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令和7年第一回定例会会議録(第4日 2月28日)

1.会期

三十二日(第四日)

二月二十八日(金曜日)

2.開議並びに散会

午後二時開議

午後七時二十三分散会

3.出席議員

(三十名)

一番 ほづみ ゆうき議員

二番 アルール うた子議員

三番 上田 かずき議員

四番 黒原 裕司議員

五番 川畑 善智議員

六番 白須 夏議員

七番 高橋 元気議員

八番 永井 佳代議員

九番 小坂 和輝議員

十番 青木 かの議員

十一番 高橋 まきこ議員

十二番 田中 耕太郎議員

十三番 かみや 俊宏議員

十四番 太田 太議員

十五番 竹内 幸美議員

十六番 渡部 恵子議員

十七番 山本 理恵議員

十八番 梶谷 優香議員

十九番 小栗 智恵子議員

二十番 奥村 暁子議員

二十一番 瓜生 正高議員

二十二番 塚田 秀伸議員

二十三番 木村 克一議員

二十四番 海老原 崇智議員

二十五番 礒野 忠議員

二十六番 原田 賢一議員

二十七番 押田 まり子議員

二十八番 堀田 弥生議員

二十九番 墨谷 浩一議員

三十番 田中 広一議員

4.出席説明員

区長 山本 泰人君

副区長 田中 智彦君

副区長 吉田 不曇君

教育長 平林 治樹君

企画部長 生島 憲君

総務部長 黒川 眞君

防災危機管理室長 春貴 一人君

区民部長 濱田 徹君

福祉保健部長 大久保 稔君

高齢者施策推進室長 田部井 久君

保健所長 渡瀬 博俊君

環境土木部長 三留 一浩君

都市整備部長 早川 秀樹君

都市活性プロジェクト推進室長 溝口 薫君

会計管理者 山﨑 健順君

教育委員会事務局次長 北澤 千恵子君

監査事務局長 林 秀哉君

企画部参事(政策企画課長事務取扱) 石戸 秀明君

財政課長 野末 託範君

総務課長 小林 寛久君

5.議会局出席職員

議会局長 伊藤 孝志君

庶務係長 長塚 由希江君

議事係長 小倉 正信君

調査係長 佐藤 康之君

書記 後藤 絵里子君

6.議事日程

日程第一

  • 一般質問

日程第二

  • 議案第五号
  • 令和六年度中央区一般会計補正予算

日程第三

  • 議案第六号
  • 令和六年度中央区国民健康保険事業会計補正予算

日程第四

  • 議案第七号
  • 令和六年度中央区後期高齢者医療会計補正予算

日程第五

  • 議案第八号
  • 中央区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例

日程第六

  • 議案第九号
  • 中央区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例

日程第七

  • 議案第十一号
  • 中央区議会等の求めにより出頭した者等の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

日程第八

  • 議案第十三号
  • 中央区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例

日程第九

  • 議案第十五号
  • 中央区職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例

日程第十

  • 議案第十六号
  • 中央区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例

日程第十一

  • 議案第十七号
  • 中央区密集街区環境改善まちづくり基金条例

日程第十二

  • 議案第二十六号
  • 中央区立泰明小学校及び中央区立泰明幼稚園内部改修工事(建築工事)請負契約

日程第十三

  • 議案第二十八号
  • 中央区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

日程第十四

  • 議案第二十四号
  • 中央区立幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例

日程第十五

  • 議案第二十五号
  • 中央区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例

日程第十六

  • 議案第三十号
  • 中央区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

日程第十七

  • 議案第十九号
  • 中央区指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準等に関する条例の一部を改正する条例

日程第十八

  • 議案第二十号
  • 中央区地域包括支援センターの職員及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例

日程第十九

  • 議案第二十九号
  • 中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例

日程第二十

  • 議案第十八号
  • 中央区事務手数料条例の一部を改正する条例

日程第二十一

  • 議案第二十一号
  • 中央区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例

日程第二十二

  • 議案第二十二号
  • 中央区立公園条例の一部を改正する条例

日程第二十三

  • 議案第二十三号
  • 中央区立公園における移動等円滑化の基準に関する条例の一部を改正する条例

日程第二十四

  • 議案第二十七号
  • 特別区道の路線の認定及び変更について

午後二時 開議

○議長(瓜生正高議員)
 ただいまより本日の会議を開きます。


○議長(瓜生正高議員)
 これより本日の日程に入ります。

 日程第一、「一般質問」を行います。順次、質問を許します。

 十七番山本理恵議員。

〔十七番 山本理恵議員登壇〕

○十七番(山本理恵議員)
 中央区民クラブの山本理恵です。令和七年中央区議会第一回定例会の一般質問を、さきの質問通告に沿って行わせていただきます。区長並びに各理事者の方々には誠意ある御答弁をお願い申し上げ、質問に入らせていただきます。御答弁によりましては、再質問を留保いたします。

 一昨日の代表質問では、次世代に引き継ぐ都市景観をテーマに質問や提案を重ねましたが、本日は、次世代に引き継ぐ都市空間をテーマに質問や提案を重ねてまいります。

 今年度は、本区のまちづくりが未来へ向けて大きな一歩を踏み出した年でした。HARUMI FLAGのまちびらきをはじめ、築地市場跡地開発の事業予定者決定のほか、築地川アメニティ整備や東京高速道路、KK線再生に向けた取組、都心・臨海地下鉄新線の深度化など、将来の本区を形づくる複数の都市基盤整備が具体的段階に進みました。また、国際都市東京の玄関口である東京駅前地区では、国内最大級の高速バスターミナルの整備が進むとともに、歴史や文化を生かした風格あるまち並みの形成と、安全で快適な歩行者ネットワークの強化に向け、まちのにぎわいの連続性や回遊性を高める取組が進められています。さらに、日本の道路の起点である日本橋では、日本橋川に青空を取り戻すを合い言葉に、首都高速道路日本橋区間の地下化事業と日本橋川沿いのまちづくりを一体的に進めています。名橋日本橋を主役とした世界に誇れる魅力的な水辺環境の創出や、にぎわいある日本橋川交流拠点の形成に取り組んでいます。百年に一度とも言えるこれら都市活性化プロジェクトが、本区のまちの持続可能性を高めるものとなることを期待します。また、安全で快適な歩行者中心のまちづくりや、豊かな水辺環境を生かしたまちづくりが次世代に愛される魅力的な都市空間となることを望みます。

 まず、道路空間の活用と快適な歩行空間の創出について伺います。

 世界の多くの都市で、まちなかを車中心から人中心の空間へと転換し、沿道と路上を一体的に使って人々が集い、憩い、多様な活動を繰り広げられる場へと改良する取組が進められています。それらの取組は、人中心の豊かな生活空間を実現するだけでなく、地域経済の活性化、健康寿命の延伸、孤独・孤立の防止など、様々な地域課題の解決や新たな付加価値の創造につながっています。

 渋谷区では、歩行者中心の道路空間の実現に向け、大山街道整備事業、通称、大山街道の街並みづくりに取り組んでいます。渋谷駅のメインストリートである宮益坂と道玄坂の街道を、誰もが巡り歩いて楽しい回遊空間の創出を目指しています。道路空間の利活用及び歩行者空間の確保の観点から、公共空間の再編に関する先進国である欧州への視察や、元ニューヨーク市交通局長ジャネット・サディク=カーン氏との意見交換を行っています。カーン氏は、タイムズ・スクエアの歩行者天国化、約四百マイルに及ぶ自転車専用レーンの敷設、六十か所以上の広場の設置など、ニューヨークの道路空間に歴史的な変化をもたらした立て役者です。都市と交通の変革に関する世界的権威と呼ばれています。世界で最も有名な広場の一つであるニューヨークのタイムズ・スクエアは、自動車による慢性的な渋滞が発生していたブロードウェイを歩行者空間化したことで、交通事故の減少や治安・衛生環境の向上など、まちの安全性が大きく改善し、世界中の人が集い、にぎわう空間へと変貌を遂げました。

 そこで、まず、本区全体における道路空間の現状と課題について伺います。

 また、道路率が区面積の約三割に当たる三○・二%と、二十三区で最も高い本区の特性を踏まえ、安全で快適な歩行者中心の道路空間の創出に向けた取組と課題、今後の方向性についてお聞かせください。

 渋谷区では、渋谷駅の目抜き通りである宮益坂と道玄坂において、歩行者中心の道路空間の実現に向けた社会実験や、路上駐車削減に向けた社会実験を実施しました。常態化していた路上駐車などの交通課題を解消するために、路外駐車場や共同荷受け施設の設置による路上駐車対策、共同配送の推進による荷さばき車両の削減、パーキングチケットの適正利用、仮設歩行空間の設置などにより、快適な歩行環境づくりに取り組んでいます。また、荷さばきなし車両の路外転換や歩行者と荷さばき車両との道路空間のタイムシェアなどにより、歩行者空間の拡大を図っています。

 令和五年十月に、本区では、道路を人中心の空間に再構築するとともに、にぎわい空間に利活用することを目的とした八重洲通りにおける社会実験が実施されました。パブリックスペース、ヤエス・ストリート・パークレットが期間限定で設置され、にぎわいイベントなどが開催されました。令和六年十月には、路上駐停車の整序化による交通環境の改善と歩行者空間の拡充による歩行者ネットワークの強化の実証を目的とした、柳通りにおける社会実験が実施されました。車道の一部を狭めて無秩序な路上駐車の抑制を図るとともに、沿道に共同停車スペースを設けたほか、歩行者の通行・滞在空間が拡充されました。

 そこで、東京駅前地区における道路環境について伺うとともに、社会実験の結果と改善点、本格運用についてお知らせください。

 また、本区では、銀座地区や東京駅前地区において、東京都駐車場条例に基づく駐車場地域ルールを設けています。駐車施設の適切な確保や駐車施設の隔地・集約化の運用を図り、まちのにぎわいの創出と良好な交通環境の実現を目指すまちづくりを推進しています。

 そこで、銀座及び東京駅前地区における駐車場地域ルールの運用状況と課題、今後の展開についてお聞かせください。

 令和七年度予算案では、築地における都市基盤整備の中で、築地市場跡地を含めた範囲を対象とする駐車場地域ルールの検討、築地場外市場における荷さばきルールの検討などが盛り込まれています。

 そこで、築地エリアにおける道路環境の現状と課題、将来イメージについて確認をさせてください。

 平成三十年四月に策定した東京駅前地域のまちづくりガイドライン二○一八では、東京駅エリアを中心に、日本有数の商業・文化・観光の地である銀座エリア、京橋エリア、日本橋エリアへとつながる広域的な歩行者ネットワークの形成を目指しています。地上部の歩行者空間の整備と併せて、地下の歩行者空間の充実を図り、既存の公共駐車場、駅コンコース、地下街、地下通路などの地下空間のネットワーク化を推進しています。

 再開発などの機会を捉えながら、東西南北に地下の歩行者空間を延伸していますが、本区における地下歩行者ネットワークの現状と課題、今後の方針についてお聞かせください。

 また、日本最大級の地下空間が広がる東京駅や銀座駅を有する本区における地下空間の在り方について見解を伺います。

 次に、魅力的な水辺環境の創出と水上交通の活性化について伺います。

 中央区の区面積に占める水面率は一六・五%と二十三区で最も高く、水辺に恵まれた環境を有しています。中央区基本計画二○二三では、「中央区セントラルパーク構想~人と水とみどりの森~」を掲げ、水とみどりプロジェクトを、先導的・誘導的に推進していく事業、リーディングプロジェクトの一つに位置づけています。また、中央区水辺環境の活用構想、通称、Edoみらい水辺構想において、連続性ある水辺空間の整備や水上交通の活性化など、豊かな水辺環境を活用したまちづくりを推進しています。

 令和三年六月に策定した日本橋川沿いエリアのまちづくりビジョン二○二一では、日本橋川の河川空間を活用した魅力あるまちづくりを実現するため、日本橋上空の首都高速道路の地下化と日本橋川周辺五地区の再開発事業を連携させ、日本橋川を中心とした水辺空間の活用、歩行空間の形成、広場空間の整備、さらに水質改善等に取り組んでいます。

 令和六年六月に、区長は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ市を訪問しました。水辺の歩行者ネットワークの形成による日本橋川周辺エリアの回遊性の向上や舟運の活性化など、多層的な親水空間の創出に向けて、シカゴリバーなどの海外の先進事例を視察しました。

 そこで、世界に誇れる魅力的な水辺景観を創出するために、海外視察の報告をお聞かせいただくとともに、視察で得た成果をどのようにまちづくりに反映していくのかお知らせください。

 区内には、東京都が管理する防災船着場が五か所あります。明石町、新川、箱崎町、浜町、晴海五丁目の防災船着場に加え、今後は築地市場跡地にも整備される予定です。防災船着場は、災害時に人や緊急物資を運ぶための水上輸送拠点として重要な役割を担っています。また、防災船着場の一部は、舟運振興の一環として、屋形船や水上バス、クルーズ船などの一般船舶に開放され、観光資源として活用されています。公益財団法人東京都公園協会が運営する東京水辺ラインでは、週末に予約なしで聖路加ガーデン前から水上バスに気軽に乗船することができます。

 東京都では、舟運を身近な交通手段として定着させる取組の一つとして、船旅通勤の実装に向けた補助制度を創設し、令和五年十月に日本橋から豊洲航路、令和六年五月に晴海から日の出航路を開始しました。さらに、都心部と臨海部とを定期運航する新しい航路の実装に向け、都内の船着場と交通機関との接続や土地利用の状況調査を進めています。また、隅田川テラスにおいて、防災や観光に資するスロープ等の整備を進めています。

 本区においても、新たな舟運の整備による水上交通の活性化を推進しています。本区が管理する日本橋、日本橋川常盤橋、朝潮運河の三か所の船着場のうち、二か所は民間利用が可能で、定期船や観光船が発着し、気軽に観光気分が味わえます。今後は、まちづくり基本条例に基づき、再開発事業者が月島三丁目に防災船着場を整備する予定です。また、日本橋のたもとの船着場においては、日本橋上空の首都高地下化事業に伴い、船着場機能を江戸橋に一時的に移設しますが、令和二十二年度以降に日本橋に戻ってくる予定です。将来的には、日本橋と築地をつなぐ新たな航路の開設など、舟運交通の充実が期待できます。令和七年度予算案では、水上交通活性化事業として約九百万円を計上しています。船を区民の新たな移動手段とするため、事業スキームなど、事業実施に向けた検討を行います。また、船着場及び船着場周辺の環境整備の方策など、水上交通の利便性を向上させる取組の検討等を行います。

 そこで、本区における水上交通の活性化に向けたこれまでの取組と課題、今後の展望について伺います。

 中央区まるごとミュージアム二○二四では、「中央区が誇る水辺の魅力を体感!」と題し、本区の景観が楽しめるクルージングを無料で体験できます。運航ルートは、日本橋周遊ルート、明石町水辺ライン周遊ルート、朝潮・日本橋片道ルート、日本橋・朝潮片道ルートの四種類で、毎年定員を大きく上回る乗船申込みがあります。大々的かつ継続的な舟運イベントの実施により、より多くの方に船着場の存在を知ってもらうことが、行く行くは水上交通の活性化につながると考えます。

 そこで、都や舟運事業者との協力・連携体制を強化し、航路の魅力を高める多様な取組を地域全体で推進していくべきと考えますが、見解を伺います。

 令和五年三月に東京都が取りまとめた舟運活性化に向けた取組総括では、都心と臨海部における水上交通ネットワークの強化、船着場へのアクセス性の向上、案内誘導サインの充実などを課題として挙げています。船着場の多くは、最寄り駅やバス停などの公共交通から船着場までの案内誘導サインが不十分で、乗船場においてもシンボル性にやや欠けています。また、運航ルート、ダイヤ、料金などの情報は各事業者が個別に発信しているため、表記方法に統一性がなく、舟運全体を包括した運行情報が分かりにくい現状があります。

 そこで、不定期航路等も含めた舟運情報の一元化と舟運DXの推進により、利用者にとって分かりやすく、何度でも乗船したくなるような環境を本区が積極的に整えていくべきと考えますが、現状と課題、今後の方向性についてお聞かせください。

 本区においては、鉄道三事業者十一路線二十八駅に加え、路線バスが充実しているなど、二十三区でも有数の高い交通利便性を誇っています。交通利便性の高い本区の恵まれた地域特性を生かし、陸上交通と水上交通とのアクセス性の向上や案内誘導サインの設置等による総合的な交通ネットワークの構築に取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 山本理恵議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、安全で快適な歩行者中心の道路空間の創出に向けた取組についてであります。

 道路空間は、社会の変化や地域の多様なニーズに応じ、交通安全の向上や防災力の強化、地域の活性化など、求められる機能の適正配置と空間の利活用をすることが重要であると認識しております。これまで、区では、全ての人が安全で快適に移動できるよう、歩道の拡幅や段差解消、無電柱化の整備によるバリアフリー化に加え、街路樹や植樹帯の整備による緑のネットワークの拡充を進めるなど、歩行者を中心とした道路空間の充実を図ってまいりました。一方、近年では、自転車通行空間の創出や、訪日外国人の増加に伴うユニバーサルデザイン化、各種モビリティの導入による対策などが求められており、これらにも的確に対応する必要があります。現在、国では、まちの活性化への活用や、ゆっくり滞在のできる空間づくりなど、様々な道路空間へのニーズに応えるために、道路占用の規制を緩和し、新たな制度を導入するなど、利活用に向けた取組が進められているところであります。区といたしましても、バリアフリー化に加え、社会情勢の変化に即した環境整備を着実に推進するとともに、多様化するニーズに柔軟に対応するため、地域の方々と連携しながら、道路の利活用に向けた検討を進めるなど、歩行者中心の道路空間の創出に努めてまいります。

 次に、東京駅前地区の道路環境と社会実験についてであります。

 東京駅前地区は、陸の玄関口である東京駅の至近に位置しており、多くの来街者が訪れるエリアであります。周辺では、首都高日本橋区間地下化事業やKK線再生に向けた取組が進められており、今後、さらなる来街者の増加が見込まれることから、地区内はもとより、隣接するエリアとの回遊性を高めるため、歩行者ネットワークを強化することが重要であります。また、路上駐車により円滑な車両交通や荷さばきへの影響が見受けられることから、総合的に交通環境の改善を図る必要があると認識しております。こうしたことから、本地区では、再開発の機会を捉え、歩道のバリアフリー化などに取り組むとともに、地元組織である東京駅前地区駐車対策協議会においても、交通環境改善に向けた検討や社会実験を実施しております。八重洲通りの社会実験では、車道の一部を活用し、歩行者の滞在空間を創出することにより歩行者数が増加したことや、柳通りの社会実験では、路上駐停車の台数が減少したことなどから、いずれも交通環境の改善に資する取組であったと考えております。本格導入に向けましては、まず、当該道路の将来のイメージについて関係者間で共通認識を持つことが重要であります。その上で、社会実験からの改善点を洗い出すことが有用であることから、区が支援する東京駅前地区駐車対策協議会では、令和六年度、八重洲通りの将来イメージの検討を行い、令和七年度は柳通りの社会実験を踏まえた今後の取組の検討を進めることとしております。区といたしましては、社会実験後の本格運用を見据えながら、引き続き、東京駅前地区駐車対策協議会をはじめ、道路管理者及び交通管理者とも連携し、交通環境改善に取り組んでまいります。

 次に、銀座及び東京駅前地区における駐車場地域ルールの運用状況についてであります。

 東京都の条例に基づく駐車場地域ルールにつきましては、附置義務駐車施設の整備に係る独自基準を定めるものであるとともに、地域の良好な交通環境の実現を推進することも期待されている制度であります。銀座地区や東京駅前地区におきましても、駐車施設の附置台数、隔地や集約の基準にとどまらず、建築主による駐車環境に寄与する地域貢献や協力金の拠出、さらには、協力金の活用による交通環境の改善に向けた地域独自の取組の実施を含む総合的なルールとしております。現在、両地区では、地区の特性を踏まえた取組となるよう、地元組織を主体とした地域ルールの運用が図られております。それぞれの地区の基準による駐車施設の整備が進められるとともに、良好な交通環境の実現に向け、銀座地区においては歩行者空間の快適性やにぎわいの向上を図るための基礎調査や検討が、東京駅前地区では社会実験などの取組が進められているところであります。また、路上駐車の問題、荷さばきやバリアフリーへの対応など、交通環境の改善に向けた総合的な取組も重要であります。こうした取組では、地元はもとより、交通管理者をはじめとする関係機関等との調整を伴うものとなり、区として、地域の思いを受け止めながら支援していく必要があると考えております。区といたしましては、今後とも社会情勢やまちの環境変化などを踏まえつつ、地域との連携を深め、地域特性を踏まえた駐車施設の確保や快適な交通環境づくりに取り組んでまいります。

