令和6年第四回定例会会議録(第3日 11月25日)
1.会期
十三日(第三日)
十一月二十五日(月曜日)
2.開議並びに散会
午後二時開議
午後六時十分散会
3.出席議員
(三十名)
一番 ほづみ ゆうき議員
二番 小坂 和輝議員
三番 アルール うた子議員
四番 上田 かずき議員
五番 黒原 裕司議員
六番 川畑 善智議員
七番 白須 夏議員
八番 永井 佳代議員
九番 高橋 まきこ議員
十番 青木 かの議員
十一番 高橋 元気議員
十二番 田中 耕太郎議員
十三番 かみや 俊宏議員
十四番 太田 太議員
十五番 竹内 幸美議員
十六番 渡部 恵子議員
十七番 山本 理恵議員
十八番 梶谷 優香議員
十九番 小栗 智恵子議員
二十番 奥村 暁子議員
二十一番 瓜生 正高議員
二十二番 塚田 秀伸議員
二十三番 木村 克一議員
二十四番 海老原 崇智議員
二十五番 礒野 忠議員
二十六番 原田 賢一議員
二十七番 押田 まり子議員
二十八番 堀田 弥生議員
二十九番 墨谷 浩一議員
三十番 田中 広一議員
4.出席説明員
区長 山本 泰人君
副区長 田中 智彦君
副区長 吉田 不曇君
教育長 平林 治樹君
企画部長 生島 憲君
総務部長 黒川 眞君
防災危機管理室長 春貴 一人君
区民部長 濱田 徹君
福祉保健部長 大久保 稔君
高齢者施策推進室長 田部井 久君
保健所長 渡瀬 博俊君
環境土木部長 三留 一浩君
都市整備部長 早川 秀樹君
都市活性プロジェクト推進室長 溝口 薫君
会計管理者 山﨑 健順君
教育委員会事務局次長 北澤 千恵子君
監査事務局長 林 秀哉君
企画部参事(政策企画課長事務取扱) 石戸 秀明君
財政課長 野末 託範君
総務課長 小林 寛久君
5.議会局出席職員
議会局長 伊藤 孝志君
庶務係長 長塚 由希江君
議事係長 小倉 正信君
調査係長 佐藤 康之君
書記 後藤 絵里子君
6.議事日程
日程第一
- 諸般の報告
日程第二
- 一般質問
日程第三
- 議案第九十二号
- 令和六年度中央区一般会計補正予算
日程第四
- 議案第九十三号
- 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例
日程第五
- 議案第九十四号
- 中央区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
日程第六
- 議案第九十五号
- 中央区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
日程第七
- 議案第 百四号
- 中央区職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例
日程第八
- 議案第九十八号
- 中央区立幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
日程第九
- 議案第九十九号
- 中央区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
日程第十
- 議案第 百号
- 中央区立幼稚園の入園料、保育料等に関する条例の一部を改正する条例
日程第十一
- 議案第 百一号
- 普通財産の無償貸付けについて
日程第十二
- 議案第 百二号
- 指定管理者の指定について(区立浜町集会施設)
日程第十三
- 議案第 百三号
- 指定管理者の指定について(区立社会教育会館)
日程第十四
- 議案第九十六号
- 災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例
日程第十五
- 議案第九十七号
- 中央区プールに関する条例の一部を改正する条例
午後二時 開議
○議長(瓜生正高議員)
ただいまより本日の会議を開きます。
○議長(瓜生正高議員)
これより本日の日程に入ります。
日程第一、「諸般の報告」を行います。
〔伊藤議会局長朗読〕
六、議案の送付について
○議長(瓜生正高議員)
報告を終わります。
ここで、ただいま報告のありましたとおり、区長より議案一件が送付されましたので、本日の日程に掲載いたしました。
○議長(瓜生正高議員)
次に、日程第二、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。
十六番渡部恵子議員。
○十六番(渡部恵子議員)
議長より発言許可をいただきました中央区民クラブの渡部恵子でございます。会派を代表し、質問通告書に沿って質問いたします。再質問はあらかじめ留保いたします。
来年二○二五年十一月十五日から二十六日までの十二日間、東京で開催される夏季デフリンピック競技大会は、日本では初めての開催であり、また、一九二四年にパリで第一回大会が開催されてから百周年に当たることから、記念すべき大会となり得ます。九月十三日から二十一日まで東京二○二五世界陸上が開催されることもあり、東京都は、両大会を機に、シンプルで心に残る大会を目指すとともに、「全ての人が輝くインクルーシブな街・東京」の実現に貢献すると目標を掲げております。子供たちには夢と希望を育み、共生社会に向けた歩みを加速させるなど、教育的な価値を生むとし、スポーツの力で東京二○二○大会のレガシーを継承・発展、また、二○二五年を機に、東京に新しいレガシーを創出するなど、五つのコンセプトを掲げ、大会後のレガシーについて公表しております。
一つ目のコンセプトは、いつでも・どこでも・誰とでも、みんながつながる東京へとし、東京二○二○大会で使用された様々なデジタル技術も活用し、誰もが円滑につながり、楽しめるように、公共施設や今後のスポーツ大会における情報提供の充実を図ることにより、分け隔てなくコミュニケーションを取る技術を普及することをレガシーに掲げています。
二つ目のコンセプトは、選手や関係者など来訪者をおもてなしの心で迎え、来訪者たちが芸術文化や食、観光資源など、伝統と革新が共存する東京の魅力を感じる体験を通し、世界の人々が出会うまちとして、東京の魅力を世界に向けて発信することで来訪者を増やしていくことをレガシーに掲げています。
三つ目のコンセプトは、こどもたちが夢をみるです。都内や被災地の子供の競技観戦や、選手入場時のエスコートキッズなどの機会を設け、子供たちがスポーツから多くを学び、デフスポーツやデフリンピアンに向けた理解とともに、多様な価値観を育む機会を得ながら、この大会を経験することができた子供たちが健やかに成長し、未来の東京をつくるという大きなレガシーを目標に掲げています。
四つ目のコンセプトは、未来へつなぐです。東京がたくさんの国際スポーツ大会を楽しめるまちへと発展しながら、デフスポーツや聾者、また地球環境に向けても相互理解を進めていくことにより、持続可能な共生社会へ歩みを加速することを未来へつなぐレガシーとしています。
五つ目のコンセプトは、みんなで創るです。東京二○二○大会を通して広がったボランティア文化を、多様な人々がボランティアとして活躍できる機会を増やし、大会をつくり上げることとともに、その結果、自分たちもスポーツを通し、健康づくりを継続していけることをレガシーとしています。
東京都は、本年十一月十五日、十六日の両日、東京二○二五デフリンピック1Year To Go!として、一年前のイベントを開催しました。十五日には、小・中・高校生によるオンライン投票を行い、八万五百四十三名が投票したデフリンピックのメダルデザインも決定いたしました。藍鉄色という江戸時代の人が好んだ緑色を含んだ濃い青色のリボンに、表には折り鶴がデザインされ、裏には様々な線が引かれたデザインが選ばれました。選んだ子供たちからは、折り鶴は手で折るもの、デフコミュニケーションにとっての手話もまた手が重要な役割を果たす、メダル裏のデザインの線はいろいろな人とつながることを象徴しているという意見が寄せられ、このデザインが選ばれました。また、東京駅丸の内側の行幸通りで開催されたイベント、TOKYOわっしょいでは、都内各地のお祭り、伝統芸能が一堂に集結しました。
以上を踏まえて、お伺いいたします。
二つ目のコンセプト、世界の人々が出会うでは、芸術文化や食、観光資源など、その魅力を感じてもらい、世界との絆を深めていくと提言していますが、この点、中央区は、江戸開府以来、培ってきた伝統芸能や文化、芸術があり、また、世界に名立たる食文化の発信地、築地をはじめ、日本橋、銀座、月島も擁しており、まさに世界の人々が出会うまち中央区に、近隣区の競技場を訪れる大会関係者や来街者が、本区の観光資源を訪れることが予想されます。みんながつながるという一つ目のコンセプトでは、いつでも・どこでも・誰とでもつながる街・東京へとしております。
そこで、世界の人々が出会う中央区においても、デフコミュケーションへの対応が必要であると考えますが、区として、この点についてはどのように対応し、本区の各地域の伝統文化など魅力を発信していく方向性でしょうか。
次に、東京二○二○大会においては、本区は、中央区ならではのおもてなしをしようと、区民が参加できる折り鶴プロジェクトなどを企画しました。東京都は、世界陸上、そして初めて東京で開催されるデフリンピックへの機運醸成を始めております。商業地である本区においては、デフリンピックへの機運醸成について、現段階ではどのようにお考えでしょうか。
子供たちは、東京二○二○大会のレガシーを教育の中でこれまで様々学んでまいりました。東京で開催される世界陸上やデフリンピック競技大会を通し、本区の子供たちの教育に向けては、どのようなことを伝えていきたいとお考えでしょうか。教育委員会の御見解を伺います。
本年七月の築地等都市基盤対策特別委員会の視察の際、神戸市役所の職員の方から、阪神・淡路大震災から来年で三十年がたつ中、数年前からようやく財政状況もよくなってきたので、新しい取組に予算をかけられるようになってきましたと伺いました。この一言に、私は事の重さを感じ取りました。なぜなら、現在の神戸市は、震災から完全に復興したと表面的には見えていますが、市の財政の復興はいまだ時間を要している事情を知り、新たな衝撃を受けました。
そこで、十一月一日に神戸市役所の行財政局財務課を訪ね、阪神・淡路大震災発生から復興までの財政状況について御教示を賜りました。
まず、阪神・淡路大震災の概要の説明を受けました。発生日時は平成七年一月十七日午前五時四十六分。マグニチュード七・三、震度六、一部地域では震度七。被害総額九兆九千二百六十八億円、神戸市の被害総額は約六兆九千億円。死者・行方不明者は、兵庫県全体では六千四百五人、神戸市は四千五百七十一人。建物等の被害は、全壊六万七千四百二十一棟、半壊五万五千百四十五棟、火災による焼損は、全焼六千九百六十五棟、半焼八十棟、延焼損面積は八十一・九万平方メートル。上下水道をはじめとしたライフラインは全て途絶え、阪神高速道路の倒壊、電車など路線も大きく損傷し、ネットワークも途絶えたと被害状況を説明された後、神戸市の税収入の推移について説明がありました。
震災による所得の激減、震災減免等により大幅な税収減少となるものの、その後、住宅の新築増等による増収により、一時的に回復基調となりましたが、平成九年度を境に、再び減少傾向に転じました。特に、法人市民税では、震災後、翌年、上向き基調になりましたが、もともと神戸港、灘・長田区、兵庫区という神戸市を支えてきた産業が集中する地域の震災被害が大きかったことや、全国的な景気低迷などにより、平成十五年まで法人市民税が落ち込む状況となりました。一般財源の急激な負担増により、深刻な財政不足が発生しました。震災発生の平成七年の財源不足は一千百五十九億円となり、財政調整基金等使用可能な基金を取り崩し、実質収支の赤字拡大の抑制に充てながら、同時に職員の給料を三割カットし、新卒職員の採用を取りやめるなど、一般会計の歳出を抑制する努力の結果、震災翌年の平成八年、九年の実質収支はプラスに転じることができましたが、平成十年に景気低迷の影響を受け、この年はマイナス七億円と、外的な要因により神戸市の財源不足は再び緊張状況が続き、平成十二年には財政調整基金が枯渇寸前となる事態となったと伺いました。
同時に、神戸市は、震災関連事業に必要な費用を市債で累計一兆三百四十五億円発行しました。震災関連事業費の約半分を市債により調達し、極めて短期間で大量の市債を発行したため、震災前の平成五年度市債残高八千五十六億円に対し、平成九年度は一兆七千九百九十四億円と、市債残高が急増したものの、さきにお伝えしたとおり、平成八年から三か年の計画において、行財政運営を見直し、組織編成、職員総定数の削減など、事務事業の全面的な見直しを図り、新たな行財政改革の取組を平成十一年から十五年にかけて行い、さらに、平成十五年から二十二年度にかけて、職員の削減や全事務事業の総点検を行い、平成十八年以降は投資的経費を六百億円に抑え、事業費がかさまないように努めた結果、令和二年度から八百億円から九百億円まで投資的経費に充当することができるようになり、実質公債費比率は六・八%と健全化に向かうことができ、まさに、長きにわたり職員全員の身を切る改革が功を奏してきたのだと理解できました。
では、震災関連事業費について詳細をお伝えいたします。
一般会計二兆一千五百九十八億円、特別会計二千五百九十三億円、企業会計四千六百七十二億円、合計二兆八千八百六十三億円の歳出、目的別震災関連事業費は、災害援護資金などの貸付けに充当する生活支援に一千八百二十七億円、瓦礫処理、公共施設の復旧など、災害復旧に要した金額は八千三百七十二億円、区画整理・再開発、公営住宅建築などに要した復興対策は一兆八千六百六十四億円と、最も大きく事業費がかかりました。災害関連事業費の財源については、事業費二兆一千五百九十八億円、国庫支出金六千三百五十三億円、県支出金六百八十四億円、市債一兆三百四十五億円、その他一千六百四十九億円、一般財源二千五百六十七億円となりました。災害関連事業費に係る市債発行の内訳は、生活支援に七百七十八億円、災害復旧に一千九百九十六億円、一番資金を要した復興対策に七千五百七十一億円を充てています。現在、令和五年度末の一般会計における震災関連事業費は、復興対策に五百十億円残となっており、市債の最終償還年度は令和二十二年を予定していると説明を受けました。
以上、るる御説明したとおり、神戸市は、三十年にわたり、市の財源を枯渇させない努力を重ねながら、現在も市債の償還をしています。大規模な都市型災害の復旧・復興には財政支出は予想以上に大きく、また、予期せぬ世界的な経済状況のあおりも受けたことから、財政運営の厳しさを改めて実感しています。
現在、特別区の中には、幾つかの自治体で、震災復興に必要な財源を確保するため、基金を設けている自治体があります。その一つの自治体である港区役所に、今月、伺いました。
港区は、平成二十三年の東日本大震災と平成二十八年の熊本地震における職員派遣を通し、これまでに例のない甚大な被害の発生には、迅速な復旧・復興のための支援など、従来の震災対策における課題を提起し、区においても、首都直下地震等の震災が発生した場合には、多数の人的被害や建物被害が予想され、復旧・復興には長い期間と大きな財政負担が必要になると試算し、平成二十九年四月から、震災の被害から区民の生命・財産を守り、速やかな復旧・復興を実現するための財源確保を目的とした震災後の区民生活の再建並びに産業及びまちの復旧・復興のための震災復興基金を設置したと伺いました。担当課のお話によると、平成の二つの大震災を通し、どちらも、避難者に対して支援が行き届かない現状を目の当たりにし、その一例に、物資は自治体に届いたが、瓦礫が道を塞ぎ、避難所に届けることができない現状とともに、公平に物資を分けることが難しいなど、発災後、非常に苦労している実態を通し、先立つ資金が必要と判断し、まずは三年間、国や東京都から財政的な支援がなくても賄える金額を試算し、当初、一千億円と基金の額を決定し、財政課で財政的な余裕の幅を見て毎年積み立てており、令和五年度決算で九百二十億円余まで積み上げているとのことでした。
しかし、今年の一月一日に発生した能登半島地震後、対口支援を行った輪島市の発災後の状況を見て、新たに課題を分析し、新しい知見を取り入れる必要があると判断。折しも、令和四年、中央防災会議から示された都心南部直下地震の港区の被害想定による防災計画を見直す契機に当たり、基金の考え方も刷新、状況の変化に応じた基金の活用と復興対策も、地域防災計画の見直しに併せ、同時に見直したとのことでした。
