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令和7年第一回定例会会議録(第3日 2月27日)

1.会期

三十二日(第三日)

二月二十七日(木曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後五時五十九分散会

3.出席議員

(三十名)

一番 ほづみ ゆうき議員

二番 アルール うた子議員

三番 上田 かずき議員

四番 黒原 裕司議員

五番 川畑 善智議員

六番 白須 夏議員

七番 高橋 元気議員

八番 永井 佳代議員

九番 小坂 和輝議員

十番 青木 かの議員

十一番 高橋 まきこ議員

十二番 田中 耕太郎議員

十三番 かみや 俊宏議員

十四番 太田 太議員

十五番 竹内 幸美議員

十六番 渡部 恵子議員

十七番 山本 理恵議員

十八番 梶谷 優香議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 奥村 暁子議員

二十一番 瓜生 正高議員

二十二番 塚田 秀伸議員

二十三番 木村 克一議員

二十四番 海老原 崇智議員

二十五番 礒野 忠議員

二十六番 原田 賢一議員

二十七番 押田 まり子議員

二十八番 堀田 弥生議員

二十九番 墨谷 浩一議員

三十番 田中 広一議員

4.出席説明員

区長 山本 泰人君

副区長 田中 智彦君

副区長 吉田 不曇君

教育長 平林 治樹君

企画部長 生島 憲君

総務部長 黒川 眞君

防災危機管理室長 春貴 一人君

区民部長 濱田 徹君

福祉保健部長 大久保 稔君

高齢者施策推進室長 田部井 久君

保健所長 渡瀬 博俊君

環境土木部長 三留 一浩君

都市整備部長 早川 秀樹君

都市活性プロジェクト推進室長 溝口 薫君

会計管理者 山﨑 健順君

教育委員会事務局次長 北澤 千恵子君

監査事務局長 林 秀哉君

企画部参事(政策企画課長事務取扱) 石戸 秀明君

財政課長 野末 託範君

総務課長 小林 寛久君

5.議会局出席職員

議会局長 伊藤 孝志君

庶務係長 長塚 由希江君

議事係長 小倉 正信君

調査係長 佐藤 康之君

書記 後藤 絵里子君

6.議事日程

日程第一

  • 一般質問

午後二時 開議

○議長(瓜生正高議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(瓜生正高議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 まず、十番青木かの議員。

〔十番 青木かの議員登壇〕

○十番(青木かの議員)
 かがやき中央、青木かのです。提出した質問通告にのっとり質問いたします。再質問については、留保させていただきます。

 私の最初の選挙は二○一一年でした。忘れもしない、その年の三月十一日、東日本大震災が日本中を揺るがし、まだまだ地震や津波の傷痕が残り、福島原発による放射能の影響も分からない状況の中、国は国民のために何をやっているのだろう、十分な重要な情報が伝わらない、自分たちにとって都合の悪いことは発表しない、そのようないら立ちの中で、地方議員こそ区民に寄り添い、災害から区民を守ると強く誓ったことを覚えています。

 私の政策の中心には、いつも防災があります。中央区は、防災という視点から見ると有利な特徴があります。高さ六メートルの堤防に囲まれている中央区は、東京湾の形状等から、津波については、基本的に恐れることはない。臨海部であっても、液状化はそれほど心配することはないという点、これは専門家の方もおっしゃっています。では、防災・災害対策は自治体として何が重要か。中央区民のおよそ九五%がマンションにお住まいです。災害時は、基本的に在宅避難です。そこで、これまでも自助・共助・公助のうち、マンション防災という視点から、主に共助について一般質問や委員会でも度々取り上げてきました。マンション単位の燃料の備蓄、エレベーターの閉じ込め対策などです。そこで、今回は主に公助の視点から質問したいと思います。

 昨年、私は防災拠点運営委員会に入りました。さらに区民に近いところで災害対策について考えたかったからです。つい先日、二月二日には防災拠点訓練がありました。参加者は皆さんとても熱心で、私も勉強になりました。消防団員として参加していたときには分からなかった新しい気づきもありました。

 まずは、防災拠点における防災リーダーについてです。

 分厚い防災拠点活動マニュアルが頭の中に入っていたとしても、災害はマニュアルどおりには起こってくれません。そのとき、防災リーダーには、臨機応変に、そして迅速に状況を把握し、的確に指示を出していくことが求められます。令和七年度予算案に地域防災リーダーの育成支援として、防災士育成のため、およそ二百万円が計上されています。まさに、的確な判断だと思います。私自身、災害発生時に防災拠点運営委員会の委員として、適切な避難者対応や防災拠点の運営をしたいという思いから、先月、防災士の資格を取得したところです。

 そこで、お尋ねします。

 防災士の効果的な活用方法について、防災拠点での役割等、区の考えをお知らせください。

 また、今後、防災士の養成をどの程度まで広げていくのか、区としての現時点での考えをお聞かせください。

 今回の質問をするに当たり、昨年修正版が出されました中央区地域防災計画(令和六年修正)を改めて読みました。特に、資料編です。膨大な量の備蓄品は、区内に分散して設置されています。防災拠点倉庫が二十五施設、副拠点倉庫七施設、活動資器材倉庫三施設、防災備蓄倉庫二十五施設、民間協力による防災備蓄倉庫二十施設、計八十施設もあります。これだけの物資の調達に要する調整や在庫管理を全て職員がやるのは大変な負担であり、効率的でもありません。

 今回、七年度予算案に計上された備蓄管理体制の強化として、その業務を事業者に委託することになった経緯と、そのことによって、どのような効果が期待できるのかお知らせください。

 次に、総合防災システムについてです。

 こちらも、令和七年度の予算案で導入するとなっています。総合防災システムは、既に多くの区で導入されていますが、今回、中央区が総合防災システムの導入に至った経過と期待される効果、そして課題をお知らせください。また、本庁舎の非常用電源に影響はないのか、併せてお聞きいたします。

 また、このシステムは、将来的に、各防災拠点を結んで情報管理を一元化するものと理解しています。区民にもいち早く情報提供ができるようになる。つまり、本格稼働はいつ頃を目標にしているのでしょうか。今後のスケジュール感を教えてください。

 次に、現在、中央区は、災害発生時における福祉避難所等の開設運営に関する協定、災害に係る情報発信に関する協定、災害時における段ボール製簡易ベッドなど応急物資の供給に関する協定など、民間業者およそ百三十社との災害協力協定を結んでいます。中央区内はもとより、区外の民間事業者を含めますと、災害時に重要なサービスを提供できる企業、事業者等、まだまだたくさんあると考えます。

 そこで、お尋ねします。

 今後、災害協力協定を結ぶ予定の、あるいは結びたい協定分野がありましたらお知らせください。

 続いて、水辺環境の整備についてです。

 先日、カルガモ仲間の方から連絡がありました。二月八日土曜日早朝に、石川島公園の相生橋下にある浮島で子ガモが十羽生まれたという、うれしいニュースでした。例年ですと、子ガモのふ化は四月のゴールデンウイーク前頃から始まりますので、ちょっと早いなとは思いましたが、季節的にも、この厳しい環境の中で親ガモは子ガモたちを育て、守らなければなりません。しかし、結果は、九日日曜日の時点で四羽に減ってしまい、十一日火曜日に行ったときには、もういなくなってしまいました。カラスの被害だとしたら、とても残念な結果です。相生橋下の浮島については、カルガモたちが安心して子育てできる環境になるよう、早急に対策を講じていただきたいと思います。

 また、この時期、浮島の緑が失われ、枝だけの状態になっている状況を見てみると、もう一つ重大な課題が明らかになりました。最近の釣りブームにより、釣りを楽しむ方も多く見受けられますが、そのため、浮島の樹木にたくさんの釣り糸が引っかかっていたのです。実際、この釣り糸がふ化したばかりの子ガモの足に絡まったこともありました。母ガモの助けもあり、何とか外すことができましたが、禁止されている投げ釣りで釣糸が浮島の木の枝に引っかかり、切れて残ってしまったと推測できます。

 そこで、質問です。

 このルール違反は、カルガモにとって命取りとなります。そこで、この浮島エリアは、現在の投げ釣り禁止ではなく、釣りを禁止にすべきだと考えます。ほかにも釣りができる場所は石川島公園内にもあります。浮島エリアの釣り禁止について強く要望しますが、区の考えをお聞かせください。

 また、水辺についてもう一点、令和六年度予算に水辺環境の整備検討として三百七十三万三千円が計上されました。この整備計画とは、石川島公園内をモデルに、水辺環境のさらなる整備に向けた調査・検討を行うという説明でした。

 そこで、お尋ねします。

 この項目を含め、今年度、どのような調査・検討が行われたのでしょうか。また、報告等については、いつ、どのような形で示されるのでしょうか、お聞かせください。

 この中に、最初に触れたカルガモだけではなく、最近、以前は見られなかった野鳥も飛来するようになり、野鳥愛好家の皆さんも増えています。こうした皆さんの意見を聞く機会をつくってほしいという要望も度々お伝えしてきましたが、実現はされたのでしょうか。

 その他、先日公表された令和七年度の中央区予算案には、水辺に関する施策が多く含まれています。令和五年七月に策定された水辺環境の活用構想を一つ一つ確実に実現させることが必要です。水の都プロジェクトの推進、東京都港湾局が晴海五丁目に所有している用地を活用した、港湾局と共同での新たな朝潮運河沿い歩行者等ネットワークの形成、区独自の水上交通活性化事業等、私は、三年前の令和四年第三回定例会の一般質問において、運河ルネサンスについて取り上げました。ちょっと遡りますが、確認しておきます。

 二○○四年に国土交通省が策定した特例措置により、河川敷における民間事業者による施設整備及び営利活動が可能となりました。従来は港湾事業者に限定されていた運河の水域占用に関して、規制緩和を行い、民間事業者も利用可能となりました。このことにより、地域や民間主体による運河利用を活性化させることを目的とした取組が可能になったのです。豊洲地区、芝浦地区、天王洲地区など五か所のエリアでこの運河ルネサンスが指定されましたが、中央区内では、朝潮運河地区が都から指定され、朝潮運河ルネサンス協議会が設置されています。この朝潮運河ルネサンス協議会は、今年一月、朝潮地区、地区が入ります、朝潮地区運河ルネサンス協議会と名称が変わったことが東京都港湾局より連絡がありましたが、組織については変わっていないと理解しています。

 そこで、まず、現在の朝潮地区運河ルネサンス協議会の実態と活動状況についてお尋ねします。

 また、今回、予算が成立した後、これらの施策を実現する上で、朝潮地区運河ルネサンス協議会と区はどのような連携を図っていくのでしょうか、お聞かせください。

 以上が一回目の質問です。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 青木かの議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、防災士の活用等についてであります。

 阪神・淡路大震災をはじめ、過去の大規模災害を踏まえると、自分たちのまちは自分たちで守るという共助の取組が極めて重要であり、防災拠点や防災区民組織等の活動も、刻々と変化する状況に応じて、自主的な判断の下、迅速かつ的確な対応が求められます。その一方で、地域防災の担い手の高齢化や固定化などの課題が地域から寄せられているところです。こうした課題の改善に資する方策として、防災士の資格取得を支援することにより、防災・減災に関する幅広い知識や技能を有する人材を育てながら、共助への支援をしていく考えであります。防災士になられた方には、平常時は、防災拠点運営委員会をはじめ、防災区民組織などの自主防災組織に加わり、実践的な訓練の企画やマニュアル作成に関する提案等を行っていただくことを、発災時には、救出救護活動や防災拠点における避難所運営など共助の中心的な役割を担っていただくことを期待しております。防災士の養成については、今後、防災拠点運営委員会、防災区民組織、防災対策優良マンションの各防災組織に少なくとも一人の配置を目指していきたいと考えております。加えて、防災組織が組成されていないマンションや地域においても、防災体制づくりをリードする人材が必要であることから、防災アドバイザーの派遣等を通じて、防災士の資格取得を働きかけてまいります。区といたしましては、今後とも地域において防災の中心的役割を担う人材の育成を積極的に推進し、防災拠点をはじめ、マンション等における共助の強化につなげ、地域防災力のさらなる向上を図ってまいります。

 次に、備蓄管理体制の強化についてであります。

 本区では、近年の人口増加等に伴う備蓄物資の増加に加え、昨年一月に発生した能登半島地震の教訓を踏まえ、暑さ・寒さ対策や衛生対策用物資、さらには食料備蓄を避難者想定数の三日分から四日分に増強するなど、備蓄物資の充実を図ってまいりました。その一方で、本区では、物資を八十か所の倉庫に分散配置していることに加えて、備蓄量の増加や品目の多様化に伴い、備蓄管理業務が増大化・複雑化してきたことから、業務の効率化とともに、発災時の物資の供給を円滑に実行できる運用の改善が喫緊の課題となっております。このことから、区では、物資管理や運用の知見を有する民間事業者のノウハウを活用し、備蓄物資及び資器材の点検体制やレイアウトの見直し等により、迅速な物資搬出を可能とする管理体制を早急に構築していく考えであります。と同時に、この改善により、災害時における物資輸送の実効性も高まるものと認識しております。区といたしましては、必要な物資が区民に円滑かつ確実に届けられ、安全・安心な避難生活を送れるよう、引き続き物資の確保・輸送体制の強化を図ってまいります。

 次に、総合防災システムの導入についてであります。

 災害発生時、初動態勢の構築とともに、被害情報の収集と区民への情報発信を正確かつ迅速に行うことが、区の極めて重要な責務であります。このため、区では毎年、災害対策本部運営訓練を実施し、職員の災害対応力の向上はもとより、災対各部や関係機関との連携強化に努めてきたところです。こうした中で、昨年十二月、本庁舎に新たな非常用発電機等を設置したことにより、外部からの電源供給がない状態で七十二時間使用できる電源を確保したところであります。このことを契機に、より効果的かつ的確な災害対応力を備えていく観点から、災害情報を地図上で一元管理できる総合防災システムを導入することといたしました。その効果としては、全庁で即時に情報の共有化を図れることに加え、区民への情報伝達の迅速化とともに、防災拠点を含め、災害現場と区災害対策本部をつなぐ新たなツールとして活用できるため、状況に応じた対策を講じられるものと期待しております。課題としては、これまでの訓練等で積み上げてきた区のノウハウと本システムを速やかに合致させることが挙げられます。加えて、本システムの機能を十分に活用できるよう、職員の研修や習熟のための訓練を重ねていくことも不可欠な取組となります。また、本庁舎の非常用電源は、災害対応に使用する一定数のパソコンやプリンタなどを試算した上で整備したところであり、本システムの導入による影響は生じないと想定しております。さらに、今後の導入計画については、年内中にシステムを構築し、来年一月に実施を予定している本部運営訓練でテスト運用を行い、令和八年度当初から本格稼働したいと考えております。

 次に、災害時における民間事業者等との協定についてであります。

 災害時において応急・復旧活動を迅速かつ円滑に展開していくためには、防災関係機関のみならず、民間事業者等が有する物資や専門的な知識・技術などを効果的に活用し、官民の緊密な連携により災害対応を図っていくことが極めて重要であります。このことから、区では、食料や物資をはじめ、道路啓開、医療救護や災害廃棄物など幅広い分野において事業者等と協定を取り交わしてきたとところです。今年度においても、能登半島地震の教訓を踏まえ、医薬品や生活必需品の供給、避難者への心理的ケアの実施など、新たな協定を締結しており、並行して、帰宅困難者の受入先となる一時滞在施設等の確保に向けて、鋭意協議を進めております。区といたしましては、災害時に民間事業者等が有するあらゆる資源を最大限に活用できるよう、多様な視点を持ちながら、様々な機会を通じて民間事業者等との協力関係を築き、引き続き区の災害対応力の強化に努めてまいります。

