルハウスかざぐるまの事業にジモティーを活用するなど、ごみの減量につながるリユースの促進に取り組んでおります。また、庁内で不用となった備品等につきましては、年二回取りまとめを行い、必要とする部署において再使用を図っております。区といたしましては、引き続きホームページ等による周知を図りつつ、企業と連携したリユースの推進に取り組んでまいります。

 次に、企業との連携策についての取組状況と今後の展望についてであります。

 行政課題が多様化、複雑化する中で、行政のみでは解決困難な課題も増加しており、質の高い行政サービスを提供するためには、多様な主体との協働や連携の重要性がますます高まっているものと認識しております。官民連携の推進に際しては、目指す方向性や目的意識、期待される成果などをしっかりと共有しながら、互いの強みを生かし、補完し合うことが重要となります。本区では、これまで、企業におけるCSRやSDGsなど社会貢献活動への機運を捉え、環境分野における東京電力パワーグリッド株式会社や、地域社会の発展と人材育成を目的とした聖路加国際大学との包括連携協定など、官民連携を積極的に進め、従来の枠にとらわれない形での課題解決に取り組んでまいりました。区といたしましては、今後も引き続き、行政課題解決のための有効な手法の一つとして、企業との連携を積極的に活用しながら、区民サービスのさらなる向上に向けて取り組んでまいります。

 答弁は以上であります。

〔十二番 田中耕太郎議員登壇〕

○十二番(田中耕太郎議員)
 それぞれに御答弁ありがとうございました。

 質問した点については、もう既にお取組自体はいただいているというのは、御答弁でも分かりましたし、私自身も決して区が力を入れていないということもないと思っているんですけれども、コロナ禍も終わってということもありますが、様々な点で区民の方を中心に、世の中の意識ですとか、デジタル化社会も当然そうですけれども、新しい方向性、求められているレベルがどんどん高まっていくし、新しい住民も多いということで、方向性も様々に求められているということだというふうに思います。全てに対応していくというのは本当に難しいことだというふうに思っていますし、最大公約数を自治体として求めていくということに変わりはないと思いますが、今やっていること、今回は広報・広聴のお話もさせていただきましたけれども、区の立場、区は今現在こういったことをこういう方針で取り組んでいるんだという方針が区民や来街者に伝わると、より誤解がなかったり、物事がスムーズに進むのではないかというふうに考えております。

 今回、区のおしらせちゅうおうについても、配布方法等を一部変更していきますが、当然、今あるものが全て変わってしまうというわけではなくて、配布方法も内容についても段階的な変更になっていくというふうに思うんですけれども、区民の方からすると、これまで届いていたものが届かなくなるのではないかというような不安を抱かれている方も、それは誤解だったりもするんですけれども、一部にはいらっしゃったりですとか、様々な点で御懸念やリスクを感じておられる方もいらっしゃるというのは、幾つか私の耳に入った範囲ではありますけれども、感じております。既に、区のおしらせの中でもそうですし、ホームページ等でもお示しはしていただいていますけれども、さらに、区民の関心の高いことには優先順位をつけて、分かりやすく、その変更内容ですとか、今後の取組の方針といったものをシンプルに、明快に示していただけるとよろしいのではないかというふうに思います。

 また、情報発信全般については、様々なお取組をしていただいているということで、ひとまずは安心している点も多いです。最後、区長の御答弁にもありましたが、ブランド力を高めるといった取組は今後重要になってくると思います。私が当初、議員になった当初ですから、もう十数年前ですけれども、一般質問の場でブランディングが重要ではないか、ブランド力を高めたいというお話をしたとき、ブランドという言葉は区政、行政にはなじまないのではないかというような御指摘をいただいたこともありました。しかし、時代がめぐりましてと言ったらなんですが、現代では多くの区や、市も含めた市区町村、自治体、国も含めて、ブランド、言い換えれば伝統の力とも言えますけれども、伝統の信用力というのは当然重要なものでございまして、中央区として、さらに高めていってほしいというふうに思います。

 とりわけ、本区の場合は、区内の各地域ブランド、地名が先行して有名でございます。申し上げるまでもなく、やはり銀座が恐らく全国や世界的には一番有名かと思いますけれども、銀座、日本橋、築地、月島、いろいろ、ほかのまちも全てですけれども、名前が先行して有名であったり、ブランド力があるんですが、やはり中央区としての一体感ですとか、中央区が何を考えているのか、どういった方向性に向かっているのかというのは、まちの個別のブランドが強いがために、少し見えにくくなってしまうのではないかというふうにも思っております。そういった点も踏まえて、ブランドという横文字だと、さらにそれも分かりにくいかもしれませんけれども、地域の伝統の発信力、伝統の継続力といったものを高めていっていただきたいというふうに考えています。

 細かい点については、コンビニ交付等については、制度の問題についても御答弁いただきまして、おおむね了解をいたしました。他区がやっているから、本区でもすぐにやらなければいけないという問題ではございませんが、やはり実際問題として、利用件数が今後伸びる可能性の高い分野かというふうに思います。今回、システム改修の標準化の時期を見定めてということでございますが、可能な範囲でスピード感を持ってサービスの充実を図っていただきたいというふうに考えております。

 また、HPVワクチンについても、本区の見解については了解をいたしました。こちらに関しても、男性への助成について、別に早くやればいいという問題ではないというふうにも思っておりますが、一回目の質問の中で申し上げましたけれども、東京都や他区は基本的にはそういった方向性にかじを切ったということでございますので、本区として、それとは異なる姿勢を取るということであれば、その最低限の情報発信や区民の理解といったものは、私は必要ではないかというふうに思っています。やはり一般の区民の方から、どうして中央区はやらないんだというような質問が私のところにもやってまいりますし、ほかの議員や職員の皆さんの中にも届いているときもあるというふうに考えています。早くやれば必ずいいというお話ではないというのは重々踏まえた上で、行わないのであれば、行わないなりの姿勢や情報発信といったものが今後求められていくというふうに思いますので、区として善処していただきたいというふうに考えております。

 その他、外国人についても、かなり抽象的な質問をさせていただきましたが、これまでもお取組は様々にされているということで、こちらについても信頼はしております。一方で、申し上げましたように、今回、私も数を調べて改めて思いましたが、東京都内の外国人居住者数が、コロナが終わったこともあって、増えている。その中で、二十三区の中で、中央区は実は一番断トツに、中国人も含めた外国人の居住者数が増えているということになっています。ですので、これまでの対応の延長線上から、もう一つギアを上げて、今までやっていただいたことが間違っているというわけではなくて、確実にスピード感、量が増えているというのが明確になっていますので、より一層ギアを一段上げて、質と量を上げて、こういったことに取組をしていただきたいというふうに思います。

 外国人の方がいらっしゃるということは、逆に言うと、選ばれているという点もありますので、外国人の方を単純にお客様としてお迎えするというよりも、同じこの地域で住まう方として、言語や文化の壁を乗り越えて、共存して共生していかなければならないといったシーンが今後増えるわけですので、そういった観点でお取組を加速させていただきたいというふうに思います。

 企業との連携につきましては、私も様々な点で、委員会等も含めて、指摘させていただいておりますが、本区内はもともと商業都市ですから、大企業、それから歴史のある中小企業、零細企業に至るまで、本当に多くの企業があります。企業の皆さんの経済活動と、我々自治体、行政の活動というのは、当然、深く密接にリンクしているわけですけれども、あまりに企業の数や経済活動が盛んであるがゆえに、やはり地元、基礎自治体である我々との接点というのはどうしても限られてしまうのかなというふうに日々感じる部分があります。これは企業の大中小問わず、本当はもう少し地元に貢献したいんだというような企業さんですとか、地元にもっと根づいたサービスや事業を展開したいんだという企業さんは、本当に企業の大中小を問わず、あるというふうに考えております。ですので、そういった点を改めて認識していただいて、区としての様々な形、媒体、サービスを利用して、連携、コラボする力を蓄えていただきたいというふうに考えております。

 特に改めての質問はございませんが、以上の点を踏まえて、今後の区政の改善をお願いできれば幸いでございます。

 質問を終わります。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

     午後四時四十分 休憩


     午後五時 開議

○議長(瓜生正高議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。まず、十一番高橋元気議員。

〔十一番 高橋元気議員登壇〕

○十一番(高橋元気議員)
 中央区議会会派かがやき中央の高橋元気です。理事者の皆様におかれましては、活発な御答弁のほど、心よりお願い申し上げます。なお、再質問につきましては、あらかじめ留保をさせていただきます。

 令和六年に入り、HARUMI FLAGの入居が本格化し、本区の人口は令和六年九月一日時点で十八万五千九百五十一人となり、史上最高を更新しています。本区は、新たなステージ、転換点を迎えましたが、人口急増に伴い、公共施設や公共交通機関等、ハード面の整備をはじめとして、様々な課題が浮かび上がっております。特に、晴海地区及び月島地域全体で喫緊の課題となっているのは、区民の生活環境の整備であり、学校など子供の居場所の確保や交通環境の整備であると考えます。

 そこで、まず、月島地域を中心とした区内公共交通機関の整備につきましてお伺いをいたします。

 住民の人口増加に伴い、区民の生活を支えるためには、公共交通機関の確保が重要となります。特に、これまで交通不便地域とされてきた晴海地区においては、最寄りの勝どき駅まで徒歩十分以上かかることもあり、通勤の足としては、東京BRTや都営バスに頼る比重も大きくなります。最近では、特に朝の通勤ラッシュの時間帯に、勝どきや晴海五丁目のBRTバス停において長蛇の列ができており、車両に入り切らず、積み残しが生まれるなど、大きな影響が出ています。来年にはHARUMI FLAGに新たな二棟のタワー棟が竣工し、さらに人口は増加をいたします。これまで各種委員会でも多くの質疑、要望が繰り返されてきましたが、改めまして、本区における公共交通機関の重要性を再認識していただき、さらなる拡充を東京都など関係機関に強く要望していただきたく、質問をいたします。

 まずは、東京BRT及び都営バスについて、特に朝方の時間帯に顕著に輸送量に不足が生じております。これまでの答弁でも、全国的にバスの運転手や車両が足りていないという状況でもあり、本区からも繰り返し東京都及び東京BRT株式会社に要望を出していただいていると認識をしておりますが、さらなる人口増加を見据え、先手を打ち、輸送量を確保していく必要があると考えます。

 改めまして、本区における東京BRT及び都営バスの重要性の認識及び増便の可能性についてお伺いをいたします。

 また、本区の裁量範囲内で実行できる手段として、江戸バスによる通勤の足としてのルート及び車両の拡充という選択肢も検討すべきと考えます。江戸バスによる輸送量の確保は可能であるか、本区の見解をお示しください。

