令和6年 予算特別委員会(第9日 3月19日)
1.開会日時
令和6年3月19日(火)
午後1時30分 開会
午後3時35分 散会
2.開会場所
第一委員会室
3.出席者
(17人)
委員長 塚田 秀伸
副委員長 礒野 忠
委員 原田 賢一
委員 海老原 崇智
委員 竹内 幸美
委員 田中 耕太郎
委員 小坂 和輝
委員 高橋 元気
委員 ほづみ ゆうき
委員 田中 広一
委員 堀田 弥生
委員 渡部 恵子
委員 奥村 暁子
委員 永井 佳代
委員 上田 かずき
委員 アルール うた子
議長 瓜生 正高
副議長 (礒野 忠)
4.議会局職員
伊藤議会局長
長田庶務係長
小倉議事係長
佐藤調査係長
桝谷書記
後藤書記
鳴子書記
坂和書記
5.説明員
6.議題
- (1)議案第1号 令和6年度中央区一般会計予算
- (2)議案第2号 令和6年度中央区国民健康保険事業会計予算
- (3)議案第3号 令和6年度中央区介護保険事業会計予算
- (4)議案第4号 令和6年度中央区後期高齢者医療会計予算
(午後1時30分 開会)
○塚田委員長
皆様、こんにちは。ただいまから本日の委員会を開会いたします。
3特別会計歳入歳出予算について、質問者の発言を願います。
○原田委員
こんにちは。よろしくお願いいたします。
私のほうからは、認知症です。介護関係から認知症について少しお話をお聞きしたく思います。
認知症は何だということですが、記憶すること、判断すること、脳の機能、いわゆる認知機能が低下して通常の生活に支障を来すようになってきた状態のこととあります。厚労省の話では、来年、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になるといいます。675万人から730万人ぐらいになるだろうと予想しています。予想という言葉を後ろから読むと、うそよとなりますけれども、やはり大変な数の人たちが認知症となります。
昔々は認知症はぼけ、痴呆と言われまして、当時は、認知症になった人は何も分からなくなった人、ぼけたらおしまいだよなんていうひどい偏見に遭っていた頃で、横溝正史の映画、金田一耕助シリーズの中にも出てくる、家の中の座敷牢に閉じ込められている場面や、ベッドに縛りつけられている姿が当たり前のような時代があったと思います。私なども、この年になりますと、認知機能が低下しているなと自覚する場面が多々あるんです。今まですっとできたことが何でこんなにまどろっこしくなったんだろうかな、老いるということはこういうことなんだなと、日々感じているところです。
認知症は、誰もが発症する可能性のある実に身近な問題、また存在です。日本の芸能界では、古い話ですけれども、南田洋子さん、日本橋にいた朝丘雪路さん、オノ・ヨーコさん、それから男性では、軽妙な笑いで親しまれた藤村俊二さんも、最後、みんな認知症になってしまったんです。アメリカなどでは、国内65歳以上の人の主な死因として、5番目に挙げられているのが認知症なんだそうです。
アメリカといえば、私の好きな俳優、ブルース・ウィリス、これはきっと聞いたと思いますけれども、映画「ダイ・ハード」シリーズのジョン・マクレーン役、これはいいですからね。格好よかったです。このブルース・ウィリスは、去年ですかね、俳優業を引退してしまった。認知症になってしまって、失語症ですから言葉がしゃべれなくなってしまったので、もう引退するしかないということになってしまったわけです。別に本人から連絡をもらったわけではないですけれども、この人は70歳になるかならないでしょう。それからまた、御存じだと思います。1980年代から90年代にかけての激動の時代、あの時代の世界、政治の世界ですけれども、活躍した2人の英傑がいました。1人は御存じ、英国の元首相、マーガレット・サッチャー、もう一人はアメリカの元大統領でロナルド・レーガン、このお二人、サッチャーは83歳のとき、レーガンは82歳のとき、認知症になりました。本人としては、未知への旅の始まりというようなことをお話ししていました。
この認知症対策でありますけれども、今年1月に施行されました認知症基本法で、自治体が当事者の意見を聞くことなどが努力義務となりました。
そこで、幾つか確認の意味も含めて、お聞きしたいと思います。
まず、認知症の初期集中支援チームについて、今もちろんあるんですが、どのような状況と、どのような動き、流れをされているのか、少しお聞かせいただきたいと思います。
また、認知症疾患医療センター、これは地域の認知症医療の拠点です。この拠点での状況の動きは今どのようになっているか。
それから、3つ目、認知症を発症しても住み慣れた地域で生活ができるように効果的な支援をする認知症地域支援推進員の配置という点での現状、今どうなっているか、どのような活動をされているのか。
取りあえず、この3つ、先にお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いします。
○河内介護保険課長
まず、初期集中支援チームですけれども、地域の認知症の方につきましては、通常、おとしより相談センターが中心となって対応をしているところです。ただ、医療拒否であったり、介護拒否、生活状況によって、なかなか支援につながらない場合がございます。認知症と疑われる方であったり、その家族を対象に、訪問観察などの初期支援を包括的、集中的に行って、自立生活のサポートの役割を担うために、認知症に関する専門的な知識・技術を持つ医師と、おとしより相談センターにいます専門職等で構成する認知症初期集中支援チームを、中央区では平成29年度から設置をしているところです。
令和4年度は、依頼相談が3件あったうち訪問2回、令和5年度は、現在、2件の相談がございますが、今はまだ集中支援チームではなくて、おとしより相談センター等で関係性を築いているといった段階でございます。
続きまして、認知症疾患医療センターですけれども、こちらは東京都が指定するものでして、2種類ございます。地域連携型と地域拠点型がございますが、地域連携型は聖路加国際病院で平成27年から、地域拠点型は順天堂大学医学部附属順天堂医院で平成24年から指定をされているところです。こちらは、もちろん、区と連携をしながら、認知症疾患医療・介護連携協議会の場で情報交換をしたり、区が開催する会議への協力参加を通して、連携の推進であったり、認知症の方や家族の介護者への支援であったり、人材育成などを担っていただいているところです。
また、認知症地域支援推進員につきましては、区では平成27年より区のおとしより相談センターに1人ずつ配置をしてございます。こちらは、地域の認知症の方に対して早期発見・早期支援につないで各関係機関等と連携を図るとともに、認証の普及啓発等も役割として担っているところです。
以上です。
○原田委員
ありがとうございます。おとしより相談センターで、いろいろと初期の支援チームとしてされているということも聞きましたし、医療の拠点の動きは聖路加、順天堂ということで聞きました。
医療センターの聖路加のほうと順天堂のほうで扱っていただいているんだけれども、協議会と連携をされていると今お話をされましたが、協議会では大体どういうふうな問題が出て、認知症についてどういうふうなお話を、簡略で結構ですけれども、最近というか、この間はこんな話が出ていたよというぐらいなことでも結構です。記憶されていることがありましたら、お願いします。
○河内介護保険課長
実際協議されている事例ですけれども、やはり1つは、認知症から、本人の拒否があったりといったことで、なかなか医療に結びつかない方という困難ケースがございまして、そういった困難ケースにどういった支援を行っていけるかといったことを、地域または専門機関である聖路加国際病院、場合によっては順天堂医院にもアドバイス等をいただきながら解決を図っていくといったことがあります。あとは、実際にどういった対応をしていけばいいのかという事例を、みんなで集まって研究をしているというような御報告を受けております。
以上です。
○原田委員
通常の介護という言い方もおかしいんですけれども、認知症の場合は、介護されるほうもするほうも本当に大変だと思うんです。認知症地域支援推進員ということでお話も聞きましたし、おとしより相談センターに配置しているというんですけれども、この推進員の方が各おとしより相談センターで、交代交代で行くんでしょうけれども、今のところ何人ぐらいいて、推進員の方は実務上どんな動きというか、行動をされているんですか。お聞かせ願います。
○河内介護保険課長
おとしより相談センターに配置されている推進員でございますが、基本的には、今、おとしより相談センターは6か所地域にございますので、各おとしより相談センターに1名ずつ配置されていて、主に保健師等が担っておるところです。やはり基本は、まず地域の方、例えば民生委員の方、医療機関から、認知症で御不安な高齢者がいるんだというような情報を聞きつけまして、まずはその事実確認と、主に訪問によってコンタクトを試みます。そういった方は、生活状況を見たときに、例えば部屋が少し片付けられていないとか、そういった状況を確認しながら、医療機関や地域の見守りの方と連携しながら、適切な医療、介護等を導入していくといった中心的な人物として活躍をしていただいております。
以上です。
○原田委員
推進員の配置ということで、保健師の方等々ということでお聞きしました。