 次に、石川島公園の水辺環境についてであります。

 本区の公園では、利用者に危険を及ぼす投げ釣りや周辺環境に配慮が必要な一部の区域を除き、釣りを楽しむことができます。石川島公園の船だまりにある浮島は、平成二十二年から都市の水辺景観の向上や生態系保全を目的に設置したもので、現在ではカルガモ等の営巣も確認され、地域の憩いの場となっております。こうした状況とともに、中央区水辺環境の活用構想では、月島地域の佃・月島エリアにおけるコンセプトとして、生き物と共生する憩いの水辺まちづくりを掲げていることも踏まえ、浮島周辺における釣りの禁止については、今後検討してまいります。また、今年度実施している水辺環境の整備検討については、現在、業務委託により、公園の現状を整理した上で、にぎわい、自然との共生などの視点を踏まえた整備方針や、公園のゾーニングなど、専門家の意見も伺いながら、基礎的な調査資料を作成しているところであり、検討内容が取りまとまり次第、議会に御報告をいたします。今後は、地域住民や子供の声も含め、様々な方から御意見を募り、石川島公園の特性を生かしたさらなる良好な水辺環境の形成に向けて検討を進めてまいります。

 次に、朝潮地区運河ルネサンス協議会についてであります。

 現在、朝潮地区運河ルネサンス協議会の構成メンバーは、地域団体、法人などの十二団体、十六名で構成されております。今年度の活動実績といたしましては、かご網を用いた生き物の生息場づくりや、朝潮運河と周辺水域での体験クルーズ、ハゼ釣り調査などが実施されたところであります。当協議会は、地域性を生かし、安全で快適な生活環境やにぎわいをつくり出すため、運河を生かしたまちづくりを推進することを目的に活動していることから、区では、船着場や区立公園の使用などについて支援を行っております。区といたしましては、令和七年度に予定しております水辺に関する各施策についても、引き続き情報共有を図りながら、水辺空間を生かした環境整備となるよう努めてまいります。

 答弁は以上であります。

〔十番 青木かの議員登壇〕

○十番(青木かの議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 まずは、防災のほうから振り返ってみたいと思います。

 今回、防災士の効果的活用、およそ二百万円ということは、一人大体七万円ですので、一回につき三十人は養成できると。これは大きいです。今、答弁にもありました各防災拠点はもちろんのこと、それぞれの場所で増やしていく。これを毎年続けていただいて、各拠点も一人ずつではなく、二人、三人と増やしていただく。防災士は、私も勉強してみまして、大変役に立つ。私たちが実質必要なのは中央区内、動くのは中央区内ですが、日本全国を視野に入れた防災という観点から勉強いたしますので、いろいろな点で役に立ってまいります。ぜひ、防災士の養成については続けていただきたいと思います。

 それから、防災士もそうですが、多様化ということ、防災士になるにはお金はかかりますが、このシステムを利用すると無料で養成ということになりますが、ボランティアも含めまして、多様な人材が必要だということを感じました。例えば、消防団のほうでは、皆さん御存じのように、機能別消防団員というものを養成してというか、利用しておりまして、水上バイクができる人は水上バイク隊とか、ドローンができる人はドローン隊など、消防署もそのような動きがあります。いろいろな人が自分の技能、持てる力を生かしていくという多様な人材の育成という意味でも、まず防災士を養成していくというのは大変重要だと思いましたので、質問させていただきました。

 それ以降、備蓄管理は効果的に行っていくということで、これまでは三日だったものが四日分に増強されたということは、大変心強いと思います。

 それから、総合防災システムです。この後、帰宅困難者のことも出てまいりましたが、やはり中央区の場合、昼間人口と夜間人口、いわゆる人口に大きな差があって、昼間人口にどう対応していくかということは、やはり帰宅困難者対策ということが大きくなってまいりますので、そういった意味でも、できるだけ早く現在の状況、被害状況を各防災拠点あるいは拠点になっているところから集めて、そして、それを生かしていく。そして、できるだけ早く区民の皆さんに発信していくということで、総合防災システム、二十三区内、ほかにもう進めているところもありますが、中央区は後発とはなりますが、その分、他区での反省点を生かして、中央区ならではの中央区版防災DXというものをしっかりとつくっていただきたいと思います。

 それから、新たな発電機で七十二時間ですので三日間、新たな発電機を投入したということもいいニュースです。

 それから、訓練です。ふだん、こう申し上げるのもなんですが、一年目にいろいろな調査をして、二年目から始めるということが、区の場合、基礎自治体の場合、多いと思うんですが、今の答弁ですと、この四月から始まります七年度から早速始めて、一月には実施訓練をして、令和八年当初ということは四月ですね。当初から本格稼働という、これはスピード感を持って進めていただけるということで、これも大変いい答弁をいただいたと思います。一元化とスピード感を持って情報を集め、そして区民の皆さんに届けていくと。今は防災も防災DXという言葉が使われますが、引き続き頑張っていただきたいと思います。

 一つだけ、これは質問ではありません。付け加えさせていただきます。民間との協力です。災害協力提携、区内にも様々な場所が、事務所があり、様々なものがあるんです。その中で、これまでも何度か取り上げてまいりましたが、月島湾といっても、場所は豊海の中にあるんですが、そこに東京湾を行き来する小型船舶への燃料を供給する関東タスという会社があるんですが、A重油を積んでおります。そして、これはマンションの燃料としても使える、共有性があるということですので、このような企業ともぜひ、今後、災害協力提携を結んでいただけると、ますます区民の皆さんは安心するのではないか。やはり区民の皆さんは、高層マンションにお住まいの方は特にですが、電気が止まる、停電が一番怖いという話が調査結果でも出ておりますので、こうした燃料についても民間と協力をしていく。当然、東京都からも来ると思いますが、東京都はあまり信じないで自分たちで、すみません。悪い意味ではなく、自分たちで先に何とかできるところを見つけておくということは、大変心強いと思いますので、よろしくお願いいたします。

 防災について、再質問はありません。期待しています。頑張ってください。

 それでは、次に、水辺にまいります。

 朝潮運河、現在は朝潮地区運河ルネサンスと名前が変わりました。ごめんなさい。浮島エリアからいきます。

 浮島エリアの釣りの検討、大変力強く検討すると御答弁いただきましたので、ぜひよろしくお願いいたします。これから水辺環境の整備が始まりますので、そのときに間に合うように、先ほどの答弁によりますと、今、基礎的調査をして整理をしていて、できたらそれを議会に提供しますというお答えでした。そして、その前に、ぜひ地域の声、これも何度もお願いしてまいりました。例えば、カルガモのファンの会とか、野鳥を見る会のような会も既に中央区にはありますので、私でよければ、そういうところにも声をかけて、できるだけ近くにいる方々、興味を持っている方々、大変な知識をお持ちです。カルガモや野鳥についての知識をお持ちですので、そういう方に集まっていただいて、ぜひ意見を聞いていただきたいと思います。

 それから、すみません。ここでルネサンス協議会の話に戻りますが、私もルネサンス協議会は大変興味があります。他区、豊洲ですとか、芝浦なども大変盛んに行っている。子供たちがたくさん参加をいたしまして、港区や、それから豊洲の強みというのは、その中に大学がありますので、その大学の水産関係、漁業関係の学生の皆さんが大変協力してくださっているという強みがあります。中央区内にはそういう大学はありませんが、やはり若い方々にも協力をしていただきながら、十二団体で十六名と、今、はっきりおっしゃったんですが、その確認ですが、その方々を中心にということで、朝潮地区運河ルネサンス協議会自体は開かれているのかどうか。つまり、希望すれば、朝潮地区運河ルネサンス協議会に参加できるのかどうか。国交省が始めたこの仕組みというのは、地域に広く、誰でも利用できる、アイデアを出せる、そういうところこそ、今、盛んに行っておりますので、朝潮地区運河ルネサンス協議会が、今、どの程度区民の皆さんに開かれているのか。

 それから、年に一回イベントも行われているようです。この数年、見てみましたが、大体がボートの体験クルーズということを行っていて、以前ほど多種多様なことはやっていない。私の調べでは、そうなっている。それから、ホームページも三年前にクローズしたままになっておりますので、情報も取りづらい状況にあります。

 ということで、質問といたしましては、一つにまとめまして、朝潮地区運河ルネサンス協議会にどれくらいこれから区としては関わっていくか、つまり、開いていくという状況にあるのかお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

〔環境土木部長 三留一浩君登壇〕

○環境土木部長(三留一浩君)
 朝潮地区運河ルネサンス協議会についてでございます。

 当協議会につきましては、民間の任意の協議会ということで、区のほうの関わりとしましては、オブザーバーとして参加をしているということで、答弁にもありましたとおり、情報共有等はさせていただいております。

 御質問の中で、区民の御参加ということでの御質問だと思いますけれども、基本的には、協議会さんのほうで決めていくことだと思っております。区が、どなたが参加したいので、どうしてくださいとか、または広く区民の方に募ってくださいという立場には、現状、ないということでございます。今後、協議会さんのほうとの関係、これも答弁の中にありましたけれども、今後は、そういった施策につきまして、やはり情報共有等はさせていただきながら、連携は取らせていただきたいと思っております。

 以上でございます。

○十番(青木かの議員)
 答弁ありがとうございました。自席にて終了いたします。ありがとうございました。

○議長(瓜生正高議員)
 次に、一番ほづみゆうき議員。

〔一番 ほづみゆうき議員登壇〕

○一番(ほづみゆうき議員)
 会派かがやき中央のほづみゆうきです。さきの質問通告にのっとり質問させていただきます。なお、答弁の内容いかんでは、再質問を留保させていただきます。

 まず、持続可能な公共施設・インフラの管理の在り方について伺います。

 区の保有する様々な施設等を長期的な視点で適切に維持・管理することを目的として、中央区公共施設等総合管理方針二○二二が策定されました。この方針に基づき、今年度は公共施設マネジメントシステムを構築しつつ、利用状況等の情報を集約しているところと認識しています。ただ、これらの管理の在り方には大きく二つの懸念があります。

 一点は、将来の修繕費等を正確に把握できていないのではないかという点です。

 本方針では、三十年後までの施設の修繕等の費用を見積もっています。この費用について、公共施設では、過去の実績から、支出可能な額は年間で七十七・二億円、一方で、七十年使用する場合の年間平均での修繕費等の費用は六十七・七億円と試算され、支出が可能な額を下回るとしています。しかしながら、本方針は二○二二年三月にできたもので、これ以降に建築された本の森ちゅうおうなどの施設は、この試算にそもそも含まれておりません。また、策定後、そして将来的な建築単価の高騰を十分考慮できているとは思えません。建築工事費デフレーター等を考慮することで、方針の改定前からの上昇を考慮した旨の記述はありますが、この指標は基準年からの変動を示すもので、将来的な変動を予測するものではありません。これらは今後の費用への上振れ要因であり、ここで懸念されるのは、近い将来に修繕等に係る費用が支出可能な額を上回ってしまうのではないかという点です。これまで公共施設に関して言及しておりますが、これは橋梁等のインフラ等においても同様です。

 総務省による本方針に係るQ&Aでは、策定後新たに得られた情報を基に不断の見直しを実施し、順次充実していくこと、PDCAサイクルに基づき、数値目標等の達成状況等を踏まえた評価、その評価結果に基づき改訂していくことの二つが重要と記載があります。このような考えに基づき、本区でも個々の施設の各年度での推計額と実際の支出額を年度単位で比較していくべきです。これによって、推計と実績のずれに早期に気づくことができ、これに基づき、適宜見直しを行うことで、将来の安定的な区政運営が可能になります。

 これらを踏まえ、お伺いします。

 現時点における公共施設等の数や建設単価の高騰等を考慮した将来的な修繕費等の費用の推計は行われているのでしょうか。また、その数字が明らかであるならば、本方針における支出可能な額に収まっているのでしょうか。

 次に、さきに挙げたとおり、将来の安定的な区政運営のためには、推計と実績との精査と、それに基づく定期的な計画の見直しが不可欠です。これらの分析を今後実施していくべきと考えますが、その見解についてお示しください。

 このほか、これら推計や実績の状況は広く公開されるべきです。毎年度議会に対して報告いただくとともに、本区のウェブサイト上にも掲載されるべきと考えますが、お考えについてお示しください。

 もう一つの懸念は、公共施設等の在り方への区民ニーズの反映です。

 本方針は、あくまで区の目線での方針にとどまっている印象です。文中には利用状況などの世論調査が含まれておりますが、他の記述でそれが引用されているわけではなく、区民の声が何らかの方向性に寄与しているとは思えません。その一例として、本方針では、施設の長寿命化が全体の方向性として位置づけられています。これは、費用の節減という観点で合理的であることは理解しますが、それが必ずしも区民ニーズに合致しているとは限りません。総務省の通知によれば、公共施設等の最適な配置はまちづくりの在り方に関わるものであることから、議会や住民への十分な情報提供を行いつつ進めていくことが望ましいとあります。

 この例として、武蔵野市では、施設老朽化と財政状況を踏まえつつ、今後を考えるワークショップを、計画策定に当たり、実施しています。また、住民参画には情報の公開も不可欠です。武蔵野市では、公共施設カルテとして、施設に関する基礎情報を整理した資料を公開しています。目黒区では、修繕費や委託費、光熱水費なども含めた情報をオープンデータとして公開しており、このデータを基に、有志によるイベントも開催されております。このように、参加の機会やさらなる情報の提供が、今後の公共施設等の管理への区民ニーズを反映させることにつながるものと考えます。

 これらを踏まえ、お伺いします。

 まず、本方針の改定に当たり、どのように区民ニーズを考慮されたのかについてお示しください。

 次に、今後の公共施設管理に当たって、より区民ニーズを反映していくために、本区においてもワークショップのような形で意見を募り、その結果を今後に生かしていくべきと考えます。この点について見解をお示しください。

 最後に、区民ニーズの反映という観点からも、さきに挙げた今後の修繕費等の費用の推計と実績との比較であったり、公共施設等に関する様々なデータをできる限り積極的に区民に対して公開していくべきです。この点について見解をお示しください。

 次に、より透明性の高い予算編成の在り方について伺います。

 一点は、予算編成プロセスと個々の事業の展開との関係性です。

 一般に、予算を必要とする新規の事業がある場合には、予算案において経費が計上され、これが議会で可決された後に展開されるというプロセスをたどる認識です。これは、新年度のいわゆる当初予算の場合はもちろん、年度途中の補正予算についても同様です。ただ、過去の予算と決算のデータを比較する中で、必ずしもそうなっていないと思われる例を発見しております。それは、二○二三年六月に開始された江戸バスの無償化についてです。この事業は、二月の当初予算案には含まれておらず、その後の三月の予算特別委員会において提案されたものです。この時点で当初予算案に含まれていないことは、当時の議事録からも明らかです。その後、当初予算は原案どおり三月十六日に可決されました。それにもかかわらず、この事業は四月七日に中央区地域公共交通会議にて議題として上げられ承認、そして四月十日には決定事項としてプレスリリースされ、六月二十日から開始されました。この間に、本件に係る補正予算案が組まれた形跡はありません。細かく経緯を説明してまいりましたが、つまり、当初予算案になかったはずの事業が、補正予算案などの予算措置を経ることなく展開されているように思われるということです。これは、冒頭に申し上げた考え方からすると、やや違和感があります。