 また、将来的な大幅な輸送量の確保という点では、これまでも本区が推進してきた都心・臨海地下鉄新線構想による期待は年々増すばかりです。毎年開催している都心・臨海地下鉄新線推進大会においても住民の関心は高く、機運は高まっております。今後、東京都と事業予定者による具体的な事業計画が策定されると認識しておりますが、本区も、毎年度、調査費用が予算として計上されております。関係機関に早期着工を促すため、積極的に行動を行っていただきたいと考えますが、現在の検討状況及び早期着工の可能性について伺います。

 最後に、将来的な可能性として、例えば、築地市場跡地の再開発計画においては、本区も交通結節点の活用として要望書を東京都及び事業者に提出しているとおり、陸海空の輸送手段の拡充、舟運としての水路の活用やヘリポート等の整備による空路の活用も計画に含まれております。通勤の足として、これら陸路以外の取り得る輸送手段の拡充について、本区の見解を伺います。

 次に、自転車交通ルールの周知・啓蒙活動について。

 人口増加の影響は、自動車道だけでなく、歩行者や自転車の通行環境の混雑にもつながっております。特に、晴海地区においては駅まで遠いということもあり、自転車によって通勤・通学、保育園へ送り迎えする姿が顕著に増えました。特に、通学路であり、歩行者専用橋である黎明小橋及び朝潮小橋において、自転車交通ルールを無視して、降りずに走行する自転車も多く見られ、近隣住民からも大変危険であるという声を聞きます。言うまでもなく、自転車は道路交通法上の軽車両に該当し、原則車道を通行しなくてはなりません。また、先日、自転車の交通違反を厳罰化する改正道路交通法が国で可決され、自転車の交通違反には交通反則切符、青切符が交付されるようになります。安全な交通環境の確保という側面から、本区も改めて所轄警察署と協力し、自転車交通ルールの周知・啓蒙活動に力を入れるべきと考えます。

 まず、本区において、自転車交通ルールの周知・啓蒙活動については、どこまで力を入れているか、現状の実態についてお伺いをいたします。

 また、道路交通法の厳罰化等の流れを受け、より実効的に取締りを行うために、警察に頼るだけでなく、地元住民自治組織の助けを受けながら、定期的な巡回や見回りを行っていくべきと思われますが、本区の御見解を伺います。

 また、そもそも自転車が車道ではなく歩道を通行するのは、晴海通りなど大通りにおいて交通量が極めて多く、さらに路上駐車が横行し、自転車が車道の左端を安全に通行することが難しいという側面もあります。路上駐車の取締りは並行して行うべきではありますが、現状の都道や区道など、車道において自転車ナビマークによる対応だけではなく、しっかりと自転車専用通行帯の整備、それが難しければ、できる限り自転車歩行者道を整備していくべきと考えます。本区においては、自転車活用推進計画において、その方向性を示しているものと認識しておりますが、改めまして、これら自転車走行環境の改善という点において、今後どのように取り組んでいくか御見解をお示しください。

 また、快適な自転車通行を実現するためにも、あるいは子供たちにとっては、自転車を練習する場所を確保するという側面からも、現状の中央区内の公園利用ルールにおける自転車の乗り入れ禁止は、地域及び公園の特性によっては、段階的に緩和していくべきではないかと考えています。歩行者や公園利用者が優先であるという点は当然ではありますが、水辺の歩行環境の整備が進めば、豊洲ぐるり公園のように、東京湾を眺めながら気持ちよく自転車で移動ができる環境整備も、まちの価値を高めるものであると考えます。今後の水辺環境の再開発動向にも左右されますが、このような一部公園利用ルールの緩和と自転車利用の促進も検討してはよいのではないかと考えますが、御見解をお示しください。

 次に、公共的空間における受動喫煙防止対策について伺います。

 これまでも、受動喫煙防止対策については何度も取り上げてきていますが、人口増加に伴い、歩きたばこや路上喫煙がさらに横行しております。本区においては、中央区たばこルールに基づき、指定喫煙所以外での喫煙は禁止するとともに、巡回パトロールによる注意喚起を行っております。もっとも、まずは喫煙者が指定の場所で喫煙できるよう、指定喫煙所の確保が大事であると考えます。晴海地域にも、令和六年に、ようやく三か所、新たに指定喫煙所が新設されましたが、まだ区内全域的に足りていないとも思われます。

 そこで、お伺いをいたします。

 今後の指定喫煙所の整備について、現状で開設予定があるか、また、本区が予算化している民間喫煙所の開設補助の現状、そして、民間で取り入れられているようなバスやトレーラーを改造した移動式喫煙所の導入など、より柔軟な施策の導入について見解を伺います。

 また、本区における巡回パトロールにおいては、二、三名の方が定期的に巡回をして注意喚起を行ってはおりますが、果たしてその効果が出ているのか、令和五年度における取締り件数の実態や、その効果測定について伺います。

 また、より実効的な対応として、二十三区内においても、条例において罰則を設けるケースが増えてきました。二十三区中、十五区が、路上喫煙やポイ捨てについて、巡回指導員等による過料の徴収を条例にて定めております。世界的にも、都市が率先して受動喫煙を防止するために、違反喫煙を厳しく罰する流れでもあります。これまでも本区は、私人の権利を制限する罰則の制定には慎重な立場ではありますが、改めて、子育て世帯を中心とした新住民に、より衛生的な環境整備のため、違反喫煙に対しては厳しい姿勢が望まれている中、再度、過料徴収など、罰則の制定も含めた実効的な対応について御見解を伺います。

 最後に、本年一月に本区と脱炭素を軸とした連携協定を締結いたしました福島県大熊町との連携について伺います。

 二酸化炭素排出量の約七割を占める電力の脱炭素に向け、再エネの確保が本区の課題となっていますが、ゼロカーボン推進による復興まちづくりを進める大熊町と、脱炭素を軸に連携することにより、ゼロカーボンシティの実現及び相互の地域課題解決のため、このたび連携協定を締結したものであります。相互に大きな利益がある、すばらしい取組であると考えます。また、七月には、自治体間交流を目的として、中央区議会を代表し、議長及び各交渉会派幹事長にて、大熊町等を表敬訪問させていただきました。

 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業を進めている大熊町においては、懸命な除染作業により、帰宅困難区域指定が次々に解除されてはおりますが、現在も総面積の約五一%が帰宅困難区域となっております。しかし、メガソーラー計画を主軸としたゼロカーボン事業を通じて、東日本大震災からの復興を目指し、特に若い世代による移住も進んでいます。大河原復興拠点を中心にして、住宅地を町が造り、スタートアップ企業などの誘致とともに、移住者に割安で貸し出すなど、産業振興も含めた様々な取組をスタートさせておりました。また、福島第一原発内も既に原子炉建屋内以外の区域は除染作業が進み、通常の服装で多くの方が懸命に廃炉作業に従事されており、やはり私たちは現場をしっかりと見て、正しい情報を伝える責務があると感じました。このたびの自治体間交流については、大熊町の自然豊かな町並み、落ち着いた環境に私も大変感銘を受け、いまだに続く風評被害と闘いながら、復興に向けて進む大熊町の皆様に対して何かできないかと考える契機となりました。

 そこで、質問をさせていただきます。

 このたび、福島県大熊町と脱炭素による未来共創に関する連携協定を締結することになった経緯や思い、そして具体的に、今後の事業計画やスケジュールについて改めてお伺いをいたします。

 また、再エネ電源の確保は非常に重要でありますが、このたびの連携協定を契機に、例えば復興に向けた産業振興としての人材交流や企業誘致に関する協力、または区内住民に向けた移住等も視野に入れた体験交流や金銭的支援など、中央区と大熊町のさらなる交流、支援について、区の見解をお伺いいたします。

 以上で第一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 高橋元気議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、公共交通機関の整備についてであります。

 月島地域を中心とした臨海部における交通環境は深刻であり、特に朝夕のラッシュ時への対応については、喫緊の課題であると認識しております。そのため、これまでも東京都や事業者は増便などを行ってまいりましたが、区といたしましても、さらなる交通環境の拡充が着実に図られるよう、実質的な支援を行ってまいります。一方、江戸バスについては、BRTや都営バス等の基幹的交通とは異なり、公共施設へのアクセス性の向上などを目的とし、地域のきめ細やかな交通ニーズに対応するコミュニティバスとしての役割を担っているところであります。今後も、混雑緩和に向け、関係機関と調整してまいります。また、増加する交通需要に対応するためには、大量輸送機関である地下鉄新線が有効であることから、早期開通は必須であると認識しております。地下鉄新線については、本年二月に、都、鉄道運輸機構、東京臨海高速鉄道の三者で事業計画の検討を行うことが公表されるなど、実現に向けて着実に前進しているものと考えております。区では、令和五年度に、駅周辺のまちづくりと連携した歩行者ネットワークを形成する出入口や、地下通路に関する区の考えを取りまとめ、本年度は、さらに深度化した内容を都などへ示すため、検討を進めております。引き続き、区の検討内容を関係機関と共有し、連携を図りながら、一日も早い着工に向け、取り組んでまいります。水上交通については、多様な移動手段を創出する重要な役割を担うものと考えております。そのため、基本計画二○二三に基づき、区民の日常的な移動手段として定着するよう、データ分析や関係機関へのヒアリングなどを行いながら、実現に向けた検討を進めているところであります。空路については、現在、国や都において利活用の検討や飛行実証が進められておりますが、様々な課題もあることから、国などにおける検討の動向を注視してまいります。今後も、利便性の高い公共交通機関の拡充に向け、関係機関と連携・調整を図ってまいります。

 次に、自転車の交通ルールの周知についてであります。

 区では、これまでもホームページや広報紙を通して自転車の交通ルールの周知を図るとともに、交通安全運動をはじめ、街頭キャンペーンや交通安全イベントなどの機会を捉えて、自転車利用者に直接訴えかける取組を進めてまいりました。今後は、中央区自転車活用推進計画に基づき、小学校の校庭を活用し、子供と保護者が自転車の乗り方や安全な利用方法を学べる自転車乗り方教室を開催するなど、幅広い年代に向けた分かりやすい交通安全教育にも取り組んでまいります。さらには、自転車の安全で快適な利用を促進するため、交通ルールをはじめ、駐輪場の場所や放置禁止区域、自転車が走行できない箇所など、様々な情報を盛り込んだ自転車マップを、現在、作成しているところであります。一方、取締り権限を持つ警察においては、都内で自転車が関与する交通事故が多いという現状を踏まえ、自転車の交通取締りを強化していくものと聞いております。区といたしましては、これまでどおり、警察と連携しながら、町会・自治会や交通安全協会などの交通ボランティアの方々とともに、官民一体となった街頭活動を通じて交通ルールのさらなる周知を図り、交通違反をしない・させない機運の醸成を継続してまいります。