 次に、築地エリアにおける道路環境についてであります。

 築地エリアにおいては、晴海通りと新大橋通りの二つの幹線道路が地域交通の軸となり、これらの道路を中心に歩行者や車両がまちを行き交っております。今後は、築地市場跡地開発に加え、都心・臨海地下鉄新線や築地川アメニティ整備構想など複数の都市基盤整備が進展することから、さらに歩行者と車両が増加することが見込まれます。こうした中、将来にわたって歩行者が安全に通行するためには、歩行者と車両の動線を分離することが必要であります。区は、これまでも、跡地開発の事業予定者に対し、地上レベルとデッキレベルでそれぞれの動線をつくることを求めてまいりました。区といたしましては、安全性の確保に加え、広域的かつ長期的な視点に立って歩行者ネットワークを形成していくことが重要だと認識していることから、跡地開発からの人の流れやたまり空間の整備を含む築地・東銀座エリアにおける歩行者ネットワークの検討などを進めているところであります。また、工事期間中も含め、将来にわたって場外市場の生命線である来街者用駐車場や荷さばき駐車場を確保していくため、区は、令和七年度から、跡地開発に隣接している場外市場の特性に合わせた駐車場地域ルールと、道路空間を活用しながら安全かつ円滑な荷さばきが可能なルールづくりに向け、地元と共に跡地開発の事業者と連携を図りながら検討を深めてまいります。区といたしましては、築地のにぎわいの継承とさらなる発展に向け、工事期間中から途切れることなく、歩行者も車両も安全・安心で快適に利用できる道路空間となるよう、引き続き、地元をはじめとする関係者と連携した取組を進めてまいります。

 次に、地下歩行者ネットワークと地下空間の在り方についてであります。

 地下歩行者ネットワークにつきましては、にぎわいの創出や回遊性の向上に資する重要な要素であり、本区では、車との交錯がなく、天候に左右されない安全で快適な歩行者空間として、地元と共に策定したまちづくりガイドラインやビジョンに指針を示し、事業者との協議を重ねながら、再開発間の連携による連続した整備を誘導してきているところです。現在、東京駅前地区と日本橋川沿いエリアにおいて、複数の開発による地下歩行者ネットワークの形成が進められております。東京駅前地域では地下街やバスターミナルを中心として、また、日本橋川沿いエリアでは水辺を中心として、それぞれ周辺の駅やまちへと広がる重層的なネットワーク整備が段階的に進められている状況であります。これらの取組に当たっては、地上や他の階層との連続性を確保した計画づくりが重要であり、また、事業期間や進捗度合いの異なる再開発間の調整が不可欠となります。こうしたことから、これまでも積極的に事業者と調整を行い、整備を促進してきたところであり、引き続き、地元の声に耳を傾けながら、ビジョン等に掲げるネットワークの形成に取り組む所存であります。高度利用の進む本区では、従来より地下空間の利用がなされてきており、土地の限られた都心部において必要な機能を確保し、都市の活力をさらに高めていくためには、ネットワークを担う歩行者空間はもとより、広場空間やターミナル機能の導入など、地下空間を有効かつ適切に活用するべきと考えております。今後とも、再開発を含めたまちづくりの機会を捉え、地域のさらなる魅力の向上とにぎわいの創出に取り組んでまいります。

 次に、海外視察についてであります。

 区は、昨年三月に、住民代表や関係事業者などと共に、首都高高架橋撤去後の日本橋川水辺空間の将来イメージを取りまとめております。将来イメージの実現に向かうとともに、日本橋川を世界に誇れる誰もが楽しめる都市空間としていくために、昨年六月に水辺空間整備の先進事例を視察いたしました。視察で特に印象に残った点が三点ございます。一点目は、官と民がガイドライン等で共通認識を持ちながら、シカゴリバーウオークの整備や維持管理を進めていたことです。二点目は、水辺のプロムナードが連続しており、歩きやすく快適な空間が整備されていたことです。三点目は、観光船やカヤック体験など、水上からも水辺空間を楽しみながら移動できる取組がなされていたことです。視察を踏まえ、引き続き、日本橋川水辺空間の整備推進に関する連絡会での情報共有や意見交換を行い、官民が連携しながら将来イメージの実現を目指すとともに、自然環境を取り入れた水辺の歩行者ネットワークの連続性が図られるよう、関係者と連携しながら、法規制や技術的な検証、安全性の検討などに取り組んでまいります。さらに、都内随一の水辺空間を生かして舟運を活性化し、船が新たな交通手段となるよう検討を進めます。こうした取組を通じて、基本計画二○二三のリーディングプロジェクトである水とみどりプロジェクトを着実に推進し、セントラルパーク構想の実現を目指してまいります。

 次に、水上交通の活性化についてであります。

 水上交通に関する検討調査は、令和五年度から実施しており、都及び舟運事業者へのヒアリングを行い、船着場周辺や河川などの現状を把握するとともに、需要予測や舟運ルートの検討などを行ってまいりました。こうした調査を通じ、水上交通の活性化に当たっては、乗船までの時間を快適に過ごす空間の創出や、定期航路を継続的に運行するための採算性の確保などが課題と認識しております。既存の防災船着場は、これまで首都高地下化事業の見学会や、地域団体による日本橋川清掃活動など、様々なイベントで利用されております。今後は、船着場周辺において、まちづくりと連携した環境整備を進めることで、魅力的な空間を創出することにより、このようなイベントを活発化させ、さらなる舟運の活性化にもつなげたいと考えております。区といたしましては、持続的に運航可能な事業スキームの構築や、憩い空間を有する船着場の環境整備の検討を進めるとともに、舟運の魅力向上につながるイベントを促すなど、水上交通の活性化に向けて取り組んでまいります。

 次に、舟運情報の一元化とDXの推進についてであります。

 水上交通の利便性を向上させるためには、各舟運事業者の運行情報を集約し、デジタルツールを活用した情報発信が課題であるものと認識しております。都では、民間事業者と連携し、利用者が乗船予約を行うことができるポータルサイトを開設しており、本区の船着場における一部の情報も掲載されているところであります。さらには、都の管理している船着場において、事業者が船着場の予約をオンラインで行えるシステムが既に導入されており、舟運のDX化が図られております。区といたしましても、水上交通の利便性を向上させるため、都と連携しながら、ポータルサイトの活用や予約システムの導入を検討し、舟運情報の一元化やDXの推進に取り組んでまいります。

 次に、陸上交通と水上交通とのアクセス性の向上についてであります。

 水上交通を身近な移動手段として定着させるためにも、既存の陸上交通とのスムーズな接続を図ることは重要な要素であると考えております。現在、船着場を総合案内板に示すとともに、江戸バスマップや自転車マップに記載することによって、船着場の案内を行っております。今後、日本橋船着場が仮移転する機会を捉え、鉄道駅などからの動線を考慮したサイン看板の試験的な設置に加え、デジタルサイネージを活用し、地域のイベントや運航の情報を分かりやすく発信する方法を検討するとともに、その効果の検証を行った上で、今後の船着場における案内誘導などを検討してまいります。区といたしましては、水上交通が陸上交通と効果的に連携し、新たな移動手段として定着することにより、区内全域における回遊性の高い交通ネットワークの実現を目指してまいります。

 答弁は以上であります。

〔十七番 山本理恵議員登壇〕

○十七番(山本理恵議員)
 それぞれ丁寧かつ前向きな御答弁をいただき、ありがとうございました。

 本区の土地利用の状況は、道路が三○・二%、水面が一六・五%、そして、公園が約五%で、区面積の半分を占めます。道路においては、面積の四割を占めていた時代があったとお聞きしています。海外では、多くの国で道路の歩行者空間化や道路空間の利活用が進み、自動車の急速な増加によって失われた道路空間を人の活動や暮らしの空間として取り戻すことに成功しています。本区においては、高速道路の上部空間を覆蓋化する築地川アメニティ整備構想や、高速道路の上部空間を歩行者中心の公共的空間、東京スカイコリドーに活用するKK線再生方針など、道路空間を利活用する銀座・築地周辺みどりのプロムナード構想が進展しています。引き続き、歩行者を中心とした安全で快適な道路空間の構築をお願いいたします。

 また、地下鉄二十四駅とJR四駅の合計二十八もの鉄道駅を有する日本最大級の地下の歩行者ネットワークが広がる本区においては、この地下空間の活用についても、今後ともよろしくお願いいたします。

 そして、都内随一の水辺空間を誇る本区においては、豊かな水辺が最大限に活用されるよう、みんなが水辺を楽しめるよう、新たな活用の可能性を想像しています。令和七年度予算案では、朝潮運河にボートやカヌーなどが楽しめる水上スポーツ関連施設を整備する計画があります。引き続き、水辺空間の有効活用を期待いたします。

 また、築地市場跡地開発では、東京都の事業者募集要項や事業予定者の事業概要において、東京の舟運ネットワークの要となる新たな防災船着場の整備、舟運利便施設の整備、ナイトクルーズ、水辺を生かした歩行空間などが提案されています。舟運は、天候や季節の影響、事業の採算性の確保、利用者の利便性向上などの課題がある一方で、地域活性化への活用、公共事業への活用、災害時の活用など、観光や防災力の向上にも寄与するものです。陸上交通と水上交通のネットワークの構築により、安全性と快適性、そして利便性に優れた都市空間のさらなる発展を期待し、一般質問を終わります。

 御清聴いただき、ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後二時四十四分 休憩


午後三時五分 開議

○議長(瓜生正高議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。

 二十番奥村暁子議員。

〔二十番 奥村暁子議員登壇〕

○二十番(奥村暁子議員)
 日本共産党の奥村暁子です。日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。答弁によっては、再質問、再々質問を留保させていただきます。

 初めに、物価高騰対策について質問します。

 労働者の賃金は三十年もの長期にわたり減り続け、実質賃金はピーク時の一九九六年から、年収で平均七十四万円も減少しています。そこに、今、物価高騰が追い打ちをかけています。暮らしの困難打開の鍵となるのは賃上げです。自治体として、働く人の処遇改善に積極的に関与できる施策として、公契約条例があります。公契約条例は、公共工事や委託事業について、入札や契約、働く人の労働条件などを適正に保障することを定めるものです。制定している自治体は、二十三区では、二○一二年の渋谷区を皮切りに、二○一五年に世田谷区、今年度からは台東区と墨田区が実施、さらに文京区、品川区でも実施が決まり、合計十四区と過半数を超えました。世田谷区は公契約条例で発注工事の報酬下限額を定めていますが、新年度から都内の最低賃金一千百六十三円を大きく上回る一千四百六十円に引き上げます。墨田区も同様に、物価高騰に合わせて報酬下限額を見直していく考えを示しています。公契約に関わって働く人の報酬額を引き上げれば、大きな賃上げ効果を波及させることができるのではないでしょうか。

 そこで、お聞きします。

 第一に、中央区が発注する契約の件数と金額をお示しください。公契約における労働者の賃金実態の把握をどのように行っていますか。

 第二に、区の努力としてできる賃上げ推進策として、公契約条例の制定を求めますが、いかがですか。公契約条例で世田谷区のように労働報酬下限額を定め、労働者の処遇改善を図ることは、物価高騰対策としても有効だと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 東京都は、賃上げ策として、魅力ある職場づくり推進奨励金制度を設けていますが、職場環境改善の二つ以上の取組が支給要件で、賃上げだけでは支援は受けられません。二○二三年度は、応募延べ五千六百九十五社に対し、奨励金を受けられたのは百五十九社、僅か二・八%でした。一方、岩手県や徳島県が独自に行っている中小企業等への賃上げ支援は、事業者自らが賃上げをするということだけを要件としている直接支援です。

 そこで、お聞きします。

 こうした賃上げへの直接支援を行うよう東京都に要請することを求めますが、いかがですか。お答えください。

 異常な物価高騰が家計を圧迫する中、福祉施策の充実も、支出を抑える意味から、物価高騰対策として大変大事です。党区議団として求め続け、実施に至った学校給食の無償化や、新年度予算に盛り込まれた補聴器購入費助成の拡充、出産支援タクシー券の増額など、福祉施策の充実は物価高騰対策として欠かせません。

 そこで、お聞きします。

 第一に、第一子の保育料無償化や出産費用の無料化など、東京都と協力して進めるよう求めますが、いかがですか。

 第二に、国保料の負担軽減のため投入されてきた法定外繰入れなどの予算は、この十年間で半分以下に減らされました。今や国保料の金額、全国上位二十六自治体のうち、二十一を東京の自治体が占める状況になっています。法定外繰入れをなくすことはやめ、保険料の軽減に中央区として取り組むことを求めますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次に、生活保護行政の改善について質問します。

 まず、増加している生活保護制度の利用者への対応についてです。

 厚生労働省被保護者調査によると、二○二四年九月、生活保護利用者数は二百万七千八百三十人、百六十五万八百二世帯でした。東京都福祉局令和五年度福祉統計年報編によると、生活保護世帯は二十三万一千二百九十九世帯で、都道府県別に見ると、東京都は第五位となっています。地域別に見ると、保護率は区部平均二○・五パーミルに対し、最も保護率が高いのは足立区の三三・九パーミルで、最も低いのは中央区で七・○パーミルです。一方、増加率で見ると、最も増加率が高かったのが中央区で、二○一○年度を一○○とした際、二○二三年度は一四五・八と、ほぼ一・五倍に増えています。一見華やかな都心中央区で、貧困にあえぎ、生活保護を受けながら必死に生きている人たちがいます。

 そこで、お聞きします。

 中央区での現在の生活保護利用者数、世帯数をお示しください。利用者の増加率が区部で最も高くなっていることをどのように分析していますか。一・五倍に増えたことに対応するだけの手厚い職員配置が必要だと思いますが、これまでどのように対応してきたか、それぞれお答えください。

 次に、生活保護の制度の周知についてです。

 どのようなときに、どうすれば利用できるのかなど、生活保護の理解はまだまだ不十分です。そのため、誤解やバッシングの発生、経済的に苦しくても、制度が利用できることさえ知らない人が少なくありません。制度を広く周知し、気軽に相談できることを知らせ、生きる権利を保障することは大変重要だと思います。

 そこで、お聞きします。

 第一に、生活保護を啓蒙するポスターは、都内十区が独自に作成していますが、中央区は作成していません。作成している自治体では、区有施設などに貼り出したり、新宿区では病院や公衆浴場にも掲示しているとのことです。相談を促すための手配り用のチラシも作成し、支援団体などを通じ、配布することも行っています。中央区でもポスターやチラシを作成し、有効活用することを求めますが、いかがですか。

 また、区広報だけでは必要な情報が届かず、困窮している人が正確な情報を得にくい状況にあることから、練馬区、足立区など複数の自治体では、困ったときには役所に相談をと積極的にSNSで発信しています。中央区でも取り組むよう求めますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 次は、不適切な事案を生まないための取組についてです。

 生活保護をめぐって、江戸川区では、二○一八年の男性ケースワーカーによる生活保護利用女性への性的な発言や飲食に誘うなどのセクハラ行為、ケースワーカーが必要な対応を取らなかったことにより、利用者の遺体を二か月半にわたり放置した二○二三年の事件、さらに、二○二四年には職務訪問中に生活保護利用者と性交渉を行うなどの不適切事案が続きました。足立区でも、二○二四年十二月、生活保護利用者の遺体放置事件が起きるなど、生活保護利用者への不適切事案が後を絶ちません。

 江戸川区は、二○二三年の遺体放置事件を受け、池谷秀登立正大学社会福祉学部教授を委員長とし、江戸川区生活保護業務不適切事案の検証及び再発防止対策検討委員会を設置し、提言された様々な取組を進め、生活保護利用者の権利を守る環境整備に努めています。区議会第三回定例会の一般質問でも質問しましたが、生活保護費の過支給などの不備が起こらないようにするため、また、重大な不適切事案が今後中央区で起こらないようにするためにも、江戸川区で提言された取組は参考になるのではないでしょうか。

 そこで、お聞きします。

 第一に、江戸川区や多くの区では、受給に関わる事務処理や引継ぎ事項に漏れがないよう、改善策として、チェックリストや連絡表を新たに作成していますが、中央区にはチェックリストなどはありますか。事務処理の改善により、利用者に不利益がないようにすることが大事だと思いますが、いかがですか。

 第二に、ケースワーカーと査察指導員は、現在、何人いますか。ケースワーカーの育成や査察指導員の専門性と資質向上策のため、社会福祉主事任用資格の取得者を増やしていくことや、ケースワークをテーマとした研修やグループワークの充実、事例検討を図っていくことが大事だと思いますが、どのように取り組んでいますか。また、生活保護に関わって区で行っている研修とはどのようなものですか。

 第三に、休職または退職したケースワーカーの補充は可能な限り正規職員としていくことや、若手・中堅・ベテランをバランスよく配置するための異動年限の延長、福祉経験者を積極的に配置するなど、職員体制を充実させていくことも大事です。中央区では、経験層を厚くするために、どのような取組が行われていますか。また、江戸川区では、外部有識者の助言も得ながら、職員の能力や成果を適切に評価する仕組みを新たにつくったとのことですが、中央区では、モチベーションの維持・向上をどのように図っていますか。図るための評価の仕組みはありますか。

 第四に、ハラスメント研修の充実や、第三者を加えたハラスメント審査会の設置も有効だと思いますが、中央区でのハラスメント対策はどのようになっていますか。

 第五に、職員間または組織間でのサポート体制強化と情報共有を進めることも大事です。江戸川区では、業務の全体管理や業務に従事する職員の指導・育成などを担う所管課の新設置やヒヤリ・ハットの事例などについて、課をまたいで共有する仕組みの構築を進めています。また、新たにケースワーカーが在宅医療・介護連携推進事業会議に出席したり、江戸川区相談支援連絡協議会との交流を行う取組や、外部有識者による江戸川区生活保護業務適正実施検証委員会を設置し、外部の視点を導入しているとのことです。中央区では、ほかの課や外部組織との連携、情報共有については、どのようになっていますか、それぞれお答えください。

 次は、教員不足の解消について質問します。

 二○二一年、文科省が初めて教員不足全国調査を行い、深刻な教員不足の実態が明らかになりました。東京都教育委員会での毎年の調査でも、都内公立小学校一千二百六十六校で二○二四年四月の教員不足は約二十人で、二○二三年四月の約八十人からは改善していると言いますが、年度途中にも休職や退職は増え続けます。二○二三年度では、二学期が始まる九月で約百四十人、三学期が始まる一月、約百六十人の欠員となりました。公立小学校の約一三%の学校で先生が教室にいないことになり、一学級の児童数は三十五人と考えると、都内で最大五千六百人の子供たちが教員不足の被害者となったと言えます。

 東京都教育委員会によると、教員不足に対し、算数などの習熟度別指導をする加配教員や、図工、音楽などの専科教員を学級担当にするなどして担任を配置しているとのことです。東京都教育委員会は、学級担任を確保していれば問題ないと考えているようですが、しかし、加配教員や専科教員が行っていた授業はどうなるのでしょうか。それらの授業は担任教員が実施することになり、担任教員の授業負担が大きくなり、勤務時間が増大し、働き方改革に逆行します。また、専科教員が実践してきた質の高い教育が受けられないことにもなり、教育の質の低下を招くことからも問題です。そうした何らかの影響を受けている東京都の小学生の人数は、約七万七千人ということになります。欠員部分に加配教員や専科教員を配置する以外に、校長・副校長・主幹が入る、学年間で対応する、教員一人当たりの時数や担当児童数を増やして対応する、講師や非常勤、支援員等が対応するなどして、学級担任や授業担当をカバーすれば、これらの教員が通常分担している校務にさらに負荷が加わることになります。いない教員の仕事をカバーするには限界があります。

 そこで、お聞きします。

 第一に、中央区での教員不足の実態はどうなっていますか。

 第二に、学級担任が欠けた場合、中央区ではどのようにその欠員不足を補いましたか。また、今後の対応策についてもお示しください。その際、教育の質の確保をどのように担保しますか。