 なお、本事業に係る予算は、令和四年度では約一億円でしたが、令和五年度には約一・五億円と増額されており、この中でやりくりできた可能性もありますが、それはそれで問題と考えます。無償化となれば、乗車券の配布や利用料金の穴埋めに追加的な費用が必要となります。それが既存の予算でやりくりができるのであれば、それは当初で過剰な予算を積んでいるとも取れるためです。

 これらを踏まえ、お伺いします。

 改めて、本区における予算編成と個々の事業の展開について、基本的な考え方をお示しください。

 また、今回は一例として江戸バスの無償化について挙げましたが、このようなケースがどのような場合に生じるのかという点、そして、同様のケースが過去にあったのか、その例があれば、過去の実績などについてお示しください。

 もう一点は、予算編成における行政評価の活用です。

 本区では、各事業の適切な進行管理等のために行政評価を実施しており、評価単位と予算の大事業を連動させて翌年度に反映している点は理解しています。一方で、この予算編成との連動には、まだ改善の余地があると考えます。

 一つは、評価結果への明瞭な指標の設定です。

 本区の各事業の評価シートには、総括として成果や課題、今後の方向性についての記述はありますが、これらは全て文章でのみ書かれております。この場合、一見して、その評価のよしあしを判断できません。品川区の例では、文章での評価に加えて、A拡大、B継続、C改善、D廃止という手法による判定があります。これにより、個々の事業の進捗を把握しやすくなるほか、予算編成時での活用にも有用と考えられます。

 もう一つは、予算編成への影響という点です。

 本区でも、令和七年度予算案においては四事業で約十二億円の削減が掲げられておりますが、この削減が行政評価との連動で実施したかどうかは不明です。行政評価において、これらの予算を削減すべきとの記載は見られないためです。品川区では、行政評価の結果とともに、個々の事業の廃止や見直しへの考え方を示し、具体的な削減額まで示しております。これにより、行政評価によって予算削減が行われたことを明瞭に伝えることが可能です。

 これらを踏まえて、お伺いします。

 まず、本区において、行政評価での個々の事業への評価に基づく削減額の算定は行われているのでしょうか。その上で、予算編成における行政評価の活用について、現状において十分行えているのか、見解をお示しください。

 また、予算編成への活用を踏まえた場合に、行政評価において、現在の定性的な評価に加えて、ABCDなど定量的な評価指標も設けるべきです。こちらについても見解をお示しください。

 次に、安心と活力が共存する職場環境の実現について伺います。

 一点は、不適切な要求等を抑止できる職場環境です。

 近年、近隣区において、職員と議員等との不適切な関係を発端とする不正行為が明るみに出ております。過去の一般質問においては、江東区の事案に沿って適切な入札制度という観点で伺いましたが、今回は千代田区の事案に沿って、職員への不適切な要求等の抑止という観点から伺います。

 なお、近隣区の例では、入札に関する情報の要求でしたが、その要求の中身は、他の自治体の事例を見ると様々です。保育園、介護施設等の福祉サービスの選考や公営住宅等の抽せんでの優遇、補助金等の審査での特例的な措置、公共施設の使用許可の優遇などが挙げられます。また、その相手方も議員だけではなく、職場の上司や事業者というケースもあるようです。いずれにせよ、既存の制度設計をゆがめて、特定の者の利益となるような誘導をすることは、行政の公平性を害するもので、許されるものではありません。

 千代田区では、今回の事案を受けて、様々な再発防止策を実施しています。大きくは二点あり、一つは、不適切な要求等そのものを抑止する施策です。具体的には、対応に当たって、複数職員で当たることの厳守、私物の携帯電話、スマホの業務利用の禁止、対応記録の徹底、執務室への入室基準の策定などがあります。もう一つは、こういった場面に遭遇した際に、声を上げやすくする施策です。公務員倫理や官製談合防止などの研修はもちろんのこと、多面的評価の導入や公益通報制度の充実が挙げられています。

 本区では、現在、このような事案は確認されていない認識です。内部公益通報は、平成三十年度から令和五年度にかけて、通報が二件あるものの、是正措置を講じた件数はゼロ件です。しかしながら、これらの数字だけで、何の問題もないと判断することは危険と感じます。今回の事案を受けて、千代田区では、上司や議員等との関わりに関する実態調査を行っており、どちらのケースでも不適切な要求等があったことが明らかになっております。芦屋市、板橋区でも類似の調査は行われております。職員間のみや議員と職員との関係のみなど、範囲は様々ですが、重要な点は、実際に事件化した数や内部公益通報等の数よりもはるかに多い件数が回答結果として現れているということです。

 これらを踏まえて、お伺いします。

 まず、不適切な要求等を抑止する施策の充実です。

 さきに挙げたとおり、千代田区では、対応記録等の徹底等の導入を決めております。また、ハラスメント等も含めての防止のための条例を制定する例も多々あります。本区の職員の皆様をこれらの不適切な要求等から守り、今後も安心して業務を行っていただくために、これらの対策を速やかに行うべきと考えますが、その見解についてお示しください。

 もう一点、早急に実施すべきと考えるのが実態調査です。

 これにより、重大な事案に発展する前に、その兆候をつかみ、早急な対応が可能となります。また、調査を行うこと、それ自体が不適切な要求等を許さない行為であることの周知にもなります。

 これらを踏まえて、伺います。

 職員間や職員と議員等との間における不適切な要求等の有無について、過去に実態調査を行った実績はありますでしょうか。また、調査の有無にかかわらず、令和元年度以降において、不適切な要求等に関する職員からの相談の実績があれば、その件数についてお示しください。

 最後に、本区においても、千代田区等で実施されました不適切な要求等についての実態調査を早急に実施すべきと考えますが、その実施への見解についてお示しください。

 次に、より当事者に寄り添った合理的配慮の提供と相談体制について伺います。

 障害者差別解消法の施行から、行政機関での合理的配慮の提供が義務化されました。これに基づいて、本区でも規程等が整備され、合理的配慮の提供の例示や、その相談体制などが整理されておりますが、現在の体制には幾つか問題があると考えております。

 一つは、障害者当事者からの要望の把握です。

 まず、合理的配慮の要望や実態の取組状況は各部署で把握し、年に一度開催される中央区障害者差別解消検討委員会及び部会で報告されること、障害を理由とする差別に係る問題が生じた場合には、連絡調整窓口において迅速に対応されることを認識しています。

 ただし、ここでの課題は、この要望等があったかどうかの判断が各部署の判断次第とならざるを得ない点です。窓口等に訪れる当事者は、合理的配慮の提供が求められること、そして、必要に応じて相談や苦情の申出が行えることを理解しているとは限りません。当事者がこの点を把握できておらず、かつ職員から提案もされないのであれば、何らかの差別的な扱いを受けたとしても泣き寝入りしてしまうことが想定されます。当然に、この場合には報告件数として上がってくることもありません。したがって、当事者に対しては、合理的配慮の提供について、より周知する必要がありますし、行政の側では、より幅広に当事者の声を聞くという姿勢が求められます。

 これらを踏まえて、お伺いします。

 まず、本区の行政窓口において、合理的配慮等の提供が求められることや、差別等に関する相談窓口の存在について、当事者に対してどのように周知されているのでしょうか。また、今後さらに充実させるべきと考えますが、その見解についてお示しください。

 次に、窓口等で当事者から合理的配慮を求めるという明確な要望があった場合に限らず、こういったことが可能かといった申出があった時点で、規程における相談として把握するなど、より幅広に当事者の声を聞く必要があると考えますが、この点について見解をお示しください。

 また、実際に泣き寝入りされているようなケースがあるかどうかについては、実態調査が不可欠です。障害に関する計画に際して、今後実施される見込みの実態調査においては、当事者における窓口等での相談の状況や、その際の合理的配慮の提供の有無、そして、提供されない場合の対応といった点について確認されるべきと考えますが、この点について見解をお示しください。

 もう一つの課題は、当事者により配慮した相談体制の構築です。

 まず、合理的配慮の提供への相談から報告までのサイクルが十分に機能していないのではないかという点です。さきに挙げたとおり、各部署での要望等を全体で把握するプロセスは、基本的に年に一度という認識です。この場合、ある部署で何らかの不適切な対応があった場合でも、規程に基づく障害を理由とする差別に係る相談等に該当しない限りは、会議の開催まで共有されないことから、同様の事案が複数生じるおそれがあります。

 このほか、研修にも課題があると考えます。新規採用や管理職の職員向けに研修が行われることは把握しておりますが、窓口や問合せ等で対応する方が、これらに該当するとは限りません。非常勤職員や派遣職員なども含めて、研修の対象とされるべきです。また、その頻度についても、新規採用時のように一度きりではなく、定期的に法改正や過去の対応事例など、アップデートされた情報に触れる機会を設けるべきと考えます。

 これらを踏まえて、お伺いします。

 まず、相談等から報告までの迅速化です。現在の年一度というサイクルでは不十分であり、各部署において対応が完了後、連絡調整窓口に対して報告するなど、このサイクルをより早めるべきと考えますが、その見解についてお示しください。

 また、現状における合理的配慮の提供に関する研修の対象者や、その実施状況についてお示しいただいた上で、今後のさらなる充実について見解をお示しください。

 最後に、区立中学校における評定の妥当性の確保について伺います。

 この前段として、中学校受験の過熱があります。東京都の公表資料から実績を見ますと、本区で私立中学校に通う割合は、二○二三年度で約四六・八%と、小学校を卒業したお子さんの約半数が私立に通うことになっております。区立の中学校に行くとなると、本区として以前より大切にしている地域コミュニティとのつながりは希薄にならざるを得ず、決して望ましい状況とは思われません。

 私立を希望する家庭には、大きく二つのタイプがあると考えております。一つは、積極的な理由から私立に通わせたい家庭、もう一つは、公立に対して何らかの不安や不満があることから、消極的に私立を目指す家庭です。この不安の一つとして、今回は評定に関する懸念について取り扱います。

 この評定について、過去の答弁において、学習指導要領に基づいた評価が行われていること、東京都教育委員会の方針に基づき、成績一覧表調査委員会を設置して、各学校での評価を相互に点検するなど、適切な評価を行っているということを把握しております。一方、この妥当性の確保について、本区の評定の割合を全国学力・学習状況調査などの指標を他の自治体と比較しますと、詳細は割愛しますが、その妥当性について、やや疑問に感じる部分もあります。この評定の役割は、もちろん、一義的には個々の生徒の成績を表すものです。しかしながら、現実問題として、それと同時に、高校受験での合否に大きな影響を与える要素という位置づけでもあります。

 これを踏まえて、お伺いします。

 まず、評定の高校受験での合否に影響するものという現実的な位置づけへの評価と、それを踏まえての本区としての評価の在り方についての見解をお示しください。

 次に、本区内及び都内における評定の妥当性の確保です。

 都教委によれば、各自治体の教育委員会は、管下の中学校等における評定の分布状況を分析して、継続的な指導・助言を行い、これを基に適正な評定を行っていることを都に報告しているとのことです。また、都は、各自治体のこの報告によって、都全体として評価が適正に行われていると判断しております。一方で、例えば二○二三年度の報告では、一部の学校では全教科にわたり一の評定がついていないなど、この公正性に疑義がある部分も散見されます。ここから危惧されることは、本区において、いかに公正な評価を行ったとしても、その評価が都全体として適正に行われない限り、他自治体との比較において相対的に低い評価となることで、結果として、高校受験に不利な状況になり得るということです。したがって、他自治体と本区の評定を他の調査結果などを踏まえて分析し、それが妥当でないと判断するのであれば、都に対して指標の見直しや、その徹底等を訴えかけるのは、教育委員会の重要な役割と考えるところです。

 これらを踏まえ、お伺いをいたします。

 まず、本区内の各中学校における評定分布の状況について、具体的にどのような分析、指導・助言を行っているのでしょうか。また、その中では、他の調査結果等を用いて、各中学校での評定の状況を分析されているものと考えますが、その妥当性についての見解についてお示しください。

 次に、他の自治体も含めた都内での評定の妥当性の確保についてです。他の自治体と本区の評定の状況についても、同様に分析されているものと考えますが、その妥当性についての見解についてお示しください。

 最後に、さきに挙げたように、本区の評定が他自治体との比較の中で不合理な状態にあると判断されるのであれば、都教委に対して何らかの要望を伝えることも必要な役割と考えますが、この点についての見解をお示しください。

 以上で一度目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 ほづみゆうき議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、公共施設等の将来的な修繕費等の推計、計画における推計と実績との精査、分析による定期的な計画の見直しについてであります。

 本区では、公共施設マネジメントを推進するため、現在、公共施設マネジメントシステムの導入を進めており、各施設に関する情報の一元管理のほか、ライフサイクルコストの把握などが可能となる予定であります。今後は、本システムを活用しながら、公共施設マネジメントの取組を進め、財政状況や施設需要、施設の老朽化状況等のほか、物価高騰など、昨今の社会状況の変化も総合的に考慮しながら、必要があると認められる場合には、計画の見直しを行ってまいります。

 次に、公共施設等の将来的な修繕費等の推計と実績の公表についてであります。

 公共施設マネジメントにおいては、修繕費等の推計や実績だけでなく、財政状況や建物の老朽化状況など、総合的に考慮することが必要であります。そのため、一部の情報のみを公表するのではなく、総合的に判断いただけるよう、計画の見直しを行う際に、その内容等と併せて公表してまいります。

 次に、公共施設等総合管理方針を改定した際の区民ニーズの反映についてであります。

 公共施設等総合管理方針を改定した際には、区政世論調査における公共施設に関する調査やパブリックコメントを実施し、区民ニーズ等を考慮の上、施設類型ごとの基本的な方針を定めております。

 次に、今後の公共施設管理に当たっての区民ニーズの把握と施設データの公開についてであります。

 公共施設は広く区民の皆様が利用するものであり、区民ニーズについては、施設所管課を通じて把握しているほか、区長への手紙など、広く御意見をお寄せいただいております。参加人数の限られるワークショップのような形態は想定しておりません。公共施設等に関するデータにつきましては、これまでも中央区政年鑑や区ホームページ、中央区情報公開条例に基づく開示など、区民の皆様に対し、必要とするデータを必要とするときに提供できるよう対応してまいりました。引き続き、区民ニーズをさらに反映させるため、情報の公開に努めてまいります。

 次に、予算編成プロセスと個々の事業展開との関係性についてです。

 予算編成と事業展開に関する基本的な考え方については、当初予算において、当該年度に見込まれる一切の経費を計上し、編成後に生じた事由により、既定の予算に不足が見込まれる場合などには、補正予算で追加するのが基本的な考え方となります。その一方で、こうした原則の遵守だけに固執すると、事業執行過程において様々な変化が生じた場合、区民サービスの停滞につながるおそれがあります。そのため、既定予算内での執行の工夫や、それでも対応し切れない場合には、流用や予備費などで対応しているところです。また、これらの執行内容については、毎年度の決算書でお示ししております。同様のケースとしては、区施設において突発的に不具合が発生し、行政サービスに支障が生じる場合や、物価高騰によりバスの借上げ代が上昇し、地域活動に影響が生じるおそれがある場合などに対応した事例がございます。今後とも、事業の展開に当たっては、当初予算あるいは補正予算において対応することを基本としつつ、緊急性や施策が時期を逸しないかなども総合的に考慮しながら、個別の事案に即した対応をしてまいります。

 次に、行政評価に基づく削減額の算定と予算編成における行政評価の活用についてであります。

 本区の行政評価は、各事業のフルコスト情報や事業実績などのデータを踏まえ、成果や課題、今後の方向性を明らかにするものであります。評価の単位を予算の大事業と連動させることで、行政評価の過程で明らかになった各事業の課題や方向性を踏まえ、翌年度の予算編成に活用しております。予算編成は、行政評価の結果のほか、社会経済状況や本区の財政状況など、本区を取り巻く環境を総合的に勘案して行うものであることから、行政評価の結果に基づく削減額は示しておりません。