港区は、災害復興基金の活用として、まず、初動の災害応急対策、区民生活の再建、産業の復旧・復興、まちの復旧・復興の四本柱を立て、ここにそれぞれ支援内容を整理し、事業の実施時期と財政負担をそれぞれ試算しています。その中でも、応急対策の段階で瓦礫処理に相当な財政支出を要することが見えたことと、その後の区民生活の再建において、損壊した住宅の解体・撤去、損壊した住宅の応急修理に係る費用の助成、災害弔慰金、災害障害見舞金の支給、被害程度に応じた生活再建特別支援の支給のほか、平成二十九年当時より、物価高による復興に係る資材や人件費の高騰を鑑み、一年間は港区が自前で速やかに災害関連事業費に充てられる金額は、一千三十八億円と試算したと説明をいただきました。
この点、神戸市役所からも、発災直後からの応急対策期において、被災者へ食べ物などの必要物資を届けたくても、瓦礫や倒壊した建物で道路が遮断され、届かなかったとお話がありました。また、大規模な都市型災害では、大量に発生する瓦礫の置き場所が最も重要であるが、置き場所がなくなると、応急対策期に物資を運搬する際の支障となることから、港区自身の財源で瓦礫の処理を迅速に行う必要があると強調されています。
ほかに、区民の生活の再建に向けた支援を最重視しながら、神戸市も行ったように、地元産業の復興に向けて、港区も事業を整理し、必要になる金額を試算しています。大規模な災害後は、区画整理や区の資産の再建に向けたまちの復興に係る経費も試算していることを伺い、本区も、財政健全化は担保されている自治体ではありますが、神戸市をはじめ、熊本地震で大きく破損した熊本城を復旧した熊本県熊本市においても、大規模災害後に自治体の復旧・復興に要する費用は、国庫支出金、都支出金があっても、膨大な金額となり、当然、財政の復興も長期間にわたることが明白であります。
本区の発災後から復旧・復興に係る財政支出の準備の必要性は高いと考えますが、このための準備と考え方について、本区の御見解をお聞かせください。
次に、観光危機管理体制についてお伺いいたします。
昨年の第四回区議会定例会では、築地や銀座のまちを訪れる外国人観光客、日本人観光客が大規模災害発生後にパニックに陥り、土地勘がない中、逃げ惑うことから発生する二次被害についての対策について伺いました。先日の行政視察で京都府を訪れた際も、外国人観光客が道を埋め尽くしている様子を見て、もし仮にここで大きな地震が発生したら群衆雪崩が起きないとも限らないが、土地勘がない私にとっては、どこに逃げたらよいのか分からないと思うと、改めて、来訪者の命を守り、区民の命も守る観光危機管理体制の在り方を伺いたいと思いました。
本区は、新たに修正した地域防災計画の中に、二○三○年度までに首都直下地震による人的・物的被害をおおむね半減すると目標を立てています。本区の脆弱性の中には、昼間人口約六十三万人という来訪者が多いことも含み得ると考えます。なぜなら、本区の観光資源を訪れる来訪者は、オーバーツーリズムの様相を呈しているため、来訪者への危機管理体制を講じることが、来訪者の人的被害を軽減し、結果として区民の生命・財産、まちを守ることにつながると考えています。
内閣府による災害救助法の基本原則には、平等の原則、必要即応の原則、現物給付の原則、現在地救助の原則、職権救助の原則が示されています。この中の現在地救助の原則は、法による救助は緊急時の応急的な救助であり、円滑かつ迅速に行われることが極めて重要であることから、法による救助は被災者の現在地において実施することを原則としている。住民はもとより、旅行者、一般家庭の訪問客、その他その土地の通過者等を含め、全ての被災者に対して、その現在地を所管する都道府県知事または市町村長が救助を行うと規定しています。
これを踏まえ、災害時における本区の来訪者の対応について、改めて本区の考えをお伺いいたします。
以上で第一回目の私の質問を終わります。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
渡部恵子議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、デフリンピックを契機としたデフコミュニケーションへの対応と区の魅力発信についてであります。
デフリンピックは、聴覚に障害のある方を対象とした世界最高峰の大会であり、聞こえない、聞こえにくい人のオリンピックであります。日本で初めてとなる東京二○二五デフリンピックには、約八十の国と地域が参加し、関係者も含め、六千人もの方々が訪れます。区内には、銀座、日本橋、築地といった世界的な商業地を中心に、ファッションやアート、食、エンターテインメントなどが一体となった都市文化や老舗を中心とした江戸から続く伝統文化、文化財や文化遺産など魅力ある観光資源にあふれております。そのため、区内に足を運んでいただき、直接見て触れて体験していただくことが最も魅力を感じていただけるものと考えており、聴覚に障害のある方とのコミュニケーション、いわゆる、デフコミュニケーションを通して、本区ならではの多彩な魅力を発信する好機と捉えております。区といたしましては、観光情報センターなどと連携しながら、多言語ウェブサイトやSNSなどを活用し、視覚的に分かりやすく発信するとともに、手話が言語であることの理解促進、手話を学び、挨拶や応援など、手話を使える環境づくりを進め、誰もが障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら、共生する社会の実現を目指してまいります。
次に、デフリンピックに向けた機運醸成についてであります。
二○二一年の調査では、国内におけるデフリンピックの認知度は一六・三%と、パラリンピックの九七・九%と比べて大幅に低いことが明らかとなり、デフリンピックに向けた機運醸成を図る上では、認知度の向上が大きな課題となっております。そのため、区では、昨年十二月に、スポーツ推進委員協議会と協力して、デフスポーツに関する情報をリーフレットで紹介したほか、今年十月の区民スポーツの日では、東京都と連携してデフリンピックの啓発ブースを設け、スタートランプ体験やパネル展示を実施するなど、周知に努めてまいりました。また、来年一月には、デフフットサルの監督を講師に迎え、講演会を開催するなど、引き続き、デフリンピックのさらなる認知度向上を図ってまいります。区といたしましては、今後とも、東京都と緊密に連携して、区ホームページ等により積極的に情報を発信し、東京二○二五デフリンピックに向けた機運醸成に鋭意努めてまいります。
次に、復興までに要する財政支出に向けた準備と考え方についてであります。
住民に最も身近な基礎自治体として、区民の命や生活を守るための財源確保は必要不可欠であります。災害復旧に対する財源については、第一義的には財政調整基金を活用することを想定しております。前年度末の基金残高は約三百四十八億円であり、本区の基幹税である特別区民税の額に匹敵する規模となっております。災害対応に特化した基金を一部の自治体で設置していることは承知しておりますが、区といたしましては、限られた財源を効率的に活用するため、経済の変動による財源不足や、災害などの不測の事態に対する財源について、一定規模の基金残高を確保していく考えの下、基金の分散化はせず、財政調整基金で対応してまいります。また、災害時には、財政調整基金のほか、施設整備基金などの各種基金も含め、対応が必要となることが想定されることから、基金全体で財源の確保を図っていく視点も必要であると考えております。引き続き、歳入確保や効率的な行財政運営に努めながら、毎年度の収支を見据え、財政調整基金をはじめ、各種基金に積み立てることで災害などの不測の事態に備えてまいります。
次に、災害時における来訪者の危機管理体制についてであります。
銀座、日本橋や築地など、魅力ある繁華街が数多くある本区では、現在、国内外から多くの方が来訪され、まちににぎわいと活気をもたらしています。一方で、災害はいつ起きてもおかしくなく、季節、曜日、時間帯によって様相が大きく異なることを常に意識し、来訪者の安全が確保されるよう、着実に備えを強化していかなければなりません。と同時に、多くの鉄道網を有する本区では、鉄道駅から発生する大量の移動者への対応も不可欠であります。これら来訪者等への災害時の対応は、事業所、店舗、さらには鉄道事業者等による地域ぐるみでの結束した共助の取組が極めて重要となります。このことから、区では、日頃から事業所に対して、一斉帰宅抑制や利用者保護の普及啓発を展開するとともに、帰宅困難者支援施設運営協議会活動への支援を積極的に行っております。本協議会活動では、大規模集客施設をはじめ、ホテル事業者や一時滞在施設を持たない事業所、さらには鉄道事業者と緊密な協力体制づくりに努め、来訪者にとって、有事の際のセーフティネットの構築を進めております。区といたしましては、今後、繁華街の地域団体と連携を図り、地域における共助の取組がより強化されるよう、観光客や買物客など、行き場のない帰宅困難者に対する情報発信、避難誘導、安全確保の方策について検討を深めていく考えであります。
私からの答弁は以上であります。
〔教育長 平林治樹君登壇〕
○教育長(平林治樹君)
教育問題についてお答えいたします。
デフリンピックを通した子供たちへの教育的メッセージについてであります。
本区では、子供たちが希望に満ち、自らの未来を切り開いていけるよう、豊かな心、温かな人間関係を育む教育の推進、健康づくりの推進に取り組んでまいりました。こうした中、東京二○二○オリンピック・パラリンピックの開催に際しては、オリンピック・パラリンピック教育として、人権教育や平和教育、ハートフルスポーツとしての共生社会に貢献する態度とボランティア精神の育成、一校一国運動としての異文化理解、マイスクールスポーツとしての体力向上の取組を行っており、現在、二○二○レガシーとして、全校園で継続して取り組んでおります。令和七年に東京を中心に開催される世界陸上、東京二○二五デフリンピックについても、これまで本区の教育で大切にしてきた人権尊重の精神や他者への理解、豊かな国際感覚や健康づくりに加え、努力や練習を重ねることで障害を克服していく姿とともに、勇気や希望を育むスポーツの重要性について、子供たちに伝えるよい機会と捉えております。
答弁は以上であります。
〔十六番 渡部恵子議員登壇〕
○十六番(渡部恵子議員)
それぞれ細かく御答弁を頂戴いたしまして、ありがとうございます。区、そして教育委員会のお考え、そして現段階で様々なことを考え、対応しているということを教えていただいたと思っております。
来年、実際、国際大会が東京で開かれます。コロナウイルス感染症の蔓延により、東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会は翌年に延期となり、開催時も厳しい行動制限の下で行われました。思い返せば、東京開催への招致活動を、議会も中央区と共に行い、招致が決定した後は、中央区ならではのおもてなしを区民と共に考え、子供たちも一校一国運動やアサガオプロジェクトなど、準備万端整えてまいりましたが、当初想定していた華やかなにぎわいは、まちにも子供たちにも制限がかかることを余儀なくされた大会となりました。しかしながら、地域と協力して手がけてきた中央区ならではのおもてなしは、次回の大会で新たに生かす、まさに御答弁もございましたが、絶好の機会だと思います。来年の大会は、中央区の魅力を様々なところで発信する新たなチャンスであり、スポーツを通して共生社会への理解を深め、感動を区民に、そして、この中央区にもたらしていける大会となることを期待しております。
大規模災害発生後の諸課題について触れさせていただきます。
今回、視察させていただき、阪神・淡路大震災における兵庫県の人的被害、建物被害のうち、およそ七三%が神戸市に集中していることを知りました。地元の産業に与えた打撃も大きく、震災の二年後には、日本国内で大手銀行、証券会社などの破綻による景気低迷、その十三年後、リーマンショックによる長引く景気低迷のあおりを受けたことで法人市民税は長期的に落ち込み、神戸市の財政運営をさらに厳しい台所事情とさせたことが今回分かりました。お伝えしましたように、神戸市は発災直後から職員の給料を三割削減し、新卒採用を取りやめ、平成十五年から二十二年にかけて職員総定数の削減にも着手しています。自身も被災者にもかかわらず、まず神戸市の復興のために自己犠牲を伴うことを余儀なくされました。また、財政安定化のために事務事業を見直し、新たな施策へ経費をかけることも控えざるを得なかったことは、結果的に、神戸市民にも少なからず行政サービスを必要最小限とせざるを得なかったのではないかと想像できます。市債発行は平成九年、償還期限まで四十六年にわたる長期的な返済を現在も続けておられます。
港区は、平成二十九年から七年間、財政的な余裕の範囲で基金をためていますが、ほかに、江戸川区、足立区も、主要基金とともに災害対策基金を積み立てていると伺いました。特別区の中でも、それぞれの自治体で基金の考え方を整理して、大きな財政負担を余儀なくしないように準備していることが今回見えてまいりました。
私に説明してくださった神戸市財政局財務課の職員さんは、震災当時五歳で、お父様が神戸市役所の職員だったそうです。発災後、頼りにしたいお父さんが何日も家に帰れなかったことを今でも覚えていると伺いました。また、先輩職員からは、おびただしい数の御遺体が施設に次々と搬送されてきた、火葬場も被災しており、山のような御遺体を目にして、精神的、肉体的に非常にこたえたと聞いているとお伝えくださいました。御遺体をできるだけ弔いたい思いがあっても、それが難しく、非常に難儀したとのことでした。大規模災害後の諸課題の一つに、死亡された方をどのように火葬場まで送ることができるのかという課題もございます。混乱している中、何ができるか、動ける人はとにかく動くという初動期であり、寝る場所もなく、ぶっ通しで働き続けたのだと、当時の様子を聞いていると話してくださいました。被災自治体の職員さんたちは、当然、自身も被災しながら公務を務めます。財政を守るために、長期にわたる職員の給料の削減、人員削減という犠牲を払った上に復興せざるを得なかった神戸市の取組について、私は重く受け止めております。
本区においては、職員の犠牲の上の復旧・復興とならないように準備を整えられてはいかがかという思いがあり、今回、問題提起をさせていただきました。それは、すなわち区民サービスへ滞りのないものを届けていけるということでもございますので、職員の皆様の、まず健康管理、特に、とりわけ災害直後は様々なことが考えられますので、引き続き、財政を安定化させながら、こうしたことに対応していただきたいと思います。
観光客は、すなわち帰宅困難者であり、帰国困難者でもあります。習慣の違いと言葉の違いは、さらなる混乱を招きますので、情報を正しく伝えることこそ、来訪者を守り、結果的に区民を守ることにつながると考えております。
今回質問させていただきました要点について、ぜひ今後の区政に生かす契機となればと存じます。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○二十三番(木村克一議員)
議事進行について動議を提出いたします。
ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。
午後二時四十一分 休憩
午後三時 開議
○議長(瓜生正高議員)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。十九番小栗智恵子議員。
○十九番(小栗智恵子議員)
日本共産党の小栗智恵子です。私は、日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。なお、再質問、再々質問をあらかじめ留保いたします。
初めに、平和事業の推進について質問します。