 第三に、欠員がなくとも、長時間過密労働が当たり前となっている今の学校現場の労働環境は大変厳しいものがあると思います。学校現場の状況をお示しください。

 教員数や加配教員は国の基準に基づく正規採用職員ですが、学校には、都や区市町村での独自の基準で配当されている臨時的任用職員、時間講師、スクール・サポート・スタッフ、副校長補佐、介助員などの非正規の教職員が数多くいます。新年度から中央区で新規に配置されるエデュケーション・アシスタントも同様です。これらの教職員の欠員は、文科省や東京都教育委員会の調査の対象にはなりません。しかし、時間講師の授業も子供にとっては正規の授業であり、正規職員と変わらない先生です。教員の欠員問題は、行政にとっての欠員ではなく、子供にとっての問題と言えます。

 そこで、お聞きします。

 非正規教職員の都や区独自の配置基準はどのようになっていますか。欠員はありますか。その場合の区の対応策についてもお示しください。

 今、小学校での教科担任制が文科省から推奨されており、教員の負担軽減の切り札のように宣伝され、成果ばかりが報告されます。しかし、純粋に教員増としない限り、教員の間での授業交換になるだけで、授業の持ち時間数は変わりません。また、小規模な学校の場合は、全体の教員が少ないため、教科担任といっても、一人の教員が複数の教科を教える必要があり、結果として、連続して授業が入ってくることになります。例えば、A先生が四年一組で理科の実験の後、器具の片づけもそこそこに四年二組の体育授業のために運動場へ行くなど、教員はばたばたと大忙しになります。中学校と違って、ほかの学校へ異動したときには、担当教科が変わってしまうため、若手教員は何度もゼロからの授業研究をすることになります。そもそも、教員免許は、小学校は全教科を担当することが前提となり、中学、高校のように専門教科担当となっていないのは、子供の発達段階と教育内容や方法に違いがあるからです。教育学的な意義を欠いた施策では、教員不足の解決はできません。

 そこで、お聞きします。

 教科担任制の課題をどのように捉えていますか。人員加配がなければ効果は上がらないと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 二○二四年度の東京都の教員採用試験は、小学校は一・二倍と、志望倍率は十年間で半減しています。首都圏の国立大学に通い、小学校教員を目指していた女性は、採用試験を受けると母親に言うと、お願いだから先生はやめてと泣きつかれたという報道が、昨年の朝日新聞に掲載されていました。学校に対する負のイメージが広がっています。

 そこで、お聞きします。

 早期退職者や精神疾患による休職者増大、教員志望者の減少という負のスパイラルの背景に何があると思いますか、お答えください。

 東京都教育委員会は、教員不足の解消のため、様々な対策を打ち出しています。教員採用を増やすために、一、大学三年での教員採用試験の受験、二、合格発表を九月中に行う、三、社会人選考を二十五歳以上にする、四、中途退職者の試験を一部免除するカムバック採用の新設などです。退職させないためには、一、新人等へのメンタルサポートの拡充、二、定年退職者による新人サポート、三、職員室の環境改善などを進め、働き方改革を含めた人的支援として、一、スクール・サポート・スタッフ配置、二、エデュケーション・アシスタントの配置、三、副校長補佐の配置や、四、外部人材による小学校外国語・体育などの授業にも取り組んでいます。さらに、小学校担任制、教材等の共有、指導教諭等の授業動画配信、授業時数や学校行事等、教育課程編成に係る指導・助言の徹底なども掲げました。ところが、教員採用試験を見る限り、効果が出ているとは言えません。

 そこで、お聞きします。

 学校現場では、非正規教員が増えることで、正規教員の労働時間が増える悪循環に陥っています。非正規教員を増やすのではなく、三十人学級にするなど、学級編制の基準を見直して正規教員を増やしていくことが必要だと思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。

 以上で一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 奥村暁子議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、公契約についてであります。

 昨年度の一年間で区が発注した契約の総件数は、約一万五千七百件、金額にして約四百二十九億円であります。このうち、予定価格が二千万円以上の工事請負契約及び委託契約を対象に、賃金単価を含めた労働環境全般についてチェックシートによる確認を行い、不適切な場合は改善勧告の上、契約解除や指名停止などの措置も講ずることとしております。また、令和四年度から開始した社会保険労務士による実地調査においては、賃金台帳や就業規則などのチェックを通して、専門的な見地から労働環境の維持・向上に向けた有益なアドバイス等を行っております。現在のところ、賃金条項が盛り込まれた公契約条例を制定している自治体は、全国的に見ても三十余りにとどまり、物価高騰対策としての有効性を十分に確認できる状況にはありません。区といたしましては、最低制限価格制度や低入札価格調査制度、インフレスライド条項の適用などにより、人件費や物価の高騰等に適切に対応しつつ、公契約条例につきましては、国や都の動向等を注視し、条例制定の効果や課題について引き続き検討を重ねてまいります。

 次に、中小企業への賃上げ支援についてであります。

 長引く物価高騰などの社会情勢を背景に、東京都は、賃上げを含む働き方改革などに取り組む中小企業に対する支援策として、魅力ある職場づくり推進奨励金を創設したものと承知しております。また、中小企業を取り巻く状況は、岩手県や徳島県とは異なることから、都としての独自の事業を構築したものと認識しております。当該奨励金は、申請手続等の全てを都が実施している都事業であり、区として制度変更等を要請する考えはございません。

 次に、第一子の保育料無償化などについてであります。

 第一子の保育料無償化につきましては、都において来年度予算案に計上しているところであり、今後の予算審議を注視するとともに、制度の詳細の把握に努めてまいります。出産費用については、現在、国において保険適用に向け、取組が検討されていることから、区として無償化を実施する考えはありません。

 次に、国民健康保険料についてであります。

 国民健康保険料は、受益と負担の観点から、医療費水準や加入者の所得水準等に基づき算定されるものであります。区では、国保以外の医療保険者に対して財政支援をしていないこと、法定外繰入れは被保険者でない区民の方の負担になることを踏まえれば、公平性の観点からも削減が必要であると考えます。区といたしましては、さらなる医療費の適正化や収納率の向上に取り組むことにより、保険料の抑制に努める考えであります。

 次に、生活保護利用者の状況等についてであります。

 本区の生活保護の被保護者数は、本年一月末現在、一千二百十一名、世帯数は一千八十二世帯であります。増加率が高い理由につきましては、本区の保護率が平成二十二年度、令和五年度とも七パーミルと横ばいとなっていることから、人口増加に伴うものと認識しております。職員数につきましては、社会福祉法では一人のケースワーカーが担当する被保護世帯数は八十世帯が標準と定められており、それに基づき、適正に配置しております。

 次に、生活保護制度の周知についてであります。

 経済的にお困りの方へ生活保護に至る前の早い段階から支援することは、早期の自立につながることから、区では、生活困窮を含めた福祉に関する相談を自立相談支援機関の機能を有するふくしの総合相談窓口でお受けし、その中で生活保護が必要と思われる場合には、制度を丁寧に説明し、受給につなげております。そのため、生活保護制度自体よりもふくしの総合相談窓口など、保護に至る前段階の相談窓口をより広く知っていただくことが重要であると考えており、様々な機会を捉えて周知に努めてまいります。

 次に、生活保護業務の改善と職員の育成についてであります。

 本区の生活保護の事務処理につきましては、チェックリストの活用により新規受給時の聞き取りや提出書類の漏れなどがないよう努め、必要に応じて業務改善を行っております。職員については、ケースワーカー十五名、査察指導員二名が在籍し、全員が社会福祉士または社会福祉主事任用資格を有しております。職員の知識の取得やスキル向上については、東京都が開催する新任ケースワーカー研修をはじめとする各種研修に参加するほか、毎月の職場定例会における事例検討や日頃のOJTで対応しております。職員体制については、福祉保健分野全体のバランスを考慮して、実務経験者を採用するなど、福祉職員の充実を図りながら職員を配置しているほか、令和七年度に、職員の負担軽減のために、業務の補助を担う会計年度任用職員を雇用する予定であります。職員のモチベーションの維持・向上については、全庁的な取組として、職員各自が目標を設定し、自己評価を行い、それを基に管理監督者が面談し、フィードバックと人事評価をする仕組みを設けているほか、事業者によるストレスチェックも実施しております。ハラスメント対策としては、管理監督者、一般職員向けにハラスメントセミナーを毎年実施するほか、様々な機会を捉えて周知を図っております。また、日頃から庁内や関係機関の職員とは顔が見える関係を構築し、緊密に連携しているほか、必要に応じてケースワーカーが相談機関のケース会議や医療現場でのカンファレンスなどへ出席するなど、適切な情報共有に努めております。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えします。

 初めに、教員不足の実態についてであります。

 今年度当初では、正規教員の配置に欠員は生じておりませんが、年度途中で小学校において約二十名の担任が産休・育休・病休を取得する状況でありました。このような事態に直面する中で、学校では子供たちへの影響を最小限に抑えるため、様々な対策を講じております。具体的には、短期間の産休・育休・病休に対しては、校内での内部調整により迅速に対応するほか、長期にわたる場合には、代替教員の補充を東京都に申請し、必要に応じて配置されるよう努めております。しかしながら、東京都からの補充が難しい場合には、加配されている算数少人数教員や本区が採用している時間講師の中から、希望者を臨時的任用教員として採用することなどで対応しております。さらに、こうした教員に対しては、担任の職責を十分に果たせるよう、代替教員への研修を充実させることで迅速に業務に従事できるよう支援し、教育の質の維持・向上と学級運営の円滑化に努めております。今後とも、校内における人的資源の効果的な活用や東京都教育委員会との連携強化を進めるとともに、他の自治体と情報交換を行いながら、教員の確保に取り組んでまいります。

 次に、教育現場の長時間労働についてであります。

 超過勤務については、本区の働き方改革により、小学校教員の月四十五時間以上残業する割合が減少傾向をたどっている一方で、いまだ四十五時間以上を超えている教員が三五%程度いることは課題であります。教育委員会といたしましては、引き続き、長時間労働となっている教員個々の職務について聞き取りを行い、状況を分析するとともに、是正に努めてまいります。

 次に、会計年度任用職員等の配置基準と欠員の対応についてであります。

 講師や会計年度任用職員の配置基準は、施策を所管しています東京都や区などが、その職や学校規模等に応じて定めており、一校当たりおおむね十職種程度の職員が従事しているところであります。一例を挙げますと、教務主任が授業の時間割や学校行事の調整などの職務を担えるよう、週七時間、授業などを代わりに行う講師を配置しております。また、学校業務支援員につきましては、各学校に原則一名、大規模校には二名配置する基準を設けております。講師や会計年度任用職員の欠員につきましては、現在、全国的に社会問題となっている人材不足の影響等により、職によっては配置基準を満たせていない状況にあり、学校間や他の自治体との情報交換に加え、求人サイトに募集を掲載することにより、人材の確保に努めているところであります。

 次に、教科担任制についてであります。

 小学校の教科担任制は、一人の教員が指導する教科を少なくすることで、担当する教科の教材研究が深まり、子供たちが質の高い授業を受けられるなどの利点が多いと言われております。教育委員会では、小学校教科担任制に関する現状や課題を把握するため、月島第二小学校を研究指定校として、令和五・六年度の二年間、教科担任制について試行的に実施し、研究をしてまいりました。研究成果としては、想定していたよりも教員の教科の専門性が高まったことに加え、教材研究にかける時間が縮小されたことなどが挙がっております。また、教科内容だけではなく、児童が担任以外の複数の教員との関わりの中でよい刺激を受けられたことは、加配教員の有無にかかわらず、大きな教育効果であったと認識をしているところであります。一方で、当初懸念事項であった、教員が担当していない教科の指導経験が得られないという課題につきましては、毎年、担当教科を変えることなどの工夫によって解消されております。引き続き、研究成果を基に、小学校の教科担任制を進め、教育の質の向上に努めてまいります。

 次に、教員不足の背景と確保策についてであります。

 文部科学省の調査によると、全国的な教員不足の主な要因として、産休・育休・病休の取得による欠員や採用辞退者の増加、特別支援学級の設置に伴う定数増などが影響していると分析をしており、また、東京都教育委員会からは、団塊世代の大量退職や転職希望者の増加も影響しているとの説明を受けております。区教育委員会といたしましては、教員志望者に、子供の成長を実感できることや、子供や保護者との信頼関係を築き感謝されることなどの教職の魅力を感じていただきたいと考えておりますが、一方で、長時間労働や業務の負担が報道で取り上げられ、その結果、教員へのマイナスイメージが先行していることも教員不足の一因と分析をしております。正規教員の配置基準につきましては、義務教育の根幹をつかさどる文部科学省が責任を持って行うべきものであり、区教育委員会の役割は、実効性のある働き方改革を推進し、教員がやりがいや達成感を感じられる職場環境にすることであると認識をしております。今後も、これらの取組を着実に実行していくことに加え、学校のみならず、地域や保護者とも連携し、日々努力している教員が適正に評価され、さらに働きがいが実感できる中央区にしてまいります。

 答弁は以上であります。

〔二十番 奥村暁子議員登壇〕

○二十番(奥村暁子議員)
 それでは、初めに、公契約条例の制定という問題についてです。

 適切に契約もされていて、社労士などのチェックも入っているということですが、区から支払われている委託費、契約金などが本当に労働者に適切な価格で渡っているかということでいえば、もちろん法令違反などはないと思いますけれども、十分と言えないということはあると思います。これまでにも、例えば、指定管理者制度の下で、区の施設で東京都の最低賃金に僅か七円だけ上乗せされたような時給で職員を募集しているということが指定管理者制度の事業者の下で起きているということなども指摘してきました。先ほど紹介したように、世田谷区では時給一千四百六十円と、最低賃金よりも大幅に上乗せした形を賃金の下限として定めている。こういう直接的な労働者の賃金を確保していく、処遇改善に当たる役割を果たしていける公契約条例というのは貴重な制度だというふうに思います。この有効性について、再度見解を求めたいと思います。御答弁をよろしくお願いいたします。

 生活保護については、保護を利用する前に、まず、ふくしの総合相談窓口に足を運んでほしいと。周知にも努めるということですが、SNSでの発信というものも積極的に行っているのかどうかということ、現状の確認をさせていただきたいと思います。御答弁をお願いいたします。

 そして、生活保護の捕捉率というのが大変低いということは、国連でも指摘されています。国連の社会権規約委員会でも、生活保護の捕捉率があまりにも日本は低いということです。この捕捉率についての区の認識、それを上げていくためにも、こういう周知が重要だと思いますので、その点についての、捕捉率との関係で周知の大切さという観点で御答弁をいただきたいと思います。

 生活保護の事務処理について漏れがないようには取り組んでいるということですが、チェックリストという形のものがあるのかどうかというはっきりとした御答弁がなかったと思いますので、その点について再度御答弁をいただきたいと思います。

 足立区の遺体が放置されていた件などは、やはりこの取扱い、遺体の確認などについてルールが整備されていなかったということで、足立区ではチェックリストをつくることにしたということです。やはりこういう改善を進めている自治体の取組というのも参考にしていくべきだというふうに思います。その点の認識、そしてチェックリストがもしないようであったら、早急に作成していただきたいと思います。何よりも利用者の不利益とならないような対策を区として進めることが大事だというふうに思います。

 ハラスメントについても、セミナーなどがあるということですが、先ほど紹介した江戸川区の事例もそうですが、ケースワーカーからのハラスメントというものも多くあるということで、利用者に対してどう接していくのか、そういう観点でのハラスメントの研修、また第三者を加えた審査会というものも必要ではないかと思います。生活保護利用者の方というのは弱い立場に置かれていて、何かあれば保護が打ち切られてしまうのではないかといった思いがあると思います。そういった利用者に対してもハラスメントを行わないように、きちんと区の職員での対応が必要だと思うので、その点についても御見解をお示しいただきたいと思います。

 教員については、なかなか不足していて大変だということが御答弁でもありました。専科のフォローというものをどうしているのか。音楽や図工や様々な専科の教員というのは、東京都の制度として大変よいものだと思うので、専科の授業をおろそかにしないように、どういうふうに取り組むのかということも具体的にもう一度お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

 教員不足が深刻だという背景には、いろいろ要因はあると思いますけれども、教員の給与についても、義務教育費国庫負担法などが二○○六年に改正され、減額されて、国の負担が三分の一になったり、二○○四年には総額裁量制というものが導入されて、教員の給与に自治体による差というものも出てくるようになってしまった。給与にめり張りをつけるということが理由ですけれども、そういったこともある。また、人事考課制度というものも始まって、管理職や教育委員会の業績評価に応じて、教員の方の定期昇給を最上位の六号級アップから最下位、昇給なしというように賃金の格差をつけてしまった。こういう背景もあると思います。

 序列化が増した。また、風通しのよい職場とは言えなくなっている。だから、教員不足の解消策として、職員室の環境改善ということも東京都は打ち出しているわけですが、それこそ、まさにコミュニケーション不足に陥っているということを表していると思います。区としての今後の教員不足に対しての対応をしっかり進めていただきたいと思うので、最後に決意をお示しいただきたいと思います。よろしくお願いします。

〔総務部長 黒川 眞君登壇〕

○総務部長(黒川 眞君)
 まず、私からは、公契約に関する再質問について答弁をさせていただきます。

 公契約条例の有効性というお尋ねでございましたけれども、先ほど区長からの答弁もございましたとおり、現状では、なかなかその有効性を確認できるようなデータなりエビデンスは、区としては得られていないという見解でございます。経済はつながっておりますので、当然、労働者の賃金が上がれば、事業者側にとっては、それがコストになる。そのコストはどういうふうに次につながっていくのかということを考えますと、その効果分析というのは非常に難しいのかなというふうに思っております。

 また、本区におきます公契約で、今回、工事契約ですとか、委託契約が対象になりますけれども、そのうち九六%から九七%が実は中小企業という状況でございます。そういった経営にどういう影響を与えるのかということも考えますと、今なお、やはりこの課題につきましては、引き続きの研究・検討が必要だというふうに考えております。

 私からの答弁は以上でございます。

〔福祉保健部長 大久保 稔君登壇〕

○福祉保健部長(大久保 稔君)
 私からは、生活保護に関しての再質問についてお答えさせていただきます。

 まず、一つ目のSNSでの発信についてです。

 具体的に、ふくしの総合相談窓口あるいは、例えばですけれども、生活福祉資金などで社会福祉協議会で相談を受けて、そういった方に対して、状況によっては生活保護など、そういったところを案内しているという実例はございますけれども、具体的なSNSでの発信は現在しておりませんが、今後、そういったことも含めまして、広く周知を図るようにする考えでございます。

 また、捕捉率につきましては、実際にどれだけの方が潜在的なニーズがあるかというのは、なかなか把握することが難しいと思っております。収入面だけではなくて、資産など様々な要因がございますので、収入がなくても資産が多くて、実際には生活保護の必要がない方もいらっしゃいますので、実際の保護の本来の対象者、そして、そのうちの保護を受けている方の割合、そういったものについての数字はなかなか把握というのは難しいのかなというふうに思っているところでございます。

 チェックリストにつきましては、区長の答弁でもお答えさせていただきましたけれども、チェックリストを活用して実際に作業を行っておりますので、チェックリストはございます。かなり細かく、五十以上の項目、もっと数多いチェック項目を使いながら、しかも、面談の際あるいはその後の複数の確認でも使うような形でチェックリストを設けておりますので、そういったものも活用しながら、当然、できるだけ利用者に不利益の生じないような形で作業を進めているところでございます。

 ハラスメントにつきましては、両面で、今、実際行っております。実際、ハラスメントを受ける、あるいはこちらから相手に対してハラスメントをしてしまう、その両面で研修を行っております。そういった意識がなくても、行政側からの発言が相手に強く伝わってしまうということも、当然、認識していかなければなりませんし、かつてのハラスメントだけではなくて、最近、ハラスメントの範囲というか、その認識もかなり広くなっておりますので、そういった状況あるいは法改正の内容も含めまして、広く研修などを行っております。また、必要に応じて複数人で相手方のところに行って対応するなど、そういったところでも、できるだけ第三者の目が入るような形での取組も少しずつ進めていきたいと思っております。

 私からは以上でございます。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 再質問にお答えさせていただきます。

 初めに、教科担任の教科制の教員の確保も含めた、教科をおろそかにしないということでございましたけれども、中央区にとって、今、教科の専門を担任につけているということはないですが、基本的には、そういった場合には副校長ですとか、そういった方々が対応していて、教科は大事にしているということであります。