 次に、行政評価における定量的な評価指標についてであります。

 本区の行政評価は、多種多様な事業について、各事業のフルコスト情報や事業実績などの客観的な情報、成果や課題、今後の方向性をお示しし、区議会、区民の皆様の御意見を踏まえ、その後の予算編成に活用していくものであり、定量的な評価指標の設定は考えておりません。

 次に、不正行為を生じさせない職場づくりについてであります。

 本区では、厳正な服務規律を確立し、不正行為を未然に防止するため、区長を委員長とする綱紀点検調査委員会を設置しております。委員会では、職員が守るべき服務の根本基準、利害関係者との接触における留意点、管理監督者の責任と役割などを示した不祥事防止の手引を作成し、全職員へ啓発を図るとともに、新規採用職員をはじめ、各職層への昇任者を対象とした研修において活用しているところであります。引き続き、様々な不祥事の事例を教訓とし、毎年の職場点検や手引の改定に反映させるなど、不正行為を生じさせない職場づくりに取り組んでまいります。なお、業務遂行上の不適切な要求等に関する実態調査を行った実績はなく、日常的な報告・相談の現状や公益通報窓口での取扱い件数を鑑みても、現在のところ、庁内アンケート等を実施する予定はございません。組織内の綱紀保持については、不断の取組が求められているものと認識しており、その上で、何事にも臆さず声を上げることのできる組織風土づくりこそが何より肝要と考えております。今後とも、縦・横・斜めの闊達なコミュニケーションを図ることにより、清潔で曇りのない区政運営に努めてまいります。

 次に、合理的配慮や相談窓口の周知についてであります。

 区では、いわゆる障害者差別解消法に基づき、合理的配慮に関する基本的な考え方のほか、具体的な事例や相談窓口などについて、区ホームページで案内し、障害者サポートマニュアルにも事例を掲載するなど、合理的配慮の理解・促進に取り組んでおります。また、昨年四月から民間事業者にも合理的配慮の提供が義務化されたことを受け、障害のある方はもとより、区民や事業者に、より一層理解を深めていただくため、区広報紙による周知を行ったところであります。区では、こうした取組を継続していくことに加え、国が設置するつなぐ窓口や東京都の権利擁護センターなども含む、様々な相談窓口の周知強化を図るため、区ホームページのほか、障害のある方などに配布している障害者福祉のしおりの改訂に合わせ追記するなど、あらゆる機会を通じて普及啓発してまいります。合理的配慮は幅広く捉えることについては、日頃より窓口等において何らかの意思表示や相談等があった場合に、一人一人の障害特性や場面・状況に合わせた対応を心がけており、今後も、要望か問合せかにかかわらず、当事者に寄り添った対応に努めてまいります。

 次に、合理的配慮の実態調査についてです。

 これまで実施してきた実態調査では、差別を感じたことの有無や障害者差別解消法の認知度などを質問項目として設定しておりました。区では、令和七年度実施予定の実態調査に当たって、差別解消法の改正を踏まえた質問内容の見直しに向け、現在、自立支援協議会において検討を開始したところであり、引き続き協議会の場で検討を進めてまいります。

 次に、当事者に配慮した相談体制の構築についてであります。

 障害者差別解消検討委員会につきましては、本区における障害者差別解消に向けた取組の推進を目的として、平成二十七年度に設置し、庁内における合理的配慮の提供状況を把握するとともに、具体的な対応事例などについて全庁的に情報共有することにより、区全体の対応力の向上を図っております。現在、本委員会は年一回開催しておりますが、前例がなく判断が難しいケースなどについては、随時、障害の担当部署への相談を行っており、その内容については、全庁で共有しております。合理的配慮に関する研修といたしましては、新規採用時や管理職昇任時の機会を捉え、研修を行うとともに、希望する職員を対象とした、障害のある方とのコミュニケーションを学ぶ研修を実施しております。研修は、個人の意識や知識の向上にとどまらず、職場内で共有することにより、組織全体に展開していくことが目的の一つと考えております。区といたしましては、こうした研修を通じて、職員個々のみならず、職場全体として障害への理解を深め、その特性に応じた適切な対応ができるよう取り組んでまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えいたします。

 初めに、区立学校における評定の在り方についてであります。

 受験生は、当日の試験に臨むに当たり、緊張など心理的な状況から十分に実力を発揮できないこともあります。こうしたことから、都立学校入学者選抜では、当日の試験のみで合否を判定するのではなく、中学校での学習評価を加味する制度となっており、日頃の努力が報われることは、教育的価値のあることと考えております。一方、評価・評定は、入学者選抜に使うことだけが目的ではなく、学習指導要領の目標に基づき、その到達度を測るものであります。具体的には、単元や題材ごとに、知識及び技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度の三観点において、定期テストや単元テストによる知識の到達度の確認のみならず、問題解決への意欲やプロセス、また、生徒同士の学び合う姿、変容を見取る記録などから評価し、総括して評定を算出しております。なお、評価の規準は、学習指導要領に準拠するとともに、各学校において適切に評価されている認識であり、入学者選抜に評定を活用することは問題ないと考えております。

 次に、中学校における評定の妥当性の確保についてであります。

 東京都の入学者選抜制度に基づき、各自治体では、中学校長で構成される成績一覧表調査委員会を設置し、中学校三年生の学習評価の客観性・信頼性を確保するため、学習指導要領に示される目標に準拠した評価となっているか意見交換をしております。本区教育委員会では、毎年七月に、一学期の学習評価を基に、学校別評定分布状況や各教科の評価・評定の出し方について予備調査を行い、課題があった場合は、全区立中学校間で共有し、それを踏まえて本調査を一月に実施しております。今年度も、調査の中で特段課題はなく、教育委員会といたしましても、各中学校の学習評価について妥当であると認識をしております。また、他の自治体の評価の妥当性については、入学者選抜の制度の主体者であります東京都教育委員会が責任を持って分析すべきものであり、本区は言及する立場にはないものと考えております。

 答弁は以上であります。

〔一番 ほづみゆうき議員登壇〕

○一番(ほづみゆうき議員)
 それぞれにありがとうございます。一部、再質問させていただきます。

 まず、公共施設等の在り方については、今後の推計は情報収集中ということで理解をいたしました。詳細はこれからかと思いますが、本件は、御存じのとおり金額の規模感も非常に大きいことから、今後の区政運営に大きな影響を及ぼしかねないものです。今後の推計と実績に基づいた見直しを適切に行い、その上で、今後の施設の在り方について、廃止や統合なども含めて検討していく必要があるかと思います。様々な留保条件はあるにせよ、積極的な公開というところについてお願いできればと考えております。

 また、データの積極的な公開と区民ニーズの反映というところについても、ぜひ今後前向きに御検討いただければと思います。

 予算編成の在り方については、基本的な考え方を改めてお示しいただきました。

 行政評価の活用という点については、削減額の算定などは行ってはいないものの、予算編成時の資料として用いられているということでした。一方で、質問の中でも申し上げたとおり、両者の連動性というところを十分に把握することは重要と考えております。どのように区民の皆さんに伝えるべきかという点については、今後も深めていくべきと考えております。

 職場環境の改善についてです。

 提案した施設の充実と実態調査は、いずれも実施する見込みはないとのことでした。これは非常に残念なことだと思います。質問において取り上げたように、他の自治体の結果を見ますと、潜在的な被害者の方は多数存在していることが想定されます。

 職場からの相談の実績というところについては、答弁がなかったかと思います。また、その受け止めとして、現在の制度の中で職員の方々が十分に声を上げられているのかどうかというところについても御答弁いただけたらと思います。

 合理的配慮の提供についてです。

 当事者への周知について、さらに充実していただくとのことでした。一方で、その判断基準については、見直しは検討されていないという認識です。現状において、十分に相談の仕組みが把握されていないという点は、ある程度御認識もあるかと思いますし、当事者の方からもそういったお声をいただいております。今後の調査に向けての調査質問項目は検討中とのことですので、この実態が明らかになるような設問となるよう、ぜひ今後お取組をいただけたらと思います。

 相談や研修の相談体制の充実という点についても、引き続きお願いいたします。

 最後に、評定の位置づけについて、高校受験に用いられているという認識はありつつも、指導要領等において適切な評価に努めているとのことでした。また、その妥当性については、都の方針等に基づいて適正に行っていることから、妥当と判断されているとのことでした。

 ただ、都としての妥当性の評価という点だけでは不十分かと思います。この評価を都全体として信頼性に足るものとしていくこと、そして、本区の子供たちが適正な評価を受けるためには、さきに挙げたように、各学校及び区内で適正な評価を行うだけではなく、他の自治体も含めて妥当性を把握し、必要に応じて都教委等に対して訴えかけていくことも本区の重大な責務と考えております。妥当性の確保と役割への認識について、改めて答弁をお願いします。

 また、本区内の中学校での評定についても妥当とのことでした。その詳細について言及がなかったので、確認をさせてください。

 都の資料では、各校での教科ごとの評定が示されております。本区内の学校においても、その分布には大きな開きがある場合もございます。これらの結果についても、他の指標なども含めて妥当、つまり、これらの学校ごとの評定の開きというものは、実態を把握しているものかどうかという点について確認できればと思います。よろしくお願いします。

〔総務部長 黒川 眞君登壇〕

○総務部長(黒川 眞君)
 私からは、職員の不祥事防止に関連いたしまして、再質問に答弁をさせていただきます。

 まず、御質問いただきました相談件数というところですけれども、当然、我々職場で様々な職務を遂行するに当たりまして、多種多様な相談を上司、部下の間で共有しながら解決策を考えていくというようなことは、日常的に行われているというふうに認識をしておりまして、その中で、何が不適切な行為に対する対応として必要なのかという部分については、それを抽出して一件一件カウントしていくというのは、なかなか現実的には難しいという状況でございます。

 ただ、日々、職場の中で密接なコミュニケーションを図ることによりまして、そういった事象をいち早く捉えて対応していくという、この姿勢は非常に重要だというふうに思っておりますので、その点、我々も肝に銘じまして、今後とも職務に当たっていきたいというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、様々な職員が、業務を進める中で、多種多様なストレス要因と向き合いながら仕事をしているというふうに認識をしております。今後とも、区といたしましては、職員が安心して働けるような環境づくりに向けて、様々な手だてを講じていきたいというふうに考えているところでございます。

 答弁は以上でございます。

〔教育委員会事務局次長 北澤千恵子君登壇〕

○教育委員会事務局次長(北澤千恵子君)
 先ほどの中学校における評定の妥当性につきまして答弁させていただきます。

 先ほど教育長が答弁申し上げましたように、基本的に、区立中学校における評定におきましては、ペーパーテストだけではなく、通常の学習指導要領の目標に基づきまして、通常の学習の状況等を総合的に判断しまして、絶対評価で評価をしてございます。ですので、我々としましては、各中学校で適切に、成績一覧表調査委員会等を設置いたしまして、その評価の基準が共通のものであるというところに基づいて、意見交換をしながら、学習評価の妥当性を検討しておりますので、基本的に、各中学校間できちんと評価している、妥当性はあるというふうに考えてございます。

 同様に、どの自治体におきましても、そのような評価を行っているというふうに考えておりますので、もし他の自治体での評価が妥当性がないというふうに判断するとすれば、それは各自治体から報告を受けている東京都が判断すべきものでありまして、我々が他の自治体に対して、それが適正かどうかというものを言及するようなものではないというふうに考えてございます。

 以上でございます。

〔一番 ほづみゆうき議員登壇〕

○一番(ほづみゆうき議員)
 改めて、ありがとうございます。

 まず、職場環境に関して、現状において詳細に分析してのカウントはされていないということでした。状況については、理解いたしました。

 繰り返しになりますけれども、本区の行政をつくっていただいているのは個々の職員の皆さんで、よりよい区政の実現のためには、安心して職務に当たることのできる職場環境が不可欠です。今後も引き続き、現状の把握と、より広く声を把握できるような仕組みの検討をお願いするとともに、調査の実施についても強く要望をいたします。

 公立小学校の評定に関しては、必要に応じて、都に対しての訴えかけというところに関しては、御理解いただけなかったと思いますので、改めて要望してまいりたいと思います。

 冒頭に申し上げたとおり、本件は本区に育つ子供たちの将来に大きく関わることという認識でございます。今後も、東京都、中央区、本区に対しても、様々なデータを収集しまして、妥当性について検討してまいります。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

午後三時二十九分 休憩


午後三時五十分 開議

○議長(瓜生正高議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。十八番梶谷優香議員。

〔十八番 梶谷優香議員登壇〕

○十八番(梶谷優香議員)
 中央区議会立憲民主党・無所属の梶谷優香です。令和七年第一回中央区議会定例会に当たり、通告書に従い質問をさせていただきます。なお、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

 初めに、災害・防災対策について質問をいたします。

 昨年十月、災害時の救助や物資輸送に使用される緊急輸送道路の橋について、会計検査院が耐震補強の状況を抽出調査した結果、少なくとも三百五十四基において、阪神大震災級の巨大地震が発生した場合に、橋桁が崩落する可能性があることが判明しました。この調査は、全国に存在する緊急道の橋の安全性を確認するために行われたものであり、非常に重要な調査結果となりました。

 現在、全国にある緊急道の橋の耐震化率は、二○二二年度末で八一%にとどまっており、完全な耐震化工事の完了には今後数十年を要する見込みです。この状況は、災害時における救助活動や物資輸送の円滑性に直接的な影響を及ぼすため、非常に深刻な問題と考えます。会計検査院によると、国土交通省は一九九五年に、阪神大震災、マグニチュード七・三と同規模の地震が発生しても橋が落下しないように、落橋防止性能を確保することを求めており、その上で、損傷を軽度に抑えるための橋脚補強工事を行うよう、管理者である自治体に対して事務連絡を発出しています。また、緊急道の中でも特に重要な防災拠点同士をつなぐ重要防災路線の橋については、優先として対応が求められています。

 このような背景を踏まえ、まず初めに、現在の中央区における橋梁、さらに歩道橋の耐震化の進捗状況についてお聞かせください。

 また、災害時の避難路や救助活動において、橋梁が果たす役割は極めて重要であり、日常的な点検が非常に大切であると考えますが、中央区として、橋梁の耐震補強に対してどのような方針を持っているのか、今後の方向性についても御見解をお聞かせください。

 能登半島地震では、被災地に通じる数多くの主要道路が寸断され、深刻な影響を及ぼしました。この中には物資を運ぶ車両が通行する緊急輸送道路も多く含まれており、救助活動や物資の輸送が滞る大きな要因になったとされています。特に被害が大きかった輪島市や珠洲市などの地域では、大型車両が通行できるようになったのは、地震発生から三日後の一月四日であり、国道二百四十九号など、半島内の主要な幹線道路の九割が緊急復旧するまでに約二週間を要したと言われています。このような道路の寸断は、阪神・淡路大震災をはじめ、過去の大きな災害においても発生しており、災害時における道路の迅速な復旧とそれに向けた体制づくりの重要性が改めて浮き彫りになったと感じています。

 避難者が身を寄せる避難所へ物資をいかに早く届けることができるかを考えた場合、もう一つの重要な要素として、他自治体や外部からの支援物資の受入れ体制、受援体制があります。災害時の支援物資の流れについては、国や都からの支援物資が、都道府県が運営する広域輸送拠点から各市町村内の地域内輸送拠点に輸送・集約され、そこから各避難所に振り分けられる仕組みとなっています。この流れを円滑に進めるためには、各地域が連携し、効率的に物資を受け入れ、必要な場所へ配送できる体制を整えることが不可欠です。