支援についてです。もう一度のお話ではないですけれども、認知症地域支援推進員の方のお話を今聞きました。同じような意味合いになるかも分かりませんが、俗に言う認知症サポーターの養成をして、その方たちが活動をする。そのサポーターの養成と活動に対する支援は、今、どのような動き、活動、実務的にはどのように動かれているのかお聞かせ願いたいと思います。
○河内介護保険課長
すみません。先ほど答弁に誤りがございました。現在、おとしより相談センターは5か所となっておりまして、令和6年4月から晴海おとしより相談センターができまして、計6か所になって6人体制になります。失礼しました。
認知症サポーターの養成と活動支援でございますが、認知症サポーターの養成講座につきましては、現在、おとしより相談センター等が講座等を開設して実施をしているところです。令和4年度ですと計31回1,336人、令和5年度ですと、令和6年1月現在、27回960人の養成をしております。また、区の職員向けにも年2回実施をしているところです。また、企業内に出張の出前講座等も行うんですが、企業の中でも自主的に認知症サポーターの養成をしていただきたいということで、認知症サポーターを養成できるキャラバン・メイトという、資格ではないですけれども、研修を受けた者がいるんですが、そういった方の養成等も支援をしているところです。
中央区のそういった方への支援になるんですけれども、年1回、まずステップアップ講座ということで、認知症サポーターを受けた方にさらなる知識等を身につけてもらうために、ステップアップ講座を行います。また、サポーターの会といって、認知症サポーターの方が集まって情報交換等を行う会も、おとしより相談センターは開催をしているところです。先ほどの認知症サポーターを養成できるキャラバン・メイトですけれども、現在、111名が中央区内で登録をしているところです。
こういった形で、今、数としては育成等で増えてきておるところですので、今後、見守り活動であったり、介護保険課でも支援している認知症カフェ等で、こういった形の活躍の場を提供するとともに、支援をしていきたいと考えております。
以上です。
○原田委員
今、ちょうどお話が出ましたけれども、認知症カフェをお聞きしたいですが、その前に、今いろいろ、確かにすごいですね。27回講座をいろいろやって、職員の方も受けて、企業内もやっている。受けた人は1,000人近いらしいですね。今、お話を聞きましたキャラバン・メイトは100名以上が登録されている。認知症カフェの前に、サポーターになった人は、今お話を聞きましたけれども、それぞれのことで実務はされているんですが、サポーターは、認知症に対してどこまでサポートをすることができるのか教えてくれますか。
それと同時に、今ちょうどお話が出た認知症カフェは、あることは分かっています。ただ、中身がよく分からない。これは、本人でも家族でも地域の方々、もちろん専門職の人たちが相互に集まるといいますか、カフェという形ですから、情報を共有して、お互いを理解しましょうということにつながることだと思うんですけれども、現在、認知症カフェはどのぐらいの場があって、どのぐらいの時間数やっていて、どのぐらい設置している、あるいは普及しているという状態がどの程度か教えてくれますか。
○河内介護保険課長
まず、認知症サポーターの役割ですけれども、認知症サポーターというのは、特に医学的、専門的に知識を持っていなければいけないというわけではなくて、まず認知症ということの基本の知識を知っていただいて、自分の可能な範囲で、認知症の方であったり、その家族のお話を聞いたり、見守っていただくという役割を区としては期待をしておるところです。
やはり認知症の方への話しかけ方とか、話の聞き方とか、言ったことをすぐに否定しないとか、まず聞くとか、そういった基本的な対応がございます。また、ちょっと方向が分からなくなってしまって、どうしていいのか分からないような不安な状態とかということもあり得ます。そういった状況が起こり得るということを知っていただいて、声をかけていただいたりということを区としては希望していて、決して何か専門的なことにつないでほしいとか、そこまでを期待するものではないところです。
また、認知症カフェですけれども、現在、区内に7か所ございまして、今年度でいいますと計33回、517人の方に参加いただいております。実際にどういったことをされているかというと、仲間づくりであったり、情報交換、認知症に関する専門スタッフへの相談ができるということで、今回、直接認知症カフェ等に私もお伺いする機会がございましたが、脳トレであったり、みんなで曲に合わせて体操したり、ゲームなどもしたりしながら、認知症の知識を深めていくといったような活動を、現在、しているところです。引き続き、認知症の方だけではなくて、その家族であったり、認知症のあるなしに関係なく認知症カフェに集っていただいて、認知症の正しい理解と、偏見等もなくなって皆さんが安心して住めるような、地域で見守れるような体制をつくっていきたいと考えております。
以上です。
○原田委員
ありがとうございます。結構思ったよりもすごいですね。認知症7か所で33回やって五、六百人の方々が来てやられているんですね。これは大いに結構ですね。一般の人たちも来て、認知症への理解度を深める場があるというのは、非常に結構だと思います。
時間的にまだあるので、あと一つぐらい。認知症予防なんですけれども、いろいろ調べましたけれども、ならないというわけにいかないので、認知症の予防とか、また、その対策みたいなものがありましたら教えていただけますか。お願いします。
○河内介護保険課長
認知症のいわゆる予防というものの考え方ですけれども、これをすれば絶対認知症になりませんといったような、医学的にも証明されているものは実はなくて、認知症基本法にも書かれているとおり、認知症における予防というのは、発症を遅らせるというものと、もし認知症になっても早期発見、早期に対応する。あと、認知症が進行しても重症化を予防するというところを合わせて、認知症予防という定義をしております。
脳機能、認知機能の低下になりますので、予防策といったら脳の活性化を図ることとされていまして、生活習慣病とか、ほかの健康にも通ずるものですけれども、結局、バランスのよい食生活であったり、適度な運動、コミュニケーションを取るための社会活動への参加であったり、そういったことを意識的にやる。また、自分が認知症にならないためにやるというのではなくて、自分が楽しめる活動を積極的に見つけて取り組んでいただくということが認知症予防に効果的であるというふうに区も考えていまして、そういった活動の場と支援をしていきたいと考えております。
○原田委員
いろいろお答えありがとうございました。
それでは、ちょっとまだ時間があるので、せっかくですので、最後に、これは質問ではないんですけれども、今後の介護施策、認知症に関しての足しになればと思って、お話しするんですが、今回、介護、認知症をテーマに選んだのは、実は、また、ある映画がきっかけでした。また映画の話かと笑われますけれども、時間があるので、ちょっとお話しします。聞いてください。
直木賞作家の中島京子さんの自らの体験を基にした小説があります。「長いお別れ」というのがありまして、この小説を基に、今から5年前ですか、映画化されました。認知症になった父親と介護生活を中心にした家族の葛藤、ゆっくりと記憶をなくしていく父親との7年間の日々、その最期に至るまでの長いお別れが描かれている映画で、認知症になった父親、昇平に山﨑努、名優です。その妻に松原智恵子、長女に竹内結子、次女に蒼井優ちゃんが出演しています。調べたら、竹内結子さんは、これに出てから一、二年後に亡くなったんですよね。
この題名「長いお別れ」、映画では題名「長いお別れ」ですが、アメリカではロンググッドバイといって、少しずつ少しずつ記憶をなくして、そして、ゆっくりゆっくりと遠ざかっていくので、長いお別れ、ロンググッドバイという言葉で語られているんだそうです。人間の世界から星の世界というんでしょうか、神の世界へ帰っていく。私の父親も最後はちょっと認知症になりました。よく、帰りたいと言っていました。家にいるときも、施設に入ったときも、帰りたいと言っていました。どこへ帰りたかったのだろうかと思う。神の世界か、そして、ゆっくりゆっくりと遠ざかっていきました。
この映画「長いお別れ」、ある学校の元校長先生であった夫が認知症になってしまった。ここが自分の家であることも忘れてしまう。妻の名も忘れてしまう。娘の名も忘れ、子供たち、娘たちを育てたことも忘れてしまう。言葉も記憶も忘れてしまう。何が変わったんだろうか。映画の中で、認知症になった父、昇平が家の縁側にぽつりと座って、この頃いろんなことが遠いんだよなと言います。いろんなことが、そして自分というものが少しずつ現実の社会から離れていく、遠ざかっていくことに気づいているんです。どこか遠いところへ行こうとしている自分がいるんです。
しかし、この夫と妻、二人が築いた長い結婚生活の中には、いつも確実に存在していた何かと、この夫と妻は言葉はつながらないんですが、確かな心のつながりを持っていた。また、次女役の蒼井優、介護しても認知症なので、介護しても介護しても病が進行していく父親を見て、つながらないって切ないねと泣きながら言うんです。新年度予算のタイトルは、人がつながり、まちもつながるというフレーズから始まっています。つながる。いい言葉です。いいタイトルですね。