 次に、自転車の通行空間についてであります。

 身近な交通手段として、自転車利用のニーズが高まる中、歩行者、自転車、自動車が共に安全で安心して通行できる自転車通行空間の確保に向けて、限られた道路幅員の中で、交通状況や地域の道路特性を踏まえた整備を進めていく必要があります。中央区自転車活用推進計画では、整備手法について、比較的幅員の狭い区間が多いことや、荷さばき用駐車スペース、バス停が多い区道を有する本区においては、早期ネットワーク化を図るため、ナビマーク・ナビラインを基本に整備することを掲げております。一方で、これまでも道路改良工事や電線共同溝整備により、道路の幅員構成が大きく変更できる場合などの街路整備においては、自転車歩行者道なども整備してまいりました。区といたしましては、今後も自転車専用通行帯など、路線ごとに適した整備手法を選定するとともに、国や都、交通管理者等と連携して、自転車通行空間の整備に努めてまいります。

 次に、自転車通行に関する公園利用ルールの緩和についてであります。

 区立公園では、公園利用者の安全を確保するため、公園内での自転車通行を条例により禁止しております。そのため、本年四月より、小学校の校庭を活用して、子供と保護者が安全・安心に自転車の乗り方を練習できる場所の提供を開始したところであります。自転車による水辺空間の回遊については、今後の護岸整備に伴うテラスの連続化や、公園利用者の安全性が確保できる段階で、前向きに検討してまいります。

 次に、公共的空間における受動喫煙防止対策についてであります。

 屋外での受動喫煙の防止には、指定喫煙場所の拡充が効果的であることから、路上喫煙の通報や吸い殻のポイ捨てが多い場所を中心に、民間事業者と協力して整備を進めてきたところです。指定喫煙場所六十一か所のうち、区の助成制度を活用して整備した喫煙場所は二十か所となっております。現在協議中の案件も含め、順次増設してまいります。整備に当たっては、在勤者による路上喫煙が課題となっている現状を踏まえると、主にイベント会場での活用が前提とされる移動式喫煙所よりも、常設の喫煙場所が有効であると考えております。巡回パトロールにつきましては、令和五年度の啓発件数は約四万七千件で、令和四年度と比較すると約六%減少したところです。これは、指定喫煙場所の拡充、巡回パトロールによる中央区たばこルールの周知徹底と、指定喫煙場所への誘導といった、これまでの取組の効果によるものと考えております。罰則につきましては、過料は行政処分に当たることから、これを行うための職員数を確保する必要があるほか、私道を含む私有地では適用ができないなど、実効性を担保することが難しいところです。区といたしましては、罰則よりも、これまでの取組を継続的に実施し、分煙環境の確保を推進することで、屋外での受動喫煙防止の徹底を図ってまいります。

 次に、福島県大熊町との連携についてであります。

 本区は、令和三年三月にゼロカーボンシティ中央区宣言を行い、二○五○年までにゼロカーボンシティを実現するため、令和四年六月に東京電力パワーグリッド株式会社と連携協定を締結いたしました。同時期に館山臨海学園跡地に太陽光発電所整備の検討を行った結果、電力の供給を行うには、送電線の確保が必要であることを認識したところであります。また、都心区の地域特性から、創エネのポテンシャルが低いことが課題であり、令和五年三月に策定した中央区環境行動計画二○二三においても都市間連携の推進を掲げ、区域外からの再エネ調達を模索する中で、東京電力の協力の下、ゼロカーボンによる復興の推進を掲げている大熊町とつながり、協定の締結に至ったものであります。大熊町からの再エネ電力の調達は、ゼロカーボンシティの実現のために不可欠であり、町の復興にも大きく貢献しながら、双方の地域課題の解決につながる大変重要な取組であると考えております。大熊町が計画しているメガソーラーの整備は、建設地の地権者や、国、電力会社など様々な関係者との調整が必要であり、現段階では具体的なスケジュールや供給される電力量などは未定となっていることから、今後の進捗状況を踏まえ、調整していくこととなります。また、その他の連携事項については、環境イベントへの相互参加や住民交流事業を継続していくとともに、産業振興に関する支援などについては、大熊町の要望を確認しながら取り組んでまいります。今後、様々な面での連携を進めることで、自治体間の良好な関係を築き、大熊町の復興まちづくりの促進及び相互の持続可能な発展に寄与してまいります。

 答弁は以上であります。

〔十一番 高橋元気議員登壇〕

○十一番(高橋元気議員)
 それぞれに御答弁ありがとうございます。

 今回、私の質問で取り上げましたのは、急速に人口が増えている中で、どうしても区民の生活環境がよくない方向にいってしまう、悪化してしまうこともあり得るという点で、区民生活環境の悪化に対する懸念が私の質問の意図でありました。今、御答弁いただいた中でも、まずは、やはり公共交通機関の整備は、今後、また東京都やBRTあるいは臨海地下鉄新線、様々な方法で区としても重点的に取り上げていただける、深刻に考えているという答弁をいただきましたので、ぜひ、こちらも強力に進めていただければと思っております。

 また、喫緊の課題として、自転車交通ルールもそうですが、受動喫煙もそうなんですけれども、人口が増えてしまうと、どうしてもマナーも低下してしまうものであると思っております。こちらも、中央区としては、受動喫煙であれば巡回パトロール、あるいは自転車の啓蒙活動であれば、警察と連携をした上で、交通安全運動週間でしたり、様々な施策を試みているというふうには認識をしております。ただ、区民の実感としては、やはり人口増加に伴うマナーの悪化というものが、区は頑張っているかもしれないけれども、なかなか実感に結びついていない。むしろ悪化しているのではないかといったような声も寄せられております。過料の徴収等、罰則についても例示させていただきましたが、こういった今の状況の中で、少しでも区民の方々にメッセージを届けるためには、時には鬼になっていただくというよりも、毅然とした対応を見せることも、やはり区の姿勢として必要なのではないかと思っております。

 私に届く声も、自転車も喫煙もそうですけれども、もっと自転車を快適に乗りたいという人もいれば、自転車を取り締まってほしいという人もいる。あるいは快適に喫煙ができる環境を整えてほしいという人もいれば、やはり喫煙は子供たちにとって有害なので、やめてほしい、もっと取り締まってほしいという二分された意見が両方寄せられてきます。これは、行政としても、そして議員としても、その中間というわけではありませんが、どういったバランスでまちの安全・安心を保っていけるかというのが腕の見せどころであるかと思っております。

 史上最多の人口更新を続ける本区でありますが、肥大化する行政需要への対応につきましては、大変感謝を申し上げております。これからも住民の皆様と協力し、安心・安全なまちをつくり上げていただければと思っております。

 そしてまた、今回の大熊町との連携協定は、様々な意味ですばらしいものになっていると思っております。こちらは、前議員からの質問にもありましたが、近隣区との連携という考えもあります。中央区だけで何とかできることもあれば、中央区だけではなく、近隣区や離れた自治体と連携をした上で、よりよい未来をつくっていけるというような連携の関係も、さらに深度化をしていただければと思っております。

 本日は再質問はありませんが、夢があるまち中央区、そして本区の未来、区民の未来がますます明るい方向に進むことを心より祈っております。

 これにて、私からの質問は終わらせていただきます。御清聴誠にありがとうございました。(拍手)

○議長(瓜生正高議員)
 次に、九番高橋まきこ議員。

〔九番 高橋まきこ議員登壇〕

○九番(高橋まきこ議員)
 中央区議会かがやき中央の高橋まきこです。一般質問をいたします。区民をはじめとして、本区に寄せられている声に耳を傾け、真摯な御答弁をお願い申し上げます。御答弁によりましては、再質問をさせていただきます。

 まず、築地と周辺とのつながりについてお尋ねします。

 本年四月に築地市場跡地を含む、築地地区まちづくり事業の事業予定者が決定し、五万人規模の大規模集客施設を含む提案概要が示され、大きな注目が集まっています。そして、築地川アメニティ整備構想や築地一丁目の市街地再開発事業など、築地エリア全体として大きな変化を迎えています。これらに関連して、高速道路や臨海地下鉄新線など交通環境整備も進むとされ、長期的に持続可能であることが求められています。特に、築地周辺では歩行者の安全性と快適性の両立が第一であり、そのために、自動車や自転車等の多様なモビリティをどのように位置づけていくかが重要となります。

 中央区にとどまらず、特に、隣接する港区、千代田区、江東区などとのつながり方が大切で、中央区が最も懸念している課題と説明する五万人規模の集客施設からの人流をどのように誘導するかという点が極めて重要です。築地市場跡地から移動してくる人流は、最寄り駅のほか、ターミナル駅に向かって、主に晴海通りを中心とした銀座、東京駅方面への移動と、新橋方面への移動が中心になると想定されます。最寄りの地下鉄駅のみに誘導するには危険を伴いますため、歩行者ネットワーク整備の視点から質問をいたします。

 築地から銀座、新橋方面への移動を検討すると、東京高速道路KK線プロジェクトの出口、銀座スカイウォーク、銀スカの新橋出口への接続が一つの案となると思われます。隣接する港区では、汐留方面からの歩行者デッキをこのKK線新橋出口に接続する要望を伝え、そうした計画が進んでいます。

 築地市場跡地周辺から、安全で快適な歩行者環境整備の確保を目的として、東京高速道路KK線プロジェクトの新橋出口付近へ歩行者デッキを整備することについて、中央区のお考えをお聞かせください。

 KK線の再生では、広域的な回遊性を高め、にぎわい、魅力を創出し、交流を促進する歩行者系機能を役割として、緑と歩行者のネットワークを構築することを目指すとされています。この目的は、中央区が思いを込めた築地川アメニティ整備構想につながるものと捉えています。現時点の計画でも、KK線、銀スカの反対側の出入口である新京橋側は、新富町付近で築地川アメニティ整備構想とつながるように描かれています。

 東京高速道路KK線プロジェクトの新橋出口付近と築地川アメニティ整備構想を、緑と歩行者のネットワークとして接続させていく方向性について、中央区のお考えをお聞かせください。