 令和六年に修正された中央区の地域防災計画を確認すると、他自治体からの救援物資を受け入れ、区内の避難所等へ配送するための地域内輸送拠点として、総合スポーツセンター及び浜町運動場を活用する旨が記載されています。中央区においては、避難生活が長期化した場合には、地域内輸送拠点である総合スポーツセンター及び浜町運動場において、物資の受入れや仕分をどれだけ効率的に行っていけるかが、避難者への素早い支援と直接的に関係していることになると思います。熊本地震など過去の災害において、物資の集積・輸送を行う拠点的施設が滞り、物資が有効に活用されなかったという事例があることから、地域内輸送拠点が円滑に運営されることが重要と考えます。

 このような状況を踏まえ、本区の地域内輸送拠点である総合スポーツセンター及び浜町運動場について、災害時における地域内輸送拠点としての活用を想定した現在の取組、そして、さらなる運営強化についてのお考えをお聞かせください。

 次に、安全・安心・魅力あるまちづくりについて質問いたします。

 区民が安全・安心に暮らしていくためには、必要な情報を円滑かつ手軽に入手できることが大変重要だと考えます。宮崎県宮崎市では、市民が必要な情報をより手軽に入手できることを目的として、市民向けに発行されている市内の刊行物を集約したウェブサイト、宮崎市デジタル刊行物ポータルを昨年八月から開設しました。このポータルは、地域住民が必要とする情報を簡単に探し出し、アクセスできるように設計されており、市の広報紙やフェニックス自然動物園の情報、さらには地区ごとの自治会便、防災ガイドブックなど、約百三十種類の刊行物が掲載されています。このポータルの特徴としては、発刊元が多岐にわたる点であり、情報が子育て・教育や市政情報などのジャンルに分けられているため、目的の情報を効率的に探しやすくなっていることです。さらに、利用者はアカウントを登録することにより、興味のある刊行物の新着情報通知を受け取ることができる非常に便利な機能が備わっております。宮崎市のデジタル支援課は、今後、市民の関心やニーズを把握するために、ポータルサイトのアクセス状況を分析し、発刊元にフィードバックを行うことで内容の充実を図るほか、印刷や配布コストの見直しにもつなげていくとのことで、このような取組は、地域住民が情報にアクセスしやすい環境を整えるための重要な一歩だと考えます。区民の情報アクセスを向上させ、区民が必要なときに必要な情報を手軽に入手できる環境を整えることが地域の活性化にも寄与し、非常に有意義な仕組みであると考えます。

 そこで、中央区においても、区民が必要な情報を円滑に得られるようなデジタルツールやサービスの導入について、より一層の工夫が必要と考えますが、宮崎市の取組を踏まえ、今後、区民向けの情報発信を強化するための区の取組について御見解をお聞かせください。

 次に、福祉の充実について質問いたします。

 二○二四年一月に施行された共生社会の実現を推進するための認知症基本法は、認知症に対する理解を深め、その施策を推進するための重要な法律であり、この法律において、九月二十一日を認知症の日、毎年九月を認知症月間と定めることで、社会全体における認知症に対する理解と関心を高めることを目指しています。本区でも、区報や集合ポスター、様々なリーフレットなどの広報活動を通じて、認知症への正しい理解を促進するための取組が行われていることは承知しております。

 認知症は、誰もがなる可能性がある身近な病気であり、身近な人や家族、そして自分自身にも起こり得るものです。全国の認知症の人の数は、二○二二年の四百四十三万人から、二○四○年には約五百八十四万人に達すると推定されています。高齢者のおよそ七人に一人が認知症を患う可能性があり、また、認知症の前段階とされる軽度認知障害の高齢者も含めると、約一千二百万人に及ぶという推計も出ております。認知症は徐々に進行する病気ではありますが、早期に治療が行われることで進行を緩やかにし、認知症とともに穏やかな生活を送ることが可能であり、そのため、早期発見と適切な支援が非常に重要となります。

 昨年十二月三日には政府の認知症施策推進基本計画が閣議決定され、認知症になった人も、できることややりたいことを持ち続け、住み慣れた地域で自分らしく希望を持って暮らし続けることができるという考え方が新しい認知症観として明記されました。この考え方は、認知症を抱える人々が地域社会の一員として尊重され、支え合いながら生活できる環境を整えることを目指しています。また、認知症基本法に基づき、都道府県や市区町村には、認知症の人やその家族の声をしっかりと聞き入れた上で、推進計画の策定が努力義務として求められています。

 本区では、認知症を理解してもらうために、認知症ケアパス「備えて安心!認知症」やリーフレット「認知症かな?と思ったら…」、「知って安心認知症」を発行し、区役所四階の介護保険課や各おとしより相談センター等で配布しており、区民の皆様が認知症についての知識を深め、早期の相談やサポートを受けられるような体制を整えています。認知症サポート電話では、認知症ではないかと悩んでいる御本人や認知症の方を介護している御家族の様々な悩みについて、専門の相談員が対応し、さらに、おとしより相談センターでは、認知症に関する支援の知識や経験を持つ認知症地域支援推進員が配置され、区民の方やその御家族の方が気軽に相談できる環境を整えていただいております。

 昨年の一般質問でも中央区における認知症施策推進基本計画について言及がありましたが、地域の課題やニーズを反映した認知症施策推進計画の策定について、進捗状況を含む今後の計画についてお聞かせください。そして、今後の認知症施策の方向性についても、併せて御見解をお聞かせください。

 国立社会保障・人口問題研究所が昨年十一月に発表した世帯数の推計によると、七十五歳以上の高齢者におけるひとり暮らしが占める割合は、二○二○年の二二・四%から、二○五○年には二八・九%に高まると予測されています。この数値は、山形県を除く全ての都道府県で二割を超え、特に東京や大阪、愛知などの八都府県では三割を上回る見込みです。本区においても高齢者のひとり暮らしが増えている現状があり、これは地域社会において非常に重要な課題となっています。一方で、少子化の進展や親子関係の希薄化に伴い、頼れる身内がいない高齢者が増加していることも近年の課題となっております。そのため、自治体による終活支援の取組が広がりつつあり、多くの高齢者が直面する困り事に対して適切な支援が求められています。

 単身の高齢者が抱える困り事は多岐にわたります。例えば、転居や入院、施設入居の際に必要な身元保証の手続、財産管理、日常生活の支援に加え、死後の埋葬や残置物の処分といった問題も含まれます。これらのサービスは、これまで主に葬儀や介護などの小規模事業者によって担われてきましたが、高齢者が個々の事業者を探し出し、その内容を理解して契約することは非常に大きな負担となっています。また、預託金の問題も深刻であり、契約者が認知症を発症したり、死亡した場合には、埋葬や相続手続に係る費用を賄うために、多くの事業者が預託金を預かることになりますが、経営破綻などの理由で返金されない事例もあり、契約トラブルが多発しているのが現状です。このような課題を解決するため、厚生労働省は昨年六月に終身サポート事業者ガイドラインを定め、十自治体が参加するモデル事業を開始しました。各自治体が、高齢者支援において、よりよいサービスを提供できるよう、国を挙げて取組が進められています。

 それ以前から、住民の要望に応えて独自に対応を進めてきた自治体も多くあります。千葉県千葉市では、地域包括支援センターのあんしんケアセンターを中心に、高齢者の困り事に対応する体制を整えています。介護・保健・医療以外のサポートについては、千葉市が提携する企業につなげる仕組みを持ち、千葉市にあるイオングループのイオンライフは、コールセンターを通じて終活に関する市民の相談に二十四時間体制で対応しています。このほかにも、身元保証や死後事務、相続や資産運用といった役割を分担し、それぞれの市内事業者が対応する仕組みが確立されています。金銭を預かることがない自治体が関与することで、利用者の安心感が高まるメリットがあります。愛知県岡崎市では、昨年七月から終活応援事業として支援を強化し、利用を希望する市民は登録申請書兼同意書を提出することで、亡くなると、市が契約を結んだ事業者へ連絡し、死後事務に関する契約の履行を確認する事業を始めました。

 千葉市や岡崎市のように、自治体が民間事業者と連携しながら高齢者の困り事に対応する取組が進んでいる中で、中央区としても、この問題にどのように取り組むのかが重要と考えます。

 高齢者が抱える困り事は多岐にわたりますが、特に身元保証や死後事務に関する支援が重要であると考えます。現在の本区の終活支援の現状、そして今後の方向性について御見解をお聞かせください。

 障害者が雇用契約を結びながら働き、技能を身につけることを目的とした就労継続支援A型事業所は、全国で重要な役割を果たしていますが、昨年の春からその閉鎖が相次いでおり、非常に深刻な状況にあります。昨年十一月の新聞報道によると、昨年の三月から七月にかけて、少なくとも四千二百七十九人の障害者が解雇されたことが厚生労働省の実態調査で明らかになりました。

 この解雇の一因として、障害福祉サービスに対する国からの報酬が四月に改定され、引き下げられたことが挙げられています。経営状況が厳しいA型事業所の多くが赤字に陥っており、障害者の年間解雇者数は、過去の最大値である二○○一年度の四千十七人を上回る見通しであるとのことです。A型事業所は、昨年七月末時点で約四千四百七十か所存在し、そこで約八万七千二百人の障害者が利用をしています。その中で解雇された四千二百七十九人は、全員がA型事業所で働いていた方々であり、うち九百四十九人は八月末までに再就職先が見つからず、九百三十六人は企業やほかのA型事業所に再就職することができました。さらに、二千七十三人は、雇用契約を結ばずに働くB型事業所に移ることが決まりました。今回のような状況は、障害者の雇用環境の厳しさが浮き彫りになった調査結果と考えます。

 また、社会保障審議会部会においては、解雇された障害者の再就職を自治体など行政が支援する必要があるとの意見が上がっており、収支が悪化している事業所には経営改善を指導するべきだという提案もなされています。このような支援がなければ、障害者はますます厳しい環境に置かれ、その生活が脅かされることになります。

 そこで、まず、本区における就労継続支援A型事業所の現状についてお聞かせください。また、障害者の就労や生活に関する相談窓口、支援体制の現状についても、併せてお聞かせください。

 さらに、今回の報道からも明らかなように、障害者の雇用環境は厳しさを増しておりますが、本区では、障害者の就労支援の強化について、今後、どのような方針を持っているのか、御見解をお聞かせください。

 最後に、教育環境の充実・学習活動の推進について質問いたします。

 近年、本区の小学校において外国籍の生徒が増加している傾向が見受けられ、グローバル化が進む現代社会において、ますます多種多彩な文化的背景を持つ子供たちが本区の小・中学校に集まっていることを意味していると思います。特に、昨年四月に開校した晴海西小学校と晴海西中学校においては、昨年十二月の開校記念式典において、日本語、英語、中国語が飛び交う環境であることを子供たちが示唆していました。多様な文化を持つ子供たちが共に学ぶ環境は、互いの理解を深めるだけでなく、国際感覚を育むための大変重要な機会であり、子供たちが異なる視点や価値観を持つ仲間と交流し、協力し合う力を養うことは、今後の国際社会においても重要と考えます。

 本区の小学校に通う外国籍の生徒数の傾向について、現状をお聞かせください。

 また、近年では、インターナショナルスクールへの通学を選択される御家庭も多くなっています。ここでは小学校に焦点を当てますが、多くのインターナショナルスクールは、学校教育法で定めている、いわゆる一条校ではないため、日本国籍の子供の保護者が非一条校のインターナショナルスクールのみに在籍させた場合、就学義務を履行したことにならず、子供は小学校を卒業した扱いとはなりません。子供の教育については、様々な考え方があることは認識しておりますので、保護者によっては、子供の将来的な海外留学を見据え、就学義務違反を承知で通わせているケースもあるかと思われます。自治体としては、学籍という形で本区の小学校に籍を置くことになっていますが、現在、本区の小学校に学籍を置いている児童の中で、本区が把握しているインターナショナルスクールに通学している子供の人数についても、最近の傾向とともにお聞かせください。

 さらに、区の学籍に関する対応についても、現状や課題、今後の方向性について御見解をお聞かせください。

 昨年十一月、文部科学省が公表した問題行動・不登校調査によると、二○二三年度は、前年度比で一万三千五百六十一件、一四・二%増え、過去最多の十万八千九百八十七件に上り、全国の小・中・高校で確認された暴力行為の件数が増えたことが判明しました。学校別で見ると、小学校七万九件、中学校三万三千六百十七件、高校五千三百六十一件であり、特に小学生の増加が目立ち、全体の六割を占め、前年度から八千五百五十四件増え、過去最多となりました。十年前と比べると、中学校と高校は件数が減りましたが、小学校は六・四倍に増えました。

 今回の調査では、暴力行為の状況を、児童生徒間、器物損壊など四つに分類しており、遊びやふざけを装って首を絞めたといった児童・生徒間の暴力行為は、前年度から一万八百八十件増えて八万四百六十件となり、全体の七割を占めました。学校の備品を故意に壊したなどの器物損壊は一万四千七十二件、教師の胸ぐらをつかんだなどの教師に対する暴力行為は一万三千四十三件、登下校中に通行人にけがを負わせたなど、それ以外のケースが一千四百十二件でした。東京家政大学の杉山教授は、コロナ禍で生活リズムが乱れたことで、子供たちの我慢する力やストレス耐性が弱まった。小さい子供ほど、一度崩れたリズムを取り戻すことは難しく、今後も増え続ける可能性があると分析しています。

 今回、暴力行為の事例について具体的な数字を挙げましたが、コロナ禍が子供たちに与えたとされる影響は多岐にわたります。コロナ禍において、子供たちは不安定な心の状態に置かれました。特に、学校が休校となったり、行事が中止されたりする中で、友人との交流が減少し、孤独感や無気力感が広がりました。近年では、コロナ禍の影響で体調不良を訴える子供が増加し、特に視力の低下やけがが増える傾向が見られており、日常的な運動不足やオンライン授業の影響で身体活動が減少したことが体力の低下につながったと考えられています。オンライン授業や自宅学習が主流となったコロナ禍で、学業の進捗にばらつきが生じ、学力の低下が懸念されており、特に、対面での指導が少なくなったことがコミュニケーション能力や社会性の発達に影響を与えていると言われております。学校は単なる学びの場ではなく、社会的な交流の場でもあります。コロナ禍により、子供たちは友人との関わりや行事を通じた経験を失い、集団での活動ができないことで社会性の発達に大きな影響が出たと言われており、先ほどの暴力行為の増加を含む、コミュニケーション能力の低下やトラブルの増加が見られていると思います。

 コロナ禍の影響を受けた子供たちの状況をどのように受け止め、今後の教育や支援の在り方を考えていくのか、本区のアフターコロナの子供たちについて、現状と課題、そして今後の支援強化についても御見解をお聞かせください。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 梶谷優香議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、緊急輸送道路における橋梁の耐震化についてであります。

 都内随一の水辺空間を有する本区では、古くから多くの橋が架けられ、歴史的価値のある著名橋も複数存在しております。昨年には、勝どきと晴海を結ぶ黎明小橋が開通し、現在、区では歩道橋を含めた三十九の橋梁を管理しております。橋梁の耐震化については、阪神・淡路大震災後の新基準に基づき、各種補強工事を実施しており、区が管理する全ての橋梁の耐震化は完了しております。また、国の道路橋定期点検要領に基づき、五年に一回の頻度で健全度調査を実施しているほか、緊急輸送道路に指定されている首都高速道路をまたぐ橋梁については、毎月、委託業者による点検を実施するとともに、全ての橋梁については、三か月に一度、職員による目視点検を実施しております。今後も引き続き、健全度調査により、損傷が認められた橋梁については、緊急性・重要性などを考慮し、中央区橋梁長寿命化修繕計画に基づき、予防保全による修繕を計画的に実施し、安全性の向上に努めてまいります。