また、映画の中ではすてきなシーンもありまして、夫婦二人が実家に帰ったその帰り、ガタゴト走る列車の中で、認知症の夫、昇平が突然妻の曜子に向かって大きな声で、もう一度妻、曜子にプロポーズするんです。一緒に来てくれますか。私の家にそろそろ曜子さんを私の両親に紹介したいんですと言うんです。妻の曜子は、夫の顔を見て、ゆっくりとうれしそうにうなずくんです。そういうシーンがあります。笑えるやら、涙が出るやらでありました。
この映画のラストシーンがまたいいんです。認知症の父、昇平が認知症で家を抜け出してしまうんです。家族は大騒ぎで、やっと見つける。そこは昔、父、昇平が1度だけ幼い娘たちを連れていった思い出の遊園地のメリーゴーランドでした。そこには、これから人生を始めようとする子供たち、そして、これから人生を終えようとしている老人が、その子供たちと一緒にメリーゴーランドの木馬に乗って、うれしそうに笑って手を振っている。そんな父、昇平の姿を見て、妻と娘たちは父、昇平があの頃に戻りたかったんだなと気づくんです。
認知症とどのように向かっていくのか、親の老い、介護を通して家族それぞれがお互いを再認識して、自分たちの人生を見直すチャンスを認知症の父親からもらえる物語です。そしてまた、私たち誰にでも起こり得る身近な物語であります。どうぞこの映画を一度見てください。そして、どうぞ一度この小説を読んでください。介護される側になったときのために、また介護する人になったときのために見ていただきたいと思います。
時間がありましたので、まただべりました。今後の介護施策の一助になればと思いまして、今回は認知症を扱った映画「長いお別れ」、ロンググッドバイのお話をさせていただきました。
時間が来ました。終わります。ありがとうございました。
○塚田委員長
次の質問者の発言を願います。
○小坂委員
よろしくお願いします。また前委員から宿題を頂いたようで、映画も見ながら、認知症の難しい課題を考えていければと思うところであります。
まず、そうしたら認知症から入りますが、認知症基本法が2024年1月1日から施行になりました。前委員がおっしゃったように、認知症の方の意見も聞きながら施策をつくっていきましょうというふうにあります。努力義務として、認知症施策の基本計画を立てませんかというようなことがあります。
前委員からありました、日本においては高齢者の5人に1人、中央区においては、資料342で見られるように、約3,000人ということで、高齢者の大体12%、8人に1人というふうな感じでありますけれども、そのような多くの方々が認知症になられているというところから見ると、やはり中央区も、認知症基本法に沿いながら、基本計画も必要なのではないかと思われます。そのあたりの基本計画を立てるかどうかの考え方をひとつ教えてください。
それと、認知症カフェの話が出ました。認知症カフェは、すごく学びの場にもなるかなというところからすると、そのような施設を学校単位で設置していくというのもありなのではないかと私は考えるところです。学校の中に認知症カフェをつくるというようなこと、これは教育委員会に聞くわけではなくて、そういうふうな開設において何か注意すべき点など、アドバイスがあれば教えてください。
これが認知症に対してです。
2つ目は、マイナ保険証に関してであります。
マイナ保険証のほうも、この2024年12月2日から切り替えるというふうになりまして、今までは保険証とマイナカードが2つあったわけです。これから12月2日以降はマイナカードだけになる。トラブルがあっても、保険証があったから、何とか解消できてきたというところですが、そこがなくなって本当に大丈夫なのかどうか、何らかの準備すべきことはないのかどうかです。マイナカードのトラブルについて、国は点検したと言いますけれども、医者のほうは全国保険医団体連合会が、その点検の後も、本当に大丈夫ですかということで再度調査したんですけれども、やはり対象となった医療機関の59.8%が、国の点検後もトラブルがあるというふうに言っているわけです。現場が混乱したらいけませんので、そういう混乱を生まないようにする何らかの準備は、2024年12月2日に備えてできているのかどうか教えてください。これが2つ目です。
3つ目は、データヘルス計画が新たな2期目に入るというところで、今回の予算においても、KDB、国保データベースを用いながら、要注意な方々に指導し、また運動してもらうというようなことの取組を入れております。もう一方の施策として、健康アプリなどをつくって、歩いたらポイントをもらえるという、施策があります。こういう施策は連動していってもいいのではないかとも思うんですけれども、そのような連動の考え方はあるのかどうか。これが3点目です。
最後ですが、私も能登半島のほうに入っていて医療支援をしましたが、今、本当に気になっているのは、あの地は高齢化率がちなみに50%以上です。ここ中央区は、最近ではまだまだ14.6%と全然違う場所なんですけれども、今、本当に気になっているのは、生活不活発病があの地域で広まらないかというふうに思うことです。災害になって、その後に生活不活発病が出ないかどうか、災害後の御高齢者の方のフォローの在り方として、何らかの準備ができているか。
それら4点をお願いします。
○河内介護保険課長
認知症の計画の策定についてでございます。
中央区では、現在、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に沿って、地域包括ケアシステムの一つの目標にも認知症ケアというものを掲げて、しっかり認知症施策を総合的に推進しているところでございます。なので、現時点では策定等は考えておりませんけれども、今後、国が計画を策定し、東京都が策定をしていくというようなところもありますので、そういった内容等も注視しながら、引き続き認知症施策を推進していきたいと考えております。
また、認知症カフェについて、学校ではというお話です。
我々としても、今、中央区では、認知症カフェの活動に対して活動費等を支援しているという形ですけれども、認知症カフェですと、看護師さんであったり、認知症に関する知識のある方が主になって認知症カフェというものを運営していただいているような状況です。やはりそういったマンパワーのところが1つ課題になるかなと思います。もちろん、区のほうでも、場所もいろいろ、どういったところでできるかという情報などはしっかり調べて、やりたいという方とのマッチング等も考えながら、認知症カフェについては充実を図ってまいりたいと考えております。
以上です。
○井山保険年金課長
マイナ保険証に関してでございます。
委員御紹介のとおり、昨年、令和5年6月にマイナンバー法等に関する法律の一部を改正する法律が公布されまして、施行日はまだ決まっていなかったところでございますが、令和6年12月2日とすることが決まりまして、今年の12月2日に今使っている被保険者証が廃止されまして、マイナ保険証を基本とする体制になるといったところでございます。ただ、12月2日までに発行されている保険証については、最長で1年間利用することができるということになっております。
現在、12月2日に向けまして、必要な準備をするところではありますが、まず12月2日以降、マイナ保険証を持っていない方に関しては、資格確認書を職権で交付する。あと、マイナ保険証を持っている方に関しては、資格情報のお知らせというものを交付するというところが大きな内容でございます。
確かに、去年、マイナンバーのひもづけ誤りがございまして、いろいろ点検を国がやってきたところではありますが、それ以降も、他人のひもづけ誤りのほかに、負担割合の変更などもありました。
現場が混乱しないようにというところですが、これから詳しいところは準備を進めていく中で、詳細が国のほうからまだ詳しく示されていないところではあるんですけれども、いろいろなシステムの変更などはありますが、そのあたりのことは、情報が入り次第、なるべく早く準備を進めてまいります。システムの変更のほうは、リリースが始まりましたら、当然、こちらのシステムのベンダーのほうともテストなどを行いまして、確実に運用ができるかどうかというところも確認しながら、また、細かい資格確認書ですとか、その発送についても、分かりやすい周知を図ってまいりたいと思います。まずは詳細のほうがまだ、これから準備をするところではありますが、なるべく混乱しないように、区民の方、医療機関に分かりやすい周知を図ってまいりたいと存じております。
以上です。
○植木管理課長
私からは、データヘルス計画についてでございます。
こちらにつきましては、中央区国民健康保険第2期データヘルス計画と第4期特定健康診査等実施計画の2つの計画を一体的に作成しているところでございます。その中で、個別保健事業としまして特定健康診査がございます。そちらの受診率向上のためのアプローチというところで、新たに健康ポイントを活用するなど、特定健康診査受診の動機づけにつながる仕組みづくりを検討していきますというふうにしているところでございます。
今後、健康アプリ導入に当たりまして、そういった健康ポイントの活用などを活用した特定健康診査等を考えていきたいというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
○阿部高齢者福祉課長