 いずれにしましても、教員不足の問題は様々な要因があって、何か一つこれをやれば解決するという問題ではないんだなということは非常によく分かっています。先ほども言ったように、根幹をなす部分に関しては、やはり文科省、国が抜本的に対応を取るべきなのだろうと思いますけれども、区教委としても何ができるのかということで、先ほど申し上げたと思いますが、まずは実効性のある、働きがいのある職場づくり、特に、教員にとって中央区は魅力ある職場だということを私はつくり上げていきたいというふうに思っていますし、教員がこれだけ努力しているということを、やはり私はみんなに訴えていかなければいけないし、評価もしていかなければいけないし、評価されてほしいというふうに思っています。

 こういったことを積み重ねることによって、教員の志望者が教職を目指したいと思えるような職場づくりというか、そういった職にしていくことが何よりも重要だというふうに思っています。それがないと、いろいろな意味で教員がたたかれたり、過重労働だ、過重労働だと、逆にブラックなイメージばかりが先行してしまって、私は日本にとってもこれはマイナスだと。一・二倍なんていう競争率を見ても、これは試験で一人もほぼ落とせないという倍率なんです。ですから、委員がおっしゃるように、正規職員を増やす、これも一つの策だと思います。ただ、今、それを増やしようにも、募集しても来ないわけです。ですから、まず応募していただくようにならなければいけない。そのためには、やはりみんなに教職というものをもう一回見ていただいて、まず、しっかりと適正に評価をしていただきたいと私は思っています。そして、中央区は本当に働きやすい職場なのだということをつくり上げていく、これが区教委の役割だということを思っております。これが決意でございます。

〔二十番 奥村暁子議員登壇〕

○二十番(奥村暁子議員)
 教員不足の問題については、本当に国でやらなくてはいけないこともたくさんあると思います。上意下達な仕組みを直していく、そして、やりがいのある職場としていくことなどが大事だと思います。子供たちに教員不足のしわ寄せがいかないよう願っております。

 終わります。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、会議時間を延長し、併せて暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

午後四時二分 休憩


午後四時二十分 開議

○議長(瓜生正高議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。

 まず、十五番竹内幸美議員。

〔十五番 竹内幸美議員登壇〕

○十五番(竹内幸美議員)
 中央区議会自由民主党議員団の竹内幸美でございます。令和七年中央区議会第一回定例会に当たり、中央区議会自由民主党議員団の一員として、さきに提出しました質問通告に従って質問を行います。一般質問二日目となり、質問が重なるものもあるかと思いますが、その趣旨をお酌み取りいただき、御答弁をお願いいたします。なお、再質問はあらかじめ留保させていただきます。

 まず初めに、財政運営についてお伺いをします。

 本区の定住人口が七十年ぶりに最大を更新したのが令和五年一月でした。ここからさらに加速的に人口の増加が続き、現在は十八万人台後半となっております。このような人口増加が続いている中、昨年、令和五年度の決算がございました。この決算の数字を少しピックアップしてみたいと思います。

 一般会計歳入決算額が約一千六百八十億円となり、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は六○・四%と、非常に健全な財政運営が行われている状況でした。平成二十年以降の経常収支比率を追ってみますと、平成二十三年に八三・八%という数字をピークに、減少傾向にあります。コロナ禍で一時上昇したこともございますが、その後、七○%台、六○%台と推移をして、現在の六○・四%にまでなっている状況です。また、令和五年度の歳入における特別区債の割合は六・五%、歳出における公債比率というのは○・六%であり、人口増加を伴う行政需要に応えつつ、健全な財政運営を行っていただいていることは大変評価をしております。こうした中で、区債と基金というものに注目をしていきたいと思い、今回の質問をいたします。

 新年度の予算案の中では、基金を取り崩して、予定される残高が約八百五十億円、そして区債の残高は予定残高が約四百二十八億円となっています。よく、基金が区債を上回るから健全であるということも言われておりますが、目的別に取り上げますと、施設整備基金が約百八十億円、そして教育施設整備基金が約二百二十億円、財政調整基金が約二百六十億円となります。その他様々な基金がありまして、それを合計した残高が約八百五十億円になるということが示されています。

 少し遡りますと、昭和五十一年から平成六年までというのは、教育施設の土地の購入や建築というものが盛んに行われておりました。また、本区では、人口回復施策という中で、高齢者の施策も同時に進めていく、そういった中で、区立住宅や高齢者施設の建設というものも進められてきた状況にありました。また、今後のことを考えますと、年少人口が増えておりますので、晴海西小学校の第二校舎の建設はもちろん、その他、昭和の終わりから平成の前期に建築をしてきました施設関係の維持管理という老朽化に対する課題もあるかと思います。どのぐらい基金を積めば適切なのかというものではないのだと思うんですけれども、やはり今後こうした施設の維持管理に経費がかかること、また、物資の高騰というものもございますから、今後の改修等に向けては、さらなる準備が必要ではないかと感じています。

 令和七年度より運用が開始される公共施設マネジメントシステムにより、財政負担の平準化を図っていく旨は既にお示しいただいているところでございますが、それによって、より健全な財政運営をしていっていただけることと思います。未来に責任を持てる財政運営を踏まえた基金の在り方というものがどういうものなのか、御見解をお示しいただきたいと思います。

 次に、本区の福祉施策について幾つか質問をさせていただきます。

 ある建物賃貸事業者の調査では、中央区は子育て世帯のまちの住み心地ランキング一位と報じられました。日本の中では、少子高齢化社会と言われておりますが、中央区の中では年少人口が非常に増えておりますから、高齢化率も一四%台であり、二十三区の中でも非常に平均年齢の若い自治体となっていることは皆様も御承知のとおりかと思います。平成半ば以降、本区では、子育て世帯の増加に伴い、そのニーズに応えるべく、保育園や学童クラブ、放課後の子供の居場所、一時預かり保育やベビーシッター支援事業など、そういったものを施策として展開をしていただき、子育ての支援を行っていただいてきていますが、昨今の人口急増に伴い、今までにない需要も増加をしている旨は理解をしております。

 先ほど財政の質問をしましたが、それを調べている段階で、特別区民税所得割課税標準段階別調という数字を見ました。課税標準額が二百万円以下、七百万円以下、七百万円を超える方々を三つの段階で示した数字です。本区の人口が減少して一番少なかった平成九年の状況を見ますと、二百万円以下が四七・六%、七百万円以下が四一・四九%、七百万円超が一○・九一%でした。これを令和五年度の状況で見てみますと、二百万円以下は三三・三四%、七百万円以下は四五・二五%、七百万円を超える方が二一・四一%となっております。もちろん、これだけが全ての子育て世帯の状況を表したものではないということは理解をしていますが、二百万円以下の世帯が一四%減っています。そして、七百万円を超える割合というのが一○%増加をしている状況にあります。経済的に豊かな世帯が増えているということを感じる数字かと思います。また、昨年は晴海のまちびらきもありました。このところ、外国人人口も非常に増加をしております。制度や文化の違いもあり、生活習慣も違う方々が中央区にお住まいですから、日本で暮らすことをどのように理解していただくか、そのような対応も増えているのではないかと想像するところです。

 そこで、お伺いします。

 次年度より新たに設置される子ども施策推進室は、専門性と機動性を備えた体制を構築していく旨、区長の所信表明でもお示しになられました。区として、子供や若者を取り巻く環境の変化をどのように捉え、施策を推進していかれるのかお示しください。

 次に、中央区こども計画についてお伺いをします。

 最終報告案を拝見しました。前計画との違いとしては、若者までを対象としているところも特徴の一つかと思います。今回の計画の基本理念を「子どもも育む人も誰もが笑顔輝き、自分らしく成長できるまち 中央区」とされています。前計画では、「子どもも親も笑顔が輝き」とされていたところです。やはり子供の一番近くでその成長を守り支えていくのは親であろうと思いますが、今回「育む人」とされた背景、意図についての御見解をお示しください。

 もう一つお伺いします。

 前計画では、三つの方向性と八つの施策を示されていました。今回は五つの方向性と二十二の基本施策とされており、この中の方向性三、「特に配慮を必要とする子どもと家庭を支援します」については、前回の基本施策の一つでありました。それを今回、抜き出して方向性とされた背景は、本区のどのような状況を踏まえて示されたのでしょうか。その意図をお示しください。

 次に、未来を見据えた福祉施策の視点でお伺いをします。

 先般の福祉保健委員会で、地域包括支援センターにおける職員配置基準の柔軟化等についての報告がありました。簡潔に言うと、職員の急な欠員に対応できる仕組みであります。このようなケースは、今後ますます深刻化してもおかしくない状況にあると思います。

 少し前になりますが、マイナ保険証に関連する講演を聞きました。その中で、マイナ保険証を推進する理由の一つとして、年間五百万件以上の過誤請求の防止、そして、レセプトの返戻に伴う年間約百億円に上る経費と労力の削減、そして、不正利用の抑制といったものでした。この一連の話の中で三百四十万人と一千百万人という数字が提示されて、これが何の数字であるかというものが問われました。三百四十万人は、御存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、二○三○年になると、日本の国内でありとあらゆる業種で不足すると言われている人材の予測だそうです。また、一千百万人というのは、二○四○年に不足する人数の想定でございます。既に、ドライバーの不足という言葉で、皆さんの中でも人材不足に関する認識というのは、それぞれお持ちいただいているかと思いますが、これが介護の現場、二○四○年に介護・看護をしている方々のパーセンテージは二四・一%不足するという予測があります。これは、週に一回、現在受けているサービスが、人材不足でサービスを受けられなくなる、そういうような危機感を示す数字だということでした。そのために、デジタル化で対応できるところはデジタル化でしっかりと対応し、人が手をかけなければならないところにはしっかりと人材不足が生じないような体制を整えていく一環の中で、マイナ保険証を推進するというお話でした。

 二○三○年、四○年というのは、そんなに遠くない未来だと思います。人口が増えているし、都心は人が集まっているので、もしかしたらこのような推計とは違って、人材不足という心配はないのかというかすかな希望も抱くところでございますが、子供というのは、成長とともにできることが増え、やがて一人で歩み始めていきますが、高齢者というのは、徐々にできることが少なくなっていきますし、人の手を借りていかなければならないと思います。現在、区内でも障害のある方の高齢化の課題や親亡き後の課題、老老介護、高齢者のひとり暮らしというものもありますので、そうした中では高齢化の課題から目を背けることはできないと感じています。

 こうした状況を踏まえて、介護人材の不足を見据えた今後の対策について、本区の御見解をお示しください。

 次に、地下鉄新線についてお伺いをします。

 人口増加に伴う交通インフラの整備は、臨海部の大きな課題として、長きにわたりお取組をしてきていただいたと思っています。都バスの増便やBRTの運行開始後も、ニーズの高い時間帯に増便を行っていただいています。また、区内では江戸バスが運行されており、交通不便地域を補完するルートの見直しなどもしてきていただきました。地下鉄新線の開通までは、どんなに早くても十五年はかかる状況ですから、先日の環境建設委員会ではBRTの東京駅のルートの早期実現についての報告もありましたが、臨海部の現状の課題を補完するためにも、こうしたルートは我が会派からも要望を行っておりますし、ここには期待をしているところでございます。

 大量輸送機関として待ち望まれる都心部・臨海地域地下鉄構想事業計画案が発表されて二年が過ぎました。昨年開催された都心・臨海地下鉄新線推進大会では、二○四○年とは言わず、二○三○年代に開通するべきであると、さらなる期待が高まりました。そして、その翌月、十二月には、四都県十一区市でつくばエクスプレスと都心部・臨海地域地下鉄の接続事業化促進期成同盟会というものも立ち上げられ、本区もこれに参加をしております。

 この地下鉄新線については、本区も今まで平成二十六年から四回にわたり独自の調査・検討を行って、その結果もホームページ上で発表しております。一回目は、この地下鉄の意義、銀座周辺から国際展示場までのルートの検討がなされました。二回目は、つくばエクスプレスとの一体的な整備を視野に入れた検討・調査もされました。そして、三回目は、りんかい線と接続して羽田空港までの運行を考慮したケース、だんだん調査を経るごとに、臨海部の交通問題だけではなくて、国際競争力に資する鉄道である旨の調査も進められていました。第三回までというのは事業計画案が発表される前ですから、収支採算性ですとか、いかに必要な路線であるかに注目して調査・検討が進められてきたことと思います。第四回の調査では、事業計画案が発表された後の調査ですから、より現実的な問題を踏まえた調査として発表がされていることと思います。その令和五年度調査では、駅周辺の歩行者ネットワーク、駅出入口や地下通路との接続について調査の結果が示されています。既存の地下鉄や地下通路との接続や回遊性、周辺開発との連携などが課題として挙げられています。駅予定地にはそれぞれまちの特徴がありますので、今後は各まちの方々と課題を共有して意見をすり合わせ、地域の課題に対して情報収集をしていくという段階に進んでいくのかと想像するところでございます。

 そこで、お伺いします。

 この令和五年度調査の結果をどのようにまちの方々へ共有し、各まちごとの意見を反映していかれるのか、今後の方向性をお示しください。

 もう一点、地下鉄新線の機運醸成と普及啓発の観点でお伺いをします。

 今まで会派の政策要望や一般質問の場で、もっと目立つところで大会を開催してほしいですとか、この大会の熱意を中央区内全域に広げてほしい、このような要望を行ってまいりました。ここ数年、各地でパネル展も開催していただいており、我が会派の要望を聞き入れていただいたことは感謝をしております。推進大会について個人的に印象深いのは、月島第二児童公園で開催された第五回の大会でした。初の屋外開催で、数日前から特設テントも設置され、まちの中では何があるのかと聞かれるほど注目を集めた大会でした。当日は二部制で開催され、一部は地元小学校の管楽器クラブの演奏が行われました。子供たちが楽器を持ち、舞台の上に立つと、その背景には、都心・臨海地下鉄新線推進大会二○二二という看板が掲げられており、子供たちの演奏を楽しみにして集まった保護者や地域の方々がその光景を見るという状況がございました。また、公園の一角ではパネル展も開催されており、まちを通りかかる方々、駅の利用者、都バスや地下鉄の利用者、来街者にも広く周知された大会であったと感じています。昨年の地下鉄新線推進大会では、この推進に深く関わってきた方々が、私も乗りたい、早く開通してほしい、こういう声もあったのは、皆さんもお聞きになったと思います。

 私は、この気持ちに、さらに地域の子供たちの夢と希望も添えることができないかと思っています。具体的には、子供たちの思う地下鉄新線の絵を描いてもらって、今後の各地のパネル展で展示をするとか、または大会のチラシに子供たちの絵を使用する、こういったことをしていただけないかなと思っています。御見解をお示しください。

 次に、教育の課題についてお伺いをします。

 一か月ほど前の日経新聞のコラムで、教育大国フィンランドでロングラン上映されて話題になっている日本の映画の話がありました。この舞台は、世田谷区の公立小学校が舞台となっています。まだ上映中ですので、内容詳細に触れることは控えますが、コロナ禍の一年間の学校生活についてです。一年生と六年生、そして彼らの担任、彼らに関わる学校の教員を映した学校生活の記録です。六年生が新一年生の世話をする。げた箱の靴をそろえたり、給食の配膳をしたり、コロナ禍でしたから、黙食のルールを守ろうということも学校で行われていました。子供たちは、給食が終わると教室の掃除をする。こんな映像が流れています。一年生と六年生との関わり、また、教員が時に児童を厳しく叱るシーンなどもあり、日本の学校生活を隠すことなく映した映像かと思います。日本でのタイトルは「小学校 それは小さな社会」というタイトルですが、原題は「ザ・メイキング・オブ・ジャパニーズ」、日本人のつくり方というタイトルだったそうです。日本の小学生が当たり前に行っている学校の給食の配膳、教室の掃除というのは、海外では子供たちがすることではないそうです。こうした日本の学校の光景を見て、フィンランドの方々は、日本人の礼儀正しさというのは、こういう日常の学校での授業以外の活動にもあるんだということで、すごく評価をされたようです。日本にいると当たり前のことで気づかない部分がございますが、やはり日本の教育というものは、海外から見ると非常に高く評価をされるところがあることを、この映画を通じて感じてきたところです。

 そんな日本の教育環境というのは、ここ数年、様々に変化をしています。コロナ禍で進んだ一人一台のタブレット端末の整備や三十五人学級、そして教科担任制も今後進めていくことになると思います。本区では、令和五年度から、小学校における教科担任制の効果的な運用をテーマとして研究を進めてこられました。本年の一月末にはこの研究発表が行われて、二年間の研究成果として、児童にとっては、中一ギャップの解消になる。また、教員にとっては、空き時間で研修の時間を確保できるなど、授業力の向上に対するメリットも報告されておりましたが、その他、やはり幾つかの課題があることも示されていました。

 そこで、お伺いします。

 今後、区内でも教科担任制を進めていくに当たり、この研究発表の成果をどのように生かしていらっしゃるのかお示しください。

 最後に、不登校についてお伺いをします。

 毎朝、子供たちの登校見守りをしています。六年間続けてきていますから、当時一年生だった子が六年生に上がり、六年生だった子は高校生になり、そんな成長を見守ってきました。朝、様子を見ていますと、子供と一緒に出勤をして、子供を学校に送ってから電車やバスに乗る保護者の方も多くいらっしゃいます。また、やや不登校ぎみの子供の手を引いて、登校時間ぎりぎりに学校に向かう保護者の様子も見ています。

 不登校は本当に、見ていますと、それぞれ子供ごとに理由がありますから、なかなか決まった形での対応というのは非常に難しいと感じています。教室の騒がしさが苦手とか、友達関係がちょっとうまくいっていないとか、学校の入り口までは行くんだけれども、中に入れない、そういった子供たちも多々います。学校では、昔からかなり個別対応していただいていて、時に保健室へ登校するとか、校長室へ登校するとか、そういった対応も取っていただいていることは見てきているつもりです。一方で、保護者とも話をします。やはり保護者は、自分が普通に登校して、学校に行くことに疑問を感じないまま成長してきていますから、そういう方が多いです。ですから、やはり子供がなぜ行かれないのかということで、すごく悩んでおられる方も多くいます。何かきっかけがあって、しきりと学校へ登校させようと思うのがやはり親の気持ちでありますから、声をかけて、子供がまた殻に閉じ籠もってしまうと、また悩みも深くなりますし、先の見えないトンネルの真ん中に立っているような気持ちになる保護者の方々もいらっしゃいます。

 子供は何がきっかけで心が解放されて、学校に行かれるのか、日常生活に戻れるのか分かりませんが、やはり年月がかかるものであります。何かに触れる多様な機会があるということは大切だなと感じています。今年度は四中学校で校内別室登校を行っていただいています。次年度からは、全中学校と月島地域の四小学校で校内別室登校に向けて支援員を配置される旨、示されております。中学校での成果と、今後、小学校での実施に際し、配慮をしている点などございましたら、お示しください。

 また、不登校の児童・生徒の保護者から話を聞くと、学校との接点は途切れていないんですが、でも、子供の行く末に不安を感じていらっしゃる方も多くいらっしゃいます。特に、中学生になると、その先の進学というものがあります。中学校卒業して終わりではない、その子の先の人生を見据えて、どのような選択肢があるのか、保護者は非常に不安になっていますから、私も相談を受けると、早く学校に相談をしたほうがいいというお話をしています。今この時期も、まさにそんな時期かと思います。進学を控えた不登校生徒や保護者に対して、区はどのような対応をされているのかお示しください。

 以上で一回目の質問を終わります。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 竹内幸美議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、未来に責任を持てる財政運営と基金の在り方についてであります。

 本区では、人口増加に対応した施設整備のほか、既存施設の改築・改修に加え、昨今の原材料価格の高騰による各種工事費の増加など、財政運営に与える影響は大きいものと認識しております。特に、一九八○年代後半から一九九○年代前半に建設された公共施設が多く、今後、これらの施設の老朽化対策に要する経費の増加が課題と考えております。本区の公共施設等の管理に当たっては、中央区公共施設等総合管理方針二○二二に基づき、適切な予防保全を行いながら、施設の長寿命化を進め、計画的な改築・改修等を行っているところですが、今後は、現在導入を進めております公共施設マネジメントシステムを活用しながら、さらなる財政負担の軽減・平準化を図ってまいります。こうした方針の下、改築や大規模改修など多額の費用負担が生じる場合に当たっては、将来需要に備え、これまで積み立ててきた基金を活用しながら、区民サービスの低下を招かないよう財源対策を講じております。今後とも、学校をはじめ、行政サービスの拠点となる施設の維持・更新が適切に行えるように、歳入確保や効率的な執行に努め、将来世代に過度な負担とならないよう、基金と区債のバランスを図りながら、可能な限り基金残高を確保してまいります。