 現在、銀座、東京駅方面への移動の中心となっている晴海通りは、今後の開発等工事によって、さらなる混雑が想定されています。築地付近の晴海通りへの混雑集中への対策として、歩行者、自動車、バス、自転車といった交通問題全体について、どのように準備をしているのかお聞かせください。

 次に、中央区こども計画と子どもの権利について伺います。

 中央区は、現在、第三期中央区子ども・子育て支援事業計画の策定に向けて注力されており、中央区こども計画と称される案が示されたところです。現時点では仮称ですが、ここでは中央区こども計画と呼び、示してまいります。

 中央区は、この計画への思いを、子供を真ん中にして地域で支えていくために横串を刺したいと説明をされました。中央区こども計画の実現に向けては、中央区の子供たちに関わる全ての人、中央区が全庁的に同じビジョンを持って取り組む必要があることが分かります。二十三区では、区の児童相談所設置に合わせて、子どもの権利条例の制定が進んでいます。区児相がなくても、子ども条例を設置している目黒区や、子どもの権利に関するリーフレットを作成して、区のホームページで伝えている千代田区のような取組の事例もあります。

 中央区こども計画作成に向けた子供たちへのアンケート調査の結果として、困ったときに悩みや話を聞いてくれる人がいると答えた子供たちは、小学生、中学生、高校生のいずれも七○%台にとどまり、二○%以上の子供たちは、話せる相手がいないと感じていることが分かりました。これは、国の目標数値から大きく下回っています。さらに、子どもの権利を知らないと答えた子供は、中学生で割合が最も高く、三五・一%もいることが分かりました。中央区では、まず、子供たちや子供に関わる全ての人に子どもの権利の理解を深め、子供たちは誰もが大切にされ、個人として尊重されていると伝えることが初めの一歩であることが分かります。

 中央区は、中央区の子供や子供に関わる全ての人に対して、子どもの権利についてどのように伝えていますか。

 中央区には、二十五年前となる平成十一年に制定された中央区の教育環境に関する基本条例があります。ここでは、子供の人権尊重が伝えられていますが、子供の意見表明を含むものではないことから、こども基本法を踏まえた内容へ更新するとともに、教育だけにとどまらない全庁的な子どもの権利条例の制定が必要と捉えています。中央区こども計画を見ても、教育を含む複数の部や課が担当している事業を含むことが分かります。不登校や自殺、ヤングケアラーをはじめとした問題に対して、今、教育とそのほかの部や課との連携が子供たちを守るために求められています。

 中央区子どもの権利条例の制定について、どのように考えているか、必要性と中央区の教育環境に関する基本条例の在り方も含め、中央区として御説明をお願いいたします。

 区内の母や父たちから、ずっと誰に相談したらいいのか分からないと聞いています。私にも、どこに相談したらいいのか分からないのでというメッセージが添えられて、各SNSからたくさんのメッセージをいただいています。渋谷区から転入された育休中の母は、中央区に来たら、母や子の担当がつかないんですね、担当の名前を聞いたことがありませんとおっしゃっていました。

 本年四月から設置が努力義務とされているこども家庭センターの主な業務内容は、保健師等が中心となって行う相談、母子保健機能と、子ども家庭支援員等が中心となって行う子供等に関する相談、児童福祉機能を一体的に行うとされています。まさに、この点が地域に届いていないことが分かります。

 全国では、こども家庭センターの設置自治体は約半数ですが、中央区と同じ人口規模では、およそ八○%の自治体が設置済みとなっています。どこに相談したらいいのか分からないという子育て家庭に対して、誰一人取り残さず、切れ目なく支援を届けるために、設置が努力義務とされたこども家庭センターを速やかに設置するべきと考えますが、中央区のお考えをお聞かせください。

 児童福祉法で、地域において児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情操をゆたかにすることを目的とする児童福祉施設と位置づけられているのが児童館と児童遊園です。

 そこで、中央区こども計画を実践する場として、児童館が真に地域で子供や子育てを支える施設となるために、区立児童館の築地、月島、浜町について、寄せられている御意見をお伝えします。

 今年の夏は猛暑で、育休中でゼロ歳児と二人、ワンオペで毎日を過ごす母や父たちは、夕方四時頃にならないと外に出かけられなかったと振り返ります。動くようになった子供と保護者は、マンションの一室だけで終日を過ごすことにストレスを感じることもございます。そこで、ようやくとまだ暑い中を出かけたそうですが、五時で閉館する区立児童館では、四時過ぎから片づけを始めると説明を受けたそうで、実際には四時半頃には遊ぶことはできなくなっているとおっしゃっていました。児童福祉法にて、児童館には、子育てに対して不安や悩みを抱える保護者の相談に応じるなど、子育て家庭の支援を行うことが機能として位置づけられています。しかし、児童館職員について、奥で事務作業をしていて気軽に相談できる距離感がないと感じたとおっしゃる保護者も少なくありませんでした。

 小学生から、日頃や夏休みに困っていることについて意見を聞きました。三年生で学童クラブには入れなかった待機児童とおっしゃっていました。放課後に一人で留守番をするのが怖いので、児童館に行きたいけれども、一度はランドセルを置きに帰宅しなくてはならないので、急いで出かけるけれども、五時よりも前に退出するように言われ、ほとんど遊べなかったと言っていました。そして、学童クラブの一年生の弟は十八時までいられるけれども、自分はまた先に一人の家に帰らなくてはならないということでした。夏休みも一人でお昼を食べたくないので、児童館に行きたかったけれども、午前中の塾の夏期講習に行くと、指定のランチタイムには間に合わず、児童館では食べさせてもらえなかったので、仕方なく自宅で一人で食べていたとおっしゃっていました。

 中高生の居場所も児童館とされていますので、学生たちに話を聞きましたが、五時には帰れないし、行ってもすることがないということでした。

 中央区内全ての児童館が保護者と子供に寄り添い、その意見に耳を傾け、真に相談できる居場所となるために、利用時間を一律午前九時から午後八時までとそろえるべきと考えますが、いかがでしょうか。また、児童館はどんな改善に取り組みますでしょうか。

 次に、適応教室「わくわく21」について質問をいたします。

 不登校の保護者からいただく御相談で最も多い困り事が、わくわく21は居場所にならないといった御意見です。過ごし方の基本として、一人で自習できることが前提となっているため、学校と同じように息苦しく感じられ、楽しくない、つまらない、私の居場所とは感じられなかったという子供たちの声が多く、保護者は諦めたとおっしゃっていました。また、現在は明石町の一か所のみであるため、送迎やアクセスの負担が大きく、子供を説得して連れていくのもとても難しいものだと言います。

 この夏、学びの多様化地方議員連盟を立ち上げ、学び合いを始めているところです。この運営メンバーを中心に、熊本市の不登校支援、フレンドリーオンラインを視察訪問いたしました。学校っぽくなく、楽しく親しみやすい雰囲気を大切にしているということでした。不登校をはじめとした長期欠席となっている子供たちは、学校の何かで傷ついていることが多いと、先生方がおっしゃっていました。だからこそ、違う場をオンラインでつくるという覚悟をお聞きしました。心の居場所をつくり、一人の個人として社会とつながっていることが大切だとおっしゃっていました。

 文部科学省が掲げる誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策、COCOLOプランでも、主な取組として、教育センターの機能強化や多様な居場所の確保が示されています。適応教室「わくわく21」が子供たちが行きたいと思える居場所となるために、中央区はどのような改善に取り組みますか。

 以上、一回目お願いいたします。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 高橋まきこ議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、築地と周辺のつながりについてであります。

 令和三年七月に策定した銀座・築地周辺みどりのプロムナード構想では、二○四○年代の銀座・築地周辺の将来像として、歩行者を中心とした水と緑のネットワークの形成を掲げており、回遊性や連続性の観点から、結節機能の整備が重要であると認識しております。こうした中、本年四月に公表された築地市場跡地開発の提案概要では、詳細な交通計画が示されていないことから、区が事業予定者決定後に提出した要望書を踏まえ、新大橋通りをまたぐ歩行者デッキの整備など、適切な対応方法についての具体的な検討を行うよう、引き続き協議・調整してまいります。また、KK線再生と連携した高速道路施設の有効活用策につきましては、令和五年三月に東京都が策定した東京高速道路再生の事業化に向けた方針において、都が検討していくことが示されております。区といたしましては、築地川アメニティ整備構想との連携に向けた継続的な働きかけなどを通じて、歩行者ネットワークの連続性の確保に取り組んでまいります。

 次に、晴海通りの混雑集中への対策についてであります。

 築地市場跡地開発など大規模な開発事業や基盤整備を行う際には、歩行者や自動車の交通量などについて、周辺を含めた現況の把握と将来の推計を行い、工事中も含めた適切な交通計画を立案し、実行していくものと認識しております。晴海通り付近で予定されている築地市場跡地開発を含め、まだ交通計画が明らかになっていない事業につきましては、まちづくり基本条例に基づく協議などを通じて、交通対策に関する働きかけを行ってまいります。

 次に、子どもの権利の伝え方についてであります。

 子どもの権利について子供たちに伝えることにつきましては、一番身近にいる保護者が第一義的責任を有するものと認識しているところであります。本区におきましても、学校教育における主権者教育や人権教育などの教育活動を通じて、子どもの権利に対する意識の醸成を図っております。また、広く人権に対する理解促進を図るため、区広報紙による周知や、人権週間における街頭啓発活動を行っております。子供施策の推進に当たっては、子どもの権利が尊重されることが重要であり、子ども・子育て会議での意見等を踏まえながら、子どもの権利の普及啓発と理解の促進策についても検討を進めてまいります。

 次に、子どもの権利条例制定についてであります。

 本区では、こども基本法などの法令に定めるところにより、子供の視点に立って着実に子供施策を展開するとともに、(仮称)中央区こども計画においても、子どもの権利の尊重や庁内連携などを計画策定の視点として盛り込む予定であります。また、中央区の教育環境に関する基本条例は、既に子供の能力に応じた教育機会や良好な生活環境、自然との触れ合いを提供することなど、本区の子供たちを取り巻くあらゆる環境を良好に維持することが重要であり、区をはじめ、区民や事業者が相互に協力しながら、よりよい教育環境を実現することを明確に目的としております。したがいまして、現時点で新たな条例の制定や改正をする予定はございません。

 次に、こども家庭センターの設置についてであります。

 児童福祉法の改正を受けて、今年度、こども家庭センターの設置が自治体の努力義務となり、特別区においても、こども家庭センターの設置が進んでおります。本区においては、この七月に、子ども家庭支援センターが中央区保健所等複合施設に移転し、母子保健と児童福祉のより一層の連携基盤の強化が図られたところです。今後は、両分野が一体となり、こども家庭センター機能を備えた切れ目のない相談支援が行えるよう、センター長の配置や相談記録を共有できる仕組みづくりなど、令和七年四月の設置に向け、準備を進めているところであります。