来年、二○二五年は戦後八十年、広島・長崎の被爆から八十周年の節目の年となります。世界では今、核兵器が使用される現実の危険が高まっている中、今年十月に日本原水爆被害者団体協議会、日本被団協がノーベル平和賞を受賞し、核兵器のない世界を願う全ての人々に限りない励ましと勇気を与えています。今こそ、被爆者の言葉に真摯に耳を傾け、核保有国とその核抑止力に依存する国に対し、核兵器廃絶の行動に踏み出すよう求めていくときではないでしょうか。
中央区では一九八八年に平和都市宣言を行い、毎年、平和の都市の楽しい集い、中央区平和展を開催し、区のホームページでは、中央区平和祈念バーチャルミュージアムで戦争の記録と平和への願いを発信していることは重要です。
そこで、質問します。
第一に、来年、戦後八十年、被爆八十周年となる節目にふさわしく、こうした平和事業をさらに充実させていくことを求めます。特に、平和展では、被爆の実相を伝える展示や、日本によるアジア・太平洋諸国への加害の記録も事実としてきちんと伝え、日本国憲法の前文、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにするという平和への願いをアピールすることが大切だと考えます。いかがですか。
第二に、中央区も参加している平和首長会議は、核保有国をはじめ、全ての国が核兵器禁止条約に参加することを目指し、広島被爆者七団体が呼びかけている、日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名を進めています。ぜひ区長自ら署名し、核兵器廃絶への意思をアピールするよう求めます。また、港区などのように、区のホームページにも平和首長会議の取組を掲載して署名を呼びかける行動をぜひ進めていただきたいと思います。それぞれ御答弁をお願いします。
次に、物価高騰対策、中小企業支援について質問します。
国内の全企業数の九九・七%を占め、全雇用者の七割を雇用する中小企業は日本経済の背骨であり、地域経済の主役です。中央区でも、全事業所の中で従業者数百人未満の中小事業所が全体の九六・五%を占めており、中小企業の振興なしに、賃金の引上げも地域経済の再生も実現しません。ところが、今、中小企業は、コロナ債務の重圧に加え、円安による原材料費の高騰が直撃し、苦境に追い込まれています。また、税や社会保障料の負担が重くなり、滞納が一因となって倒産する企業も増えています。全国で二○二四年上期の倒産の約九割を従業員十人未満の小規模企業が占め、倒産件数は年間一万件を超えて、十年ぶりの高い水準となっています。区内でも、コロナで家飲みが増え、客足がコロナ前に戻らない、昨年十月から実施されたインボイス制度で消費税の負担が大変、保険料の滞納で差押えの通知が来て困っていると悲鳴が上がっています。
そこで、質問します。
第一に、区内の中小企業、小規模企業の経営状況や倒産件数などはどうなっていますか。インボイス制度の影響をどのように把握していますか。
第二に、電気・ガス代、資材の高騰に対し、負担を軽減する支援制度を国や都に求めることと併せ、杉並区で実施したような中小企業向けに光熱費補助を行うなどの区独自の物価高騰対策を実施するよう求めます。いかがですか。
第三に、最も有効な物価高騰対策は消費税の減税です。消費税を一律五%にすれば、インボイス制度も必要なくなります。国に対し、消費税の減税と不公正な大企業優遇税制の見直しで財源を確保するよう求めることはできませんか。お答えください。
第四に、事業者の社会保険料の負担も重過ぎます。自営業者などが加入する国民健康保険料は、毎年引き上げられ、負担能力を超える保険料となっています。保険料の引上げをやめること、生存権を脅かす強権的な徴収はやめること、減免の申請を積極的に認めることを求めます。御答弁ください。
次に、福祉施策の充実について質問します。
まず、介護事業所、障害者事業所の支援についてです。
介護保険の今年度の介護報酬の改定で、全体として介護は一・六%、障害は一・一%の僅かな引上げにとどまり、訪問介護に係る報酬は、逆に、二から三%の引下げとなりました。そのため、上半期の介護事業所の倒産件数は、介護保険制度の施行以降、最多となる危機的な状況が広がっています。中央区内でも、デイサービスの事業所が突然閉鎖となり、代わりのデイサービスを探しているが、どこもいっぱいで断られ困っているという相談が寄せられました。中央区は、十一月の補正予算で、物価高騰対策として、区内の障害・介護サービス事業所、保育所等に対し支援金を支給する予算を計上したことは大いに評価するものですが、今年度だけでなく、次年度以降も、福祉サービスの安定的な供給環境を維持するための支援を行うよう強く求めるものです。
世田谷区は、高齢者施設・障害者施設の福祉人材の確保や、経営に必要な経費を補い、事業継続を支えるため、給付金の支給による事業者支援事業を実施し、訪問介護等事業所には一事業所当たり一律八十八万円、居宅系サービス事業所には一事業所当たり二十八万円の給付金を支給するとのことです。中央区でも、こうした思い切った支援給付金や、人材確保のための継続的な支援策を求めますが、いかがですか。御答弁ください。
次に、保育料の無償化についてです。
現在、幼児教育の無償化制度によって、三歳から五歳までの保育料は無償となっていますが、ゼロ歳から二歳までの第一子の保育料は、所得に応じて月額ゼロ円から、最高で標準時間保育六万四千円、短時間保育で六万二千九百円の保護者負担となっています。日本共産党区議団は、子供の年齢で区別せず、保育園やこども園に通う全ての子供の保育料を無償化することを求め、これまでも予算修正提案も行ってきました。小池都知事は、今年の都知事選挙で第一子の保育料無償化を公約し、日本共産党都議団の質問に対し、安心して子供を産み育てることができる社会の実現に向けて、第一子の保育料無償化を検討すると答えています。ぜひ無償化するよう東京都に求めるとともに、区としても早期に実施するための予算化を求めるものです。御答弁ください。
次に、桜川公園へのPark‐PFI導入について質問します。
中央区では、現在、入船一丁目にある区立桜川公園に、公募設置管理制度、Park‐PFIを導入する計画を進めています。Park‐PFIは、二○一七年の都市公園法改定で、公募により選定された者が公園内に飲食店などの施設を設置して、その収益を活用して公園の整備や維持管理を行うもので、公園内に造る建物の建蔽率は、従来は二%まででしたが、一二%まで規制緩和しました。
そこで、質問します。
第一に、この問題で二○二二年の第三回定例会で私が質問した際、本区においては、新たな公園用地の確保が難しいことから、公園機能の充実による質の向上に取り組む必要があり、Park‐PFIの導入について丁寧に検討するとの答弁でした。検討し、Park‐PFIによる公園整備を決定した理由をお示しください。
第二に、区が行ったアンケートでも、充実してほしいのは、快適に過ごせる日陰やベンチなどの休憩の場、芝生などの広場空間、花や樹木との回答が多く、また、近隣の保育園は、乳児から幼児まで幅広い年代の遊び場として、ほぼ毎日利用しているとのことです。中央区内の保育園は園庭のない園が八割を占めており、桜川公園は周辺の保育園の子供たちの貴重な外遊びの場となっています。公園の限られた敷地の中に、子供たちが遊べるスペースを削って、わざわざカフェなどを造り、営利事業に二十年間も貸し出すのはやめてほしいと切に願います。いかがですか。
第三に、言うまでもなく、公園は、心身の健康にとって不可欠な空地・緑地であり、全ての人々に開かれた公有地、コモンです。中央区の公園面積は、浜離宮恩賜庭園など都立・区立公園、児童遊園を合わせても六十七万平米、区民一人当たり三・七平米です。区内全域で緑被率は一○・七%、二十三区で下から三番目という状況です。一方、区内には既にたくさんの飲食店やカフェがあり、新たなビルの建設も多く、商業施設の床は余っているのが現状です。中央区の公園にPark‐PFIを導入することを見直すよう求めます。御答弁ください。
次に、築地市場跡地開発について質問します。
十一月の築地等都市基盤対策特別委員会で、築地市場跡地開発の進捗について報告がありました。報告では、現在、都や事業予定者において、埋蔵文化財調査をはじめとした各種調査を調整・実施中、区は、築地市場跡地開発に関連する要望書に基づき、事業予定者と区有施設の再編等の協議を進めているとして、スケジュール案では、東京都と事業者との間で、二○二四年度中に基本協定を締結し、区は、締結前までに要望書に対する取りまとめを求めていくというスケジュールが示されています。
そこで、お聞きします。
第一に、現在、中央区と事業予定者、三井不動産とはどのような協議を進めているのかお示しください。
第二に、都の築地地区まちづくり事業審査委員会は、審査結果の報告書で、まちの将来像や開発内容、事業の進め方等について、都民に分かりやすく、積極的に情報発信するとともに、都民等の意見を受け付ける機会を設け、それらの意見に対し丁寧に対応することとしています。東京都と事業者間で協定を締結する前に、東京都と事業予定者が、中央区議会や中央区のまちづくり協議会はもとより、広く区民、都民や専門家などの意見を聞く場を設けるべきではないでしょうか。区長の見解を問います。
第三に、既に行われている市場跡地の埋蔵物の予備調査、試掘調査には中央区教育委員会も参加していますが、埋蔵物の状況やその評価をお示しください。
文化財保護全国協議会は、今年の大会で、都の旧跡「浴恩園跡」の保存と再生を求める決議を上げました。全面的な調査と復元、保存が求められると考えますが、教育委員会の見解をお示しください。
第四に、日本共産党中央区議団は、築地市場跡地に眠る浴恩園の復元と併せ、公園と緑を中心にした計画に変更を求めるものです。特に、人口が増え、子供の数が急増している中で、子供たちが伸び伸びと遊べる公園を求める声は切実です。浴恩園の復元と公園の拡大について、区長の見解をお答えください。
第五に、築地跡地開発のONE PARK×ONE TOWNの代表企業は三井不動産です。選手村跡地のHARUMI FLAGを整備した特定建築者の代表企業も三井不動産レジデンシャルです。区内では、現在進行中の日本橋周辺の再開発、八重洲地区の再開発を含め、一九九六年以降の区内の市街地再開発事業三十四件のうち、十五件に三井不動産か三井不動産レジデンシャルが事業者として入っています。どうしてそんなことができるのでしょうか。そして、今度は二十三ヘクタールの築地市場跡地開発を主導します。総事業費九千億円という巨大プロジェクトです。
HARUMI FLAGでは、都有地を周辺地価の十分の一で払い下げました。中央区も、タワーマンション以外の板状棟の開発協力金を免除しています。築地では、都有地の借地料は、平米単価として、破格の月四千五百円です。市街地再開発事業では、容積率の大幅な緩和で超高層オフィスビルやタワーマンションの建設を可能にしています。特定の企業を優遇し、都有地を売却する価格や借地料を大幅に引き下げて提供し、容積率の上乗せなどの大サービスを行うことは看過できません。三井不動産が主導する再開発事業に奉仕するのはやめるべきです。区長の見解を求めます。
最後に、教育問題について質問します。
現在、学校教育では、GIGAスクール構想に基づき、子供たちが一人一台のタブレット端末を持ち、導入から五年、来年五月には新しい学習用タブレットに一斉入替えとなります。デジタル教科書が本格的に導入され、英語と算数・数学が小学五年生から中学三年生まで全員に配られています。先日、小学校でのタブレット端末を活用して国語や道徳の授業を行っているところを視察させていただきました。メディアバランスを考えようという授業では、健康的な生活を送る上で、ネットやテレビなどの利用について、タブレットを使ってグループ討論などを交えて深めていく内容で、デジタルシチズンシップ教育が実践されており、感心しました。
そこで、質問します。
第一に、ICT教育は、各学校で工夫をし、教師の指導性を高めて実施されていることと評価しますが、教育委員会として、今進めているICT教育の成果、そして課題をどのようにお考えですか。
第二に、デジタル生活で子供の体と心に影響が出ている問題についてです。授業でも、長時間利用をやめようということを考えていく取組が実践されていましたが、デジタル機器の利用による視力の低下など、目への影響だけでなく、睡眠不足や睡眠の質の低下、脳と心の育ちへの影響も指摘されています。どうお考えですか。
第三に、ICT教育と学力の問題についてです。
二○二三年七月に、ユネスコが発表したグローバル・エデュケーション・モニタリング・レポート二○二三は、二百を超える世界各国の報告と研究成果を基に、ICT教育について分析し、教育テクノロジーは不適切または過度である場合には有害な影響を及ぼし得ると指摘しています。二○一五年のPISAの報告では、読解力、数学、科学の三分野で、コンピュータの利用時間が長いほど学力が低下しているという結果が出ています。日本の全国学力調査でも、二○二三年度、ICT機器を勉強のために使っている時間が三時間以上の生徒は、三十分未満の生徒よりも、平均正答率が小学校で一一%、中学校で一二%下がっているという結果が出ているとのことです。
日本ではICTの使用を広げようとしていますが、国際的には、ICT教育が及ぼす学力や子供の発達への有害な影響に警鐘を鳴らしています。教育委員会として、ICT教育の弊害や問題点についてどうお考えですか、見解をお示しください。
第四に、日本のICT教育は、財界主導で経済産業省が推進してきた教育DX、デジタルトランスフォーメーションと不可分のものです。デジタル社会に対応する人材を育成するのが狙いとなっています。教育の目的は、教育基本法で定めている人格の完成を目指すことです。財界の意向に沿って、企業の即戦力となる人材の育成を目的にするのは大きな問題だと考えます。人材育成でなく、人格の完成を目指す教育が求められると考えますが、いかがですか。それぞれお答えください。
以上で一回目の質問といたします。御答弁をよろしくお願いいたします。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
小栗智恵子議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、平和事業についてであります。
昭和六十三年に制定した平和都市宣言の趣旨の下、これまで本区では、小・中学校巡回平和展や平和の都市の楽しい集い、平和祈念バーチャルミュージアムなどの事業を積極的に実施してまいりました。区といたしましては、こうした事業を通して、次の世代に平和の尊さや大切さを伝えていくことが重要であると認識しております。戦後八十年の節目となる令和七年度は、例年三月に開催している平和展を、終戦記念日である八月十五日前後に開催することで、終戦、そして平和に対する意識づけを図ってまいります。他事業においても、戦後八十年という節目を強調した平和意識の普及啓発に努めてまいります。区民の平和を希求する思いを醸成し、再び戦争の惨禍が起こることのないよう、引き続き各種事業に積極的に取り組んでまいります。なお、平和展は、これまで区内における戦災の被害状況や当時の生活が分かる資料を中心に展示してきており、区民等からの平和資料の収集も同様に行っていることから、展示内容を変更する予定はございません。
次に、核兵器廃絶への取組についてであります。
核兵器廃絶は人類共通の願いであり、人類の英知と勇気を結集して臨むべき大きな課題であります。対立が一層深刻化している世界情勢において、核の脅威はますます高まっており、平和首長会議に加盟する世界各国の都市と連帯し、いま一度、核兵器のない世界の実現に向けたメッセージを発信していくことは意義のあることと考えております。区といたしましても、平和首長会議の一員として、署名活動への対応について、現在、検討しているところであります。
次に、区内の中小企業の状況についてであります。
本年十月の景気動向調査における現状判断DIは、五三・九と堅調な数字を示しており、調査の中では、インバウンド需要を追い風にした売上げ増など、前向きな声が大きく聞かれる一方で、人手不足により受注を見送らざるを得ない、物価高騰を価格転嫁できず資金繰りが厳しいという声も一部寄せられております。また、区内の倒産件数につきましても、令和四年度は九十七件、令和五年度は百三十件と増加傾向にありましたが、本年度は九月末時点で六十五件と、一定の歯止めがかかっている状況です。なお、インボイス制度につきましては、様々な影響が懸念されておりましたが、相談窓口においては、現在までお困りの声は届いておりません。区といたしましては、今後も物価高騰をはじめとした景気への影響要因を注視しながら、状況把握に努めてまいります。