私からは、災害時の高齢者の方の生活が不活発になるということに対するケアというところです。
区と介護保険事業者と協定を結んでおりますので、介護サービスを避難所ですとか、災害後でも受けられるようにお願いしているところです。そういったケアについては、受けられるような状況になっております。また、福祉避難所のほうも、聖路加国際大学との協定を結んでいまして、聖路加国際大学の生活相談員の方を派遣していただいて、実際、避難されている方のお話を聞いたりなどして、心身ともにケアしていきたいと思っております。
以上です。
○小坂委員
それぞれに御答弁ありがとうございます。
認知症ケアに関しましては、国の動向を見ながら、せっかくよいことをされているので、それをうまく整理して基本計画というふうな形でつくっていってもいいのではないかとも思いますので、国の動向、都の動向を見ながら、必要であれば基本計画もつくっていっていただければと思います。前委員への御答弁にもありましたように、早期発見からケアの在り方まで、既にされていると思います。それを拡大していっていただければと思います。
また、認知症カフェに関しましては、ぜひともといいますか、学校を借りることで、そこにうまくマンパワーも入れることで、認知症カフェもしながら、一方で子供たちの預かりの場もあると。時々相互に交流しながらということで、よい刺激の与え合い方ができるのではないかというところもあります。場所代なども、学校を借りることで結構うまくなるでしょうし、そのあたりは、また考えていっていただければと思います。
また、マイナ保険証に関しましては、現場は、今は保険証があるから、トラブルは出ておりません。マイナカードを使っている人は四、五%ですよね。これを12月2日以降100%にできるのかどうかというところもありますし、私は医療のデジタルトランスフォーメーションはしていくべきと考えますけれども、日本のデジタルトランスフォーメーションの仕方がなっていないというところが根本的なところにあります。
データを非識別化すべきものを、匿名化で終わっているのが日本のデータの処理の在り方です。日本の処理の仕方は、中央太郎さんががんであるということに関して、非匿名化でAさんががんであるというような処理しかしていないんです。なので、Aさんに対しての情報を集めてくれば、結局、中央太郎さんはがんであるというのが再識別できるわけです。それが漏れてしまったら、大変なことなんです。このレベルが日本の医療デジタルトランスフォーメーションの現状でありますので、このあたりは信頼の置けない部分があり、慎重に進めるべきものだと考えるところであります。また、自己情報コントロール権も、日本においてはなっていないというところがあって、その情報を第三者に出していいですかというところに関して、きちんと、はい、いいですということを元の人間にきちんと聞くべきところであり、そこが聞けていないという部分もあります。
そのようなところがありますので、このデジタルのところは慎重にやっていくべきだと思います。今後、もし進めるに当たって現場が大変になってきた場合は、やはり国に保険証廃止の延期ということは言ってもいいのではないかというところがあります。ぜひとも現場が混乱しないようにというところはお願いします。今後、進捗状況によっては、また意見していきたいと思いますので、現場が混乱しないようによろしくお願い申し上げます。
災害時のほうはということで、万が一の備えはなされているということを確認させていただきました。災害時、やはりフレイルにいってしまう。御高齢の方はなかなか動かなくなってしまうということがありますので、そのあたりのケアもやっていただければと思います。
これからいよいよ健康保険証が廃止になるというふうなことが来ますので、本当に不安なところはあるんですけれども、特に介護をやっているところの負担は大変な負担で、健康保険証だけを預かっておけばよかったものが、健康保険証だけではなくてマイナカードも預かるという話も出てきますので、そのあたりは支援していっていただければと思います。
では、終わります。ありがとうございました。
○塚田委員長
次の質問者の発言を願います。
○堀田委員
よろしくお願いいたします。私からは、初めに、第9期介護保険料の算定に絡めてお尋ねいたします。
先月の福祉保健委員会にて、第9期介護保険料の本算定値の御報告をいただきました。それによりますと、第8期より基準額の月額が380円増えるとのことです。本区におきましても、要介護者、また、それに伴って保険給付額も年々増えておりますので、この増額自体は致し方ないのかなというふうに思っております。
ただし、本当はもっと増えるはずだったところを、介護保険給付準備基金を活用し、保険料に充当することで増える額を抑えることができたとのことでございます。今回、基金を取り崩し、保険料に充当するのは約7億5,000万円の予定で、今年度末の基金残高見込みのおよそ半分を占めます。これまでにも基金の取崩しは執行してきておりますが、今回のように保険料を引き下げるために充てて、直接的に区民へ還元するというのは初めてではないでしょうか。また、予算書に計上されている取崩しの予定額は約1億7,000万円で、資料で御報告いただきました7億5,000万円とは大きな乖離がございます。
そこで、お尋ねいたしますが、基金の活用について、これまでのお取組、また令和6年度の予算を計上してから、この数か月の間に取崩し予定額を大きく増額し、保険料に充てることに決めた経緯などをお聞かせください。また、その狙いや思いもお聞かせください。よろしくお願いいたします。
○河内介護保険課長
今回、第9期の介護保険料を、今までの5,920円から、最終的には6,300円という形で保険料を決定させていただいたところです。もともと介護保険の基金は、皆様からお預かりした保険料の剰余分を基金に積み立てるというような形で基金を積み立てておるんですけれども、これまで8期ありましたけれども、期によって、計画では基金を取り崩すといったような計画を立ててきたところもございますが、実際、3か年等を終了したときには、基金は取り崩さずに、逆に積立てがなされるといった状況がこれまでもございました。
もともと、もちろん高齢者人口も増えておりますので、保険給付費は年々増加をしておりまして、今まで3期は5,920円で据え置いてきたところですけれども、今回、値上げをさせていただいたということで、仮算定時には6,320円という金額を12月の福祉保健委員会で報告させていただきました。そこから、12月に介護保険料の報酬改定もあったり、また、国の財政調整交付金といって、国が自治体ごとの保険者の所得状況等によって調整をする交付金があるんですけれども、そちらの考え方を変更したことによって、そこの歳入が大きく減額となったというようなところもありまして、今回、保険料を6,300円としまして、基金の取崩しを、今の基金残高見込みの半分、7.5億円を取り崩すことといたしました。
もともと皆さんの保険料等でお預かりしている金額でもありますので、それを充てないと、今、6,941円というような保険料になってしまうということで、まず激変を緩和するために基金を半分程度取り崩して、641円を引いた6,300円とさせていただいたところです。基金が半分になってしまうということで、では今後どうするんだというところも御心配なのかなと思いますけれども、この先3期程度の見込みを立てまして、緩やかに上がっていってしまうというところはやむを得ないところかと思いますが、そういった中でも急激に金額が上がらないような形で、基金を活用しながら保険料を抑制していくというようなことを計画しまして、今回7.5億円という金額に決めさせていただきました。
また、今後、介護保険料の報酬改定であったり、臨時のそういった対応等も予想されますので、そういったことにもきちんと対応できるように、基金も活用しながら健全な運営をしていきたいと考えております。
以上です。
○堀田委員
ありがとうございました。報酬の改定のことですとか、国による財調交付金の考え方の違いとかもあり、大きく取崩しを増やして、それによって保険料の引上げ幅を抑制しようというお考えだったかと理解しております。
私は、もともと基金はしっかり活用するべきという考えでございますので、今回のことは大変評価しております。例えば、財政調整基金ですとか、施設整備基金なども毎年取り崩して有効活用していますけれども、あくまで財源対策という意味合いがございまして、もともと介護保険給付準備基金とは、その位置づけ自体が異なっているかと思っております。介護保険給付準備基金自体は、被保険者である区民への直接的な還元として、その執行は大変意義が深いと思っておりますので、よろしくお願いします。
それまで年々積立てが本当に増えていて、介護保険給付準備基金の残高がずっと伸び続ける。その活用については、4年前も私は質問しておりまして、今回の決定は大変評価しているところですが、今後も一定の残高確保に努めつつ、基金の活用による区民への還元を適宜遂行していただくようにお願いしたいと思います。
次に、介護サービスの質の向上と人材の確保についてお尋ねいたします。
介護を語るとき、常に喫緊の課題として挙げられるのが質の向上と人材確保です。今回、中央区高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業計画が3月に策定されますけれども、計画の中でも様々、サービスの質の向上、また人材の確保について、区としてのお取組を計画していただいているところでございます。これはしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