 次に、子供や若者を取り巻く環境の変化と施策の推進についてであります。

 近年の子供や若者を取り巻く環境の変化には、核家族化の進行や地域コミュニティの希薄化、グローバル化・情報化の進展、経済的な状況などが影響を与え、具体的状況は多岐にわたるものと認識しております。また、核家族の家庭では、両親が共働きの場合、子供が一人で過ごすケースが多いため、子供の孤独感を生みやすく、地域コミュニティの希薄化は、子供や子育ての孤立化を深める要因との指摘もあります。計画の策定に当たり区が実施した子育て支援に関するニーズ調査では、年収の高い世帯が多い状況が見られたところです。また、小学生から高校生世代を対象とした子供へのアンケート調査によると、自分のことが好き、との答えがいずれの世代でも六割前後であり、孤独や淋しさを感じることがある、は小学生で二割、中高生世代で三割、悩み事を相談できる人はいない、と、誰にも話さない、話したくない、の合計は、いずれの世代も二割という結果となりました。このことから、本区の子供や若者の中には、経済的な豊かさがある反面、身近な人に困り事や悩み事を相談できず、一人で抱え込んでしまう状況が一定程度あると捉えているところであります。このため、この三月に策定する中央区こども計画では、子供の権利の意識の醸成や理解促進、子供に対する相談体制の充実などを新たに基本施策に追加したところであり、教育委員会ともより一層の連携を図り、誰一人取り残さない相談支援体制を充実してまいります。区といたしましては、子ども施策推進室を設置し、子供を取り巻く様々な環境変化にも迅速かつ的確に対応するとともに、本計画を着実に実行することで、全ての子供や若者が地域の中で心身ともに健やかに力強く成長し、夢や希望を持って、自分らしく活躍できるまちづくりに取り組んでまいります。

 次に、中央区こども計画の基本理念にある「育む人」についてであります。

 本計画の基本理念は、「子どもも育む人も誰もが笑顔輝き、自分らしく成長できるまち 中央区」としております。計画の策定に当たっては、子ども・子育て会議において検討を進めてまいりましたが、基本理念につきましては、子供や親だけではなく、子育て関連施設で働く方や区職員、地域住民を含め、子供に関わる全ての方が笑顔になってほしいとの意見があり、議論を重ねた結果、「育む人」としたところであります。本区における子供施策の基本の考えは、言うまでもなく、子供の養育は家庭が基本であり、保護者が第一義的責任を有することであります。これは、子どもの権利条約やこども基本法にも示されていることであり、親を「育む人」としたことで、親や家庭の役割について、区の考え方を変更するものではありません。本計画の推進に当たっては、親や家庭の役割などについてもしっかりと伝えてまいります。区といたしましては、常に子供の視点に立ち、地域全体で子供や子育て家庭を支えながら、子供やその保護者はもとより、子供の育ちを支える全ての人の笑顔が輝き、自分らしく成長できるまちの実現に取り組んでまいります。

 次に、中央区こども計画の体系についてであります。

 本計画の策定に当たっては、こども基本法の基本理念やこども大綱の基本方針を勘案するとともに、第二期子ども・子育て支援事業計画の取組状況及び今回行った調査結果なども踏まえ、本区の現状と課題について整理し、検討してまいりました。その結果として、新たに掲げる基本理念の実現を図るべく、五つの計画の方向性と二十二の基本施策を定めたところであります。「特に配慮を必要とする子どもと家庭への支援」を基本施策から計画の方向性とした理由といたしましては、子供の貧困対策や児童虐待防止対策、医療的ケア児やヤングケアラーなどへの支援がこども大綱の重要事項に位置づけられていることに加え、本区においても子供の発達の相談や子育てに関する相談が増加している実態があることなど、現行計画の策定以降の新たな課題や環境変化に的確に対応するためであります。区といたしましては、この変更が、困難な状況にある子供や家庭を誰一人取り残さないとのメッセージになるとも考えており、地域社会の意識を高めながら、関係機関との連携や地域の中での気づきなどを通して、適切な支援につなげられるよう施策を展開してまいります。

 次に、介護人材等の不足を見据えた対策についてであります。

 今後、ますます高齢化が進行する中、本区の高齢者人口も増え続けることが見込まれており、適切な介護サービスを提供し続けるためには、人材不足への対応は喫緊の課題であると認識しております。そのため、区では、現在、介護職合同就職相談・面接会や介護人材確保支援事業、事業者向けスキルアップ研修などを実施しており、今後、介護職を希望する方を増やすことなどを目的として、区のおしらせちゅうおうに介護職のやりがいや魅力を伝える特集記事を掲載してまいります。また、こうした人材の確保・育成・定着の支援に加えて、高齢者を身近な地域で見守る体制づくりも重要であることから、おとしより相談センターを中心に、民生・児童委員や町会・自治会をはじめ、地域見守り活動団体、関係機関などの協力や連携による地域見守りネットワークを構築し、高齢者の異変に早期に気づくことができるよう、顔の見える関係を築く活動に対して支援するなど、その体制強化に努めているところであります。さらに、人材不足への対応には事業者自身の業務効率化を進める必要もあることから、今後も東京都が実施しているデジタル機器導入促進支援事業や外国人介護人材の受入れ環境整備事業などの活用を支援してまいります。区といたしましては、引き続き、介護人材対策の充実について区長会を通じて国に強く要望していくとともに、地域共生社会の実現に向け、介護・医療従事者をはじめ、地域の様々な担い手や関係機関が一体となって高齢者を支えることにより、高齢者やその家族が住み慣れたまちで安心して暮らし続けられるよう、地域包括ケアシステムの深化・推進を目指し、各施策を積極的に展開してまいります。

 次に、地下鉄新線の調査についてであります。

 臨海部では、人口増加とともに、公共交通の充実を求める声が高まっており、交通環境をより一層改善するためには、大量輸送機関である地下鉄新線の整備が急務であると認識しております。今年度、区では、令和五年度の調査結果を踏まえ、携帯電話の位置情報データや移動手段に関するアンケートの結果などを用いて、将来の駅出入口等の需要推計を行い、検討の深度化を図っております。一方、東京都においても、今年度から事業計画のブラッシュアップを図るとともに、沿線のまちづくりとの連携について調査が行われるなど、事業化に向けた検討が着実に進展しております。今後、区では、まちづくり協議会などを通じて、これまでの調査結果を基に、地域の方々との意見交換を行い、歩行者ネットワークや周辺のまちづくりなどを踏まえ、その地域の実情に即した利便性の高い駅出入口などを区独自で取りまとめ、こうした意見が都の事業計画に反映されるよう、関係機関へ強く要望してまいります。

 次に、地下鉄新線の啓発活動についてであります。

 地下鉄新線の推進に当たっては、推進大会を通して、区内沿線の各地域の参加や他の自治体との連携など、規模を毎年拡大しながら、地域の方々と共に機運を高めてまいりました。さらなる機運醸成に当たっては、多様な世代に関心を持ってもらうことも重要であります。特に、未来を担う子供たちが、将来の都市基盤である地下鉄新線に関心を持ち、夢を思い描くことは、本路線が地域的にも広域的にも大きな意義のある路線であることをより多くの方々に認知してもらう上で、大きな後押しになるものと考えております。そのため、教育委員会と連携し、これまでも実施しているパネル展で、子供たちが描いた未来の地下鉄新線の絵姿を活用するなど、具体的な取組を検討してまいります。区といたしましては、引き続き、地下鉄新線の一日も早い開通を目指し、全力で取り組んでまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えします。

 初めに、教科担任制についてであります。

 小学校における教科担任制は、子供たちの学びの質の向上を最優先に考慮した重要な教育施策であると認識をしております。令和五・六年度に研究指定校として教科担任制を研究した月島第二小学校では、担当する教科の専門性が向上した結果、より質の高い授業が実現したほか、教科担任制を導入したことで、学年の教員が一丸となり児童の成長を支えるなど、チームワークが強化され、個々の児童に対して、より多角的・多面的に理解できるようになったとの成果が報告をされております。また、児童は教科ごとに教員が変わることにより、それぞれの教え方や授業スタイルを楽しめたことに加え、日頃の授業やコミュニケーションを通して、自分が話しやすい教員に相談ができるようになったなど、学習面のみならず、生活面においても、児童自身が教科担任制のよさを実感しているところであります。教育委員会といたしましては、これらの成果を踏まえ、今後も学校の規模や実情に応じて効果的な教科担任制の実現が図れるよう、新年度には、さらに実践校を一校増やし、教科担任制に関する研究を深めてまいります。

 次に、不登校対策についてであります。

 校内別室を設置した中学校では、生徒が安心して通える居場所として、一人一人の実態に即した支援を行うことで、子供たちの不安や緊張感が緩和され、登校意欲の向上につながっているとの報告を受けております。小学校での実施に向けては、中学校と同様、不安や困難を抱えている児童が安心できる居場所となるよう環境整備に取り組んでまいります。また、進学を控えた不登校生徒や保護者への対応につきましては、学校とスクールソーシャルワーカー、適応教室等が連携し、本人及び保護者の相談に丁寧に応じているところであります。今後も、生徒が将来に希望を持ち、自己実現につながる進路選択ができるよう、きめ細かな伴走型の支援を行ってまいります。

 答弁は以上であります。

〔十五番 竹内幸美議員登壇〕

○十五番(竹内幸美議員)
 それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございます。非常に丁寧な御答弁をいただいたことに、まずは感謝を申し上げます。

 財政の質問をするに当たり、いろいろ過去を遡って調べてきました。いろいろな数字、着目するところはあるかと思うんですけれども、やはり人口が一番少なかったときの財政状況、平成八年度の一般会計の歳入決算額というのが約六百七十九億円でした。令和七年度の予算と比較すると一千億円も差があるような状況の中、もちろん人口等も違いはありますけれども、こういった中で経常収支比率が八一・七%であり、また、特別区債の比率が七・二%、公債費比率が二・八%という数字になっております。もちろん、財政運営の中では正常範囲内という指標もあるところではございますが、ここのところ、やはり人口増加に伴って、教育施設の整備ですとか、晴海の特別出張所、あと本の森ちゅうおうや晴海の図書館、こういったものが非常に多く建てられている中で、多くの起債がされてまいりました。公債費比率だけ見てみますと、ずっと過去を遡ると、平成十六年に一二・八%になったことがありました。これは、平成七年度、八年度に発行した減税補塡債というものを、財政調整基金を取り崩して全額償還したという状況の中で起こったことです。このときの会議録などを見てみますと、人口がやや増加をしてきて、年々、特別区民税も増額している。そんな状況の中から、今、財政調整基金を切り崩して全額返済をすることで、未来への財政負担を減らそうという考えの下に行われたものでありました。今の区の状況を見ますと、何となく今後もそういうことが起こり得るのかなと思う視点で、少し基金のことをお伺いしたわけでございます。もちろん、区長の所信表明の中にも、基金の活用をしていく旨、将来を見据えて行っていくというような表明もされておりますから、さらなる健全な財政運営がされていくことに期待をしております。

 それから、福祉施策の部分です。

 もちろん、今、未来のことは分かりませんが、確実に高齢化が進む中では、個人個人で意識をしていただきながら健康増進に努めていただかなければならないものもあるかと思います。その一方で、御自身が認知できない範囲で病気が進むとか、認知症等が進んでいくという状況もあります。必ず人の手が必要であるというところから、区の中でもデジタル化を進めていかれる部分と、あと人材の確保をしていく部分というものをお示しいただいておりますので、今後の区内の状況を見据えて、さらなる高齢者対策、障害者の方々に対しても施策を進めていただきたいと思います。

 順番が逆になりましたが、子育ての観点です。

 やはり世帯収入の多い方々が増えている。これは、ここ数年の議会の議論でも行われているところでございますが、その一方で、共働きによる孤立化と核家族化、あとグローバル化、そういったものの状況の中で、子供たちの状況というものも違いが出てきているのかなと思います。昔は御近所保育園といって、親が遅くなるときには近所で預かって、御飯を食べさせて、お風呂に入れておくよなんていう関係性もありましたが、やはりそういう関係性というのが少なくなっている部分もあるのかなと思っています。

 区のこども計画の中で示された「育む人」という視点では、決して親のことを排除しているわけではなく、やはり基本姿勢としては、子供を育てる責任は親に一番あるという基本の中で、ただ、そこに関わる方々が非常に多くなってきているんだと思っています。私も地域で子供を見守る活動をしています。そういった中で、名前まで分からなくても、顔が分かれば、声がかけ合える、何かあったときに相談ができるような立場であったらいいと思って、地域の子供たちに関わってきています。こうした施策、心をつなぎながら地域の子供たちを見守る体制というのも制度として進めていく部分と、地域のコミュニティの中で受け入れていく部分があるかと思っていますので、引き続き議論を行いながら、こうした地域の子供たちが健全に成長できるような体制に力を注げたらいいと思っています。

 地下鉄新線について、ありがとうございます。確実に未来に乗るであろう子供たちに絵を描いてもらう。本当に、こうした夢を持って大きな施策が推進できたらすばらしいと思っての質問です。まちのパネル展で子供たちの絵が飾られるのを楽しみにしています。ありがとうございます。

 今後、まちとの情報共有をしながら、しっかりと着実にこの路線を進めていただけるということ、今後も状況を見守りつつ推進に力を注いでまいります。

 それから、学校の課題、教科担任制の課題もありがとうございました。学びの質の向上、先生方にとっては専門性の向上やチームワークの強化というものにもつながっているという状況を確認することができました。

 まだまだ始まったばかりですから、課題は多いと思います。本当に教育の現場は、授業を組むのも、毎週月曜日がお休みになる確率が高いですから、授業を組むのが本当に大変なんだなと思って現場を見ています。こうした中で、不登校の課題や発達に課題を抱えたお子さんたちへの対応、また、先ほど映画の例を出しましたが、やはり学習だけではない日常の規律等、そういったものも、学校の中では先生、教員たちが関わって、子供たちを育てる、育む一員であるという部分もあるかと思います。子供たちが人に感謝の気持ちを持って育ってほしいと私は思っていますので、引き続き、こうした子供たちに愛を与えて成長していかれる状況をつくっていけたらいいと思っています。

 以上をもちまして私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(瓜生正高議員)
 次に、二十二番塚田秀伸議員。

〔二十二番 塚田秀伸議員登壇〕

○二十二番(塚田秀伸議員)
 中央区議会自由民主党議員団の塚田秀伸でございます。令和七年第一回定例会の一般質問に当たり、質問通告書に沿った内容にて質問をさせていただきます。なお、御答弁のいかんによりましては、再質問を留保させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、本区が進めるシティプロモーションの推進についてお尋ねいたします。

 区長の所信表明にもありましたが、令和八年度の区制施行八十周年に向けて、本区の魅力を掘り起こし、発信する施策が区の歴史アーカイブ・発信事業であります。本区の歴史・文化を次世代に伝えるために、継承すべき文化財、そして歴史的史資料をデジタル化し、サイト公開可能なアーカイブを構築するとされ、さらには全庁を挙げて推進すると、力強い取組姿勢とともに記されております。江戸時代から続く歴史と洗練された東京文化、まちごとの個性豊かな風習など、言うまでもなく、本区固有の財産であり、本区のみならず世界が注目する魅力的な情報でございます。これらを一元管理し、誰もが気軽に閲覧できるシステムの構築は、各分野への展開や拡張、多角化を大いに予想させるなど、誠に意義深い施策であると考えております。特に、本年は区制施行七十八年に当たり、当時のことを御存じの方もおられる一方で、高齢化も進み、歴史アーカイブを完成させるには、これからの二年間は誠に時宜を得た機会であるかと思います。

 それでは、お尋ねいたします。

 アーカイブにつきまして、サイト上に公開可能なものを構築するとされておりますが、区民をはじめ、より多くの皆様に見ていただくため、内容もさることながら、時代性を鑑みたウェブデザインやリンクの展開、全体を通したドラマ性など、見せ方も大変重要かと思います。構築するサイトのイメージなど、現段階で想定される内容は誠に限定的かと存じますが、その点についてお話しいただければと思います。

 また、発信先が区民、在勤・在学者などとされておりますが、シティプロモーションは、地域への愛着を高める意味合いと地域の知名度向上、そして観光振興など、まちのにぎわいや活性化などに利用することが可能と考えられます。今後想定される活用法の拡大などについていかがお考えか、併せてお聞かせください。

 もう一点、シティプロモーションの観点からお尋ねいたします。

 現在は主に教育委員会が作成しております文化財説明板についてでありますが、史実を正確に、また読みやすく解説する板面は時代を超えた完成度と美しさがございます。一方で、著しい転入者増の近年、新規居住者や来街者、観光客など、対象者のニーズに合わせて板面デザインを変化させることも必要ではないかと考えます。これは、来街者増に資する意味ではなく、薄れゆく地域の絆を強め、郷土愛を醸成する上で、半ば自治体の責務ではないかとも考えております。また、アーカイブサイトへのリンクや多言語対応、地域経済への寄与など、求められる機能はより多岐にわたり、目的に合わせたブラッシュアップの必然性と、望まれる内容によっては所轄の割り振りも含めて、どのようにお考えかお聞かせください。

 続きまして、災害・犯罪に強く、いつまでも住み続けられるまちについてお尋ねいたします。

 内閣府がまとめた最新の世論調査において、政府に求めるものを上昇率順に見れば、まずは物価対策、そして安全強化、そして、それに次ぐのが治安対策であります。その詳細には防犯カメラ設置の要望もあり、今や防犯カメラは重要な生活インフラとなりつつあります。特に、近年では、闇バイトの拡大から、トクリュウと呼ばれる、その場限りの犯罪集団が組織され、つながりの希薄な犯罪者を特定するにはカメラ映像が特段に有効であるなど、必要性が一段と高まっております。

 東京オリンピック開催に向けた治安対策としまして、二○一七年に東京都と中央区の合算で十二分の十一の補助金を打ち出したことを契機に、町会保有の防犯カメラ設置がより進んだかと思います。大きな補助率ではございますが、防犯カメラ十台の購入と設置のみならず、稼働時の電気代に電柱使用料、あるいは設置場所を移動する際にも費用が発生し、思いのほかランニングコストがかかるわけでございます。また、一般的にカメラの耐用年数は七年とされるため、機器更新のたびに大きな額を町会が捻出する際には、もはや悲鳴が上がるような状態であると聞いております。近年でも令和五年度の防犯設備整備補助金が、期日を待たずして終了しております。また、来年度の予算案概要にも地域見守り支援事業の拡充と提案されておりますが、購入設置費用に関与するものではございません。先ほども述べましたが、闇バイトやトクリュウ犯罪が増加傾向にあり、安全なまちに資する防犯カメラは基本インフラの性格が高まっており、現状のまま町会負担を強いるのは、将来の継続性が誠に危惧されます。

 近年中に区の予算をもって本区全域へ防犯カメラを設置することはなかなか非現実的でございますが、町会負担の機器が一台でも少なくなるよう、例えば通学路や公園に設置されるカメラを増設することはできないでしょうか。区の見解をお伺いいたします。

 防災について、もう一点お尋ねいたします。

 昨年一月から入居が始まりましたHARUMI FLAGの影響もあってか、この一年で晴海の人口は六千七百三十人増加しております。これを含め、本区全体の対前年同月比では人口増加数が九千六百九十五人に達しておりますが、そのうち外国人が二千四十人と、実に全体の二一%を占めております。まさに国内情勢の断片をかいま見る思いでありますが、月島地域では、今後もしばらくの間、新築マンションの竣工が続くことから、同様の傾向は続くものと思われます。

 ここで問題なのが、日本の生活習慣になじみがなく、自然災害に対する意識が低い方々は防災対策の予備知識がほとんどないこと、かねてより地震をはじめ、自然災害が突出して多い日本において、直訳しただけのマニュアルを手渡すだけでは適切な防災活動に至らないと考えております。まずは、地域コミュニティへの参加を促し、相互理解、そして信頼関係を構築することから始まると考えますが、外国人に向けた防災対策の啓発について、どのようにお考えかお聞かせください。