次に、中小企業向けの物価高騰対策についてであります。
国や東京都においては、これまでも物価高騰対策について、様々な支援策が講じられてきました。また、御指摘の取組を含め、他自治体においても、地域特性を踏まえた独自支援策が取られているものと認識しております。一方、本区は、今後の事業展開や地域のにぎわいの創出につながることが重要であるといった考えの下、区内共通買物・食事券の発行とあっせん融資制度の充実、これらを中心とした対策を講じてまいりました。こうしたことから、区といたしましては、直接的な金銭給付等を行う考えはございませんが、引き続き区内事業者が安心して経済活動を行っていけるよう、時宜を捉えた施策を展開してまいります。
次に、消費税の減税についてであります。
消費税は、持続可能な全世帯型社会保障を実現するための重要な財源であり、その税率等を含め、税制については、公平、中立、簡素の原則に沿いつつ、経済社会の変化に十分対応できるよう、国の責任において法整備を行うものと認識しております。国においては、現在、税制改正をめぐる議論が活発に行われているところであり、区といたしましては、その動向を十分に注視してまいります。
次に、国民健康保険料の負担についてであります。
国民健康保険料は、受益と負担の観点から、医療費水準や加入者の所得水準等に基づき算定されております。近年、被用者保険の対象拡大などにより、国民健康保険加入者数が減少する一方、医療の高度化などにより医療費が増えていることから、保険料は増加傾向となっております。そうした中でも、本区を含む特別区においては、一般財源を投入するなど、保険料の抑制を図っているところであります。保険料の徴収に当たっては、公平性の観点から、収納率向上に取り組むとともに、様々な事情により納付が困難な方には、分納相談や減免制度の案内なども行っております。区といたしましては、データヘルス計画などによる健康寿命の延伸、医療費適正化の取組により、保険料の抑制を図るとともに、徴収に際しても、一人一人に寄り添ったきめ細やかな対応に努めてまいります。
次に、介護事業所等の支援についてであります。
区では、これまでも、介護・障害福祉サービス事業所に対し、安定的なサービス提供ができるよう様々な支援を行ってまいりました。また、長引く物価高騰による運営コストの増加などにより依然として厳しい経営環境にあることから、物価高騰緊急支援事業を令和四年度、五年度に引き続き今年度も実施するため、今期定例会に提案するなど、臨時的な支援も講じております。さらに、福祉人材の確保については、ハローワークなどとも連携し、介護職合同就職相談・面接会や介護人材確保支援事業などを実施しているほか、今年度から地域密着型サービス事業所等介護職員等宿舎借上支援事業を開始し、さらなる取組の強化を図ったところであります。区といたしましては、介護保険制度や障害者福祉施策の充実について、引き続き区長会等を通じて国に強く要望していくとともに、今後も社会経済状況の変化や国・東京都の動向を踏まえ、サービス事業者の意見なども丁寧に聞きながら、適宜適切に対応してまいります。
次に、保育料の無償化についてであります。
本区では、これまでも、認可保育所等の保育料について、応能負担の考え方を基本に、所得階層区分をきめ細かに設定し、二十三区の中でも、より廉価な水準とすることで子育て世帯の負担軽減を図ってまいりました。そのため、区独自で保険料の無償化の範囲を拡大する考えはありません。なお、第一子保育料の無償化については、既に東京都において検討している状況であることから、区として無償化を求める必要はないものと考えております。
次に、桜川公園へのPark‐PFI導入についてであります。
Park‐PFIは、その制度を活用することにより、公園の魅力や質の向上、利用者の利便性の向上、地域の活性化、財政負担の軽減などが期待される一方で、公園の特定の場所に民間事業者が収益施設を最大二十年間設置することにより、公園利用が少なからず制限されることが懸念されるため、事業実施に向けては、時間をかけて慎重に検討してまいりました。そのため、検討に当たっては、利用者等へのアンケートに加え、民間事業者へのサウンディング型市場調査の二回目を追加で実施し、これらの結果を踏まえ、桜川公園のPark‐PFIでは、民間事業者が行う施設整備に加え、収益施設の売上げの一部を公園の魅力向上施設に充当することや、(仮称)公園連絡会の運営を条件とすることといたしました。これにより、利益等の一部が公園利用者に還元されるとともに、地域の意見を取り入れながら公園の魅力向上が図られることから、Park‐PFIの導入に至ったものであります。さらに、Park‐PFIによる施設整備と公園の改修を一体的に実施することで、経費の削減が図られるほか、子供の遊び場の充実や既存の緑を生かした公園づくりなど、桜川公園に求められるニーズに対応しつつ、公園の魅力向上が継続的に図られるものと考えていることから、引き続き、桜川公園においてはPark‐PFI制度の導入を進めてまいります。区といたしましては、これまでもアダプト制度や自主管理制度など、地域の方々と連携した維持管理を行っておりますが、今後も、公園ごとの地域特性などを踏まえ、官民連携も含めて、多様な公園の在り方を検討してまいります。
次に、築地市場跡地開発についてであります。
現在、区は、事業予定者と、区の要望事項である区有施設の再編に関して、物流やにぎわいを支える骨格的な機能の継続確保のため、跡地開発内の先行にぎわい施設との連携も視野に入れた協議を行っているところです。また、建築制限区域に対する周辺地域への影響や工事車両低減のための海上輸送の必要性についても、事業予定者と確認し、対応を要請しているところであります。区民や都民などの意見を聞く場につきましては、事業予定者を選定する際に、都の審査委員会において附帯意見が示されていることから、事業の情報発信や都民等の意見を受け付ける機会の創出など、取組の実施に向けて、都や事業予定者による検討が進められているものと考えております。区におきましては、引き続き、まちづくり協議会を主として、周辺地域の意見を聞いていくとともに、事業の進捗に応じて工事情報等を共有し合う会議体が設置されるよう関係者と調整してまいります。浴恩園の復元は、その予定がないものと認識しております。また、公園の整備については、事業予定者の提案の一つに、十万平米のオープンスペースと緑被率四○%を確保することが示されており、区の要望事項である水と緑の連続性への十分な配慮と併せて、誰もが集い、憩いやアクティビティ、イベントなどが可能な空間が整備されるよう、協議・調整を進めてまいります。築地市場跡地開発の事業予定者の選定につきましては、都の募集要項に基づき、応募者から提案がなされ、審査委員会において適正に選定されたものと認識しております。
私からの答弁は以上であります。
〔教育長 平林治樹君登壇〕
○教育長(平林治樹君)
教育問題についてお答えします。
初めに、浴恩園の埋蔵文化財調査についてであります。
開発区域内の浴恩園跡地調査につきましては、本区教育委員会の立会いの下、東京都都市整備局による試掘調査が継続中であり、現時点において埋蔵物に関する総合的な評価ができる段階には至っていないところであります。また、埋蔵物の総合的な評価につきましては、今後、さらに試掘調査が進み、適切な時期に東京都教育委員会において行われるものと考えております。
次に、ICT教育の成果と課題についてであります。
これまでのICT教育の成果としては、一人一台端末の整備や授業支援ソフト、AIドリル等の導入により、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に実現できたことであります。今後は、デジタル市民の一員として主体的に生きていくためのデジタルシチズンシップ教育の推進がより一層必要となっております。デジタル機器の使用につきましては、学習用タブレットのほかに、各家庭において個人用スマートフォン等の長時間の使用が行われていた場合には、子供たちの心と体に対して少なからず影響があるものと認識をしております。そのため、デジタルシチズンシップ教育の中で、正しい姿勢や使用時間などについて主体的に考える授業を実施し、デジタル機器の健康的な使用習慣を身につけさせる指導をしております。ICT教育についても、GIGAスクール構想第二期が始まり、デジタル化が一層進展する中で、これまで行ってきた、教科書やノートを使った読む・書くなどの学習も大切にし、子供たちの確かな学力の定着を図ってまいります。教育の目的は、単に知識や技能を身につけさせるだけではなく、道徳心、社会性、創造性など人間として最も大切な資質・能力を育み、人格の完成を目指すものであります。今後も、教育基本法に基づき、人格形成を養うとともに、社会の変化に対応できる子供たちを育成してまいります。
答弁は以上であります。
〔十九番 小栗智恵子議員登壇〕
○十九番(小栗智恵子議員)
御答弁をいただきましたが、何点かについて再質問、併せて要望もさせていただきたいと思います。
最初に、平和事業の推進については、平和首長会議が推進している署名などの取組についても検討していくということで、ぜひ検討し、平和首長会議も一緒に進めている、日本の政府も核兵器禁止条約に参加するようにという声を大きく広げていただきたいということを要望したいと思います。
次に、物価対策、中小企業支援については、共通買物券や融資制度などを適切にこれからもやっていくというお話だったんですけれども、インボイス制度について特別な相談などもないというお話がありましたが、インボイス制度は昨年十月に始まって、今年の三月には、新しくインボイスを登録した事業者などは第一回目の納税をするというふうになりました。今年の場合は十月からの三か月なので、そんなに大きな金額ではなかったかもしれませんが、今年を終えて来年になると、インボイスの新たに登録になった人たちの負担が四倍になるというようなこともあって、大変な影響があるというふうに、事業者の方も大変不安に思っています。そういうことも含めて、事業者の大変な状況をきちんと区としても把握して、事業者への支援を強めていただきたいというふうに思います。
国民健康保険料については、一般財源も投入して低減に努めているというお話だったんですけれども、今、都道府県化に基づいて、一般財源を投入する割合を年々減らしてしまっている。その分、保険料がどんどん上がっているという現実もあります。国民健康保険料が高過ぎて払えないという悲鳴が上がっています。そういう状況もきちんともう一度検討し直して、その抜本的な改善を求めていきたいというふうに思います。
この点で、国民健康保険料の今後の状況について、もう一度御答弁をいただきたいと思います。
福祉施設の充実については、いろいろな施策をこれからも適宜やっていきたいということでお話がありましたけれども、やはり介護サービス事業所なども人材確保に大変苦労しているという状況がありますので、ぜひこの辺の支援をさらに強化していただくように要望したいと思います。
ゼロ歳から二歳までの保育料の無償化については、東京都がやる方向だということですが、東京都がやるということになれば、中央区としても、そのまま実施するという考えだということでいいのか、その辺の確認をさせていただきたいと思います。
昨年の予算特別委員会のときに私たちが試算したら、二億五千万円でできるのではないかという試算をしましたけれども、もし第一子の保育料も無償にするということで試算をしていれば、その金額をお示しいただきたいと思います。
四番目の桜川公園のPark‐PFIについてですが、二十年間、事業所に建物の場所を貸し出すということで、制限される問題もあるのではないかということの指摘もありました。桜川公園については、前に保育所を建てたときの仮園舎があった広場は、ぜひ子供たちが遊べるスペースとして残してほしいという声もあり、区としても、先日の委員会では、その場所の広場空間のところにはカフェなどを造らないように事業者にも要望していくというお話がありましたけれども、仮園舎のあった広場空間は造らないで、ほかの木を切って、そこに造るというようなことがあると、やはりそれも問題ではないかというふうに思います。
どのようにそういう施設を整備していくのかということについて、改めて御答弁をいただきたいというふうに思います。
築地市場の跡地開発については、中央区の教育委員会も事前の予備調査の段階で立ち会っているということです。これからは都の責任でやっていくというようなお話だったようですけれども、東京都は、築地市場跡地の本格調査は事業者に任せるという方向を示しています。その費用は東京都が出すということなので、きちんとした調査を行って、必要なものは保存する、再現することが、事業者が主導でやると、そういうことがきちんとできるのかと大変不安に思っております。
区長は、今、復元の予定はないということですけれども、もし貴重なものだということで出た場合に、復元とか保存とかをしていく必要性ということは全然お考えにならないのか、この点について伺いたいというふうに思います。
教育の問題では、今、ICT教育をいろいろ工夫されてやっているということは、私たちも現場を見せていただきましたけれども、スウェーデンやフィンランドなどでは、従来の紙ベースの学習にもう一度戻すという方向で動いているということもあります。紙とノートを使った学習、そしてデジタル機器を使った学習、それはいろいろいい点も悪い点もあると思いますけれども、タブレットの使用自体が目的になってはいけないということだと思います。
その点で、どうICT教育のマイナス面があるのかという点をきちんと検証してやっていくことが必要だと思いますが、その点で御答弁をもう一度お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
〔福祉保健部長 大久保 稔君登壇〕
○福祉保健部長(大久保 稔君)
私から、まず、国民健康保険料の件について答弁させていただきます。
現在、一般財源を投入しているということですけれども、今、小栗議員からお話しいただきましたとおり、その投入の割合については、年々減らしているというところです。これにつきましては、国民健康保険制度も、社会保険と同じように社会保険制度の一つとなっておりますので、やはり加入者、そして公費、そうした中での本来の負担割合でしっかり負担していくということで、一般財源を投入するというのは、言い換えますと、国民健康保険に加入していない方の負担で、その軽減を図っているという言い方にもなります。
区としましては、医療費の抑制、健康寿命の延伸などを含めまして、こうしたことで医療費の水準を減らしていく、そういった中で保険料をできるだけ抑制していく。こうした仕組みをやっていかないと、たとえ一般財源を投入して一時的に軽減を図ったとしても、これが持続可能な制度かといいますと、それは少し課題があるのかなと思いますので、そうした考え方の下、医療費の適正化による保険料の抑制を基本に考えていきたいというふうに考えてございます。
また、保育料の無償化は、東京都が実施をした際には中央区も実施するのかということですけれども、東京都の制度がどのような制度で示されるのかによるかと思ってございます。基本的には実施する方向で検討はいたしますけれども、例えば東京都が全額補助するのか、一定の補助割合に基づく補助制度にするのか、やはりそういった内容をしっかり見極めた上で判断していくべきものというふうに考えております。
また、実施する際の財源ですけれども、現時点で明確な財源の数字については、まだ精査してございません。ただし、例えば令和六年度の区立の保育料の歳入額が、現在、約一億七千万円ほど、私立の保育料の歳入が約三億八千万円ほどを見込んでおりますので、保育料合計で五億円を超える金額を予算の歳入として見込んでおります。第一子の保育料の無償化になりますと、これがほとんどなくなるかと思いますので、恐らくこれに近い金額の財源が必要となるというふうに考えております。