また、今般、特に私が強く感じておりますのは、サービスの質の向上と人材確保、両方を推進するには、介護事業者への支援、フォローが何より大切なのではないかということです。今回の計画の中にも、重点事業の一つとして、介護給付の適正化という記載がございます。事業の内容は、ケアプランの内容について専門員による点検を行うとのことで、言わば事業者が正しく事務処理、手続をできているか、ミスをしていないかということをチェックするものでございます。
ここでお聞きしたいんですが、この適正化事業は継続事業と認識しておりますが、それをこれまでも行ってくる中で、ケアプランの不備や介護給付の誤請求などは実際に結構あるものなのでしょうか。あるならば、どのような理由によるのか、その辺をお知らせください。
○河内介護保険課長
ケアプラン点検の中での誤請求等があったかどうかというところですけれども、実際は、介護保険の請求につきましては、国民健康保険団体連合会のほうに請求が行くようになっておりまして、その中で内容について不備があったりとかというものについては、国保連と連携をして事業者に確認を取ったり、また再請求をしていただいたりというような流れになっております。内容はあるんですけれども、それが多いのか少ないのかというところは比較がないところです。
そういった中で、我々として、日頃、介護保険課の中で事業者に対して支援を行っていることとしましては、まず委員の御紹介があったケアプラン点検ということで、こちらは利用者の方に適正なサービスがきちんと提供できているかとか、そういったことを中心に点検をしているところです。その中で、例えば必要以上のサービスが提供されていたり、加算について、本来加算の対象でないのに加算になっているとか、また、その逆とかもありますけれども、そういったことがあったときには、逆に指導をして、それを減額するとか、責任を追及するというものではなくて、介護保険制度は複雑な部分もありますので、そういったところを理解していただいて、適正なものに修正していただくというようなスタンスで、アドバイスであったり、指導を行っているところです。
以上です。
○堀田委員
ありがとうございます。どういうことによるかはあれですけれども、取りあえず、ミス自体はどうしても発生しているのかなというふうに理解をいたしました。
誤請求とか、いわゆる不正とかは絶対見逃してはいけませんけれども、さっきも御答弁いただきましたように、しっかりと理解していただくために指導していくというスタンスは大切だと思いますので、しっかり丁寧な指導、また、時によっては研修などをお願いできればと思います。
私が思いますのは、介護事業者、特に小規模な事業者によりましては、書類作成などの事務作業は、必要なことではありますけれども、時間と手を取られて、人によっては過重なストレスにもなっているのではないかということでございます。また、仮にそれが法人、いわゆる組織体であったとしても、いろいろ複雑な加算とか、その時々によってございますし、正確な処理、申請は決して簡単ではないと思います。そのような事業者の方たちが抱える負担を可能な限り軽減してさしあげることで、本来の介護サービスの質も高まり、ひいては人材の確保につながるものと考えます。そういう意味で、保険者である区に対しては、給付の適正化事業による事業者のチェックと併せて、事業者の負担軽減のための支援、フォローを併せてお願いしたいと思います。
事業所の負担軽減ということで申し上げれば、例えば今回、介護報酬改定がなされます。それに関連する事務作業の支援が必要かと思っております。今回の報酬改定では、訪問介護の基本報酬が引き下がりました。引き下げられた理由は、訪問介護の収支差益がプラスだったからだそうです。しかし、なぜプラスだったかというと、支出が減ったからです。では、なぜ支出が減ったのかというと、人件費が減ったからということだそうです。人が集まらないから人件費が減って、その分、支出が減り、収支でプラスになってしまった。けれども、その分、現場は疲弊し、場合によってはお仕事を辞める方も出てくるということでございます。
今回の改定では、訪問介護の基本報酬を下げた代わりに、処遇改善加算が大幅に上がりましたので、この加算を人材確保の工夫や賃上げに充てることが重要と考えます。そのために処遇改善加算を大きく引き上げたわけですが、現在、既に設定されている各種の加算がございますけれども、これすらも申請していない事業所があるというお話を伺いました。これは本区のことではなくて、全般としてのことですけれども、介護職員の賃上げにつながるはずの処遇改善加算が、訪問介護事業者、特に小規模な事業者ではほとんど取れていない。理由は、申請事務が煩雑で大変だからということです。
また、国の今回の処遇改善加算のみならず、例えば、新年度から東京都が独自に月1万円から2万円の手当を介護職員に支給するという支援策を始めます。収入を増やすために大切な手当ですが、事務処理が追いつかず、申請を諦めてしまう事業所も増えるのではないかと危惧しております。
さらに、前回の介護報酬改定において、事業継続計画、BCPの策定がそれぞれの事業者に義務づけられましたけれども、一昨年行われた介護保険サービス事業所調査によりますと、その時点でのお話ではございますが、半分の事業所がまだ作成していないというふうに答えております。
そこで、お伺いしたいのですが、区内の事業所で、本来取れるはずの加算、申請すべき加算を、事務手続が面倒というか、難しくてできないとか、そのような感じで申請していない事業所があるのか、また、そういうお尋ね、どういうふうに書いたらいいんでしょうかとか、そのような御相談があるのか、また、今回、様々な一連の処遇改善が実施されますけれども、それに当たってどのようなサポートをしていくのかお知らせください。
○河内介護保険課長
まず、委員御紹介の処遇改善加算等の加算等が取れていない事業所についてですけれども、こちらは申請をしていただくという形ですので、それに該当しているかどうかとか、要件によって申請する、しないがあります。本来取れるんだけれども、取っていないというところがあるかという正確な数字は分かりませんが、現実的にそういう事務負担まで回らないという形で、そういった事業所もあるかとは認識しております。
中央区としても、介護事業者の支援としましては、介護保険課の中に会計年度任用職員としてケアマネジャーも配置しておりまして、そういった個別の御相談にもしっかり対応しておるところです。もちろん、加算について、どういった対象なのかといったことであったり、実際、事務処理がどういったことかというのは丁寧に対応しております。また、令和6年の報酬改定について、国なり東京都から区に情報が下りてきますので、そういった情報もしっかり事業所等に正確に伝え、また区でも研修等を行いながら、しっかり理解していただきながら、介護事業所の負担軽減等を図っていきたいと考えております。
委員がおっしゃるとおり、事務負担、事務に時間を使って、本来の介護サービスが提供できないということがあってはならないと思いますので、区としても、しっかりそういったところは支援をしていきたいと考えております。
以上です。
○堀田委員
よろしくお願いします。
いわゆる小さな事業者としては、かなり数も多いのかなというふうに思いますが、そういうところほど加算はきっちりと申請していただきたいと思いますし、そのためのフォローを、ケアマネさんもいらっしゃって、これまでもしていただいているということですが、今後もしっかりとお取り組みいただきますようにお願いいたします。
先月、御近所の方の介護認定の調査に同席を頼まれまして、調査員の方とお話しする機会がございました。調査のお約束の日時に訪問しても、御不在であることも間々あるらしくて、その場合にポストに入れてくる書類があるそうです。それを伺いまして、お伺いしても御不在であるケースが多いんだなと。その時間が無駄になってしまったり、スケジュールを組み直す必要が生じたりして、調査員の方にも本当に御苦労をおかけしているんだなというふうに改めて感じました。介護の様々な現場で奮闘してくださっている方々がやりがいを感じていただける環境をつくっていきたい、そのための御提案も今後させていただきたいと考えておりますので、また、どうぞよろしくお願いいたします。
ともあれ、本当に日頃より、区の皆様、特に介護絡みの皆様には本当にお世話になっているなと私自身も感謝しておりまして、皆様の尽力、様々な御苦労があってこその中央区かなと思っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○海老原委員
ただいま3特別会計歳入歳出予算の質疑半ばでありますが、暫時休憩し、午後2時50分に委員会を再開されるよう諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○塚田委員長
ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塚田委員長
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。