 次に、児童館の利用時間と改善についてであります。

 区では、児童館という限られた空間の中で、利用者が安全に活動できるスペースを確保するとともに、ニーズに合った活動ができるよう、施設の広さや整備に応じて特色のある運営を行っているところです。中高生世代は活動範囲が広く、内容も高度であることから、各地域ごとに比較的大きなホールや音楽活動が可能なスタジオがある児童館において、中高生世代が活動できるよう、午後八時まで開館しております。狭小な児童館では、中高生世代の活動スペースの確保が困難であることから、利用時間を延長する考えはございません。児童館運営については、これまでも利用者の視点に立ち、声を聞きながら様々な工夫をしてまいりました。児童館が子供の健全な遊び場となるとともに、地域の子育て支援拠点として、悩みを気軽に相談でき、信頼される施設となるよう、引き続き取り組んでまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 不登校の要因は複雑多岐にわたっており、これらに対応するためには、子供たちのニーズに応じた多様な学びの場を整えていくことが重要であると認識をしております。学校現場においては、今年度、新たに中学校四校に設置した校内別室が、学校生活に不安や困難を感じている生徒にとって安心して過ごせる場となっており、効果的な施策であると評価をいただいております。また、適応教室「わくわく21」では、内部改修を行い、スペースの拡充や教室環境を整備し、通室とオンラインによる個に応じた学習や対話支援のほか、民間事業者による学習支援など、利用者ニーズに合わせた支援に取り組んでいるところであります。今後も、様々な場所からつながることができる取組として、メタバースの活用を検討するなどの支援を充実させ、子供たちが安心して過ごせる多様な居場所づくりに努めてまいります。

 答弁は以上であります。

〔九番 高橋まきこ議員登壇〕

○九番(高橋まきこ議員)
 それぞれに御答弁をありがとうございます。

 まず、築地につきまして、おっしゃっていただきましたように、二○四○年までということで、長い計画も続きますし、そこでは終わらないというところだと思います。これからの都市計画を含むビジョンを広く今回はお聞きさせていただきました。子供も含む多様な区民の意見に耳を傾け、現在も続く不安の解消はもちろんのこと、期待も一つでも実現できるように関係機関に働きかけていただけたらと思います。今回、御答弁の中で働きかけを行うというところ、力強くおっしゃっていただいたところ、期待するところでございますので、引き続きお願い申し上げます。

 次に、子どもの権利について、保護者が一義的責任を負うというところを伺ったところでございます。今回取り上げました中央区教育環境に関する基本条例につきましては、区民の役割ということも伝えられています。

 この点、まず一点再質問させていただきたいのですが、この区民の役割については、現在、どのように伝えているのでしょうか。改正をしないということでしたので、こちらを周知する、もしくは理解していただくということに努める必要があると思いますので、現在のお取組についてお聞かせください。

 そして、もう一点です。

 こちらも改正しないということでございましたし、現時点では中央区子どもの権利条例については、具体的な御答弁では触れていない部分もございましたけれども、前向きではないのかなというふうに御答弁から受け取ったところでございます。

 そこで、区議会におきましても、子供の意見聴取について、子供と接する大人や保護者から話を聞いているという御答弁があり、驚いた経験がございます。全庁的に、まずは私たち大人も子どもの権利について認識を改め、子供たちとともに正しく学ぶことから始める必要があると考えます。

 子どもの権利条例の制定がない中では、どのようにこども基本法が示す子どもの権利について認識を改め、徹底していくのか、具体的な進め方を教えてください。これが二点目の再質問となります。

 そして、こども家庭センター、令和七年四月の設置準備に取り組んでいるというところ、ありがとうございます。こちらも速やかに、その目標を達せるよう、私どもも勉強してまいりたいと思います。

 児童館に対するお声について、残念ながら、区立の三児童館だけが現在五時までとなっていますが、これは延長しないというところをお聞きしたところでございます。せめて学童クラブと同じ六時になれば、上の子供も、今回でいうと三年生の子供も一年生の子供も、同じ十八時まで、その居場所で過ごせるのにという保護者の声もございました。そして、今回は、残念だ、寂しいんだという小学生の声もお伝えをさせていただいたところです。この声に耳を傾けて、ぜひ前向きなお取組をお願いしたいと要望いたします。

 児童館に対するお声については、ワーママ・カフェやユルっと銀座といった、あらゆる場所でこうした意見を何度も何度もお聞きしてきました。居心地のよい場所で共に過ごすと、このような日常の困り事を次々と聞かせていただくことができます。利用者アンケートはもちろんのこと、児童館を現在利用していない方にもしっかりと意見を聞くことが大切だと思いますので、意見を集めるというところから、まず始めていただきたいという点を要望いたします。

 児童館の直近の年度利用実績において、高校生世代は、築地では七人、浜町で二十四人、月島で四十五人という実績を拝見いたしました。ほかの、おっしゃった機能を持っている新川や勝どき等の児童館は、年度の計で四百から一千人と利用実績の桁が違うというところでございました。これは、その地域で斜めの関係の子供同士の交流がないということが示されていて、非常に大きな問題だと思っておりますし、今回で申し上げれば、例えば築地の子は新川や勝どきの児童館へ行けと言われているんですかという、地域から残念だという声も私には届いています。児童福祉法で位置づけられているとおり、中央区は全館を十八歳まで、もしくは切れ目ない、それより上でも必要な方であれば、お子様を利用対象としているということが位置づけられておりますので、区立の児童館だけ時間の制限が現在の五時ということでは、この目的を十分に果たせていないのではないかと考えております。ぜひ、区民の皆様の声を聞き、改善に向けたお取組を要望いたします。

 不登校や行き渋りについては、わくわく21を御案内されているといった全ての保護者や子供たちに、ぜひアンケートを取っていただきたいと思います。今回、メタバースの活用という点がCOCOLOプランでも示されておりまして、こうした積極的なお取組に非常に期待をするところですし、いい取組になるだろうということを期待するところでもございます。一方で、フリースクールに自ら、お金がかかりながらも行っているけれども、そこが居場所になっていると、この費用も仕方ないですねというお声も聞いています。払える方だけが子供の居場所を選べるということではなく、中央区の中にも選んでいただけるような、選択肢が一つでも増えるようにということを思いますし、学校と違う楽しい居場所にわくわく21がなるようにというところを要望しております。

 以上二点、再質問の御答弁をお願い申し上げます。

〔福祉保健部長 大久保 稔君登壇〕

○福祉保健部長(大久保 稔君)
 私からは、二点目の子どもの権利の伝え方について答弁をさせていただきます。

 先ほどの答弁で少し触れましたけれども、まずは日頃の生活で一番身近な御家庭で、それは例えば親子の関係、あるいは日頃の関わりの中で、子供本人が大切にされていると感じていただけることが、一番こういった子どもの権利を、自分は守られていると感じていただける俎上にのるのかなというふうに思っておりまして、そういった観点から、やはり家庭でのこういった関わり方というのが、まず第一に大切だということで答弁をさせていただいたところでございます。それを補完する形で、先ほどの答弁でも、教育の中での権利についての教育、あるいは日頃からの広報活動などを行っているところでございます。

 大人が考える子供への権利の伝え方ということと、子供にそれがちゃんと伝わるかどうかというところは、やはりなかなか一致しないところも当然あるかと思っております。こちらが伝えているつもりであっても、子供には届いていないということも当然ございますので、これらにつきましては、現在、こども計画を策定する中で、子ども・子育て会議の中でも様々議論をしているところでございます。

 今後、新たな取組については、子ども・子育て会議の議論の中で皆さんの意見を聞きながら、あるいは先行した自治体の取組なども参考にしながら、その施策について検討していきたいというふうに考えているところでございます。

 私からの答弁は以上でございます。

〔教育委員会事務局次長 北澤千恵子君登壇〕

○教育委員会事務局次長(北澤千恵子君)
 私からは、中央区の教育環境に関する基本条例の周知につきまして答弁させていただきます。

 基本的には、良好な教育環境を整えていくための責務が区民にはあるということをうたっている条例でございますけれども、まずは学校現場で子供の人権教育の中で、子どもの権利、人権についての教育をしているところでございます。それを、家庭ですとか、様々な地域の場でも持ち帰っていただいて、そういった話題をすることによって広めていっていただく、また、地域や区民の方々に教育環境を整えていくことが重要だということを理解していただくために、様々な機会を捉えまして周知に努めているところでございます。

 以上でございます。

〔九番 高橋まきこ議員登壇〕

○九番(高橋まきこ議員)
 それぞれにありがとうございました。

 まず一点、子どもの権利について御答弁いただいたところでございます。そして、今回取り上げました中央区の教育環境に関する基本条例、既に周知をしているという御答弁ではございましたが、まだまだ知らない方もいらっしゃるように私はお聞きしておりますので、ぜひ引き続き、こちらの改正をする予定がないということであれば、この周知から始めていただく必要があろうと思いますので、お願いを申し上げます。

 そしてまた、こども基本条例については、ほかの自治体を検討するということで、ぜひ広くお取組いただきたいと思います。保護者が教えるということでも、保護者が学ぶ機会がない場合、保護者が成長段階に合った伝え方が分からないということもございます。また、今回取り上げましたように、子育て支援課、福祉保健部のみならず、全庁的に同じビジョンを持つことが今できているのかというところを問うたところでもございますので、この点については、また別の機会にも質問いたします。

 最後に、今回、子どもの権利について取り上げましたけれども、この夏に、私自身のホームページの問合せフォームに、子どもの権利を共に学びたいということで、高校生が三人と大学生お一人から要望が届きました。若者たちは、自分が目指す社会の実現に向けて、子どもの権利への理解促進が必要不可欠だと知っています。

 小金井市では、二○二二年に小金井市子どもオンブズパーソン設置条例が制定されました。子どもの権利に関する条例制定から十三年が経過していました。子供の声を聞き、子供たちをエンパワーメントすることを大切にしているということでした。学生たちは、自分が思い悩んだ小学生時代を思い返し、当時にこのような条例がある自治体だったら違っていたのかもしれないと言っていました。私は、この話は真実なので面白いところだと思いませんが、大切な話だと思います。この子供たちは、両親の片方を病気で亡くしたり、そういった悩んだ小学生時代があって、そうした同じ思いをしないようにということで子どもの権利を学び、それを広げていくことで次の世代の子供たちに力をつけたいんだということを、学生の立場で発信をして私のところに声をかけてくれた、こうした子供たちです。