私からは以上でございます。
〔副区長 吉田不曇君登壇〕
○副区長(吉田不曇君)
Park‐PFIですけれども、実際的には、事業者が選定された際に、どういうことをやりたいかというものを絵にまとめてくるわけです。そういう絵というのは、やはり広く提示されるべきものだと思っておりますし、そういう絵の中で、こういうところにこういう不都合があるとか、ここは改善しなければいけないというようなところは、議会も含めて、いろいろ議論させていただかなければならないものだと思っています。いろいろ問題が起きるからって、木を切ってしまったりしたら、また問題が起きますので、移植も含めて、いろいろな対応を含めて、広く議論をさせていただきながらPFIというものをやらせていただきたい。
実際的には、私どもは、区の公園の管理については、どちらかというと、本当に地域の人々に、こういう公園だったらいいなとか、こういうものを四季には植えたいなとかという気持ちを素直に生かしていただいて、地元の方々が主として管理することを区として支援させていただくようなことが一番望ましいと思っていますけれども、そういうものを含めて、公園管理の在り方については、さらに住民の自主性も期待しながら、よりよい管理に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
浴恩園の、因縁のお話でございます。
やはり築地は歴史がたくさんあるから、実際に残したいものはいろいろあるんだよね。実際に、これは絶対残さなければいかんと思っているのは、海上保安庁の水路部というのが、これは旧日本海軍の水路部だったんですけれども、海の測量図を作り始めたところの水路部というものができたときに、そこに旗台というものを造っておりまして、水路部の長官が築地にいますよということで旗を掲げる旗台というものがございます。今、これは中央卸売市場に管理していただいて保存しているんですけれども、築地から出発したものです。いわゆる西洋航海術を日本が取り始めたときの最初のスタートが築地だったものですから、例えば旗台というものについては、やはりきちんと残しておきたい。ONE PARKの中に、ここはそういうものがスタートしたんですよと、残したいと思います。
小栗議員が大変お気に入りの浴恩園についても、私どもとしては、そこに残すべき価値があるものがあるとすれば、これは実際に都の教育委員会も区の教育委員会も立ち会っていますので、そういう部分の中で残すべきものがあるとすれば、それは一緒に、旗台も含めて、いろいろ残していかなければいかんと思っています。
ただ、再三再四申し上げておりますように、中央区としては、基本的には、築地市場の跡地については、現在の築地や銀座や、ああいう周りを取り囲んでいるまちと新しい開発とが共存共栄するように、交通計画も含めた、きちんとした計画になることが第一の目標であり、第二の目標は、築地の歴史を踏まえて、ただ五万人のスタジアムを造る開発計画ではなくて、やはりそれなりに社会的意義のある開発になるようにしてくれということを、事業者が誰であろうと、きちんと申し入れるというのが本区の立場でございますので、そういう流れの中で、とりわけ申し上げた第二の社会的な意義の中で、残せるものはきちんと残していく、それは当然のことだと思っております。
以上でございます。
〔教育長 平林治樹君登壇〕
○教育長(平林治樹君)
小栗智恵子議員の再質問にお答えをさせていただきます。
初めに、浴恩園の文化財調査につきましては、吉田副区長からお答えしたとおりでございますけれども、今、調査を聞いていますと、結構、幾つも土地の履歴が変遷をしておりまして、果たして本当に松平定信の時代の浴恩園のものなのかどうなのかという総合評価が非常に難しいというふうに聞いております。そういったことで、それらの価値が見いだされれば、保存というのは当然のことでございますので、それを行っていくということで、吉田副区長と同じような答弁になりますけれども、そういった考え方でございます。
それから、ICT教育についてでございますが、先日、御覧いただきまして本当にありがとうございます。御理解を深めていただけたかと思っております。
もちろん、ICT教育については、タブレットを使うこと、もしくはタブレット使用が目的ではなくて、やはりこれは一つのツールとして、子供たちがいかに授業効率を高めるかということも含めて行っているものでございます。確かに、指摘されるような、タブレットを使うことによって、例えば読み書きができなくなってくるということもある。これは我々も考えているところでございまして、先ほど答弁させていただいたとおり、読むこと、書くことを実際に五感に触れながらやるといった授業も大切にしながら、子供たちの主体的・対話的で深い学びに向けて何が一番有効なのかということを、タブレットを有効に使いながら、体に影響のないようにということも考慮しながら、しっかり取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
〔十九番 小栗智恵子議員登壇〕
○十九番(小栗智恵子議員)
国民健康保険料のことなど、御答弁いただきました。私は、必要な財源を投入して、保険料の低減や、また介護や保育料の問題はぜひ改善を進めていくよう要望したいと思います。
浴恩園だけでなく、築地のところには、江戸時代の早いうちの埋立てなので、そういうものも含めて、ぜひ検討していただきたいと思います。
○議長(瓜生正高議員)
時間です。(拍手)
○二十三番(木村克一議員)
議事進行について動議を提出いたします。
ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。
午後四時二分 休憩
午後四時二十五分 開議
○議長(瓜生正高議員)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。八番永井佳代議員。
○八番(永井佳代議員)
中央区議会立憲民主党の永井佳代です。令和六年第四回中央議会定例会の一般質問を、さきの質問通告に沿って行わせていただきます。区長並びに各理事者の方々におかれましては、真摯な御答弁を心よりお願い申し上げます。御答弁によりましては、再質問をあらかじめ留保させていただきます。
初めに、中央区基本計画二○二三の基本政策の一つである、互いに尊重しあって心豊かに暮らせるまちのさらなる推進に向けて、多文化共生に向けた取組について、動物、ペットとの共生に向けた取組について、アクティブシニアの力を生かす取組について、そして、スポーツを通した多様性を認め合い、尊重し合える取組について順次質問してまいります。
まずは、多文化共生に向け、外国人住民への情報発信についてです。
出入国在留管理庁の発表によりますと、全国における在留外国人は、本年六月時点で三百五十八万人を超えており、過去最高を更新しております。年々増え続ける外国人の受入れに関して、政府は、毎年改定されている外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を発表し、その対応策は二百十八もの施策が盛り込まれております。民間レベルで国際的な政策対話と協力を推進する公益法人である日本国際交流センターは、次のことを指摘しております。
その内容は、日本の人口減少が続く中、政府は、実質的に外国人の定住を前提とした政策にかじを切り、外国人受入れ体制の整備を急ピッチで進めている一方で、一般国民の意識がまだまだ変わっていない、人手不足だから仕方ないと、非常に後ろ向きな考えで外国人の流入が進んでいるというものです。同センターは、二○四○年代には在留外国人が一千万人を超え、人口の一割が外国人になれば、様々なサービスも刷新され、ビジネスチャンスも広がっていく、日本は、明治初期の文明開化のように異文化を取り入れてきた歴史があり、発展してきたお国柄であるから、国民の意識を奮起して、日本の将来を見据え、外国人との共生を進めるべきであるとも主張しております。
本区における本年十月時点での住民基本台帳による外国人住民の数は、一万二千二百五十八人です。本区民に対する割合は約六・六%であり、増加傾向にあります。本年四月にまちびらきが行われたHARUMI FLAG周辺や本庁舎では、外国人住民であると思われる方と多くすれ違うようになってまいりました。今後は、どのように外国人住民と向き合い、生活環境において共生していくのかが大変重要になってくると考えております。
外国人住民の中には、ごみの出し方など、地域のルールや町会・自治会のことをよく理解していない方もいらっしゃいます。生まれ育った文化、風習の違いに起因して、時には地域住民とトラブルになることもあると伺っております。このような背景には、外国人住民にとって、地域に関する情報の入手が困難であること、また、言葉が分からないため、地域の活動に参加することが難しいことや、地域活動への参加の可否や自身の興味を地域の皆さんに伝えるすべが分からないことなど、様々な課題があると考えております。
ここで、お尋ねいたします。
本区において、外国人住民への情報の周知方法の現状と課題をお示しいただけますでしょうか。
次に、外国人住民が地域活動に参加できる取組についてです。
多文化共生に関して先進的な取組を行う新宿区は、平成二十四年度から、学識経験者、一般区民、多文化共生の推進をする方、地域活動を担っている方から構成する新宿区多文化共生まちづくり会議をつくりました。この会議の目的は、区長の附属機関として、多文化共生のまちづくりを総合的かつ効果的に推進することです。この構成委員三十二名の中で十五名の外国人の方が選任されており、日本人と外国人とをつなぐパイプ役を担っております。
長野県松本市は、多文化共生キーパーソン事業を立ち上げております。多文化共生キーパーソンとは、国籍を問わず、様々な活動のパイプ役となって活躍していただける方を指します。この方をキーパーソンとして登録し、誰もが地域の一員として活躍できる環境づくりのために尽力していただいています。キーパーソン登録者には、これまで外国人住民と関わってきた方が多く、行政手続等の情報提供やイベント等への参加など、外国人住民に多岐にわたって寄り添うことができる方々のようです。特に、災害発生時の声かけが非常に重要な役割となっており、外国人にとって大きなよりどころとなっております。
これらのように、地域コミュニティの中で様々な立場の方々が協力し、孤立しがちで心細さを抱くような外国人住民に寄り添い、サポートする存在が必要であると強く感じております。地域住民と行政機関、そして外国人住民とが話合いの機会を持ちながら、共に仲よく豊かな暮らしを送れるよう、さらなる施策が必要であると考えておりますが、御見解をお聞かせください。
次に、動物、ペットとの共生社会に向けた取組についてです。
現代において、犬や猫、鳥などの動物は生活に潤いや安らぎを与え、今や家族の一員となるほど重要な存在となっております。このような環境の中、本区として、災害時にペット同行避難が行えるよう、災害マニュアルの整備や、全防災拠点にペット同行避難の設置を進めていただいているところです。日常生活においてペットと快適に暮らすために、家族とペットが共に、一緒に入れる店舗を紹介する冊子などを作ってほしいと、区民の方より御要望をいただきました。現在、ペットと入れるお店や快適に過ごすことができる施設を探すには、インターネットサイトを調べる、お店に直接電話をして問い合わせる、ペットを飼っているコミュニティの中で情報を得るなどの方法があります。サイトを調べても、そのお店がどれぐらいペットフレンドリーなのか、また、どんな設備が備わっているかなど、詳細な情報を見つけることは難しく思われます。
持続可能なペットフレンドリー社会の実現を目指すソーシャルプロジェクト、WITH PET PROJECTでは、ペットオーケーステッカーを作成し、これをレストラン、カフェ、公共施設、交通機関、商業施設、オフィスビルなどに掲示してもらう活動を進めております。このプロジェクトでは、ペット同伴可能な場所を分かりやすくし、ペットを連れていく方に利用しやすい環境をつくるだけでなく、ペットを連れていない方にも配慮された社会づくりを目指しております。愛犬・愛猫にとっても、飼い主にとっても、そうでない方にとっても快適に過ごせる社会をつくるため、飼い主がマナーを知るためのガイドブックも作成し、配布しているとのことです。
ペット同伴可能であることを示す標識を施設や店舗等に配布するとともに、それを紹介する冊子やサイトを作成するなど、ペットと共生できるまちであることを示すことは、大変有効なシティプロモーションの一つにもなり得ると考えております。また、ペット同伴可能な施設や店舗の魅力発信にもつながると思います。ペットとの共生社会に向けたまちづくりに最も重要なことは、ペットを飼う方だけでなく、ペットに抵抗感のある方やアレルギーを抱える方たちなど、どの立場の方々にとっても快適で暮らしやすいまちであるということです。
本区としても、ちゅうおう食べきり協力店のステッカーのようなペット同伴可能ステッカーを作成、配布する取組を進めていただき、どの立場の方にも分かりやすい仕組みが必要ではないでしょうか。
また、ペット同伴可能な施設やレストランなどの情報だけではなく、ペットの飼い方などの基本的な情報とともに、困ったときの相談先一覧、ペット同行避難の手引きなど、ペットとの暮らしの情報をまとめたガイドブックの作成も進めていただきたいと考えております。
本区として、ペットを飼っている方も、そうでいない方も笑顔で共生できる社会づくりについてどのようにお考えでしょうか。
また、動物、ペットと共生できるまち中央区として、さらなる支援を推進していただきたいと考えますが、御見解をお示しください。
次に、ペットを飼う高齢者への支援についてです。
ペットとの暮らしには多数の幸せがあり、特に高齢者にとっては、生活に張りを与え、健康維持にも効果があるとされております。高齢になるにつれ、ペットのお世話をする上で困難なことが増えてくると思いますが、ペットが命を終えるまで適切に飼う義務があると思います。本区としては、令和四年度から、ボランティア団体である動物と暮らしやすいまちづくり会と協働し、相談窓口の一本化を図る等の体制を整備されているところです。
この分野の先行事例として、福岡県古賀市では、官民とボランティアが連携したペットと暮らすシニアの備えサポートを開始し、事前の備えに不安がある高齢者に向けて、ケアマネジャーが訪問し、シニアとペットの安心した暮らしのためのチェックリストに基づいて説明しているようです。高齢者との面談にて状況の把握をした上で、サポートが必要であると感じた高齢者について行政に連絡し、連絡を受けた行政側とボランティアとが高齢者宅を訪問、適切な支援をする仕組みとなっており、いわゆるアウトリーチ支援を行っております。ペットと同居する高齢者の情報を早期に把握することで、急な入院などでお世話ができなくなった場合や、施設に入所することになった場合など、即座に対応することができるとのことです。
大田区では、介護職員の方々に向けて、ペットを飼っている高齢者について、可能な限り状況を確認し、支援につなげていただけるよう、チェックリストを載せたパンフレットを配布しております。
ここで、お尋ねいたします。
本区におけるペットを飼う高齢者の支援の現状と課題をお示しいただけますでしょうか。
また、ペットの管理問題が解決できれば、高齢者の方々が住み慣れた地域で安心して長く暮らすことができると思っております。高齢者とペット双方において、さらに進んだ支援が必要であると考えますが、御見解をお示しください。
次に、アクティブシニアの力を生かす取組についてです。
全国的に、現役を引退した高齢者の多くが新たな活動場所を見いだせずにおりますが、今後、本格的な人材不足が見込まれる中、地域の活力やにぎわいを維持するためには、高齢者がセカンドライフで活躍できる場所をつくることが大変重要であると考えております。本区においては、令和五年三月、中央区高齢者の生活実態調査および介護サービス利用状況等調査の中の支え合い・たすけあいについての設問の中で、地域づくりへの参加意向割合は、「是非参加したい」、「参加してもよい」を合わせると五七・三%と半数を超えております。また、中央区民カレッジのシニアコースでは、学習意欲のある六十歳以上の区民の方々が学びを深め、毎年多くの卒業生を輩出しております。