午後2時50分に委員会を再開いたしますので、御参集願います。
暫時休憩いたします。
(午後2時35分 休憩)
(午後2時50分 再開)
○塚田委員長
休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
3特別会計歳入歳出予算について、質問者の発言を願います。
○渡部委員
それでは、国民健康保険事業の充実事業からお伺いをさせていただきます。
令和6年度の予算案における充実事業として、国民健康保険第2期データヘルス計画保健事業に506万1千円の予算が立てられております。今年度、レセプトデータ及び特定健診データを基に実施した医療費分析を踏まえ、国民健康保険加入者の健康課題などを明らかにした上で、健康増進及び疾病予防の観点から、効果的な健康事業を展開し、医療費の適正化を図るため、データヘルス計画及び特定健康診査等実施計画について、令和6年3月を目途に、現在、改定中でいらっしゃいます。
まず、第1期の6年間で得られた問題、課題について、第2期においてどのようにこれを反映し、目標を設定した計画になっているのでしょうか。令和6年度は、第2期の初めの1年目に当たります。概要によりますと、糖尿病性腎症重症化予防事業を拡大し、慢性腎臓病対策事業、そして重複多剤服薬事業等を実施するとのことでございますが、この事業を展開する理由や、実施することの評価をどのように見て事業設計をなされたのか、まずお知らせください。
○井山保険年金課長
第2期データヘルス計画でございます。
本計画については、区は、国民健康保険の保険者として、データを見て健康課題を抽出しまして、基本的には、ベースとなるのは被保険者の健康寿命の延伸と医療の適正化を図るということを目的として、PDCAサイクルに沿って評価を行い、事業を実施していくというものでございます。
第1期を作成の際、平成30年に第1期を作成したわけでございますが、まず初めてつくって、保健事業を考えて行っていたというところで、どのように課題を抽出して、保健事業をやっていくにも、どういう数値を抽出していくのかといったようなことも手探りの中でやっていたというところでございます。
第1期データヘルス計画では4つの保健事業をやってきた中で、例えばですけれども、生活習慣病治療中断者及び異常値放置者に対しての受診勧奨の事業などは、データから抽出して対象者の方に通知をしまして、電話で勧奨するんですけれども、実際にお話を聞くと、治療を中断ということではなく、値としてはちょっと異常値というか、高い数値ではあったんですけれども、治療の対応が必要がない方であったりとか、医療機関受診の必要がない方であったりとか、そういうことなどがありました。
また、糖尿病性腎症重症化予防に関しましては、こちらも対象者の方をピックアップして通知を行い、電話により、保健指導をやりませんかということで勧奨するんですが、やはりこの保健指導に対する参加者が少ない。健康意識の比較的高い方が参加したというところであります。ただ、この保健指導に関しては、実際やってみまして、参加者は少なかったんですけれども、実際に行動変容も見られまして、保健師等の専門職が指導したということで、一定の成果が現れたかなというふうには見ております。
そのあたりのことを踏まえまして、今回、次期改定に当たり、評価委員会などでいろいろな御意見をいただきまして、まず糖尿病性腎症の重症化予防については、この事業をやっていくに当たり、生活習慣病が重い腎臓病につながって、最終的に人工透析になるというところで、高額な医療費がかかる。その方の生活の質も低下する。糖尿病腎症になった方でも、その意識をあまり持っていない方が比較的見られたところがあったということです。腎臓病が重くなりますと、これがよくなるということはまずありませんので、糖尿病性腎症に加えて、腎硬化症といった生活習慣病に起因する慢性腎臓病にも対象を広げて、保健指導などのアプローチを行っていこうというふうに考えております。
また、ポピュレーションアプローチといたしまして、慢性腎臓病の怖さを一般的に広めて知ってもらうために、次期の計画に講演会の開催も入れまして、講演会が終わった後に個別に保健指導などを行うというような形でポピュレーションアプローチを行っていこうというふうに考えております。
重複多剤の事業につきましては、第1期でやってきた受診行動適正化事業という、頻回受診と重複受診に対しての指導と、あと服薬に関して、重複服薬者に対しての指導、電話勧奨を行ってきたんですけれども、頻回受診、重複受診に関しては、通知を送って電話をしても、例えば一時的なものであったりとか、あとは医師の指示に基づく受診というところが多く、あまりこの対象者がいなかったというところと、あと服薬者に関しては、精神疾患の方、精神の服薬をされている方が多くて、事業を事業者に委託して電話などをしていたんですけれども、アプローチをしても、なかなか意図するところを理解していただけないとか、そういうところがありました。
そのことを踏まえまして、今回、この事業に関しては、重複と頻回の受診に関しては実施せず、服薬のほう、重複と多剤服薬です。適正な服薬というのは医療の適正化にもつながりますので、服薬に特化した事業ということで、今回、京橋薬剤師会と日本橋薬剤師会に委託をしまして、対象者に通知をして、薬局のほうで服薬の指導、アドバイスなどを行っていただくという形で新たに実施していくという形にいたしました。
以上でございます。
○渡部委員
詳細をお伝えいただきまして、ありがとうございます。
糖尿病性の腎盂炎、糖尿病は非常に恐ろしく、血管から末梢系、全てに影響を及ぼしてくるところで、さらに腎臓のほうにいってしまうと高額医療になってしまうということから、第1期を踏まえまして、事前に対象者に勧奨していく、そこに陥らせない御努力を2期に対してはしていくということ、また、お薬に関しましては、京橋と日本橋の薬剤師さんの御協力もいただきながら、対象者に対して適切な御対応をいただけるということ、かなり細かくしながら、やはり健全な国保の会計を維持していくための御努力をされているんだなというふうに思いました。
これにつきましては、その財政基盤ですとか、また、対象者に対する健康意識こそが国保会計を保っていくには必要な、マストだと思っております。これについては引き続き、かなり細かく御対応いただいておりますけれども、理解をしております。よろしくお願いしたいと思います。
予算書の285ページですが、保健事業費のところに特定健康診査等に要する経費として1億660万9千円計上されているんですけれども、40歳から74歳の方々の受診率はどういうふうな状況でしょうか。また、この特定健診の課題はどういうふうに捉えていらっしゃるんでしょうか。
○植木管理課長
特定健康診査の受診率についてでございます。
こちらは資料200にもありますが、まだ令和5年度は年度途中ということなのでは、令和4年度ですと33.9%といった状況でございます。こちらにつきましては、一時コロナで受診控えもございまして、一時若干減ったんですが、徐々に上がってきているところでございます。
また、課題としましては、国の目標値が60%になっておりますので、こちらについて、受診率の向上は本当に課題というふうに認識しているところでございます。区としましては、初めて特定健康診査を受診する40歳の方に個別でパンフレットを送ったり、また、全ての対象者の方には受診券も送り、また、2年連続して受けていない方については受診を促しているところでございます。こういったところにつきましては、他区で受診率の高いところに確認しますと、ほぼやっていることは同じですが、ただ、未受診者に関して、そこのアプローチをもうちょっと強めていくべきというふうには考えていることころでございまして、今後については、そのあたりを検討していきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○渡部委員
ありがとうございます。国は60%と言っているんですね。御努力が少しずつ改善に向かっていくことを願います。
予算書の345ページに一般介護予防事業の普及啓発という形で出ているんですけれども、今回、令和6年度は1,593万9千円、事業費として計上されています。高齢者比率は低いとはいえ、少しずつ65歳という年齢に達していく方々が多いのと、来年、2025年は団塊世代の方々が全員75歳という年齢に達していくということでございますので、予防普及啓発は非常に大事だというふうに私自身も認識しています。
昨年の令和5年3月に頂きました中央区高齢者の生活実態調査および介護サービス利用状況等調査報告書を拝見いたしますと、49ページにあります、区で行っている高齢者健康づくり事業の認知度が、意外や意外、非常に低かったのが驚きでした。さわやか健康教室については、「知らなかった」と答えている人が68.6%、また、中央区粋なまちトレーニングを「知らなかった」と答えている人が78.1%というような状況になっていて、これは明らかに、多分コロナの影響、それから周知の問題もあったのかなというふうに推察しているんですけれども、同時に、併せて交流サロンですとか、サークルの参加についての状況も少し確認しましたが、やはり「参加していない」という人が89.9%にも上っているということから、今後、高齢化社会に向かっていく現状を鑑みますと、外出の機会を得ながら健康に対する運動などの取組が一層求められていくのかなというふうに考えております。これについてどういうふうにお考えでしょうか。そして、参加率を上げていく必要性もあると思うんですが、いかがでしょうか。