 中央区の子供たちが生き生きと自ら輝くように、子供たちの今や未来を応援するために、スタートラインである中央区子どもの権利条例の速やかな制定を強く要望しまして、今回の質問を終えます。ありがとうございました。(拍手)

○議長(瓜生正高議員)
 次に、二番小坂和輝議員。

〔二番 小坂和輝議員登壇〕

○二番(小坂和輝議員)
 かがやき中央の小坂和輝です。会派の一人として、区の直面する喫緊の課題七項目について一般質問いたします。明快なる御答弁をお願いいたします。再質問は留保します。

 九月の区民文教委員会において、晴海西小学校の児童が急増することから、教室が足りなくなり、異例の一年前倒しの建設工事を行い、第二校舎開校を令和十二年から令和十一年へと変更が行われるとのことである。

 現在、月島地域では、月島で二地区、勝どきで一地区、豊海で一地区、超高層マンション建設工事が進行中であり、それらが完成すると、二○二八年頃までに四千五百九十五戸が増えることとなる。新たにHARUMI FLAGがもう一つできる規模である。さらに、超高層マンション建設の候補地は、勝どき四地区、晴海一地区の計五地区が存在し、うち三地区では既に準備組合が立ち上がっている。建築戸数は、さらに増加するであろう。確実に予測される四千五百九十五戸の新築に伴う児童・生徒増は、晴海西小学校だけではなく、月島地域の全ての小・中学校に関わる問題となる。

 このような人口急増を横目に見て、月島地域でなされている超高層マンション建設の再開発は、教室数などインフラの許容をはるかに上回る規模で行われていることに対する区の見解はいかがか。

 昨年十一月、そして本年三月の同趣旨の一般質問に対し、再開発のひずみと表現しつつも、まちづくりの選択肢として、超高層マンション建設を用いた面的整備手法は残していく旨の答弁がなされた。

 では、余剰教室の少ない月島第一小学校、月島第二小学校で生じる可能性のある喫緊の教室不足に対しては、何か方策はあるというのか。

 令和十年度をめどに改築内容を検討するでは遅いと考えるのだが、月島第一小学校の教室数不足に伴う改築工事は、いつ、どのように行うお考えか。

 月島地域内の未活用の土地を学校用地として入手することはできないか。例えば、晴海二丁目都有地を学校用地として入手し、校舎を建築、月島第一小学校と月島第二小学校を一時移転し、その間に両校を同時に改築するなど、大胆な学校改築を行う必要があると考えるが、いかがか。

 マンションの更新において、超高層マンション建設の手法を用いず、住民たち自らの力で建て替え工事を行うところも出てきている。例えば、月島地区で築約五十年、十四階建て二百八十七戸のマンションを十五階建てに一層増やして新築する計画があり、超高層マンション建設の手法を用いることなく、二○二九年の完成を目指して建て替えが行われようとしている。住民の合意形成を得るのは至難の業であったと推察するが、区や都市整備公社は、このように自らの力で建て替えや更新を望む住民の相談に応じることはできているか。

 二○二四年九月、地域防災計画、令和六年修正版が発行された。六月補正での、自助を促す防災グッズカタログギフト配布、九月補正での乳幼児用補食、ストーマ資材など、新たな備蓄物資の防災拠点への配備など、積極的な予算づけに敬意を表する。負傷された方々を治療することや、避難生活が長引き風邪を引かれた方への治療など、様々な医療的なニーズが避難所では生じる。能登半島地震発生後、六日目に奥能登のある自治体の避難拠点となる小学校へ医療支援に入ったが、DMATの本格支援がようやく始まったところであった。数日は要するDMATの到着を待つのではなく、地元の医療関係者で救護所運営を開始し、発災直後から負傷者への対応を開始すべきと考える。

 地域防災計画においても、各防災拠点で医療救護所を開設することとなっているが、実際に防災拠点に医師、看護師、薬剤師、歯科医師等、医療従事者が参集する体制はできているか。

 実践的な運用ができるためには、医療従事者相互間、防災拠点運営委員と医療従事者間の日頃から顔の見える関係性づくりが必要である。どのように関係性づくりを促していくのか。

 福祉避難所でも、医療を行える体制整備が求められる。その管轄エリア内の福祉避難所での医療ニーズが防災拠点に集約され、防災拠点での医師等が対応に駆けつけることが実際に取り得る手法と考えるが、どのように医師等を確保するお考えか。

 各防災拠点の避難者数、負傷者数や要配慮者数など、ICTを用いて随時災害対策本部と情報共有できる仕組みの構築も求めるが、いかがか。

 あわせて、医療資器材は希少な資材であり、災害時にそのストックがどれだけあるか各拠点で不足状況を把握し、少なくなったところへ多くある拠点から融通するなどの対応をすることで、効果的な運用が可能になる。どのような対策を講じていく予定であるか。

 都は、築地地区まちづくり事業の事業予定者に、MICE施設や五万人規模の多目的スタジアムを提案した、三井不動産を代表企業とする十一社から成るコンソーシアムを四月十九日に選定した。選定に当たり、同事業の審査委員から附帯意見が付された。本年七月に、築地地区まちづくり事業マネジメント会議、以下、マネジメント会議という、が設置され、築地まちづくり方針や審査委員からの附帯意見を計画に反映させながら、令和六年度中に基本計画が作成されるとのことである。その後、都と事業者が基本協定を結ぶこととなる。本区も、四月二十六日に同コンソーシアムに築地市場跡地開発に関連する要望書を提出したところであり、要望書の内容をマネジメント会議で今後検討されていく基本計画へ反映させる必要があると考える。マネジメント会議は、築地地区まちづくりの関係者が緊密な連携を取る目的で設置されており、都市計画決定を下す権限を有する中央区も関係者としての立場を有していることから、マネジメント会議自体に参画するなどして、地元区の意見を届け、基本計画へ反映させることはできないか。

 事業予定者の提案どおり、五万人規模のスタジアムが築地に二○三二年度に整備された場合、その人流への対応のためにも、築地川アメニティ整備構想として、首都高の築地川区間を蓋かけして歩行空間とすることは、非常に重要である。令和元年九月に策定した同構想では、完全蓋かけを本区も目指されてきた。また、みどりのプロムナード構想では、KK線再生方針と築地川アメニティ整備構想で、銀座、築地、京橋を一周できる歩行空間整備が目指されている。本年九月の環境建設委員会で初めて具体的な蓋かけの手法が、その範囲は百メートル未満とする形で区より提案された。完全蓋かけとなった場合には、避難通路や排煙設備、給水栓設備など、非常用施設整備が求められることとなるが、限られた道路空間でそれらを整備することが難しいことから、百メートル未満の部分蓋かけとなった経緯は理解をするところである。今後とも、様々な条件をクリアして、できる限り蓋かけ部分の拡大をお願いしたい。

 さて、蓋かけをし終えた後の上部空間の活用は、まちのにぎわいや憩いの場づくりとして非常に重要であり、ぜひ、築地地区一丁目再開発関係者だけではなく、広く子供を含めた区民や学識経験者を入れた上部空間活用検討組織を設置し、自由闊達に意見交換をした上で有効活用を図っていただきたいが、いかがか。

 また、上部空間で得られた収益は基金としてストックし、今後の維持補修や築地川アメニティ整備構想拡大の資金としていくとよいと考えるが、いかがか。

 教育問題に移ります。

 区内小・中学校では、教職員の欠員を生じることなく、令和六年度を開始し、現在、いずれの学校においても欠員は生じていないとのことであるが、途中、急な教職員の欠員が生じ、対応に苦慮した学校が存在した。区専任の講師らが、その承諾の下、クラス担任になることで急な欠員への対応がなされるところであるが、このような配置換えでの対応は、当該学校内だけで取られる手法となる。

 どの学校での欠員不足にも柔軟に対応ができるように、区教育委員会全体として講師の配置をさらに厚くし、欠員が生じた際に、その学校の担任に配置換えが取れる仕組みを早急に整えるべきと考えるが、いかがか。

 教員の人材確保の観点を強化する意味でも、改定作業中の教育振興基本計画に、教員の人材確保についての項目も盛り込んではいかがか。

 教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果に関する報告書、以下、点検評価報告書という、において、教員人材確保の必要性が学識経験者からも指摘されており、ぜひ盛り込むことをお願いしたいと考える。

 また、現在、働き方改革推進プランが区立学校で進められている。そのプランでは、月四十五時間以上残業する教員をゼロにすることが目標となっているが、その目標を達成できていない教員の割合は、以前の五割程度から減少し、三割程度とのことである。教職員の働き方改革の進捗や、現在の課題は何と認識しているか。

 九月の区民文教委員会で議論したところであるが、残業時間総数だけではなく、その残業時間が何に使われているか、残業時間の質の分析を行うことや、残業時間とは別の指標も設けること、例えば、高ストレスを抱える教員の割合を半減させるなどの目標を入れてはいかがか。

 昨今のICTを活用し、校務分掌の効率化が進んでいる。保護者との面談日設定を、ICTを用いることで手作業をなくした学校もある。

 現在、月島第三小学校が研究指定校として取り組んでいる、子どものための校務DXの推進の研究成果も反映させ、コロナ前の平成三十一年二月に策定された働き方改革推進プランの改定をそろそろ実施すべきと考えるが、いかがか。

 欠員の要因の一つである、心の病で休職となった教職員の現場復帰に向けた丁寧なサポート体制の構築も大事である。サポート体制はきちんと整えられていると考えてよいか。

 心の病で休職となった教職員のうち、現場復帰できている割合はどの程度であるか。

 本年九月から、ようやく区議会においてもタブレットの導入がなされた。事務作業の効率化、ペーパーレスを推進しての環境配慮、災害時でもオンライン議会の実現をすることでの災害への備えの強化と、非常に役立つことを私も実感をしている。

 教育委員会定例会においても、教育委員にタブレットを配布し、会議の効率化、ペーパーレス化を進めるお考えはあるか。

 また、一昨年第四回定例会で一般質問をした際に、公開する旨の御答弁をいただきながら二年が経過しようとしている教育委員会定例会資料のネット上での公表の進捗状況はいかがか。

 現在、教育振興基本計画の改定作業中である。昨年四月施行のこども基本法第十一条にうたわれている子供に関する施策を実施するに当たって、子供の意見を反映させていくことが義務づけられたが、教育振興基本計画策定は、最も子供の意見を聞いて実施せねばならないものの一つと考える。