 次に、災害時の物資輸送体制についてであります。

 災害時において、時間の経過とともに多様化していく避難者ニーズに的確に対応していくためには、国や都から地域内輸送拠点に届く大量かつ多品目の救援物資を、滞留することなく速やかに輸送できる体制を確保することが極めて重要であります。そのため、専門的なノウハウを有する物流事業者のほか、運搬等に必要な資機材を保有する印刷工業組合等と協定を締結するとともに、総合防災訓練において、協定事業者との連携により、浜町運動場や防災船着場等を活用した物資輸送訓練を実施し、対応力の向上に努めてまいりました。一方、能登半島地震では、輸送拠点の体制構築に一定の時間を要したことから、区としては、様々な状況においても確実に物資の受入れや輸送ができるよう、地域内輸送拠点の初動態勢等を改善していく必要があります。このことから、区では、地域内輸送拠点における運営の実効性をより強化していくため、物資を効率的に輸送するためのレイアウトや、大型車両の動線等を定めたマニュアルを新たに整備していく考えであります。今後、マニュアルに基づく物資輸送訓練を協定事業者とともに実施・検証していくことにより、災害時における物資輸送体制の強化を図ってまいります。

 次に、区民向けの情報発信の取組についてであります。

 情報発信手段の多様化が進み、社会全体の情報量が増える中で、区民が必要な情報を円滑に入手できるようにすることは重要であると認識しております。現在、区では、広報紙や刊行物などの紙媒体のほか、ホームページやSNSなどのデジタル媒体を活用した情報発信も行い、区民が様々な媒体を通じて情報を入手できるよう取り組んでおります。ホームページでは、アクセス数の多いページをテーマごとに整理したメニューを作成しており、各刊行物のデータをはじめ、区が提供するサービスの御案内や相談窓口などの情報を分野ごとに取りまとめることで、ニーズに応じて入手できるよう情報を集約しております。また、LINEでの情報発信においては、登録した方が必要な情報だけを入手できるよう、分類された項目ごとに発信を行っており、イベント情報や各種施策の紹介などを適切なタイミングで配信しております。さらに、より伝わる広報を目指して、職員一人一人の情報発信に関する意識向上を目的とした研修の実施や、現在進めている情報発信の在り方の整理・実践を通じて、本区の広報力向上を図ってまいります。今後も、区民が必要な情報を円滑に得られるよう工夫を重ねながら、情報発信の強化に努めてまいります。

 次に、認知症施策についてであります。

 本区の認知症施策推進計画の策定につきましては、東京都が本年度末に策定する推進計画を基本としながら、令和七年度に行う高齢者の生活実態調査などによる当事者等の意見を、令和八年度中における高齢者施策推進委員会等の審議に反映させ、次期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画と併せて検討してまいります。また、今後の認知症施策については、認知症高齢者の増加等に伴う医療・介護ニーズの高まりが見込まれることから、これまで取り組んできた認知症初期集中支援チームをはじめとした相談支援体制整備のほか、認知症カフェなどの地域の担い手に対する支援や普及啓発の充実を図り、認知症にやさしい地域づくりをさらに推進してまいる所存でございます。そのため、来年度においては、認知症の早期診断・早期対応を促進するためのもの忘れ予防検診を新たに実施するとともに、小学校での認知症サポーター養成講座の実施校を増やす予定であります。区といたしましては、引き続き、誰もがなり得る認知症について、区民一人一人が相互に理解を深めて尊重し合い、認知症の方やその家族等が尊厳を持ちながら、住み慣れたまちで安心して生活できる環境を積極的に整備してまいります。

 次に、終活支援についてであります。

 元気なうちから自分の終末期や亡くなった後に備えておく終活は、認知症などにより意思を伝えられなくなる不安を解消するだけでなく、人生をより前向きに生きるために役立つものであると認識しております。そのため、区では、現在、敬老館やシニアセンターなどにおいて、相続や遺言、葬儀、エンディングノートなどをテーマとした講座を実施しております。また、区やおとしより相談センターの窓口において相談を受ける中で、すてっぷ中央の金銭管理等のサービスをはじめ、法務局の遺言書保管制度、東京都の外郭団体が実施する葬儀の手配や家財整理のサービス等の情報提供を行うなど、個々の困り事に応じた機関につないでおります。区といたしましては、来年度実施予定の高齢者の生活実態調査や各相談窓口などにおいて区民ニーズを把握し、御紹介の終身サポート事業や他自治体の動向も確認しながら、終活支援事業の充実について検討するとともに、高齢者が安心して終末期を迎えられるよう、一人一人の方に寄り添った対応を行ってまいりたいと存じます。

 次に、障害のある方の雇用支援についてであります。

 就労継続支援A型事業所は、現在、区内に二か所あり、計十四名の方が利用されております。また、利用者数は横ばいで推移しており、平均工賃は両事業所とも前年度を上回っていると聞いております。障害のある方の就労支援は、障害者就労支援センターが中心となり、民間企業等への就労の機会を広げ、就労後も安心して働き続けられるよう、専任のコーディネーターが障害特性や一人一人のニーズ、適性や能力に応じて、生活面も含め、きめ細やかな支援を一体的に行っております。また、障害のある方の雇用を希望する企業からの相談に応じるほか、ハローワークなどと連携し、雇用に向けた支援も行っております。民間企業における法定雇用率は段階的に引き上げられ、令和八年七月には二・七%となることから、雇用ニーズの高まりが期待されております。加えて、本年十月には、就労アセスメントの手法を活用して、本人の希望や適性・能力に合った就職先や働き方を選択できるようサポートする就労選択支援が実施されます。区では、こうした国の動きに合わせて、今年度から自立支援協議会の就労支援部会において、ハローワークや区内特例子会社に参画していただき、議論を重ねており、引き続き、就労支援センターを中心に、関係機関や区内就労支援事業所等との連携強化を図りながら、就労支援の充実に向けて取組を進めてまいります。

 私からの答弁は以上です。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えします。

 初めに、区立小学校に在籍する外国籍の児童やインターナショナルスクールに通学する児童の傾向等についてであります。

 外国籍の児童は、年々増加しております。また、インターナショナルスクールに通学する児童も同様に増加傾向であり、令和六年度実績では七十名の児童が通学をしております。

 次に、学籍に関する現状と課題についてであります。

 インターナショナルスクールの長期休業時等に合わせ、学籍のある区立小学校へ一時的に通いたいとの御相談が増加しておりますが、学籍がある以上、通学を拒否することはできません。学校現場としては、通学期間を明確化した上で、受入れに際し、机や教科書、タブレットなどを他の児童と同様に用意する必要があるため、令和七年度より年間出席予定表の提出を求めていきたいと考えております。日本国籍の児童が区立学校に学籍を置きつつ、日常的にインターナショナルスクールへ通学している場合は、就学義務違反に当たるため、保護者に対してその旨を周知し、区立学校への継続的な通学について指導しているところであります。

 次に、アフターコロナの対応についてであります。

 コロナ禍での区立学校では、一斉休校や学校行事の中止、マスクの常時着用や会話の制限など、学校生活上の様々な制約が子供たちの心理面などに少なからず影響を及ぼしたものと推察しております。本区の子供たちの現状といたしましては、運動する機会が減少したことにより、一時的に体力の低下が見られたものの、現在はコロナ禍以前の水準に回復をしております。また、不登校につきましては、全国的な傾向と同様、本区においても増加傾向にありますが、その原因や背景は複雑多岐にわたっており、コロナ禍との因果関係は明らかではありません。これらを踏まえまして、今後も、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる教育相談体制の拡充や、多様な他者と交流する豊かな体験活動の充実など、子供たちの健やかな成長に寄与する取組を推進してまいります。

 答弁は以上であります。

〔十八番 梶谷優香議員登壇〕

○十八番(梶谷優香議員)
 それぞれ御答弁いただき、ありがとうございます。

 まず、緊急輸送道路の橋梁の耐震化については、私たちが懸念しているように、災害時における橋梁の耐震補強は極めて重要であり、本区が管理する橋梁は全て耐震化が完了していることを確認できたことは、とても心強い限りです。特に、橋梁が果たす役割は避難路や救助活動において非常に大きいため、日常の点検やメンテナンスの方針をしっかりと持っていることは、区民の安心につながると考えます。今後も引き続き、本区の橋梁、歩道橋における日頃の点検をよろしくお願いいたします。

 災害時の物資輸送体制については、物資の受入れや仕分を行う地域内輸送拠点の運営が円滑に行えるよう、しっかりとした体制を整えていく必要があります。熊本地震の教訓を踏まえ、過去の事例を参考にしながら、物資が有効に活用されるシステムを構築することが求められます。特に、避難生活が長期化した際に、迅速かつ効率的な物資の配送ができるよう、マニュアルを新たに作成していただき、今後も総合防災訓練を通じながら、地域内輸送拠点である総合スポーツセンターや浜町運動場の機能強化を図っていただきますよう、よろしくお願いいたします。

 区民が必要な情報を気軽に入手できる環境を整えることは、地域の安全・安心を確保するために極めて重要であると考えます。デジタルツールを導入し、区民が必要なときに必要な情報を手軽に得られる環境を整えることが地域の活性化にもつながると考えます。本区としても、ホームページやSNS、LINEをはじめ、職員の研修を行い、今後も情報発信の強化に向けた取組を期待しております。

 認知症基本法が施行され、社会全体での理解と関心を高めるための取組が進められていることは、地域における認知症の人々やその御家族にとっても心強いことです。本区では、認知症に関する広報活動や支援体制がしっかりと整えられており、特に、認知症に関する啓発やサポート電話の設置は、区民が必要な情報や相談を受けるための重要な手段となっています。認知症を抱える方々が地域社会の一員として尊重され、支え合いながら生活できる環境を整えていただき、区民が安心して生活できるよう、今後も引き続き、認知症施策の充実を図っていただくことを要望いたします。

 終活支援については、特に、高齢者のひとり暮らしが増加している本区の現状に対し、地域社会としてどのようにサポートしていくのかが非常に重要であると考えます。包括的な支援体制の整備や相談窓口の充実を行うことは、高齢者が直面する様々な課題の解決に向けた第一歩となります。本区においても、高齢者のひとり暮らしが増えている現状も踏まえ、今後も高齢者の一人一人に寄り添った支援体制を整備していただくことを要望いたします。

 障害者の雇用環境が厳しさを増している中で、自治体の役割はますます重要になっています。本区としては、就労支援センター等と連携をしていただき、効果的な支援策を実施して、障害者が地域社会で尊重され、活躍できる環境を今後も整えていただきたいと思います。

 多文化共生社会における子供たちの学びについて、グローバル化が進む中で、多様な文化的背景を持つ子供たちが共に学ぶ環境は、彼らの理解を深め、国際感覚を育むための重要な機会であると考えます。また、インターナショナルスクールへの通学を選択される御家庭が本区でも増えている中で、就学義務についての課題も浮き彫りになっています。本区でも、現在、七十人の児童がインターナショナルスクールに通学しているとのことですが、今後も学籍の管理や情報提供、周知を通じて、保護者が適切な選択をできるよう、引き続き指導、そして支援をお願いいたします。

 令和五年の五月に新型コロナウイルス感染症が五類感染症となり、令和六年度は、コロナ禍が明けてから実質的に通常生活に戻った初めての一年となりました。今後も子供たちが安心して学び、友人と交流できる環境を整え、学校における教育相談体制の拡充が求められます。コロナ禍が子供たちに与えた影響、現状を踏まえ、今後も引き続き、アフターコロナの子供たちへの支援強化に努めていただくよう要望いたします。

 今回、私が質問で提案した内容について、少しでも区政に反映していただけるようお願い申し上げます。

 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後四時四十二分 休憩


午後五時 開議

○議長(瓜生正高議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。

 二十九番墨谷浩一議員。

〔二十九番 墨谷浩一議員登壇〕

○二十九番(墨谷浩一議員)
 中央区議会公明党、墨谷浩一でございます。私は、令和七年第一回定例会に当たり、当面する行政課題につきまして、通告書に従い、区長並びに関係理事者に対し質問をさせていただきます。どうぞ意のあるところをお酌み取りいただき、明快にして建設的な御答弁を期待するものでございます。御答弁のいかんによりましては、再質問を留保させていただきます。

 初めに、物価高騰対策について。

 円安の進行により、ガソリン代など燃料費や輸入飼料の高騰により、卵など、誰もが物価高騰を感じていると思います。食品では、キャベツが高騰しているので、半分にカットしたものを購入する。また、主食であるお米が高騰しているなど、全てが値上がりしている状況です。NHKの報道記事によりますと、二○二五年の一月から四月までに値上げが予定されている食品は、四か月連続で千品目を超え、六千品目余りに上ることが民間のまとめで分かりました。二○二四年の値上げ品目を上回るとしています。

 本区の令和七年度予算案には、昨今の物価高騰の状況を鑑み、区民生活への影響を緩和するための施策が随所に盛り込まれております。しかし、それを上回る急激な生鮮食料品などの高騰が想定より上回る可能性もあります。区民や区内事業者への物価の上昇による影響を最小限度に抑えることが重要と考えます。区民に対して、生活の安定を確保し、不安を解消するため、相談体制の充実などに取り組むことも重要と考えます。区内の介護サービス事業所、区内の障害福祉サービス事業所、保育所など福祉事業所への支援なども重要と考えます。令和六年度中央区介護サービス事業所物価高騰緊急支援事業補助金、令和六年度障害者支援施設等物価高騰緊急支援事業は令和七年三月三十一日で終了となっています。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 介護サービス事業所、障害者支援施設、保育所などに、本区としても、物価高騰対策として、国や東京都と連携して支援を行ってきましたが、引き続き物価高騰を注視し、柔軟な対応が求められていると考えますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、区内共通買物・食事券の発行、ハッピー買物券について。

 物価高騰の影響が長引く中で、区内中小企業の発展と地域産業の振興のため、効果的な消費喚起を生み出し、区内経済のさらなる活性化をはじめ、区民の生活費の一部を軽減する取組です。本区としても、継続的に発行されています。昨年は購入できなかったので残念、ハッピー買物券は物価高の中で助かるなど、多数の声を伺います。令和七年度予算案に示されているとおり、区内共通買物・食事券は過去最大の発行額となります。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 区内共通買物・食事券、ハッピー買物券の発行に対して、令和六年の状況を区としてどのように捉え、新年度の予算にどのように反映していますか。区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、低所得者層などへの支援について。

 所得が少ないひとり親家庭、年金暮らしの方や低所得世帯の方は、これ以上物価が高騰すると、食費などが増加し、生活が困窮する可能性が予想されています。ある方は、昨年からお米や食料品が急激に値上がりして、食費を切り詰めている。また、医療費が心配で、病院に入院でもしたら心配などのお声をいただいております。今後、令和六年度電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金の支給が見込まれていますが、令和七年度も引き続き物価高騰は続くと見込まれていると思います。令和七年度も、原材料価格や人件費の上昇で物価高騰の可能性があります。

 そこで、第三点目にお伺いいたします。

 区民生活の安定を確保し、不安を解消するための相談支援体制の充実を含め、今後の物価高騰動向を注視し、所得の少ないひとり親家庭世帯、低所得者層や困窮者などへの支援について、国や都との連携などを含め、機動的な支援が必要な場面もあると思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、特定健康診査の受診率向上について。