○河内介護保険課長
これまでのコロナの影響等もありまして、閉じ籠もりであったり、高齢者の孤立化というのは喫緊の課題だと思っておりまして、今回策定します計画についても、そのところは非常に重要だと考えております。
その中で、新しい事業としまして、こちらも、案内をして、そのまま待っているだけでは、なかなか高齢者も出てきてくれませんので、こちらから積極的にアプローチをするという形の一つとして、データを活用して、健康リスクの高い方にアプローチをしていくといったような取組を始めさせていただきたいと考えております。その中で、今御紹介いただいたさわやか健康教室であったり、その他の教室等も御紹介しながら、健康づくりであったり、食生活であったり、また社会参加であったりといったようなところにつなげていければと考えております。
以上です。
○渡部委員
先ほども、介入したことによってデータがよくなっている方もいらっしゃると伺いましたが、御自身のやる気につながっていくと思いますので、この改善に向けて御対応をよろしくお願いいたします。
終わります。ありがとうございました。
○塚田委員長
次の質問者の発言を願います。
○奥村委員
それでは、特別会計について質問させていただきます。
国民健康保険料も後期高齢者医療保険料も介護保険料も非常に高額で、支払いが大変だという事態が広がっているということは大変深刻だというふうに思っています。
初めに、後期高齢についてです。
2022年10月から、外来の窓口負担が1割の人は2割になるという2割化が始まっています。全国では、75歳以上の人の20%に当たる370万人が1割から2割負担になったと。中央区では、もともと1割負担だった方が1万人いて、そのうち、この制度改悪によって2割負担となった人が2,700人いるということになっています。
資料339で滞納世帯が1月末で656人となっていて、例年よりも増えているかなと思うんですが、3月末までにさらに増えると思われます。この要因としては、どういうことがあるのか、1割の窓口負担が2割になったことの影響はどのように出ているのかという点について伺いたいと思います。
そして、窓口負担を1か月3,000円までに抑える配慮措置というものが3年間限定で取られていますが、終了するのが2025年の10月なのか、年度末なのかということを確認させていただきたいのと、この配慮措置の継続を国に対しても強く求めていく必要があると思いますし、区としてもできる支援、窓口負担を引き下げていく支援が必要だと思いますが、その点についての御見解をお示しいただきたいと思います。
○井山保険年金課長
まず、資料339の後期高齢者の滞納者数についてでございます。
令和5年度、これは1月末現在の数字になります。それまでの各年度の数字というのは、各年度の最終的な数字です。令和5年度は1月末現在というところで、1月末の時点で滞納している方になりますので、例えば1月分を滞納している方、支払っていない方、あと実際に1月末に支払っても、収納反映されるのは少し時間がかかりますので、払っていても、ここの数字に上がってきている方もいらっしゃいます。
あと、後期高齢者の場合、誕生日になりますと、自動的に手続を経ないで、今まで社会保険または国民健康保険だった方が後期高齢者に移行されるんですけれども、例えばそれまで国民健康保険で口座振替していた方は、後期高齢者になっても、それが引き続き引き継がれないという課題がございます。なので、年度途中で75歳になった方は、今まで特別徴収だった方が普通徴収に切り替わります。それについても、納付書とかを送付する中で制度の説明はさせていただいているんですけれども、それに気づかず知らないまま、そのままになってしまったというところも影響しているかなというところはあります。そういった方に関しては、こちらから電話で勧奨して、お支払いの説明をしておりますので、そういった中で徐々に解消されているところでございます。
なので、この滞納者数が窓口負担の2割化でどういうふうに影響しているかというところは、直接この滞納者、滞納の数と負担の関係というのは明確には不明な部分がございます。
それから、配慮措置、月額3,000円以上にならないように配慮措置がされているというところではありますが、これについては、令和7年、2025年9月30日までとなっております。現在のところでは、国は時限措置というところは取っております。これについては、まだ少し時間があるというところもあります。また、後期高齢に関しては、東京都後期高齢者医療広域連合のほうで実務を行っておりますので、そのあたりは、実際にどの程度今後も影響があるかというところは、区としてはその動向を注視し、広域連合の動きなども注視していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○大久保福祉保健部長
後期高齢の2割負担と滞納の関係性というお話もございましたけれども、基本的に、後期高齢の本人負担の2割負担というのは、全体の制度的に考えると、保険料負担が軽くなる制度となります。窓口で負担が増えますので、公費の保険給付費の額自体を引き下げる効果になります。基本的には、これによって保険料の負担が大きくなる、それによって滞納が増える、そういう関係性にはないものと考えております。
以上でございます。
○奥村委員
数字上で出てくるのは、決算の資料になったときにはきちんと年度末の数字で出てくるんだと思うので、それも確認したいとは思いますが、3,000円までに抑えるという措置があっても、それ以下の人であれば、これまで支払いが1,000円であったものが2,000円になるとか、倍になって払っている方もいて、家計にとって負担だという方もいるのではないかというふうには思っています。こういった後期高齢者の方たちの平均での毎月の医療費負担なども、区のほうでいろいろデータはあって、何割負担の人が月で大体どれぐらいの窓口負担をしているかとか、そういったものはデータとして出していただけるのかという点を確認したいと思います。具体的な数字は結構ですけれども、そういうものを要求すれば出していただけるのかという点を確認させていただきたいと思います。
保険料を下げるということは、後期高齢だけでなく、国保などでも必要だというふうに思っています。中央区としても、元気な高齢者を増やしていこうとか、健康寿命を延ばしていこうという取組を様々されているので、そういう中で、下がってくる医療費分が数字として出てくると思うんですけれども、そういったものを保険料の負担軽減のためにも充てていくような考え方、全体として健康な人を増やし、もちろん、そういう政策はたくさんしていただいて、元気に活動してもらえる高齢者の方をどんどん増やしていきながら、その分で浮くというのか、そういった部分はきちんと繰入れもして保険料を下げていく。健康に配慮をしても、どうしても医療が必要な方は必ずいるわけなので、そういう方たちの負担を下げていくという考え方が取れないかどうかという点についても伺いたいと思います。
国保の問題ですが、差押えの件数が資料330で出ています。以前から様々、差押えというのは、支払ってもらうための話合いのきっかけにすると。差し押さえること自体が目的なわけではなくて、これを入り口にして、どういうふうに納付してもらえるのか、話合いにつなげていくための手段だという御答弁があったと思うんですけれども、差押えの件数の中で、実際に話合いにどれぐらいつながっているのか、それが納付につながっているのかという割合、差押えの前向きな成果というのか、そういうものはどのように分析されているのか。納付につながる件数、割合というものも高めていく必要があると思うんですけれども、その点について御答弁いただきたいと思います。
○井山保険年金課長
まず、後期高齢者の2割負担に関してでございます。
まず、2割負担の直近の後期高齢者の方の割合と人数の状況ですけれども、人数に関しては、12月末が直近の数ではあるんですが、被保険者数1万4,034人に対して、1割負担の方が8,229人、2割負担の方が2,785人、3割負担の方が3,020人となっておりまして、2割負担の方は19.9%、約20%ということで、これは制度が始まった当初から20%前後というところで変更がないところでございます。それが金額にどう関係しているのかといったところまでは、こちらのほうでは押さえていないところでございます。
後期高齢者も国民健康保険のほうも、保険料は年々高くなるといったところではありますけれども、基本的には、医療費、医療給付費が年々上がっているというところで、保険料のほうも上げざるを得ないというところがベースになっております。なるべく医療費を抑えるために、先ほどのデータヘルス計画に基づく保健事業などで、健康寿命の延伸というところで、いろいろな事業を行っているところではございますが、どのくらい健康な方がいて、どのくらいの分を医療の負担軽減に充てるといったところは、各自治体で行っていくにはなかなか難しいのかなというふうに思います。
国保の差押えの件でございます。