 続きまして、魅力ある水辺環境についてお尋ねいたします。

 地形で見る中央区の成り立ちは、中世に存在したとされる半島状の江戸前島を原型とし、徳川家康の天下普請による湿地帯の埋立てから始まります。江戸城の城下を固めるとともに、町人地は拡大し、物資輸送や交通のために、港湾、そして水路を整備することで、機能的な街区、そして水辺環境は整えられ、次第に中央区の原型が形づくられました。もとより、水辺空間は生活や製造業に利便性が高く、瞬く間に人々は集まり、あらゆる産業が発達し、時に繁華な場所となるなど、水辺は人と人とを結びつけるにぎわいある空間であると言えましょう。また、本区に住まう皆様の気風や人間性の豊かさは、それら水辺で醸成された文化が原点ではないかとすら感じております。縦横に張り巡らされた河川や堀は、昭和期に入ると、次第に物流の役割を終え、戦後から平成期までに、その多くが道路や暗渠に姿を変えてしまいました。また、高度成長期には水質汚染や環境の悪化、さらには治水機能を最優先したカミソリ堤防により河川と人は一層分断され、往時のにぎわいをまるで感じられないほどに環境を変えてしまいました。

 あれから時代は移り変わり、水質改善と環境浄化が進んだことから、再び水辺に人が集まり、にぎわいを見せつつあります。水辺は広く開放的で、日常の秩序から解き放たれ、エネルギーを発散させ、また、人が集う場所など、日常と非日常が混在する、ほかにない空間でございます。このような水辺環境を生かし、時代性に富んだ安らぎと憩いの空間にしつらえることは、豊かな水辺環境を有する本区の特別な使命であると考えております。

 そこで、お尋ねいたします。

 水辺は、人々が本能的に魅力を感じ、集まる人々がそれぞれの思いで過ごせる自由な空間であります。また、歴史を遡れば、幅広い活用法のみならず、平常時と発災時の機能変化、さらには水辺からのにぎわい創生など、まだまだ大きな可能性が残されているように考えておりますが、この点についていかがお考えでしょうか。

 さらには、音楽を奏でられるライブステージであるとか、ブランチを楽しめるカフェ、水辺にふさわしい店舗展開など、さらに多目的な展開も考えられるかと思いますが、それらについてもお考えをお聞かせください。

 もう一点、河川に加え、元河川についてでございます。

 どちらについても、頭上が開けた連続性のある特別なスペースでございます。そしてまた、これは本区特有の特徴ある空間でございます。今般のKK線の緑道化をはじめ、築地川アメニティ整備構想など、区内各所において歩行空間新設の動きが活発になってきております。また、水辺においても、日本橋川をはじめ、浜町公園周辺や亀島川、石川島公園、朝潮運河など、護岸の再整備も活発化する中、それら歩行空間を一つの概念に束ね、本区全域を広く網羅する歩行空間のネットワークなど、例えば中央区全域アメニティ整備構想など、そんな名前が浮かんでくるわけでございます。その点についても、いかがお考えかお聞かせください。

 続きまして、文化的イベントについてでございます。

 三年に及ぶコロナ禍の期間中、不要不急の外出や移動を控え、三密に代表される行動制限が奨励されました。感染拡大を抑えるために、誠に仕方ない措置ではございましたが、密閉空間や密集場所を避け、他人とは二メートルの距離を保つなどの意味合いから、文化的イベントの類いは軒並み中止となり、中でもアートや音楽、スポーツイベントなどは大幅に制限され、それらを実行することは社会への背徳とも認識されておりました。あれから時を経て、新型コロナウイルス感染症は危険度の低い五類感染症に移行されたことから、一定の収束を迎えましたが、その間に発達したリモートワークなどにより、生活様式、そして就労形態は変化し、コロナ禍以前の世界からは常識も価値観も少なからず変化しております。

 大手研究所による令和五年十二月のインターネット調査結果によれば、六割の方がコロナ禍以前の生活に戻っていないと考えており、特に趣味・レクリエーション関連、旅行費用などの支出意向が低い結果になっております。これは、三年間の心理的負荷や労働環境の変化などにより、他人との付き合いをむしろ避ける傾向が続いているからだと思われます。その反面で、昨年行われました大江戸まつり盆おどり大会、そして区民スポーツの日などには多くの参加者であふれ、前述の傾向から一転して、コロナ禍明けを満喫するような動向が見受けられます。特に、区が主催する地域イベントはおおむね好調な人出となっており、文化的イベントへの渇望ぶりを感じております。

 それでは、お尋ねいたします。

 本区では、これまでにもアート、音楽、スポーツなどの文化的イベントを実施されておりますが、今後、一層の拡大や充実を進めていただきたく思います。例えば、あらゆる本物が、そしてお手本が身近にある中央区の特徴を反映し、一流が連携することで探究心を刺激し、さらに意欲を高めていただくこと、例えば区民主体の作品展にプロ作家を招聘することであるとか、継続的なプロ指導者のコーチングなど、これは一例にすぎませんが、活動の動機を高め、さらなる向上心の醸成につながるなど、新機軸の導入を試みていただければと思います。文化的イベントの今後の在り方などについて、どのようにお考えかお聞かせください。

 一方、オリンピックを経て、健康生活を標榜する機運が高まっておりますが、スポーツ施設やそれら環境整備は、長年、本区に不足するものの上位に位置しております。今後の区内施設の再配置など、機を見て、これら施設を優先的に考えるようにぜひともお願いしたいと思います。

 こうした中、区長の所信表明において、スポーツ活動のさらなる推進に向けた水上スポーツ関連施設の整備について言及がありましたが、どのような方向性で考えていらっしゃるのでしょうか。

 また、入船橋先のカルバートの有効活用についても、道路下に位置し、住居からも距離があることから、音が発生する横乗り系スポーツにも使える場所かと思いますが、それら競技の専用施設の整備について検討されてはいかがでしょうか。それぞれについて、どのようにお考えかお聞かせいただければと思います。

 これで一回目の質問を終了いたします。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 塚田秀伸議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、シティプロモーションの推進についてであります。

 現在、区では、令和八年度の区制施行八十周年に向けて、本区の魅力等を発掘・発信するシティプロモーションを全庁挙げて推進しております。その取組の一つとして、区内の歴史文化資源のデジタルアーカイブ化や記念映像の制作を行うとともに、これらをウェブサイト上に公開していく事業について準備を行っております。現在、各社からの提案に基づき、比較検討を進めているところではありますが、公開サイトについては、区の文化財などをビジュアルで紹介する特集ページや文化財デジタルマップを制作するなど、本区の魅力を伝わりやすくするとともに、様々な方に興味・関心を持っていただけるサイトとなるよう工夫を凝らしながら構築していく考えであります。この公開サイトを通して、本区が誇る豊かな歴史・文化の魅力を広く区内外へ発信していくことは、区民、在勤・在学者の本区への愛着心の醸成につながるとともに、本区の知名度向上や来街者へのPRなど、まちのにぎわいや活性化にも寄与するものと考えております。より効果的に本サイトを活用するための具体的な方策については、構築を進めていく中で検討を重ねてまいります。また、区民をはじめ、多くの方に、文化財保護意識の普及啓発を図るために、教育委員会が設置している文化財説明板については、英語での表記や図版を取り入れて更新する取組を順次進めております。区制施行八十周年に向けて、区民等がより一層文化財への興味や関心を深めることができるよう、広報紙やホームページなどでの紹介のほか、現在準備を進めているアーカイブ公開サイトへの誘導を図るなど、説明板の在り方を含め、所管を超えた活用方法等を検討してまいります。歴史文化資源をはじめとする本区の多彩な魅力を次世代に引き継ぐとともに、区民等の地域への誇りや愛着心のさらなる醸成につなげることができるよう、今後も全庁を挙げてシティプロモーションの取組を推進してまいります。

 次に、防犯カメラの増設についてであります。

 防犯カメラを設置することにより、犯罪の抑止効果が高まり、安全で安心な地域環境の創出に資することから、その役割は大変重要であると認識しております。これまで区では、学校周辺の通学路において、学校と地域等が連携して行う登下校の見守り活動の補完機能として、また、公園等の利用者の安全管理と犯罪の抑止などを目的に、防犯カメラの設置を順次進めてきたところであります。今後、区が新たに設置する防犯カメラや既存施設の更新時において、設置場所や画角調整などの工夫を行うことにより、町会等の負担軽減に努めていく考えでおります。さらに、町会等が設置する防犯カメラに係る経費についても、より負担が軽減されるよう、支援事業の拡充について併せて検討してまいります。

 次に、外国人居住者に向けた防災対策の啓発についてであります。

 本区では、定住人口の増加とともに、外国人居住者も年々増加しており、日頃からの備えや発災直後の初期行動など、外国人居住者に対する防災対策の普及啓発は大変重要な取組であります。そのため、区では、現在、国際交流のつどいや国際交流サロンの場を通じて、対面による説明に加え、ブース内でのパネル展示や非常食等の配布による普及啓発を行っております。と同時に、生活ガイドブックや防災カタログギフトでは多言語対応での啓発に努めているところです。また、佃島小学校・佃中学校防災拠点運営委員会では、訓練の周知用チラシを英語版で作成し、地域内の外国人居住者の参加を促す取組を新たに始めました。区といたしましては、より多くの外国人居住者が防災拠点訓練に参加し、防災対策の意識高揚とともに、地域の方と交流を図る機会となるよう、他の防災拠点運営委員会にも働きかけていく考えであります。今後とも、区主催のイベントやマンション防災訓練の支援の場など、様々な機会を捉え、外国人を含めた区民に対する防災対策の普及啓発を積極的に展開してまいります。

 次に、魅力ある水辺環境についてであります。

 江戸以来、水辺を盛んに活用してきた本区では、都内随一の水辺空間を生かし、アクセスしやすい水辺、散策しやすい水辺、舟運により楽しめる水辺など、区民生活にゆとりと豊かさを加える水辺利用を積極的に推し進めるため、令和五年七月に中央区水辺環境の活用構想を策定いたしました。本構想では、近年の河川空間を生かしたにぎわいの創出や新たな運河利用による水辺の魅力向上に向けた取組が活発化していることを踏まえ、水辺の目指すべき姿として、多様な機能が発揮できる、居心地のよい上質な水辺空間の創出を掲げております。本区では、日本橋川沿いのまちづくりによる親水性の高い魅力的な水辺空間の形成、KK線や首都高速道路の上部空間の活用による緑のプロムナードの創出、築地市場跡地開発を契機とした周辺地域と連携した交流の促進、魅力ある水辺空間を生かした快適なウオーターフロント・プロムナードの形成など、区内全域において、都市基盤整備の機会を捉えた水と緑の歩行者ネットワークの形成に向けた取組が進んでおり、水辺や緑における大きな可能性と多様な展開が生まれてくるものと考えております。現在、日本橋川や亀島川、隅田川、朝潮運河などで護岸の耐震対策工事が行われ、また、千代田公園をはじめとした隅田川テラス沿いの公園や浜町川緑道では、整備に向けた設計・検討が進んでおり、今後は石川島公園や佃公園などで、地域特性を踏まえた公園や水辺空間の再整備を行う必要があります。こうした状況を踏まえ、区といたしましては、中央区セントラルパーク構想の実現に向け、水辺や緑の計画的な整備や地域資産としての持続的な活用など、ハード・ソフト両面に関する方策を検討することで、区内全域におけるアメニティ整備構想に寄与する歩行者ネットワークの創出を推進してまいります。

 次に、文化的イベントの今後の在り方についてであります。

 江戸開府以来、我が国の文化・商業・情報の中心として発展してきた歴史的背景から、本区には、芸術や美術、音楽はもとより、伝統芸能に至るまで、多彩な文化資源が満ちあふれております。そのため、文化イベントの実施に当たっては、こうした地域特性を生かし、各界を代表される方々の協力を仰ぎつつ、区民の皆様が身近に文化に親しんでいただけるよう取り組んでまいりました。その象徴的なイベントであるまるごとミュージアムでは、まち全体を華やかで魅力的なミュージアムと見立て、多くの皆様に幅広い文化資源を見て、聞いて、触れて御堪能いただいております。また、東京国際合唱コンクールでは、世界水準の合唱文化に触れる機会を提供するとともに、文化・国際交流振興協会においては古典芸能鑑賞会などを開催しております。その他のイベントにおいても、様々な形で文化的要素を取り入れて実施しているところでありますが、今後は、その魅力を一層感じていただけるよう、文化メニューの充実や情報発信の方法に工夫を凝らすとともに、体験の機会を増やすことにより、区民が様々な文化を肌で感じ、興味・関心をより高めていただけるよう取り組んでまいりたいと存じます。これらの取組を通じ、区民が誇れる個性豊かな文化が育まれ、文化の香りに包まれたまちとして、本区がさらに発展していけるよう努めてまいる所存であります。

 次に、スポーツ施設等の環境整備についてであります。

 区民がスポーツに親しむことは、体力の向上や健康の維持増進はもとより、豊かな生活を送るために欠かすことのできないものであり、その環境を整備することは大変重要であると認識しております。区では、これまで学校施設のスポーツ開放や公園、遊歩道といった公共空間の有効活用に努めてまいりましたが、都心機能が集積する本区において、新たにスポーツ施設を整備することは難しい状況にあります。そこで、今般、本区の特性である都内随一の水辺空間に着目し、カヌーやカヤックなどの水上スポーツという新たな分野でのスポーツ環境の創出に着手することといたしました。施設の竣工は令和九年度中を予定しておりますが、安全・安心な施設運営のため、当面の間は専門的な知見を有する団体や事業者による検証を行った上で、なるべく早期に区民が身近な水辺に親しみ、気軽に水上スポーツを楽しんでいただけるよう目指してまいります。

 次に、入船橋先のカルバートの活用についてであります。

 当該カルバートは、道路区域であることや、高さ、広さに構造的な制約があるなどの課題がありますが、都心区である本区にとって大変貴重なスペースであります。そのため、御提案のスケートボードをはじめとするスポーツ施設の設置も含め、有効活用に向けて検討を進めてまいります。今後とも、こうした創意工夫により、誰もが身近な場所で気軽にスポーツに親しみ、楽しむことができる機会を享受できるよう、スポーツ環境の整備に努めてまいります。

 答弁は以上であります。

〔二十二番 塚田秀伸議員登壇〕

○二十二番(塚田秀伸議員)
 それぞれに御答弁ありがとうございました。

 まず、歴史アーカイブ・発信事業についてでございます。

 いろいろ詳細はまだこれからという段階かと思いますが、デジタルマップであるとか、非常に興味を持っていただく上で、いろいろなことを考えていらっしゃるということで、本当にわくわくと楽しみが広がるところでございます。先日の区長の所信表明でも語られておりましたが、本区は若い世代、そして外国人などの転入が相次ぎ、二十万都市を目前に控えております。本区に住まう皆さんは、二十八年間で実に二・五倍以上に増えております。いま一度郷土愛を深め、そして地域との結びつきを強めていただくために、また、国際都市東京の一翼を担う本区の魅力を発信する意味からも、また、区役所の若手職員の皆様にも、ある意味、テキストとなるような内容も含め、欲しい情報が簡単に検索できる、そして気軽に閲覧できる、時代を鑑みたシステム構築は誠に必然なのかなと考えております。また、世界への窓口になる意味も考えられると思います。早い段階で本格的な多言語化も必然と考えております。この点についても要望いたします。今後、どうぞ進めていただければという思いでございます。

 そして、文化財説明板についてでございます。

 こちらも、区長から御答弁いただきました。大変ありがたいものだと思います。現在、NHKの大河ドラマで放映されております蔦屋重三郎、そして耕書堂についても、現在、大伝馬町の一角に説明板が設置されておりますけれども、観光でお越しになる来街者の皆様は、史実の探求とともに、やはり現場ならではのドラマ性であるとか、臨場感みたいな、何かプラスアルファを求めて来られることが多いかと思います。近年では、ドラマ、アニメなどで舞台を訪れる聖地巡礼なる行為も大変一般化しております。また、今後も中央区を舞台にした作品は多くつくられると予想もされますので、場合によっては期間限定の説明板設置であるとか、あるいはメディアとの連携であるとか、こういったものもぜひ視野に入れていただいて、シティプロモーションの一環として大きな比重になるかと思うんですけれども、こちらも併せてお願いしたいと思います。

 そして、防犯カメラでございます。

 これも、先ほど区長の御答弁で、町会の負担軽減に向けて、いろいろと検討されるということで少し安心しておりますが、さらに、ぜひともお考えいただきたいと思うのが、私の住まう町会でもそうですけれども、他町会の実情、要するに、防犯カメラはどういう使われ方をしているかというような内容を聞くと、警察署の閲覧依頼というのが一番多いんですけれども、その中でも、犯人の逃走経路の特定であると聞いております。そのような依頼が主であるならばですが、区内の例えば主要交差点あるいは、区道であると思いますが、幹線道路、こういったところに集中的に設置を考えていただいてもいいのかなと。あるいは、駅周辺であるとか、高速道路の入り口など、逃走経路を考えるというのも変ですけども、そういった部分に一定の設置基準、こういう場所につけたらいいのではないかというような基準が浮かんでくるのかなという思いでございます。どうぞ、ここら辺も酌んでいただいて、一考いただければという思いでございます。

 そして、外国人居住者に向けた防災活動などについて、佃小で既に英語に翻訳したマニュアルを作成されたということでございます。今回、外国人居住者が増える上で、いろいろな諸問題がこれからあると思うんですが、最も優先順位の高い防災活動について質問をさせていただきました。防災は、多くの方が漠然と捉える、一番身近なというか、誰にも同じように係る恐怖であり、また、言葉や生活風習の異なる方々と顔を合わせること、そして共通認識の下に懇親を図ることが、その第一歩なのかなという思いでございます。国内のあちこちで、外国人居住者が増えることで、いろいろなトラブルが聞こえてきますけれども、そのほとんどは相互理解の欠如によるものなのかなという思いでございます。まずは、防災行動を共有し、軌を一にすることが信頼関係を築く上で大切かと考えます。そういった観点からも、先ほど佃小の話も出ましたけれども、文言を変換する、翻訳するだけでなくて、内容の意味であるとか、防災の意識も深いところまでぜひとも突っ込んだものでの翻訳、こういったものを進めていただければという思いでございます。さらなる防災活動につながるように、どうぞよろしくお願いいたします。

 そして、水辺環境についてでございます。

 これも、先ほど区長から力強い、居心地のよい良質な空間になるように考えていくということでございました。るる話しましたが、本区にとって水辺は誠に特別な場所でございます。そして、東京で最も歴史のある水辺環境でございます。本区の動向は、内外からも高い注目を集めるものであるかと思います。これまでにも私は一般質問で、地面について話をしたことがございます。地歴という言葉がございますが、地理歴史という意味合いと、もしくは土地が重ねてきた歴史を振り返る意味で使っております。土地が歴史の変遷を覚えているように、水辺もまた歴史を覚えております。忘れるのは人間だけでございます。いま一度、水辺の価値を適正に判断していただき、極めて優れた環境を生かすこと、これは区民の皆様にとっても、すばらしい第三の居場所となるのではないかと考えております。さらに良質な水辺環境をつくり上げていただくように、どうぞよろしくお願いいたします。

 そして、本区の礎を築いたと言える元掘り割りなどについても、いま一度連続性を生かしていただきたいと思っております。先ほどの区長の御答弁でも、中央区内の各所で歩行空間、環境を整えていくという話がございました。ぜひとも、さらにもう一段階進んでいただいて、これを全体の一つのプロデュースみたいな形で、中央区全域を一つの、まさにセントラルパーク、区長がおっしゃっておりますけれども、セントラルパーク構想でいいと思いますが、ここに一つの概念、一つのデザイン性なりを重ねていただいて、本当に中央区が一つのそういった環境、歩行空間につながるということで、それぞれがばらばらではなくて、一つにまとめていただくということもぜひ考えていただければという思いでございます。

 そして、最後に、もう一点でございます。アート、音楽、スポーツの振興についてでございます。

 まず、水上スポーツの施設についてでございます。そして、入船橋先のカルバートについてでございます。なかなかそれぞれに難しい面はあるかと思いますけれども、一つ一つクリアしていただいて、ぜひとも実現していただければという思いでございます。

 今回、アート、音楽、スポーツの振興と、文化振興という名の下に乱暴に三つを一つにまとめてしまいましたが、それぞれに、ほかでは得られない効果、効能がございます。それら活動が制限されたコロナ禍の三年間でございましたが、いま一度その在り方、そして規模なども含めて検討するタイミングではないかと思います。中央区は本来、文化度の非常に高いところと考えております。ぜひともこういった文化を引き継ぎ、これは地元に根づいたDNAだと思っております。これからも文化度の高い中央区を続けていく上でも、ぜひとも、行政からもこういった手を差し伸べるような活動を進めていただければという思いでございます。