神奈川県鎌倉市では、多くの歴史的遺産や文化財を抱える都市ですが、高齢者に対し、鎌倉の文化財や知識を学んでいただき、海外からの旅行者ガイドをしてもらう事業を行っております。
また、令和六年九月三日の福祉保健委員会の際にも、千葉県柏市のかしわ生涯現役窓口を御紹介いたしましたが、この窓口は、現役世代の五十代や六十代の方の現在のスキル、資格を含めた過去の経験などを再整理し、相談から活躍まで、さらには就業だけでなく、ボランティア情報や地域のサークル活動に至るまでの展開をワンストップ窓口として支援しております。さらに、柏市は、東京大学、UR都市機構とともに、生きがい就労事業を展開しております。この事業の特徴は、週に一日から三日、一日当たり一時間から三時間である短時間就労で、人材不足が顕著な農業や保育、生活支援、福祉サービスなどの分野において、生きがい就労の場を提供しております。
アクティブシニアの活躍の場を広げるために、シルバー人材センター、元気高齢者人材バンク、退職後の生き方塾などの窓口を一本化し、特に人材不足が顕著な介護や保育などにおいて、就労やボランティアの機会の創出を進めていただきたいと考えます。本区として、アクティブシニアの活躍の場については、どのようにお考えでしょうか。
また、今後、ますます地域の中で必要となってくるアクティブシニアの力を生かす取組の強化について御見解をお示しください。
次に、スポーツを通した多様性を認め合い、尊重し合える取組についてです。
本区では、以前から、年齢や性別、国籍、障害の有無など様々な違いを認め合い、お互いを尊重し合いながら生きていくダイバーシティ&インクルージョンの実現のため、様々な政策を導入してまいりました。教育分野におきましても、特別な配慮を有する児童・生徒が普通級の児童・生徒と同じ学習ができる環境整備などに積極的に取り組んでおります。スポーツの分野においても、インクルーシブな環境を整え、障害のあるなしにかかわらず、誰でも同じようにスポーツを楽しむことができる環境づくりを進めるべきだと考えております。
本区では、障害者スポーツ体験会や、主にボッチャの機会を提供している障害児・障害者を対象としたスポーツ・レクリエーション教室、親子ボッチャ体験会が開催されておりますが、障害のある方と障害のない方が共に運動を楽しめるよう、積極的に促すことを目的とした体験会、交流会はありません。また、区民スポーツの日のスポーツイベントの中には、キャンピングエリア、グラウンドゴルフやボッチャやバッゴーなどのニュースポーツコーナーは、バリアフリー種目として誰でも参加が可能でした。しかし、ボッチャやバッゴーなどのニュースポーツは、障害のある方が参加できる時間帯と、誰でも参加できる時間帯が分けられていたと認識しております。
年齢、性別、運動神経、障害のありなしなどにかかわらず、誰もが楽しめるよう工夫された新しいスポーツの在り方の一例として、ゆるスポーツを御紹介いたします。ゆるスポーツの種目の一つに、イモムシラグビーという競技があります。イモムシラグビーは、全員がイモムシウェアを着ることで、プレーヤー全員が平等に足を使うことができない状態になります。このような状態になると、足が不自由な方は自宅などで車椅子がない際に手を使うことが多いことから、手の力を使って健常者よりも活躍することが多いようです。
鳥取県では、あいサポートフェスとっとり二○二四というイベントの中でも、ゆるスポーツ大会が開催されております。鳥取県では、県と地域の介護福祉従事者の方が考えたオリジナルのゆるスポーツ競技があります。鳥取県の特産品である松葉ガニになり切って行うポートかーにバルというゆるスポーツで、横歩きのみしか動けないという制限がつけられたサッカーのような競技です。この競技は、高齢者や足の速さにコンプレックスを持つような方も楽しく運動することができるようになっております。
このように誰もが気軽に楽しめるスポーツは、健康の推進を深めるだけではなく、地域の方々と共に行うことで地域とのつながりをつくり、多様性の理解を深める実体験にもなると思っております。本区の施設をはじめ、様々なリソースを活用し、誰もが平等で健康にスポーツを楽しめる機会の創出が必要であると考えております。本区として、スポーツを通して多様性を理解し、地域とのつながりを深めるためにも、誰もが共に気軽に楽しめるスポーツの機会を積極的に提供していくことが必要ではないかと考えますが、本区のお考えをお示しいただけますでしょうか。
次に、小・中学校の児童・生徒の健康を守る取組についてお尋ねいたします。
児童・生徒が安心して受診することができる小・中学校の健康診断についてです。
小・中学校における健康診断は、児童・生徒が健康に学校生活を送るに当たって、自身の健康状態を理解するとともに、保護者や教職員がこれを把握し、適切な指導を行うことにより、児童・生徒の健康維持や増進を図るために、学校保健安全法の規定に基づき、毎学年、定期に行うこととなっております。
昨今、全国では、健康診断時の服装や場所の在り方などについて保護者から配慮を求める声が上がっております。健康診断については、服装など特に定めがなく、地域や学校によって運営状況が異なっております。文部科学省は、令和六年一月に、通知、児童生徒等のプライバシーや心情に配慮した健康診断実施のための環境整備についてにおいて具体的な取組例を示し、児童・生徒のプライバシーや心情に配慮して健康診断を実施するように通達しております。この通知の中では、検査・診察時には児童・生徒等の体が周囲から見えないよう、囲いやカーテン等により個別の検査・診察スペースを用意するということや、特に配慮が必要な児童・生徒等については、検査・診察の時間や場所を工夫するなど、個別の対応を行うということなどが示されております。
また、令和四年十二月に公表された改訂版生徒指導提要には、性的マイノリティとされる児童・生徒に対して、服装や髪型、授業など、学校における支援の事例が示されています。日本の性的マイノリティの割合は、正確な割合は不明で、調査機関や調査方法によって異なりますが、ある調査では、人口の三から五%と言われております。三十五人学級の場合、性的マイノリティの児童・生徒は一人ないし二人いるということになります。
健康診断の質を担保し、児童・生徒が安心して受診することができる健康診断について、ここでお尋ねいたします。
本区における小・中学校の健康診断の現状について、どのような環境で実施されているのかお示しいただけますでしょうか。
また、現状の体制に対して課題などがありましたら、併せてお示しください。
次に、小・中学校の保健調査票の記入項目についてです。
子宮内膜症は身近な病気であり、生理痛で医療機関を受診した女性のうち、その発症の割合は二十代で三割、三十代で五割、四十代で七割です。しかしながら、一方で、多くの子供たちや働く女性は、生理の異常を感じても病気であるとは考えずに、受診をせず、その発見が遅れがちになっています。生理の異常の早期発見や重症化を予防するため、令和三年七月に内閣府を含む関係省庁は、女性のライフステージや生活環境に寄り添った支援を行い、気づかれにくい不妊リスクをなくしていくために、不妊予防支援パッケージを発表いたしました。この不妊予防支援パッケージにおける具体的な支援の一つとして、小・中学校の健康診断時の保健調査票の記入に際し、月経前、そして月経中の下腹部痛などの身体的症状、いらいらなどの精神的症状の月経随伴症状に関して記載する仕組みを追加することにより、必要な児童・生徒を適切に産婦人科医の受診へつなぐ取組について検討するとされています。また、ほとんどの中高生女子は、月経痛やPMSがあっても婦人科に行かないということが記載されています。
令和三年十二月の文部科学省の事務連絡、児童生徒等の月経随伴症状等の早期発見及び保健指導等の実施についてには、毎年度定期の健康診断を実施する際の保健調査票等に女子の月経随伴症状を含む月経に伴う諸症状について記入する欄を設け、保護者にもその記入について注意を促すなどにより、所見を有する児童生徒等を的確に把握し、健康相談や保健指導を実施したり、必要に応じて産婦人科医への相談や治療につなげたりするなど、適切に対応いただくようお願いしますという文言が記載されております。
本区においても、児童・生徒の生理の悩みに対し、早期発見と早期治療につなげるために、健康診断の保健調査票において月経随伴症状等に関する項目の追加が必要だと考えておりますが、保健調査票に月経に伴う体の変化や心の悩みなどの諸症状に関する記入欄を設けているのでしょうか。
健康診断時の対応と児童・生徒が相談できる体制も含めまして、本区の現状と御見解をお示しください。
以上をもちまして一回目の質問を終わります。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
永井佳代議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、外国人住民への情報の周知方法の現状と課題についてであります。
外国人住民が日々安心して日常生活を送るためには、必要な情報を適切に入手し、地域における相互理解を促進することが重要であると認識をしております。そのため、区では、外国人向け生活ガイドブックを転入時に配布するとともに、区ホームページの自動翻訳により最新の区政情報を提供しているほか、窓口においては、多言語に対応したタブレット端末等による通訳サービスを実施しております。また、本年十月から、区広報紙において、日本語を含めた十言語での自動翻訳や音声読み上げに対応している電子配信サービスを開始し、外国人住民を含めた区民への情報発信のさらなる強化を図ったところであります。その一方で、自身が必要としている情報がどこから発信されているか見つけることができないといった声が寄せられており、課題として挙げられます。そのため、来年改訂予定の生活ガイドブックを工夫し、こうした課題に対応してまいります。区といたしましては、今後も外国人人口が増加していく中、外国人住民が本区への親しみを持ち、安心して暮らせるよう取り組んでまいります。
次に、外国人住民が地域で豊かに暮らす取組についてであります。
外国人住民が孤立することなく、豊かに日常を過ごすためには、良好なコミュニケーションの下、異文化理解、相互理解による多文化共生が促進されることが重要であると認識しております。そのため、区では、大江戸まつり盆おどり大会などのイベントでも、様々な方々との交流を通して、良好なコミュニケーションが醸成されるよう努めております。また、文化・国際交流振興協会においては、日本と外国の文化を紹介する国際交流のつどいや、日本文化を体験しながら交流を深める国際交流サロンなどを実施し、異文化理解、相互理解を促進しており、こうした取組により、多文化共生の促進を図ってきたところであります。しかしながら、今後も外国人人口の増加が見込まれることに加え、本区はマンション居住率が九五%という、顔の見える関係が築きにくい環境にあることから、外国人住民に寄り添った施策のさらなる充実が必要であると認識しております。そのため、今後とも、都心区である本区の特性を踏まえた取組について検討してまいります。
次に、ペットと共生できる社会づくりについてであります。
ペットは、飼い主にとって家族の一員であり、大切な存在である一方、動物が苦手な方やアレルギーのある方などもいることから、基本計画二○二三に掲げる人と動物との調和のとれた共生社会の実現に向けては、ペットを飼っている人と飼っていない人の相互理解が重要であると考えております。相互理解を促進していくためには、飼い主による適正飼養の義務の遵守とともに、飼っていない方にもペットの存在意義について理解を深めていただくことが必要であります。区では、飼育に関する情報をホームページで発信するほか、動物との共生推進員等との連携による犬のしつけ方教室や動物愛護特別講演会の実施などの啓発活動を行うとともに、災害時のペット同行避難など、ペットの飼育に対する理解の向上に取り組んでいるところです。区といたしましては、今後も相互理解を深めるための取組を継続的に実施することにより、人と動物との共生の推進を図ってまいります。
次に、ペットを飼う高齢者への支援についてであります。
高齢者の中には、自身の健康問題などにより、ペットの飼育に不安を持つ方もいることから、動物と暮らしやすいまちづくり会が窓口となり、おとしより相談センターとの連携による相談支援を行うとともに、一時的な預かり先や譲渡先の調整などの支援を行っているところです。その一方で、突発的な入院等により飼育が困難になった場合には、本人の同意や御家族との調整に時間を要し、ペットだけが自宅に取り残されてしまう、こういった事案が発生するなど、緊急時の対応が課題であります。区といたしましては、こうした状況を踏まえ、事前の備えとして、引取り先の設定を促すなど、終生飼養に向けた普及啓発を推進するとともに、緊急時に迅速な対応ができるよう、関係機関や区内ボランティアと情報を共有し、連携の強化を図ってまいります。
次に、アクティブシニアの活躍の場についてであります。
高齢者が、これまで培った経験や能力を生かし、地域の中で活躍できる場や機会の充実を図ることは、社会参加や生きがいづくりなどに資するものであり、今後の高齢者の増加を見据えると、さらに重要性を増すものと認識しております。そのため、区では、現在、退職後の生き方塾の開催や元気高齢者人材バンクの登録のほか、元気応援サポーターの育成など、高齢者の地域活動のきっかけづくりに取り組むとともに、シルバー人材センター等と連携し、保育や介護現場での仕事も含めた就労機会の確保についても支援しております。
次に、アクティブシニアの力を生かす取組の強化についてであります。
充実した高齢期に向けた様々な区の施策をより多くの方に御活用いただくためには、周知の強化が重要であります。そのため、今年度からは、各部署が所管している地域のボランティアやサークルについても一元的に御案内できる窓口機能の整備を進めているところであります。さらに、高齢者通いの場等の代表者への元気高齢者人材バンクのPR会のほか、シルバーワーク中央のはるみらいでの出張登録会の開催などを企画するなど、アクティブシニアの活躍の場の拡大に努めております。区といたしましては、今後も関係部署と連携を図るとともに、来年度実施予定の高齢者の生活実態調査などにおいて、改めて本区の高齢者の状況とニーズの把握に努め、高齢者が地域で生き生きと暮らし続けられるよう、社会参加の推進に積極的に取り組んでまいります。
次に、誰もが共に気軽に楽しめるスポーツの機会の提供についてであります。
互いの個性を尊重し、心豊かに暮らせる地域社会を実現するためには、相互理解を促進することが何よりも重要であります。そのため、子供から高齢者まで、障害の有無にかかわらず、誰もがスポーツを共に楽しむ機会を提供することは有効な手段であります。区では、これまで、障害のある人に気兼ねなくスポーツを楽しんでいただくため、スポーツ体験会やスポーツ・レクリエーション教室、区民スポーツの日での特設コーナーなど、様々な取組を展開してまいりました。こうした中、今年行われたパリ二○二四パラリンピック競技大会での日本人選手の活躍は、障害のある人に大きな勇気を与えるとともに、障害のない人が障害者スポーツへの理解・関心を高める機会となりました。区といたしましては、こうした絶好の機会を捉え、御紹介いただいた事例も参考にして、例えばボッチャでは、障害のない人は椅子に座って車椅子の方と対戦するなど、共に楽しんでいただけるよう、教室等の実施方法を工夫してまいります。こうした取組を進めることにより、障害者スポーツの裾野を広げつつ、相互理解を促し、お互いを尊重し合う地域社会の実現に取り組んでまいります。
私からの答弁は以上であります。
〔教育長 平林治樹君登壇〕
○教育長(平林治樹君)
教育問題についてお答えします。
健康診断における子供たちへの配慮と保健調査票についてであります。