 総合教育会議の場で子供の意見を反映させて改定作業を進めることは明言されてはいるが、では、その反映の手法をどのようにするお考えか。

 点検評価報告書において、二人の学識経験者の意見及び評価において、お二人から分かりやすい形での同報告書の概要版の作成が提案されている。ぜひ、分かりやすい形で、特に教育を受けている小学生にも分かる形の概要版を出してみてはいかがか。

 点検評価報告書の概要版が作成されるなら、実施されている教育の概要を子供たちも容易に理解をし、今後も教育がどうあってほしいか、子供たちからも意見が出やすくなるはずである。これからも改定作業が実施されていくこととなる教育振興基本計画へ子供の意見を反映させやすくさせるためにも、点検評価報告書の子供へも分かりやすい概要版の作成を求める。

 以上です。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 小坂和輝議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、月島地域における再開発と教育環境の整備についてであります。

 本区では、面的整備と個別建て替えの促進により、地域の課題や社会状況の変化に即したまちの機能更新を進めてきております。とりわけ、月島地域における生徒数や児童数の増加につきましては、教育委員会とも緊密に連携しながら、まちづくりを通じて課題解決に取り組んでいるところです。現状では、土地購入など具体的な検討はしておりませんが、子供たちの教育環境の整備につきましては、あらゆる手だてを講じて、滞りのないよう適切に対応してまいります。

 次に、マンション建て替えに対する支援についてであります。

 賃貸マンションとは異なり、分譲マンションは区分所有者が管理組合を構成し維持管理を行うため、お住まいの方自らが建て替えに当たっての合意形成に必要な情報収集を行うこと等も困難であることから、区として支援が必要であると認識しております。建て替えに当たりましては、事業の各段階に応じた支援を行っており、検討時には分譲マンションアドバイザー制度利用助成やマンション管理士派遣、工事のときにはまちづくり支援用仮住宅の活用による居住継続支援など、区と都市整備公社が連携しながら実施しているところです。区といたしましては、マンションの更新時には、区分所有者である住民自らが適切に検討を行い、建て替えを円滑に進めることができるよう、引き続き管理組合に対する支援に取り組んでまいります。

 次に、医療救護所の円滑な運営に向けた医療関係者等の連携についてであります。

 区は、災害状況等を踏まえ、医療救護所の設置が必要であると認めた場合は、医師会、歯科医師会、薬剤師会等と締結している災害時の医療救護活動についての協定に基づき、医療救護所への医師等の派遣を要請することとしており、医師会等は、区からの要請を受けたときは、各医療救護所に医師等を派遣することになっております。区では、医療救護所における円滑な救護活動に向けて、医療関係者に応急救護連携会議や各防災拠点運営委員会に参加してもらうなど、区、区民、医療関係者が連携・協力できる体制の構築を図っているところであります。

 次に、福祉避難所の医療体制についてであります。

 福祉避難所は、高齢者や障害者のうち、一般の避難所において生活することが困難な方を対象とした二次避難所であり、医療を施す場としての想定はありません。また、福祉避難所の利用に当たっては、まず一般の避難所において、保健師等が健康状態などを確認し、その時点で専門的な医療が必要な方は医療機関等に、福祉避難所への避難が適切な方は福祉避難所に移送することとしているため、防災拠点の救護所の医師等が福祉避難所に赴き、医療行為に従事することは想定しておりません。しかしながら、区では、福祉避難所における心身の医療的ケアや見守りも重要であるとの認識の下、聖路加国際大学と災害時における福祉避難所への生活相談員の派遣に関する協定を締結しており、同大学の教員等による避難者との相談や健康状態等の把握のほか、その改善のための助言をいただき、必要に応じて適切な医療につなげていく体制を講じることとしております。

 次に、災害時のICTの活用についてであります。

 大規模災害が発生した際、迅速な初動態勢の構築とともに、正確な情報収集を行うことが極めて重要です。そのため、区では、災害対策本部運営訓練や臨時非常配備職員による防災拠点での対応訓練等を年間通じて実施し、日頃から災害対応力の強化に努めております。一方で、勤務時間外の発災では、参集職員が限られる中で、地域防災の要となる防災拠点において避難者数や負傷者数等を速やかに把握し、避難者ニーズに対する支援を着実に遂行することが求められます。このことから、区としては、防災拠点はもとより、災害現場や防災関係機関と区の災害対策本部をより迅速につなぎ、正確な状況把握等が全庁的に行える総合防災システムの導入を検討しているところです。

 次に、災害時における医療資器材の管理についてであります。

 医薬品や医療機器などの医療資器材は、備蓄倉庫や各防災拠点に備蓄しております。発災時には、保健所に設置される災害薬事センターにおいて、全ての医療資器材を一括管理することとしております。不足が生じたときは、その解消に向け迅速に対応するため、各医療救護所間で調整するのではなく、同センターの指示の下、備蓄倉庫から運搬する運用としているところであります。

 次に、築地地区まちづくり事業マネジメント会議についてであります。

 本マネジメント会議は、東京都の設置要綱に基づき設置されたもので、学識経験者、都及び事業予定者により構成されており、設置に当たりましては、審査委員会の委員による附帯意見を踏まえ、意見交換がなされる場であることから、区が参画する予定はありません。事業予定者宛てに提出しました要望書につきましては、その実現に向け、区では、都市計画手続前までに各要望事項に対応する具体的な内容を合意していくこととしております。事業予定者に対し、地元区の意見を十分に伝え、要望事項の合意に向けた協議・調整を行っていくことにより、事業予定者が策定する基本計画とも整合が図られるものと考えております。

 次に、築地川アメニティ整備構想における上部空間の活用についてであります。

 新たなアメニティ空間を創出するためには、首都高速道路の大規模更新事業と一体的に整備を進める必要があります。覆蓋化構造物の概略設計がおおむね完了したことを受け、十月から、上部空間における基本計画・基本設計を開始する予定でありますが、本検討においては、築地川アメニティ整備構想のコンセプトを踏まえ、現況調査や必要な機能の検討、ゾーニング案の作成などを想定しております。将来的な上部空間の完成については、令和十七年度を目標としていることから、地域特性やこれまでの公園利用等の状況を踏まえながら、歴史や文化に配慮した新しい公園となるよう、今後、適切な時期に運用方法を含め検討を進めてまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 月島地域における普通教室の確保についてであります。

 教育委員会では、最新の人口推計を基に、毎年、各小・中学校で必要となる普通教室数を検討しております。特に、月島地域においては、月島第二小学校のみに設置されている特別支援学級を、来年度より月島第三小学校にも新設することで、児童数の平準化も図れることから、教室にゆとりが見込まれ、当面、月島第二小学校において、教室数不足は生じないものと考えております。また、月島第一小学校の改築工事については、鋭意検討を進めており、現在お示ししているとおり、令和十年度までに、時期も含めて決定することとしている計画に変更はございません。

 次に、教員の欠員に備えた人員確保についてであります。

 小・中学校の教員の人員確保については、東京都教育委員会の責任で行うべきものであり、本区の教育振興基本計画に位置づけるものではないと考えております。年度当初においては教員確保ができているものの、年度途中に産休や育休、病休により欠員が生じ、本来東京都から配置されるべき代替教員補充がされない場合には、各学校に配置している学力向上を目的に採用した時間講師の中から、その学校で欠員補充の要請に応じていただける方を臨時的任用教員として任用しております。これは、あくまでも講師として採用されている方の希望で成立しているものであり、仕組みとして整えることは、募集段階から様々な課題があると考えております。

 次に、教職員の働き方改革の進捗状況についてであります。

 現在の働き方改革の進捗状況について、月四十五時間以上残業する教員の割合は、計画策定から着実に減少傾向をたどっており、様々な取組の成果として捉えております。また、一方で、四十五時間を超えている教職員がいまだ三三%程度いることは課題であり、教育委員会では、教職員の勤務時間の把握にとどまらず、長時間労働となっている教職員の個々の職務についてヒアリングを行い、状況を分析しております。これに加え、各学校の管理職に、毎年、所属全体のストレスチェックの結果を知らせ、特に高ストレスの学校に対して、教育委員会が学校の状況の聞き取りを行っております。一方、ストレスチェックにつきましては、教職員全体の心理状況がつかめるものの、個人の結果の開示がされておらず、個々の職務との結びつきが難しいという特徴があることから、働き方改革の項目に位置づけることは考えておりませんが、引き続き、全教職員がメンタル面の不調を来さないよう、ストレスチェックを参考資料として活用してまいります。働き方改革推進プランの見直しにつきましては、現在、月の残業が四十五時間を超える職員をゼロにするという目標を達成できていないことから、現行プランを改定する考えはありませんが、月島第三小学校が研究している校務DX化等の成果を生かしながら、さらなる教職員の働き方改革を推進してまいります。

 次に、心の病で休職となった教員へのサポート体制についてであります。

 学校だけではなく、家庭での問題など、様々な要因により教職員がメンタルの不調を来すことは憂慮すべきことであると認識をしております。本区では、東京都教育委員会が行っている訪問相談制度の活用に加え、希望者に産業医との面談の機会を設けるなど、メンタルによる病気休職等の未然防止に努めております。やむなく病気休職等を取得した教職員に対しましては、担当医の診断に基づき、職務の軽減を図るほか、当該教職員との面談を通して個々の職場復帰プログラムを作成するなど、復帰しやすい環境を整えております。これらの取組により、昨年度、病気休職等を取得した者の中で、既に復帰した教職員は約七○%となっております。今後も、病気休職等が発生しないよう、教職員が働きやすい職場環境づくりに努めてまいります。

 次に、教育委員会定例会におけるタブレットの導入についてであります。

 定例会におけるタブレット端末の導入については、ペーパーレス化の推進や教育委員の利便性のほか、議事の円滑な進行の観点から議論を深めてまいりました。今般、区議会においても、九月開会の委員会より、ペーパーレス会議の試行的な運用が開始されたことから、教育委員会としましても同様に、定例会におけるICT化の準備を進めてまいります。また、定例会資料の公開の在り方につきましては、区議会と調整を図りつつ、教育委員会として検討を継続してまいります。

 次に、教育振興基本計画についてであります。

 本計画は、教育基本法における法定計画として、本年度末で前期五年を経過し、中間年を迎えたことから、子供政策との連携のほか、本年七月に区長との総合教育会議における議論を踏まえ、改定作業に着手しているところであります。本計画への子供の声の反映につきましては、小学校第六学年や中学校第三学年の社会科公民的分野における授業の中で、子供同士が本計画について議論をする場を設け、そこで話し合われた内容を教育委員会で集約し、改定作業を行ってまいります。また、教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果に関する報告書につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づく法定点検として、計画に定めた項目全ての取組状況や、その評価及び今後の方向性について、議会をはじめ、区民に対して正確に報告することが義務づけられております。こうしたことから、概要版を発行することは考えておりませんが、引き続き、誰が見ても分かりやすい冊子となるよう努めてまいります。

