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一般質問・答弁の要旨

中央区民クラブ 松川 たけゆき議員

人工知能(AI)時代の教育を問う

 幼少のころ、漫画や映画で見た21世紀の姿は現実のものになっている。登場当初はパソコンより大きかった電卓は、現代では小さく安価になった。携帯電話も手のひらサイズになり、小さなものでは腕時計型へと進化を遂げた。21世紀に入った現代、スマートフォンには携帯電話、数万曲の音楽の入った音楽プレイヤー、携帯ゲーム機、辞書、数千冊の雑誌や書籍など多くの機能がスマートフォン1台で手のひらに収まる時代になり、冷蔵庫や電子レンジなどの白物家電にも通信機器が内蔵され始めた。
このようなテクノロジーの進化で便利な社会になった。こうしたことは今に始まったわけではなく、90年代から始まった第三次産業革命、そして、最近の話題のキーワードでもある人工知能時代、すなわちAIは第四次産業革命と呼ばれている。オックスフォード大学の研究では702の職種のうち約半数の仕事がコンピュータやロボットに変わるとの予想が発表され、世界中に衝撃が走った。専門職の大半は今後AIやロボットに置き換わる時代になる。AIの世界では2045年には技術的特異点(シンギュラリティ)、つまりAIが人間を超える年と言われている。町中にロボットやAI機器が入り込んでいく中、これからはより高度なIT機器の取り扱いが重要で、子供だけでなく、家庭や学校ぐるみで取り組む必要がある。現代の子供たちは大人もびっくりする位デジタル機器の扱いができ、デジタルネイティブと呼ばれている。デジタルネイティブ世代への現在のICT教育の取組及び子供向け、保護者向け、学校教職員向けの取組拡充の方向性は。

教育長 ICTの活用が日常的になっている中、これからの時代を生きる子供たちに必要な資質・能力を育むために、ICT環境を整備し、教育の質を高めていくことが重要。学校ではインターネットやデジタル教科書、電子黒板などICT機器を活用し、情報活用能力を育成するとともに、子供たちの学習への興味・関心を高め、分かりやすい授業の展開に努めている。さらに区内3校を研究校に指定し、タブレット端末を活用した協働型・双方向型の授業を展開し、その効果検証を行っている。今後は研究校での検証も踏まえ、引き続き主体的・対話的で深い学びの実現に向け、ICTを適切に活用した指導方法やプログラミング教育などの思考力・判断力を育成する学習活動について検討を深めていく。さらに、ICT支援員の活用や研修を通し、教員のICT活用指導力を高めるとともに、校務支援システムによる教員間での教材研究も進めていく。なお、今日SNS等が社会問題になっていることから、家庭と連携した情報モラル教育を引き続き進め、家庭でのICTを活用した補完的・発展的な学習についても研究していく。

 現在、本区の人口が力強く伸びる中で、定住率を伸ばすためにも、AI時代を生き抜くための人材育成、教育が必要ではないか。AIが人を超える世界がやってくる中で、ひとつの方向性としてAIができない方向を人が進むのが可能性の一つと考える。今までの教育の取組とは大きく変化をさせなければならないと考えるが、AI時代に対応した教育や中央区としての考え方、見解は。

教育長 科学技術の進歩により人工知能が様々な判断を行い、身近な物の働きがインターネット経由で最適化される時代が到来し、私たちの生活が便利で豊かになるなど、社会の在り方が大きく変わることが予測される。こうした中で、子どもたちが社会的・職業的に自立し、これからの時代をたくましく生き抜いていくためには、あらかじめ正解のない問いや自ら設定した課題に挑戦していくこと、創造性と高い専門性を発揮していくこと、更には感性や思いやりなど、どれほど人工知能が発達しても、人間が優位性を持つ資質・能力を高めていくことが重要である。これまでも学校教育では、確かな学力、豊かな人間性、健康・体力のいわゆる生きる力を育んできた。今後もこれを基盤に、主体的・対話的で深い学びを実現することで、子どもたちが、自ら知識を深めて個性や能力を伸ばし、これからの時代、高い志と意欲をもち、他者と協働しながら新たな創造に挑み、未来を切り拓いていける能力の育成に努めていく。

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お問い合わせ先:区議会議会局調査係 
電話:03-3546-5559

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