 本区では、国民健康保険加入者の健康増進と医療費の適正化を目指し、中央区国民健康保険第二期データヘルス計画・第四期特定健康診査等実施計画として、二つの計画を一体的に策定しています。特定健康診査では、生活習慣病の早期発見に役立ちます。自覚症状がない初期の段階で発見し、適切な治療や生活習慣の改善を行うことで、重症化を防ぎ、合併症のリスクを減らすことができます。生活習慣病は、脳卒中、心筋梗塞、がんなどの重大な疾患の原因となるため、早期発見・予防は健康寿命の延伸につながり、生活のQOL向上、医療費の抑制にもつながります。

 山口市では、特定健康診査の受診率向上を目指し、未受診者アンケートを踏まえ、年代ごとに多い未受診者の理由に応じた勧奨はがき五種類を作成し郵送、それにより受診率の向上が見られたそうです。また、インセンティブ付与の効果も一定の効果があったようです。

 生活習慣病の早期発見・早期治療の対応が必要です。また、本人への行動変容・気づきを与えることも重要と考えます。本区でも、特定健康診査受診率向上に取り組んでこられたと思います。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 本区の特定健康診査の受診率向上の取組と特定健康診査の結果から生活習慣病発症のリスクが高い方などを対象として行われる特定保健指導の受診率向上の取組について、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、慢性腎臓病、CKD対策について。

 御相談をいただいた奥様より、御主人が何年もかけて人工透析になったそうです。病院の主治医からも何度か、今の時点で食生活を直していけば糖尿病にならないと主治医に言われ、奥様は家族の食事を分けて作るなど、大変苦労されたそうです。人工透析になった方も家族も大変になる病気と教えていただきました。また、人工透析の方にお話を聞くと、人工透析になる前に注意しておけばよかったと後悔されていました。

 中央区国民健康保険第二期データヘルス計画・第四期特定健康診査等実施計画によりますと、人工透析導入となると、医療費が高額となるだけではなく、日常生活や社会参加が制限され、QOLの低下を招き、人工透析導入の起因が特定できた患者のうち約七割が、保健指導などにより重症化を遅延できる疾患で、二型糖尿病性腎症以外の慢性腎臓病有病者も存在するとしています。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 慢性腎臓病、CKDの対策として、早期発見・早期介入・早期治療、そしてハイリスクの方への対応などが重要と考えますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、ヒアリングフレイルチェックの導入について。

 本区では、高齢者の健康寿命延伸と健康な生活をサポートするため、フレイル予防健診を実施しています。対象は七十五歳以上の区民で、フレイル健診の内容として、問診、身体計測、身体機能検査、認知機能検査、口腔機能検査を行っています。フレイルとは、加齢に伴い体力や気力が落ちて、食欲や外出への意欲が低下していく状態をいいます。フレイルが進行すると、要介護状態になっていきますが、早めの対策で元の健康な状態に戻すことができます。何もしないと筋肉は衰え、転倒や骨折を起こしやすくなるため、現在の体力・筋力を維持し、転倒による骨折を未然に防ぐことが重要です。フレイル予防の三つの柱として、運動、栄養、社会参加があります。本区では、さわやか・はつらつ健康教室、高齢者通いの場、いきいき館など、高齢者のフレイル予防に積極的に取り組んでおります。

 フレイル予防に、ヒアリングフレイルチェックを導入する自治体が広がっています。豊島区では、みんなの聴脳力チェックアプリを使った聞こえのチェックを実施しており、語音聴取率六○%未満の方には耳鼻咽喉科を紹介しています。ヒアリングフレイルとは、聞き取る機能の衰えのことです。聞こえにくさから会話が難しくなると、人とのつながりが低下し、フレイルや認知症につながる可能性があります。六十五歳以上の約半数の方に聞こえの問題があると言われております。本区では、令和七年度予算案には補聴器の助成金が増額されております。その目的は、高齢者の日常生活でのコミュニケーション及び社会参加の機会を推進するためです。補聴器の装用には、原則として医師の診断が必要であります。ヒアリングフレイルチェックなど、聴力の衰えに気づきを与え、医療機関につなげることも重要と考えます。聴力低下の原因は様々あり、中には治療が必要な病気が隠されている場合もあります。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 本区としても、ヒアリングフレイル予防の強化に努めるべきと考えますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、製品プラスチック資源化の取組について。

 国際連合広報センターのサイトには、「やめよう、プラスチック汚染」があります。そこには、毎年一千九百万トンから二千三百万トンのプラスチックごみが水界生態系に流出していて、二○五○年には魚の量より多くなると予想されています。ウミガメの鼻に刺さったストローなど、ショッキングな映像は記憶に新しいです。

 国では、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律、プラ新法が二○二二年四月に施行されました。この法律は、プラスチック製品の設計から廃棄物処理まで、あらゆる主体におけるプラスチックの資源循環の取組を促進するための措置を盛り込んでいます。東京都ではゼロエミッション東京戦略として二○一九年十二月に公表されたこの戦略は、二○三○年までにプラスチックごみ焼却量を四○%削減することを目標に掲げています。プラスチック削減プログラムは、都民や事業者に対して、プラスチックごみ削減に向けた行動を促すための様々な施策を実施しています。本区では、区民に対し、容器包装プラスチックの分別方法やリサイクルの重要性について、広報紙やウェブサイトなどを通じて積極的に啓発してきたところです。今後は、製品プラスチックも、資源としてのリサイクルが待たれます。製品プラスチック資源化は、持続可能な社会を実現するための不可欠な取組です。国、自治体、企業、そして私たち消費者一人一人がプラスチックごみ削減とリサイクルに積極的に取り組むことが重要です。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 過去の一般質問において、本区としてもプラスチックの資源化に向けて積極的に取り組んでいくとの御答弁がありましたが、その後の製品プラスチックの資源化の取組状況について、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、リチウムイオン電池の廃棄処理の周知について。

 今や、我々の生活に欠かせないスマホなどの電子機器、内蔵されているリチウムイオン電池は、従来の電池に比べ、軽くて出力が大きく、素早く充電できるという特徴があり、幅広い用途で活用されています。ところが、そのリチウムイオン電池が思わぬ事故に発展するケースが多発しているといいます。記憶に新しいところでは、本年一月二十八日、韓国釜山空港で離陸前の航空機から火災が発生しました。火災の原因と見られているのが、乗客の荷物のモバイルバッテリーだったようです。また、国内でも、札幌市の郵便局では、レターパックに入っていたリチウムイオン電池が発火するという事故が起きました。ごみ回収時の清掃車から発火など、リチウムイオン電池が原因と見られる火災が多発しています。埼玉県川口市のごみ処理施設で起きた火災は、リチウムイオン電池が発火した可能性が高いといいます。ごみをためるピット内の損傷が激しく、ごみ焼却場に投入するクレーンも壊れた状態で、改修が終わるまで数か月かかる見通しで、周辺自治体へのごみ処理委託費や焼却場の修繕費として計五十億円規模の多大な経費がかかることが報道されていました。

 東京消防庁によると、リチウムイオン電池が関わる火災は、十年間で八倍以上に増えているようです。なぜ、こうした事故が起こるかというと、リチウムイオン電池は小型ですが、中に大きい容量の電気のエネルギーを蓄えている機器なので、外部からの衝撃が加わったり、へこんだりすると内部ショートが生じ、発電や発火につながるそうです。

 目黒区では、リチウムイオン電池などを、安全な収集のため、区内十か所に専用ボックスを設置しており、月およそ百キロが回収されています。本区では、電池類は全小学校及び銀座中学校、日本橋中学校、公共施設の回収箱で回収しており、身近な場所で回収しています。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 一昔前に比べて安価になったリチウムイオン電池の普及により、ますます事故の増加が考えられます。火災などの事故を未然に防ぐには、区民の皆さんへの取扱いの周知、廃棄の方法など、さらなる普及啓発が求められていると思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、宅配ボックスの助成について。

 共働き世帯の増加やコロナ禍を経て、生活スタイルの変化もあり、急速にネットショッピングが増加しています。宅配物の受け取りが課題となっています。それに、運送業界の運転手不足が深刻となり、宅配ボックスの設置を推進する自治体の動きが活発化しています。国土交通省の調べでは、再配達率は都市部ほど高いことが分かっています。板橋区では、宅配ボックスの助成があり、申請者にアンケートを実施し、二十二年度のアンケート結果によると、宅配ボックス導入前は四三・六%だった再配達率が、導入後、四・三%に激減したようです。その結果を基に試算すると、年間約一千五百キロのCO2の削減との結果でした。

 私は、相談をいただいた晴海アーバンプラザに伺いました。宅配ボックスが設置可能なスペースはあります。区立住宅は比較的に共働きなどで不在にするケースが多く、ネットショッピングを活用している方が多いと伺いました。また、置き配をして荷物の盗難に遭ったなど、声をいただきました。区立住宅などでは宅配ボックスがないので、同様な課題があるのではないかと思いました。調べた結果、社会資本整備総合交付金には、国土交通省における宅配ボックス設置に関する支援策一覧があり、その項目の中に公営住宅等ストック総合改善事業の補助があります。それらを活用した区立住宅などにおける宅配ボックスの設置は、区民の利便性向上や再配達削減に貢献する重要な取組であると考えます。

 そこで、第三点目にお伺いいたします。

 民間の戸建てや集合住宅に宅配ボックスの設置がされていないケースもあり、設置への支援が求められていると考えます。そして、区立住宅などへの宅配ボックスの設置についての検討が必要と考えますが、それぞれ区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、ゾーン30、ゾーン30プラスについて。

 ゾーン30は、生活道路における歩行者や自転車の安全な通行を確保することを目的とした交通安全対策の一つです。また、ゾーン30プラスは、生活道路における人優先の安全・安心な通行空間の整備のさらなる推進を図るため、最高速度三十キロ毎時の区域規制と、狭窄やスラロームなどの物理的デバイスの適切な組合せにより、交通安全の向上を図ろうとする区域のことをいい、警察と道路管理者が連携して整備を進めているものです。

 速度抑制対策には、ハンプ、スムーズ横断歩道、狭窄、クランク型シケイン、スラローム型シケインなどがあります。看板、路面標示にもゾーン30プラスと、車両運転士をはじめ、視覚に入る特徴があります。物理的デバイスの設置による効果検証結果では、三十キロを超えて走行していた自動車の割合では、設置前四七%から、設置中では二八%に低下しています。本区の交通事故の現状として、令和五年の発生件数七百十六件で、死者数一名、負傷者数七百八十八名となっています。令和五年の特徴として、前年より負傷者数が二十四人減ったものの、重傷者数が三十二名増加したことです。本区は、これまでも、道路交通環境の整備などや交通安全意識の啓発、指導取締りなどを強化し、交通事故の発生件数の減少に向けて、警察などと取り組んできたところと認識しています。

 私は、杉並区にあるハンプ設置箇所を視察してまいりました。同区では、ハンプやポールの設置のほか、巻き込み事故などを防ぐため、エリア内の交差点で白線を引き直して、歩行者が通る路側帯を広げて、車道を狭くして歩行者を守る取組を進めております。

 そこで、第一点目にお伺いいたします。

 本区としても、警察と道路管理者が連携して整備を進めているところですが、さらなるゾーン30プラスの積極的な拡大を進めることにより、交通事故の低減につながる取組と考えますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、勝どき五・六丁目の歩行者優先の自転車通行空間の整備について。

 自転車通行空間の整備には、自転車と歩行者が分離された整備方法に、自転車道、自転車専用通行帯、車道混在、ナビマーク・ナビラインがあります。そのほかの整備方法では、歩道内で自転車が通行すべき部分に舗装の色彩を変えたり、歩道に白線を引き、自転車が通行すべき部分を示す整備があります。買物帰り、歩いていると、後ろから自転車がスピードを出して追い越していったとき、冷やっとしました。月島の清澄通りでは、歩道内で自転車が通行すべき道路に色分けされて分かりやすい、幅の広い歩道には白線や自転車のマークがあると分かりやすいとのお声もありました。中央区自転車アンケートにも、自転車通行空間の整備が五九・○%となっており、自転車の利用促進のために優先的に実施すべき取組と回答しています。勝どき五・六丁目の清澄通りは、二号線の開通により交通量が増加しており、車道での自転車走行は怖いなどの声を伺います。今後は豊海地区のタワー棟が二○二六年度中に竣工され、人口増が見込まれており、自転車利用の増加が見込まれます。

 そこで、第二点目にお伺いいたします。

 これまでも、区内の車道上に自転車専用通行帯やナビマーク・ナビライン、歩道内に自転車が通行すべき部分の表示を進めてこられましたが、清澄通りの勝どき五・六丁目の歩行者優先の自転車通行空間の整備が求められていると思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、都営バスなどのさらなる増便、バス停留所上屋、ベンチなどの整備への働きかけについて。

 HARUMI FLAGは、昨年の二月から入居が始まり、HARUMI FLAGの中心にはスカイデュオという二つのタワー棟の建設が進行しており、一千四百五十五戸の住宅となり、入居時期が二○二五年十月下旬を予定しており、晴海地域の人口増が見込まれます。特に、晴海・勝どき地域、晴海通りで結ぶ晴海や豊洲、有明などで、交通需要の増加に対して、路線バスを中心とした交通機関が大変混雑しているとの声を伺います。そして、昨年九月の補正予算では、都心と臨海地域と結ぶ交通環境整備促進として、四千八百万円の予算化をし、さらなる交通需要の増加が見込まれる臨海部の公共交通網を拡充するため、都心と臨海地域とを結ぶ交通ルートの事業化が早期に実現されるよう東京都と連携するとともに、運行事業者に対する調整・支援を行うとあり、東京BRTの東京駅ルートへの調整・支援に積極的に取り組み、早期に東京駅ルートの一日も早い開通が待たれます。

 なお、環境建設委員会などで、令和七年度に東京BRTの東京駅方面延伸を目指しているとの報告がありました。

 本区としても、バスの混雑の解消に向け、都営交通などに積極的に働きかけ、昨年度に比べ、四十六便を増加しているところをお聞きいたしました。今後ますます、地域によっては、公共交通であるバスなどの需要が増加すると考えます。既存の都営バスや東京BRTの増便を引き続き要請する必要があります。また、バス停に椅子があると助かる、バス接近表示装置があると利用者のストレス軽減になるとの声も伺います。特に、高齢の方や障害がある方などが、バス停にバス停留所上屋、ベンチの整備、バス接近表示装置があると快適で、より気軽に利用できる上で重要な取組です。さらなるバス停の整備が求められていると思います。

 そこで、第三点目にお伺いいたします。

 今後、地域によっては、人口増や観光客の増加を踏まえ、都営バスなどの増便への引き続きの要請が求められていると考えます。そして、東京BRT、都営バス、江戸バスのバス停にバス接近表示装置、バス停留所上屋、ベンチのさらなる整備への働きかけの考えについて、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 次に、自動運転バス、AIデマンドタクシーの導入について。

 東京都では、二○四○年代における都内全域での自動運転サービスの普及を見据え、二○三○年頃までに都内八地区程度において先行的に自動運転サービスの導入を目指しています。全国的に持続的な地域公共交通の維持が課題としてあり、バスの運転手不足は今後も続く見通しであり、持続可能な地域公共交通へと再構築するための取組を模索している自治体もあります。台東区のコミュニティバス、めぐりんは、昨今の慢性的な運転手不足に加え、令和六年四月一日の労働基準の改正などにより、現行ダイヤを維持することが困難な状況となり、ダイヤ改正を実施しました。そのため、台東区では、期間限定でAIオンデマンド交通の実証実験を行っております。