 答弁は以上であります。

〔二番 小坂和輝議員登壇〕

○二番(小坂和輝議員)
 それぞれに御答弁ありがとうございました。

 まず、一つ目の教室不足は、区の回答をお聞きして、区民の皆さんは納得できたかなと私は思うんです。四千五百九十五戸がこれから四、五年増えるわけです。それはHARUMI FLAG規模なんです。それに対してどうするか。あらゆる手段であれば、もう少しあらゆる手段ということをお示しいただければと思います。その考え方を、あらゆる手段ということで抽象的に述べるのではなくて、もう一歩踏み込んで考えていただけないでしょうか。

 また、面的手法ということをおっしゃっております。私も、面的手法もあるし、個別建て替えもあるしと。途中で言っていただいたように、マンションの建て替え支援も区はやられている。実際にそれをやって、個別のマンションだけで建て替えをすることもできた。そのようなことであるので、マンションが個別で建て替えていくことはできるんです。それをもっと進めていくということが必要なのではないかと思うところであります。

 さらに、準備組合が三できているわけであって、それがまた増える。人口が増えるということで、HARUMI FLAG規模以上のものが月島地域にもう一個できるわけです。それにもかかわらず、我々には学校用地の取得のプランも見えていないし、あらゆる手段と言う、あらゆる手段が分からないので、我々は不安になるわけです。もう一歩踏み込んだ御回答をいただけないでしょうか。

 また、面的手法、それは、超高層のタワーマンションもそろそろ難しいところに来ているのではないかと思うわけです。吉田副区長も再開発のひずみともおっしゃっておりました。そのとおりです。実際に、ならばどうするかということで、神戸市などは、もうこの地域ではタワーマンションを建てないというふうな条例までつくって考えているところもあります。事情は違いますけれども、神戸市の場合は一極集中ではなくて、神戸全体の中で人口を、一極集中だけにするのではないということでありますけれども、我々中央区のほうでは本当にもう満杯なので、月島地域は満杯なので、その満杯という規模は、例えば人口密度もそうですよね。この前の地域防災計画で月島地域の人口密度は三万五千九百八十、これはすごい数字なんです。マンハッタンで一万じゃないですか。豊島区で二万三千二百二十ということなんです。そこからすると、本当にすごい規模の人口密度になっているということもありますので、タワーマンションのまちづくりで本当によいのか、ひとつ区長に御答弁いただければと思います。マンションの開発をそのまま進めてよいのかという部分に関しては、区長、もう一度お考えを聞かせていただけないでしょうか。それ以外のところは、また現場からの回答でも構いません。

 次に、教員のところにおきまして、区の教育委員会が時間講師を区の教育委員会としてプールするということは課題があるというふうなことをおっしゃいました。この課題に関して、何らかのことをお伝えいただければと思います。どのような課題があるか。

 また、教育委員会の定例会資料、これが議会との調整で時間がかかっているというふうなことをおっしゃいました。議会ではあり方検討会には上っていない話題なのでありますけれども、どのような点で議会との調整が困難になっているのか、その課題をお伝えいただければと思います。

 よろしくお願います。以上三点お願いします。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 今の小坂和輝議員の御質問に、今、私の分かっている範囲のことだけでお話を申し上げたいと思いました。

 これからの限られた土地、その中における開発の在り方、これはやはり一定程度の最適割合というものが当然あると思われますので、基本的には、その土地を持っていらっしゃる方々の土地を将来どうしていきたいかという基本的な思いの結集が、地権者たちの意見をまとめ上げた上で、一つの形づくられた計画になる。こういうことですから、その自由経済原理というものは尊重しなければいけないと思います。

 ただ、一方で、先ほどの人口密度の問題、こういうようなこと、それから、先ほどの学校の学級数の、要するにクラスの、学校設備の不足性であったり、十分性、こういったようなことについても検討が加えられて、十分に御家族たちが安心して住んでいけるだけの周辺環境との調和が取れる形でなければ、そういった開発をただひたすら一を十、十を二十、二十を三十というふうに、とどまるところなく増やしていくということでは、恐らくどこかで蹉跌を来すだろうというふうに思います。

 今日、それのことについて明確な返答はできません。今の状況、それから、これからどういう開発が幾つ、どういうふうに行われて、先ほど小坂議員が指摘された以上に、もっといろいろな開発が潜んでいるかもしれない。こういうことも含めて考えていきながら、これからのこの十キロメートル平米の面積しかない、最も狭隘化している中央区でありますから、この中において、これからの開発計画と実際の生活との調和性、これらをもう一度、質問をいただいたことを契機として、今の状態ではそれに対する具体的な処方箋を持ち合わせておりませんけれども、十分に考えていきながら、これからの本当の中央区というまちがどういうふうになっていったらいいのかというところに視点を置きながら、そういう現在の状況、これからの予定の計画、こういうものも含めて、しかも、そこの地権者たちが自由に物を考えることのできる、発想のできる、そういう手法のことも鑑みながら、これからの最も進まなければいけない方向に中央区が進んでいくように、今のお話を伺って、より一層考えをここのところで整理をしたい、こういうふうに思いまして、貴重な御意見に感謝申し上げます。

〔副区長 吉田不曇君登壇〕

○副区長(吉田不曇君)
 いろいろ開発の問題についてはあるけれども、ただ、忘れてほしくないことがあるんだよね。何でそういうふうになったかという理由について捨象して、結果だけ論じるというのは、ちょっとおかしな話です。例えば、HARUMI FLAGについてもいろいろ議論があるけれども、HARUMI FLAGを発想したときに、東京都が発想しているんだけれども、実際にオリンピックの初期費用がすごく高くなり過ぎてしまうから、だから、東京都が選手村を造る経費を出さなくて済むように、民間に委託してという形でHARUMI FLAGが始まっているわけです。

 面的開発、面的開発をトータルで悪くおっしゃる部分もないわけではないけれども、実態的に、路地に面した十坪のまちが、例えば連なっていて、そこのところを全体一軒一軒をマンション仕立てに更新をして建て替えをしていく。そのための原資が地元にあるわけではないから、保留床というものをつくって再開発をしたと。それは、基本的には、個別に資産をお持ちで共同でお金が出し合えるところの整備は確かに美しいでしょうけれども、貧しいところで耐火・耐震化も必要だというところ、地域の合意だけが力であるというところで開発をしたというケースもある。そういうことはきちんと明記をしていただきたい。その部分はちゃんとあるんだよと、そういう理屈は。それはちゃんと理解してほしい。

 その上で、今、現実の状況の中で面的整備は大変難しくなっていると思う。その部分をきちんと検証しながら、まちの安全性をどういうふうにトータルで高めていくかというのは、これからのまちづくりの課題だと思っているし、そういう部分に挑戦していかなければいかんというふうに思っている。単に、面的開発とか、建て替えかという選択だけではない、様々な選択肢を探して、安全と安心をこのまちにどうやってもたらすか検討していきたいと思っている。

 あらゆる手段について先が見えないと。何度も申し上げておりますように、義務教育というのは、親が義務教育を子供に保障することも義務教育でしょうけれども、行政体が施設と機会をきちんと提供することも義務だと思っています。この間、答弁で申し上げているように、滞りなく、そういう対応をさせていただきたいと思っています。

 月島地区については、実は今度、月島地区もかなり大きなまちの変化があるわけです。これから地下鉄新線を入れていきましょう、晴海地区にも入れていきましょう、そういう整備の話もある。それから、晴海地区についても、実際のところ、FLAGをはじめとした住宅は一部できかかったけれども、残りの部分を使ってどういうまちをつくっていかなければならないか、それをきちんと考えなければならない状況もある。そういう様々な状況を織り交ぜながら、基本的に、一歩ずつ滞りなく、学校の整備も含めてやっていきたいと思っている。

 前にも委員会でお答えしているように、晴海地区については、来年度、豊晴計画の改定などもありますから、そんなに時間のかかる問題ではないですけれども、様々な交渉をしながら調整をしている話ですから、あらゆる手段を講じてというふうに申し上げているのは、そういう部分です。そういう部分を含めて整理をしながら、なるべく早い時期に皆さんにそういうことを具体的な計画としてお示しできるように努力していきたいと思っています。

 以上です。

〔教育委員会事務局次長 北澤千恵子君登壇〕

○教育委員会事務局次長(北澤千恵子君)
 私からは、欠員不足に対して、あらかじめ講師を配置して、欠員が生じたときに配置換えをするという御提案に対しての答弁をさせていただきます。

 あらかじめ講師として配置し、欠員が生じたときに担任に換えるというところでは、やはり勤務形態や給与体系も含めた勤務条件が変更になりますので、時間講師として募集するときに、あらかじめそのような可能性があるということを条件として明示する必要がございます。時間講師をしてくださる方につきましては、やはりそういった部分的な時間だけで働くというような働き方を選んで応募してくる方も多いと思いますので、担任になる可能性があるといった条件をつけた場合に、応募者の減少があるというようなことも危惧されますので、そういった仕組みを整えていくということは、いろいろ課題があるというふうに認識してございます。

 また、定例会の資料についてでございますけれども、基本的に、教育委員会の資料につきましては、教育委員会の後、議会のほうに提出するものが多いということになってございます。そのため、教育委員会だけ先行して公開するですとか、もしくは議会のほうだけ先行して公開するですとか、そういったことがないように足並みをそろえていく必要があるというふうに考えておりますので、そういった意味で、議会と調整して同時に公開をしていくというような形にしていきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

〔二番 小坂和輝議員登壇〕

○二番(小坂和輝議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 北澤氏がおっしゃったことは、クリアできると思われます。タブレットが行き渡ったわけですから、情報は瞬時にいくわけですから、ほぼ同時に教育委員会の資料は提供することができる。

 また、教員の募集においても、その条件付で募集すれば、そのようにもできるというふうなことを私は受けましたので、その辺、改善できればと思うところであります。

 また、あらゆる手段を用いて、ぜひとも子供たちの学びの環境に不備がないように、そこは約束いただきつつ、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明九月二十日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明九月二十日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     午後六時五十五分 散会


署名議員
議長 瓜生 正高
議員 高橋 まきこ
議員 かみや 俊宏

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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