令和4年度の差押え件数は76件でございます。基本的に、差押え理由としまして一番多いのは、払っていない方に職員のほうから、まず電話をかけまして、納付を促すものでありますが、電話をしても応答しないというところが一番多くて、34件でございました。あとは、納付約束、払いますという形でお答えいただいても、その後、その約束が不履行になった方が7件でございます。あと、そもそも連絡をしても払う意思がない方も7件いらっしゃいます。
そういった方に関しましては、こちらのほうでも財産調査をしまして、資力のある方に関しては差押えを行っているところでございます。差押えをすることによって、連絡が一切取れなかった人から連絡が来る方もいらっしゃいまして、差押えをしても、取立てに至った方もいらっしゃいますけれども、例えば令和4年度の76件に関しましては、取立て解除になった方は、一部、全部を含めて12件ございます。金額的には260万円弱といったところでございます。
そういった形で、あくまでも連絡の取れない方に関して連絡を取るための手段というところを第一に、あとは納付意思のない方、そもそもの制度で、例えば病院に行かないから払う必要はないといったお考えの方もありますので、そのあたりは丁寧に制度の趣旨を説明して、納付につなげるように日々推進しているところでございます。
以上でございます。
○奥村委員
保険料の値上がりの要因については、一番大きいのは国庫負担が減っていることだと私は思います。国庫負担の減る割合と反比例しながら保険料は上がっているというのが実態だと思うので、やはり国がきちんと国庫負担として投入していくということが必要なんだと思います。国がやらない限りは、区としてできる措置を最大限取っていく必要があるのだろうというふうに思っています。
特別区長会なども、昨年の11月16日に厚生労働大臣に対して、国民健康保険制度の見直しに関する提言というものも行っていて、それぞれの自治体での策というものも限りがあると。国としてきちんと支援していかなくては、制度を維持できないということで提言も行っています。やはり国としてきちんと措置することを今も強く求めていると思いますが、さらに強く求めていかなくては、保険料も値上がりする一方だというふうに思います。
資料333で見ると、この資料の表の上では2005年が一番古いデータになっていますけれども、1人当たりの保険料が9万326円だったものが、2024年には17万4,165円と。このままでは、いずれ20万円に届くんだろうといった状況になっています。所得も下がり、物価高騰もある中で、引き下げていくことが必要だと思っています。
差押えについてですが、差押えをする方はどういう基準で選んでいるのかという点、何か月分滞納とか金額で区切っているとか、そういった点について確認をさせていただきたいと思います。お願いします。
○井山保険年金課長
差押えの基準でございます。
すみません。今、明確なものというのはないですけれども、基準的な目安というものはございまして、基本的には、一番優先するのは滞納額100万円以上というところを基準にやっております。次に、70万円以上ですとか、そのあたりの概要、大まかな枠組みをつくっております。あとは所得の状況ですとか、家族構成ですとか、いろいろなところを鑑みて、財産調査をした上で資力がある、あとは、例えばそのときに預金がなくても、定期的に振り込まれていて、定期的に引き出されているとか、その人その人のいろいろな状況を細かく確認した上で行っているところでございます。
以上です。
○奥村委員
私のほうも、差押えの基準は国保なのか、後期なのかとか混ぜて質問してしまったんですけれども、大体100万円ぐらいがどんな滞納でも目安になるということでよいのか、と思います。
法定外繰入れについてですけれども、中央区でも、予算書の266ページを見ますと、一般会計の繰入金が全体では約13億円ですが、一般会計の法定外のその他という部分からの繰入金が新年度で1億345万2千円計上されていて、これが区として国保に繰り入れている金額ということになっています。
というのも、2018年、国民健康保険事業を都道府県単位で運営することになった国保制度改革によって、保険料負担が急増することを回避するために、特別区では2018年度から2024年度までの6年間で94%から年1%ずつ引き上げていく独自の激変緩和措置を実施することになりましたが、コロナの拡大で計画どおり進められなかったために、当初計画から2年延長して、2026年度には納付金100%を賦課総額とする措置が今取られているということで、2024年度は独自の激変緩和割合を98%として、2026年度には終了させて、納付金の100%を賦課総額とするという取組の中で、この繰入れも行われていると思います。
こうした繰入れは独自に継続できる仕組みではあるので、引き続き、保険料を引き上げないために、繰入れも継続していただきたいということを要求して質問を終わります。
○塚田委員長
次の質問者の発言を願います。
○アルール委員
私からは、介護保険のことについてお伺いします。
介護保険の保険者機能強化推進交付金と、それからもう一つの介護保険保険者努力支援交付金ですけれども、こちらは昨年度に比べて本年度は減になっているんですが、その要因は何にあるか教えてください。
○河内介護保険課長
保険者機能強化推進交付金と介護保険保険者努力支援交付金についてです。
こちらは、高齢者の自立支援だったり、重症化防止等に関する取組を支援する新たな交付金として設立されたもので、予防であったり、健康づくりに資する取組に重点化したものが努力支援交付金というものです。毎年、取組の内容の基準が変更になりまして、それを全国の自治体で比較をして、ランクづけをしまして交付金の金額が決定するものとなっております。
今回、令和6年の取組としまして、改めて基準の変更を反映させて、区で点数化をするんですけれども、点数化をしたところ、前年度に比べて他の自治体の順位を下回ってしまったということで、交付金の額が減となったところでございます。
以上です。
○アルール委員
いわゆる国のインセンティブとしての保険者機能強化推進交付金は、本区では、たくさん高齢者向けにいろいろな予防の対策だったり、健康のいろいろな施策を打っております。なので、せっかくこういった推進交付金があるので、それをより積極的に頂けるような施策を、本年度ではなくて、再来年度に向けて、ぜひ打っていただきたいというふうに思います。
その中で、来年度は高齢者に対するデータを活用したことをするというふうに、データヘルス事業にありますので、それとの連携はどのようにされるのか、もしありましたら、考えを聞かせていただきたいと思います。
○河内介護保険課長
こちらのいわゆる国のインセンティブ交付金につきましては、取組の状況によって、もちろん点数も上がります。今、御紹介いただいたデータを活用した取組につきましても、こちらに反映されるものと考えておりまして、そのほか、例えばですけれども、それと付随して高齢者の健康づくりの、要はモチベーションを上げるための、先ほど御紹介した健康ポイントとか、そういった取組もこちらのインセンティブ交付金に影響してまいります。また、内容としましては、先ほど基準が変わったというところですけれども、今まではアウトプットのところを、アウトカムというか、実際どういった健康に結びついたかというところが重視されているというような判断もありますので、そういったところも意識しながら、引き続き高齢者の健康づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
○アルール委員
ありがとうございます。引き続き、アウトカムのものを積極的にやっていただきたいと思います。
今、お話が出ました健康のアプリは、将来的には東京都がやっている東京ペイなどのポイントが地元の通貨で使えるようなシステムに将来的につなげていけるように、先ほど健康な人が、私は健康だから保険料を納めたくないというのがありましたけれども、健康な人がお金を払いたくないという、そういう不公平感を生まないために、例えば民間ですと、保険を払っていると健康祝い金があるよみたいな、そういったプライベートな保険もあるわけなので、国の制度は変えられないとしても、中央区の中でデータヘルスとポイント、そういったものを使いながら、健康であればポイントがちょっともらえて、それが現地の通貨として将来的に使えるようなことを、ぜひ再来年度以降、形にしていっていただきたいというふうに思います。
質問と提案は以上です。終わります。
○海老原委員
3特別会計歳入歳出予算の質疑も終了したと思われますので、次に、総括質疑に入るようお諮り願うとともに、本日はこの程度とし、明20日を休会とし、明後21日午前10時に委員会を開会されるようお諮り願います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○塚田委員長
ただいまの動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塚田委員長
御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。
明20日を休会とし、明後21日午前10時に委員会を開会いたしますので、御参集願います。
なお、各会派の代表者の方は、代表者会を開会いたしますので、この後、10階会議室にお集まりください。
本日はこれをもって散会いたします。
(午後3時35分 散会)
お問い合わせ先:区議会議会局調査係
電話:03-3546-5559