区立学校では、健康診断に当たり、体操服を着用の上、実施をしております。また、検査・検診時はパーティション内でプライバシーに配慮し、養護教諭等の立会いの下で実施するなど、児童・生徒に寄り添った対応を行っております。こうした対応については、理解を深めるため、保護者に対しても周知に努めてまいりたいと存じます。また、お尋ねの女子児童・生徒への体調確認については、健康診断時のみならず、養護教諭を中心に対応しているほか、不安や悩みなどがある場合には随時相談できる場として、保健室を位置づけ、子供たちの健康観察に取り組んでおります。なお、保健調査票の様式については、文部科学省の通知に基づき、既に変更し、対応しております。
答弁は以上であります。
〔八番 永井佳代議員登壇〕
○八番(永井佳代議員)
それぞれに御答弁をいただき、ありがとうございます。
まず、中央区基本計画二○二三の基本政策、互いに尊重しあって心豊かに暮らせるまちについて、本計画の十年後の中央区の姿として、誰もが個人の尊厳を尊重し、年齢、性自認、性的指向、国籍、文化、障害の有無等の多様性や価値観を認め合う機運が醸成されています、また、すべての人々の人権と個性が尊重され、性別にとらわれることなく、誰もが自分らしい生き方を柔軟に選択し、家庭、仕事、地域などのさまざまな場面でいきいきと活躍していますと掲げております。この十年後の姿を着実に実現させるために、今回は、多文化共生に向けた取組について、動物、ペット共生に向けた取組について、アクティブシニアの力を生かす取組について、スポーツを通した多様性を認め合い、尊重し合える取組について順次質問してまいりました。
社会に生きる誰もが、必ず何かの側面では少数派に属しています。少数派であっても差別されない社会、多様性が認められる社会は、一人一人の生き方が大切にされた安心できるまちとなります。近年では、多様性を土台とし、自治体ごとにどんな色をつけていくかが重要となっております。今後も、区民の方の輝きが織りなす輝く未来へ向けて、中央区スタイルの推進をお願いいたします。
次に、児童・生徒が安心して受診することができる小・中学校の健康診断についてですが、既にプライバシーや心情に配慮された健康診断の環境整備がなされていること、保健調査票の記入欄についても既に設けられていることを確認いたしました。
月経随伴症状は将来の不妊につながるおそれがあり、児童・生徒の正しい理解が大変重要となります。そして、保護者の方にも正しく理解していただき、児童・生徒を適切に婦人科の受診へとつなげていくことも大切になってくると思います。
今後もさらなる推進を要望させていただき、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○二十三番(木村克一議員)
議事進行について動議を提出いたします。
ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。
午後五時八分 休憩
午後五時三十分 開議
○議長(瓜生正高議員)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。七番白須夏議員。
○七番(白須 夏議員)
士魂の会の白須夏でございます。令和六年第四回定例会一般質問を質問通告に沿って始めさせていただきます。区長並びに理事者の皆様には、明確な御答弁をよろしくお願いいたします。なお、御答弁の内容によりましては、再質問を留保させていただきます。
終戦八十年を来年に控え、国際化、高齢化、デジタル化等、社会は大きな変化の中にあります。また、新型コロナウイルス感染症の流行は、社会のあらゆる側面に影響を及ぼし、生活様式や働き方、教育、経済の在り方に変化が生じました。社会・経済活動は落ち着きを取り戻しつつあるようにも見えますが、新たな課題への備えを常に行っていかなければならないと感じます。
初めに、教育分野について、未来を担う子供たちが変化の激しい時代を柔軟性を持って生き抜いてほしいという思いで質問させていただきます。
昨年十二月、OECDが発表したPISA二○二二について申し上げます。PISAとは、OECDが三年ごとに八十一か国に実施している、十五歳を対象にした学習到達度調査です。その結果、日本は課題とされていた読解力が大幅に改善し、全ての分野で平均得点や順位が上昇して、世界トップレベルとなりました。今回の結果は、新型コロナウイルス感染症のために休校した期間が他国に比べて短かったことや、学校現場の取組が影響したと見られています。
そのような中、懸念点の一つである家庭の教育力について着目したいと思います。日本の子供の視点から見ると、子供に対する保護者の支援が著しく低いという調査結果があります。生徒の成長について進んで話す保護者の割合も、世界で七十三位と、下から九番目の低さでした。それにより、日本の最大の問題は親子関係にあり、保護者と子供との関係、寄り添い、支援が大きな課題であること、生徒の学力は高いが、不安感や自己肯定感などの課題が見えてきました。OECDの子供のウェルビーイング・ダッシュボードにおける日本の子供たちの状況によりますと、困難に直面したとき、大抵解決策を見つけることができる自己肯定感がある子供、自分の人生には明確な意義や目的があると感じる子供、全体として人生に満足していると感じる子供の割合は、他国と比較して極めて低いという結果が出ています。そこで思いますのは、児童・生徒のことを考える際に、日本では学校の問題として取り扱うことが多くなっていますが、本来は御家庭や保護者による影響が大きいのではないかということです。
昨年九月、愛知県では、名古屋市を除く公立小・中・高校で児童・生徒が年に三日ほど平日に休むことができるラーケーションの日が導入されました。ラーケーションとは、不思議な造語ですが、学習を意味するラーニングと休暇を意味するバケーションを組み合わせて、学びを目的として休暇を楽しむことを指すそうです。子供は、親と共に、自らの企画により家庭や地域などの郊外で遺跡や博物館、美術館へ行ったり、海や山などの自然に触れたり、様々な体験や探求活動を実行できます。わざわざこのような施策を実行するかどうか疑問ではありますが、子供の教育の第一義的責任は親にあるということを再認識する機会になればよいと思います。本区の保護者は、どのように自分の子供と接し、関係を深める時間確保の努力をしているのでしょうか。家庭、保護者に対する支援、教育力向上や親子関係が希薄な家庭への支援にもっと力を注ぐ必要性を感じます。
そこで、伺います。
本区の教育の現場から見た家庭の教育力、親子関係に対する現状と課題についてお聞かせください。
次に、外国人児童・生徒等への教育について伺います。
少子高齢化で人口減少社会が進展する中、外国人の存在感が高まってきています。特に、都心部では外国人増加率が高くなってきており、本年六月一日時点の人口を五年前の令和元年六月と比較すると、二十三区全体で外国人人口は四十七万五千四百五十七人から十万人近く増え、五十七万三百八十九人であり、五年前と比較して約一・二倍に増加しています。増加率が高かったのは、銀座、日本橋などの繁華街やオフィス街、タワーマンションの多い臨海部がある我が中央区で、五年前の七千八百人から約一・五倍の約一万一千七百人に増えています。また、本区は、外国人に占める中国人の割合が五年前の四三%から五一%に増加したという特徴があります。
確認させていただきたいのは、本区の小・中学校に通学し、日本語が話せない児童・生徒についてです。本区では、日本語指導が必要な児童・生徒への対応として、学校の空き教室を使用し、日本語の個別指導が行われていると認識しておりますが、今後さらに外国人児童・生徒が増えると予想され、適切な指導体制を構築する必要性を感じます。
そこで、伺いたいと思います。
日本語が話せない児童・生徒の人数、国籍、対応状況と個別指導による日本語の習得具合、また、学校からの配布物等を正しく理解できているのかどうか、また、学校内での様子についてお聞かせください。
さらに、言葉だけではなく、文化や価値観の違い、習慣等についての課題をどのように認識、対応しているのか確認させてください。
次に、修学旅行について伺います。
生徒の修学旅行の目的は、教育的な意義と社会的な経験を深めることであると思います。社会的なマナーと協調性の育成、歴史や文化の理解、自己成長と自立心の養成、友人との絆の深化、異文化体験や自然体験、これらの経験を通じて、生徒は社会的・文化的な視野を広げ、成長する機会を得ることが期待されています。
港区では、今年度の区立中学校の修学旅行先を、従来の京都、奈良からシンガポールに変更しました。全公立中の修学旅行を海外で実施するのは、都内では初めてとなっており、異文化を体験して国際理解を深めることが狙いとして、事業費五億一千二百万円を投じています。
修学旅行で海外に行くことは、友人たちと異文化を体験して国際理解を深めるための有効な教育活動の一つではありますが、その中に、問題ではないかと思われるプログラムがありました。それは、水族館でのバックヤードツアー、自然の中でのトレッキングを通じた生物多様性教育などのほかに、シロソ砦やディスカバリーセンターでの平和教育が含まれていたことです。シロソ砦は、一八八○年代にイギリス軍が造った要塞で、一九四二年のシンガポールの戦いで日本の占領が始まって以降は、日本軍管理下の捕虜収容所として使用された場所で、日本軍が暴力的な虐待行為を行ったと強調される展示がたくさんあり、楽しいはずの修学旅行の思い出が、日本人としての誇りを奪われかねない体験になる可能性を秘めています。これまでも、歴史の一面だけを強調すると思われる施設を見学する修学旅行が行われた例がありました。韓国へ行き、ソウル市内にある独立運動記念公園で謝罪文を朗読させたり、従軍慰安婦だったと称する女性の話を聞き、全員で謝罪をさせる修学旅行を行った学校もありました。
そこで、伺います。
本区におきまして、区立中学校の過去五年間の修学旅行先、そして、何を学ばせたく、どのような意義を持って決定し、修学旅行を行っているのか、さらに振り返り授業についてお聞かせください。
次に、金融教育について伺います。
小・中学校で、企業や団体と連携した金融教育が広がりを見せています。今年一月、日本財団が教育をテーマに行った十八歳意識調査で、義務教育期間にもっと学んでおきたかったと思うことは、生きていく上で必要なお金に関する知識や能力を身につけること、金融リテラシーが最も多く、二○・五%の方がそのように回答しています。社会で生きていくために必要な金融や経済に関する基礎知識を身につけることを目的とした金融教育は、有用だと考えております。
本年七月の教育長就任挨拶におきましても、職業観や勤労観を培うキャリア教育とともに、金融リテラシーを向上させる金融教育なども必要な分野になりつつあると認識しておりますというお言葉がありました。日本人はお金の話を避ける傾向がありますが、キャッシュレス化が進む中、お金の価値、大切さを理解する機会があればよいと思います。小・中学校での金融教育を体系的にカリキュラムに組み込み、学年ごとに段階的な知識を身につけられるようにすることが重要だと考えます。例えば、小学生にはお金の基本的な使い方や貯金の大切さを、中学生には収入のバランス、家計管理の規則などを学べる内容を取り入れることも有用と考えます。本区には、多くの金融機関や企業があります。職場見学や金融のプロフェッショナルからの講義を通じて、実践的な知識を学べる場を設けたり、また、東京証券取引所で経済の仕組みをじかに学ばせていただいたり、児童・生徒に対する金融教育を充実させることは大変意義深い取組だと考えています。企業で行っている金融経済・投資等に関する出前授業を取り入れた小・中学校も多くなっています。
そこで、伺います。
本区の小・中学校における金融教育の現状と今後のお考えについてお聞かせください。
中央区制施行八十周年に向けて申し上げます。
本区は、日本を代表する商業・経済の中心地区で、多くの側面で日本全体に貢献しており、観光地、居住地としても注目されています。力強い人口増加が続いており、地方から移り住んでいらした方もたくさんいらっしゃって、ふるさとがあるから頑張れると日々奮闘している方も多いと感じます。
本区では、花の都中央区宣言を制定し、花や緑で包まれた美しいまちづくりに取り組んでおり、歩いてみますと、道路脇や公園、屋上庭園にはたくさんの花々が咲き誇り、多くの方々に安らぎを与えてくれます。屋上も大いに有効活用されており、中央区銀座にある銀座中学校の屋上には、福島市の菜の花が植えられています。これは、毎年、福島市の西信中学校の生徒の皆さんが菜の花の苗を持って訪問し、銀座中学校の皆さんと御一緒に植え、交流を続けているもので、私も参加させていただいた際には、大変心温まる思いがいたしました。この菜の花交流プロジェクトで福島市から届いた菜の花の苗は、銀座三越、松屋デパート屋上庭園にも植えられています。都心部と地方の交流意義は大変大きいと考えており、東京のまん真ん中に地方の花がきれいに咲き誇ることはすばらしいと思います。
そこで、御提案させていただきます。
本区に全都道府県の花、各都道府県を象徴する花がそろえてあればよいと思いますが、いかがでしょうか。
各花の植栽場所に簡単な解説パネルや、スマートフォンで読み取れるQRコードを設置し、花にまつわる挿話や、その都道府県の特色を紹介するのもよいかと思います。これらの取組を通じて、様々な地方との連携のきっかけをつくり、さらには本区が我が国全体によい影響を与え、持続可能で魅力ある都市として、他の地域の発展にも寄与することも期待できます。
中央区制四十周年には公募が行われ、区の木が柳、区の花としてツツジが制定されました。本区では、地域の美化活動が盛んで、区民やボランティアの方々が花壇の手入れや植栽活動に参加しています。このような取組は、区の景観を美しく保つだけではなく、地域コミュニティの活性化や住民同士の交流促進にもつながっています。花の都中央区として、さらに豊かな景観を演出するためのお考えがあれば伺いたいと思います。
令和九年三月には、中央区制施行八十周年を迎えます。この節目の年は、中央区の歴史と伝統を見詰め直し、区民の皆様の絆や地域への愛着を深める機会と言えます。八十年の歴史の中で、本区は経済、文化、福祉など多方面で発展を遂げてきました。特に、住みやすいまちづくりに注力し、地域福祉の充実、自然環境の保護、文化の発信に力を入れてきたことは、今日の中央区の礎になっていると感じます。次世代に誇れる中央区へ向かっていくこと、引き続き区民の皆様の生活を守っていくことが重要と考えます。これからの中央区の展望について、区長の思いをお伺いしたいと思います。
これで一回目の質問を終わります。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
白須夏議員の御質問に順次お答えいたします。
全国の花が咲く中央区に向けた取組についてであります。
区では、これまでも銀座中学校での交流や、友好都市である東根市からのサクランボの植樹など、花や緑をきっかけとした多くの交流を行ってまいりました。また、銀座・築地周辺みどりのプロムナード構想においても、各都道府県の花や木を配置するとしており、全国とのつながりを掲げているところであります。花や緑に包まれた清潔で美しく、潤い豊かなまちづくりこそ、本区に生活する私たち全ての願いであるとの思いを込め、平成元年四月、花の都中央区宣言をいたしました。今後も、特徴のある花木の植栽や彩り豊かな花壇の設置などを通じて、豊かな景観を形成してまいります。本区は、昭和二十二年三月、当時の日本橋区と京橋区の統合により誕生いたしました。江戸開府以来、常に日本の文化、商業、情報の中心としてあり続けてきたのは、日本全国から集まった人々が、このまちに住む人々と共に、活気とにぎわいを発展、継承してきたからであります。今も本区に日本各地のアンテナショップが点在することは、地方と共存共栄してきたことを示すものと考えております。令和九年三月には、区制施行八十周年を迎えます。今後も引き続き機会を捉えて、様々な都市との交流を充実させていくとともに、本区に住み、働き、集う全ての人々の地域への誇りや愛着心を醸成するべく、シティプロモーション事業にも力を尽くしてまいります。こうした取組により、内外に向けた本区ブランド力の向上と地域コミュニティを活性化させることを通じて、人が集まる粋なまちを実現し、首都東京、ひいては日本を牽引してまいる所存であります。
私からの答弁は以上であります。