 そして、先ほど区長の答弁でございました。若干残念でありましたけれども、スポーツをする場を造るのはなかなか難しいという御答弁がございましたが、今後もいろいろな教育施設の増設など、本区では、これから進めていく、広げていくものがあるかと思います。そういった機を見て、各種環境整備とともに、スポーツの場は大変大事なものであるかと思いますので、ぜひともその点も考えの一つに挙げていただければという思いでございます。本区は大きな区ではございません。限られたスペースの中で、いかにこれを回していくか、大変重要なところでございますので、いま一度お考えいただければという思いでございます。

 以上でございますが、ここまでいろいろと質疑させていただきましたけれども、中には非現実的なことであるとか、もう十分に理解しているよというようなものもあったかと思いますが、さらなる本区の発展、振興、そして充実に向けた質問でありました。どうぞ意をお酌みいただいて、さらなる区政の発展に御尽力いただければという思いでございます。

 これにて私の質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 ただいま一般質問の半ばではありますが、この際、暫時休憩されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、暫時休憩いたします。

午後六時 休憩


午後六時十五分 開議

○議長(瓜生正高議員)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 一般質問を続けます。

 三番上田かずき議員。

〔三番 上田かずき議員登壇〕

○三番(上田かずき議員)
 日本維新の会、上田かずきです。私が区議会の議席をお預かりしてから、二年の月日が過ぎようとしております。この間、様々政策について学び、発信をしている中で、つくづく感じることは、中央区は特別なまちであるという事実です。日本全国や東京都全域を俯瞰してつくられた政策が、中央区では逆に作用することもある。だからこそ、私たちは区の特性に合わせた政策を基に、中央区に関わる全ての人たちがより満足いただける仕組みを独自に追求していく必要があります。今回は、その中でも、区民のライフスタイルを軸に質問を行います。なぜなら、基礎自治体として重要なのは、区内で生まれ、育ち、働き、老後を迎えるという連続性の中で、節目節目に合った支援を包括的に展開することだと考えるからです。区民の視点に立った前向きな御答弁を期待します。なお、あらかじめ再質問は留保いたします。

 まず、出産から未就学児の家族に対する支援についてです。

 本区の出生率は、今年も二十三区で最も高い一・二四であり、今後も再開発に合わせ、子育て世帯の流入が続くと予測されています。その中で、区として真摯に課題に向き合ってきたことは評価いたします。しかし、それでも国が目指す希望出生率一・八、そして人口を維持するために必要な合計特殊出生率二・○七を上回る希望は見えません。その大きな理由の一つに、家賃高騰により居住面積の減少、すなわち部屋が足りない、狭い問題があります。ファミリー世帯の家賃単価上昇率は三年間で一二八・九%になり、とどまるところを知りません。さらに、デベロッパーは、建築価格の高騰による買い控えを防ぐため、新築の物件では一部屋当たりの面積を狭めており、十年間で三LDKの平均面積は七十・七七平米から六十六・一平米に減少しています。都は、この現状を踏まえ、官民連携で二百億のファンドを立ち上げ、子育て世帯が手頃な価格で暮らせるアフォーダブル住宅を供給する計画を打ち出しています。本区でも、子育て世帯のうち、部屋の住み替え等を検討する層に対し、少子化対策の推進のため、住宅補助等を検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 また、子供の第二のおうちとなる保育園選びは大切ですが、現実には、「家から近いから」が選んだ理由の圧倒的一位となっており、特色ある保育や、我が子に合う保育園かどうかという観点があまり重視されておりません。これは、情報が散在し、忙しい中で十分に検討する余裕がないこと、そして保育園探しが入園直前だけに偏りがちであるということが原因です。

 そこで、出産前から保育園に気軽に遊びに行ける仕掛けを積極的に区として支援するべきだと思います。見学や体験の機会を増やすことは、事業者にとっても、特色を理解してもらえる機会の提供につながり、保護者、事業者双方にとって有益な事業だと思いますが、いかがでしょうか。

 さらに、子育て世帯の母親の六七・二%がフルタイム勤務になっていることを踏まえ、より幅広い御家庭に幼稚園の選択肢を示せるようにしていくべきだと考えます。文科省は、令和七年から、保育園と幼稚園、そしてこども園の一体的運用を推進するため、幼児教育の三要領・指針の一体化に向けた検討に踏み切ります。現在、中央区としては、預かり保育の延長等、後ろの時間への矢継ぎ早な対策を進めていますが、併せて朝の登園時間を早める工夫を要望します。これは新たな仕組みではなく、出勤シフトの改善等で十分可能な取組であり、本区として、いま一歩前に進めるべきだと思いますが、教育長の考えをお聞かせください。

 次に、小・中学生に対してです。

 中央区における公教育の質向上の取組については、今年もエデュケーション・アシスタントの新規配置や、別室指導員の小・中学校への全展開など、意欲的に取り組まれていると感じています。他方で、区立小学校卒業児童の半数近くが私立中学校へ進学し、区立中学校に行く生徒もおよそ五○%が私立高校に行く現実を私たちは直視していないと感じます。教育費負担は増す一方で、これも少子化の大きな要因と言わざるを得ません。また、保護者の出勤時間と小学校の開門時間に差があることも大きな課題です。これを解決するために、学校施設のさらなる活用を提言します。

 まず、八王子市、三鷹市、豊島区で既に実施されているように、朝七時半からの始業前の学校を活用し、子供の居場所とすることで、小一の壁を壊していくことを要望します。その際、中央区独自の取組として、民間事業者との連携による効果的なカリキュラムも併せて検討するべきです。例えば、低学年は体力づくり、中学年は読書の支援、高学年は受験等の高度な学習支援などを通し、年齢に応じた環境整備を行うことで、子供の居場所を拡大しながら、区民のニーズに応えることができると思います。これは、単に保護者負担の軽減だけではなく、早起きの習慣化を促進する取組にもなり、生活環境の改善にもつながります。教育委員会として、施設の開放にとどまらず、カリキュラムにも配慮して取り組むよう求めますが、いかがでしょうか。

 さらに、こうした子供の居場所を活用して、夏休みなど長期休みの間、成績上位で学習意欲も高いが、家庭の事情などにより塾等の学習機会が少ない生徒を中心に、民間事業者を活用した夏期講習・冬期講習の提供を行う事業、いわゆる区立塾の展開も検討するべきだと考えます。受験の高度化の是非はありますが、現実として所得と学歴に強い相関性がある現状を打破するために、本区が率先して取り組むべきだと思いますが、教育長の御見解をお示しください。

 そして、給食は子供たちの楽しい時間として、また食育として、ますます重要性を増しています。

 そこで、一つ提言をさせていただきますが、本区の特性を考えると、味の素、明治、カゴメ等の大手メーカーから数多くの有名店まで様々な食のプロフェッショナルの集積があり、彼らとコラボしたメニューをつくり、シティプロモーションの目玉として発信する、このような取組を要望します。これは、給食のわくわく感や満足感を高めるだけではなく、区内商工業の発展にも資する取組であり、一石二鳥です。ぜひ御検討いただければと思いますが、教育長のお考えはいかがでしょうか。

 続いて、青年期から中高年期へのアプローチについてです。

 現在、若年層の賃金上昇が続いていますが、三十代以降については、残念ながら、当面、大幅な賃金上昇は見込めないと考えられます。これは、まだまだ世界情勢、景気動向が予断を許さず、経営側が慎重な姿勢を崩さないからです。この状況で中央区に住み続けるだけの年収を得るために、区として積極的にキャリアアップ、キャリアチェンジの機会を提供していくことも、区に住み続けていただく上で重要な観点だと考えます。具体的には、一定期間、区内に在住してきた人に対し、MBA等の夜間大学院に通う資金の一部を補助するなど、専門性を高める取組を支援することも検討するべきではないでしょうか。個人の年収を増やせば、結果的に区税の増につながる、ウィン・ウィンの関係を築けるはずです。一人一人の生産性を高める支援について、区はいかがお考えでしょうか。

 加えて、日本の中央区として、起業・スタートアップ支援も引き続き強化をしていく必要があります。なぜなら、国民が物価高に打ち勝つ賃金上昇を得るためには、新産業の育成が必須であり、産業育成には高度な企業集積が必要であるためです。中央区は、まさに理想的なイノベーションシティになり得る可能性を秘めています。

 そこで、融資及び補助金中心の金融政策に加え、直接投資という形で企業を支援していく方法を提案します。既に、都は、官民連携インパクトグロースファンドを最大百億円規模で行うことを表明しています。本区でも、同様の取組について研究をしていく時期です。例えば、まちづくり支援基金を活用し、路上喫煙、駐輪場対策といった区の重点課題の解決につながるスタートアップの支援を行い、新たな解決策を生み出すことは、区民福祉のさらなる向上につながると思いますが、いかがでしょうか。官民ファンドの活用について、区の見解を伺います。

 とはいえ、スタートアップは数が多く、業種も様々で、行政が個別具体的に直接目利きし、支援することは極めて難しいと考えます。そこで、一社ずつを個別に支援するのではなく、既に区内事業者でスタートアップ支援に精力的に取り組まれている企業等を支援するという形が、現実的かつ効果的だと思います。今後、区内企業をさらに盛り上げ、発展を支援していくため、官民連携ファンドの活用と併せて、企業支援の在り方について区の考えをお示しください。

 さらに、女性の更年期障害にも目を向けるべきです。

 調査によると、更年期離職による経済損失は六千三百億円にもかかわらず、医療機関を受診する率は九・一%と、大きな乖離があります。誰もが主体的に仕事を楽しめるようにするため、女性であれば誰もが当事者になるこの問題をより啓発し、より早期に医療的ケアにつなげていく必要があると思います。本区では、ブーケ21で実施している女性相談のサイトを見ても、更年期障害に対する具体的記述はありません。月経や妊娠・出産と更年期の課題は世代としても全く別であり、新たなテーマとして強化を検討するべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 続いて、定年退職後を見据えた高齢者に対する支援です。

 国では、高齢者を六十五歳以上と定義しています。しかし、この三十年間で高齢者の体力、気力は大きく変わり、八十歳近くまで変わらず生活できる人が増えています。これは大変喜ばしいことですが、その結果、死別による長期の孤立や介護問題、そして相続問題が大きな課題となっています。この観点から、三点質問いたします。

 まず、中央区の課題として、区内在住の職員が少ないことが挙げられます。これは、緊急時に即応できる人員が少ないことや、当事者感覚の欠如につながるため、改善すべきと考えます。そこで、解決するために、地元の高齢者の方々を区の任期付職員として正規雇用するという方法で在住職員の割合を増やすことを検討いただきたいと思います。特に、人員が逼迫している福祉や土木、教育などにおいて、民間で豊富な経験を有する人材に、まちのために働いていただきながら社会参加につなげることはメリットが大きいと考えますが、いかがでしょうか。

 また、高齢者を支える介護事業者の逼迫は、今後さらに加速していくと考えます。これは、報酬単価が国に定められ、地域により賃金差が少ない中、わざわざ遠方地から本区まで通勤して従事する必要性がないことも一因かと思います。さらに、介護業界の離職者のうち、三年以内に辞めた割合は、介護労働安定センターの調査によると、六五・二%と大変高い数値です。

 そこで、区として既に実施している介護職員初任者研修のみならず、介護職員のキャリアアップに資する資格取得支援等を通し、中長期目線に立って、介護事業者、そして介護人材の生活を支えることも検討するべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 終わりに、終活支援についてです。

 終活は、介護と異なり、緊急性が直ちに生まれないため、後回しにされがちです。ただ、本区のように資産をお持ちの方が多いエリアだからこそ、遺言や相続など、人生の最期を迎える準備へのニーズが高くなっており、行政の支援が必要だと考えますが、本区には相談窓口のようなものは設置されておりません。今後、検討を深めていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。本区の考えをお示しください。

 以上、ライフスタイルに応じた今後の行政支援の方向性について質問をさせていただきました。

 最後に、これらを実際に実現するためには、行政機構も時代の流れに合わせ、変化していく必要があると考えます。

 そこで、緊急に課題対処が必要だと感じる項目四点について、順次お伺いします。

 一点目に、民間並みの職場環境をつくるという点です。

 現在の計画では、職員を増やしていくことが既定路線となっていますが、それに伴い、本庁舎の狭隘化という課題はさらに深刻化すると思います。この問題はいたずらに時をかけても解決するものではなく、政治決断としてトップダウンで考えていかなければならないように思います。区長は、本庁舎の建て替えや移設を含め、本課題をどのように解決しようと考えているのか、その見解を伺います。

 また、魅力ある職場環境とする上で、残業の縮減やリモートワークの推進も、もはや必須と言えます。採用する際、区内民間企業とも競合する点を踏まえ、働きやすい環境整備について、民間実態と同程度の数値目標を設定し、目指していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 二点目に、双方向型の情報公開・情報交換の推進です。

 議会議事録については先般の委員会で申し上げましたが、併せて区長や行政トップが、誰もが見られるプラットフォーム、例えばユーチューブのようなものを活用し、双方向にコミュニケーションを取りながら、まちづくりを進めることが、これからの時代、重要だと考えております。

 なお、この仕組みであれば、在住者以外の声も幅広く取り入れることも可能であり、区を身近に感じていただく一助にもなると思います。区及び区長として積極的な意見交換をリアルタイムで行う考えはありませんか。御教示ください。

 三点目に、採用広報活動のさらなる推進です。

 例えば、来年度より特別区人事委員会の新たな取組として、SPI試験を活用した応募も可能となっていますが、残念ながら、広く認知されるには至っておりません。民間との併願先として、区役所も選択肢の一つになるということを積極的に伝え、採用広報の強化を行い、より多くの方に応募いただく努力を行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 四点目に、選択と集中です。

 人口増による行政需要の拡大はやむを得ない部分もありますが、肥大化による効率性低下は防がなければなりません。特に、事業の改廃について、必要性は理解されていると思いますが、実態として機能していないと感じます。本件について、区長としてどのように向き合っていき、改廃を進めていくのか、考えをお示しください。

 特に、長年、予算額を大きく変更することなく続けている事業に対して、どのように見直しをかけていくのか、具体的な方針をお示しください。

 これをもって第一回目の質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 上田かずき議員の御質問に順次お答えいたします。

 初めに、子育て世帯に対する住み替え支援についてであります。

 近年、燃料や原材料価格に加え、人件費も上昇するなど、様々な要因により住宅価格や家賃が高騰しており、本区もそうした状況にあることは認識しております。現在、区では、住宅に困窮しているひとり親世帯向けの区立住宅のほか、子育て世帯限定ではありませんが、中堅所得層のファミリー世帯向けに区民住宅を確保するなどの支援を行っております。家賃補助などの住み替え支援を行うことは、公平性の課題や個人資産の形成につながることなどから、実施する考えはありませんが、東京都におけるアフォーダブル住宅など、新たな制度の動向を注視し、必要な方への情報提供に努めてまいります。

 次に、保育所の見学機会を増やす取組についてであります。

 認可保育所はそれぞれに特色があり、その選ぶ基準は家庭ごとに異なります。送迎のしやすさも、選択の際に重要な要素の一つであると考えます。こうした中、区では、お子さんや保護者が納得できる保育所選びの一助となるよう、認可保育所が実施する親子向けのイベント情報を集約し、毎月ホームページに掲載するほか、三・四か月児健診の案内にイベント情報に関するチラシを同封し、産後の早い時期から保育所に気楽に遊びに行ける仕組みづくりに努めております。さらに、新年度では、出産を迎える親に育児体験の場を提供する保育所への補助制度を創設いたします。こうした取組は、保育所選びにとどまらず、親の孤立防止や育児不安の解消にもつながることから、今後とも積極的に取り組んでまいります。

 次に、区民の生産性を高める支援についてであります。

 本区では、現在、ひとり親家庭への職業訓練給付金の支給や男女共同参画の促進を図るためのキャリア講座など、地域課題の解決を目的としたキャリアアップ事業を実施しております。しかしながら、広く区民に対して、個人の資産形成及び自己投資に資するようなキャリア支援は、基礎自治体である本区としては、実施することは難しいものと考えております。

 次に、起業・スタートアップ支援についてであります。

 国家戦略として、国際競争力の強化や技術革新の促進に向けた取組があることから、スタートアップ等への支援の重要性は認識しておりますが、特定の企業に対する投資や投機性の高い分野への財政支出は、公共性・公平性の観点から慎重に検討すべきものと考えております。官民ファンドによる直接投資につきましては、国の事例によれば、民間投資を喚起する呼び水としての効果は認められるものの、出資額回収の遅延や累積損失の増加、民業圧迫の懸念など、様々な課題があるものと認識しております。また、スタートアップ支援を行う企業等への支援につきましては、本区では、現在、東京商工会議所中央支部が実施する支援事業に対し、公益性・非営利性に鑑み、イベントへの後援等を行っております。一方、民間企業への直接的な財政支援等については、不当な利益供与とみなされる可能性があるため、熟慮を要すると考えております。区といたしましては、区内のスタートアップ企業等への支援について、今後とも、区内経済団体等の御意見を伺いながら研究してまいります。

 次に、更年期障害への対応についてであります。

 更年期障害は、女性にとって重要な健康課題の一つであり、疲労感や倦怠感、睡眠障害などの更年期特有の症状は生活の質を著しく低下させる場合があるものと認識しております。区では、こうした状況を踏まえ、生活習慣病予防講演会や精神保健講習会において、更年期障害や月経随伴症候群といった女性特有の健康課題をテーマに取り上げるなど、心身の健康増進に向けた普及啓発を推進するとともに、保健所・保健センターで随時相談を受け付けているところであります。区といたしましては、今後も区民の方々が更年期障害を乗り切るために必要な正しい知識の習得と適切な対処ができるよう取り組んでまいります。

 次に、区内在住の高齢者の採用についてであります。

 御提案の任期付職員制度は、専門的な知識や経験を区政に生かす採用方法の一つであり、本区においても、現在、五名が任期付職員として勤務しております。ただし、採用に当たっては、制度上、専門性の習得に相当な時間を要し、適任者を内部で確保することが困難である場合などに限定され、かつ、特別区人事委員会の事前の承認が必要となります。選考手続においても、広く公募した上で、公平公正な競争試験を行うことが求められており、区内在住であることをもって優先的に取り扱うことは難しいものと認識しております。区といたしましては、会計年度任用職員としての採用も含め、区内に在住する有為な人材の確保に努めてまいります。

 次に、介護人材に対する支援についてであります。

 介護人材不足と、これに伴う介護事業所の経営難は全国的に深刻化しており、本区においても、令和四年度に実施した介護保険サービス事業所調査で、七七・三%の事業者が「介護職員が不足している」と回答しております。こうした状況にあって、持続可能な介護保険制度をはじめ、高齢者等への支援の在り方については、一義的には国において将来を見据えて慎重に議論し、その方向性を示すべきものであると考えております。一方、区内事業者の安定的な運営と区民への介護サービス等の適正な提供に関しては、区として可能な限りの対応を尽くすことが重要であると認識しております。そのため、区では、介護職員の離職防止等に寄与するとともに、サービスの質や働く意欲の向上に資する介護サービス従事者向けのスキルアップ研修や在宅療養支援研修などを実施するとともに、東京都が実施している介護福祉士、居宅介護支援専門員などの資格取得費用の補助事業を介護事業者向け情報サイト、ケア倶楽部等により事業者へ周知し、当該事業の活用を促しているところであります。区といたしましては、引き続き国・都と連携を図りながら、中央区介護保険サービス事業者連絡協議会の意見を聞くとともに、来年度実施予定の事業所調査などにおいて、介護事業者とその職員の声をしっかりと捉え、資格取得支援も含めて、本区の実情に即した介護人材の確保・育成・定着に効果的な施策の検討を深めてまいりたいと存じます。