 私は、現地に訪問して、よぶりんに知り合いの方と乗車しました。乗車スポットが百五十七か所あり、スマホで登録後に乗降車場所、予約時間を入力し、よぶりんを待ちます。車が来る時間も分かるので、安心です。乗車後、行き先の確認があり、目的地に出発します。目的地に着くと、一人三百円を支払います。事前の登録でクレジットカード決済も可能となります。本年三月十六日までの交通実証実験ですが、乗車した感想として、事前登録はあるが、慣れるとスムーズに乗車できると思います。また、電話での申込みも可能と伺いました。現状、タクシーでしか移動手段がない障害のある方、高齢の方のニーズなどがあると考えます。

 そこで、第四点目にお伺いいたします。

 バス運転手不足は今後も続く見通しであり、持続可能な地域公共交通へと再構築するため、都と連携で先行的に自動運転バスの導入に向けての検討や、AIデマンド交通など、新たな交通手段の導入に向けての検討を進めていく必要があると思いますが、区長さんの御見解をお伺いいたします。

 以上、一回目の質問を終了させていただきます。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 墨谷浩一議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、福祉サービス事業所への支援についてであります。

 総務省発表の統計によりますと、令和七年一月の消費者物価指数は、令和二年同月と比べ一一・二ポイント、前年同月と比べても四ポイント上昇しております。長期化する物価高騰の影響は、区民生活だけでなく、日々、利用者の生活を支える介護サービスや障害福祉サービス、保育等の福祉事業者にも広く及んでおります。そのため、区では、これまでも施設運営の安定化と利用者への高騰分の転嫁を防止するため、都の補助対象期間にかかわらず、一年を通じて支援策を講じてまいりました。令和七年度以降につきましても、国や都の施策や物価動向を見極め、必要と判断した際には、速やかに対応策を講じてまいります。

 次に、区内共通買物・食事券についてであります。

 本事業は、区内の消費喚起を通じた経済活性化を目的として、平成十二年度から実施しており、区民に広く定着している事業であります。コロナ禍後も厳しい経済状況が続く中、令和六年度においては、発行額とプレミアム率を拡充して発行し、区内経済の活性化に大いに寄与したものと認識しております。その一方で、多くの方々からお申込みをいただき、区民に落選者が生じる結果となり、頂戴した様々な御意見に対し、真摯に受け止めたところであります。こうしたことを踏まえ、令和七年度予算案においては、区内事業者にとって、長引く物価高騰を克服する大きな契機としていただくとともに、より多くの方々に利用していただけるよう、発行総額を三十億円に拡大し、プレミアム率は二五%に設定いたしました。また、購入されなかった買物券については、繰上げ当選を行うことで、より多くの券を市場に行き渡らせ、経済効果の最大化を目指してまいります。区といたしましては、区内経済の活性化に資する施策の柱であり、区民生活に根づいている本事業を今後も着実に継続してまいる所存であります。

 次に、低所得者層などへの支援についてであります。

 区では、物価高騰による負担増を踏まえ、住民税非課税世帯及び住民税均等割のみ課税世帯に対し、令和六年度電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金の支給を本日から開始いたしました。エネルギーや食料品等の値上げが区民生活に甚大な影響をもたらしていることは、区としても危機感を持っており、新年度予算案にハッピー買物券の発行総額拡大をはじめとする経済対策や物価高騰対策を盛り込んだところであります。今後も、物価や賃金の状況に加え、国や東京都の動向を注視し、区民の暮らしを守る観点から、必要と判断した際には速やかに対応策を講じてまいります。

 次に、特定健康診査の受診率及び特定保健指導の実施率向上の取組についてであります。

 令和五年度の特定健康診査の受診率は三三%、特定保健指導の実施率は七・二%で、ここ数年、どちらもほぼ横ばいとなっております。こうした状況を踏まえ、特定健康診査におきましては、全ての対象者へ受診券を個別送付するほか、未受診者への勧奨はがきの送付や、初めて受診の対象となる四十歳の方に対する啓発用リーフレットの送付など、受診の勧奨を行っております。また、特定保健指導につきましても、同様の方法で対象者に勧奨を行っているところです。また、健康福祉まつり等のイベントを活用し、特定健康診査や特定保健指導の必要性について周知を図るとともに、令和七年度からは、健康アプリにおいて、特定健康診査や特定保健指導の結果の入力をポイント付与の対象に追加する予定であります。区といたしましては、今後も継続的な勧奨や啓発とともに、対象者への動機づけとなる取組を推進するなど、受診率や実施率の向上を図ってまいります。

 次に、慢性腎臓病対策についてであります。

 糖尿病や高血圧症といった生活習慣病の発症・重症化を予防するためには、生活習慣の改善とともに、継続した治療を行うことが重要であります。特に、糖尿病は、初期には自覚症状が乏しく、重症化すると人工透析が必要になるとともに、日常生活や社会参加が制限され、QOLの低下を招くことから、生活習慣病を早期に発見し、重症化を予防していくことが必要であります。平成三十年度に策定した中央区国民健康保険第一期データヘルス計画では、糖尿病性腎症重症化予防事業として、レセプト等から対象者を抽出し、保健指導を行ってまいりましたが、参加者は健康意識の高い方に限られ、腎臓病についての周知が課題として明らかとなりました。そのため、令和六年度からの第二期データヘルス計画では、慢性腎臓病対策事業として、糖尿病に加え、高血圧症の方も対象に保健指導等を実施するほか、新たに慢性腎臓病をテーマとした講演会を開催するなど、周知啓発の強化を図ったところです。区といたしましては、こうした取組を通じ、被保険者一人一人が自らの健康に関心を持ち、生活習慣の改善や適切な疾病管理を行えるよう、データヘルス計画に基づく保健事業を着実に実施してまいります。

 次に、ヒアリングフレイル予防についてであります。

 聞き取る機能の衰えについては、コミュニケーション能力の低下や社会的孤立を招き、さらには認知症のリスクを高める可能性があることから、早期に気づき、対応することが生活の質の向上に大変有効であると認識しております。そのため、区では、これまでも区民向け福祉講座や介護支援専門員向け介護予防研修においてヒアリングフレイルをテーマとして取り上げるほか、健康イベント等の機会を捉えて、難聴に関するリーフレットを配布するなど、聞こえの重要性についての普及啓発に努めてまいりました。また、来年度は、こうした取組の強化として、新たに実施を予定しているもの忘れ予防検診の受診票に聞こえに関する質問を設けることにより、自身の聴力の衰えに気づき、適切な医療につなげていくきっかけとしてまいりたいと存じます。さらに、高齢者通いの場やいきいき館などにおいて実施している様々な介護予防に関する講座に耳のフレイル講座を追加し、耳に関する健康チェックや健康習慣などの重要性について強く訴えてまいります。あわせて、保健師等による健康相談を通じて医療機関の受診を勧めるなど、聴力低下の早期発見・早期対応につなげてまいります。区といたしましては、健康寿命の延伸に資するフレイル予防対策を一層推進することにより、全ての高齢者が住み慣れたまちで生き生きと暮らし続けることができるよう、引き続き取り組んでまいります。

 次に、製品プラスチックの資源化についてであります。

 製品プラスチックの資源化は、地球規模での重要な課題であり、国や東京都においても、プラスチックの排出抑制や分別収集によるリサイクルの推進など、資源循環型社会の構築に向けた取組を進めております。区では、3Rの推進に資する取組の一つとして、平成二十一年度からプラスチック容器包装の資源回収を実施してきたところであります。製品プラスチックの資源化に向けては、今年度実施しているごみ排出実態調査において、燃やすごみに含まれている製品プラスチックの割合等を調査し、今後、プラスチック以外の資源混入対策などの課題について整理してまいります。さらに、この調査結果を基に、ごみとして排出されているプラスチック量を推計し、その処理に必要となる車両台数や人員の確保、収集体制などの事業スキームの構築を行い、製品プラスチックの資源化の実現に向け、具体的な検討を進めてまいります。

 次に、リチウムイオン電池の廃棄処理の周知についてであります。

 リチウムイオン電池は、小型で軽量かつ長寿命であり、汎用性のある二次電池として、スマートフォンやモバイルバッテリー、電動アシスト自転車など、様々な製品で使用されており、私たちの生活に欠かすことのできないものであると認識しております。一方で、高温になると発火しやすいという性質から、発火事故が全国的に増加傾向にあり、東京消防庁管内においても、令和五年に発生した清掃車両の火災事故四十一件のうち、過半数の二十二件がリチウムイオン電池に起因したものと報告されております。区では、使わなくなったリチウムイオン電池を含む電池類を区役所や小学校など三十か所の拠点で資源として回収していることを、これまで区ホームページや「ごみと資源の分け方・出し方」の冊子を全戸配布することによって周知してまいりましたが、今後は、火災事故の防止目的も加え、都や東京消防庁と連携し、リチウムイオン電池の危険性や廃棄方法について、さらなる周知に努めてまいります。

 次に、宅配ボックスの設置についてであります。

 近年、感染症拡大防止のため、人と人との非接触や、物流業界における人材不足への対応、再配達の抑制による環境負荷の低減など、様々な観点から、宅配ボックスの果たす役割が大きくなっているものと認識しております。本区は約九五%が集合住宅であり、築年数が浅い建物には、既存の設備として、あらかじめ設置されているケースが大半を占めていると聞いております。また、最近では、コンビニエンスストアや駅などにも設置されており、荷物の受け取りに加え、発送にも対応するなど、民間事業者においても、多様なニーズに合わせたサービス提供がなされております。こうした状況を踏まえ、本区において、民間住宅への宅配ボックスの設置に対する助成や、区立住宅などへの設置を行うことは、現在のところ考えてはおりませんが、今後の宅配ボックスを取り巻く社会状況をしっかりと注視してまいります。

 次に、ゾーン30プラスについてであります。

 令和五年に区内で発生した交通事故は七百十六件でしたが、そのうち二百五十八件が区道で発生しております。これは全体の約三六%を占めており、交通安全対策のさらなる取組が重要であると認識しております。区は、これまで学校周辺など交通管理者がゾーン30に指定した十三区域において、カラー舗装や路面標示など、視覚的効果を活用した交通安全施設を整備してまいりました。本区においては、ゾーン30プラスの指定のない道路においても、交通状況や地域課題、区民の要望等を踏まえ、交通管理者と協議の上、ラバーポールなどの物理的デバイスを適切に組み合わせて整備を進めてきたところであります。しかし、ハンプなど一部の物理的デバイスについては、一般車両の円滑な通行を過度に妨げるほか、通行時の振動や騒音の発生による沿道建物に与える影響などの課題があると認識しております。区といたしましては、車両と歩行者が共存し、安全・安心な道路交通環境が図られるよう、引き続き交通管理者と連携し、実効性のある交通安全対策の推進に努めてまいります。

 次に、自転車通行空間の整備についてであります。

 身近な交通手段として、自転車利用のニーズが高まる中、歩行者、自転車、自動車がともに安全で安心して通行できる自転車通行空間の確保が重要であると認識しております。区は、これまでも、交通状況や地域の道路特性を踏まえ、路線ごとに適した整備手法により、自転車通行空間の整備を推進してまいりました。一方、勝どき五・六丁目の清澄通りは、環状第三号線に位置づけられ、二○三○年代の事業着手に向け、現在、都において、道路の規格や構造等の検討が進められております。区といたしましては、本事業に併せて自転車通行空間が整備されるよう、都と協議してまいります。今後も、中央区自転車活用推進計画に基づき、連続したネットワークの形成が図られるよう、各道路管理者と連携し、自転車通行空間の整備に努めてまいります。

 次に、都営バスの増便とバス停の環境整備についてであります。

 本区の臨海部における交通環境の改善に当たっては、運行事業者による路線バスの増便等が実施されてきましたが、運転手不足などの課題もあり、現状、交通需要の増加に対し、十分な対応がなされていないものと認識しております。今後も、まちづくりの進展に伴い、臨海部の交通需要はさらに高まることが見込まれることから、区民生活における重要な移動手段である路線バスの拡充とともに、利用者の快適性・利便性に配慮し、ベンチや上屋、接近表示装置が設置されるよう、各運行事業者に対し、継続的に要請してまいります。また、江戸バスのバス待ち環境については、道路幅員や交通状況等の制約があるものの、民間活力を活用しながら、上屋の設置の検討を進めるとともに、停留所に表示した二次元コードによる運行状況の提供を行っております。今後も、各運行事業者とともに、バス待ち環境の改善はもとより、さらなる臨海部の交通環境の改善に努めてまいります。

 次に、自動運転バス、オンデマンドタクシーの導入についてであります。

 現在、自動運転については、社会実装に向け、都が推進区域を設定し、民間事業者による基礎調査やデータの収集が進められております。公共交通における運転手不足が深刻化する中で、自動運転などの先端技術を地域交通に生かすため、各地で様々な社会実験が行われており、今後の交通環境の改善に大きく寄与するものと認識しております。一方、自動運転バスについては、各地の実証実験を通じて、交通量の多い交差点における右左折や駐車車両の回避など、課題が見えてきたところであります。そのため、交通量や駐車車両が多い本区の道路状況を鑑みると、導入に当たり、さらなる技術の向上が求められるものと考えております。また、AIを活用したオンデマンドタクシーについては、全国の自治体で交通不便地域の解消などを目的に、様々な取組が行われているものの、事業化に当たっては、事業採算性や既存の交通事業者との合意形成など、課題があると認識しております。区といたしましては、自動運転バスやオンデマンドタクシーなど、次世代の交通手段の動向を注視・研究してまいります。

 答弁は以上であります。

〔二十九番 墨谷浩一議員登壇〕

○二十九番(墨谷浩一議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございます。

 時間の関係で、何点かお話をさせていただきたいと思います。

 まず、物価高騰対策でございます。

 本区では、令和七年度予算案に物価高騰などを踏まえた補助制度の見直しがされておりますが、今後もさらなる物価高騰が起きる可能性もあります。区民生活の不安を解消するために、相談支援体制の充実はすごく大切ではないかというふうに思っております。また、今後も物価高騰動向を注視して、低所得なひとり親家庭、低所得者層や、また困窮者などへの機能的な支援をお願いしたいというふうに思います。

 続いて、健康寿命延伸の取組でございます。

 慢性腎臓病対策について、人工透析を受けた御家族、また人工透析を受けている方のお話を伺い、質問いたしました。早期発見・早期治療につなげるなど、これからもさらなる慢性腎臓病対策の強化が必要だというふうに思い、質問させていただきました。今後もよろしくお願いいたします。

 次に、持続可能な社会構築に向けての中で、宅配ボックスの設置について質問させていただきました。

 本区のマンション、集合住宅、比較的新しいところには宅配ボックスが設置されておりますが、例えば古いマンションもたくさんございます。そういった中で、宅配ボックスというのは、環境問題、また利便性の向上につながる対策の一つではないかというふうに思っております。民間の戸建て住宅についても、宅配ボックスについて支援をしているところもございます。強く要望させていただきたいというふうに思います。

 最後に、道路交通環境の整備でございます。

 ゾーン30プラス、私も杉並区のハンプのところを見に行きましたが、やはり交通事故の削減、歩行者の安全確保、環境負荷の軽減など、様々な利点をもたらすと思います。朝の通園や通学・通勤の時間帯に、生活道路をスピードを出して走行している車も散見されます。今後も積極的に警察などと連携でゾーン30プラスの導入を進めていただき、交通事故の減少への取組を、また、歩行者を守る取組をお願いいたします。

 以上をもちまして一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、明二月二十八日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明二月二十八日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

午後五時五十九分 散会


署名議員
議長 瓜生 正高
議員 ほづみ ゆうき
議員 海老原 崇智

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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