〔教育長 平林治樹君登壇〕
○教育長(平林治樹君)
教育問題についてお答えします。
初めに、家庭の教育力についてであります。
家庭は子供たちの健やかな育ちの基盤であり、家庭教育は全ての教育の出発点であると認識をしております。教育現場からの家庭に関する所感といたしましては、多くの御家庭で子供に寄り添い、熱心に子育てをされ、良好な親子関係を築いているとともに、学校での教育活動にも協力的であると捉えております。一方で、家庭教育や親子関係がうまくいかないことに関する悩みや不安のほか、子供の不登校や虐待の疑いなど、課題のある御家庭についての報告を受けているところであります。教育委員会といたしましては、支援を必要としている子供や御家庭の状況を把握した際は、学校と緊密に連携し、迅速に教育センター、子ども家庭支援センター等につなげ、家庭の問題解決の支援を図っております。
次に、外国人児童・生徒への教育についてであります。
日本語指導が必要な児童・生徒は年々増加傾向にあり、このような児童・生徒が言語や生活習慣の違いを理解し、速やかに日本の学校教育に適応できるよう、日本語の習得状況に応じた語学指導員による個別指導を実施しております。令和五年度は、八十二名の児童・生徒に語学指導員を配置し、約八割が中国語、ほかには英語、タガログ語、ドイツ語等を母国語とする児童・生徒がおり、日本語の習得状況につきましては、個々の学習状況により様々でありました。学校生活の様子は、文化や国籍の違いから適応の難しさなど課題はありますが、個々の状況に応じて適宜、教員や語学指導員が日本の生活様式、マナー、ルールを指導するなど、対応しております。
次に、修学旅行についてであります。
修学旅行は、中学校三年間の学習の集大成として、知識や見聞を広め、集団生活上のルールを守ることなどを学ぶ特別活動に位置づけており、各学校のテーマに基づいて訪問先を決めております。日本の伝統文化や歴史的まち並みに触れるため、京都、奈良を訪れる歴史学習を狙いとしたものや、平和学習に重きを置いている学校は、被爆地である広島の平和記念資料館の見学や現地中学生との討論会、被爆証言者講話等の学習を通して、恒久的な平和を考える学習などの取組を修学旅行において実践しております。修学旅行の事後学習では、生徒が訪問先で得た学びや経験を振り返る中で、人権教育や平和学習、伝統・文化を理解する国際教育等に結びつけた学びを深めております。教育委員会といたしましては、修学旅行の学習面はもとより、生徒相互の人間的な触れ合いを深める旅行体験として意義深いものとなるよう、引き続き支援をしてまいります。
次に、金融教育についてであります。
現代社会は、キャッシュレスやオンライン決済の普及に伴う社会経済活動が活発化しており、金融の働きを理解し、自らの暮らしについて深く考え、行動できる態度の育成が重要であると認識をしております。また、成人年齢の引下げに伴い、金融と関連させた消費者教育や市場経済の早期理解も必要になっております。現在、各学校では、学習指導要領に基づき、家庭科の授業においては、お金の大切さと計画的な使い方などを、中学校においては計画的な金銭管理の必要性や売買契約の仕組みなどについて学習に取り組んでおります。また、阪本小学校においては、特色ある教育活動として、会計士やファイナンシャルプランナーをゲストティーチャーに招いた授業や、仮想の店舗販売体験を行っております。今後とも、子供たちの金融リテラシーを高め、社会経済の仕組みを理解していくことを通して、主体的に判断し、行動できるよう、区内の金融機関等との連携を視野に入れながら、金融教育の充実を図ってまいります。
答弁は以上であります。
〔七番 白須 夏議員登壇〕
○七番(白須 夏議員)
それぞれに御答弁ありがとうございました。
変化の激しい時代を迎えて、子供一人一人の課題や教育的ニーズが大変多様化してきております。個別最適な学びの実現、そして子供たちが安心して通学できる魅力ある学校、そして環境づくりを引き続きよろしくお願いいたします。感謝の心を忘れずに、一人一人が誇りと自信を持てるような健やかな成長を願っております。
また、十一月二十二日の御答弁で、AI通訳機の導入についてお伺いしましたが、大変便利なものでありますし、必要性がある状況なのかと推察しております。外国人児童・生徒が増えている中で、指導員の方も、なかなか見つけるのが大変だと伺いました。これからどのように活用していくかが重要で、頼り過ぎず、できれば最小限の利用となればと考えております。
また、外国人児童・生徒の皆さんが、それぞれ自ら努力して日本語を習得し、地域への愛着や愛校心を育むことができますよう見守りたいと思います。
また、本区では、人権教育を推進していると存じます。外国人児童・生徒に対して、今回は触れませんでしたが、性の多様性について、それらに対して焦点を当てた人権教育ではなくて、人は皆違って当たり前であり、その違いを認め、誰に対してでも相手を思いやる気持ちを育むことが大切だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
学校教育の中では政治的なことは扱わず、教育というのは中立性が大変大事であると、以前、委員会で伺いました。私が生徒だったときには、当時の一部の教員が授業中に思想的なことを言いたい放題、持論を展開していた記憶があります。ぜひ、中立性を重んじ、修学旅行等においても偏った考えの押しつけなどないようにお願いいたします。
また、中央区の特色を生かし、地域に根差した金融教育を行い、次世代の先導者となるような人材の育成、社会に貢献できる人材が輩出されることを期待しております。
また、全国の花咲く中央区につきましては、いつかその日を夢見て過ごしたいと考えております。
中央区制施行八十周年に向けて、本区にあふれる魅力の発信、守り続けてきた伝統の再発見にもつながりますよう、力強い実行力に期待して一般質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
○議長(瓜生正高議員)
以上をもって一般質問を終わります。
○議長(瓜生正高議員)
次に、日程第三を議題といたします。
〔伊藤議会局長朗読〕
日程第三
○議長(瓜生正高議員)
提案理由の説明を願います。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
ただいま上程されました議案第九十二号、令和六年度本区一般会計補正予算につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
今回の補正は、一般会計を一億三千六百八十八万二千円追加するものであり、補正後の予算額は一千三百八十二億三千七百五十九万円となるものであります。
それでは、概要について御説明申し上げます。
まず、歳入では、国庫支出金、都支出金、財産収入及び繰越金を増額いたします。
次に、歳出についてです。
企画費は、地域の魅力発掘・発信支援事業費を計上いたします。
福祉保健費は、福祉サービスの安定的な提供と利用者への負担転嫁の抑止を目的とした「障害・介護サービス事業所、保育所等に対する物価高騰緊急支援」に要する経費のほか、住民税非課税世帯等エアコン購入費助成事業費、保育所等における安全対策支援事業費を計上いたします。
教育費は、「認定こども園に対する物価高騰緊急支援」に要する経費を計上いたします。
また、繰越明許費を一件追加するほか、債務負担行為を三件追加いたします。
よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。
○二十三番(木村克一議員)
議事進行について、動議を提出いたします。
ただいま上程されております議案第九十二号は、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。
○議長(瓜生正高議員)
次に、日程第四から日程第七までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
御異議なしと認めます。よって、日程第四から日程第七までを一括して議題といたします。
〔伊藤議会局長朗読〕
日程第四
議案第九十三号 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例
日程第五
議案第九十四号 中央区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
日程第六
議案第九十五号 中央区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
日程第七
議案第 百四号 中央区職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例
○議長(瓜生正高議員)
提案理由の説明を願います。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
ただいま一括上程されました各議案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
まず、議案第九十三号、刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例であります。
本案は、拘禁刑の創設に伴い、規定を整備するものであります。
次に、議案第九十四号、中央区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例であります。
本案は、新たに子育て部分休暇を設けるものであります。
次に、議案第九十五号、中央区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例であります。
本案は、子育て部分休暇の新設に伴い、子育て部分休暇の承認を受けている職員が同日に部分休業の承認を受ける場合の取得時間の調整について定めるものであります。
最後に、議案第百四号、中央区職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例であります。
本案は、本区職員の給与を改定するものであります。
以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。
○議長(瓜生正高議員)
ただいま上程されました議案第九十三号から議案第九十五号まで及び議案第百四号は、企画総務委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、企画総務委員会へ付託いたします。
○議長(瓜生正高議員)
次に、日程第八から日程第十三までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
御異議なしと認めます。よって、日程第八から日程第十三までを一括して議題といたします。
〔伊藤議会局長朗読〕
日程第八
議案第九十八号 中央区立幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
日程第九
議案第九十九号 中央区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
日程第十
議案第 百号 中央区立幼稚園の入園料、保育料等に関する条例の一部を改正する条例
日程第十一
日程第十二
議案第 百二号 指定管理者の指定について(区立浜町集会施設)
日程第十三
議案第 百三号 指定管理者の指定について(区立社会教育会館)
○議長(瓜生正高議員)
提案理由の説明を願います。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
ただいま一括上程されました各議案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
まず、議案第九十八号、中央区立幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例であります。
本案は、新たに子育て部分休暇を設けるものであります。
次に、議案第九十九号、中央区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例であります。
本案は、拘禁刑の創設に伴い、規定を整備するものであります。
次に、議案第百号、中央区立幼稚園の入園料、保育料等に関する条例の一部を改正する条例であります。
本案は、区立幼稚園における預かり保育料の額の改定等をするものであります。
次に、議案第百一号、普通財産の無償貸付けについてであります。
本案は、日本橋横山町所在の土地及び建物を無償で貸し付けるものであります。
最後に、議案第百二号及び議案第百三号の「指定管理者の指定について」であります。
議案第百二号は、区立浜町集会施設の指定管理者に「タフカ・日本メックス共同事業体」を、議案第百三号は、区立社会教育会館の指定管理者に「中央区ほっとここからプロジェクト」をそれぞれ指定するものであります。
以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。
○議長(瓜生正高議員)
ただいま上程されました議案第九十八号から議案第百三号までは、区民文教委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、区民文教委員会へ付託いたします。
○議長(瓜生正高議員)
次に、日程第十四及び日程第十五を一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
御異議なしと認めます。よって、日程第十四及び日程第十五を一括して議題といたします。
〔伊藤議会局長朗読〕
日程第十四
議案第九十六号 災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例
日程第十五
議案第九十七号 中央区プールに関する条例の一部を改正する条例
○議長(瓜生正高議員)
提案理由の説明を願います。
〔区長 山本泰人君登壇〕
○区長(山本泰人君)
ただいま一括上程されました各議案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
まず、議案第九十六号、災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例であります。
本案は、引用する条項に条ずれが生じたことに伴い、規定を整備するものであります。
次に、議案第九十七号、中央区プールに関する条例の一部を改正する条例であります。
本案は、拘禁刑の創設に伴い、規定を整備するものであります。
以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。
○議長(瓜生正高議員)
ただいま上程されました議案第九十六号及び議案第九十七号は、福祉保健委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、福祉保健委員会へ付託いたします。
○二十三番(木村克一議員)
議事進行について動議を提出いたします。
本日の会議はこの程度とし、ただいま常任委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明二十六日、明後二十七日を休会とし、来る十一月二十八日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。
お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(瓜生正高議員)
御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二十六日、明後二十七日を休会とし、来る十一月二十八日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。
本日は、これをもって散会いたします。
午後六時十分 散会
署名議員
議長 瓜生 正高
議員 梶谷 優香
議員 原田 賢一
お問い合わせ先:区議会議会局調査係
電話:03-3546-5559