 次に、終活支援についてであります。

 本区においても、年々、ひとり暮らしの高齢者が増加していることや、区への問合せが以前に比べて増加していることなどから、終活への関心は高まっているものと認識しております。区では、現在、亡くなられた場合の葬儀と家財の片づけを行う東京都防災・建築まちづくりセンターのあんしん居住制度や、法務局の自筆証書遺言書保管制度をはじめ、個々の困り事に応じた相談先を御案内しております。また、敬老館において司法書士等の専門家を講師とした講座を実施するほか、すてっぷ中央の相続・遺言についての個別相談会など、様々な機会を捉えて情報提供を行っているところであります。終活に関する専用相談窓口の設置につきましては、人生を自分らしく締めくくるための支援策を推進していく観点からも、来年度実施予定の高齢者の生活実態調査などを活用して、改めて区民の意識やニーズを確認し、幅広く検討してまいりたいと存じます。

 次に、執務スペースの狭隘化への対応であります。

 職員にとって快適な職場環境づくりは、効率的な業務の遂行とともに、人材の確保や定着にもつながる大きな要素であり、ひいては区民サービスの向上に寄与するものであります。現本庁舎における対応として、これまでも京橋図書館移転後のスペースの有効活用などを進めてきたところでありますが、狭隘化の根本的な解決策は本庁舎の再整備であるとの認識に変わりはありません。しかしながら、現在、人口増加に伴う施設需要の対応が優先課題となる中、建設工事費の高騰をはじめ、本区を取り巻く社会経済状況の変化が区財政へ及ぼす影響等を勘案すると、いまだ再整備計画に踏み出すべきタイミングではないと考えております。当面は、将来的な再整備を見据えた執務面積の最適化に向けて、さらなるペーパーレス化の推進やフリーアドレスの導入等を含めた執務環境の在り方の検討など、様々な観点から快適な職場環境づくりに向けた取組を進めてまいります。

 次に、働きやすい環境の整備についてであります。

 区では、職員一人一人が持てる力を十分に発揮し、仕事と家庭生活の調和が実現できる働きやすい職場環境を整備するために、特定事業主行動計画を策定しております。同計画では、超過勤務の縮減や休暇等の取得促進など、主な取組項目について目標値を設定し、毎年、その実績をホームページで公表しております。新年度以降に向けた新たな計画では、これまでの成果を踏まえ、より高い目標設定を行うとともに、職員に親しみやすい取組となるよう、その名称を、中央区職員ワーク・ライフ・バランス推進プランといたしました。また、内容の検討に当たっては、職員アンケートを通じて、働き方に対する意識やニーズを把握し、取組項目への反映に努めたところであります。今後、新たなプランに基づき、より実効性のある取組を推進することにより、働きやすく魅力のある職場環境の実現を目指してまいります。

 次に、双方向型の情報公開・情報交換の推進についてであります。

 積極的な情報公開を通じて行政課題を区民や地域と共有し、互いに意見を交わしながら施策展開を図っていくことは、地域に密着した区政運営を進めていく上で大変重要であると認識しております。区では、これまで、基本計画二○二三の策定に当たり、区の将来を担う若者との意見交換を行うとともに、晴海のまちづくりにおいては、新たなコミュニティ形成に関する議論の場を設けるなど、区政の重要な節目を捉えながら、区民参加の取組を進めてまいりました。また、各施策分野におけるワークショップなど、区民から直接意見や要望を伺う機会を通じて、多様なニーズの把握に努めているところであります。こうした意見交換の場におけるオンラインツールの活用につきましては、時間や場所にとらわれず誰でも自由に参加できる一方で、デジタルディバイドやデジタルリテラシーといった観点からの課題もあるものと認識しております。区といたしましては、互いに顔の見える関係性を築きながら、区民の生の声に耳を傾け、施策に生かす取組を進めてまいりたいと考えております。

 次に、採用広報の強化についてであります。

 区では、将来性のある若い人材を獲得するため、中央区採用情報サイトを開設し、職員を知る、区役所を知る、まちを知る、の三つのテーマに沿って、日々活躍する職員の生の声や区役所での仕事の一日、本区ならではのまちの魅力など、中央区で働くことの魅力や公務員としてのやりがいを感じていただけるような情報を積極的に発信しております。また、職員募集の時期には、SNSを含めた区の広報媒体はもとより、就職情報サイトを活用し、幅広い周知に努めているところであります。近年、新卒者が就職先を選択する際に重視する項目が、仕事の内容や働きがいから、働きやすさや給与等の待遇面に変化してきている状況も踏まえ、こうした観点からの情報発信にも工夫を加える必要があると考えております。今後とも、若年世代の意識の変化を捉えつつ、多くの方が本区で働くことを志望していただけるよう、特別区人事委員会の取組とも連携しながら、多面的な広報活動を展開してまいります。

 次に、事業の改廃についてであります。

 本区では、事業の適切な進行管理を図り、成果を重視した質の高い区政運営を実現するため、行政評価を実施しており、行政評価の過程で明らかになった各事業の課題や方向性を踏まえ、翌年度の事業内容について予算編成を行っているところであります。住民に最も身近な基礎自治体として行っている各種事業は、区民生活に密接に関わる事業であるため、長期にわたり安定的に事業執行しているものと認識しております。引き続き、長年継続している事業はもちろんのこと、いずれの事業につきましても、行政評価等を踏まえて改廃を含めた検討を行い、効果的・効率的な事業執行に努めてまいります。

 私からの答弁は以上であります。

〔教育長 平林治樹君登壇〕

○教育長(平林治樹君)
 教育問題についてお答えします。

 初めに、幼稚園における朝の預かりについてであります。

 幼稚園では、登園時間を定め、各学級における一斉保育を行い、子供たちが社会性を育むための集団活動を実施しております。今般の預かり保育をはじめとする子育て支援策の充実は、近隣区の私立幼稚園や認可外施設へ通う幼児の保護者にとって、区立幼稚園も選択肢の一つとなることを意図しており、保育所や認定こども園と機能分担を図ったものであります。そのため、早朝の保育や常時延長保育を希望される保護者には、三歳から五歳まで定員に余裕のある区立保育所への入園が適切であると考えております。教育委員会では、幼稚園における預かり保育の全園実施や時間延長のニーズを見定めるため、保護者に対してアンケート調査を実施しておりますが、教育時間開始前の預かりについて御意見をいただいていないこともあり、幼稚園の登園時間を早めることは考えておりません。

 次に、学校開放における教育支援についてであります。

 学校の教育時間は、子供の発達段階を十分に考慮して設定されており、子供の生活リズムや体力を踏まえると、早朝の居場所を含めた教育時間の延長には課題があると認識をしております。また、小学校への入学に際して、登校時間が保育園等より遅くなり、保護者の出勤時間に影響する、いわゆる朝の小一の壁と言われている児童の預かりについては、対象となる保育園やこども園等の早朝利用の園児について調査をした結果、午前七時三十分から小学校始業前の時間帯に登園する五歳児の人数は、小学校一校当たり、単純平均でございますけれども、六名程度でございました。そのうち約半数の園児が午前七時五十分以降に登園しており、四歳児、三歳児も同様の傾向であります。こうしたことから、本区の家庭環境は、職住近接のため、他自治体と比較して早朝の居場所に対する需要は限定的であると分析をしており、早朝の学校開放に関しては、慎重に検討する必要があるものと考えております。その一方で、学力向上、体力向上、読書活動などは義務教育において重要な教育施策であります。現在、各学校では、特色を生かし、短時間の活動や休み時間を有効活用する取組が行われており、これらの好事例を基に、より教育効果が高まるカリキュラムの研究に努めてまいります。

 次に、区立塾の展開についてであります。

 義務教育における公立学校の役割は、全ての子供に学習の機会を保障することであり、基礎的な学力の定着のみならず、児童・生徒一人一人の学習意欲を高めながら、確かな学力を育むことであります。教員は、日々、教材の研究を行い、子供にとって学びが深まる授業を実施しているほか、児童・生徒個々の学習の理解度により、放課後や長期休業期間に学習用タブレット等も活用しながら補習を行っております。また、現在、福祉保健部の取組で、家庭の事情等で塾等の学習機会が少ない児童・生徒に、一定の要件を設け、学習会を無料で実施しております。こうしたことから、教育委員会主催の民間事業者を活用した長期休業中の区立塾については、考えておりませんが、引き続き、個別最適な学びや協働的な学びを充実させ、子供たちがこれからの時代を力強く生き抜く真の学力を身につけられるように努めてまいります。

 次に、区内企業等と連携した学校給食についてであります。

 学校給食においては、適切な栄養の摂取はもとより、食に関する正しい理解と望ましい食習慣の定着が図られるよう、食育に関する取組が重要であります。教育委員会では、これらの目標を達成するため、近隣の老舗店舗や企業などの協力により、鮮魚の流通やおいしい食べ方のほか、製作した和菓子の喫食やだしのうまみを生かした給食の献立作成など、既に民間と連携した食育を推進しているところであります。学校給食では、限られた人員で短時間に大量かつ均質に調理する必要があり、アレルギーのある児童にも適切に対応しなければなりません。区内企業等との連携に基づく給食提供に当たっては、こうした条件に合致できる御提案があれば、教育委員会としても検討し、新たな献立として取り入れながら、子供たちへのおいしく楽しい学校給食の提供に取り組んでまいります。

 答弁は以上であります。

〔三番 上田かずき議員登壇〕

○三番(上田かずき議員)
 様々、丁寧な御答弁をありがとうございました。本区における今の考え方、現在地を伺えたこと、感謝申し上げます。

 その上で、一言申し添えさせていただきます。

 冒頭に申し上げたとおり、中央区は、今後、ますます特別な行政区となるでしょう。ですから、安易に他区と比較をし議論することは適切ではないというふうに感じております。中央区には長い歴史と伝統、文化があり、かつては人口減少の危機もありました。その時々の課題を踏まえ、優先順位を決め、独自の政策を考えながら行政を運営されてきたことは、この二年間を通して、よく理解してきたつもりです。

 ただし、これからは生成AIの発展と未曽有の人口減少、都心一極集中により、新たな激動の時代を迎えることになります。変化がより速く、より大きくなっていくでしょう。その中で、行政は組織として時代に順応していく必要があると思います。区民のみならず、中央区に関わる人たちの声をより幅広く真摯に聞きながら、時流を読み、先取りした政策を区民は求めているように感じます。変化しないことがリスクである昨今、とにかく石橋を叩いて渡ることよりもチャレンジを積極的に行うことが、これからの行政に求められることです。ぜひ果敢に、前向きな変化をおそれない姿勢で区政運営に挑んでいただければと要望します。

 最後に、この一般質問をはじめ、様々なタイミングでお力添えをいただいている全ての方々に感謝を申し上げたいと思います。どんな事業にも、その裏側に一人一人の思いがあることを理解し、前向きに未来を紡いでいく、そんな質疑をこれからも意識し、よりよい区政に向けて、微力ながら尽くしてまいります。

 以上で私の一般質問を終わります。御清聴いただき、誠にありがとうございました。(拍手)

○議長(瓜生正高議員)
 以上をもって一般質問を終わります。


○議長(瓜生正高議員)
 次に、日程第二から日程第四までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第二から日程第四までを一括して議題といたします。

〔伊藤議会局長朗読〕


日程第二

 議案第五号 令和六年度中央区一般会計補正予算

日程第三

 議案第六号 令和六年度中央区国民健康保険事業会計補正予算

日程第四

 議案第七号 令和六年度中央区後期高齢者医療会計補正予算


○議長(瓜生正高議員)
 提案理由の説明を願います。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 ただいま一括上程されました議案第五号、第六号及び第七号、令和六年度本区各会計補正予算につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 今回の補正は、一般会計で三億百二十八万二千円の追加、国民健康保険事業会計で二千八十万六千円の追加、後期高齢者医療会計で一千百三十万六千円の減額をするものであります。

 この結果、最終補正後の予算額は、一般会計は一千三百九十三億二千八十九万円、国民健康保険事業会計は百四十四億六千七百五十九万一千円、後期高齢者医療会計は三十七億九千七十七万三千円となるものであります。

 初めに、一般会計補正予算について御説明申し上げます。

 歳入では、国庫支出金、都支出金及び繰入金を減額し、特別区税、特別区交付金、財産収入、寄附金、繰越金及び諸収入を増額いたします。

 次に、歳出についてです。

 企画費及び区民費において、職員の給与費を増額し、議会費、総務費、福祉保健費、環境土木費、都市整備費及び教育費において、職員の給与費を減額いたします。

 そのほか、企画費は、住民情報システムの標準化に要する経費を減額いたします。

 総務費は、ふるさと中央区応援寄附を活用した団体支援、人事給与事務に要する経費のほか、京橋プラザ分庁舎の改修費を減額いたします。

 区民費は、明石町区民館の改修費を減額いたします。

 環境土木費は、水辺環境の整備費及び公衆便所の整備費を減額いたします。

 都市整備費は、市街地再開発事業助成及び住宅・建築物耐震改修等支援事業を減額いたします。

 教育費は、給食費の無償化に要する経費を減額いたします。

 諸支出金は、特別会計への繰出金及び財政積立金を増額いたします。

 また、繰越明許費を四件追加するほか、債務負担行為を一件変更いたします。

 次に、国民健康保険事業会計補正予算について御説明申し上げます。

 歳入は、国民健康保険料を減額し、繰入金及び繰越金を増額いたします。

 歳出は、総務費及び国民健康保険事業費納付金を減額し、諸支出金を増額いたします。

 次に、後期高齢者医療会計補正予算について御説明申し上げます。

 歳入は、繰越金及び諸収入を増額し、繰入金を減額いたします。

 歳出は、諸支出金を増額し、総務費及び広域連合納付金を減額いたします。

 よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について、動議を提出いたします。

 ただいま上程されております議案第五号から議案第七号までは、企画総務委員会に付託されるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決します。


○議長(瓜生正高議員)
 次に、日程第五から日程第十三までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第五から日程第十三までを一括して議題といたします。

〔伊藤議会局長朗読〕


日程第五

 議案第八号 中央区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例

日程第六

 議案第九号 中央区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例

日程第七

 議案第十一号 中央区議会等の求めにより出頭した者等の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

日程第八

 議案第十三号 中央区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例

日程第九

 議案第十五号 中央区職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例

日程第十

 議案第十六号 中央区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例

日程第十一

 議案第十七号 中央区密集街区環境改善まちづくり基金条例

日程第十二

 議案第二十六号 中央区立泰明小学校及び中央区立泰明幼稚園内部改修工事(建築工事)請負契約

日程第十三

 議案第二十八号 中央区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例


○議長(瓜生正高議員)
 提案理由の説明を願います。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 ただいま一括上程されました各議案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第八号、中央区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、引用する条項に項ずれが生じることに伴い、規定を整備するものであります。

 次に、議案第九号、中央区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、超過勤務の免除対象の要件に係る子の範囲の拡大等をするとともに、仕事と介護の両立支援に係る制度を利用しやすい環境の整備について必要な事項を定めるものであります。

 次に、議案第十一号、中央区議会等の求めにより出頭した者等の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、費用弁償の種類及び額を変更するものであります。

 次に、議案第十三号、中央区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、旅費の種類及び額を変更するとともに、日当及び旅費雑費の支給方法の特例に係る規定を削除するものであります。

 次に、議案第十五号、中央区職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、旅費の種類及び額を変更するとともに、支給対象の追加等をするものであります。

 次に、議案第十六号、中央区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、就業手当に係る規定を削除するとともに、地域延長給付を支給する暫定措置を延長するものであります。

 次に、議案第十七号、中央区密集街区環境改善まちづくり基金条例であります。

 本案は、区内における密集街区の環境改善に要する資金を積み立てる目的で、新たに基金を設置するものであります。

 次に、議案第二十六号、中央区立泰明小学校及び中央区立泰明幼稚園内部改修工事(建築工事)請負契約であります。

 本案につきましては、株式会社クリスタルジャパンが落札いたしましたので、契約を締結するものであります。

 最後に、議案第二十八号、中央区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、新たに定年前再任用短時間勤務職員等に対し、住居手当を支給するものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま上程されました議案第八号、議案第九号、議案第十一号、議案第十三号、議案第十五号から議案第十七号まで、議案第二十六号及び議案第二十八号は、企画総務委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、企画総務委員会へ付託いたします。


○議長(瓜生正高議員)
 次に、日程第十四から日程第十六までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第十四から日程第十六までを一括して議題といたします。

〔伊藤議会局長朗読〕


日程第十四

 議案第二十四号 中央区立幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例

日程第十五

 議案第二十五号 中央区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例

日程第十六

 議案第三十号 中央区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例


○議長(瓜生正高議員)
 提案理由の説明を願います。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 ただいま一括上程されました各議案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第二十四号、中央区立幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、超過勤務の免除対象の要件に係る子の範囲の拡大等をするとともに、仕事と介護の両立支援に係る制度を利用しやすい環境の整備について必要な事項を定めるものであります。

 次に、議案第二十五号、中央区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、補償基礎額を改定するものであります。

 最後に、議案第三十号、中央区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、新たに定年前再任用短時間勤務職員等に対し、住居手当を支給するものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま上程されました議案第二十四号、議案第二十五号及び議案第三十号は、区民文教委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、区民文教委員会へ付託いたします。


○議長(瓜生正高議員)
 次に、日程第十七から日程第十九までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第十七から日程第十九までを一括して議題といたします。

〔伊藤議会局長朗読〕


日程第十七

 議案第十九号 中央区指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準等に関する条例の一部を改正する条例

日程第十八

 議案第二十号 中央区地域包括支援センターの職員及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例

日程第十九

 議案第二十九号 中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例


○議長(瓜生正高議員)
 提案理由の説明を願います。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 ただいま一括上程されました各議案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第十九号、中央区指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準等に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、引用する号の細分にずれが生じたことに伴い、規定を整備するものであります。

 次に、議案第二十号、中央区地域包括支援センターの職員及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、地域包括支援センターにおける職員配置を柔軟化できることとするものであります。

 最後に、議案第二十九号、中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、保険料率、賦課限度額及び均等割額から減額する額の改定等をするものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いいたします。

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま上程されました議案第十九号、議案第二十号及び議案第二十九号は、福祉保健委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、福祉保健委員会へ付託いたします。


○議長(瓜生正高議員)
 次に、日程第二十から日程第二十四までを一括して上程いたします。これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、日程第二十から日程第二十四までを一括して議題といたします。

〔伊藤議会局長朗読〕


日程第二十

 議案第十八号 中央区事務手数料条例の一部を改正する条例

日程第二十一

 議案第二十一号 中央区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例

日程第二十二

 議案第二十二号 中央区立公園条例の一部を改正する条例

日程第二十三

 議案第二十三号 中央区立公園における移動等円滑化の基準に関する条例の一部を改正する条例

日程第二十四

 議案第二十七号 特別区道の路線の認定及び変更について


○議長(瓜生正高議員)
 提案理由の説明を願います。

〔区長 山本泰人君登壇〕

○区長(山本泰人君)
 ただいま一括上程されました各議案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。

 まず、議案第十八号、中央区事務手数料条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、建築物エネルギー消費性能適合性判定等の審査に係る事務手数料の額の引上げ等をするとともに、戸籍に記載した事項に関し、無料で証明書の交付を受けることができる者を追加するものであります。

 次に、議案第二十一号、中央区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、道路占用料の額を改定するものであります。

 次に、議案第二十二号、中央区立公園条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、区立公園の使用料及び占用料の限度額を改定するものであります。

 次に、議案第二十三号、中央区立公園における移動等円滑化の基準に関する条例の一部を改正する条例であります。

 本案は、引用する条項に条ずれが生じることに伴い、規定を整備するものであります。

 最後に、議案第二十七号、特別区道の路線の認定及び変更についてであります。

 本案は、「中日第三百三十七号線」の認定等をするものであります。

 以上、よろしく御審議の上、御決定のほどお願いをいたします。

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま上程されました議案第十八号、議案第二十一号から議案第二十三号まで及び議案第二十七号は、環境建設委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、本議案につきましては、環境建設委員会へ付託いたします。


○二十三番(木村克一議員)
 議事進行について動議を提出いたします。

 本日の会議はこの程度とし、ただいま各常任委員会に付託されました議案の審査の関係もありますので、明三月一日から四日までを休会とし、来る三月五日定刻に本会議を開かれるようお諮り願います。

〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 ただいま提出されました動議は賛成者がありますので、成立いたしました。よって、直ちにこれを議題といたします。

 お諮りいたします。ただいまの動議に御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(瓜生正高議員)
 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれにて打ち切り、明三月一日から四日までを休会とし、来る三月五日本会議を開きますから、定刻に御参集願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

午後七時二十三分 散会


署名議員
議長 瓜生 正高
議員 ほづみ ゆうき
議員 海老原 崇智

お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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